説明

折りたたみ可能な組立式箱

【課題】
組立工程のロスが少なく、組立が容易な側板を複層構造とした折りたたみ可能な組立式箱の提供を目的とする。
【解決手段】
本発明の折りたたみ可能な組立式箱は、底板(11)には一対の側板(12,13)に平行に、また前記中板(19)にはその折り目に平行にさらに折り目が形成されており、
前記中板(19)を折り目で折りたたんだ上、前記底板(11)の他方の側の側板(13)を前記底板(11)の折り目で内向きに折りたたみ、
また前記外側板(15,16)を外向きに折りたたんだ上、内側板(17)を折りたたむようにしたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ほぼ複層構造を有する組立式箱に関し、なおかつ平たく折りたたむことができるようにした折りたたみ可能な組立式箱を提供することを目的とするものである。
【背景技術】
【0002】
従来、衣服や靴類、その他の種々の製品を梱包するのに使用される組立式箱は、組立時に接着剤やホチキス等により四辺に配置された箱の側壁部分が堅固に接着されるので、一度組み立てられたら展開することが困難で、組立工場からユーザーの元へ運搬する際や、倉庫で保管する際などに嵩張ってしまって搬送効率が悪いという問題があった。
【0003】
そこで、特開2002−205734号公報(特許文献1参照)に示すように、四角形の底板と、前左右の本体部外側板と、本体部連結板と、前の本体部内側板とを有する箱本体部を備え、四角形の天板と、前左右の蓋部外側板と、蓋部連結板と、前の蓋部内側板とを有する蓋部を備え、箱本体部と蓋部が背面部外側板244を介して一体に形成され、背面部連結板を備える組立式箱であって、組立工程のロスが少なく、組立が容易な蓋部を有するものが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−205734号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、底板に折り目を介して一体に形成した側板を三重構造とした本発明の組立式箱の場合には、上述のような従来技術を適用しても構造が複雑になってしまうので、従来技術を直ちに適用することは難しく、上述したように組立後に平板状に折り畳むことができずに、運搬時や保管時に嵩張ってしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、このような従来の技術の状況に鑑みて、組立工程のロスが少なく、組立が容易な側板を三重構造とし、底板を二重構造とした折りたたみ可能な組立式箱の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記従来の問題を解決するため本発明の折りたたみ可能な組立式箱は、四角形の底板(11)と、該底板(11)の両側にそれぞれ折り目を介して一体に形成された対向する一対の側板(12,13)と、前記底板(11)と天板(14)との間の側板(12)にその両側縁に折り目を介して一体に形成された外側板(15,16)と、それぞれの外側板(15,16)の両側にそれぞれ折り目を介して一体に形成された内側板(17)および副底板(18)と、前記底板(11)の他方の側の側板(13)にその両側縁に折り目を介して一体に形成された中板(19)とを備え、
前記一対の側板(12,13)を底板(11)から立ち上げるとともに、前記副底板(18)を底板(11)上に折込み、また前記中板(19)を外側板(15,16)と内側板(17)との間に挟み込むようにしてそれぞれ内向きに折込んで各側板(12,13,15,16,17)および中板(19)を組み付けることにより組み立てられる組立式箱であって、
前記底板(11)には一対の側板(12,13)に平行に、また前記中板(19)にはその折り目に平行にさらに折り目が形成されており、
前記中板(19)を折り目で折りたたんだ上、前記底板(11)の他方の側の側板(13)を前記底板(11)の折り目で内向きに折りたたみ、
また前記外側板(15,16)を外向きに折りたたんだ上、内側板(17)を折りたたむようにしたことを特徴とするものである。
【0008】
本発明の折りたたみ可能な組立式箱は、四角形の底板(11)と、該底板(11)の両側にそれぞれ折り目を介して一体に形成された対向する一対の側板(12,13)と、前記一方の側板(12)の端部に折り目を介して一体に形成された四角形の天板(14)と、前記底板(11)と天板(14)との間の側板(12)にその両側縁に折り目を介して一体に形成された外側板(15,16)と、それぞれの外側板(15,16)の両側にそれぞれ折り目を介して一体に形成された内側板(17)および副底板(18)と、前記底板(11)の他方の側の側板(13)にその両側縁に折り目を介して一体に形成された中板(19)とを備え、
前記一対の側板(12,13)を底板(11)から立ち上げるとともに、前記副底板(18)を底板(11)上に折込み、また前記中板(19)を外側板(15,16)と内側板(17)との間に挟み込むようにしてそれぞれ内向きに折込んで各側板(12,13,15,16,17)および中板(19)を組み付け、その上で前記天板(14)を各側板(12,13,15,16,17)上に折込むことにより組み立てられる組立式箱であって、
前記底板(11)には一対の側板(12,13)に平行に、また前記中板(19)にはその折り目に平行にさらに折り目が形成されており、
前記中板(19)を折り目で折りたたんだ上、前記底板(11)の他方の側の側板(13)を前記底板(11)の折り目で内向きに折りたたみ、前記天板(14)を前記側板(13)上に折りたたみ、
また前記外側板(15,16)を外向きに折りたたんだ上、内側板(17)を折りたたむようにしたことをも特徴とするものである。
【0009】
本発明の折りたたみ可能な組立式箱は、前記中板(19)内の折り目が、易折りたたみ手段により折りたたみ易くしてあることをも特徴とするものである。
【0010】
本発明の折りたたみ可能な組立式箱は、前記側板(12)の折り目が、易折りたたみ手段により外向きに折りたたみ易くしてあることをも特徴とするものである。
【0011】
本発明の折りたたみ可能な組立式箱は、前記易折りたたみ手段が、破線状の不連続な切込み、もしくは直線状の連続する切込み、型押しから選ばれたことをも特徴とするものである。
【0012】
本発明の折りたたみ可能な組立式箱は、前記副底板(18)の折り目は、所定長の長孔(18a)が設けてあり、前記内側板(17)の端部に突設した係合突起(17a)を係合して係止することができるようにしてあることをも特徴とするものである。
【0013】
本発明の折りたたみ可能な組立式箱は、前記天板(14)は、両側に折り目を介して一対の側片(21,22)と、端部に折り目を介して二つ折り可能な側片(23)を備え、
前記一対の側片(21,22)から延長した折込み片(24)を内向きに折込んだ上、折込み片(24)の内側に設けた係合孔(25)に、二つ折り可能な側片(23)の端縁に突設した係合突起(26)を係止して組み付けることにより、側片付きの天板(14)とすることを可能としたことをも特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
上述のように、本発明に係る折りたたみ可能な組立式箱は、底板部分が二重構造であり、また該底板の左右にそれぞれ折り目を介して一体に形成された対向する一対の側板部分は三重構造を備えていて、搬送時に負荷がかかる部分が強固な構造となっており、また天板が側板の上部に開閉自在に係合する構造となっていて、衣服や靴類、その他の種々の製品を梱包するのに非常に便利なものとなっている。
【0015】
また、箱本体部分と蓋部分とを一体に有する組立式箱を一つの部材から形成することができ、部品点数が削減でき、箱本体部分と蓋部分の接合工程が排除され組立工程が簡素化されるのでコストダウンが図れる。
しかも、単純な折曲加工のみにより箱を組み立てることができるので、マニュアルさえあれば誰でも簡単に組み立てることが可能である。
【0016】
さらに、運搬や保管などをする際に、展開状態から簡単に平板状に折りたたむことができ、かつ折りたたんだ状態がコンパクトなので、搬送に便利なだけでなく、商品として店頭に並べる場合にも場所をとらないので大きなメリットを有している。
【0017】
展開状態から平板状に折りたたむ場合の折り目も、ほとんど組立式箱の強度には影響のない部位に形成してあるので、組立状態で運搬や保管などをする際にも強度上および外観上の問題はなんら生じない。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係る折りたたみ可能な組立式箱の第1の実施形態を示す展開図である。
【図2】その斜視図である。
【図3】その組立工程を示し、一方の側板を立ち上げた状態の斜視図である。
【図4】前記側板に設けた外側板を内向きに折込み、さらに副底板を底板上に折込んだ状態を示す斜視図である。
【図5】他方の側板に設けた中板を立ち上げた状態を示す斜視図である。
【図6】他方の側板を立ち上げ、中板を前記外側板の内側に配置した状態を示す斜視図である。
【図7】前記側板に設けた内側板を前記中板を挟むように内向きに折込んだ状態を示す斜視図である。
【図8】(a)〜(e)は天板の組立工程を示す斜視図である。
【図9】組み立てられた蓋部を備えた折りたたみ可能な組立式箱を示す斜視図である。
【図10】折りたたみ可能な組立式箱の完成状態の斜視図である。
【図11】本実施形態に係る折りたたみ可能な組立式箱の折りたたみ工程を示し、他方の側板の中板を折りたたんだ状態の斜視図である。
【図12】他方の側板内の折り目で該側板を折りたたんだ状態の斜視図である。
【図13】他方の側板上に天板を折りたたんだ状態を示す斜視図である。
【図14】図13の折りたたんだ状態のものを反転した状態を示す斜視図である。
【図15】前記外側板の一方を外向きに折りたたんだ状態を示す斜視図である。
【図16】該外側板に設けた内側板を内向きに折りたたんだ状態を示す斜視図である。
【図17】前記外側板の他方を外向きに折りたたんだ状態を示す斜視図である。
【図18】該外側板の内側板を内向きに折りたたんだ状態を示す斜視図である。
【図19】図18の折りたたんだ状態のものを反転した折りたたみ完成状態を示す斜視図である。
【図20】本発明に係る折りたたみ可能な組立式箱の第2の実施形態を示す展開図である。
【図21】その斜視図である。
【図22】その組立工程を示し、両方の側板に設けた内補強板を立ち上げた状態の斜視図である。
【図23】前記側板に設けた内補強板を内向きに折込んだ状態を示す斜視図である。
【図24】一方の側板を立ち上げた状態の斜視図である。
【図25】前記側板に設けた外側板を内向きに折込み、さらに副底板を底板上に折込んだ状態を示す斜視図である。
【図26】他方の側板に設けた中板を立ち上げた状態を示す斜視図である。
【図27】他方の側板を立ち上げ、中板を前記外側板の内側に配置した状態を示す斜視図である。
【図28】前記側板に設けた一方の内側板を前記中板を挟むように内向きに折込んだ状態を示す斜視図である。
【図29】前記側板に設けたもう一方の内側板を前記中板を挟むように内向きに折込んだ状態を示す斜視図である。
【図30】折りたたみ可能な組立式箱の完成状態の斜視図である。
【図31】本実施形態に係る折りたたみ可能な組立式箱の折りたたみ工程を示し、側板に設けた内補強板を折りたたんだ状態の斜視図である。
【図32】他方の側板の中板内に設けた折り目で該中板を立ち上げた状態の斜視図である。
【図33】該中板を折りたたんだ状態の斜視図である。
【図34】前記底板に設けた折り目で他方の側板を折りたたんだ状態を示す斜視図である。
【図35】図34の折りたたんだ状態のものを反転した状態を示す斜視図である。
【図36】前記外側板の一方を外向きに折りたたんだ状態を示す斜視図である。
【図37】該外側板の内側板を内向きに折りたたんだ状態を示す斜視図である。
【図38】前記外側板の他方を外向きに折りたたんだ状態を示す斜視図である。
【図39】該外側板の内側板を内向きに折りたたんだ状態を示す斜視図である。
【図40】図39の折りたたんだ状態のものを反転した折りたたみ完成状態を示す斜視図である。
【図41】本発明の折りたたみ可能な組立式箱の第2の実施形態の変形した例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明に係る折りたたみ可能な組立式箱の蓋付きの場合の第1の実施形態を図1〜図19について説明する。それぞれ図1〜図10は組立工程を、図11〜図19は折りたたみ工程を示すものである。
【実施例1】
【0020】
図1および図2において、本発明に係る折りたたみ可能な組立式箱は、四角形の底板11と、該底板11の両側にそれぞれ折り目11a,11bを介して一体に形成された対向する一対の側板12,13と、前記一方の側板12の端部に折り目12aを介して一体に形成された四角形の天板14と、前記底板11と天板14との間の側板12にその両側縁に折り目12b,12cを介して一体に形成された外側板15,16と、それぞれの外側板15,16の両側にそれぞれ折り目15a,15b,16a,16bを介して一体に形成された内側板17および副底板18と、前記底板11の他方の側の側板13にその両側縁に折り目13a,13bを介して一体に形成された中板19とを備えている。
本発明の折りたたみ可能な組立式箱は、前記副底板18の折り目15b,16bの中央に所定長の長孔18aが設けてあり、前記内側板17の端部に突設した係合突起17aを係合して係止することができるようにしたものである。
【0021】
また本発明の折りたたみ可能な組立式箱は、前記天板14が両側に折り目14a,14bを介して一対の側片21,22と、端部に折り目14cを介して二つ折り可能な側片23を備えており、前記一対の側片21,22には折込み片24が延設され、該折込み片24の内側には係合孔25が設けてある。
また、折り目23aを介して二つ折り可能な側片23の端縁には係合突起26が突設してある。
【0022】
次に、前記組立式箱の組立工程について説明する。
組立に際しては図3に示すように、先ず前記一方の側板12を折り目11aを介して底板11から立ち上げる。その際、折り目15b、16bで折込まれた副底板18は底板11と同じ平面上に位置している。
そして図4に示すように、外側板15,16を折り目12b、12cを介して内向きに折りたたんだ上、前記副底板18を底板11上に折り重ねる。
一方、図5に示すように、前記他方の側板13に設けた前記中板19を折り目13a、13bで折込んで立ち上げる。
その上で、図6に示すように、前記他方の側板13を折り目11bで折込んで立ち上げ、かつ前記外側板15,16の内側に沿って該中板19を配置する。
その後、図7に示すように、前記中板19の内側に向かって内側板17を折り目15a、16aで折込み、前記中板19を外側板15,16と内側板17との間に挟み込むようにして各側板12,13、外側板15,16,内側板17および中板19を組み付ける。
その際、前記折り目15b、16b部分の長孔18aに、前記内側板17の端部に突設した係合突起17aを係合して係止する。
【0023】
また図8(a)に示す前記天板14は、図8(b)のように前記一対の側片21,22から延長した折込み片24の内側に設けた係合孔25部分を立ち上げ、図8(c)のように前記一対の側片21,22を立ち上げた上、前記折込み片24を内向きに折込み、図8(d)のように前記二つ折り可能な側片23を折り目14cで折込んで立ち上げ、最後に図8(e)のように前記二つ折り可能な側片23を折り目23aで二つ折りした上、折込み片24の内側に設けた係合孔25に、二つ折り可能な側片23の端縁に突設した係合突起26を係止して組み付けることにより、側片付きの天板14からなる蓋部分として組み付けられる。
図9は組み立てられた蓋部を備えた折りたたみ可能な組立式箱を示し、図10は折りたたみ可能な組立式箱の完成状態を示すものである。
なお、前記各図においてそれぞれ31は外側板15,16に設けた取手孔、32は内側板17に設けた取手孔、33は中板19に設けた取手孔である。図10に示す組立状態においては互いに同じ位置にくるよう配置されている。いずれの取手孔31,32,33も打抜加工によって簡単にくり抜けるようになっている。
ちなみに、組立状態において外側板15,16に設けた取手孔31と中板19に設けた取手孔33とをくり抜くとともに、内側板17に設けた取手孔32をくり抜かずに残して、取手孔31,33に指を掛けることにより組立式箱を持ち運ぶことができる。
もちろん、すべての取手孔31,32,33をくり抜いた状態で使用することもできる。
【0024】
次に、前記組立式箱の折りたたみ工程について説明する。
図1および図2に示すように、前記底板11には一対の側板12,13に平行の折り目11cが、また前記中板19にはその折り目13a、13bに平行にさらに折り目13cが形成されている。
そして、前記中板19内の折り目13cは、その外側に切込みからなる易折りたたみ手段を形成して折りたたみ易くしてあり、また前記側板12の折り目12b、12cは、さらに切込みからなる易折りたたみ手段を形成して外向きに折りたたみ易くしてある。
なお、前記易折りたたみ手段は、破線状の不連続な切込み、もしくは直線状の連続する切込み、型押し等とすることができ、折りたたみやすさや強度の面から適宜決定することができる。もちろん、前記切込みや型押し以外の易折りたたみ手段を排除するものではない。
【0025】
折りたたみに際しては、図11に示すように先ず前記中板19を折り目13cで折りたたみ、その上で図12に示すように、前記底板11の他方の側の側板13を前記底板11の折り目11cで内向きに折りたたむ。
その後、図13に示すように前記他方の側の側板13の上に折り目12aで天板14を折りたたみ、図14に示すようにその状態で全体を反転させる。
次いで、図15に示すように前記外側板15を折り目12bで外向きに折りたたんだ上、図16に示すように内側板17を折り目15aで折りたたむ。
また、図17に示すように前記他方の外側板16を折り目12cで外向きに折りたたんだ上、図18に示すように内側板17を折り目16aで折りたたむと、前記組立式箱の折りたたみ工程は終了する。
図19は図18の折りたたんだ状態のものを反転した状態を示すものである。
【0026】
次に、本発明に係る折りたたみ可能な組立式箱の蓋なしの場合の第2の実施形態を図20〜図40について説明する。それぞれ図20〜図30は組立工程を、図31〜図40は折りたたみ工程を示すものである。
【実施例2】
【0027】
図20および図21において、本発明に係る折りたたみ可能な組立式箱は、四角形の底板41と、該底板41の両側にそれぞれ折り目41a,41bを介して一体に形成された対向する一対の側板42,43と、前記一方の側板42の端部に折り目42aを介して一体に形成された内補強板44と、前記底板41と内補強板44との間の側板42にその両側縁に折り目42b,42cを介して一体に形成された外側板45,46と、それぞれの外側板45,46の両側にそれぞれ折り目45a,45b,46a,46bを介して一体に形成された内側板47および副底板48と、前記底板41の他方の側の側板43にその両側縁に折り目43a,43bを介して一体に形成された中板49とを備えている。50は前記側板43の内側に折込む内補強板、50aはその折り目である。
本発明の折りたたみ可能な組立式箱は、前記副底板48の折り目45b,46bの中央に所定長の長孔48aが設けてあり、前記内側板47の端部に突設した係合突起47aを係合して係止することができるようにしたものである。
【0028】
次に、前記組立式箱の組立工程について説明する。
組立に際しては、図22に示すように先ず内補強板44,50を立ち上げ、図23のように側板42,43上に折込む。次いで、図24のように前記一方の側板42を折り目41aを介して底板41から立ち上げる。その際、折り目45b、46bで折込まれた副底板48は、底板41と同じ平面上に位置している。
そして図25に示すように、外側板45,46を折り目42b、42cを介して内向きに折りたたんだ上、前記副底板48を底板41上に折り重ねる。
一方、図26に示すように、前記他方の側板43に設けた前記中板49を折り目43a、43bで折込んで立ち上げる。
その上で、図27に示すように、前記他方の側板43を折り目41bで折込んで立ち上げ、かつ前記外側板45,46の内側に沿って該中板49を配置する。
その後、図28に示すように、前記中板49の内側に向かって内側板47を折り目45a、46aで折込み、前記中板49を外側板45,46と内側板47との間に挟み込むようにして各側板42,43、外側板45,46,内側板47および中板49を組み付ける。
その際、前記折り目45b、46b部分の長孔48aに、前記内側板47の端部に突設した係合突起47aを係合して係止する。
【0029】
図29は組み立てられた折りたたみ可能な組立式箱を示し、図30は折りたたみ可能な組立式箱の完成状態を示すものである。
その際、完成した組立式箱に、別途作製した蓋61を被せて使用することができる。
なお、前記図26においてそれぞれ51は外側板45,46に設けた取手孔、52は内側板47に設けた取手孔、53は中板49に設けた取手孔である。図29に示す組立状態においては互いに同じ位置にくるよう配置されている。いずれの取手孔51,52,53も打抜加工によって簡単にくり抜けるようになっている。
【0030】
次に、前記組立式箱の折りたたみ工程について説明する。
図20および図21に示すように、前記底板41には一対の側板42,43に平行の折り目41cが、また前記中板49にはその折り目43a、43bに平行にさらに折り目43cが形成されている。
そして、前記中板49内の折り目43cは、その外側に切込みからなる易折りたたみ手段を形成して折りたたみ易くしてあり、また前記側板42の折り目42b、42cは、さらに切込みからなる易折りたたみ手段を形成して外向きに折りたたみ易くしてある。
【0031】
折りたたみに際しては、図31に示すように先ず内補強板44,50を折り目42a,50aで折込む。
そして図32に示すように、前記中板49を折り目43cで立ち上げた上、図33のように折りたたみ、その上で図34に示すように、前記底板41の他方の側の側板43を前記底板41の折り目41cで内向きに折りたたむ。図35は図34の折りたたんだ状態のものを反転した状態を示すものである。
次いで、図36に示すように前記外側板45を折り目42bで外向きに折りたたんだ上、図37に示すように内側板47を折り目45aで折りたたむ。
また、図38に示すように前記他方の外側板46を折り目42cで外向きに折りたたんだ上、図39に示すように内側板47を折り目46aで折りたたむと、前記組立式箱の折りたたみ工程は終了する。
図40は図39の折りたたんだ状態のものを反転した状態を示すものである。
【0032】
図41は本発明の折りたたみ可能な組立式箱の第2の実施形態の変形した例を示すもので、前記側板43の内側に折込む内補強板50を省略した場合を示すものである。
【0033】
以上の構成からなる本発明の折りたたみ可能な組立式箱は、運搬や保管などをする際に、展開状態から簡単に平板状に折りたたむことができ、かつ折りたたんだ状態が非常にコンパクトなので、搬送に便利なだけでなく、例えばこれを商品として店頭に並べる場合にも場所をとらないので大きなメリットを発揮する。
また、展開状態から平板状に折りたたむ場合の折り目も、ほとんど組立式箱の強度には影響のない部位に形成してあるので、組立状態で運搬や保管などをする際にも強度上の問題はなんら生じない。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明によれば、衣服や靴類、その他の種々の製品を梱包するのに非常に便利な折りたたみ可能な組立式箱を提供することができる。
もちろん、衣服や靴類等の製品のみならず、大小さまざまな製品を収納するために利用できることはいうまでもない。
その使用目的も、単なる搬送や保管のみならず、押入れ物置への収納保管や積み重ね、あるいはその他の種々の目的に使用することができる。
【0035】
また、本発明に係る折りたたみ可能な組立式箱は、厚板紙、段ボール又は合成樹脂板材からなる板状材をもって形成することができ、前記種々の用途に応じた素材で形成することができる。
【符号の説明】
【0036】
11 底板
11a,11b、11c 折り目
12 側板
12a,12b,12c 折り目
13 側板
13a,13b,13c 折り目
14 天板
14a,14b,14c 折り目
15 外側板
15a,15b 折り目
16 外側板
16a,16b 折り目
17 内側板
17a 係合突起
18 副底板
18a 長孔
19 中板
21,22 側片
23 側片
23a 折り目
24 折込み片
25 係合孔
26 係合突起
31,32,33 取手孔
41 底板
41a,41b、41c 折り目
42 側板
42a,42b,42c 折り目
43 側板
43a,43b,43c 折り目
44 内補強板
45 外側板
45a,45b 折り目
46 外側板
46a,46b 折り目
47 内側板
47a 係合突起
48 副底板
48a 長孔
49 中板
50 内補強板
51,52,53 取手孔
61 蓋

【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形の底板(11)と、該底板(11)の両側にそれぞれ折り目を介して一体に形成された対向する一対の側板(12,13)と、前記底板(11)と天板(14)との間の側板(12)にその両側縁に折り目を介して一体に形成された外側板(15,16)と、それぞれの外側板(15,16)の両側にそれぞれ折り目を介して一体に形成された内側板(17)および副底板(18)と、前記底板(11)の他方の側の側板(13)にその両側縁に折り目を介して一体に形成された中板(19)とを備え、
前記一対の側板(12,13)を底板(11)から立ち上げるとともに、前記副底板(18)を底板(11)上に折込み、また前記中板(19)を外側板(15,16)と内側板(17)との間に挟み込むようにしてそれぞれ内向きに折込んで各側板(12,13,15,16,17)および中板(19)を組み付けることにより組み立てられる組立式箱であって、
前記底板(11)には一対の側板(12,13)に平行に、また前記中板(19)にはその折り目に平行にさらに折り目が形成されており、
前記中板(19)を折り目で折りたたんだ上、前記底板(11)の他方の側の側板(13)を前記底板(11)の折り目で内向きに折りたたみ、
また前記外側板(15,16)を外向きに折りたたんだ上、内側板(17)を折りたたむようにしたことを特徴とする折りたたみ可能な組立式箱。
【請求項2】
四角形の底板(11)と、該底板(11)の両側にそれぞれ折り目を介して一体に形成された対向する一対の側板(12,13)と、前記一方の側板(12)の端部に折り目を介して一体に形成された四角形の天板(14)と、前記底板(11)と天板(14)との間の側板(12)にその両側縁に折り目を介して一体に形成された外側板(15,16)と、それぞれの外側板(15,16)の両側にそれぞれ折り目を介して一体に形成された内側板(17)および副底板(18)と、前記底板(11)の他方の側の側板(13)にその両側縁に折り目を介して一体に形成された中板(19)とを備え、
前記一対の側板(12,13)を底板(11)から立ち上げるとともに、前記副底板(18)を底板(11)上に折込み、また前記中板(19)を外側板(15,16)と内側板(17)との間に挟み込むようにしてそれぞれ内向きに折込んで各側板(12,13,15,16,17)および中板(19)を組み付け、その上で前記天板(14)を各側板(12,13,15,16,17)上に折込むことにより組み立てられる組立式箱であって、
前記底板(11)には一対の側板(12,13)に平行に、また前記中板(19)にはその折り目に平行にさらに折り目が形成されており、
前記中板(19)を折り目で折りたたんだ上、前記底板(11)の他方の側の側板(13)を前記底板(11)の折り目で内向きに折りたたみ、前記天板(14)を前記側板(13)上に折りたたみ、
また前記外側板(15,16)を外向きに折りたたんだ上、内側板(17)を折りたたむようにしたことを特徴とする折りたたみ可能な組立式箱。
【請求項3】
前記中板(19)内の折り目は、易折りたたみ手段により折りたたみ易くしてあることを特徴とする請求項1または2に記載の折りたたみ可能な組立式箱。
【請求項4】
前記側板(12)の折り目は、易折りたたみ手段により外向きに折りたたみ易くしてあることを特徴とする請求項1または2に記載の折りたたみ可能な組立式箱。
【請求項5】
前記易折りたたみ手段は、破線状の不連続な切込み、もしくは直線状の連続する切込み、型押しから選ばれたことを特徴とする請求項3または4に記載の折りたたみ可能な組立式箱。
【請求項6】
前記副底板(18)の折り目は、所定長の長孔(18a)が設けてあり、前記内側板(17)の端部に突設した係合突起(17a)を係合して係止することができるようにしてあることを特徴とする請求項1または2に記載の折りたたみ可能な組立式箱。
【請求項7】
前記天板(14)は、両側に折り目を介して一対の側片(21,22)と、端部に折り目を介して二つ折り可能な側片(23)を備え、
前記一対の側片(21,22)から延長した折込み片(24)を内向きに折込んだ上、折込み片(24)の内側に設けた係合孔(25)に、二つ折り可能な側片(23)の端縁に突設した係合突起(26)を係止して組み付けることにより、側片付きの天板(14)とすることを可能としたことを特徴とする請求項2に記載の折りたたみ可能な組立式箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【公開番号】特開2012−106761(P2012−106761A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−256325(P2010−256325)
【出願日】平成22年11月16日(2010.11.16)
【出願人】(393000881)株式会社マルアイ (10)
【Fターム(参考)】