説明

抗IGF−1R抗体およびその使用

本発明は、インスリン様成長因子受容体−1(IGF−1R)に結合する抗体、およびその使用に関し、特に、癌の診断および治療における使用に関する。IGF−1Rが介在する生存促進経路および腫瘍増殖経路を阻害する特定のヒトモノクローナル抗体およびマウスモノクローナル抗体、およびその改変体、フラグメント、および誘導体が提供される。さらに、リガンドであるインスリン様成長因子1(IGF−1)およびインスリン様成長因子2(IGF−2)が、IGF−1Rに結合するのを相乗的に阻害可能な特定のヒトモノクローナル抗体およびマウスモノクローナル抗体、およびこの抗体のフラグメント、改変体および誘導体が提供される。本発明の抗体は、IGF−1Rのリガンド結合を、アロステリック効果によって阻害および/または競合的に阻害することによって、このような相乗効果が得られる。



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【特許請求の範囲】
【請求項1】
IGF−1Rに特異的に結合する抗体、または抗体フラグメントを2種類以上組み合わせて投与する工程を含み、前記2種類以上の抗体、または抗体フラグメントによって、IGF−1Rシグナル伝達の阻害において、相加効果、相加効果よりも高い効果、または相乗効果が得られる、IGF−1Rシグナル伝達を阻害する方法。
【請求項2】
前記シグナル伝達が、インビボで阻害される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
IGF−1Rに特異的に結合する抗体、または抗体フラグメントを2種類以上組み合わせて投与する工程を含み、前記2種類以上の抗体、または抗体フラグメントによって、過剰増殖性障害の阻害において、相加効果、相加効果よりも高い効果、または相乗効果が得られる、動物において過剰増殖性障害を治療する方法。
【請求項4】
前記過剰増殖性障害が癌である、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記過剰増殖性障害が腫瘍である、請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記動物がヒトである、請求項3〜5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記2種類以上の抗体、または抗体フラグメントが、少なくとも2種類の異なるIGF−1Rエピトープに特異的に結合する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記2種類以上の抗体、または抗体フラグメントが、IGF−1リガンドの結合を阻害する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記2種類以上の抗体、または抗体フラグメントが、IGF−2リガンドの結合を阻害する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記2種類以上の抗体、または抗体フラグメントが、IGF−1リガンドおよびIGF−2リガンドの結合を阻害する、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記2種類以上の抗体、または抗体フラグメントが、リガンドの結合をアロステリック効果によって阻害する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
前記2種類以上の抗体、または抗体フラグメントが、リガンドの結合を競合的に阻害する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記2種類以上の抗体、または抗体フラグメントが、リガンドの結合をアロステリック効果によって阻害し、かつ競合的に阻害する、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項14】
IGF−1Rに特異的に結合する抗体、または抗体フラグメントを2種類以上組み合わせて投与する工程を含み、この投与によって、前記2種類以上の抗体、または抗体フラグメントのうちいずれか1種類のみを、ほぼ同じである最終的な合計モル濃度で投与する場合よりも効果的にシグナル伝達を阻害する、IGF−1Rシグナル伝達を阻害する方法。
【請求項15】
前記シグナル伝達が、インビボで阻害される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
IGF−1Rに特異的に結合する抗体、または抗体フラグメントを2種類以上組み合わせて投与する工程を含み、この投与によって、前記2種類以上の抗体、または抗体フラグメントのうちいずれか1種類のみを、ほぼ同じである最終的な合計モル濃度で投与する場合よりも効果的に過剰増殖性障害を治療する、動物において過剰増殖性障害を治療する方法。
【請求項17】
前記2種類以上の抗体、または抗体フラグメントを投与することによって、前記2種類以上の抗体、または抗体フラグメントのうちいずれか1種類のみを、ほぼ同じである最終的な合計モル濃度で投与する場合よりも効果的に、IGF−1がIGF−1Rに結合するのを阻害する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記2種類以上の抗体、または抗体フラグメントを投与することによって、前記2種類以上の抗体、または抗体フラグメントのうちいずれか1種類のみを、ほぼ同じである最終的な合計モル濃度で投与する場合よりも効果的に、IGF−2がIGF−1Rに結合するのを阻害する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項19】
前記2種類以上の抗体、または抗体フラグメントを投与することによって、前記2種類以上の抗体、または抗体フラグメントのうちいずれか1種類のみを、ほぼ同じである最終的な合計モル濃度で投与する場合よりも効果的に、IGF−1およびIGF−2がIGF−1Rに結合するのを阻害する、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項20】
前記2種類以上の抗体、または抗体フラグメントの組み合わせが、
(a)III型フィブロネクチンドメイン1(FNIII−1);
(b)システインに富む繰り返しドメイン(CRR);
(c)ロイシンに富む繰り返しドメイン1(L1);
(d)ロイシンに富む繰り返しドメイン1(L2);
(e)システインに富む繰り返しドメイン(CRR)の中心領域;
(f)CRRのカルボキシル末端(C末端)領域;
(g)CRRのアミノ末端(N末端)領域;
(h)CRRの中心領域からC末端までと、L2ドメイン;
(i)CRRと、L2領域;
(j)IGF−1リガンド結合領域;
(k)IGF−2リガンド結合領域;および
(l)(a)〜(k)のうち、2つ以上の完全に重複した領域または部分的に重複した領域の任意の組み合わせ
からなる群から選択されるヒトIGF−1R領域に存在するIGF−1Rエピトープに特異的に結合する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項21】
前記2種類以上の抗体、または抗体フラグメントの組み合わせが、
(a)配列番号158のアミノ酸241〜266;
(b)配列番号158のアミノ酸241〜379;
(c)配列番号158のアミノ酸248〜265;
(d)配列番号158のアミノ酸248〜303;
(e)配列番号158のアミノ酸248〜379;
(f)配列番号158のアミノ酸301〜308;
(g)配列番号158のアミノ酸327〜379;
(h)配列番号158のアミノ酸424〜464;
(i)配列番号158のアミノ酸437〜587;
(j)配列番号158のアミノ酸440〜586;
(k)配列番号158のアミノ酸459〜571;
(l)配列番号158のアミノ酸461〜464;
(l)配列番号158のアミノ酸462〜464;および
(m)配列番号158のアミノ酸466〜568
からなる群から選択されるヒトIGF−1Rアミノ酸の任意の組み合わせを含む領域に存在するIGF−1Rエピトープに特異的に結合する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
前記2種類以上の抗体、または抗体フラグメントの組み合わせが、
(a)配列番号158のアミノ酸226;
(b)配列番号158のアミノ酸241;
(c)配列番号158のアミノ酸242;
(d)配列番号158のアミノ酸248;
(e)配列番号158のアミノ酸249;
(f)配列番号158のアミノ酸250;
(g)配列番号158のアミノ酸251;
(h)配列番号158のアミノ酸254;
(i)配列番号158のアミノ酸255;
(j)配列番号158のアミノ酸257;
(k)配列番号158のアミノ酸259;
(l)配列番号158のアミノ酸260;
(m)配列番号158のアミノ酸263;
(n)配列番号158のアミノ酸265;
(o)配列番号158のアミノ酸266;
(p)配列番号158のアミノ酸301;
(q)配列番号158のアミノ酸303;
(r)配列番号158のアミノ酸306;
(s)配列番号158のアミノ酸308;
(t)配列番号158のアミノ酸327;
(u)配列番号158のアミノ酸379;
(v)配列番号158のアミノ酸459;
(w)配列番号158のアミノ酸460;
(x)配列番号158のアミノ酸461;
(y)配列番号158のアミノ酸462;
(z)配列番号158のアミノ酸464;
(aa)配列番号158のアミノ酸466;
(bb)配列番号158のアミノ酸467;
(cc)配列番号158のアミノ酸478;
(dd)配列番号158のアミノ酸480;
(ee)配列番号158のアミノ酸482;
(ff)配列番号158のアミノ酸483;
(gg)配列番号158のアミノ酸533;
(hh)配列番号158のアミノ酸564;
(ii)配列番号158のアミノ酸565;
(jj)配列番号158のアミノ酸568;
(kk)配列番号158のアミノ酸570;および
(ll)配列番号158のアミノ酸571
からなる群から選択されるヒトIGF−1Rアミノ酸を含む2種類以上の異なるエピトープに特異的に結合する、請求項1〜19のいずれか1項に記載の方法。
【請求項23】
(a)IGF−1Rを、IGF−1Rに特異的な抗体、または抗体フラグメントに曝露する工程と;
(b)前記抗体、または抗体フラグメントを、十分な時間をかけて前記IGF−1Rと結合させる工程と
を含む、IGF−1がIGF−1Rに結合するのをアロステリック効果によって阻害する方法。
【請求項24】
前記抗体、または抗体フラグメントが、IGF−2がIGF−1Rに結合するのは阻害しない、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記抗体が、
(a)P1E2および
(b)P1A2
からなる群から選択される、請求項23または24に記載の方法。
【請求項26】
(a)IGF−1Rを、IGF−1Rに特異的な抗体、または抗体フラグメントに曝露する工程と;
(b)前記抗体、または抗体フラグメントを、十分な時間をかけて前記IGF−1Rと結合させる工程と
を含む、IGF−2がIGF−1Rに結合するのをアロステリック効果によって阻害する方法。
【請求項27】
前記抗体、または抗体フラグメントが、IGF−1がIGF−1Rに結合するのは阻害しない、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記抗体がP3F9である、請求項26または27に記載の方法。
【請求項29】
(a)IGF−1Rを、1種以上のIGF−1Rに特異的な抗体、または抗体フラグメントに曝露する工程と;
(b)前記1種以上の抗体、または抗体フラグメントを、十分な時間をかけて前記IGF−1Rと結合させる工程と
を含む、IGF−1およびIGF−2がIGF−1Rに結合するのをアロステリック効果によって阻害する方法。
【請求項30】
(a)IGF−1Rを、1種以上のIGF−1Rに特異的な抗体、または抗体フラグメントに曝露する工程と;
(b)前記1種以上の抗体、または抗体フラグメントを、十分な時間をかけて前記IGF−1Rと結合させる工程と
を含む、IGF−1またはIGF−2がIGF−1Rに結合するのをアロステリック効果によって阻害する方法。
【請求項31】
前記1種以上の抗体が、
(a)P1E2;
(b)P1A2;
(c)P3F9;
(d)M13−C06;
(e)M14−C03;
(f)20C8;および
(g)前記抗体の2種類以上の組み合わせ
からなる群から選択される、請求項29または30に記載の方法。
【請求項32】
(a)IGF−1Rを、IGF−1Rに特異的な抗体、または抗体フラグメントに曝露する工程と;
(b)前記抗体、または抗体フラグメントを、十分な時間をかけて前記IGF−1Rと結合させる工程と
を含む、IGF−1およびIGF−2がIGF−1Rに結合するのを競合的に阻害する方法。
【請求項33】
(a)IGF−1Rを、IGF−1Rに特異的な抗体、または抗体フラグメントに曝露する工程と;
(b)前記抗体、または抗体フラグメントを、十分な時間をかけて前記IGF−1Rと結合させる工程と
を含む、IGF−1またはIGF−2がIGF−1Rに結合するのを競合的に阻害する方法。
【請求項34】
前記抗体がM14−G11である、請求項32または33に記載の方法。
【請求項35】
(a)IGF−1Rを、IGF−1Rに特異的な抗体、または抗体フラグメントに曝露する工程と;
(b)前記抗体、または抗体フラグメントを、十分な時間をかけて前記IGF−1Rと結合させる工程と
を含む、IGF−1およびIGF−2がIGF−1Rに結合するのを競合的に阻害し、かつアロステリック効果によって阻害する方法。
【請求項36】
(a)IGF−1Rを、IGF−1Rに特異的な抗体、または抗体フラグメントに曝露する工程と;
(b)前記抗体、または抗体フラグメントを、十分な時間をかけて前記IGF−1Rと結合させる工程と
を含む、IGF−1またはIGF−2がIGF−1Rに結合するのを競合的に阻害し、かつアロステリック効果によって阻害する方法。
【請求項37】
前記競合的に阻害する抗体がM14−G11であり、前記アロステリック効果によって阻害する抗体が、
(a)P1E2;
(b)P1A2;
(c)P3F9;
(d)M13−C06;
(e)M14−C03;
(f)20C8;および
(g)前記抗体の2種類以上の組み合わせ
からなる群から選択される1種以上の抗体である、請求項35または36に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5−1】
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【図5−2】
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【図5−3】
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【図5−4】
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【図5−5】
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【図5−6】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10A】
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【図10B】
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【図10C】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【公表番号】特表2010−537985(P2010−537985A)
【公表日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522947(P2010−522947)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際出願番号】PCT/US2008/010176
【国際公開番号】WO2009/032145
【国際公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.UNIX
【出願人】(507349455)バイオジェン アイデック マサチューセッツ インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】