説明

折畳箱

【課題】使用しない時は一枚のシート状にすることができ、使用するときは一動作で形成され、安定で美観に優れた箱を実現する。
【解決手段】保管状態においては前板5、底板4、後ろ板3、蓋板2と覆い板1とをそれぞれ折り目を介して連設し長方形の1枚のシート状となし、底板に側板6を起伏可能に固着し、側板の両側の折り返し部7に返折り目を設け、それを境にして折畳み部の端部側を折り返した状態で前板または後ろ板に接合して箱を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、保管時または搬送時に、ほとんど一枚のシート状に折畳めて嵩張らず、箱として使用時には保管時の状態から容易に組み立てられ、しかも組み立て後の形状が安定に保たれ、見ためも美観に優れた箱に関する。
【0002】
現在、箱なるものは商品のパッケージまたは、収納道具として、一般に利用されている。そして折畳める箱は、保管時または搬送時には薄く折りたため、箱として使用する時には容易に組立てられる構造のものが望まれる。このような箱の例として、実用新案登録第3139858(以下特許文献1として記載)の折畳式眼鏡ケースが公開されている。これは、品物を収納するまでは箱として成形する必要がなく、保管時または搬送時にはほとんど一枚シート状に折畳むことができる為嵩張らず、箱として使用するときには一動作で品物を収納しやすい形状になるように、工夫されている。
【0003】
前記特許文献1の項番「0005」によると、「折畳式眼鏡ケースは、展開するとそれぞれ折り目を介して容器部となる前板、底板及び後ろ板と蓋部となる蓋板と覆い板とが連設されて長方形の1枚のシート本体となり、容器部の内側には、側板とその両側に折り目を介して折り返し部分からなる両側板部が、折り返し部分で前板及び後ろ板にそれぞれ折り目を介して固着されており、前板と後ろ板が起立すると側板も起立して容器を形成し、覆い板にはマグネットが装着されている折りたたみ式の眼鏡ケースとすることで係る課題を解決している。」と記されている。
【0004】
ここで、本願発明との違いを分かり易くするために、あらかじめ補足説明をする。
折り返し部には、容器を形成した時に谷折になる対角線上の折り目があり、その折目の外側(側板に連接されていない部分)を接合部とすると、接合部は前板、または後板に接合されている。従って、箱として使用するときには折り返し部は対角線を谷折にした状態で重ね合わされた状態になっている。
そのため箱に組み立てた状態で側板側よりみると、前記特許文献1の図2または図3には表現されていないが、接合部の端面がみえ、その厚み分箱側板と、前板または後ろ板との間が広がって見えることになる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実用新案登録第3139858
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1記載の折りたたみ式眼鏡ケースは、前述した効果を有している反面、容器を形成するときに、折り返し部は対角線を谷折にした状態で重ね合わされた状態になっているので、折り返し部分が元に戻ろうとする(平らに開こうとする=折畳んだ箱がシート状に戻ろうとする)力が働き、箱が安定して形成されないという課題を有していた。また、折り返し部分はある厚みを持つ為、箱として形成された状態では接合部の端面が見え、箱の側面の美観を損なうと言う課題も有していた。
【0007】
上記述べた課題を解決するため、本願記載の考案では、簡単な構造によって、箱の幅を増やさず、箱の側面の美観を損なわないで、箱の成形し易さを高めることの可能な折畳箱を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
展開した状態に置いては、容器部となる前板、底板及び後ろ板と、蓋部となる蓋板と覆い板とをそれぞれ折り目を介して連接し長方形の1枚のシート状とする。容器部の底板には側板を起伏可能に固着し、側板の両側には折り目を介して折り返し部を連接する。折り返し部の対角線に合わせて折り返し部の折り目を設ける。折り返し部の折り目を境にして、折り返し部の端部側を接合部とし、接合部を前板または後ろ板に固着し形成する。
前板、底板及び後ろ板と蓋部と覆い板とをシート状に展開した状態において、折り返し部の折目を、折り返した状態で接合部を前板または後板に接合して箱を形成する。
【発明の効果】
【0009】
この様な構造を用いたことで本発明記載の折畳箱は、箱に形成した状態において、箱の側面から折り返し部の端面が見えないので、箱の側面の美観を損なわない。
【0010】
また、折り返し部の折り目が開いた状態で前板または後板に接合する構造を用いたことによって、折り返し部の折目が元に戻ろうとする力が働くことが無いため箱への形成が容易と鳴門ともに、形成した時安定になる。
これは基本構造を特許文献1に記載の構造を用いた場合より大きく改良された点である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態に於いて用いる折畳箱をシート状に展開した全体斜視図
【図2】本発明の実施形態に於いて用いる折畳箱をシート状に展開した分解斜視図
【図3】本発明の実施形態に於いて用いる折畳箱を展開した状態から折り曲げて箱を成形する状態を示す斜視図
【図4】本発明の実施形態に於いて用いる折畳箱を成形した状態の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、図1及び図2、図3、図4を用いて、本発明に於ける最良の実施形態を示す。
【0013】
図1に本実施形態に於いて用いる折畳箱をシート状に展開した全体斜視図を、図2に本実施形態に於いて用いる折畳箱をシート状に展開した分解斜視図を、そして、図3に本実施形態に於いて用いる折畳箱を展開した状態から折り曲げて箱を成形する状態を示す斜視図を、そして図4に本実施形態に於いて用いる折畳箱を成形した状態の斜視図をそれぞれ示す。
【0014】
図1〜図4から解るように、本実施形態記載の折畳箱の本体Aは、蓋部Bと容器部Cとが折り目1bを介して連結しており、蓋部Bは覆い板1と蓋板2とが折り目1aを介して連結しており、容器部Cは折り目1cを介して底板と後ろ板3が、折り目2cを介して底板4と前板5とが連結されている。
【0015】
底板4の、折目1cおよび2cに直交する2辺を底板辺と称する。2つの底板辺近傍に2つの側板6がそれぞれ、底板辺に平行なヒンジを介して起伏可能に接合されている。
【0016】
側板6は図2に示す通り両端に折り目1dまたは2dを介して折り返し部7が接合されている。折り返し部7はその対角線部分に折れ線を設け、その折れ線に沿って接合部9を折り返した状態にする。このようにした後図3に示すように接合部9を前板5または後ろ板3に接合する。
【0017】
この様の構造にすることにより、前板5及び後板3をそれぞれ立ち上げると両側の側板6は共に立ち上がり、前板5及び後板3が、垂直に立ち上がると、 両側の側板6も垂直に立ち上がり、箱が形成される。
【0018】
図3は、容器部Cの前板5及び後板3を立ち上げて、蓋部Bの覆い板1と蓋板2もそれぞれの折り目を介して内側に折り曲げて箱を成形する途中の姿を表しているものである。
【0019】
図4は、この成形された状態を示すものである。覆い板1には図1に示すようにその先端部分にマグネット8、またはメンファスナーの様な固着機能を有する部材が装着されており、前板5には薄い鉄板またはマグネット等の磁性体や、メンファスナーのような固着機能を装着することによって、覆い板1を前板5に固着して、箱を形成して固定することができる構造になっている。このように、箱の機能を実現可能となった。
【0020】
なお、箱を使用しないときは、図1に示す様に一枚のシート状にしても良いが、その状態から折り目1bを介して2枚折りとして、コンパクトな薄板状の状態で簡易に収納する事も可能である。
【符号の説明】
【0021】
A・・・箱本体
B・・・蓋部
C・・・容器部
1・・・覆い板
2・・・蓋板
3・・・後ろ板
4・・・底板
5・・・前板
6・・・側板
7・・・折り返し部
1a、2a、3a、4a・・・折り目
1b、2b、3b、4b・・・折り目
1c、2c、3c、4c・・・折り目
8・・・マグネット
9・・・接合部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開した状態に於いて、容器部となる前板、底板及び後ろ板と、蓋部となる蓋板と覆い板とをそれぞれ折り目を介して連接し長方形の1枚のシート状となし、前記容器部の前記底板に側板を起伏可能に固着し、前記側板の両側には折り目を介して折り返し部を連接し、前記折り返し部に返折り目を設け、前記折り返し部の折り目を境にして、前記折り返し部の端部側を接合部とし、前記接合部を前記前板または前記後ろ板に固着し形成した折畳み箱において、
前記前板、前記底板及び前記後ろ板をシート状に展開した状態において、前記折り返し部の折目を折り返した状態で、前記接合部が前記前板または前記後板に接合されている事を特徴とする折畳み箱。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−51645(P2012−51645A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−207268(P2010−207268)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(510249128)ペーパープレミアムジャパン株式会社 (1)
【Fターム(参考)】