説明

抗癌活性を有する光学活性2−(1−ヒドロキシエチル)−5−ヒドロキシナフト[2,3−b]フラン−4,9−ジオンの製法

【課題】ノウゼンカズラ科の植物、タヒボ(Tabebuia avellanedae)の抽出成分として、腫瘍細胞に対して強力な細胞毒性を示すと同時に強力な癌予防効果を有することが知られているNQ801を含む、医薬として有用な下記式(II)で示される光学活性化合物を安価かつ大量に効率良く製造する方法の提供。
【解決手段】2-アセチル-5-ヒドロキシナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオンを不斉ルテニウム錯体および水素供与体の存在下、不斉還元反応する、光学活性体IIの製造方法。


[式中、RはC1−C6アルキルである]

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗癌活性を有する光学活性な2-(1-ヒドロキシエチル)-5-ヒドロキシナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオンを不斉合成法により製造する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ノウゼンカズラ科の植物、タヒボ(Tabebuia avellanedae)は、ブラジルから北アルゼンチンまでの南アメリカを原産とする大木である。本植物は古代インカの時代より知られた伝統的な民間薬であり、その樹皮は利尿薬や収斂薬として利用されてきた。一方、本植物が抗癌、抗真菌、抗菌および抗炎症等の効果を示す医薬資源として着目されたことから、その植物の抽出成分に関する研究が進み、ナフトキノン類、アントラキノン類、ベンゾフラン化合物およびベンゼン誘導体等が単離されている。それらの成分のうち、式(III):
【化1】

で示される2-(1-ヒドロキシエチル)-5-ヒドロキシナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオン(以下、NQ801と称する)は、様々な腫瘍細胞に対して強力な細胞毒性を示すと同時に強力な癌予防効果を有することが知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
NQ801の入手方法としては、上記植物からの抽出が知られている。しかしながら、当該植物を大量に入手することは難しいうえ、その抽出による収率は0.05%と極めて低く(例えば非特許文献1参照)、植物からの抽出法によるNQ801の大量生産は困難である。
【0004】
また、有機合成によるNQ801の製造方法としては、本発明者らにより見出された特開2006−002482号公開公報(特許文献2)に記載の合成方法が知られている。該合成方法は、5-ヒドロキシナフタレン-1,4-ジオン(別名:ユグロン(juglone))から簡便に誘導できる2-アセチル-5-ヒドロキシナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオンを中間体として経由することを特徴とする、NQ801の製造方法である。その製法において、化学品として比較的安価に入手可能なユグロンを出発物質として用いることにより、NQ801を簡便に収率良く合成することができる。しかしながら、このようにして製造されるNQ801はラセミ体の形態で得られるため、光学活性なNQ801を得るためには、さらにそれを光学分割する工程を必要とする。
【特許文献1】特許第2669762号明細書
【特許文献2】特開2006−002482号公開公報
【非特許文献1】上田伸一ら, ファイトケミストリー(Phytochemistry), 1994年, 第36巻, 第2号, p. 323-325
【非特許文献2】野依良治ら, J. Am. Chem. Soc., 1996年, 第118巻, p. 2521-2522
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、上記製法よりも少ない工程で、医薬として有用な光学活性な(S)-2-(1-ヒドロキシエチル)-5-ヒドロキシナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオンを安価かつ大量に効率良く製造する方法が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記特許文献2に記載のNQ801の合成方法における中間体である、式(I):
【化2】

[式中、RはC1-C6アルキルである]
で示される化合物に不斉還元法を適用することにより、光学活性な下記式(II):
【化3】

で示されるNQ801誘導体が高純度かつ高収率で得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、式(I)の化合物を不斉ルテニウム錯体および水素供与体の存在下、野依らの方法(非特許文献2)を用いて不斉還元反応させることにより、ラセミ体を経由することなく、光学活性なNQ801を一工程にて製造することができることを見出した。また、本発明者らは、その絶対配置の決定を行い、該光学活性NQ801が(S)配置を有することを確認した。
【0007】
本発明に用いられる中間体(I)の製造は、本発明者らによる特許文献2に記載の方法に従って行われる。具体的には、まず、1,5-ジヒドロキシナフタレンを酸化して5-ヒドロキシナフタレン-1,4-ジオン(ユグロン)を合成する。該ユグロンをアミノ化し、酸加水分解することにより2-ヒドロキシユグロンに変換し、次いでヒドロフラン化して中間体ケトンをそのジヒドロ体との混合物(1:5)として得る。その混合物を二酸化マンガンで処理し、ジヒドロ体を酸化することにより、該ケトン体(I)を得る。得られるケトン体を野依還元(非特許文献2参照)することにより、高い光学純度を有する光学活性なNQ801を製造する。このようにして得られるNQ801をα-メトキシ-α-(トリフルオロメチル)フェニル酢酸(MTPA)エステルに誘導することにより、その絶対配置を(S)と決定する。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、抗癌活性を有する光学活性な(S)-2-(1-ヒドロキシエチル)-5-ヒドロキシナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオンを安価かつ大量に効率良く製造する方法を提供する。本発明により製造される光学活性なNQ801は、各種癌細胞に対して、マイトマイシンと同程度の細胞毒性を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)第一の具体的態様において、本発明は、式(I):
【化4】

[式中、RはC1-C6アルキルである]
で示される化合物を不斉ルテニウム錯体および水素供与体の存在下、不斉還元することを特徴とする、(S)配置を有する式(II):
【化5】

[式中、Rは前記と同義である]
で示される化合物を製造する方法を提供する。
【0010】
(2)第二の具体的態様において、本発明は、不斉ルテニウム錯体がRu[(S,S)-Tsdpen](p-シメン)、RuCl[(S,S)-Tsdpen](p-シメン)、RuCl[(S,S)-Tsdpen](メシチレン)およびRuCl[(S,S)-Msdpen](p-シメン)からなる群から選択される、(1)記載の方法を提供する。
【0011】
(3)第三の具体的態様において、本発明は、不斉ルテニウム錯体がRu[(S,S)-Tsdpen](p-シメン)である、(2)記載の方法を提供する。
【0012】
(4)第四の具体的態様において、本発明は、水素供与体がギ酸−トリエチルアミン混合物である、(1)記載の方法を提供する。
【0013】
(5)第五の具体的態様において、本発明は、ギ酸−トリエチルアミン混合物の混合比が5:2である、(4)記載の方法を提供する。
【0014】
(6)第六の具体的態様において、本発明は、Rがメチルである、(1)〜(5)のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0015】
(7)第七の具体的態様において、本発明は、不斉還元が溶媒中、室温にて行われる、(1)〜(6)のいずれか一項に記載の方法を提供する。
【0016】
本明細書において、用語「不斉ルテニウム錯体」としては、特に制限されないが、例えば市販されているRu[(S,S)-Tsdpen](p-シメン)(化学名:[(1S,2S)-N-(p-トルエンスルホニル)-1,2-ジフェニルエタンジアミン]-(p-シメン)ルテニウム(II))、RuCl[(S,S)-Tsdpen](p-シメン)(化学名:クロロ[(1S,2S)-N-(p-トルエンスルホニル)-1,2-ジフェニルエタンジアミン]-(p-シメン)ルテニウム(II))、RuCl[(S,S)-Tsdpen](メシチレン)(化学名:クロロ[(1S,2S)-N-(p-トルエンスルホニル)-1,2-ジフェニルエタンジアミン]-(メシチレン)ルテニウム(II))およびRuCl[(S,S)-Msdpen](p-シメン)(化学名:クロロ[(1S,2S)-N-(メタンスルホニル)-1,2-ジフェニルエタンジアミン]-(p-シメン)ルテニウム(II))(いずれも関東化学社製)が挙げられる。好ましくは、Ru[(S,S)-Tsdpen](p-シメン)である。
【0017】
本明細書において、用語「水素供与体」としては、特に制限されないが、例えばアルコール、ギ酸およびギ酸−塩基混合物が挙げられる。好ましいアルコールは、イソ-プロパノールである。好ましいギ酸−塩基混合物は、ギ酸−トリエチルアミン混合物である。好ましいギ酸−トリエチルアミン混合物の混合比は、5:2である。
【0018】
本明細書において、用語「C1-C6アルキル」は、直鎖または分枝鎖のいずれであってもよく、例えばメチル、エチル、n-プロピル、イソ-プロピル、n-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチルおよびn-ヘキシルが挙げられる。好ましくは、メチルである。
【0019】
本明細書において、用語「不斉還元」は、不斉ルテニウム錯体および水素供与体の存在下、ケトンをアルコールに不斉的に還元することを意味する。
【0020】
本発明の製造方法は、特許文献2に記載の中間体(I)の製造工程と合わせて示せば、例えば下記反応式:
【化6】

[式中、RはC1-C6アルキルであり、X1およびX2はそれぞれ独立してハロゲン原子である]
で示される。なお、上記反応式の工程1〜4は、特許文献2に詳細に記載されている。
【0021】
上記反応式の工程1において、式(V)のユグロンをジメチルアミンと反応させて式(VI)の化合物に導く。なお、出発物質の式(V)のユグロンは、例えば東京化成工業株式会社(日本、東京)からも入手可能である。
【0022】
上記反応式の工程2において、式(VI)の化合物を酸水溶液中、加水分解反応に付し、式(VII)の化合物に導く。
【0023】
上記反応式の工程3において、式(VII)の化合物を塩基の存在下、式(VIII)のケトン化合物と反応させて、式(I)の化合物および式(IX)の化合物の混合物(1:5)を得る。
【0024】
上記反応式の工程4において、上記工程3で得られる化合物(I)および化合物(IX)の混合物(1:5)を酸化剤で処理して、化合物(IX)を化合物(I)に導くことができる。
【0025】
上記反応式の工程5の本発明方法により、野依らの非特許文献2に記載の方法に従い、工程4で得られる式(I)のケトン体を野依還元して、高い光学純度(96%ee)を有し、(−)の旋光度を有する光学活性なNQ801を製造する。得られるNQ801にキラル補助剤であるα-メトキシ-α-(トリフルオロメチル)フェニル酢酸(MTPA)を用いることによりジアステレオマーとし、そのNMRスペクトルの化学シフト変化から、絶対配置を(S)と決定する。
【0026】
本発明方法(工程5)における反応溶媒としては、特に制限されないが、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、塩化メチレンまたはアセトニトリルなどの不活性有機溶媒が挙げられる。好ましい反応溶媒は、塩化メチレンである。また、その反応温度および反応時間は、特に制限されないが、通常、0℃から50℃まで、24〜48時間である。
【0027】
以下の参考例、実施例および実験例により本発明を説明するが、本発明はこれらの参考例、実施例および実験例により制限されない。
以下の実施例において、以下の装置等を使用した。
1H核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR):UNITY INOVA 500 (Varian社製)、NMR測定溶媒:CDCl3(内部標準物質:テトラメチルシラン(TMS));
融点測定器:Mp-J3(ヤナコ機器開発研究所)
【0028】
[参考例1]
2-アセチル-5-ヒドロキシナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオンの製造
1)2-ジメチルアミノユグロン(VI)の製造
5-ヒドロキシナフタレン-1,4-ジオン(V)(ユグロン)171 mg(1 mmol)のトルエン5 mL溶液に、ジメチルアミン0.75 mL(THF中2.0M溶液、1.5 mmol)を-40℃にて添加する。-40℃にて1時間撹拌後、ジメチルアミン0.75 mL(THF中2.0M溶液、1.5 mmol)を添加し、-40℃にてさらに30分間撹拌し、次いで溶媒を減圧留去する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/酢酸エチル = 20/1 (v/v))により単離精製して、2-ジメチルアミノユグロン(VI) 104 mg(48%)および3-ジメチルアミノユグロン20 mg(10%)を得る。
【0029】
2)2-ヒドロキシユグロン(VII)の製造
2-ジメチルアミノユグロン(VI) 1.95 g(9 mmol)のジオキサン45 mLの溶液に、10%塩酸10 mLを添加し、30分間加熱還流する。室温まで冷却後、反応液をクロロホルムで抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧留去して、褐色固体として2-ヒドロキシユグロン(VII) 1.67 g(97%)を得る。
【0030】
3)2-アセチル-5-ヒドロキシナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオン(I)および2-アセチル-2,3-ジヒドロ-5-ヒドロキシナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオン(IX)の製造
メチルビニルケトン10.5 g(150 mmol)のペンタン150 mL溶液に、臭素25 g(156 mmol)のペンタン30 mL溶液を-15℃にて加える。-15℃にて10分間撹拌後、溶媒を減圧留去して、無色油状物を得、次いでこれを2-ヒドロキシユグロン(VII) 4.75 g(25 mmol)のTHF250 mL溶液に添加する。これにDBUを0℃にて添加し、室温にて一晩撹拌する。これに10%塩酸を添加し、反応混合液をクロロホルムで抽出する。合わせた有機層を食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、溶媒を減圧留去する。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム/酢酸エチル = 9/1 (v/v))により精製し、1:5の比率で2-アセチル-5-ヒドロキシナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオン(I)および2-アセチル-2,3-ジヒドロ-5-ヒドロキシナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオン(IX)を含有する橙色の固体混合物6.14 g(95%)を得る。この固体混合物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム)により分離して、それぞれ、2-アセチル-5-ヒドロキシナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオン(I)および2-アセチル-2,3-ジヒドロ-5-ヒドロキシナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオン(IX)を得る。
【0031】
4)2-アセチル-5-ヒドロキシナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオン(I)の製造
2-アセチル-2,3-ジヒドロ-5-ヒドロキシナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオン(IX) 0.5 g(1.95 mmol)のクロロホルム50 mL溶液に、二酸化マンガン(アルドリッチ社製、90%活性二酸化マンガン、10ミクロン)10 gを添加し、得られる懸濁液を1日間加熱還流する。室温まで冷却後、混合物を濾過する。濾液を減圧留去し、そして残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム)により精製して、2-アセチル-5-ヒドロキシナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオン(I) 0.26 g(51%)を得る。
【実施例1】
【0032】
(S)-2-(1-ヒドロキシエチル)-5-ヒドロキシナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオンの製造
【化7】

2-アセチル-5-ヒドロキシナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオン128 mg(0.5 mmol)、Ru[(S,S)-Tsdpen](p-シメン) 15 mg(0.025 mmol, 5 mol%)、塩化メチレン5 mLおよびギ酸−トリエチルアミン混合物(5:2)1.3 mlをフラスコに加えた。懸濁した反応液を室温にて24時間撹拌した後、反応溶液を水および10%塩酸水溶液で希釈した。水層をクロロホルムにより2回抽出し、抽出液を水および飽和塩化ナトリウム水溶液で連続的に洗浄した。溶媒を減圧留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル = 2/1)により精製すると黄色結晶として2-(1-ヒドロキシエチル)-5-ヒドロキシナフト[2,3-b]フラン-4,9-ジオン(NQ801)115 mg(89%, 96%ee)を得た。
融点:171〜172℃
旋光度:[α]24D-22.7(c0.58, CH3OH)
液体クロマトグラフィーにより不斉収率を決定した。
96%ee(HPLC, SUMICHIRAL, OA-4500, ヘキサン/イソプロパノール/メタノール = 95/4/1, 1 mL/分, 254 nm, 副成分37.9分および主成分40.9分)。
【0033】
上記のようにして得られた(−)の旋光度を有するNQ801をMTPAエステルに誘導してΔδ(δSR)値を測定することにより、絶対配置を(S)と決定した。以下に、上記NQ801のMTPAエステルについて得られたΔδ値を示す。
【化8】

【0034】
[実験例1]
細胞毒性試験
細胞毒性試験は、ヒト前立腺癌細胞PC-3、ヒト肺癌細胞A-549およびヒト乳癌細胞MCF-7に対して行った(第1表)。
【表1】

上記の結果から、本発明により製造された(S)体NQ801は、各種癌細胞に対してマイトマイシンと同程度の細胞毒性を示した。
【0035】
また、癌予防効果は、Raji細胞を用いたEpstein-Barrウィルス初期抗原(EBV-EA)について検討した(第2表)。
【表2】

なお、第2表中、β-ラパコン(Lapachone)は、3,4-ジヒドロ-2,2-ジメチル-2H-ナフト(1,2-b)ピラン-5,6-ジオンであり、ナフトキノン骨格を有する式:
【化9】

で示される既知の化合物である。
上記の結果から、本発明により製造された(S)体NQ801は、EBV-EA発現を抑制することが明らかとなった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、RはC1-C6アルキルである]
で示される化合物を不斉ルテニウム錯体および水素供与体の存在下、不斉還元することを特徴とする、式(II):
【化2】

[式中、Rは前記と同義である]
で示される化合物を製造する方法。
【請求項2】
不斉ルテニウム錯体がRu[(S,S)-Tsdpen](p-シメン)、RuCl[(S,S)-Tsdpen](p-シメン)、RuCl[(S,S)-Tsdpen](メシチレン)およびRuCl[(S,S)-Msdpen](p-シメン)からなる群から選択される、請求項1記載の方法。
【請求項3】
不斉ルテニウム錯体がRu[(S,S)-Tsdpen](p-シメン)である、請求項2記載の方法。
【請求項4】
水素供与体がギ酸−トリエチルアミン混合物である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
ギ酸−トリエチルアミン混合物の混合比が5:2である、請求項4記載の方法。
【請求項6】
Rがメチルである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
不斉還元が溶媒中、室温にて行われる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。

【公開番号】特開2008−297252(P2008−297252A)
【公開日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−145680(P2007−145680)
【出願日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【特許番号】特許第4077863号(P4077863)
【特許公報発行日】平成20年4月23日(2008.4.23)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 掲載年月日 平成19年 2月 1日 掲載アドレス http://nenkai.pharm.or.jp/127/web/
【出願人】(592198736)タヒボジャパン株式会社 (4)
【Fターム(参考)】