説明

折り畳みテーブル

【課題】折り畳み状態において、天板の表面が内向き、すなわち脚体側を向き、天板の表面に傷が付きにくく、しかも脚体をコンパクトに折り畳むことができるようにした折り畳みテーブルを提供する。
【解決手段】脚体3上にほぼ水平に支持した天板2の後端部を、脚体3の後部に左右方向を向く水平軸10をもって枢着し、天板2を、水平軸10を中心として、水平位置から水平軸10の上方および後方を回って、脚体3の後部より垂下する折り畳み位置まで回動可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脚体上に設けた天板を折り畳み可能とした折り畳みテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、直立する脚体の上端に天板を枢着し、この天板を90°回転させて垂直に折り畳むようにした折り畳みテーブルがある(例えば、特許文献1および2参照)。
【特許文献1】実公昭61―1773号公報
【特許文献2】実公昭64―112号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、特許文献1および2に記載されている折り畳みテーブルは、いずれも折り畳んだ状態において、天板の表面が外向きになるため、天板の表面に他物が当接して傷が付きやすいという問題がある。
【0004】
本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、折り畳み状態において、天板の表面が内向き、すなわち脚体側を向き、天板の表面に傷が付きにくく、しかも脚体をコンパクトに折り畳むことができるようにした折り畳みテーブルを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)脚体上にほぼ水平に支持した天板の後端部を、前記脚体の後部に左右方向を向く水平軸をもって枢着し、前記天板を、前記水平軸を中心として、水平位置から水平軸の上方および後方を回って、前記脚体の後部より垂下する折り畳み位置まで回動可能とする。
【0006】
(2)上記(1)項において、折り畳み位置としたときの天板の下端が、直接、またはその下端に設けた進出量調節用のアジャスタを介して接床するようにする。
【0007】
(3)上記(1)または(2)項において、脚体における左右1対の後脚の上部を後方に向けて折曲して形成した後向延出部の後端部間に、天板の後端部を挟んで、左右方向を向く水平軸をもって枢着する。
【0008】
(4)上記(1)〜(3)項のいずれかにおいて、脚体を、左右方向を向く連結杆により互いに連結した左右1対の後脚と、各後脚に後端部が上下方向を向く軸をもって枢着された前方を向く上部水平杆の前端より垂下する左右1対の前脚とを備え、各前脚および上部水平杆が、前方を向く使用位置と、互いに内方に折り畳まれて、前記連結杆に近接または当接する折り畳み位置とに回動可能であり、左右の前脚および上部水平杆を使用位置としたとき、左右の上部水平杆上に天板の両側部が載置可能とする。
【0009】
(5)上記(4)項において、天板の両側端部に、使用位置としたときの左右の上部水平杆に跨嵌することにより、上部水平杆の左右方向への回動を阻止するようにした係合部材を設ける。
【0010】
(6)上記(4)または(5)項において、上部水平杆の下方に、前脚と一体をなす下部水平杆を設け、かつ左右の後脚を連結する左右方向の連結杆に、前方を向く左右1対の腕杆の後端部を、左右方向を向く軸をもって枢着し、前記両腕杆を、前方を向く使用位置と、下方を向く折り畳み位置とに回動可能とし、前記両腕杆の外側部に、該腕杆を使用位置としたとき、使用位置としたときの左右の下部水平杆に跨嵌することにより、下部水平杆の左右方向への回動を阻止するようにした係合部材を設ける。
【0011】
(7)上記(6)項において、左右の腕杆の前端部同士を、左右方向を向く連結杆をもって互いに連結する。
【0012】
(8)上記(1)〜(7)項のいずれかにおいて、後脚および前脚の下端にキャスタを設ける。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、次のような効果を奏することができる。
(a)請求項1記載の発明によると、折り畳み状態において、天板の表面が内向き、すなわち脚体側を向くので、天板の表面に傷が付きにくく、しかも天板を水平軸で脚体に支持する簡単な構造であるため、故障が少なく、安価である。
【0014】
(b)請求項2記載の発明によると、折り畳み位置としたときの天板の下端が、直接、またはアジャスタを介して接床するので、折り畳んだときのテーブル全体が後方に倒れるのを防止することができる。
特に、天板を水平位置から折り畳み位置へ移動したとき、天板の重心が後方に移動し、テーブル全体が後方に倒れ易くなるが、折り畳み位置としたときの天板の下端が接床することにより、後方への倒れを効果的に防止することができる。
【0015】
(c)請求項3記載の発明によると、後脚の上部における後向延出部の後端部に、天板の後端部を枢着したので、天板が、折り畳み位置としたときに、脚体と干渉することがなく、しかも天板を水平位置としたときは、後向延出部と天板の後部両側面とが互いに平行をなし、美麗な外観を呈することができる。
【0016】
(d)請求項4記載の発明によると、天板を折り畳み位置とした状態で、左右の上部水平杆および前脚を互いに内方に回動させることにより、脚体全体を、前脚および後脚が天板の前方において重なり合った扁平形状にコンパクトに折り畳むことができ、狭い収容スペースにも効率よく収納することができる。
また、左右の上部水平杆および前脚を使用位置としたときは、天板を安定して支持することができる。
【0017】
(e)請求項5記載の発明によると、使用状態において、天板の両側端部に設けた係合部材が、上部水平杆に跨嵌することにより、上部水平杆および前脚の左右方向への回動が阻止されるので、それらが不意に左右方向に回動して、天板の支持が不安定になったり、天板が前傾したりするおそれがなく、安全である。
【0018】
(f)請求項6記載の発明によると、天板を折り畳み位置としている状態でも、左右の上部水平杆および前脚を使用位置に確実に保持しておくことができるので、天板を折り畳み位置から水平位置へ戻す際に、天板と上部水平杆とが確実に位置決めされ、容易に組み立てることができる。
また、折り畳みの際には、左右の腕杆を下方を向く折り畳み位置としておくことにより、腕杆が、上下部水平杆および前脚の折り畳みの妨げとなることがなく、すべてをコンパクトに折り畳むことができる。
【0019】
(g)請求項7記載の発明によると、使用状態おいて、左右の前脚の下部同士が、下部水平杆、腕杆、およびそれらを連結する連結杆をもって互いに連結されるので、脚体全体の剛性が増し、天板を安定して支持することができる。
【0020】
(h)請求項8記載の発明によると、キャスタにより、テーブル全体を容易に移動させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の折り畳みテーブルの一実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、折り畳みテーブルの使用時の状態を示す斜視図、図2は、天板における表面板を取り除いた状態の斜視図、図3は、天板の折り畳み途中の斜視図、図4は、天板の折り畳み終了後の斜視図、図5は、全部品の折り畳み終了後の斜視図である。
【0022】
なお、図1〜図5において、便宜上、紙面の左下側を前方、右上側を後方、右下側を右方、左上側を左方とする。
図1に示すように、折り畳みテーブル(1)は、平面視方形の天板(2)と、この天板(2)を下から支える脚体(3)とを備えている。天板(2)は、後に詳述するように、天板フレーム(4)と、この天板フレーム(4)上に取り付けられた表面板(5)とにより構成されている。
【0023】
脚体(3)は、左右方向を向く上下1対の連結杆(6)(6)により互いに連結した左右1対の後脚(7)(7)と、各後脚(7)の前部に上下方向を向く軸(後に詳述する)をもって枢着され、前方を向く使用位置(図1〜図4参照)と、互いに内方を向く折り畳み位置(図5参照)とに回動しうるようにした左右1対の側枠(8)(8)と、下方の連結杆(6)に左右方向を向く軸(後に詳述する)をもって枢着され、前方を向く使用位置(図1〜図4参照)と、下方を向く折り畳み位置(図5参照)とに回動しうるようにした係止枠(9)とを備えている。
【0024】
脚体(3)の各部の詳細について説明すると、各後脚(7)の上部には、後向延出部(7a)が後方に向けて折曲して形成されており、左右の後脚(7)(7)の後向延出部(7a)(7a)間には、天板(2)、より詳しくは天板フレーム(4)の後端部が挟まれて、左右方向を向く水平軸(10)をもって枢着されている。
【0025】
この水平軸(10)による枢着により、天板(2)は、脚体(3)に対して、水平軸(10)を中心として、水平位置(図1および図2参照)から水平軸(10)の上方および後方を回って(図3参照)、脚体(3)の後部より垂下する折り畳み位置(図4および図5参照)まで、およびその逆方向に回動しうるようになっている。
【0026】
各側枠(8)は、前方を向く上部水平杆(11)と、同じく下部水平杆(12)と、上部水平杆(11)の前端より垂下し、かつ中間部に下部水平杆(12)の前端が溶接等により固着された前脚(13)とを備えている。
【0027】
上部水平杆(11)および下部水平杆(12)の後端部には、下向き折曲部(11a)(12a)が形成され、その下端部は、枢着手段(14)をもって、後脚(7)の上下部に枢着されている。
【0028】
図6は、上部水平杆(11)の下向き折曲部(11a)を、後脚(7)の上部に枢着する枢着手段(14)を示す。下部水平杆(12)の下向き折曲部(12a)を後脚(7)の上部に枢着する枢着手段(14)は、これと同一構造であるので、その詳細な説明は省略する。
【0029】
図6に示すように、この枢着手段(14)は、上部水平杆(11)の下向き折曲部(11a)の下端に圧嵌され、かつ中央にねじ孔(15a)が設けられたエンドキャップ(15)と、各後脚(7)の前面に溶接により固着され、かつ中央に上下方向を向く軸孔(16)が設けられた前方を向く水平の受板(17)と、中央の下向きのボス(18a)が受板(17)の軸孔(16)に上方より嵌合されるようにして、受板(17)上に載置されたボス付ワッシャ(18)と、雄ねじ部(21a)が、平ワッシャ(19)とスプリングワッシャ(20)とボス付ワッシャ(18)のボス(18a)とを順次挿通するようにして受板(16)の下方から挿入され、かつ雄ねじ部(21a)の上部を、上記エンドキャップ(15)のねじ孔(14)に螺合して締め付けるようにしたアジャスタボルト(21)とからなっている。
【0030】
この例では、枢着手段(14)におけるアジャスタボルト(21)の雄ねじ部(21a)が上下方向を向く軸として、上部水平杆(11)の下向き折曲部(11a)の下端部が後脚(7)に枢着されている。
また、枢着手段(14)は、アジャスタボルト(21)の締め付け量を調節することにより、スプリングワッシャ(20)による上部水平杆(11)の回動抵抗、ひいては側枠(8)の回動抵抗を調節しうるようになっているが、例えば、上部水平杆(11)の下向き折曲部(11a)を、受板(17)に上向き突設した軸(図示略)に回転自在に外嵌しただけの簡単な構造のものとしてもよい。
【0031】
左右の後脚(7)(7)および前脚(13)(13)の下端には、キャスタ(22)がそれぞれ設けられ、折り畳みテーブル(1)全体を床面に沿って容易に移動しうるようになっている。
【0032】
係止枠(9)は、下方の連結杆(6)に下向き突設した左右1対のブラケット(23)(23)に、左右方向を向く軸をもって後端部が枢着され、ほぼ前方を向く使用位置と、下方を向く折り畳み位置とに回動可能とした左右1対の腕杆(24)(24)を備えている。
【0033】
各腕杆(24)の後端部には、互いに内方を向く内向き延出部(24a)がほぼ直角に折曲形成されており、この内向き延出部(24a)の内端を左右のブラケット(23)(23)の外側面に当接させるようにして、上述したのと同様の横向きとした枢着手段(14)をもって、各腕杆(24)の後端部はブラケット(23)に枢着されている。
【0034】
両腕杆(24)(24)の外側面には、正面視下向きコ字状または下方に開口する半円弧状の係合部材(25)(25)が溶接等により固着されており、両腕杆(24)(24)を使用位置としたとき、各係合部材(25)が、使用位置としたときの側枠(8)における左右の下部水平杆(12)に上方より跨嵌することにより、下部水平杆(12)の左右方向への回動を阻止し、もって側枠(8)が使用位置から妄りに移動しないようにすることができるようになっている。
【0035】
また、両腕杆(24)(24)を、使用位置からさらに若干上方に回動させて、各係合部材(25)を、下部水平杆(12)から上方に外し、さらに左右の側枠(8)を使用位置より左右方向に若干開くことにより、両腕杆(24)(24)を、下方を向く折り畳み位置まで回動させることができる。
両腕杆(24)(24)を折り畳み位置とすることにより、左右の側枠(8)(8)は、両腕杆(24)(24)に妨げられることなく、両前脚(13)(13)が上下の連結杆(6)(6)に近接または当接する折り畳み位置まで回動することができる。
【0036】
左右の腕杆(24)(24)の前端部同士は、左右方向を向く連結杆(26)をもって互いに連結されている。この連結杆(26)と腕杆(24)(24)と係合部材(25)(25)とにより、使用状態における左右の側枠(8)(8)の中間部同士が互いに連結されるので、脚体(3)全体の剛性が増し、天板(2)を安定して支持することができる。
【0037】
図2および図3に示すように、天板フレーム(4)は、前後方向を向く左右1対の縦フレーム(27)(27)の前後の端部近傍同士を、左右方向を向く前後1対の横フレーム(28)(28)により連結し、前後の横フレーム(28)(28)同士を、前後方向を向く複数の中桟(29)により連結した方形のものとしてある。天板フレーム(4)の上部には、天板(2)の表面を構成する鋼板等の金属製薄板からなる表面板(5)が取り付けられている(図1参照)。
【0038】
左右の縦フレーム(27)(27)の中間部外側面には、正面視下向きコ字状または下方に開口する半円弧状の係合部材(30)(30)が溶接等により固着されており、各係合部材(30)を、使用位置としたときの各側枠(8)における上部水平杆(11)に上方より跨嵌することにより、上部水平杆(11)の左右方向への回動を阻止し、もって側枠(8)が不意に左右方向に回動して、天板(2)の支持が不安定になったり、天板(2)が前傾したりするおそれをなくすことができる。
なお、このような係合部材(30)を省略し、使用位置とした左右の側枠(8)(8)上に、天板(2)の両側部が載置されて支持されるだけとしてもよい。
【0039】
左右の縦フレーム(27)(27)の前端には、図6に示すエンドキャップ(15)のねじ孔(15a)に、アジャスタボルト(21)のねじ部(21a)を螺合しただけの進出量調節用のアジャスタ(31)が設けられている。
【0040】
このアジャスタ(31)は、折り畳み位置としたときの天板(2)の下端が、確実に接床するように、縦フレーム(27)の長さを調節しうるようにしたものである。
しかし、縦フレーム(27)の長さを、折り畳み位置としたときの天板(2)の下端が確実に接床するような最適なものに定めておいた場合は、アジャスタ(31)を省略し、天板(2)の下端が直接接床するようにしてもよい。
【0041】
このように、折り畳み位置としたときの天板(2)の下端が、直接、またはアジャスタ(31)を介して接床するようにすることにより、折り畳んだときのテーブル全体が後方に倒れるのを防止することができる。
特に、天板(2)を水平位置から折り畳み位置へ移動したとき、天板(2)の重心が後方に移動し、テーブル全体が後方に倒れ易くなるが、折り畳み位置としたときの天板(2)の下端が接床することにより、後方への倒れを効果的に防止することができる。
【0042】
左右の縦フレーム(27)(27)の後端、および後脚(7)の後向延出部(7a)の後端には、ねじ孔(15a)を設けないエンドキャップ(15)と同一としたエンドキャップ(32)(33)がそれぞれ圧嵌されている。
【0043】
図7および図8に示すように、平面視長方形をなす表面板(5)の左右の側縁には、下方を向く短寸の折曲縁(34)(34)が形成され、同じく前後の縁には、下方および内方に順次直角に折曲して形成されたほぼ内向きコ字状の折曲縁(35)(35)が形成されている。
【0044】
図9および図10に示すように、表面板(5)は、その左右の折曲縁(34)(34)と、前後の折曲縁(35)(35)の左右の側端との間に、左右の縦フレーム(27)(27)がそれぞれ嵌合し、前後の折曲縁(35)(35)の内側に、前後の横フレーム(28)(28)が嵌合するようにして、天板フレーム(4)に上方より嵌合することにより、天板フレーム(4)に対して前後左右に位置決めされ、さらに、コ字状の前後の折曲縁(35)(35)の下面両側部に、内端部上面が天板フレーム(4)における前後の横フレーム(28)(28)の下面に圧接するようにした取付片(36)の外端部を、止めねじ(37)をもって螺着することにより、天板フレーム(4)に強固に装着されている。
(38)は、コ字状の前後の折曲縁(35)(35)の下面両側部に設けられ、止めねじ(37)を螺合するためのねじ孔である(図7参照)。
【0045】
各取付片(36)を、止めねじ(37)とともに、折曲縁(35)(35)から外すことにより、表面板(5)を天板フレーム(4)から容易に取り外すことができる。
したがって、表面板(5)は、古くなったものを新しいものと容易に交換することができるとともに、使用者の好みに応じて、意匠(色彩、模様等)の異なるものと簡単に交換することができる。
【0046】
次に、折り畳みの動作を説明する。
図1の使用状態から、天板(2)の前部を持ち上げると、天板(2)は水平軸(30)を支点として上方および後方に回動し、図3に示すように、天板(2)の表面板(5)が下側になる状態から、さらに後下方に回動し、図4に示すように、表面板(5)が前方、すなわち、脚体(3)側を向いた位置になるまで、ほぼ270°回動する。
【0047】
この状態で、天板フレーム(4)の前端のアジャスタ(31)が床面に当接し、これにより、折り畳みテーブル(1)全体が後方へ倒れにくくなる。
【0048】
次に、係止枠(9)を少し持ち上げて、係合部材(25)を下部水平杆(12)から外し、両側枠(8)(8)を若干外側方に回転させて退避させた後、係止枠(9)を下方を向く折り畳み位置まで回動させる。このとき、係合部材(25)が後脚(7)の下部に前方より係合するようにしておくとなおよい。
【0049】
最後に両側枠(8)(8)を互いに内向きに回動させて、連結杆(6)(6)に近接または当接させることにより、図5に示すように、天板(2)、後脚(7)(7)、係止枠(9)、および側枠(8)(8)が前後方向に重なり合った扁平形状に折り畳まれる。
【0050】
図11は、天板フレーム(4)に対する表面板(5)の取付構造の変形例を示している。
この例では、取付片(36)を表面板(5)における前後の折曲縁(35)(35)の下面両側部にねじ止めする代わりに(またはそれと併用してもよい)、表面板(5)における前後の折曲縁(35)(35)の下端部を内方に折曲して内向き片(35a)(35a)を形成し、この内向き片(35a)の上面と、天板フレーム(4)における横フレーム(28)の下面とに、取付片(36)の外端部の下面と内端部の上面とをそれぞれ当接させ、横フレーム(28)と取付片(36)の内端部とを、止着手段(40)により止着してある。
【0051】
止着手段(40)は、この例では、取付片(36)の内端部と、それを取り付けようとする横フレーム(28)の対応箇所とにそれぞれ穿設した貫通孔(41)(42)に、グロメット(43)におけるコレット状筒部(44)を、その基端に設けた拡径鍔部(45)が取付片(36)の内端部下面に当接するまで連続して嵌合し、次いで、プランジャ(46)における先端部に拡径部(47)を有する軸部(48)を、その基端に設けた拡径把持部(49)がグロメット(43)の拡径鍔部(45)に当接するまで、グロメット(43)内に押し込むことにより、拡径部(47)によりコレット状筒部(44)を外向きに押し広げて、グロメット(43)を貫通孔(41)(42)から抜け止めするようにした型式のものとしてある。
【0052】
このような止着手段(40)を用いると、表面板(5)を天板フレーム(4)に簡単に取り付けることができる。
なお、上記のように、取付片(36)の内端部と横フレーム(28)とを、止着手段(40)により止着する代わりに、またはそれと併用して、取付片(36)の外端部と、それを取り付けようとする表面板(5)の内向き片(35a)の対応箇所とに、上記と同様の貫通孔(41)(42)をそれぞれ穿設しておき、そこに上記と同様の止着手段(40)を装着して、取付片(36)の外端部と内向き片(35a)とを互いに止着するようにしてもよい。また、止着手段(40)をねじとしてもよい。
【0053】
図12は、天板フレーム(4)に対する表面板(5)の取付構造のさらに別の変形例を示している。
この例では、図10および図11に示す天板フレーム(4)に対する表面板(5)の取付構造に代えて、またはそれと併用して、表面板(5)の下面に、天板フレーム(4)における縦フレーム(27)、横フレーム(28)、または中桟(29)のいずれかを、両側方より挾圧把持するキャッチャ状の弾性把持部材(50)を設けたものとしてある。
このように、本発明は、幾多の変形した態様で実施することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の折り畳みテーブルの一実施形態であって、使用時の状態を示す斜視図である。
【図2】同じく、天板の表面板を取り除いた状態の斜視図である。
【図3】同じく、天板の折り畳み途中の斜視図である。
【図4】同じく、天板の折り畳み終了後の斜視図である。
【図5】同じく、全ての折り畳み終了後の斜視図である。
【図6】側枠の枢着手段の一例を示す拡大縦断側面図である。
【図7】表面板の底面図である。
【図8】表面板の正面図である。
【図9】天板の底面図である。
【図10】図9のX−X線拡大断面図である。
【図11】表面板の取り付け構造の変形例を示す図10と同様の部分の断面図である。
【図12】表面板の取り付け構造の他の変形例を示す図10と同様の部分の断面図である。
【符号の説明】
【0055】
(1) 折り畳みテーブル
(2) 天板
(3) 脚体
(4) 天板フレーム
(5) 表面板
(6) 連結杆
(7) 後脚
(7a) 後向延出部
(8) 側枠
(9) 係止枠
(10) 水平軸
(11) 上部水平杆
(11a) 下向き折曲部
(12) 下部水平杆
(12a) 下向き折曲部
(13) 前脚
(14) 枢着手段
(15) エンドキャップ
(15a) ねじ孔
(16) 軸孔
(17) 受板
(18) ボス付ワッシャ
(18a) ボス
(19) 平ワッシャ
(20) スプリングワッシャ
(21) アジャスタボルト
(21a) 雄ねじ部
(22) キャスタ
(23) ブラケット
(24) 腕杆
(24a) 内向き延出部
(25) 係合部材
(26) 連結杆
(27) 縦フレーム
(28) 横フレーム
(29) 中桟
(30) 係合部材
(31) アジャスタ
(32)(33) エンドキャップ
(34)(35) 折曲縁
(35a) 内向き片
(36) 取付片
(37) 止めねじ
(38) ねじ孔
(40) 止着手段
(41)(42)貫通孔
(43)グロメット
(44)コレット状筒部
(45)拡径鍔部
(46)プランジャ
(47)拡径部
(48)軸部
(49)拡径把持部
(50)弾性把持部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚体上にほぼ水平に支持した天板の後端部を、前記脚体の後部に左右方向を向く水平軸をもって枢着し、前記天板を、前記水平軸を中心として、水平位置から水平軸の上方および後方を回って、前記脚体の後部より垂下する折り畳み位置まで回動可能としたことを特徴とする折り畳みテーブル。
【請求項2】
折り畳み位置としたときの天板の下端が、直接、またはその下端に設けた進出量調節用のアジャスタを介して接床するようにしたことを特徴とする請求項1記載の折り畳みテーブル。
【請求項3】
脚体における左右1対の後脚の上部を後方に向けて折曲して形成した後向延出部の後端部間に、天板の後端部を挟んで、左右方向を向く水平軸をもって枢着したことを特徴とする請求項1または2記載の折り畳みテーブル。
【請求項4】
脚体を、左右方向を向く連結杆により互いに連結した左右1対の後脚と、各後脚に後端部が上下方向を向く軸をもって枢着された前方を向く上部水平杆の前端より垂下する左右1対の前脚とを備え、各前脚および上部水平杆が、前方を向く使用位置と、互いに内方に折り畳まれて、前記連結杆に近接または当接する折り畳み位置とに回動可能であり、左右の前脚および上部水平杆を使用位置としたとき、左右の上部水平杆上に天板の両側部が載置可能としたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の折り畳みテーブル。
【請求項5】
天板の両側端部に、使用位置としたときの左右の上部水平杆に跨嵌することにより、上部水平杆の左右方向への回動を阻止するようにした係合部材を設けたことを特徴とする請求項4記載の折り畳みテーブル。
【請求項6】
上部水平杆の下方に、前脚と一体をなす下部水平杆を設け、かつ左右の後脚を連結する左右方向の連結杆に、前方を向く左右1対の腕杆の後端部を、左右方向を向く軸をもって枢着し、前記両腕杆を、前方を向く使用位置と、下方を向く折り畳み位置とに回動可能とし、前記両腕杆の外側部に、該腕杆を使用位置としたとき、使用位置としたときの左右の下部水平杆に跨嵌することにより、下部水平杆の左右方向への回動を阻止するようにした係合部材を設けたことを特徴とする請求項4または5記載の折り畳みテーブル。
【請求項7】
左右の腕杆の前端部同士を、左右方向を向く連結杆をもって互いに連結したことを特徴とする請求項6記載の折り畳みテーブル。
【請求項8】
後脚および前脚の下端にキャスタを設けたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の折り畳みテーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−43074(P2006−43074A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−227435(P2004−227435)
【出願日】平成16年8月4日(2004.8.4)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】