説明

折り装置及び吸収性物品の製造方法

【課題】 ウェブの搬送速度やウェブの特性などに応じて、位相ずれの調整を簡素化でき、吸収性物品の製造品質の低下を確実に抑制できる折り装置及び吸収性物品の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係る折り装置100は、同一面上にある第1領域T1と第2領域T2とに共に接する搬送ロール203と、折り曲げ線を基準に第1領域T1と第2領域T2とのなす角度を下流側に向かうほど小さくなるように、第1領域T1と第2領域T2とを向い合わせるウェブ案内機構300と、第1領域T1と第2領域T2との少なくとも一方を押圧する押圧機構400とを有する。押圧機構400は、ウェブ61,62を押圧する度合いを変更し、搬送ロール203よりも機械方向MDの下流側における一方の側縁10Aが搬送される軌跡の長さ(第1軌道長L1)と、他方の側縁20Aが搬送される軌跡の長さ(第2軌道長L2)との少なくとも一方の長さを変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吸収性物品用のウェブを二つ折りにする折り装置及び吸収性物品の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
パンツ型の使い捨ておむつ等の吸収性物品は、着用者の前胴回りに対応する前胴回り部と、着用者の後胴回りに対応する後胴回り部と、着用者の股下に対応する股下部とを備える。股下部の側部には、着用者の脚が挿入される脚周り開口部(例えば、レッグホール)が形成される。
【0003】
このような吸収性物品を製造する方法として、以下の方法が開示されている。すなわち、前胴回り部及び後胴回り部が連続した一対のウェブ(単にウェブという)の搬送方向(いわゆる、機械方向(MD))に対して、紐状の弾性体を伸張させた状態でウェブに接合する。次いで、機械方向に交差する交差方向(CD)に、股下部に相当する部材(股下部材)の長手方向が略平行となるように、一対のウェブ間に股下部材を接合する。
【0004】
次いで、股下部材の長手方向における略中央付近を折返位置として、一方のウェブの側縁を他方のウェブの側縁に向けて折り重ねる。次いで、機械方向に対して所定間隔置き(一製品の大きさ)に、交差方向に沿ってウェブを切断することにより、パンツ型の吸収性物品を形成する(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
股下部材が接合された一対のウェブを二つに折り返す装置(以下、折り装置)は、大径ロールと、折り基点バーと、複数の案内ロールとを少なくとも備える。
【0006】
大径ロールは、一方のウェブを押え付ける。折り基点バーは、折返位置(股下部材の略中心付近)において、一方のウェブを他方のウェブに向けて折り返す際の基点を押さえ付ける。複数の案内ロールは、他方のウェブを大径ロールによって押さえつけられた一方のウェブに向けて案内する。これにより、連続的に供給されるウェブを二つに折り重ねてパンツ型の吸収性物品に形成できる。
【0007】
このような折り装置では、センサなどによって、一方のウェブの側縁と他方のウェブの側縁とがが搬送される位置を検出し、一方のウェブの側縁と他方のウェブの側縁とが交差方向にずれることによる吸収性物品の製造不良を防止できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2005−46246号公報(第6−7頁、図3及び図4)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献1によって開示された折り装置では、折り重ねる過程において、一方のウェブの側縁と他方のウェブの側縁とが交差方向にずれることなく、当該側縁同士が一致している状態であるにもかかわらず、一方のウェブに働く応力と他方のウェブに働く応力とに差が生じてしまう。
【0010】
特に、一方のウェブが大径ロールと接し、他方のウェブが複数の案内ロールと接するため、一方のウェブに働く応力と他方のウェブに働く応力とに差が生じやすい。また、吸収性物品では、折返位置を基準に非対称、つまり、前胴回り部側と後胴回り部側との外形や弾性体の応力、股下部材の配置位置などによって非対称であることによって、一方のウェブに働く応力と他方のウェブに働く応力に差が生じやすい。
【0011】
この結果、一方のウェブの側縁が搬送される軌跡と他方のウェブの側縁が搬送される軌跡との各々の長さや当該軌跡そのもの、あるいは一方のウェブと他方のウェブとの張りなどが相対的に異なることに伴い、一方のウェブと他方のウェブとの間に微少な位相ずれが起こる場合があった。ここで、位相ずれとは、ウェブ同士が折り重ねられた後、一方のウェブの側縁と他方のウェブの側縁とが一致している状態であるにもかかわらず、股下部材の長手方向に沿った中心線が一致しないようなずれである。
【0012】
特許文献1によって開示された折り装置では、ウェブの搬送速度やウェブの特性に合わせて、位相ずれが許容範囲に収まるように、大径ロール及び複数の案内ロールの回転速度などがそれぞれ調整されている。そのため、例えば、ウェブの搬送速度を変更したり、ウェブを交換したときに、上述した「位相ずれ」が製品不良と見なされる程度に顕著になることがあった。また、その都度、大径ロール及び複数の案内ロールの回転速度などを調整し直すことが煩雑であった。
【0013】
そこで、本発明は、ウェブの搬送速度やウェブの特性などに応じて、位相ずれの調整を簡素化でき、吸収性物品の製造品質の低下を確実に抑制できる折り装置及び吸収性物品の製造方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決するため、本発明は、次のような特徴を有している。まず、本発明の第1の特徴は、連続的に搬送される吸収性物品(吸収性物品1)用のウェブ(ウェブ61,62)を、前記吸収性物品の製造工程の流れ方向に沿った機械方向(機械方向MD)と平行な折り曲げ線を基準として、前記折り曲げ線と前記ウェブの一方の側縁部(側縁10A)との間の第1領域(第1領域T1)と、前記折り曲げ線と前記ウェブの他方の側縁部(側縁20A)との間の第2領域(第2領域T2)とを重ね合わせる折り装置(折り装置100)であって、同一面上にある前記第1領域と前記第2領域とに共に接し、前記ウェブの搬送に伴って回転する基準ロール(搬送ロール203)と、前記基準ロールよりも前記機械方向の下流側に設けられ、前記折り曲げ線を基準に前記第1領域と前記第2領域とのなす角度を下流側に向かうほど小さくなるように、前記第1領域と前記第2領域とを向かい合わせるウェブ案内機構(ウェブ案内機構300)と、前記基準ロールよりも前記機械方向の下流側に設けられ、前記第1領域と前記第2領域との少なくとも一方を押圧する押圧機構(押圧機構400)とを有し、前記押圧機構は、前記ウェブを押圧する度合いを変更し、前記基準ロールよりも前記機械方向の下流側における前記一方の側縁部が搬送される軌跡の長さ(第1軌道長L1)と、前記他方の側縁部が搬送される軌跡の長さ(第2軌道長L2)との少なくとも一方の長さを変更することを要旨とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明の特徴によれば、ウェブの搬送速度やウェブの特性などに応じて、位相ずれの調整を簡素化でき、吸収性物品の製造品質の低下を確実に抑制できる折り装置及び吸収性物品の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、本実施形態に係る吸収性物品1を示す斜視図である。
【図2】図2は、本実施形態に係る吸収性物品の製造方法の一部を説明するための図である。
【図3】図3は、本実施形態に係る折り装置100の一部を示す斜視図である。
【図4】図4は、本実施形態に係る折り装置100を示す側面図である。
【図5】図5は、本実施形態に係る押圧機構400近傍を示す側面図である。
【図6】図6は、本実施形態に係る押圧機構400近傍を示す平面図である。
【図7】図7は、本実施形態に係る軌道制御部422の処理を説明するためのフロー図ある。
【図8】図8は、本実施形態に係るウェブ61の側縁10A及びウェブ62の側縁20Aを示す模式図である。
【図9】図9は、変更例1に係る押圧機構400A近傍を示す平面図である。
【図10】図10は、変更例2に係る押圧機構400B近傍を示す側面図である。
【図11】図11は、変更例3に係る押圧機構400C近傍を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明に係る折り装置及び吸収性物品の製造方法の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には、同一または類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なることに留意すべきである。
【0018】
したがって、具体的な寸法などは以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0019】
まず、本実施形態に係る折り装置が用いられた吸収性物品の製造方法によって製造される吸収性物品1の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る吸収性物品1を示す斜視図である。
【0020】
本実施形態では、吸収性物品1は、使い捨てのパンツ型おむつである。図1に示すように、吸収性物品1は、表面シート2と、裏面シート3と、吸収体4とによって大略構成される。
【0021】
表面シート2は、着用者の肌に接する吸収性物品1の最も内側に設けられる。表面シート2には、不織布や開口プラスチックフィルムなどの液透過性のシートなどが使用される。裏面シート3は、吸収性物品1の最も外側(着用者から離れる側)に設けられる。裏面シート3には、液不透過性のシートなどが使用される。吸収体4は、表面シート2及び裏面シート3の間に設けられ、着用者からの排泄物を吸収する。吸収体4には、粉砕パルプと高吸収性ポリマー粒子との混合物などが使用される。
【0022】
このような吸収性物品1は、着用者の前胴回りに対応する前胴回り部10と、着用者の後胴回りに対応する後胴回り部20と、着用者の股下に対応する股下部30とが組み合わされること(いわゆる、3ピースタイプ)によって形成される。
【0023】
前胴回り部10及び後胴回り部20は、着用者の腰回り側部において接合部40によって接合されている。これにより、着用者の胴部が挿入される胴回り開口部50が形成される。胴回り開口部50の周縁には、糸状のゴムを用いて形成されたウエストギャザー50Aが設けられている。
【0024】
股下部30は、前胴回り部10と後胴回り部20との間に設けられる。股下部30の側部には、着用者の脚部が挿入される開口が形成された脚周り開口部60が形成される。脚周り開口部60の周縁には、糸状のゴムを用いて形成されたレッグギャザー60Aが設けられている。
【0025】
次に、本実施形態に係る吸収性物品の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図2は、本実施形態に係る吸収性物品の製造方法の一部を説明するための図である。
【0026】
図2に示すように、吸収性物品の製造方法は、胴回り部形成工程S1と、股下部材転写工程S2と、脚周り部形成工程S3と、折り工程S4と、接合工程S5と、切断工程S6とを少なくとも含む。
【0027】
胴回り部形成工程S1では、ウェブ6Aとウェブ6Bとの間にギャザー(ウエストギャザー50A及びレッグギャザー60A)を配置することによって、前胴回り部10及び後胴回り部20のそれぞれに対応する一対のウェブ61,62を形成する。
【0028】
なお、ウェブ61,62(ウェブ6A及びウェブ6B)は、レッグギャザー60Aが設けられることによって、吸収性物品1の製造工程の流れ方向に沿った機械方向MDに直交する交差方向CDに収縮(伸縮)する性質を有する。また、ウェブ61,62は、機械方向MDの中心を通り、かつ機械方向MDに沿った中心線CLを基準に非対称である。
【0029】
股下部材転写工程S2では、胴回り部形成工程S1の後(下流側)において、一対のウェブ61,62の間に、機械方向MDに沿って所定間隔毎に股下部30に対応する股下部材30Aを転写(配置)する。
【0030】
脚周り部形成工程S3では、股下部材転写工程S2の後(下流側)において、ウェブ61,62(ウェブ6A及びウェブ6B)及び股下部材30Aを構成する裏面シート3の一部を切断する。
【0031】
折り工程S4では、脚周り部形成工程S3の後(下流側)において、後述する折り装置100によって、股下部材30Aに規定された機械方向MDと平行な折り曲げ線を基準として、折り曲げ線と一方のウェブ61の側縁10A(側縁部)との間の第1領域T1と、折り曲げ線と他方のウェブ62の側縁20A(側縁部)との間の第2領域T2とを、所定の位置関係で位置決めして向かい合わせる(二つ折りにする)。これにより、中間体ウェブ6を得る。
【0032】
本実施形態では、折り曲げ線とは、中間体ウェブ6の交差方向CD中心を通り、かつ機械方向MDに向かう中心線CLである。また、折り曲げ線は、必ずしも中心線CLである必要はなく、中心線CLから側縁10A側または側縁20A側にずれていてもよい。
【0033】
ここで、折り工程S4には、後述する押圧機構400によって、第1領域T1と第2領域T2との少なくとも一方を押圧する工程が含まれる。この工程では、押圧機構400によりウェブ61,62を押圧する度合いを変更し、後述する搬送ロール203よりも機械方向MDの下流側における側縁10Aが搬送される軌跡の長さ(第1軌道長L1)と、側縁20Aが搬送される軌跡の長さ(第2軌道長L2)との少なくとも一方の長さを変更する。
【0034】
接合工程S5では、折り工程S4の後(下流側)において、超音波処理や加熱処理によって、前胴回り部10と後胴回り部20とが接合される接合部40に対応する接合領域40Aを接合する。なお、接合領域40Aは、中間体ウェブ6の交差方向CDに延びる切断予定位置を示す仮想線SLに対して機械方向MDの上流側及び下流側に形成される。
【0035】
切断工程S6では、接合工程S5の後(下流側)において、接合領域40Aで接合された中間体ウェブ6を機械方向MDに沿って所定間隔毎、すなわち、仮想線SLに沿って切断する。これにより、個々の吸収性物品1が製造される。
【0036】
次に、上述した折り装置100の構成について、図面を参照しながら説明する。図3は、本実施形態に係る折り装置100の一部を示す斜視図である。図4は、本実施形態に係る折り装置100を示す側面図である。
【0037】
図3及び図4に示すように、折り装置100は、折り曲げ線(中心線CL)を基準として、第1領域T1と第2領域T2とを所定の位置関係で位置決めして重ね合わせる。折り装置100は、搬送ロール200と、ウェブ案内機構300と、押圧機構400とを備える。
【0038】
搬送ロール200は、交差方向CDに沿った回動軸(不図示)を中心に機械方向MDに沿って回転する複数の搬送ロール201,202,203から構成される。搬送ロール200は、ウェブ案内機構300にウェブ61,62を供給する。複数の搬送ロール201,202,203のうち、最もウェブ案内機構300側に位置する搬送ロール203は、同一面上にある第1領域T1と第2領域T2とに共に接し、ウェブ61,62の搬送に伴って回転する基準ロールを構成する。
【0039】
ウェブ案内機構300は、第1領域T1を水平面(基準面)として、第1領域T1に向けて第2領域T2を折り重ねる。ウェブ案内機構300は、大径ロール310と、搬送ベルトコンベア320と、折り基点バー330と、複数の案内ロール340と、位置検出部350と、位置制御部360とを備える。
【0040】
大径ロール310は、一方のウェブ61を押え付ける。大径ロール310は、搬送ロール203よりも機械方向MDの下流側に設けられる。大径ロール310は、ウェブ61,62の平面視(図4参照)において、交差方向CDに沿った回動軸(不図示)を中心に機械方向MDに沿って回転する。
【0041】
大径ロール310は、第1領域T1を搬送ベルトコンベア320側に向けて押さえ付けながらウェブ61,62を搬送する。つまり、大径ロール310は、第1領域T1を略水平な状態で維持する。大径ロール310は、少なくとも第1領域T1の交差方向CDに沿った幅を有している。
【0042】
搬送ベルトコンベア320は、大径ロール310を通過する第1領域T1を略水平な状態で搬送する。搬送ベルトコンベア320は、ウェブ61,62を挟んで大径ロール310に対向する位置において、搬送ロール203よりも機械方向MDの下流側に設けられる。
【0043】
搬送ベルトコンベア320は、第1領域T1を支持しながら複数のローラ321と、複数のローラ321間を巻回する搬送ベルト322と、搬送ベルト322を複数のローラ321間で巻回させる駆動手段(不図示)と、外気を吸引可能であり、搬送ベルト322上に位置する第1領域T1を吸着する吸着機構323とを有する。
【0044】
搬送ベルト322の駆動速度Vは、ウェブ61,62の搬送速度Vと同じであることが好ましい。搬送ベルト322には、搬送ベルト322を貫通する吸着孔324が複数形成されている。つまり、吸着孔324を介した吸着機構323の吸引によって、搬送ベルト322上に第1領域T1が吸着されながら、ウェブ61,62が機械方向MDに沿って搬送される。
【0045】
折り基点バー330は、折返位置(股下部材30Aの略中心付近)において、ウェブ62をウェブ61に向けて折り返す際の基点を押さえ付ける。つまり、折り基点バー330は、第1領域T1と第2領域T2とを区分けする。折り基点バー330は、搬送ロール203近傍から機械方向MDの下流側に向かうとともに、搬送ベルト322上において機械方向MD沿って延びる。
【0046】
折り基点バー330は、股下部材30Aの内側から股下部材30Aを摺動させながらウェブ61,62を機械方向MDに沿って案内する。折り基点バー330の短手方向の断面は、円形状である。また、折り基点バー330は、金属材料で形成されるとともに、フッ素樹脂で形成された被覆材(例えば、ポリテトラフルオロエチレンからなるチューブ)により被覆される。
【0047】
複数の案内ロール340は、大径ロール310によって押さえ付けられたウェブ61に向けてウェブ62を案内する。複数の案内ロール340は、一対の挟持ロール341,342,343,344と、押付ロール345(押付機構)とから構成される。なお、複数の案内ロール340は、回動軸(不図示)を中心に機械方向MDに沿ってそれぞれ回転する。
【0048】
複数の案内ロール340は、搬送ロール203よりも機械方向MDの下流側に設けられる。折り曲げ線を基準に第1領域T1と第2領域T2とのなす角度を下流側に向かうほど徐々に小さくなるように、第1領域T1と第2領域T2とを向かい合わせる(二つ折りにする)。
【0049】
ここで、押付ロール345は、ウェブ61の側縁10Aとウェブ62の側縁20Aとが所定の位置関係で位置決めされた状態で、第1領域T1または第2領域T2の少なくとも一方を押さえ付ける。押付ロール345は、複数の案内ロール340のうち、最も機械方向MDの下流側に設けられる。なお、押付ロール345は、交差方向CDに沿った回動軸(不図示)を中心に機械方向MDに沿って回転する。
【0050】
位置検出部350は、ウェブ61の側縁10A及びウェブ62の側縁20Aが搬送される位置を検出する。位置検出部350は、案内ロール340よりも機械方向MDの下流側に設けられる。位置検出部350は、カメラ351と、カメラ352とから構成される。
【0051】
カメラ351は、ウェブ61の側縁10Aが搬送されている位置を検出(撮影)する。一方、カメラ352は、ウェブ62の側縁20Aが搬送される位置を検出(撮影)する。カメラ351及びカメラ352は、それぞれ検出した側縁10A及び側縁20Aが搬送されている位置を示す位置データを位置制御部360に送信する。
【0052】
位置制御部360は、位置検出部350によって検出された位置データと、予め設定された位置データと比較して、側縁10A及び側縁20Aが搬送されている位置が交差方向CDにずれている場合に、側縁10A及び側縁20Aが搬送されている軌道の位置合わせを行う。これにより、位置制御部360は、側縁10Aと側縁20Aとを交差方向CDに対して一致させる。位置制御部360は、案内ロール340よりも機械方向MDの下流側に設けられる。位置制御部360は、ウェブ61,62を押圧するローラなどから構成される。
【0053】
押圧機構400は、第1領域T1と第2領域T2との少なくとも一方を押圧し、第1領域T1と第2領域T2とを重ね合わせる。押圧機構400は、搬送ロール203よりも機械方向MDの下流側に設けられる。具体的には、押圧機構400は、搬送ロール203と押付ロール345との間、すなわち、搬送ロール203と大径ロール310との間に設けられる。なお、押圧機構400の詳細については、後述する。
【0054】
次に、上述した押圧機構400の構成について、図面を参照しながら説明する。図5は、本実施形態に係る押圧機構400近傍を示す側面図である。図6は、本実施形態に係る押圧機構400近傍を示す平面図である。
【0055】
図6及び図7に示すように、押圧機構400は、ウェブ61,62を押圧する度合いを変更し、搬送ロール203よりも機械方向MDの下流側における側縁10Aが搬送される軌道の長さ(以下、第1軌道長L1)と、側縁20Aが搬送される軌跡の長さ(以下、第2軌道長L2)との少なくとも一方の長さを変更する。本実施形態では、押圧機構400は、搬送ロール203と押付ロール345との間における第1軌道長L1と第2軌道長L2との両方の長さを変更する。
【0056】
押圧機構400は、可変ロール410と、位置変更部420とを有する。本実施形態では、可変ロール410は、同一面上にある第1領域T1と第2領域T2とに共に当接する。
【0057】
可変ロール410は、ウェブ61,62の平面視(図6参照)において、交差方向CD及びウェブ61,62の表面に平行な中心軸410Aを有する。可変ロール410は、中心軸410Aを基準に機械方向MDに沿って回転する。可変ロール410は、ウェブ61,62の交差方向CDに沿った長さL3、つまり、側縁10Aから側縁20Aまでの交差方向CDに沿った長さ以上の長さを有する。なお、可変ロール410は、駆動ロールであってもよく、また、非駆動ロールであってもよいことは勿論である。
【0058】
位置変更部420は、可変ロール410の位置を変更する。位置変更部420は、可変ロール410の中心軸410Aを移動する。本実施形態では、位置変更部420は、可変ロール410の中心軸410Aの軸方向視(図5参照)において、中心軸410Aを上下に移動する。
【0059】
位置変更部420は、軌道検出部421と、軌道制御部422とを有する。軌道検出部421は、搬送ロール203と押付ロール345との間における第1軌道長L1と第2軌道長L2とを検出する。
【0060】
軌道検出部421は、搬送ロール203と押付ロール345との間に設けられる。軌道検出部421は、カメラ421Aと、カメラ421Bとから構成される。
【0061】
カメラ421Aは、側縁10Aにおける所定の位置(例えば、図6の仮想点P1)を検出(撮影)する。一方、カメラ421Bは、側縁20Aにおける所定の位置(例えば、図6の仮想点P2)を検出(撮影)する。カメラ421A及びカメラ421Bは、それぞれ検出した位置を示す位置データを軌道制御部422に送信する。
【0062】
軌道制御部422は、可変ロール410の中心軸410Aを上下にスライド可能なシリンダーなどから構成される。軌道制御部422は、軌道検出部421によって検出された位置データにおいて、側縁10Aにおける所定の位置(仮想点P1)と、側縁20Aにおける所定の位置(仮想点P2)とが機械方向MDにずれていると判定した場合には、可変ロール410の中心軸410Aの移動を制御する。
【0063】
次に、上述した軌道制御部422の処理について、図7を参照しながら説明する。なお、図7は、本実施形態に係る軌道制御部422の処理を説明するためのフロー図ある。図8は、本実施形態に係るウェブ61の側縁10A及びウェブ62の側縁20Aを示す模式図である。
【0064】
ここで、折り工程S4では、ウェブ61とウェブ62との間で位相ずれが起こることがある。なお、位相ずれとは、ウェブ61,62同士が折り重ねられた後、ウェブ61の側縁10Aとウェブ62の側縁20Aとが交差方向CDに対して一致している状態であるにもかかわらず、股下部材30Aの長手方向に沿った中心線TLが一致しないようなずれである。
【0065】
例えば、位相ずれとは、裏面シート3又は吸収体4の前胴回り部10側と、裏面シート3又は吸収体4の後胴回り部20側とが機械方向MDに対して一致しないようなずれである。本実施形態では、吸収体4の交差方向CDに沿った縁を通する仮想線IL上において、ウェブ61の側縁10Aの仮想点P1が、ウェブ62の側縁20Aの仮想点P2とが一致しないようなずれである(図6及び図8参照)。
【0066】
図7に示すように、ステップS10において、軌道制御部422は、軌道検出部421により検出された位置データ(仮想点P1及び仮想点P2)を受信する。
【0067】
ステップS20において、軌道制御部422は、仮想点P1が仮想点P2よりも機械方向MDの下流側にずれているか否かを判定する。軌道制御部422は、図8(a)に示すように、仮想点P1が仮想点P2よりも機械方向MDの下流側にずれていると判定した場合には、ステップS30の処理に移る。一方、軌道制御部422は、仮想点P1が仮想点P2よりも機械方向MDの下流側にずれていないと判断した場合には、ステップS40の処理に移る。
【0068】
ステップS30において、軌道制御部422は、仮想点P1と仮想点P2とのずれ量に応じて、可変ロール410の中心軸410Aの上方に移動し、仮想点P1と仮想点P2とを一致させる。
【0069】
ステップS40では、軌道制御部422は、仮想点P1が仮想点P2よりも機械方向MDの上流側にずれているか否かを判定する。軌道制御部422は、図8(b)に示すように、仮想点P1が仮想点P2よりも機械方向MDの上流側にずれていると判定した場合には、ステップS50の処理に移る。一方、軌道制御部422は、仮想点P1が仮想点P2よりも機械方向MDの上流側にずれていないと判断した場合には、処理を終了する。
【0070】
ステップS50において、軌道制御部422は、仮想点P1と仮想点P2とのずれ量に応じて、可変ロール410の中心軸410Aの下方に移動し、仮想点P1と仮想点P2とを一致させる。
【0071】
以上説明した本実施形態では、押圧機構400は、ウェブ61,62を押圧する度合いを変更し、第1軌道長L1と第2軌道長L2との少なくとも一方の長さを変更する。これによれば、折り工程S4において、ウェブ61の側縁10Aとウェブ62の側縁20Aとの間に微妙な位相ずれが起こった場合であっても、押圧機構400がウェブ61,62を押圧する度合いを変更することのみで、位相ずれの調整を容易にできる。つまり、従来の折り装置のように、大径ロール及び複数の案内ロールの回転速度などがそれぞれ調整する必要がなくなる。この結果、ウェブ61,62の搬送速度やウェブ61,62の特性などに応じて、位相ずれの調整を簡素化でき、吸収性物品1の製造品質の低下を確実に抑制できる。
【0072】
実施形態では、押圧機構400は、可変ロール410と位置変更部420とを有する。これによれば、可変ロール410の中心軸410Aを調整することによって、可変ロール410がウェブ61,62を押圧する度合いを変更し、第1軌道長L1と第2軌道長L2との少なくとも一方の長さが変更される。このため、押圧機構400が容易な構成で位相ずれの調整を実現できるとともに、位相ずれの調整を簡素化できる。
【0073】
実施形態では、可変ロール410は、搬送ロール203とウェブ案内機構300との間に設けられる。ところで、折り工程S4では、位置制御部360によってウェブ61の側縁10Aとウェブ62の側縁20Aとの交差方向CDに対する位置合わせが行われている。このため、可変ロール410がウェブ案内機構300の機械方向MDの下流側に設けられていると、側縁10Aと側縁20Aとの交差方向CDに対する位置合わせの設定を変更する必要がある。しかし、可変ロール410が搬送ロール203とウェブ案内機構300との間に設けられているため、側縁10Aと側縁20Aとの交差方向CDに対する位置合わせの設定を変更することなく、位相ずれの調整が可能となる。
【0074】
実施形態では、可変ロール410は、ウェブ61,62の交差方向CDに沿った長さL3を有し、同一面上にある第1領域T1と第2領域T2とに共に当接する。これによれば、可変ロール410が第1軌道長L1または第2軌道長L2の何れか一方を変更する場合と比べて、位相ずれの調整時において、第1軌道長L1と第2軌道長L2との差が大きくなることを抑制できる。このため、位相ずれの調整時において、ウェブ61の側縁10Aとウェブ62の側縁20Aとの間に位相ずれが起こりにくくなり、位相ずれの調整をさらに容易にできる。
【0075】
また、第1領域T1または第2領域T2の何れか一方の領域のみを調整する場合には、一方の領域のウェブ61またはウェブ62に働く応力と、他方の領域のウェブ61またはウェブ62に働く応力との差が多くなり、何れか一方のウェブ61またはウェブ62に皺などの不具合が生じる場合がある。しかし、第1領域T1と第2領域T2との両方の領域を調整することによって、ウェブ61に働く応力とウェブ62に働く応力との差が生じにくく、ウェブ61,62に皺などの不具合が生じることを防止できる。
【0076】
実施形態では、位置変更部420は、軌道検出部421と軌道制御部422とを有する。これよれば、軌道制御部422は、側縁10Aにおける所定の位置(仮想点P1)と側縁20Aにおける所定の位置(仮想点P2)とから、位相ずれを判定できる。このため、ウェブ61の側縁10Aとウェブ62の側縁20Aとの間に微妙な位相ずれが起こった際に、直ちに軌道制御部422が第1軌道長L1と第2軌道長L2とを変更できる。このため、吸収性物品1の製造不良の発生を抑制でき、吸収性物品1の製造品質の低下をより確実に抑制できる。また、吸収性物品1の生産中に、位置変更部420が自動的に位相ずれを調整でき、製造ラインを止めて位相ずれの調整を行う必要がなくなる。
【0077】
実施形態では、押圧機構400は、第1領域T1と第2領域T2との少なくとも一方を押圧し、第1領域T1と第2領域T2とを重ね合わせる。これによれば、位相ずれが調整された状態で中間体ウェブ6が次工程(接合工程S5)へ搬送されるため、位相ずれが調整された後に、再度位相ずれが生じることを抑制できる。
【0078】
実施形態では、ウェブ案内機構300は、第1領域T1を水平面(基準面)として、第1領域T1に向けて第2領域T2を折り重ねる。これによれば、第2領域T2で位相ずれが生じやすく、当該位相ずれを第2領域T2に集中させることができる。このため、第2領域T2において主に位相ずれの調整を行えばよく、位相ずれの調整をさらに容易となる。
【0079】
(変更例)
次に、上述した実施形態に係る押圧機構400の変更例について、図面を参照しながら説明する。なお、上述した実施形態に係る押圧機構400と同一部分には同一の符号を付して、相違する部分を主として説明する。
【0080】
(変更例1)
まず、変更例1に係る押圧機構400Aの構成について、図面を参照しながら説明する。図9は、変更例1に係る押圧機構400A近傍を示す平面図である。
【0081】
上述した実施形態では、押圧機構400における可変ロール410は、側縁10Aから側縁20Aまでの交差方向CDに沿った長さ以上の長さを有する。これに対して、変更例1に係る押圧機構400Aにおける可変ロール410は、側縁10Aから側縁20Aまでの交差方向CDに沿った長さよりも短い。
【0082】
具体的には、図9に示すように、可変ロール410は、可変ロール411と、可変ロール412とから構成される。可変ロール411は、第1領域T1のみに当接する。一方、可変ロール412は、第2領域T2のみに当接する。
【0083】
可変ロール411及び可変ロール412は、上述した実施形態と同様に、それぞれが上下に移動できる。つまり、位置変更部420は、仮想点P1と仮想点P2とのずれ量に応じて、可変ロール411及び可変ロール412のそれぞれを上下に移動する。これにより、第1軌道長L1と第2軌道長L2とが変更される。
【0084】
なお、可変ロール411及び可変ロール412は、それぞれ移動できるものとして説明したが、少なくとも一方のみが移動できるものであってもよく、何れか一方のみが設けられていてもよい。つまり、可変ロール410は、第1領域T1と第2領域T2との少なくとも一方に当接するものであればよい。
【0085】
(変更例2)
次に、変更例2に係る押圧機構400Bの構成について、図面を参照しながら説明する。図10は、変更例2に係る押圧機構400B近傍を示す側面図である。
【0086】
上述した実施形態では、押圧機構400は、搬送ロール203と大径ロール310との間に設けられる。これに対して、変更例2では、押圧機構400Bは、大径ロール310よりも機械方向MDの下流側に設けられる。
【0087】
具体的には、図10(a)に示すように、可変ロール410は、可変ロール413と、可変ロール414とから構成される。可変ロール413は、第1領域T1の上面と当接する。一方、可変ロール414は、第1領域T1の下面と当接する。
【0088】
可変ロール413及び可変ロール414は、複数の搬送ベルトコンベア320間に位置する。可変ロール413及び可変ロール414は、第1領域T1を挟持する。可変ロール413及び可変ロール414は、上述した実施形態と同様に、それぞれが上下に移動できる。つまり、位置変更部420は、仮想点P1と仮想点P2とのずれ量に応じて、可変ロール413及び可変ロール414を上下に移動する。これにより、第1軌道長L1と第2軌道長L2とが変更される。
【0089】
ここで、可変ロール413及び可変ロール414は、必ずしも第1領域T1を挟持する必要はなく、図10(b)に示すように、第2領域T2を挟持するものであってもよく、第1領域T1及び第2領域T2の両方を挟持するものであってもよい。
【0090】
また、可変ロール410は、必ずしも2つのロールによって構成される必要はなく、少なくとも何れか一方のロールによって構成されていればよい。
【0091】
(変更例3)
次に、変更例3に係る押圧機構400Cの構成について、図面を参照しながら説明する。図11は、変更例3に係る押圧機構400C近傍を示す側面図である。
【0092】
上述した実施形態では、押圧機構400は、可変ロール410と、位置変更部420とを有する。これに対して、変更例3では、押圧機構400Cは、可変ベルトコンベア430によって構成される。
【0093】
具体的には、図11に示すように、可変ベルトコンベア430は、大径ロール310よりも機械方向MDの下流側に設けられる。可変ベルトコンベア430は、複数の搬送ベルトコンベア320間に位置する。
【0094】
可変ベルトコンベア430は、複数のローラ431と、複数のローラ431間を巻回する搬送ベルト432と、搬送ベルト432を複数のローラ431間で巻回させる駆動手段(不図示)と、少なくとも一つのローラ431を上下に移動する位置変更部433とを少なくとも有する。位置変更部433は、仮想点P1と仮想点P2とのずれ量に応じて、なくとも一つのローラ431を上下に移動する。
【0095】
(その他の実施形態)
上述したように、本発明の実施形態を通じて本発明の内容を開示したが、この開示の一部をなす論述及び図面は、本発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0096】
例えば、本発明の実施形態は、次のように変更することができる。具体的には、吸収性物品1は、前胴回り部10と、後胴回り部20と、股下部30とが組み合わされること(いわゆる、3ピースタイプ)によって形成されるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、前胴回り部10と、後胴回り部20と、股下部30とが全て一体(いわゆる、1ピースタイプ)に形成されてもよい。なお、吸収性物品1は、実施形態で説明した構成に限定されるものではなく、目的に応じて適宜設定できることは勿論である。
【0097】
また、ウェブ61,62は、ウエストギャザー50Aやレッグギャザー60Aによって交差方向CDに収縮(伸縮)する性質を有するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、ウェブ61,62そのものが収縮する性質を有するシートで形成されていてもよい。
【0098】
また、ウェブ61,62は、中心線CLを基準に非対称であるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、中心線CLを基準に線対称であってもよい。
【0099】
また、折り工程S4では、第1領域T1と第2領域T2とが二つ折りにされるものとして説明したが、必ずしも第1領域T1と第2領域T2とが折り重ねられる必要はなく、例えば、第1領域T1と第2領域T2とが実質的に平行となった状態で二つ折りにされてもよく、第1領域T1と第2領域T2とが多少離間していてもよい。
【0100】
また、折り装置100の構成については、上述した実施形態で説明したものに限定されるものではなく、目的に応じて適宜設定できる。
【0101】
例えば、ウェブ案内機構300は、第1領域T1を水平面(基準面)として、第1領域T1に向けて第2領域T2を折り重ねるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、第2領域T2を水平面(基準面)として、第2領域T2に向けて第1領域T1を折り重ねるものであってもよく、また、折り装置100の接地面に対して第1領域T1と第2領域T2とが互いに垂直な状態で重ね合わせるもの(合掌折り)であってもよい。この場合、可変ロール410は、押付ロール345を構成していてもよい。これにより、第1領域T1または第2領域T2の少なくとも一方を押さえ付けることと、位相ずれの調整することを同時に行うことができ、吸収性物品1の製造工程が少なくなる。
【0102】
また、押圧機構400は、搬送ロール203と押付ロール345との間に設けられるものとして説明したが、これに限定されるものではなく、接合工程S5において前胴回り部10と後胴回り部20とが接合されるまでの間に設けられていればよいことは勿論である。
【0103】
また、位置変更部420は、可変ロール410の中心軸410Aの軸方向視において、中心軸410Aを上下に移動するものとして説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、中心軸410Aを上下方向に対して傾斜するように移動してもよく、ウェブ61,62にテンションを加えられる方向に中心軸410Aを移動すればよい。
【0104】
また、カメラ421A及びカメラ421Bは、吸収体4の交差方向CDに沿った縁を通する仮想線IL上における仮想点P1及び仮想点P2とを検出しているものとして説明したが、これに限定されるものではなく、交差方向CDに沿った部材(例えば、表面シート2)の交差方向CDに沿った縁を通する仮想線上における所定の位置を検出してもよいことは勿論である。
【0105】
また、軌道検出部421は、カメラ421Aとカメラ421Bとから構成されるものとして説明したが、これに限定さるものではなく、1台のカメラであってもよく、また、カメラ以外(例えば、センサー)であっても、所定の位置を検出できるものであればよい。
【0106】
このように、本発明は、ここでは記載していない様々な実施の形態などを含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【符号の説明】
【0107】
1…吸収性物品、2…表面シート、3…裏面シート、4…吸収体、6…中間体ウェブ、6A,6B…ウェブ、10…前胴回り部、10A…側縁、20…後胴回り部、20A…側縁、30…股下部、30A…股下部材、40…接合部、40A…接合領域、50…胴回り開口部、50A…ウエストギャザー、60…脚周り開口部、60A…レッグギャザー、61,62…ウェブ、100…折り装置、200(201〜203)…搬送ロール、300…ウェブ案内機構、310…大径ロール、320…搬送ベルトコンベア、321…ローラ、322…搬送ベルト、323…吸着機構、324…吸着孔、330…基点バー、340…案内ロール、341〜344…挟持ロール、345…押付ロール、350…位置検出部、351,352…カメラ、360…位置制御部、400(400A〜400C)…押圧機構、410A…中心軸、410(411〜414)…可変ロール、420…位置変更部、421…軌道検出部、421A,421B…カメラ、422…軌道制御部、430…可変ベルトコンベア、431…ローラ、432…搬送ベルト、433…位置変更部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続的に搬送される吸収性物品用のウェブを、前記吸収性物品の製造工程の流れ方向に沿った機械方向と平行な折り曲げ線を基準として、前記折り曲げ線と前記ウェブの一方の側縁部との間の第1領域と、前記折り曲げ線と前記ウェブの他方の側縁部との間の第2領域とを重ね合わせる折り装置であって、
同一面上にある前記第1領域と前記第2領域とに共に接し、前記ウェブの搬送に伴って回転する基準ロールと、
前記基準ロールよりも前記機械方向の下流側に設けられ、前記折り曲げ線を基準に前記第1領域と前記第2領域とのなす角度を下流側に向かうほど小さくなるように、前記第1領域と前記第2領域とを向かい合わせるウェブ案内機構と、
前記基準ロールよりも前記機械方向の下流側に設けられ、前記第1領域と前記第2領域との少なくとも一方を押圧する押圧機構と
を有し、
前記押圧機構は、前記ウェブを押圧する度合いを変更し、前記基準ロールよりも前記機械方向の下流側における前記一方の側縁部が搬送される軌跡の長さと、前記他方の側縁部が搬送される軌跡の長さとの少なくとも一方の長さを変更する折り装置。
【請求項2】
前記押圧機構は、
前記第1領域と前記第2領域との少なくとも一方に当接する可変ロールと、
前記可変ロールの位置を変更する位置変更部と
を有し、
前記可変ロールは、前記ウェブの平面視において、前記機械方向に直交する交差方向に沿った中心軸を有し、
前記位置変更部は、前記可変ロールの中心軸を移動する請求項1に記載の折り装置。
【請求項3】
前記可変ロールは、前記基準ロールと前記ウェブ案内機構との間に配設される請求項2に記載の折り装置。
【請求項4】
前記可変ロールは、前記ウェブの交差方向に沿った長さ以上の長さを有し、同一面上にある前記第1領域と前記第2領域とに共に当接する請求項2または3に記載の折り装置。
【請求項5】
前記位置変更部は、
前記一方の側縁部における第1所定位置と、前記他方の側縁部における第2所定位置とを検出する検出部と、
前記第1所定位置と前記第2所定位置とが前記機械方向にずれていると判断した場合には、前記可変ロールの中心軸の移動を制御する制御部と
を有する請求項2乃至3の何れか一項に記載の折り装置。
【請求項6】
前記ウェブ案内機構は、前記一方の側縁部と前記他方の側縁部とが所定の位置関係で位置決めされた状態で、前記第1領域または前記第2領域の少なくとも一方を押圧し、前記第1領域と前記第2領域とを重ね合わせる押付機構を有し、
前記押圧機構は、前記基準ロールと前記押付機構との間に設けられるとともに、前記基準ロールと前記押付機構との間における前記一方の側縁部が搬送される軌跡の長さと、前記他方の側縁部が搬送される軌跡の長さとの少なくとも一方の長さを変更する請求項1乃至5の何れか一項に記載の折り装置。
【請求項7】
前記可変ロールは、前記押付機構を構成する請求項6に記載の折り装置。
【請求項8】
前記ウェブ案内機構は、前記第1領域または前記第2領域の何れか一方を基準面として、前記第1領域または前記第2領域の他方を折り重ねる請求項1乃至7の何れか一項に記載の折り装置。
【請求項9】
連続的に搬送される吸収性物品用のウェブを、前記吸収性物品の製造工程の流れ方向に沿った機械方向と平行な折り曲げ線を基準として、前記折り曲げ線と前記ウェブの一方の側縁部との間の第1領域と、前記折り曲げ線と前記ウェブの他方の側縁部との間の第2領域とを重ね合わせる吸収性物品の製造方法であって、
前記ウェブが同一面上にある前記第1領域と前記第2領域とに共に接する基準ロールよりも前記機械方向の下流側に設けられるウェブ案内機構によって、前記折り曲げ線を基準に前記第1領域と前記第2領域とのなす角度を下流側に向かうほど小さくなるように、前記第1領域と前記第2領域とを向かい合わせる工程と、
前記基準ロールよりも前記機械方向の下流側に設けられる押圧機構によって、前記第1領域と前記第2領域との少なくとも一方を押圧する工程とを有し、
前記第1領域と前記第2領域との少なくとも一方を押圧する工程では、前記押圧機構により前記ウェブを押圧する度合いを変更し、前記基準ロールよりも前記機械方向の下流側における前記一方の側縁部が搬送される軌跡の長さと、前記他方の側縁部が搬送される軌跡の長さとの少なくとも一方の長さを変更する吸収性物品の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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