説明

折り畳みゴミ袋の保持スタンド

【課題】 未使用時には折り畳み、使用時にはワンタッチで袋の着脱が容易に行える容器の要らない折り畳みゴミ袋の保持スタンドを提供する。
【解決手段】 四角形の木材で、上部に切欠を設けた左右外、内縦枠1,2,4,5と上面が袋装着時のX字立設状態で平行となり、折り畳み時には干渉する角度付の上外、内横枠3,6で構成する梯形コの字形の外枠と内枠を内設し、左右外、内縦枠1,2,4,5の中間部分を回動可能に軸7と軸受8で軸着し、外枠と内枠の軸着下部の両側面をチェーン9で連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
梯形コの字形の外枠と内枠を内接して回動可能に軸着し、折り畳んで平行と開いてX字形に立設する構成で、両枠上部の切欠に袋の開口部をワンタッチで装着し、袋が物で充満した状態でも容易に取り外すことができる容器の要らない折り畳みゴミ袋の保持スタンドに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明者は、先に容器の要らない折り畳みゴミ袋の保持スタンドとして、平形材で、2組の四角形が内設してX字状で回動と係止する枠の上部に袋を着脱し、それぞれの両側上方に外向きの袋掛け切欠と両側中央部分に2組の枠を内設とX字状に立設させる係止ピンとピン入切欠を設けて回動可能に軸着し、X字状の立設状態で、片面下部と上面を分断して三角を有する外固定枠と内固定枠、一角を有する外可動枠と内可動枠とし、それぞれの下部は蝶着し、上部は外固定枠と内固定枠に、掛け部を有する外可動枠と内可動枠が掛止する枠受け面と傘付軸を設けた形態と、角形材で、上部に切欠を設けた左右縦枠と上下横枠で構成する四角形の外枠と内枠を内設して平行とX字状立設に回動可能に軸着し、上横枠はX字状立設状態において水平となるように一定の角度をつけて一方は片側縦枠上部に固着し、他方は他方片側縦枠上部にローラーキャッチで連結し、下横枠は上横枠と同角度で一方は片側縦枠下部に固着し、他方は片側下部に蝶着し、外枠と内枠の軸着下部の両側面をチェーンで連結する形態を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−160265
【特許文献2】特開2008−013183
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発明が解決しようとする課題は、先の提案では、いずれも上部に切欠を設けた左右縦枠と上下横枠で構成する四角形の外枠と内枠がX字形の立設状態で袋を両枠上部の切欠に装着し袋内にゴミを投入後、袋を取り外す際に袋の外側が外枠と内枠に干渉してそのままでは取り出すことができないので四角形の枠の一部を解除する構造が必要で構成部品も多くコスト高となり作業にも手間がかかる。又、設置したゴミ袋スタンドにゴミが入った状態で移動させるには全体を持ち上げなくてはならずこの場合には袋が切欠から外れる可能性がありゴミの入った袋の再セットは難しい点である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するための手段は、四角形の木材で、上部に切欠を設けた左右外、内縦枠と上面が袋装着時のX字形立設状態で平行となり、折り畳み時には干渉する角度付の上外、内横枠で構成する梯形コの字形の外枠と内枠を内設し、左右外、内縦枠の中間部分を回動可能に軸と軸受で軸着し、外枠と内枠の軸着下部の両側面をチェーンで連結する。又、ゴミ袋にゴミが入った状態での移動を容易にする為に外枠の下部にキャスターを設ける。
【発明の効果】
【0006】
本発明の折り畳み袋の保持スタンドは、未使用時には外枠と内枠が内設して平行に折り畳むことができ、使用時にはX字形に立設するが外枠と内枠は梯形コの字形の為に安定度が高い。又、外枠と内枠を連結するチェーンは全開防止用であり、袋を装着した時の開き寸法より若干広くなるように設定しておくことにより、袋の開口部を外枠と内枠の切欠に装着する作業が容易に行える。この時に外枠と内枠は袋の開口部の張力によって立設し外枠と内枠の上下面は水平となり安定した状態で立設する。
【0007】
複数個所でのゴミ収集が必要な場合には外枠下部にキャスターを設けておけば外枠上部を持ち上げることによりゴミの入った状態で容易に移動することができる。
【0008】
袋にゴミ投入後袋の取り外しは、袋の開口部を外枠と内枠の切欠から外し梯形コの字形のスタンドを上方に引き上げれば完了する。
【0009】
美観、衛生上、蓋が必要な場合には、上面を覆う平板を後蓋と前蓋に任意の位置で二分割して蝶着し、裏面の四辺周囲に外枠と内枠の外側端部に当接させる両当接枠と連結枠を設け、後蓋のみ両当接枠に固着し前蓋には取手を付ける。従って、前蓋は容易に開閉でき、両当接枠は外枠と内枠の外側に開く力を抑止する。
【0010】
未使用時には外枠と内枠が回動して一体となるので保管と持ち運びが容易であり、使用時はワンタッチ感覚で設置と袋の装着が行えるので屋内、屋外を問わずあらゆる場所で使用でき撤去も簡単に行える。又、袋が容器を兼用するので投入物が多く入り透明か半透明の袋を使用すれば内容物が外から確認できるので安全性が高く管理もしやすい。
【0011】
スタンドの大きさは袋の寸法により決まる。従って、通常市販されている容量45L,70L、90Lの袋及び土嚢袋等それぞれの袋に合わせて設計、製作すれば多様な袋に対応することができる。
【0012】
木材は加工が容易で軽量であり使用部材の寸法も小さいので従来は廃棄されていた間伐材、端材等の使用が可能な為に資源の有効利用ができ安価にて提供ができる。又、表面に人と環境に優しく作業性に優れた天然木材保護塗料プラネットカラー(ドイツ・クライデツァイト社製)を使用すればより効果的である。
【0013】
外枠、内枠に木材以外の材料を使用して一体成形すれば加工部分が少なくてすみ数量、材料費の比較によっては木材製より安価にて提供できる可能性はある。この場合の材料は再生化成品の使用が望ましい。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】折り畳みゴミ袋の保持スタンドの斜視図である。
【図2】折り畳みゴミ袋の保持スタンドの折り畳んだ平面図である。
【図3】折り畳みゴミ袋の保持スタンドにキャスターを設けた正面図である。
【図4】折り畳みゴミ袋の保持スタンドにゴミ袋を装着した正面図である。
【図5】折り畳みゴミ袋の保持スタンドに蓋を設けた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
左右縦枠と上横枠で構成する梯形コの字形外枠と内枠を内設し、上下横枠を左右縦枠がX字形で立設した状態で水平となるように形成して回動可能に軸着する。この時、両縦枠の上部には上横枠と同じく水平となる切欠を設ける。又、外枠と内枠が一定寸法以上開かないように片側の軸着付近下部をチェーンで連結する。尚、外枠と内枠に木材以外の材料を用いて一体成形してもよい。

【0016】
外枠の下部にキャスターを設けることによりゴミ袋にゴミが入った状態での移動を容易にする。
【0017】
上面に蓋を必要とする場合には、任意の位置で二分割した後蓋と取手付の前蓋を蝶着し、裏面周囲に当接枠と連結枠を設け後蓋のみ当接枠に固着する。
【実施例】
【0018】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係わる折り畳みゴミ袋の保持スタンドの斜視図である。X字形に立設した状態で左右外縦枠1,2と上外横枠3で構成する外枠と左右内縦枠4,5と上内横枠6で構成する内枠の上外、内横枠3と6が平行となるよう一定の角度をつけ、それぞれの左右外、内縦枠の上部に外側に向いた切欠を設ける。外枠と内枠は回転可能に軸7と軸受け8で軸着し、チェーン9で外枠と内枠の側面を連結して一定以上開かないようにするが開き防止用なので片側のみでよくチェーン9以外のワイヤー、ロープ等他の連結できる部品を使用してもよい。尚、左右外縦枠1,2と上横枠3及び左右内縦枠4,5と上横枠6の接合は皿木ネジを使用すれば頭が突出せず強固に固定することができる。又、左右外、内縦枠1,2,4,5の下面は半円形にすれば線接地となり設置面に対しての順応性が高くなり角度変化にも対応できる。
【0019】
図2は、折り畳みゴミ袋の保持スタンドを折り畳んだ状態の平面図である。外枠と内枠とも同一寸法の材料を使用することにより折り畳んだ時に一体化できる。上面のA−A断面は互いに傾斜した上外、内横枠3,6が当接するので反対方向には開かない。尚、折り畳んだ状態で前面を面一にする為に外枠及び内枠の一点鎖線の部分は面取りを行う。軸着部分のB−B断面は軸7、軸受け8を突出させない実施例であり軸7になべネジ、軸受け8に爪付ナットを用いているが他に代用できる部品であってもよい。
【0020】
図3は、折り畳みゴミ袋の保持スタンドの左右外縦枠下部にキャスター10を設けた正面図である。設置したゴミ袋スタンドは場合によっては移動が必要である。この場合において左右外縦枠下部にキャスター10を設けることによりゴミの入ったスタンドの外枠上面を持ち上げれば容易に移動させることができる。尚、キャスターには用途に応じて各種の型式があるが本発明に使用するのはネジ込み式が最適である。又、キャスターが外枠のみなので内枠が接地しているので力が作用しても移動することはない。
【0021】
図4は、折り畳みゴミ袋の保持スタンにゴミ袋を装着した正面図である。ゴミ袋をスタンドに装着する場合にはあらかじめ外枠と内枠を開いておくが手を離すと全開するのでチェーン9で一定以上開かないようにしておく。尚、連結寸法はゴミ袋を切欠へ装着した場合の外枠と内枠の開いた寸法より若干大きく設定する。
【0022】
図5は、折り畳みゴミ袋の保持スタンドの上面に開閉ができる蓋を設けた斜視図である。C−C断面とD−D断面で示すように、取手14付の前蓋11と後蓋12を蝶番13で蝶着し、裏面周囲に当接枠15と連結枠16を設け後蓋12は当接枠15に固着する。従って、保持スタンドに袋を装着した後、蓋をスタンド上に置けば前蓋11は取手14により開閉ができ、当接枠15が外枠と内枠の上外、内横枠3,6の側面に当接するので袋がより強固に保持されると共に立設した保持スタンドが開くのを抑止し耐垂直荷重も増し後蓋12の上は物置台を兼用できる。尚、前蓋11と後蓋12の二分割寸法は使用目的によって設定すればよい。
【0023】
外枠と内枠を木材以外の材料で一体成形した場合の軸着は、内枠の内側にネジを切っておけば軸受け8を使用しなくてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0024】
ゴミの発生は家庭内外、道路沿い、公園、事務所、工場、公共施設、各種イベント等あらゆる場所で発生する。これらのゴミはほとんどゴミ袋に入れられるがその方法としては直接入れる、容器にゴミ袋セットする、スタンドにゴミ袋をセットするに大別される。いずれも一長一短があるが本提案の折り畳みゴミ袋の保持スタンドは従来の各種スタンドと較べると構造が簡単であり材料の木材も寸法が小さくて済み端材、間伐材が使用できるので資源の有効活用が可能となる。更に、取り扱いが簡単で袋内のゴミも外から確認できる利点と作業も効率的に行うことができるので外見を気にしなければあらゆる場所での利用が可能である。尚、スタンド上に蓋を設ければゴミ袋に投入した物が直接見えないので家庭内、事務所内、美観上問題となる場所等で利用の可能性が高まる。
【符号の説明】
【0025】
1 左外縦枠 11 前蓋
2 右外縦枠 12 後蓋
3 上外横枠 13 蝶番
4 左内縦枠 14 取手
5 右内縦枠 15 当接枠
6 上内横枠 16 連結枠
7 軸
8 軸受け
9 チェーン
10 キャスター


【特許請求の範囲】
【請求項1】
四角形の木材で、上部に切欠を設けた左右外、内縦枠と上面が袋装着時のX字形立設状態で平行となり、折り畳み時には干渉する角度付の上外、内横枠で構成する梯形コの字形の外枠と内枠を内設し、左右外、内縦枠の中間部分を回動可能に軸と軸受で軸着し、外枠と内枠の軸着下部の両側面をチェーンで連結してなることを特徴とする折り畳みゴミ袋の保持スタンド。
【請求項2】
左右外縦枠の下部にキャスターを設けたことを特徴とする請求項1に記載の折り畳みゴミ袋の保持スタンド。
【請求項3】
X字状に立設した袋装着状態で、木材を用いて内外上横枠の上面を覆う平板の4辺の裏面周囲に外枠と内枠の上横枠外側に当接する当接枠と連結枠設け、平板を後蓋と前蓋に任意の位置で二分割して蝶着し、後蓋を当接枠に固着し前蓋に取手を設けたことを特徴とする請求項1乃至2に記載の折り畳みゴミ袋の保持スタンド。
【請求項4】
外枠と内枠を木材以外の材料を使用して一体成形としたことを特徴とする請求項1乃至2に記載の折り畳みゴミ袋の保持スタンド。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−111277(P2011−111277A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−268828(P2009−268828)
【出願日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【出願人】(591256505)
【Fターム(参考)】