説明

披露宴のシミュレーションシステム

【課題】実際の披露宴においてユーザー等が周囲からどのように見えるかを実感できる披露宴のシミュレーションシステムを提供すること。
【解決手段】披露宴のシミュレーションシステムにおいて、三次元コンピューターグラフィックスを利用して披露宴会場を三次元表示し、視覚的にわかりやすいシミュレーションを行う。それと同時に見積価格を提示することで、視覚イメージと価格を同時に把握することを可能とする。さらに季節の変化や天候にも対応することで、視覚イメージをより明確にすることを可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、披露宴会場において開催される披露宴のシミュレーションを行うシステムに関し、更に詳細には、披露宴会場において開催される披露宴の三次元画像を表示し、かつ、それに対応した見積もりを表示するシミュレーションシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
披露宴を開催するためには、披露宴会場の選択からはじまり、招待者数に応じたテーブル数、テーブルクロス、会場装花の決定、ケーキ、キャンドル、スクリーン等のオプションの有無や種類決定の必要がある。テーブルクロスや会場装花によって、披露宴会場内の雰囲気は大きく変化するが、サンプル等を見ながら選ぶだけでは実際の会場内での雰囲気はイメージしにくい。また、テーブル数やケーキ、スクリーン等の備品の配置によって会場内のスペースがどの程度変化するか把握しにくい。また、装花や備品を選択する際、価格とのバランスも検討する必要がある。
【0003】
そこで従来より、コンピュータネットワーク等を利用して、披露宴のシミュレーション画像を提供するシステムが提案されてきた。このシステムは、披露宴会場、衣装、料理、装花、キャンドル、ブーケ、アクセサリー、司会者、音楽、演出などの各種画像データや音声データ、及びそれらの価格情報等を予め登録しておき、ユーザーによって選択された画像データを合成してシミュレーション画像として表示し、かつ選択された画像データに対応する価格情報から見積もりを算出し表示するシステムである。また、合成したシミュレーション画像と同時に音声データを出力することも可能なシステムである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−357148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらのシステムでは選択の参考となるシミュレーション画像を提供することはできても、実際の披露宴においてユーザー等が周囲からどのように見えるかを実感することができず、各種選択に迷うという課題があった。すなわち、実際の披露宴の演出において、極めて重要な要素であるライト等の光源の位置と方向、色、強度、更には人工光なのか窓からの自然光なのかという各種特性が一切考慮されておらず、現実とあまりにもかけ離れたシミュレーション画像しか提供されない。
【0006】
特に、多くの披露宴の場合、来客等挙式者以外が主人公である場面と、挙式者が主人公である場面の場合が明確に区別されて演出が行われるのが通例であるのに、従来のシステムでは、それらを同列に扱ったシミュレーション画像しか提供していない。従って、例えばユーザーが挙式者である場合、その衣装、ブーケ、アクセサリー等各種選択をしようにも、自らが主人公となる場面において、光源の状況でどのように見えるかは、シミュレーション画像を参考に自ら想像するしかなく、到底実感することができず、各種選択に迷うこととなる。特に、シミュレーション画像で衣装、ブーケ、アクセサリー等選択の色の配色等を確認することが多いにもかかわらず、肝心の光源の位置と方向、色、強度等を考慮していないため、実際の披露宴でどのような色になるかは未知数であり、参考にすら使えない場合もありえる。
【0007】
このことは音声データの選択の場合も同様で、特にバックグランドミュージックを選択する際は周囲の光源の位置と方向、色、強度等との調和が重要なのにもかかわらず、シミュレーション画像はそれらを考慮していないため、挙式者等ユーザーが自ら想像で補うしかなく、実際の披露宴においてユーザー等が周囲からどのように感じられているかを実感することができず、各種選択に迷うという課題はかわらない。
【0008】
これらの課題は、披露宴会場が密室ではなく、窓を有し外光を取り入れている場合において、特に顕著となる。密室において室内光源だけで披露宴を行っている場合は、ユーザーからの光源の位置と方向、色、強度等だけを考慮すれば良いが、窓を有し外光を取り入れている場合、季節、天気、時間等により外光の状態が大きく変化し、時間によっては室内光源の併用を行う場合もあり、更には窓から見える風景までもが披露宴の一部となるため、変動要素が大きく、それらの変動要素を考慮していないシミュレーション画像では、参考にすら使えない場合もありえる。
【0009】
これらの課題は、例えば衣装や会場装花の選択のように色を重視する場合のみならず、比較的選択色の幅が小さい場合においても同様である。例えば、テーブルクロスの種類の選択であったとしも、テーブルの数や配置と光源の位置と方向、色、強度等を考慮して選択する必要があり、同様の課題を有している。
【0010】
そこで、本発明では三次元コンピューターグラフィックスを利用して披露宴会場を三次元表示し、希望に応じた数のテーブルやオプションの備品を設置したり、テーブルクロスや会場装花の種類選択を行うことで、視覚的にわかりやすいシミュレーションを行う。それと同時に見積価格を提示するシステムを提供することを目的とする。特に披露宴会場の三次元空間シミュレーションを行いながら見積価格を提示することで、視覚イメージと価格を同時に把握することを可能とするコンピュータシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の課題を解決するための手段として、請求項1に記載の発明は、披露宴のシミュレーション画像を表示するシミュレーションシステムにおいて、披露宴に使用する備品の三次元モデル情報群を記憶する備品記憶手段と、前記備品の色、素材及び模様等の特性情報を持った特性画像群を記憶する特性画像記憶手段と、披露宴会場の光源の位置、色、強度等の光源情報群を記憶する光源情報記憶手段と、前記備品記憶手段に記憶された備品の三次元モデル情報群から、任意の三次元モデル情報を選択する三次元モデル情報選択手段と、前記特性画像記憶手段に記憶された特性画像群から、任意の特性画像を選択する特性画像選択手段と、前記選択された三次元モデル情報に対し、選択された特性画像を合成し、三次元オブジェクトを作成する三次元オブジェクト合成手段と、前記光源情報記憶手段に記憶された光源情報群から、任意の光源情報を選択する光源情報選択手段と、前記三次元オブジェクトと光源情報を使用してレンダリング処理を行ない、三次元画像を作成するレンダリング処理手段と、前記三次元画像を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする披露宴のシミュレーションシステムである。
【0012】
また、請求項2に記載の発明は、音声データ群を記憶する音声データ記憶手段と、前記音声データ記憶手段に記憶された音声データ群から、任意の音声データを選択する音声データ選択手段と、前記選択された音声データを出力する音声データ出力手段と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の披露宴のシミュレーションシステムである。
【0013】
また、請求項3に記載の発明は、前記備品記憶手段に記憶される窓の三次元モデル情報群と、前記特性画像記憶手段に記憶され、少なくとも季節に対応した風景模様を有する特性画像群と、披露宴会場の窓の位置、少なくとも季節に対応した色と強度等の光源情報群を記憶する光源情報記憶手段と、を備え、開催予定の季節の披露宴をシミュレートすることを特徴とする請求項1または2に記載の披露宴のシミュレーションシステムである。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、前記備品記憶手段に記憶される窓の三次元モデル情報群と、前記特性画像記憶手段に記憶され、少なくとも季節及び天気に対応した風景模様を有する特性画像群と、披露宴会場の窓の位置、少なくとも季節及び天気に対応した色と強度等の光源情報群を記憶する光源情報記憶手段と、を備え、開催予定の季節及び天気の披露宴をシミュレートすることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の披露宴のシミュレーションシステムである。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、前記備品記憶手段に記憶される窓の三次元モデル情報群と、前記特性画像記憶手段に記憶され、少なくとも季節、天気及び時間に対応した風景模様を有する特性画像群と、披露宴会場の窓の位置、少なくとも季節、天気及び時間に対応した色と強度等の光源情報群を記憶する光源情報記憶手段と、を備え、開催予定の季節、天気及び時間の披露宴をシミュレートすることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の披露宴のシミュレーションシステムである。
【0016】
また、請求項6に記載の発明は、少なくとも前記備品の価格情報を記憶する備品価格情報記憶手段と、前記選択された備品の価格情報より見積もり情報を作成する見積もり情報作成手段と、前記見積もり情報作成手段により作成された見積もりを表示する表示手段と、を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の披露宴のシミュレーションシステムである。
【発明の効果】
【0017】
請求項1に記載の発明により、三次元コンピューターグラフィックスを利用して披露宴会場を三次元表示し、希望に応じた数のテーブルやオプションの備品を設置したり、テーブルクロスや会場装花の種類選択を行うことで、視覚的にわかりやすいシミュレーションを行うことが可能となり、実際の披露宴を実感することができ、各種選択を適切に行うことが可能となるという効果を奏する。
【0018】
また、請求項2に記載の発明により、三次元コンピューターグラフィックスを利用して披露宴会場を三次元表示し、希望に応じた数のテーブルやオプションの備品を設置したり、テーブルクロスや会場装花の種類選択を行うことで、視覚的にわかりやすいシミュレーションを行うことが可能となり、同時に音声データのシミュレーションを行うため、実際の披露宴を実感することができ、音声データとそれに付随する各種選択を適切に行うことが可能となるという効果を奏する。
【0019】
また、請求項3に記載の発明により、三次元コンピューターグラフィックスを利用して窓を有する披露宴会場を三次元表示し、希望に応じた数のテーブルやオプションの備品を設置したり、テーブルクロスや会場装花の種類選択を行うことで、視覚的にわかりやすいシミュレーションを行うことが可能となり、実際の披露宴を実感することができ、各種選択を適切に行うことが可能となるという効果を奏する。
【0020】
また、請求項4に記載の発明により、三次元コンピューターグラフィックスを利用して窓を有する披露宴会場を三次元表示し、希望に応じた数のテーブルやオプションの備品を設置したり、テーブルクロスや会場装花の種類選択を行うことで、視覚的にわかりやすいシミュレーションを行うことが可能となり、実際の季節及び天気に対応した披露宴を実感することができ、各種選択を適切に行うことが可能となるという効果を奏する。
【0021】
また、請求項5に記載の発明により、三次元コンピューターグラフィックスを利用して窓を有する披露宴会場を三次元表示し、希望に応じた数のテーブルやオプションの備品を設置したり、テーブルクロスや会場装花の種類選択を行うことで、視覚的にわかりやすいシミュレーションを行うことが可能となり、実際の季節、天気及び時間に対応した披露宴を実感することができ、各種選択を適切に行うことが可能となるという効果を奏する。
【0022】
また、請求項6に記載の発明により、三次元コンピューターグラフィックスを利用して披露宴会場を三次元表示し、希望に応じた数のテーブルやオプションの備品を設置したり、テーブルクロスや会場装花の種類選択を行うことで、視覚的にわかりやすいシミュレーションを行うことが可能となり、実際の披露宴を実感することができ、各種選択を適切に行うことが可能となると同時に、披露宴会場の三次元空間シミュレーションを行いながら見積価格を提示することで、視覚イメージと価格を同時に把握することを可能とするコンピュータシステムを提供することにより、前記目的を達成するという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】披露宴のシミュレーションシステムの全体構成の概略を示した図である。
【図2】サーバの概略構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の好適な実施するための形態について図1及び図2を参照して詳細に説明する。図1は本実施形態の披露宴のシミュレーションシステムの全体構成の概略を示した図である。図1において、1は端末、2は入力部、3は表示部、4は音声出力部、5は制御部、6はネットワーク、7はサーバである。端末1は、入力部2、表示部3、音声出力部4、制御部5を有し、ネットワーク6を介してサーバ7と接続している。ユーザーは端末1を操作し、入力部2を使用して各種選択を入力する。その選択情報は制御部5により、ネットワーク6を介してサーバ7に入力される。サーバ7は入力された選択情報に基づき三次元画像等を作成し、ネットワーク6を介して端末1の表示部3等に表示する。また図1では端末1を2台図示しているが、これは単なる例示であって、本発明において端末数は限定していない。
【0025】
入力部2としては、キーボード、マウス、トラックボール等があるが、これに限定するものではなく、ユーザーがコンピュータに情報を入力できるものであれば何れのものでも良い。表示部3としては、液晶画面、プリンター等があるが、これに限定するものではなく、ユーザーが三次元画像や見積もりを視認できるものであれば何れのものでも良い。音声出力部4としては、スピーカー等があるが、これに限定するものではなく、ユーザーが音声データを認識できるものであれば何れのものでも良い。ネットワーク6はインターネット等があるが、これに限定するものではなく、社内ランなどのローカルネットワーク等、通信が可能であれば何れのものでも良い。本実施形態において、ユーザーが使用する端末1とデータの記憶及び加工を行うサーバ7は独立しており、ネットワーク6を介して接続されているが、本発明はこれに限定するものでは無く、端末1とデータの記憶及び加工を行うサーバ7を一体にして1台のコンピュータとしても良い。
【0026】
図2は本実施形態の披露宴のシミュレーションシステムのサーバの概略構成を示したブロック図である。図2において、1は端末、2は入力部、3は表示部、4は音声出力部、5は制御部、6はネットワーク、7はサーバ、12は制御部、13は備品記憶手段、14は備品価格情報記憶手段、15は特性画像記憶手段、16は光源情報記憶手段、17は音声データ記憶手段、18は三次元オブジェクト合成手段、19はレンダリング処理手段、20は見積もり情報作成手段である。尚、図2において図1と同じ番号を付したものは、同様の構成のため、説明を省略する。
【0027】
サーバ7は制御部12、備品記憶手段13、備品価格情報記憶手段14、特性画像記憶手段15、光源情報記憶手段16、音声データ記憶手段17、三次元オブジェクト合成手段18、レンダリング処理手段19、見積もり情報作成手段20を有している。
【0028】
備品記憶手段13は披露宴に使用する備品関係の三次元モデル情報を記憶している。ここで、三次元モデル情報とは例えばポリゴン等の一般的な手法で作られた三次元コンピュータグラフィック等があるがこれに限定するものではない。また、三次元モデル情報は図示しない入力装置より入力されて備品記憶手段13に記憶される。備品としては、例えば、新郎、新婦、司会者、衣服、アクセサリー及びブーケ等の人物関係の三次元モデル情報、窓、床、壁、カーテン、テーブル、テーブルクロス、キャンドル及び会場装花等の装備関係の三次元モデル情報、ケーキ、料理、飲食物及びスクリーン等のイベント関係の三次元モデル情報、等があるがこれに限定するものではなく、披露宴に使用し三次元コンピュータグラフィックにすることができれば何れのものでも良い。尚、本実施形態においては、壁や床等の披露宴会場自体の構成物、登場人物など、披露宴に存在する全てを備品としたが、これに限定するものではなく、ユーザーによる選択が行われるか否か等の基準で複数の記憶手段に分離しても良い。
【0029】
備品価格情報記憶手段14は、備品記憶手段13に記憶された披露宴に使用する備品関係の三次元モデル情報に対応した価格情報を記憶している。ただし、本実施形態では、備品に新郎、新婦、窓、床、壁等の価格情報と対応させるのに相応しくないものも含んでおり、これらの備品は価格情報と対応と対応していない。また、同じ形状の備品でも色や模様で価格が異なる場合がある。例えば皿は、三次元モデル情報は同じでも特性画像の模様が異なる場合は価格が異なる。したがって価格情報は三次元モデル情報以外に、必要に応じて特性画像にも対応している。
【0030】
特性画像記憶手段15は、前記備品の色、素材及び模様等の特性情報を持った特性画像群を記憶している。特性画像は三次元モデル情報の表面にあたる部分に貼り付けるイメージで画像合成を行うための画像情報である。色等は一般的な画像情報ではなく、色自体を示す情報でも良いが本発明では画像情報として定義する。また、素材とは表面状態等のことであり色情報と独立した情報としても良いが、色と素材を一つの画像情報としても良い。模様は色等と相違し、一般的な画像情報として記憶することが好ましい。
【0031】
窓の三次元モデル情報に貼り付けるイメージで合成する風景の特性情報は、一般的な画像情報として記憶することが好ましく、季節、天気、時刻に合わせた異なる画像情報を記憶している。ただし、風景の特性情報はこれに限定するものではなく、一枚の画像情報に対し、季節、天気と時刻をパラメータとして明度、色度、彩度を変更したものを採用してもよく、また、季節に応じた画像情報に天気と時刻をパラメータとして明度、色度、彩度を変更したものを採用してもよい。これは、披露宴会場の価格が季節により変動するためで、高価格で販売可能な季節の日取りについては、特に当該季節の良さを強くイメージさせる画像情報を採用した方がより効果的なためである。また、披露宴会場の価格は時刻でも価格が変動するため、より高い価格で販売するためには、当該時刻の良さを強くイメージさせる画像情報を採用した方がより効果的である。ただし、季節と時刻は当日の天気により大きくイメージが変動するため、高価格で販売可能な季節や時刻の良さを強調する画像を採用する場合は、同時に好天候から悪天候までの画像情報又はパラメータを用意し、同時に提供可能とした方がユーザーに性格な情報を伝えることが可能であり、より好ましい。
【0032】
光源情報記憶手段16は、披露宴会場の光源の位置、色、強度等の光源情報群を記憶している。本実施の形態の光源の位置としては、仮想三次元空間上の光源位置と観測者の位置等があり、また、平行光源、点光源、スポット光源等一般的な光源の種類を含むがこれに限定するものではなく、これらを独立した情報として管理しても良い。本実施形態では、披露宴会場の光源は完全に自由にはできないため、光源情報選択手段である入力部2から選択する際に位置、色、強度に制限を設けるための制限情報も光源情報記憶手段16にきおくしているが、これに限定するものではなく、これらを独立した情報として管理しても良い。
【0033】
音声データ記憶手段16は、音声データを記憶している。音声データとしては、披露宴のバックグランドミュージックや司会者の音声等があるが、これに限定するものではなく、夏のセミの音など風景画像に付随する音声データも含まれる。また、季節、時刻、天気の風景画像とそれに付随する音声データの関係を固定化すれば、より実感できる披露宴のシミュレーションを提供することができる。
【0034】
三次元オブジェクト合成手段18は、三次元モデル情報選択手段と特性画像選択手段である入力部2から選択された複数の三次元モデル情報と特性画像を合成して三次元オブジェクトする。例えば、会場装花の場合、三次元モデル情報選択手段で花瓶や花束の種類と本数を選択し、次に、花瓶の模様や花の色を選択する。ユーザー等が選択する場合、披露宴会場の床、天井等変更が容易ではないものについては、予め三次元オブジェクトを作成しておき選択不可としても良い。また、花等季節のイメージが強いものは、予め、選択肢に季節による制限をつけても良い。
【0035】
レンダリング処理手段19は、作成された複数の三次元オブジェクトを組み合わせ、光源情報選択手段である入力部2から選択された光源情報を使用してレンダリング処理を行ない、明暗のあるリアルな三次元画像を作成する。ここで、レンダリング処理の手法は一般的な方法を採用してよい。見積もり情報作成手段20は、選択された備品と備品価格情報記憶手段に記憶された備品の価格情報より見積もりを作成する。
【0036】
制御手段12は、作成された三次元画像を端末1の制御部5を通じて、表示手段である表示部3に表示する。尚、複数の三次元画像を連続的に表示することで、動画として表示することも可能である。また、制御手段12は、選択された音声データを端末1の制御部5を通じて、音声データ出力手段である音声出力部4から出力する。尚、動画を表示している場合は、音声データがそれに合わせて流れるため、実際の披露宴において選択した音声データが適切な長さかどうかもシミュレーションすることができる。特にバックグランドミュージックの場合、短いフレーズの繰り返しの場合はどこで区切っても違和感が無いが、長いフレーズの場合は途中で切ると違和感を感じる場合があり、音声データを選択する場合は重要な要素となる。更にまた、制御手段12は、作成された見積もりを端末1の制御部5を通じて、表示手段である表示部3に表示する。これにより、ユーザー等は、披露宴が予算内でおさまるかどうかを判断し、必要に応じて、披露宴のシミュレーションを繰り返すことができる。
【0037】
以上のように、本発明を用いることで、選択した備品等を配置した際の披露宴会場をシミュレートすることで視覚的に把握できるため、イメージとのギャップを防止することができる。結婚式場やホテル、レストランなど披露宴を行う施設における披露宴開催予定者の見学や準備打ち合わせ時に本発明を用いることで、イメージを明確に伝えることができる。また、未完成や使用中につき見学できない部屋や、季節・天候・時間帯などの条件が異なる場合の雰囲気を伝えるためにも利用できる。
【産業上の利用可能性】
【0038】
披露宴会場のシミュレーション以外に住宅や商業施設の内装設計シミュレーションとしても同様のシステムの利用が可能である。
【符号の説明】
【0039】
1・・・端末
2・・・入力部
3・・・表示部
4・・・音声出力部
5・・・制御部
6・・・ネットワーク
7・・・サーバ
12・・・制御部
13・・・備品記憶手段
14・・・備品価格情報記憶手段
15・・・特性画像記憶手段
16・・・光源情報記憶手段
17・・・音声データ記憶手段
18・・・三次元オブジェクト合成手段
19・・・レンダリング処理手段
20・・・見積もり情報作成手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
披露宴のシミュレーション画像を表示するシミュレーションシステムにおいて、
披露宴に使用する備品の三次元モデル情報群を記憶する備品記憶手段と、
前記備品の色、素材及び模様等の特性情報を持った特性画像群を記憶する特性画像記憶手段と、
披露宴会場の光源の位置、色、強度等の光源情報群を記憶する光源情報記憶手段と、
前記備品記憶手段に記憶された備品の三次元モデル情報群から、任意の三次元モデル情報を選択する三次元モデル情報選択手段と、
前記特性画像記憶手段に記憶された特性画像群から、任意の特性画像を選択する特性画像選択手段と、
前記選択された三次元モデル情報に対し、選択された特性画像を合成し、三次元オブジェクトを作成する三次元オブジェクト合成手段と、
前記光源情報記憶手段に記憶された光源情報群から、任意の光源情報を選択する光源情報選択手段と、
前記三次元オブジェクトと光源情報を使用してレンダリング処理を行ない、三次元画像を作成するレンダリング処理手段と、
前記三次元画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする披露宴のシミュレーションシステム。
【請求項2】
音声データ群を記憶する音声データ記憶手段と、
前記音声データ記憶手段に記憶された音声データ群から、任意の音声データを選択する音声データ選択手段と、
前記選択された音声データを出力する音声データ出力手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載の披露宴のシミュレーションシステム。
【請求項3】
前記備品記憶手段に記憶される窓の三次元モデル情報群と、
前記特性画像記憶手段に記憶され、少なくとも季節に対応した風景模様を有する特性画像群と、
披露宴会場の窓の位置、少なくとも季節に対応した色と強度等の光源情報群を記憶する光源情報記憶手段と、
を備え、開催予定の季節の披露宴をシミュレートすることを特徴とする請求項1または2に記載の披露宴のシミュレーションシステム。
【請求項4】
前記備品記憶手段に記憶される窓の三次元モデル情報群と、
前記特性画像記憶手段に記憶され、少なくとも季節及び天気に対応した風景模様を有する特性画像群と、
披露宴会場の窓の位置、少なくとも季節及び天気に対応した色と強度等の光源情報群を記憶する光源情報記憶手段と、
を備え、開催予定の季節及び天気の披露宴をシミュレートすることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の披露宴のシミュレーションシステム。
【請求項5】
前記備品記憶手段に記憶される窓の三次元モデル情報群と、
前記特性画像記憶手段に記憶され、少なくとも季節、天気及び時間に対応した風景模様を有する特性画像群と、
披露宴会場の窓の位置、少なくとも季節、天気及び時間に対応した色と強度等の光源情報群を記憶する光源情報記憶手段と、
を備え、開催予定の季節、天気及び時間の披露宴をシミュレートすることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の披露宴のシミュレーションシステム。
【請求項6】
少なくとも前記備品の価格情報を記憶する備品価格情報記憶手段と、
前記選択された備品の価格情報より見積もり情報を作成する見積もり情報作成手段と、
前記見積もり情報作成手段により作成された見積もりを表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の披露宴のシミュレーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−215950(P2012−215950A)
【公開日】平成24年11月8日(2012.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−79094(P2011−79094)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】