説明

抗CD40抗体の使用

FcγRIIIa−158Fについてヘテロ接合性またはホモ接合性(遺伝子型V/FまたはF/F)であるヒト患者をCD40発現細胞と関連している癌または前悪性状態について処置するための方法が提供される。また、FcγRIIIa−158Fについてヘテロ接合性またはホモ接合性(遺伝子型V/FまたはF/F)であるヒト患者においてB細胞による抗体産生を阻害する方法を提供する。該方法は、ヒト患者に治療または予防有効量の抗CD40抗体を投与することを含む。抗CD40抗体で処置可能であり、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))での処置に不応性である癌または前悪性状態を有するヒト患者を同定するための方法およびキット、ならびにリツキシマブ(リツキサン(登録商標))での処置に不応性である癌または前悪性状態を有するヒト患者の処置のための抗体療法を選択するための方法およびキットもまた提供される。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
CD40発現細胞と関連している癌または前悪性状態についてヒト患者を処置するための方法であって、該ヒト患者は、FcγRIIIa−158Fについてヘテロ接合性またはホモ接合性(遺伝子型V/FまたはF/F)であり、該方法は、該ヒト患者に治療または予防有効量の抗CD40抗体を投与することを含む、方法。
【請求項2】
前記癌または前悪性状態がB細胞系統の癌である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記B細胞系統の癌が、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、前リンパ性白血病(PLL)、小リンパ球性白血病(SLL)、へアリーセル白血病、ホジキン病、多発性骨髄腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、H鎖病、およびびまん性小リンパ球性リンパ腫などのリンパ腫、濾胞性、DLBCL、粘膜関連リンパ組織リンパ腫、単球様B細胞リンパ腫、脾原発リンパ腫、リンパ腫様肉芽腫症、脈管内リンパ腫症、免疫芽球性リンパ腫、ならびにAIDS関連リンパ腫からなる群より選択される、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記癌または前悪性状態が非B細胞血液学的悪性疾患である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記非B細胞血液学的悪性疾患が急性骨髄性白血病である、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記癌または前悪性状態が充実腫瘍である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記充実腫瘍が、卵巣、肺(例えば、扁平上皮細胞癌腫の非小細胞肺癌、腺癌腫、ならびに大細胞癌腫型および小細胞肺癌)、乳房、結腸、腎臓(例えば、腎細胞癌腫など)、膀胱、肝臓(例えば、肝細胞癌腫など)、胃、頚部、前立腺、鼻咽頭癌、ならびに甲状腺癌(例えば、甲状腺乳頭癌腫)、皮膚癌、例えば、黒色腫および肉腫(例えば、骨肉腫やユーイング肉腫など)からなる群より選択される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記癌または前悪性状態が、CD20発現細胞と関連している癌または前悪性状態である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記癌または前悪性状態がB細胞悪性疾患である、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記癌または前悪性状態が、CD40およびCD20の両方を発現する細胞と関連している癌または前悪性状態である、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記癌または前悪性状態がB細胞悪性疾患である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記抗CD40抗体が非経口投与経路によって投与される、請求項1〜11いずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記抗CD40抗体が静脈内投与または皮下投与される、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
FcγRIIIa−158Fについてヘテロ接合性またはホモ接合性(遺伝子型V/FまたはF/F)のヒト患者におけるCD40発現細胞と関連している癌または前悪性状態の処置のための医薬の製造における治療または予防有効量の抗CD40抗体の使用。
【請求項15】
前記癌または前悪性状態がB細胞系統の癌である、請求項14に記載の使用。
【請求項16】
前記B細胞系統の癌が、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、慢性リンパ性白血病(CLL)、前リンパ性白血病(PLL)、小リンパ球性白血病(SLL)、へアリーセル白血病、ホジキン病、多発性骨髄腫、ヴァルデンストレームマクログロブリン血症、H鎖病、およびびまん性小リンパ球性リンパ腫などのリンパ腫、濾胞性、DLBCL、粘膜関連リンパ組織リンパ腫、単球様B細胞リンパ腫、脾原発リンパ腫、リンパ腫様肉芽腫症、脈管内リンパ腫症、免疫芽球性リンパ腫、ならびにAIDS関連リンパ腫からなる群より選択される、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
前記癌または前悪性状態が非B細胞血液学的悪性疾患である、請求項14に記載の使用。
【請求項18】
前記非B細胞血液学的悪性疾患が急性骨髄性白血病である、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
前記癌または前悪性状態が充実腫瘍である、請求項14に記載の使用。
【請求項20】
充実腫瘍が、卵巣、肺(例えば、扁平上皮細胞癌腫の非小細胞肺癌、腺癌腫、ならびに大細胞癌腫型および小細胞肺癌)、乳房、結腸、腎臓(例えば、腎細胞癌腫など)、膀胱、肝臓(例えば、肝細胞癌腫など)、胃、頚部、前立腺、鼻咽頭癌、ならびに甲状腺癌(例えば、甲状腺乳頭癌腫)、皮膚癌、例えば、黒色腫および肉腫(例えば、骨肉腫やユーイング肉腫など)からなる群より選択される、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
前記癌または前悪性状態が、CD20発現細胞と関連している癌または前悪性状態である、請求項14に記載の使用。
【請求項22】
前記癌または前悪性状態がB細胞悪性疾患である、請求項21に記載の使用。
【請求項23】
前記癌または前悪性状態が、CD40およびCD20の両方を発現する細胞と関連している癌または前悪性状態である、請求項21に記載の使用。
【請求項24】
前記癌または前悪性状態がB細胞悪性疾患である、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
前記医薬が非経口投与経路による投与用に製剤化される、請求項14〜24いずれか1項に記載の使用。
【請求項26】
前記医薬が静脈内または皮下投与用に製剤化される、請求項25に記載の使用。
【請求項27】
FcγRIIIa−158Fについてヘテロ接合性またはホモ接合性(遺伝子型V/FまたはF/F)のヒト患者においてB細胞による抗体産生を阻害する方法であって、該ヒト患者に有効量の抗CD40抗体を投与することを含む、方法。
【請求項28】
前記ヒト患者がCD40発現細胞と関連している癌または前悪性状態を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
FcγRIIIa−158Fについてヘテロ接合性またはホモ接合性(V/FまたはF/F)のヒト患者においてB細胞による抗体産生を阻害するための医薬の製造における有効量の抗CD40抗体の使用。
【請求項30】
前記抗CD40抗体がヒトモノクローナル抗体である、請求項1〜29のいずれか1項に記載の方法または使用。
【請求項31】
前記ヒト抗CD40モノクローナル抗体がヒトIgG1重鎖定常領域を含む、請求項30に記載の方法または使用。
【請求項32】
前記ヒトIgG1重鎖定常領域が、配列番号4または配列番号5に示されたアミノ酸配列を含む、請求項31に記載の方法または使用。
【請求項33】
前記抗CD40抗体には有意なアゴニスト活性がない、請求項1〜32のいずれか1項に記載の方法または使用。
【請求項34】
前記抗CD40抗体がCD40発現細胞におけるCD40−CD40Lシグナル伝達のアンタゴニストである、請求項1〜33のいずれか1項に記載の方法または使用。
【請求項35】
前記抗CD40抗体が、
a)モノクローナル抗体CHIR−12.12;
b)ハイブリドーマ細胞株12.12によって産生されるモノクローナル抗体;
c)配列番号2に示された配列、配列番号4に示された配列、配列番号5に示された配列、配列番号2および配列番号4に示された両方の配列ならびに配列番号2および配列番号5に示された両方の配列からなる群より選択されるアミノ酸配列を含むモノクローナル抗体;
d)配列番号1に示された配列、配列番号3に示された配列ならびに配列番号1および配列番号3に示された両方の配列からなる群より選択されるヌクレオチド配列を含む核酸分子にコードされたアミノ酸配列を有するモノクローナル抗体;
e)ハイブリドーマ細胞株12.12によって産生されるモノクローナル抗体に結合し得るエピトープに結合するモノクローナル抗体;
f)配列番号7または配列番号9に示されたヒトCD40配列の残基82〜87を含むエピトープに結合するモノクローナル抗体;
g)配列番号7または配列番号9に示されたヒトCD40配列の残基82〜89を含むエピトープに結合するモノクローナル抗体;
h)競合的結合アッセイにおいてモノクローナル抗体CHIR−12.12と競合するモノクローナル抗体;
i)前記項目a)のモノクローナル抗体または前記項目c)〜h)いずれか1つのモノクローナル抗体であって、該抗体は組換え生成される、抗体;ならびに
j)前記項目a)〜i)いずれか1つのモノクローナル抗体の抗原結合断片であるモノクローナル抗体であって、該断片が、ヒトCD40抗原に特異的に結合する能力を保持している、抗体
からなる群より選択される、請求項1〜34のいずれか1項に記載の方法または使用。
【請求項36】
前記抗CD40抗体がモノクローナル抗体CHIR−12.12である、請求項35に記載の方法または使用。
【請求項37】
前記抗原結合断片が、Fab断片、F(ab’)2断片、Fv断片および単鎖Fv断片からなる群より選択される、請求項35に記載の方法または使用。
【請求項38】
抗CD40抗体で処置可能であり、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))での処置に不応性である癌または前悪性状態を有するヒト患者を同定するための方法であって、該方法は、
a)CD40発現細胞と関連している癌または前悪性状態を有するヒト患者を同定すること;および
b)該ヒト患者のFcγRIIIa−158遺伝子型(V/V、V/FまたはF/F)を決定すること
を含み、ここで、該癌または前悪性状態は、該ヒト患者がFcγRIIIa−158Fについてヘテロ接合性またはホモ接合性(遺伝子型V/FまたはF/F)である場合、抗CD40抗体で処置可能である、方法。
【請求項39】
リツキシマブ(リツキサン(登録商標))での処置に不応性である癌または前悪性状態を有するヒト患者の処置のための抗体療法を選択するための方法であって、該方法は、
a)CD40発現細胞と関連している癌または前悪性状態を有し、リツキシマブ(リツキサン(登録商標))での処置に不応性であるヒト患者を同定すること;および
b)該ヒト患者のFcγRIIIa−158遺伝子型(V/V、V/FまたはF/F)を決定すること
を含み、
ここで、該ヒト患者がFcγRIIIa−158Fについてヘテロ接合性またはホモ接合性(遺伝子型V/FまたはF/F)である場合、抗CD40抗体が該癌または前悪性状態の処置のために選択される、方法。
【請求項40】
前記ヒト患者が抗癌剤での治療に不応性である請求項1〜39のいずれか1項に記載の方法または使用。
【請求項41】
前記ヒト患者が抗CD20モノクローナル抗体での治療に不応性である、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
前記ヒト患者が抗CD20モノクローナル抗体での治療に抵抗性である、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記ヒト患者が抗CD20モノクローナル抗体での治療に非応答性である、請求項41に記載の方法。
【請求項44】
前記抗CD20モノクローナル抗体がリツキシマブ(Rituxin(登録商標))である、請求項41〜43いずれか1項に記載の方法。
【請求項45】
ヒト患者のFcγRIIIa−158遺伝子型を決定するための試薬を含む、抗CD40抗体で処置可能な癌または前悪性状態を有するヒト患者を同定するためのキット。
【請求項46】
ヒト患者のFcγRIIIa−158遺伝子型を決定するための試薬を含む、CD40発現細胞と関連している癌または前悪性状態を有するヒト患者の処置のための抗体療法を選択するためのキット。
【請求項47】
10ヌクレオチド長以上でヒト患者のFcγRIIIa−158遺伝子型を決定するのに適した配列の少なくとも1つのプローブを含むマイクロアレイを含む、請求項45または請求項46に記載のキット。
【請求項48】
FcγRIIIaのアミノ酸158をコードするゲノム領域のポリメラーゼ触媒型増幅におけるプライマーとしての使用に適したオリゴヌクレオチドを含む、請求項45または請求項46に記載のキット。
【請求項49】
ヒト患者のFcγRIIIa−158遺伝子型を決定するのに適した1種類以上の制限酵素を含む、請求項45または請求項46に記載のキット。
【請求項50】
CD40発現細胞と関連している癌または前悪性状態についてヒト患者を処置するための方法であって、該方法が、該ヒト患者に治療または予防有効量の抗CD40抗体を、投与後、該抗CD40抗体がCD40発現細胞によって有意に内在化されないように投与することを含む、方法。
【請求項51】
CD40発現細胞と関連している癌または前悪性状態についてヒト患者を処置するための方法であって、該方法が、該ヒト患者に治療または予防有効量の抗CD40抗体を、投与後、該抗CD40抗体がCD40発現細胞の表面上に実質的に均一に分布されたままであるように投与することを含む、方法。
【請求項52】
CD40発現細胞と関連している癌または前悪性状態についてヒト患者を処置するための方法であって、該方法が、該ヒト患者に抗CD40抗体を、投与後、該ヒト患者において治療または予防有効量の該抗CD40抗体がCD40発現細胞の表面に存在するように投与することを含む、方法。
【請求項53】
ヒト患者のFcγRIIIa発現ナチュラルキラー(NK)細胞によるCD40発現細胞の抗体依存性細胞傷害(ADCC)がもたらされる、請求項1〜37または50〜52いずれか1項に記載の方法または使用。
【請求項54】
前記抗CD40抗体が、抗体依存性細胞傷害(ADCC)のアッセイにおいてリツキシマブ(Rituxin(登録商標))よりも強力であり、該アッセイが、CD40発現細胞およびCD20発現細胞を単離されたヒトナチュラルキラー(NK)細胞とともに関連抗体の存在下でインキュベートすることを含む、請求項1〜37または50〜52いずれか1項に記載の方法または使用。
【請求項55】
前記抗CD40抗体が、ヌードマウス異種移植片腫瘍モデルにおいてリツキシマブ(Rituxin(登録商標))よりも強力である、請求項1〜37または50〜52いずれか1項に記載の方法または使用。
【請求項56】
前記ヌードマウス異種移植片腫瘍モデルが骨髄腫細胞株のDaudiヒトリンパ腫細胞株を使用する、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
前記抗CD40抗体がヒトCD40に、少なくとも約10−6M〜少なくとも約10−12Mの親和性(K)で結合する、請求項1〜37または50〜52いずれか1項に記載の方法または使用。
【請求項58】
前記抗CD40抗体がヒトFcγRIIIa−158Vに、少なくとも約0.5μMの親和性(K)で結合する、請求項1〜37または50〜52いずれか1項に記載の方法または使用。
【請求項59】
前記抗CD40抗体がヒトFcγRIIIa−158Fに、少なくとも約12μMの親和性(K)で結合する、請求項1〜37または50〜52いずれか1項に記載の方法または使用。
【請求項60】
前記抗CD40抗体が、ヒトFcγRIIIa−158Vに少なくとも約0.5μMの親和性(K)で結合し、ヒトFcγRIIIa−158Fに少なくとも約12μMの親和性(KD)で結合する、請求項1〜37または50〜52いずれか1項に記載の方法または使用。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図1D】
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【図1E】
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【図1F】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図2D】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2009−517339(P2009−517339A)
【公表日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−539051(P2008−539051)
【出願日】平成18年11月1日(2006.11.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/042929
【国際公開番号】WO2007/053767
【国際公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【出願人】(500570793)ゾーマ テクノロジー リミテッド (26)
【Fターム(参考)】