説明

抗腫瘍壊死因子アルファ(TNF)治療に対する応答性の予想のためのバイオマーカー

本発明は、抗TNF治療に対する応答性を評価するための、抗腫瘍壊死因子アルファ(TNFα又はTNF)治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法であって、該患者の体液又は排泄物において1以上のバイオマーカータンパク質に対する(複数)の免疫グロブリンを検出すること、及び該(複数の)免疫グロブリンの検出に基づいて個体を二つのカテゴリーの1つに分類することを含み、個体は、非応答者又は応答者として分類される、方法に関する。本発明は、該1以上のバイオマーカータンパク質を含む診断キット、及び抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体の抗TNF治療に対する応答性を評価するためのこれらのキットの使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抗TNF治療に対する応答性を評価するための、抗腫瘍壊死因子アルファ(anti-tumour necrosis factor alpha)(TNFα又はTNF)治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体(individual)を診断する方法であって、該患者の体液又は排泄物における1以上のバイオマーカータンパク質に対する(複数の)免疫グロブリンを検出すること、及び、個体が非応答者又は応答者として分類される、該免疫グロブリンの検出に基づいて個体を二つの分類のうちの一つに分類すること、を含む方法に関する。本発明は、該1以上のバイオマーカータンパク質を含む診断キット、及び、抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体の抗TNF治療に対する応答性を評価するための、これらキットの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
リウマチ性疾患は、最も一般的な慢性炎症性疾患である。ドイツのみでも、百万人の患者が、関節リウマチ(RA)、脊椎関節症(SpA)、及び全身性エリテマトーデス(SLE)のような全身性自己免疫疾患を含む、免疫介在性リウマチ性疾患を罹患しており、同時に、さらに五百万の人が、活動期には炎症過程でまた占められる主な変形性関節疾患である変形性関節症(OA)を有している。関節リウマチは、激しい痛み、機能の損失、及び生活の質の重篤な障害に繋がる。個々の患者に対するこれらの有害な結果に加え、年間、ドイツにおいて、約200億ユーロの直接的及び間接的なコストに繋がる、著しい社会経済上の衝撃がある。人工統計上の発展は、明らかに、リウマチ性疾患は、次の10年で劇的に増加し、循環器疾患及び癌と同等の重要性を有するであろうことを示している。既に現在、リウマチ性疾患は、一般開業医の医院を訪れる患者の数を占め、休職及び時期尚早な病弱(premature invalidity)の主な原因である。関節炎及び骨疾患の多大な影響の認識において、世界保健機関は、現在の10年は「骨及び関節疾患の10年」であると発表した。
【0003】
関節リウマチための治療の範囲としては、メトトレキサート(Methotrexate;MTX)等の標準疾患修飾性抗リウマチ薬(Disease Modifying Anti-rheumatic Drugs;DMARDs)及びTNF阻害剤/拮抗剤等の生物学的製剤に基づいたものが利用可能である。慢性的に上昇したTNFレベルは、関節リウマチにおける病原性成分として示されている。TNF阻害剤は、溶解性及び細胞膜関連型のTNFαに結合し、TNFαのTNF−RI/II細胞表面受容体への結合を阻止することによって、TNFαの炎症誘発効果を中和する生物学的製剤である。TNFa阻害生物学的製剤は、例えば、治療抗体(アダリムマブ(Adalimumab)(登録商標)及びインフリキシマブ(Infliximab)(登録商標))及び溶解性受容体コンストラクト(エタネルセプト(Etanercept)(登録商標))を含む。これらの生物学的製剤は、活動性関節リウマチを治療するために現在使用され、これらの全ては、当該疾患の兆候及び症状を効果的に緩和し、X線写真上の関節障害の進行を阻止する。現在、ドイツにおける〜10%の患者が、しかし、スカンジナビアの国々において最大30%が、TNF−α阻害剤を用いて治療されており、その数は継続的に増えている。抗TNF−α抗体(アダリムマブ(Adalimumab)(登録商標);ヒュミラ(Humira))は、関節リウマチ治療の現行の使用における全ての生物学的製剤の90%を計上する。
【0004】
しかしながら、関節リウマチ患者の70%だけが抗TNFαを用いた治療から利益を受けているが、30%(2006年ドイツにおける〜10.000患者)が非応答者のままである。抗TNFα治療は、ドイツにおいて、現在、〜20.000ユーロの費用を要しており、したがって、不成功の治療のコストは、ドイツのみで年間200ミオ(Mio)ユーロを占めている。
【0005】
関節リウマチの次に、慢性的に上昇したTNFレベルは、多くのほかの疾患状態、乾癬、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、クローン病、潰瘍性大腸炎等の主な自己免疫性状態における病原性成分として示されている。
【0006】
現在、治療の前に、抗TNF剤(例えば、TNF拮抗剤/阻害剤)を用いた治療の結果を予想できるバイオマーカーで利用可能なものは皆無である。治療中及び治療後におけるリウマチ因子の全てのアイソタイプレベルの減少のみが、当該治療の陽性反応及び結果に関係している(非特許文献1参照)。しかし、関節リウマチの患者の血清における高レベルのIgAリウマチ因子が、抗TNFα抗体を用いた治療に対する臨床反応不良のリスクにおける患者のサブグループを識別するために示唆されている(非特許文献1、2、3を参照)。治療効果の予測因子として示唆されている抗CCP抗体の性状は、意見が分かれている(非特許文献1,3及び4を参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】バン・ラー・ジェーエム、ネイチャー・クリニカル・プラクティス・リウマトロジー、2007年10月; 3(10):544-5. PMID: 17726429(van Laar JM. Nat Clin Pract Rheumatol. 2007 Oct; 3(10):544-5. PMID: 17726429)
【非特許文献2】ボビオ−パラビシニ・エフら、リウマチ性疾患論集、2007年3月; 66(3):302-7. PMID: 17079248(Bobbio-Pallavicini F. et al. Ann Rheum Dis. 2007 Mar; 66(3):302-7. PMID: 17079248)
【非特許文献3】ボビオ−パラビシニ・エフら、ニューヨーク科学アカデミー論集、2007年8月; 1109:287-95. PMID: 17785317(Bobbio-Pallavicini F. et al. Ann N Y Acad Sci. 2007 Aug; 1109:287-95. PMID: 17785317)
【非特許文献4】ブラウン−モスコビシ・ワイら、ジャーナル・オブ・リウマトロジー、2006年3月;33(3):497-500. PMID: 16511906(Braun-Moscovici Y et al. J Rheumatol. 2006 Mar;33(3):497-500. PMID: 16511906)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
このように、当該技術分野において、治療前及び治療中に抗TNFα治療の結果を予想することができるマーカーの必要性がある。抗TNFα治療を受けようとする、又は受けている患者の層別化、及び抗TNFα治療の応答者と非応答者とを区別することの必要性がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の主題は、抗TNFα治療前、治療中及び/又は治療後に、抗TNF治療に対する応答性を評価するための、抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法であって、
a.該患者の体液又は排泄物において、抗TNF治療前、治療中及び/又は治療後に抗TNF治療に対する応答性の指標となる1以上のバイオマーカータンパク質に対する(複数の)免疫グロブリンを検出すること、
b.該免疫グロブリンの検出に基づいて個体を応答者又は非応答者に分類すること、
を含む方法である。
【0010】
このように、本発明は、治療中及び/又は治療後に加えて、治療前に、抗TNFα治療の結果を予測できるマーカーを初めて提供する。抗TNFアルファ治療は、TNF阻害剤、例えば、TNF拮抗剤の投与により行われてもよい。これらのマーカーは、IgAリウマチ因子に関連しない。本発明によるマーカーは、以下に詳細に説明されるように、応答者又は非応答者のいずれであっても指標となることができる。応答性は、治療前に評価されることが好ましい。
【0011】
本発明の主題は、抗TNF治療に対する応答性を評価するための、抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法であって、
該患者の体液又は排泄物において、1以上のバイオマーカータンパク質に対する(複数の)免疫グロブリンを検出することを含み、バイオマーカータンパク質はRAB11B、PPP2R1A、KPNB1、COG4及びFDFT1を含む群から選択される遺伝子によってコードされる発現産物であり、該(複数の)免疫グロブリンの少なくとも一つに対して陽性である個体は非応答者として分類される、方法である。
【0012】
上記に特定される方法の好ましい実施形態では、個体は、該(複数の)免疫グロブリンの検出に基づいて二つのカテゴリーのうちの一つに分類され、該(複数の)免疫グロブリンの少なくとも一つに対して陽性である個体は非応答者として分類され、該検出される(複数の)免疫グロブリンのいずれに対しても陰性である個体は応答者として分類される。
【0013】
本発明の方法の好ましい実施形態では、上記タンパク質マーカー群のバイオマーカータンパク質のうちの少なくとも二つが検出され、バイオマーカータンパク質は、RAB11B、PPP2R1A、KPNB1、COG4及びFDFT1(タンパク質セット1=RAB11B、PPP2R1A、KPNB1、COG4及びFDFT1)を含む群から選択される遺伝子によってコードされる発現産物である。本発明の他の好ましい実施形態では、遺伝子RAB11B、PPP2R1A、KPNB1、COG4及びFDFT1によってコードされる少なくとも発現産物が検出される。別の好ましい実施形態では、RAB11B、PPP2R1A、KPNB1、COG4及びFDFT1遺伝子によってコードされる発現産物のみが検出される。他の好ましい実施形態では、遺伝子RAB11B、PPP2R1A、KPNB1、COG4及びFDFT1によってコードされる発現産物のそれぞれが唯一、検出される。
【0014】
本発明による、抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法の他の好ましい実施形態では、バイオマーカータンパク質群は、PECI、CTNND2、NSMCE1、KTELC1、HS6ST1、ARMC6、TH1L,PSME1、GPC1、EDC4(タンパク質セット2)を含む群から選択される遺伝子によってコードされる少なくとも一つのほかの発現産物をさらに含み、全体の群1及び2(タンパク質セット1及び2)のタンパク質のうちの少なくとも一つが検出される。本発明の好ましい実施形態では、タンパク質セット1からの少なくとも一つのタンパク質が検出され、さらに、タンパク質セット2の少なくとも一つが検出される。他の好ましい実施形態では、タンパク質セット1の少なくとも二つのタンパク質、及びさらにタンパク質セット2の少なくとも一つが検出される。他の好ましい実施形態では、タンパク質セット1及びタンパク質セット2が検出される。
【0015】
他の好ましい実施形態では、前述のマーカータンパク質の組合せに加えて、タンパク質セット3の一部が検出され、タンパク質セット3は、遺伝子PRC1、NAT6、EEF1AL3、NP_612480.1、PLXNA2、ELMO2及びNDUFS2によってコードされる発現産物を含む。
【0016】
本発明の別の好ましい実施形態では、抗TNFα治療前、治療中及び/又は治療後に、抗TNF治療に対する応答性を評価するための、抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法ために、少なくとも二つのマーカータンパク質がタンパク質セット1、2及び3からのマーカーを含む群から選択される。これは、この実施形態では、少なくとも二つのマーカーが、RAB11B、PPP2R1A、KPNB1、COG4、FDFT1、PECI、CTNND2、NSMCE1、KTELC1、HS6ST1、ARMC6、TH1L,PSME1、GPC1、EDC4、PRC1、NAT6、EEF1AL3、NP_612480.1、PLXNA2、ELMO2及びNDUFS2を含む群から選択されることを意味する。
【0017】
他の好ましい実施形態では、少なくとも三つのマーカータンパク質が選択され、より好ましくは4つ又は5つのタンパク質マーカーである。
【0018】
本発明によれば、本発明のバイオマーカータンパク質は、上述の遺伝子によってコードされるタンパク質のペプチド、タンパク質断片、全長又はスプライスバリアント又は合成的に修飾された誘導体又は翻訳後修飾型であってもよい。好ましくは、該タンパク質断片は、9個のアミノ酸より多い長さ、より好ましくは少なくとも12個又は12個のアミノ酸より多い長さを有する。タンパク質の修飾は、これらに限定されるものではないが、脱イミノ化、脱アミド化、及び/又はトランスグルタミネーションであってもよい。さらに、それらは、遺伝子内の不正確な読み枠に由来する発現産物である人工的なポリペプチドであることもできる。そのような遺伝子内の不正確な読み枠に由来する発現産物の一例が、図122に示され、それは、HS6SP1遺伝子の不正確な読み枠に由来するタンパク質配列である。もう一つの例が図121に示され、C20orfl149遺伝子の不正確な読み枠に由来するタンパク質配列である。さらにもう一つの例が図120に示され、それは、IRAK1遺伝子の不正確な読み枠由来のタンパク質配列である。
【0019】
このことは、本願との関連において、例えば、IRAK1が言及された場合、それは、IRAK1のペプチド、タンパク質断片、全長又はスプライスバリアント又は合成的に修飾された誘導体及び/又は翻訳後修飾型、及び/又はIRAK1遺伝子の不正確な読み枠に由来するタンパク質配列に関係する。
【0020】
バイオマーカータンパク質は、また、前記遺伝子によってコードされるタンパク質のペプチド、タンパク質断片、人工ポリペプチド、全長又はスプライスバリアント、合成的に修飾された誘導体又は翻訳後修飾型等のそれらの変異体を包含し、これら変異体が、本質的に、本発明の課題であるバイオマーカータンパク質として各免疫グロブリンによって認識される同じ能力を呈することを特徴とする。
【0021】
特に、本発明によれば、各免疫グロブリンへの結合に関係する配列が、配列番号59〜122に定義されるバイオマーカータンパク質の結合に関係する配列に対して、アミノ酸レベルで、少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%の範囲の配列同一性を示すバイオマーカータンパク質のほか、同じ能力を呈するそれらのペプチド、タンパク質断片、全長又はスプライスバリアント、合成的に修飾された誘導体又は翻訳後修飾型も包含される。
【0022】
本発明との関連において、遺伝子のDNA配列は、タンパク質コード配列(CDS)又は全てのそのスプライスバリアントを表すために必要な遺伝子の全てのエクソン、及び5’非翻訳領域(UTR)及び3’UTRを表すエクソンを含むことによって定義される。
【0023】
本発明によれば、前述のバイオマーカータンパク質をコードする全てのDNA配列が包含される。
【0024】
特に、本発明によれば、さらに、結合領域に関与する領域をコードする配列に関する、配列番号1〜58に定義される結合領域に関与する領域をコードするDNA配列に対して、核酸レベルで少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、より好ましくは少なくとも95%の範囲の配列同一性を示すDNA配列及びそれらの断片であって、本発明によるバイオマーカーをコードする断片が包含される。
【0025】
バイオマーカータンパク質及び該バイオマーカータンパク質をコードする遺伝子の前述の定義は、本発明の一つ一つの実施形態、いずれの特定の方法、キット等に適用される。
【0026】
二つの配列間のパーセント同一性の決定は、カーリン及びアルチャル(1993)米国科学アカデミー紀要90: 5873-5877(Karlin and Altschul (1993) Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90: 5873-5877)の数学アルゴリズムを用いて達成される。このようなアルゴリズムは、アルチャルら(1990)、ジャーナル・オブ・モレキュラーバイオロジー、215: 403-410(Altschul et al. (1990) J. Mol. Biol. 215: 403-410)のブラストN(BLASTN)及びブラストP(BLASTP)プログラムに導入されている。ブラスト(BLAST)ヌクレオチド検索は、核酸をコードする変異体ポリペプチドに相同であるヌクレオチド配列を獲得するために、ブラストNプログラム、スコア=100、ワード長=12を用いて行ってもよい。ブラスト(BLAST)タンパク質検索は、それぞれ、変異体ポリペプチドに相同であるアミノ酸配列を獲得するために、ブラストPプログラム、スコア=50、ワード長=3を用いて行われる。比較目的のためにギャップ付アラインメントを獲得するためには、アルチャルら(1997) 核酸リサーチ25: 3389-3402(Altschul et al. (1997) Nucleic Acids Res. 25: 3389-3402)に記載されるように、ギャップ付きブラスト(Gapped BLAST)が利用される。ブラスト及びギャップ付きブラストプログラムを利用する場合、各プログラムのデフォルト・パラメーターが使用される。
【0027】
検出されるべき(複数の)免疫グロブリンは、IgA、IgD、IgG及びIgMから選択されてもよい。好ましい実施形態では、検出されるべき(複数の)免疫グロブリンは、IgA又はIgGである。最も好ましい実施形態では、免疫グロブリンはIgAである。検出されるべき(複数の)免疫グロブリンは、IgAリウマチ因子に関係しない。
【0028】
他の好ましい実施形態では、抗TNFα治療前、治療中及び/又は治療後に、抗TNF治療に対する応答性を評価するために、一部のバイオマーカータンパク質が使用されてもよい。
【0029】
各セットのタンパク質は、治療前の応答性を予測することができるだけでなく、治療中も予測可能である。このように、セットの一つ以上のタンパク質に基づいた診断アッセイは、事前に、治療の決定及び抗TNF治療応答者及び非応答者の識別について、臨床医を支援するだろう。
【0030】
評価されるべき、個体からの体液及び/又は排泄物は、血液、唾液、涙液、滑液、髄液、血漿、尿及び糞便を含む群から選択されてもよい。
【0031】
抗TNFα治療を受けようとする、又は受けている個体は、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、脊椎関節症、関節リウマチ等の自己免疫性状態を罹患するものであってもよい。
本発明の方法は、特に、関節リウマチを罹患している個体に適している。
【0032】
本発明の主題は、さらに、一以上のバイオマーカータンパク質を含む、抗TNF治療に対する応答性を評価するための、抗TNFα治療を受けようとする、又は受けている個体を診断するためのキットであって、バイオマーカータンパク質はRAB11B、PPP2R1A、KPNB1、COG4及びFDFT1を含む群から選択される遺伝子によってコードされる発現産物である、キットである。好ましい実施形態では、キットは、RAB11B、PPP2R1A、KPNB1、COG4及びFDFT1を含む群から選択される遺伝子によってコードされる少なくともそれらのタンパク質を含む。
【0033】
本発明のキットの好ましい実施形態では、タンパク質マーカー群のうち少なくとも二つのバイオマーカータンパク質が検出され、バイオマーカータンパク質は、RAB11B、PPP2R1A、KPNB1、COG4及びFDFT1(タンパク質セット1=RAB11B、PPP2R1A、KPNB1、COG4及びFDFT1)を含む群から選択される遺伝子によってコードされる発現産物である。本発明のキットの別の好ましい実施形態では、RAB11B、PPP2R1A、KPNB1、COG4及びFDFT1遺伝子によってコードされる少なくとも一つの発現産物が検出される。別の実施形態では、RAB11B、PPP2R1A、KPNB1、COG4及びFDFT1遺伝子によってコードされる発現産物のみが検出される。他の好ましい実施形態では、RAB11B、PPP2R1A、KPNB1、COG4及びFDFT1遺伝子によってコードされる発現産物のそれぞれが唯一、検出される。
【0034】
本発明による抗TNFα治療を受けようとする、又は受けている個体を診断するためのキットの別の好ましい実施形態では、バイオマーカータンパク質群は、PECI、CTNND2、NSMCE1、KTELC1、HS6ST1、ARMC6、TH1L,PSME1、GPC1、EDC4(タンパク質セット2)を含む群から選択される遺伝子によってコードされる少なくとも一つのほかの発現産物をさらに含み、全体の群1及び2(タンパク質セット1及び2)のタンパク質のうちの少なくとも一つが検出される。本発明の好ましい実施形態では、タンパク質セット1からの少なくとも一つのタンパク質が検出され、さらに、タンパク質セット2の少なくとも一つが検出される。他の好ましい実施形態では、タンパク質セット1のタンパク質のうちの少なくとも二つ、及びさらにタンパク質セット2の少なくとも一つが検出される。他の好ましい実施形態では、タンパク質セット1及びタンパク質セット2が検出される。
【0035】
他の好ましい実施形態では、前述のマーカータンパク質の組合せに加えて、タンパク質セット3の一部が検出され、タンパク質セット3は、PRC1、NAT6、EEF1AL3、NP_612480.1、PLXNA2、ELMO2及びNDUFS2遺伝子によってコードされる発現産物を含む。
【0036】
当該キットの別の好ましい実施形態では、バイオマーカータンパク質群は、PECI、CTNND2、NSMCE1、KTELC1、HS6ST1、ARMC6、TH1L,PSME1、GPC1、EDC4、PRC1、NAT6、EEF1AL3、NP_612480.1、PLXNA2、ELMO2及びNDUFS2遺伝子によってコードされる少なくとも一つの発現産物をさらに含む。
【0037】
本発明の別の好ましい実施形態は、少なくとも二つのバイオマーカータンパク質を含む、抗TNF治療に対する応答性を評価するための、抗TNFα治療を受けようとする、又は受けている個体を診断するためのキットであって、バイオマーカータンパク質はRAB11B、PPP2R1A、KPNB1、COG4、FDFT1、PECI、CTNND2、NSMCE1、KTELC1、HS6ST1、ARMC6、TH1L,PSME1、GPC1、EDC4、PRC1、NAT6、EEF1AL3、NP_612480.1、PLXNA2、ELMO2及びNDUFS2を含む群から選択される遺伝子によってコードされる発現産物であるキットである。
【0038】
上記に概略したように、本発明の主題は、マーカーが非応答者を識別するために検出され使用される方法である。本発明のさらなる実施形態は、これらの(複数の)マーカーの検出が応答者の指標となる、(複数の)マーカーの提供である。
【0039】
このように、本発明の主題は、抗TNF治療に対する応答性を評価するための、抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法であって、
該患者の体液又は排泄物において、1以上のバイオマーカータンパク質に対する(複数の)免疫グロブリンを検出することを含み、バイオマーカータンパク質はIRAK1及びC20orf149を含む群から選択される遺伝子の不正確な読み枠(reading frame)における発現産物から推定される人工ペプチドであり、該(複数の)免疫グロブリンの少なくとも一つに対して陽性である個体は応答者として分類される、
方法である。
【0040】
上記に示した方法の好ましい態様では、個体は、該(複数の)免疫グロブリンの検出に基づいて二つのカテゴリーのうちの一つに分類され、該免疫グロブリンの少なくとも一つに対して陽性である個体は応答者として分類され、該検出される(複数の)免疫グロブリンのいずれに対しても陰性である個体は非応答者として分類される。
【0041】
本発明の抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法の好ましい態様では、バイオマーカータンパク質群は、PSCD2L及びPPIAを含む群から選択される遺伝子によってコードされる少なくとも一つの他の発現産物をさらに含む。
【0042】
別の好ましい実施形態では、バイオマーカー群の全ての要素が検出され、当該群は、遺伝子の不正確な読み枠における発現産物から推定される人工ペプチドも、IRAK1及びC20orf149、並びにPSCD2L及びPPIA遺伝子によってコードされる発現産物も含む。
【0043】
検出される(複数の)免疫グロブリンは、IgA、IgD、IgG及びIgMから選択されても良い。好ましい実施形態では、検出される(複数の)免疫グロブリンは、IgA又はIgGである。最も好ましい実施形態では、免疫グロブリンはIgGである。検出される(複数の)免疫グロブリンは、IgAリウマチ因子には関係していない。
【0044】
本発明の方法の主題は、抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法であって、該(複数の)免疫グロブリンがIgA及び/又はIgGである方法である。抗TNF治療に対する応答性を評価するための、抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法であって、該(複数の)免疫グロブリンの少なくとも一つに対して陽性である個体は応答者として分類される方法の下では、IgGが特に好ましい。
【0045】
各セットのタンパク質は、治療前の応答性を予測することができるだけでなく、治療中も予測可能である。このように、セットの一つ以上のタンパク質に基づいた診断アッセイは、事前に、治療の決定及び抗TNF治療応答者及び非応答者の識別について、臨床医を支援するだろう。
【0046】
評価されるべき、個体からの体液及び/又は排泄物は、血液、唾液、涙液、滑液、髄液、血漿、尿及び糞便を含む群から選択されてもよい。
【0047】
抗TNFα治療を受けようとする、又は受けている個体は、クローン病、潰瘍性大腸炎、乾癬、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、脊椎関節症、関節リウマチ等の自己免疫性状態を罹患するものであってよい。
本発明の方法は、特に、関節リウマチを罹患している個体に適している。
【0048】
本発明の主題は、また、1以上のバイオマーカータンパク質を含む、抗TNF治療に対する応答性を評価するための、抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断するためのキットであって、バイオマーカータンパク質が、IRAK1及びC20orf149を含む群から選択される遺伝子の不正確な読み枠における発現産物から推定される人工ペプチドであるキットである。
【0049】
本発明の抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断するためのキットの好ましい実施形態では、バイオマーカータンパク質群は、PSCD2L及びPPIAを含む群から選択される遺伝子によってコードされる少なくとも一つの他の発現産物をさらに含む。
【0050】
別の好ましい実施形態では、バイオマーカー群の全ての要素が検出され、当該群は、遺伝子の不正確な読み枠における発現産物から推定される人工ペプチドも、IRAK1及びC20orf149、並びにPSCD2L及びPPIA遺伝子によってコードされる発現産物も含む。
【0051】
本発明の別の実施形態では、本発明によるキット及び方法は、例えば、自己免疫疾患のための1以上の公知の診断マーカーをさらに含んでも良い。好ましい実施形態では、当該キットは、また、関節リウマチのための他の公知の診断マーカーを含んでも良い。
【0052】
上記タンパク質、タンパク質セット/キットは、当業者に知られる異なるアッセイの種類で実施されても良い。
【0053】
検出される免疫グロブリンは、血液、唾液、涙液、滑液、髄液、血漿、尿、糞便等の体液及び排泄物の中に存在するか、又はそれら体液及び排泄物から分離される。
【0054】
診断アッセイは、
−酵素反応
−発光
−蛍光
−放射性化学物質
に基づいたアッセイ方法に限定されないが、これらを含む、診断分野において適用されるいかなる種類でもあることができる。
【0055】
好ましい検出方法は、試験紙によるテスト、ラジオイムノアッセイ、化学発光免疫測定法、蛍光免疫測定法、免疫ブロット分析、酵素免疫吸着測定法(ELISA)、ルミネックスによるビードアレイ(Luminex-based bead arrays)、及びタンパク質マイクロアレイ測定法(protein microarray assay)を含む。
【0056】
アッセイタイプは、さらに、マイクロタイタープレートに基づくもの、チップに基づくもの、ビーズに基づくものであることができ、バイオマーカータンパク質は、その表面に付着することもでき、あるいは溶液中に存在することもできる。
【0057】
アッセイは、均一系又は不均一系アッセイ、サンドウィッチアッセイ、競合及び非競合アッセイであることができる(免疫学的測定法ハンドブック、イーディ.デービッド・ワイルド、エルセビア社、オックスフォード;第3版(2005年5月)ISBN-13: 978-0080445267;ハルツチグ・シーら、カレント・オピニオン・ケミカルバイオロジー、2006年2月;10(1):4-10. PMID: 16376134(The Immunoassay Handbook, Ed. David Wild, Elsevier LTD, Oxford; 3rd ed. (May 2005), ISBN-13: 978-0080445267; Hultschig C et al., Curr Opin Chem Biol. 2006 Feb;10(1):4-10. PMID: 16376134))。
【0058】
TNFα治療は、必要とされる個体へのTNF阻害剤の投与によって行われる。TNF阻害剤は、溶解性かつ細胞膜関連型のTNFαに結合する生物学的製剤であり、TNFαのTNF−RI/II細胞表面受容体への結合を回避することにより、TNFの炎症誘発効果を中和する。TNF阻害剤は、抗TNFα抗体又は受容体分子であることができるし、他の種類であることもできる。本発明によるTNF阻害剤の本質的要素は、細胞上のTNF受容体にTNFが結合する前に、TNFを捕捉する能力である。
【0059】
本発明の主題は、また、抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体の抗TNFα治療に対する応答性を評価するための、本発明による、バイオマーカータンパク質及び/又はタンパク質セット、並びにこれらのバイオマーカータンパク質及び/又はタンパク質セットを含むキットの使用である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】RAB11B遺伝子(表1、No.1)のDNA配列である配列番号1を示す。
【図2】PPP2R1A遺伝子(表1、No.2)のDNA配列である配列番号2を示す。
【図3】PPP2R1A遺伝子(表1、No.2)のDNA配列である配列番号3を示す。
【図4】KPNB1遺伝子(表1、No.3)のDNA配列である配列番号4を示す。
【図5】COG4遺伝子(表1、No.4)のDNA配列である配列番号5を示す。
【図6】COG4遺伝子(表1、No.4)のDNA配列である配列番号6を示す。
【図7】COG4遺伝子(表1、No.4)のDNA配列である配列番号7を示す。
【図8】COG4遺伝子(表1、No.4)のDNA配列である配列番号8を示す。
【図9】FDFT1遺伝子(表1、No.5)のDNA配列である配列番号9を示す。
【図10】PECI遺伝子(表1、No.6)のDNA配列である配列番号10を示す。
【図11】PECI遺伝子(表1、No.6)のDNA配列である配列番号11を示す。
【図12】PECI遺伝子(表1、No.6)のDNA配列である配列番号12を示す。
【図13】PECI遺伝子(表1、No.6)のDNA配列である配列番号13を示す。
【図14】PECI遺伝子(表1、No.6)のDNA配列である配列番号14を示す。
【図15】CTNND2遺伝子(表1、No.7)のDNA配列である配列番号15を示す。
【図16−1】CTNND2遺伝子(表1、No.7)のDNA配列である配列番号16を示す。
【図16−2】CTNND2遺伝子(表1、No.7)のDNA配列である配列番号16を示す。
【図17】NSMCE1遺伝子(表1、No.8)のDNA配列である配列番号17を示す。
【図18】NSMCE1遺伝子(表1、No.8)のDNA配列である配列番号18を示す。
【図19】NSMCE1遺伝子(表1、No.8)のDNA配列である配列番号19を示す。
【図20】KTELC1遺伝子(表1、No.9)のDNA配列である配列番号20を示す。
【図21】HS6ST1遺伝子(表1、No.10)のDNA配列である配列番号21を示す。
【図22】ARMC6遺伝子(表1、No.11)のDNA配列である配列番号22を示す。
【図23】ARMC6遺伝子(表1、No.11)のDNA配列である配列番号23を示す。
【図24】ARMC6遺伝子(表1、No.11)のDNA配列である配列番号24を示す。
【図25】ARMC6遺伝子(表1、No.11)のDNA配列である配列番号25を示す。
【図26】TH1L遺伝子(表1、No.12)のDNA配列である配列番号26を示す。
【図27】PSME1遺伝子(表1、No.13)のDNA配列である配列番号27を示す。
【図28】PSME1遺伝子(表1、No.13)のDNA配列である配列番号28を示す。
【図29】GPC1遺伝子(表1、No.14)のDNA配列である配列番号29を示す。
【図30−1】EDC4遺伝子(表1、No.15)のDNA配列である配列番号30を示す。
【図30−2】EDC4遺伝子(表1、No.15)のDNA配列である配列番号30を示す。
【図31−1】EDC4遺伝子(表1、No.15)のDNA配列である配列番号31を示す。
【図31−2】EDC4遺伝子(表1、No.15)のDNA配列である配列番号31を示す。
【図32】PRC1遺伝子(表1、No.16)のDNA配列である配列番号32を示す。
【図33】PRC1遺伝子(表1、No.16)のDNA配列である配列番号33を示す。
【図34】PRC1遺伝子(表1、No.16)のDNA配列である配列番号34を示す。
【図35】NAT6遺伝子(表1、No.17)のDNA配列である配列番号35を示す。
【図36】NAT6遺伝子(表1、No.17)のDNA配列である配列番号36を示す。
【図37】NAT6遺伝子(表1、No.17)のDNA配列である配列番号37を示す。
【図38】EEF1AL3遺伝子(表1、No.18)のDNA配列である配列番号38を示す。
【図39】NP_612480.1遺伝子(表1、No.19)のDNA配列である配列番号39を示す。
【図40−1】PLXNA2遺伝子(表1、No.20)のDNA配列である配列番号40を示す。
【図40−2】PLXNA2遺伝子(表1、No.20)のDNA配列である配列番号40を示す。
【図41−1】PLXNA2遺伝子(表1、No.20)のDNA配列である配列番号41を示す。
【図41−2】PLXNA2遺伝子(表1、No.20)のDNA配列である配列番号41を示す。
【図42】ELMO2遺伝子(表1、No.21)のDNA配列である配列番号42を示す。
【図43】ELMO2遺伝子(表1、No.21)のDNA配列である配列番号43を示す。
【図44】ELMO2遺伝子(表1、No.21)のDNA配列である配列番号44を示す。
【図45】ELMO2遺伝子(表1、No.21)のDNA配列である配列番号45を示す。
【図46】NDUFS2遺伝子(表1、No.22)のDNA配列である配列番号46を示す。
【図47】NDUFS2遺伝子(表1、No.22)のDNA配列である配列番号47を示す。
【図48】IRAK1遺伝子(表1、No.23)のDNA配列である配列番号48を示す。
【図49】IRAK1遺伝子(表1、No.23)のDNA配列である配列番号49を示す。
【図50】IRAK1遺伝子(表1、No.23)のDNA配列である配列番号50を示す。
【図51】IRAK1遺伝子(表1、No.23)のDNA配列である配列番号51を示す。
【図52】IRAK1遺伝子(表1、No.23)のDNA配列である配列番号52を示す。
【図53】C20orf149遺伝子(表1、No.24)のDNA配列である配列番号53を示す。
【図54】C20orf149遺伝子(表1、No.24)のDNA配列である配列番号54を示す。
【図55】C20orf149遺伝子(表1、No.24)のDNA配列である配列番号55を示す。
【図56】PCSD2L遺伝子(表1、No.25)のDNA配列である配列番号56を示す。
【図57】PCSD2L遺伝子(表1、No.25)のDNA配列である配列番号57を示す。
【図58】PPIA遺伝子(表1、No.26)のDNA配列である配列番号58を示す。
【図59】RAB11B遺伝子(表1、No.1)のタンパク質配列である配列番号59を示す。
【図60】PPP2R1A遺伝子(表1、No.2)のタンパク質配列である配列番号60を示す。
【図61】PPP2R1A遺伝子(表1、No.2)のタンパク質配列である配列番号61を示す。
【図62】KPNB1遺伝子(表1、No.3)のタンパク質配列である配列番号62を示す。
【図63】COG4遺伝子(表1、No.4)のタンパク質配列である配列番号64を示す。
【図64】COG4遺伝子(表1、No.4)のタンパク質配列である配列番号65を示す。
【図65】COG4遺伝子(表1、No.4)のタンパク質配列である配列番号66を示す。
【図66】COG4遺伝子(表1、No.4)のタンパク質配列である配列番号67を示す。
【図67】FDFT1遺伝子(表1、No.5)のタンパク質配列である配列番号68を示す。
【図68】PECI遺伝子(表1、No.6)のタンパク質配列である配列番号69を示す。
【図69】PECI遺伝子(表1、No.6)のタンパク質配列である配列番号70を示す。
【図70】PECI遺伝子(表1、No.6)のタンパク質配列である配列番号71を示す。
【図71】PECI遺伝子(表1、No.6)のタンパク質配列である配列番号72を示す。
【図72】PECI遺伝子(表1、No.6)のタンパク質配列である配列番号73を示す。
【図73】CTNND2遺伝子(表1、No.7)のタンパク質配列である配列番号74を示す。
【図74】CTNND2遺伝子(表1、No.7)のタンパク質配列である配列番号75を示す。
【図75】NSMCE1遺伝子(表1、No.8)のタンパク質配列である配列番号76を示す。
【図76】NSMCE1遺伝子(表1、No.8)のタンパク質配列である配列番号77を示す。
【図77】NSMCE1遺伝子(表1、No.8)のタンパク質配列である配列番号78を示す。
【図78】KTELC1遺伝子(表1、No.9)のタンパク質配列である配列番号79を示す。
【図79】HS6ST1遺伝子(表1、No.10)のタンパク質配列である配列番号80を示す。
【図80】ARMC6遺伝子(表1、No.11)のタンパク質配列である配列番号81を示す。
【図81】ARMC6遺伝子(表1、No.11)のタンパク質配列である配列番号82を示す。
【図82】ARMC6遺伝子(表1、No.11)のタンパク質配列である配列番号83を示す。
【図83】ARMC6遺伝子(表1、No.11)のタンパク質配列である配列番号84を示す。
【図84】TH1L遺伝子(表1、No.12)のタンパク質配列である配列番号85を示す。
【図85】PSME1遺伝子(表1、No.13)のタンパク質配列である配列番号86を示す。
【図86】PSME1遺伝子(表1、No.13)のタンパク質配列である配列番号87を示す。
【図87】GPC1遺伝子(表1、No.14)のタンパク質配列である配列番号88を示す。
【図88】EDC4遺伝子(表1、No.15)のタンパク質配列である配列番号89を示す。
【図89】EDC4遺伝子(表1、No.15)のタンパク質配列である配列番号90を示す。
【図90】PRC1遺伝子(表1、No.16)のタンパク質配列である配列番号91を示す。
【図91】PRC1遺伝子(表1、No.16)のタンパク質配列である配列番号92を示す。
【図92】PRC1遺伝子(表1、No.16)のタンパク質配列である配列番号93を示す。
【図93】NAT6遺伝子(表1、No.17)のタンパク質配列である配列番号94を示す。
【図94】NAT6遺伝子(表1、No.17)のタンパク質配列である配列番号95を示す。
【図95】NAT6遺伝子(表1、No.17)のタンパク質配列である配列番号96を示す。
【図96】EEF1AL3遺伝子(表1、No.18)のタンパク質配列である配列番号97を示す。
【図97】NP_612480.1遺伝子(表1、No.19)のタンパク質配列である配列番号98を示す。
【図98】PLXNA2遺伝子(表1、No.20)のタンパク質配列である配列番号99を示す。
【図99】PLXNA2遺伝子(表1、No.20)のタンパク質配列である配列番号100を示す。
【図100】ELMO2遺伝子(表1、No.21)のタンパク質配列である配列番号101を示す。
【図101】ELMO2遺伝子(表1、No.21)のタンパク質配列である配列番号102を示す。
【図102】ELMO2遺伝子(表1、No.21)のタンパク質配列である配列番号103を示す。
【図103】ELMO2遺伝子(表1、No.21)のタンパク質配列である配列番号104を示す。
【図104】NDUFS2遺伝子(表1、No.22)のタンパク質配列である配列番号105を示す。
【図105】NDUFS2遺伝子(表1、No.22)のタンパク質配列である配列番号106を示す。
【図106】IRAK1遺伝子(表1、No.23)のタンパク質配列である配列番号107を示す。
【図107】IRAK1遺伝子(表1、No.23)のタンパク質配列である配列番号108を示す。
【図108】IRAK1遺伝子(表1、No.23)のタンパク質配列である配列番号109を示す。
【図109】IRAK1遺伝子(表1、No.23)のタンパク質配列である配列番号110を示す。
【図110】IRAK1遺伝子(表1、No.23)のタンパク質配列である配列番号111を示す。
【図111】C20orf149遺伝子(表1、No.24)のタンパク質配列である配列番号112を示す。
【図112】C20orf149遺伝子(表1、No.24)のタンパク質配列である配列番号113を示す。
【図113】C20orf149遺伝子(表1、No.24)のタンパク質配列である配列番号114を示す。
【図114】PCSD2L遺伝子(表1、No.25)のタンパク質配列である配列番号115を示す。
【図115】PCSD2L遺伝子(表1、No.25)のタンパク質配列である配列番号116を示す。
【図116】PPIA遺伝子(表1、No.26)のタンパク質配列である配列番号117を示す。
【図117】HS6ST1遺伝子(表1、No.10)の不正確な読み枠から推定されるタンパク質配列である配列番号118を示す。
【図118】IRAK1遺伝子(表1、No.23)の不正確な読み枠から推定されるタンパク質配列である配列番号119を示す。
【図119】C20orf149遺伝子(表1、No.24)の不正確な読み枠から推定されるタンパク質配列である配列番号120を示す。
【図120】C20orf149遺伝子(表1、No.24)の不正確な読み枠から推定されるタンパク質配列である配列番号121を示す。
【図121】HS6SP1遺伝子(表1、No.10)の不正確な読み枠から推定されるタンパク質配列である配列番号122を示す。
【実施例】
【0061】
本発明の主題であるタンパク質のセットは、タンパク質マイクロアレイにおいて血清スクリーニング実験を行うことによって発見された。該タンパク質マイクロアレイは、胎児脳cDNAライブラリーからクローン化されたヒト遺伝子断片を発現する、>38.000の個々のE. coli クローンからなる。これらの断片は、完全長タンパク質及びそれらの断片、並びに不正確な読み枠における翻訳産物から生じる人工ペプチドであり得る。スクリーニングのための技術は、マックスプランク分子遺伝学研究所(MPI for Molecular Genetics)で開発されたものであり、先行技術(ブソウ・ケーら、核酸リサーチ1998年11月 1; 26(21):5007-8. PMID: 9776767;ブソウ・ケーら、ゲノミクス、 2000年4月 1; 65(1):1-8. PMID: 10777659(Bussow K, et al. Nucleic Acids Res. 1998 Nov 1; 26(21):5007-8. PMID: 9776767; Bussow K, et al. Genomics 2000 Apr 1; 65(1):1-8. PMID: 10777659)) を構成するものであり、それ以来、複数の科学出版物(例えば、ホルン・エスら、プロテオミクス、2006年1月; 6(2):605-13. PMID: 16419013;ルーキング・エーら、モレキュラー・アンド・セルラー・プロテオミクス、2005年9月; 4(9):1382-90. PMID: 15939964(Horn S, et al. Proteomics. 2006 Jan; 6(2):605-13. PMID: 16419013; Lueking A, et al. Mol Cell Proteomics. 2005 Sep; 4(9):1382-90. PMID: 15939964))において応用されている。
【0062】
上記原論文に記載される方法に対する唯一の修正は、以下に記載の通り、患者の血清とのインキュベーション、及び、IgG、IgA、IgM及びIgD等の異なった免疫グロブリンアイソタイプに対する特定の二次抗体の使用である。
【0063】
患者血清は、ブロッキング・バッファー(3%粉乳/TBST)において1:40に希釈し、オービタルシェイカー上で、ゆっくりとした動きで、室温で一晩インキュベートした。インキュベーションの後、フィルターを、20分間を3回、TBSTにおいて洗浄し、次いで、ブロッキング・バッファーにおいて1:1000のアルカリフォスファターゼで標識した抗ヒトIgG又は抗ヒトIgA二次抗体(マウス)を用いて、1時間、室温で、二度目のインキュベーションを行った。マイクロアレイ(PVDFフィルター)上の陽性シグナルは、記載するとおり記録し、384ウェル・マイクロタイター・プレートに保存された元のE. coliクローンに関連付けた。マイクロアレイ上のシグナルに対応するE. coliクローンについて、挿入物の情報を得るためにシーケンスを行い、それによって、その遺伝子断片、翻訳産物を患者の血清によって確認した。これらの断片は、完全長タンパク質及びそれらの断片、並びに枠外翻訳産物(out-of frame-translation product)から生じた人工ペプチドであり得る。
【0064】
タンパク質マイクロアレイは、治療前及び治療後において、抗TNFα治療(アダリムマブ(Adalimumab)(登録商標);ヒュミラ(Humira))の応答者及び非応答者の患者の血清のプールでスクリーニングした。応答者及び非応答者の患者を、28の関節を含む修正疾患活動性スコア(DAS28)を用いたヨーロッパリウマチ連盟基準(the European League Against Rheumatism criteria)に従い、1年後(又は脱落時)に評価した臨床反応に応じて分類した。DAS28スコア及びヨーロッパリウマチ連盟(EULAR)応答基準は、RAを罹患した患者において、疾患活動性及び治療反応を記録するために広く用いられている(バン・ゲステル・エーエムら、関節炎及びリウマチ1996; 39:34-40. PMID:(Van Gestel AM et al. Arthritis Rheum 1996; 39:34-40. PMID:))。
【0065】
DAS28は、RAを罹患した患者のために、開発され、有効化され、疾患活動性に加えて、それは、また、妥当な精度で患者の満足度を反映している。この総合指数は、4つの項目、すなわち、腫脹関節数(swollen joint count; SJC)、圧痛関節数(tender joint count; TJC)、一般的健康(general health;GH)の患者の評価の視覚的アナログ尺度(visual analog scale;VAS)、及び赤血球沈降速度(ESR;最初の1時間)を含み、これらは、米国リウマチ学会(ACR)応答基準の一部でもある。
【0066】
<使用した患者の血清の説明>
各3人の患者を含む2つのRA患者集団からのDAS28値を比較し、治療前及び治療後におけるこれら患者の血清を、タンパク質マイクロアレイをスクリーニングするために用いた。RA集団1(RA1)は治療応答患者からなり、RA集団2(RA2)は、治療非応答者である、同時期の間に見られた年齢及び性別がマッチした患者からなる。項目の重み付け、因子荷重、及び内部整合性は、因子分析、主成分分析、及びクローンバックのアルファ(Cronback's alpha)の計算によって評価した。治療前当初の応答者群におけるDAS28スコアの範囲は、平均値4,83で4.4〜6であり、非応答者においては、平均値6,2で4,1〜8,6であった。応答者は、治療の間、2,36の平均的変化が伴ったのに対し、非応答者群では、DAS28における平均的変化は無かった。
【0067】
表1(表1A及び表1Bからなる)は、発現産物が、抗TNFα治療を受けている上記患者群の抗TNFα抗体治療(アダリムマブ(Adalimumab);ヒュミラ(Humira))に対する応答性を予測することが判明した、バイオマーカータンパク質、及び不正確な読み枠における翻訳産物から生じる人工ペプチドを表す、遺伝子の概略リストを示す。
【表1】




【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
抗TNFα治療前に、抗TNF治療に対する応答性を評価するための、抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法であって、
(a)該患者の体液又は排泄物において、抗TNFα治療前に抗TNF治療に対する応答性の指標となる1以上のバイオマーカータンパク質に対する(複数の)免疫グロブリンを検出すること、
(b)該(複数の)免疫グロブリンの検出に基づいて前記個体を応答者又は非応答者に分類すること、
を含む方法。
【請求項2】
抗TNFα治療前、治療中及び/又は治療後に、抗TNF治療に対する応答性を評価するための、抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法であって、
(c)該患者の体液又は排泄物において、抗TNFα治療前に抗TNF治療に対する応答性の指標となる少なくとも2つのバイオマーカータンパク質に対する(複数の)免疫グロブリンを検出すること、
(d)該(複数の)免疫グロブリンの検出に基づいて前記個体を応答者又は非応答者に分類すること、を含み、
前記少なくとも2つのバイオマーカータンパク質は、RAB11B、PPP2R1A、KPNB1、COG4、FDFT1、PECI、CTNND2、NSMCE1、KTELC1、HS6ST1、ARMC6、TH1L、PSME1、GPC1、EDC4、PRC1、NAT6、EEF1AL3、NP_612480.1、PLXNA2、ELMO2及びNDUFS2を含む群から選択される、方法。
【請求項3】
抗TNF治療に対する応答性を評価するための、抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法であって、
該患者の体液又は排泄物において、1以上のバイオマーカータンパク質に対する(複数の)免疫グロブリンを検出することを含み、
バイオマーカータンパク質は、RAB11B、PPP2R1A、KPNB1、COG4及びFDFT1を含む群から選択される遺伝子によってコードされる発現産物であり、該(複数の)免疫グロブリンの少なくとも1つに対して陽性である個体は非応答者として分類される、方法。
【請求項4】
バイオマーカータンパク質群が、PECI、CTNND2、NSMCE1、KTELC1、HS6ST1、ARMC6、TH1L、PSME1、GPC1、EDC4、PRC1、NAT6、EEF1AL3、NP_612480.1、PLXNA2、ELMO2 及びNDUFS2を含む群から選択される遺伝子によってコードされる少なくとも一つの他の発現産物をさらに含む、請求項1〜3に記載の抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法。
【請求項5】
前記(複数の)免疫グロブリンがIgA及び/又はIgGである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法。
【請求項6】
前記体液及び/又は排泄物が、血液、唾液、涙液、滑液、髄液、血漿、尿及び糞便を含む群から選択されてもよい、請求項1〜5のいずれか1項に記載の抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法。
【請求項7】
前記個体は関節リウマチを罹患している、請求項1〜6のいずれか1項に記載の抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法。
【請求項8】
抗TNF治療に対する応答性を評価するための、抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断するためのキットであって、
1以上のバイオマーカータンパク質を含み、
バイオマーカータンパク質が、RAB11B、PPP2R1A、KPNB1、COG4及びFDFT1を含む群から選択される遺伝子によってコードされる発現産物である、キット。
【請求項9】
前記バイオマーカータンパク質群が、PECI、CTNND2、NSMCE1、KTELC1、HS6ST1、ARMC6、TH1L、PSME1、GPC1、EDC4、PRC1、NAT6、EEF1AL3、NP_612480.1、PLXNA2、 ELMO2及びNDUFS2を含む群から選択される遺伝子によってコードされる少なくとも一つの他の発現産物をさらに含む、請求項7に記載のキット。
【請求項10】
抗TNF治療に対する応答性を評価するための、抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断するためのキットであって、
少なくとも2つのバイオマーカータンパク質を含み、
バイオマーカータンパク質が、RAB11B、PPP2R1A、KPNB1、COG4、FDFT1、PECI、CTNND2、NSMCE1、KTELC1、HS6ST1、ARMC6、TH1L、PSME1、GPC1、EDC4、PRC1、NAT6、 EEF1AL3、NP_612480.1、PLXNA2、ELMO2及びNDUFS2を含む群から選択される遺伝子によってコードされる発現産物である、キット。
【請求項11】
抗TNF治療に対する応答性を評価するための、抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法であって、
該患者の体液又は排泄物において、1以上のバイオマーカータンパク質に対する(複数の)免疫グロブリンを検出することを含み、
バイオマーカータンパク質は、IRAK1及びC20orf149を含む群から選択される遺伝子の不正確な読み枠における発現産物から推定される人工ペプチドであり、
該(複数の)免疫グロブリンの少なくとも1つに対して陽性である個体は、応答者として分類される、方法。
【請求項12】
前記バイオマーカータンパク質群が、PSCD2L及びPPIAを含む群から選択される遺伝子によってコードされる少なくとも1つの他の発現産物をさらに含む、請求項11に記載の抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法。
【請求項13】
前記(複数の)免疫グロブリンがIgA及び/又はIgGである、請求項11〜12のいずれか1項に記載の抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法。
【請求項14】
前記体液及び/又は排泄物が、血液、唾液、涙液、滑液、髄液、血漿、尿及び糞便を含む群から選択されてもよい、請求項11〜13のいずれか1項に記載の抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法。
【請求項15】
前記個体は関節リウマチを罹患している、請求項11〜14のいずれか1項に記載の抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断する方法。
【請求項16】
抗TNF治療に対する応答性を評価するための、抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体を診断するためのキットであって、
1以上のバイオマーカータンパク質を含み、
バイオマーカータンパク質が、IRAK1及びC20orf149を含む群から選択される遺伝子の不正確な読み枠における発現産物から推定される人工ペプチドである、キット。
【請求項17】
前記バイオマーカータンパク質群が、PSCD2L及びPPIAを含む群から選択される遺伝子によってコードされる少なくとも1つのほかの発現産物をさらに含む、請求項8〜10に記載のキット。
【請求項18】
抗TNFα治療を受けようとする、又は、当該治療を受けている個体の抗TNFα治療に対する応答性を評価するための、請求項8〜10、16及び17のいずれか1項に記載のキットの使用。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16−1】
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【図16−2】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30−1】
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【図30−2】
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【図31−1】
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【図31−2】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40−1】
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【図40−2】
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【図41−1】
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【図41−2】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【図49】
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【図50】
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【図51】
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【図52】
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【図53】
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【図54】
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【図55】
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【図56】
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【図57】
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【図58】
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【図59】
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【図60】
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【図61】
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【図62】
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【図63】
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【図64】
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【図65】
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【図66】
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【図67】
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【図68】
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【図69】
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【図70】
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【図71】
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【図72】
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【図73】
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【図74】
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【図75】
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【図76】
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【図77】
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【図78】
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【図79】
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【図80】
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【図81】
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【図82】
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【図83】
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【図84】
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【図85】
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【図86】
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【図87】
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【図88】
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【図89】
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【図90】
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【図91】
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【図92】
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【図93】
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【図94】
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【図95】
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【図96】
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【図97】
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【図98】
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【図99】
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【図100】
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【図101】
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【図102】
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【図103】
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【図104】
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【図105】
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【図106】
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【図107】
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【図108】
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【図109】
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【図110】
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【図111】
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【図112】
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【図113】
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【図114】
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【図115】
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【図116】
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【図117】
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【図118】
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【図119】
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【図120】
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【図121】
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【公表番号】特表2011−501203(P2011−501203A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531537(P2010−531537)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【国際出願番号】PCT/EP2008/064820
【国際公開番号】WO2009/056633
【国際公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【出願人】(500449363)マックス−プランク−ゲゼルシャフト ツール フェルデルンク デル ヴィッセンシャフテン エー.ファウ. (5)
【Fターム(参考)】