押しねじ具
【課題】ガラス戸等の被取付体に回転圧着して、ゴム片等の摩擦抵抗の大きい部材にねじれの力を生じさせてゴム片等の部材を押しねじ具から離脱させるようなことがなく、ガラス戸等の被取付体を枠体内に挿入した状態で、押圧力を有効に作用させ、好適に固定して取り付けることのできる押しねじ具を提供することを課題とする。
【解決手段】一端側に結合部が形成されているとともに、被取付体を押圧可能とする押圧部が他端側に形成された押圧アタッチメントと、該押圧アタッチメントの結合部と結合可能な結合部を内周面に有するとともに、被取付体の取付部の雌ねじに螺合可能な雄ねじを外周面に有する回転アタッチメントとからなり、両アタッチメントの結合部を結合させ、回転アタッチメントを回転させることで、回転アタッチメントの回転力が、押圧アタッチメントの被取付体に対する直進方向の押圧力として作用しうるように構成されていることを特徴とする。
【解決手段】一端側に結合部が形成されているとともに、被取付体を押圧可能とする押圧部が他端側に形成された押圧アタッチメントと、該押圧アタッチメントの結合部と結合可能な結合部を内周面に有するとともに、被取付体の取付部の雌ねじに螺合可能な雄ねじを外周面に有する回転アタッチメントとからなり、両アタッチメントの結合部を結合させ、回転アタッチメントを回転させることで、回転アタッチメントの回転力が、押圧アタッチメントの被取付体に対する直進方向の押圧力として作用しうるように構成されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は押しねじ具、さらに詳しくは、たとえばガラス戸の端部のような被取付体を枠体に挿入して取り付ける際に、その枠体に穿設されたねじ孔に挿入するとともに、そのような枠体内に挿入されるガラス戸の端部等の被取付体に押し当てながら、その被取付体を枠体内に固定して取り付ける押しねじ具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、商品陳列ケース等においては、開閉自在なガラス戸が設けられており、そのようなガラス戸は、略コ字状の枠体である受け金具内に挿入して取り付けられている。このようなガラス戸の取り付け構造を示す出願として、たとえば下記特許文献1のような出願がある。
【0003】
この特許文献1に示すようなガラス戸の取り付け構造においては、図35に示すように略コ字状の枠体12cに予めねじ孔13cが穿設され、その枠体12c内にガラス戸の端部(図示せず)が挿入されるとともに、枠体12cの外側から同図(a)に示すような締付ねじ25を前記ねじ孔13c内に螺挿入し、その締付ねじ25の先端部をガラス戸に押し当てることによってガラス戸が枠体12c内で固定されていた。そして、このような締付ねじ25は、その締付ねじ25をガラス戸のねじ孔13c内に螺挿入する際の回転運動によって押圧力を被取付体であるガラス戸に作用させてガラス戸を固定するものである。
【0004】
しかしながら、このような締付ねじは、一般に金属や硬質の合成樹脂等で構成され、被取付体であるガラス戸も硬い素材のガラスで構成されているので、締付ねじをねじ孔13c内に螺挿入すべく回転させることで、締付ねじの先端部とガラス戸との接触面に滑りが生じ易く、締付ねじの回転運動による押圧力が、被取付体であるガラス戸に有効に作用しないという問題が生じていた。
【0005】
また、締付ねじと被取付体であるガラス戸とが、ともに硬い素材で構成されているので、締付ねじの回転運動による押圧力を生じさせたとき、ガラス戸が割れるおそれもあった。
【0006】
そこで、このような締付ねじとガラス戸との接触面の滑りや、ガラス戸の割れを防止するために、図35(b)に示すように、締付ねじ25の先端部にゴム片26を取り付けたようなものも用いられているが、上記のような締付ねじは回転運動による押圧力をガラス戸に作用させるもの故に、締付ねじをガラス戸に回転圧着する際に、摩擦抵抗の大きい素材からなるゴム片26にねじれの力が生じ、ゴム片26が締付ねじ25の先端部から不用意に離脱するおそれがあるという問題が生じていた。
【0007】
そこで、このような問題を解決するために、たとえば図36に示すように、金属プレートにプレート状のゴム片(図示せず)を貼り付けた別体の介装部材27を、被取付体であるガラス戸と枠体間に介装させるようなことも行われている。しかしながら、この場合には、介装部材27を別途準備しなければならず、部品点数が増えるばかりでなく、このような介装部材27を、ガラス戸と枠体間の所望の位置に介装させる作業が煩雑となっていた。
【0008】
また、上記のような締付ねじは、回転運動による押圧力を作用させるので、被取付体であるガラス戸に直接作用させる場合はまだしも、介装部材27を介してガラス戸に間接的に作用させると、その回転による押圧力が低減するおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実用新案登録第2531948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたもので、上記従来の押しねじ具のように、ガラス戸等の被取付体に回転圧着して、ゴム片等の摩擦抵抗の大きい部材にねじれの力を生じさせてゴム片等の部材を押しねじ具から離脱させるようなことがなく、ガラス戸等の被取付体を枠体内に挿入した状態で、押圧力を有効に作用させ、好適に固定して取り付けることのできる押しねじ具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、一端側に結合部が形成されているとともに、被取付体を押圧可能とする押圧部が他端側に形成された押圧アタッチメント1と、該押圧アタッチメント1の結合部と結合可能な結合部を内周面に有するとともに、被取付体の取付部の雌ねじ14に螺合可能な雄ねじ11を外周面に有する回転アタッチメント2とからなり、該回転アタッチメント2の結合部を前記押圧アタッチメント1の結合部に結合させ、前記回転アタッチメント2の外周面の雄ねじ11を被取付体の取付部の雌ねじ14に螺合させつつ、前記回転アタッチメント2を回転させることで押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが相互に対面する部分において接触し、該押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが接触した状態で、該回転アタッチメント2の回転力が、前記押圧アタッチメント1の被取付体に対する直進方向の押圧力として作用しうるように構成されていることを特徴とする押しねじ具を提供するものである。
【0012】
押圧アタッチメント1の一端側の結合部は、たとえば雄ねじ6であり、また回転アタッチメント2の結合部は、たとえば前記押圧アタッチメント1の雄ねじ6に螺合可能な雌ねじ9である。このような回転アタッチメント2の雌ねじ9を、前記押圧アタッチメント1の雄ねじ6に螺合させつつ、前記回転アタッチメント2を回転させることで押圧アタッチメント1が回転アタッチメント2とともに移動可能であり、前記押圧アタッチメント1の雄ねじ6と回転アタッチメント2の雌ねじ9との螺合状態が解除されたときに、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが相互に対面する部分において接触し、そのような接触状態で、該回転アタッチメント2の外周面の雄ねじ11を被取付体の取付部の雌ねじ14に螺合させつつ回転させる際の回転アタッチメント2の回転力が、前記押圧アタッチメント1の被取付体に対する直進方向の押圧力として作用しうるように構成されることとなる。
このような押圧アタッチメント1の雄ねじ6や回転アタッチメント2の雌ねじ9のような結合部以外の結合部にも本発明を適用することができる。たとえば押圧アタッチメント1の外周面と回転アタッチメント2を単に嵌合するような場合である。
ここで、本発明における「結合部」とは、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが相互に離脱しないような状態で結合させることのみを意味するものではなく、簡単に離脱しうるように緩く結合されているような状態も含むものである。
要は、回転アタッチメント2の回転力が、前記押圧アタッチメント1の被取付体に対する直進方向の押圧力として作用しうるように、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが結合されていればよいのである。
【0013】
上記のように、相互に対面する部分において押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが接触する場合、その接触は点接触状態であることが望ましい。
相互に対面する部分において接触する具体的な構成として、たとえば押圧アタッチメント1の一端側の先端部分と、回転アタッチメント2の内周面とが相互に対面して接触するように構成される。
尚、「相互に対面する部分において押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが接触する」とは、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが直接接触する場合の他、たとえばワッシャ等を介して間接的に接触しているような場合も含むものである。
押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2は、該押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが相互に対面する部分において接触した際に、回転アタッチメント2の回転により押圧アタッチメント1がとも回りしない程度に摩擦抵抗の少ない素材で構成されることが望ましい。このような摩擦抵抗の少ない素材として、たとえば金属や硬質の合成樹脂が例示される。
【0014】
押圧アタッチメント1の押圧部の被取付体と接触する面側に、弾力性を有する接触面用プレート7を貼着することが望ましい。
押圧アタッチメント1としては、たとえば被取付体を押圧可能とする押圧部として機能する頭部3と、該頭部3に連設された胴部4と、該胴部4の先端側に連設された先端部5とからなり、該先端部5の外周面に結合部が形成されたようなものを用いることができる。
回転アタッチメント2としては、たとえばその一方の端面18に開口部19が形成され、該開口部19に連通して第1空間部8が形成されているとともに、該第1空間部8に連通して第2空間部10が形成され、前記第1空間部8の内周面に、押圧アタッチメント1の雄ねじ6に螺合可能な雌ねじ9が形成され、前記第2空間部10の内周面には雌ねじが形成されておらず、前記押圧アタッチメント1の雄ねじ6が形成された部分の全体を収納しうる寸法を有して形成されたようなものを用いることができる。この場合、第2空間部10の内径は、押圧アタッチメント1の雄ねじ6の外径より大きく形成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、上述のような構成からなるため、回転アタッチメントの外周面の雄ねじが、被取付体の取付部の雌ねじに螺合していることで、回転アタッチメントを回転させたときに、その回転アタッチメントの回転力は、押圧アタッチメントが被取付体を押圧する直進方向の押圧力に変換されることとなる。
特に、押圧アタッチメントの一端側の結合部を雄ねじとするとともに、回転アタッチメントの結合部を該押圧アタッチメントの雄ねじに螺合可能な雌ねじとし、その雄ねじと雌ねじの螺合状態が解除されたときに押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが相互に対面する部分において接触し、押圧アタッチメントの直進方向の押圧力が作用するように構成した場合には、当初押圧アタッチメントの雄ねじと回転アタッチメントの雌ねじが螺合しているが、その螺合状態が解除されることで押圧アタッチメントが回転することはなく、従って、回転アタッチメントを回転させたとき、回転アタッチメントの回転力は、押圧アタッチメントが回転せずに被取付体を押圧する直進方向の押圧力に好適に変換されることとなるのである。
【0016】
そして、このような直進方向の押圧力で押圧アタッチメントが被取付体を押圧するので、その押圧力が被取付体に好適に作用し、被取付体を確実に固定して取り付けることができるという効果がある。
【0017】
また、押圧アタッチメントの被取付体との接触面側にゴム等の接触面用プレートを貼着する場合にも、直進方向の押圧力で押圧アタッチメントが被取付体を押圧するので、接触面用プレートに捩じれ等の力が作用するようなこともなく、接触面用プレートが押圧アタッチメントから不用意な離脱するようなことがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】一実施形態の押しねじ具を分解して示す概略断面図。
【図2】図1のB方向から見た状態の側面図。
【図3】ガラス戸を取り付ける枠体の側面図。
【図4】図3のA−A線断面図。
【図5】押圧アタッチメントを枠体の孔内に挿入した状態の概略断面図。
【図6】枠体の孔内に挿入された押圧アタッチメントに回転アタッチメントを螺合した状態の概略断面図。
【図7】ガラス戸を枠体内に挿入した状態の概略断面図。
【図8】回転アタッチメントを回転して押圧アタッチメントでガラス戸を押圧する状態を示す概略断面図。
【図9】回転アタッチメントによる締め付け完成状態の概略断面図。
【図10】他実施形態の押しねじ具を分解して示す概略断面図。
【図11】同実施形態において、押圧アタッチメントと回転アタッチメントとを合体させた状態を示す概略断面図。
【図12】合体させた押圧アタッチメントと回転アタッチメントとを、枠体の孔内に挿入した状態を示す概略断面図。
【図13】ガラス戸を枠体内に挿入した状態の概略断面図。
【図14】回転アタッチメントを回転して押圧アタッチメントでガラス戸を押圧する状態を示す概略断面図。
【図15】回転アタッチメントによる締め付け完成状態の概略断面図。
【図16】他実施形態の押しねじ具を分解して示す概略断面図。
【図17】同実施形態において、押圧アタッチメントを枠体の孔内に挿入し、押圧アタッチメントに回転アタッチメントを螺合し、ガラス戸を枠体内に挿入した状態の概略断面図。
【図18】同実施形態の締め付け完成状態の概略断面図。
【図19】さらに他の実施形態の押しねじ具を分解して示す概略断面図。
【図20】図19のC方向から見た状態の側面図。
【図21】同実施形態において、押圧アタッチメントを枠体の孔内に挿入し、押圧アタッチメントに回転アタッチメントを螺合し、ガラス戸を枠体内に挿入した状態の概略断面図。
【図22】同実施形態の締め付け完成状態の概略断面図。
【図23】さらに他の実施形態の押しねじ具を分解して示す概略断面図。
【図24】同実施形態において、押圧アタッチメントと回転アタッチメントとを合体させた状態を示す概略断面図。
【図25】同実施形態において、押圧アタッチメントをかしめた状態を示す概略断面図。
【図26】合体させた押圧アタッチメントと回転アタッチメントとを、枠体の孔内に挿入した状態を示す概略断面図。
【図27】同実施形態において、押圧アタッチメントをガラス戸に圧接した状態の概略断面図。
【図28】回転アタッチメントによる締め付け完成状態の概略断面図。
【図29】さらに他の実施形態の押しねじ具を分解して示す概略断面図。
【図30】同実施形態において、押圧アタッチメントと回転アタッチメントとを合体させて枠体の孔内に挿入し、ガラス戸を枠体内に挿入した状態の概略断面図。
【図31】同実施形態の締め付け完成状態の概略断面図。
【図32】さらに他の実施形態の押しねじ具を分解して示す概略断面図。
【図33】同実施形態において、押圧アタッチメントと回転アタッチメントとを合体させた状態を示す断面図。
【図34】同実施形態において、押圧アタッチメント及び回転アタッチメントを枠体の孔内に挿入し、ガラス戸を枠体内に挿入し、回転アタッチメントによって締め付けた状態の概略断面図。
【図35】従来の押しねじ具を枠体に装着する状態を示す概略断面図。
【図36】他の従来例を示す概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の押しねじ具は、上述のように、一端側に結合部が形成されているとともに、被取付体を押圧可能とする押圧部が他端側に形成された押圧アタッチメントと、該押圧アタッチメントの結合部と結合可能な結合部を内周面に有するとともに、被取付体の取付部の雌ねじに螺合可能な雄ねじを外周面に有する回転アタッチメントとからなり、該回転アタッチメントの結合部を、前記押圧アタッチメントの結合部に結合させ、前記回転アタッチメントの外周面の雄ねじを被取付体の取付部の雌ねじに螺合させつつ、前記回転アタッチメントを回転させることで、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが相互に対面する部分において接触し、該押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが接触した状態で、該回転アタッチメントの回転力が、前記押圧アタッチメントの被取付体に対する直進方向の押圧力として作用しうるように構成されているものである。
押圧アタッチメントの一端側の結合部はたとえば雄ねじによって形成され、また回転アタッチメントの結合部はたとえば前記押圧アタッチメントの雄ねじに螺合可能な雌ねじによって形成される。このような回転アタッチメントの雌ねじを、前記押圧アタッチメントの雄ねじに螺合させつつ、前記回転アタッチメントを回転させることで、押圧アタッチメント1が回転アタッチメント2とともに移動可能であり、前記押圧アタッチメントの雄ねじと回転アタッチメントの雌ねじとの螺合状態が解除されたときに、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが相互に対面する部分において接触し、該押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが接触した状態で、該回転アタッチメントの外周面の雄ねじを被取付体の取付部の雌ねじに螺合させつつ回転させる際の回転アタッチメントの回転力が、前記押圧アタッチメントの被取付体に対する直進方向の押圧力として作用しうるように構成されることとなる。
【0020】
上記のように、押圧アタッチメントと回転アタッチメントとは相互に対面する部分において接触するが、その場合、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とは、点接触状態で接触するように構成されていることが望ましい。
相互に対面する部分において接触する具体的な構成として、たとえば押圧アタッチメント1の一端側の先端部分と、回転アタッチメント2の内周面とが相互に対面して接触するように構成される。
また、「相互に対面する部分において押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが接触する」とは、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが直接接触する場合の他、たとえばワッシャ等を介して間接的に接触しているような場合も含むものである。
押圧アタッチメントや回転アタッチメントの材質は特に限定されるものではないが、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが相互に対面する部分において接触した際に、回転アタッチメント2の回転により、押圧アタッチメント1がとも回りしない程度に摩擦抵抗の少ない素材で構成されることが望ましい。このような摩擦抵抗の少ない素材として、たとえば金属や硬質の合成樹脂が例示される。金属としては、たとえば真鍮、亜鉛、スチール等を採用することができる。
【0021】
さらに、押圧アタッチメントには、押圧部の被取付体と接触する面側に、接触面用プレートを貼着することができる。
押圧アタッチメントは上記のように金属や硬質の合成樹脂等で構成されるので、上記のように押圧アタッチメントの押圧部に接触面用プレートを貼着することで、押圧アタッチメントの押圧部が被取付体に直接接触することがなく、接触面用プレートを介して間接的に接触することとなり、被取付体が損傷すること等を好適に防止することができる。この接触面用プレートの素材としては、ゴムや合成樹脂等を用いることができる。この接触面用プレートは、被取付体との接触面を形成して上記のように被取付体が損傷するのを好適に防止しうるものであるが、この接触面用プレートの機能としては、被取付体及び押圧アタッチメントと接触することで、摩擦抵抗が大きいことがさらに重要な性質となる。この点については後述する。
【0022】
押圧アタッチメントの構成は特に限定されるものではないが、たとえば被取付体を押圧可能とする押圧部として機能する頭部と、該頭部に連設された胴部と、該胴部の先端側に連設された先端部とからなり、該先端部の外周面に雄ねじが形成されたようなものを用いることができる。この場合、押圧アタッチメントの頭部の外径は、回転アタッチメントの外径よりも大きく形成することも可能である。これによって、被取付体に対する押圧アタッチメントの頭部の押圧力をより好適に作用させることができるからである。この結果、押圧アタッチメントの頭部の外径は胴部や先端部の外径よりも大きく形成することができる。このように頭部の外径を胴部や先端部の外径よりも大きく形成することにより、押圧アタッチメントの側面形状は略T字状となる。
一方、押圧アタッチメントの頭部の外径は、回転アタッチメントの外径、より詳しくは、回転アタッチメントの外周面の雄ねじの谷部の部分における外径よりも小さく形成することも可能である。別言すれば、雌ねじが形成された被取付体の取付部(挿入孔)の内径よりも小さく形成することができる。押圧アタッチメントの頭部の外径を被取付体の挿入孔の内径よりも小さく形成することで、押圧アタッチメントの全体を被取付体の挿入孔内に挿入することができ、その結果、押圧アタッチメントを被取付体の内側のみならず、外側からでも挿入することができるので、予め押圧アタッチメントの先端部の雄ねじを、回転アタッチメントの雌ねじを螺合させて該押圧アタッチメントと回転アタッチメントとを合体させておき、その上で回転アタッチメントの外周面の雄ねじを被取付体の取付部の雌ねじに螺合させることもできる。
また、押圧アタッチメントの全体の形状も特に限定されないが、たとえば略円柱状に形成される。
【0023】
また回転アタッチメントの構成も特に限定されるものではないが、たとえばその一方の端面に開口部が形成され、該開口部に連通して第1空間部が形成されているとともに、該第1空間部に連通して第2空間部が形成され、前記第1空間部の内周面に、押圧アタッチメントの雄ねじに螺合可能な雌ねじが形成され、前記第2空間部の内周面には雌ねじが形成されておらず、前記押圧アタッチメント1の雄ねじが形成された部分の全体を収納しうる寸法を有して形成されたようなものを用いることができる。
【0024】
この場合、第2空間部の内径は、押圧アタッチメントの頭部の外径より大きく形成される。また回転アタッチメントの形状は特に限定されるものではないが、たとえば全体が略円筒状となるように形成される。
【0025】
押圧アタッチメントの押圧部の他端側で被取付体を押圧可能とする構成としては、たとえば押圧アタッチメントの被取付体の押圧部と反対側の面と、回転アタッチメントの内周底面とが接触した状態で、回転アタッチメントの回転により前記押圧アタッチメントの押圧部が被取付体を押圧しうるように構成することができる。押圧アタッチメントが、上記のように、頭部、胴部、及び先端部で構成され、回転アタッチメントが、上記のように第1空間部と第2空間部とを有して形成され、該第2空間部が凹状に形成されている場合には、押圧アタッチメントの先端部の先端面と、回転アタッチメントの第2空間部の内周底面とが接触することとなる。この場合、押圧アタッチメントの先端部の先端面を、外向きに突出するような曲面状に形成することで、押圧アタッチメントの先端面と、回転アタッチメントの第2空間部の内周底面とが点接触状態となり、接触時の抵抗が必要以上に大きくなるのを防止することができ、回転アタッチメントの回転力が押圧アタッチメントの被取付体に対する直進方向の押圧力に変換される作用が好適に生じることとなる。
【0026】
一方、押圧アタッチメントの被取付体の押圧部と反対側の面と、回転アタッチメントの開口部の端面とが接触した状態で、回転アタッチメントの回転により前記押圧アタッチメントの押圧部が被取付体を押圧しうるように構成することもできる。押圧アタッチメントが、上記のように、頭部、胴部、及び先端部で構成され、回転アタッチメントが、上記のように第1空間部と第2空間部とを有して形成され、該第2空間部が凹状に形成されている場合には、押圧アタッチメントの先端部の先端面と回転アタッチメントの第2空間部の内周底面とは接触せず、押圧アタッチメントの頭部と回転アタッチメントの開口部19の端面18とが接触して、押圧アタッチメントの頭部が被取付体を押圧することとなる。この場合には、第2空間部が凹状に形成されていてもよいが、このような凹状ではなく、回転アタッチメントの他方の端面側にも開口部が形成されるような構成とすることも可能である。
【0027】
以下、本発明のより具体的な実施形態について図面に従って説明する。
(実施形態1)
本実施形態の押しねじ具は、図1に示すように、押圧アタッチメント1と、回転アタッチメント2とからなる。
【0028】
押圧アタッチメント1は、被取付体を押圧する押圧部として機能する略円板状の頭部3と、略円柱状の胴部4とからなり、胴部4の先端側の先端部5の外周面には、第1図に示すように雄ねじ6が形成されている。また、先端部5の先端面5aは、本実施形態においては外向きに突出するような曲面状に形成されている。ただし直面状に形成することも可能である。押圧アタッチメント1は、同図に示すように全体の側面が略T字状に形成され、また頭部3、胴部4、先端部5の全体は、たとえば真鍮、亜鉛、スチール等の金属、或いは硬質の合成樹脂等で構成されている。
【0029】
押圧アタッチメント1の頭部3の表裏両面のうち、胴部4が連設されている面とは反対側の面、すなわち頭部3の表面側には、被取付体との接触面を形成して、その接触の際の摩擦抵抗を生じさせるゴム製或いは弾力性を有する合成樹脂製の接触面用プレート7が貼着されている。
【0030】
回転アタッチメント2は、全体が略円筒状に形成され、前記押圧アタッチメント1と同様に、真鍮、亜鉛、スチール等の金属、或いは硬質の合成樹脂で構成されている。回転アタッチメント2の一方の端面18には開口部19が形成され、該開口部19に連通して比較的浅い第1空間部8が形成されている。この第1空間部8の内周面には、前記押圧アタッチメント1の先端部5の外周面に形成された雄ねじ6に螺合可能な雌ねじ9が形成されている。
【0031】
また、回転アタッチメント2の内部には、前記第1空間部8に連通して、前記開口部19とは反対側に凹状の第2空間部10が形成されている。第2空間部10が凹状に形成されたものであるので、前記開口部19とは反対側の回転アタッチメント2の他方の端面20には開口部が形成されていない。また前記第1空間部8とは異なり、この第2空間部10の内周面には雌ねじは形成されていない。
【0032】
さらに、この第2空間部10は、前記押圧アタッチメント1の先端部5を収納しうるような奥行きの寸法を有して形成されている。すなわち、押圧アタッチメント1の先端部5の外周面の雄ねじ6が回転アタッチメント2の第1空間部8の内周面の雌ねじ9と螺合状態となりながら、さらに回転アタッチメント2を回転し続けると、その螺合状態が解除されて押圧アタッチメント1の先端部5が回転アタッチメント2の第2空間部10内に収納されうるように、該第2空間部10の奥行きの寸法が設定されているのである。
【0033】
一方、第2空間部10の内径は、押圧アタッチメント1の先端部5の外径より大きく形成されている。これは、前記押圧アタッチメント1の先端部5の雄ねじ6が回転アタッチメント2の第1空間部8の雌ねじ9との螺合状態が解除されたときに、押圧アタッチメント1の先端部5が回転アタッチメント2の第2空間部10内に挿入されうるようにするためである。
【0034】
さらに、回転アタッチメント2の外周面には、雄ねじ11が形成されている。ここで、雄ねじ11は、図1に示すように、回転アタッチメント2の外周面の全体に形成される他、回転アタッチメント2の外周面に部分的に形成することも可能である。
また、図2に示すように、回転アタッチメント2の外側の端面20には、溝部22が形成されている。この溝部22は、回転アタッチメント2を回転させる際に、その操作を行い易いように、回転させるための別体のアタッチメント等を係入させるためのものである。
さらに、押圧アタッチメント1の頭部の外径は、回転アタッチメント2の外径よりも大きく形成されている。
【0035】
次に、上記のような押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とからなる押しねじ具を用いて、被取付体であるガラス戸を枠体内に取り付ける場合について説明する。
【0036】
先ず、図3及び図4に示すように、被取付体であるガラス戸15の端部を挿入するための断面略コ字状の枠体12を準備する。この枠体12は、同図に示すように、その一片12a側には孔が穿設されていないが、他片12b側には、本実施形態の押しねじ具を挿入するための孔13が穿設されている。そして、その孔13の内周面には、前記回転アタッチメント2の外周面に形成された雄ねじ11に螺合可能な雌ねじ14が形成されている。
【0037】
次に、図5に示すように、押圧アタッチメント1を指等で把持して前記枠体12の孔13に挿入する。具体的には、図5の矢印イ方向に示すように、押圧アタッチメント1の胴部4を枠体12の孔13に挿入し、該押圧アタッチメント1の頭部3を枠体12の他片12bの内面側に当接させる。この状態で、押圧アタッチメント1の先端部5が、図5に示すように孔13から枠体12の他片12bの外側に裸出することとなり、回転アタッチメント2が螺合し易い状態となる。
【0038】
次に、図6に示すように、回転アタッチメント2の第1空間部8の内周面の雌ねじ9を、押圧アタッチメント1の先端部5の雄ねじ6に螺合し、回転アタッチメント2を締め付け方向に回転させると、回転アタッチメント2は図6の矢印ロ方向に徐々に移動することとなる。そして、回転アタッチメント2をさらに締め付け方向に回転させると、回転アタッチメント2の外周面の雄ねじ11と、枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14とが螺合する。
【0039】
この場合において、押圧アタッチメント1の先端部5の雄ねじ6に回転アタッチメント2の雌ねじ9を螺合させ易い状態とし、さらに、後述する被取付体であるガラス戸15を枠体12内に挿入し易い状態とするために、押圧アタッチメント1の頭部3は、指等で押さえつけて、枠体12の他片12bの内面側に当接させて位置決めしておくことが望ましい。そして、ある程度の位置まで押圧アタッチメント1の先端部5の雄ねじ6に回転アタッチメント2の雌ねじ9を螺合させ、さらに回転アタッチメント2の雄ねじ11と、枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14とを螺合させると、特に指等で押さえつけなくても、押圧アタッチメント1の頭部3は枠体12の他片12bの内面側に当接した状態で位置決めされることとなる。
【0040】
尚、上記のように押圧アタッチメント1を先に枠体12の孔13に挿入せず、回転アタッチメント2を先に枠体12の孔13に挿入することも可能である。この場合には、回転アタッチメント2の外周面の雄ねじ11を、枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14に螺合させることで、回転アタッチメント2を枠体12の孔13に位置決めしておくことが容易となる。
【0041】
次に、図7の矢印ハ方向に示すように、被取付体であるガラス戸15の端部を、断面略コ字状の枠体12内に挿入する。ガラス戸15の端部は、枠体12の一片12a側に近接するように該枠体12内に挿入する。具体的には、ゴム製の接触面用プレート16を準備し、その接触面用プレート16を枠体12の一片12aとガラス戸15の端部との間に介装させるようにし、該接触面用プレート16を介してガラス戸15の端部を間接的に枠体12の一片12aに接触させる。
【0042】
この場合において、押圧アタッチメント1の先端部5の雄ねじ6に回転アタッチメント2の雌ねじ9がある程度の位置まで螺合され、押圧アタッチメント1の頭部3は枠体12の他片12bの内面側に当接した状態で位置決めされているので、接触面用プレート16を介してガラス戸15の端部を間接的に枠体12の一片12aに接触させるようにして枠体12内に挿入する際に、図7に示すように隙間17が存在し、従って、ガラス戸15の端部を枠体12内に挿入する際に、押圧アタッチメント1の頭部3が支障となることもないのである。
【0043】
このようにしてガラス戸15の端部が枠体12内に挿入された後、さらに回転アタッチメント2を締め付け方向に回転させると、押圧アタッチメント1の先端部5の雄ねじ6に回転アタッチメント2の雌ねじ9が螺合された状態で、回転アタッチメント2はさらにガラス戸15に向かう方向、すなわち第8図の矢印ニ方向に移動し、それに伴って、押圧アタッチメント1は同図の矢印ホ方向に移動し、同図に示すように押圧アタッチメント1の頭部3が、接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触することとなる。
押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触した後、さらに回転アタッチメント2を回転させると、回転アタッチメント2のみがさらに矢印ニ方向に移動する。この場合において、押圧アタッチメント1の先端部5の雄ねじ6は回転アタッチメント2の雌ねじ9に未だ螺合された状態であるため、回転アタッチメント2の回転に伴い押圧アタッチメント1にも回転しようとする力が作用する。
しかし、押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触した状態においては、接触面用プレート7とガラス戸15との接触部分における摩擦抵抗が大きいので、その摩擦抵抗により押圧アタッチメント1の回転が阻止され、回転アタッチメント2のみが回転しつつ移動することとなる。
すなわち、本実施形態においては、従来のように、ゴム製の接触面用プレートが貼着された押しねじ具を直接把持して回転圧着させるのではなく、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2との2部材からなる押しねじ具を用い、押圧アタッチメント1の雄ねじ6に回転アタッチメント2の雌ねじ9を螺合させるとともに、回転アタッチメント2の外周面の雄ねじ11と枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14も螺合させるので、つまり螺合箇所が2箇所に存在するので、回転アタッチメント2を回転させても、上記のように接触面用プレート7とガラス戸15との接触部分における摩擦抵抗によって押圧アタッチメント1の回転が阻止され、従って、押圧アタッチメント1が回転しないので、接触面用プレート7にねじれの力が生じるようなこともないのである。
【0044】
押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触した後、さらに回転アタッチメント2を回転し、回転アタッチメント2が図8の矢印ニ方向に所定距離移動すると、押圧アタッチメント1の雄ねじ6と回転アタッチメント2の雌ねじ9との螺合状態が解除され、押圧アタッチメント1の先端部5が回転アタッチメント2の第2空間部10内に入り込み、その第2空間部10内に収納されることとなる。
【0045】
このようにして押圧アタッチメント1の先端部5が回転アタッチメント2の第2空間部10内に収納された後、さらに回転アタッチメント2を締め付け方向へ回転させると、回転アタッチメント2の外周面の雄ねじ11と、枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14との螺合状態により、回転アタッチメント2はガラス戸15に向かう方向、すなわち図9の矢印ヘ方向に移動する。
【0046】
そして、押圧アタッチメント1の先端部5の先端面5aが、回転アタッチメント2の第2空間部10の内周底面10aと接触したとき、それ以上の回転アタッチメント2の矢印ヘ方向への移動が禁止されることとなる。ただし、後述のように最終的に回転アタッチメント2を回転させて締め付けることで、接触面用プレート7がわずかに収縮し、接触面用プレート7が収縮した分だけ、回転アタッチメント2はわずかに移動する。
また、この場合、押圧アタッチメント1の先端部5の先端面5aは、上述のように、外向きにわずかに突出するような曲面状に形成されているため、押圧アタッチメント1の先端面5aと、回転アタッチメント2の第2空間部10の内周底面10aとが点接触状態となり、接触時の抵抗が必要以上に大きくなるのを防止することができる。
【0047】
そして、押圧アタッチメント1の先端部5の先端面5aが回転アタッチメント2の第2空間部10の内周底面10aと接触した状態で、最終的に回転アタッチメント2を回転させて締め付けると、押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15を押圧することとなり、それによってガラス戸15が枠体12内で固定されることとなる。
【0048】
この場合において、回転アタッチメント2は、その外周面の雄ねじ11が、枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14に螺合していることで回転するが、回転アタッチメント2の内周面の雌ねじ9と押圧アタッチメント1の外周面の雄ねじ6とは螺合していないので、押圧アタッチメント1が回転することはなく、従って、押圧アタッチメント1の先端面5aが回転アタッチメント2の内周底面10aと接触した状態で回転アタッチメント2を回転させたとき、そのアタッチメント2の回転力は、押圧アタッチメント1が回転せずにガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力に変換されることとなる。
また、この場合において、押圧アタッチメント1の先端面5aと、回転アタッチメント2の内周底面10aとが点接触状態となっているため、アタッチメント2の回転力は、押圧アタッチメント1の直進方向の押圧力に効率的に変換されることとなる。
さらに、この場合において、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とは、上記のように金属や硬質合成樹脂という表面が円滑な面からなる素材で構成されているため、押圧アタッチメント1の先端面5aが回転アタッチメント2の内周底面10aと接触した状態において、両者の接触面において摩擦抵抗がほとんど生じることがない。その一方で、押圧アタッチメント1の頭部3に貼着されている接触面用プレート7は、摩擦抵抗の大きいゴム製等の素材からなるため、接触面用プレート7とガラス戸15との間の摩擦抵抗の大きいものとなる。従って、接触面用プレート7とガラス戸15との間の摩擦抵抗の大きさと、押圧アタッチメント1の先端面5aと回転アタッチメント2の内周底面10aとの間の摩擦抵抗の大きさの差によって、回転アタッチメント2が回転しても、押圧アタッチメント1が供回りするようなこともないのである。この結果、アタッチメント2の回転力によって、押圧アタッチメント1の直進方向の押圧力に変換される作用がスムーズに生じることとなる。
【0049】
一方、摩擦抵抗の大きい素材からなる接触面用プレート7は、摩擦抵抗の小さい金属、硬質合成樹脂製等の素材からなる押圧アタッチメント1と、摩擦抵抗の小さいガラス製のガラス戸15との間に介装された状態となり、直進方向の押圧力で押圧アタッチメント1が接触面用プレート7を介してガラス戸15を押圧するので、介在している接触面用プレート7に捩じれ等の力が作用するようなこともなく、従って、接触面用プレート7が押圧アタッチメント1の頭部3から不用意な離脱するようなこともないのである。
【0050】
(実施形態2)
本実施形態では、押圧アタッチメント1の頭部の外径が、回転アタッチメント2の外径、より詳しくは、回転アタッチメントの外周面の雄ねじ11の谷部の部分における直径よりも小さく形成されており、その点で、押圧アタッチメント1の頭部の外径が、回転アタッチメント2の外径よりも大きく形成されていた上記実施形態1と相違する。
【0051】
押圧アタッチメント1の頭部の外径が、回転アタッチメント2の雄ねじ11の谷部の部分における直径よりも小さく形成されているので、結果として、押圧アタッチメント1の頭部の外径は、枠体12の孔13の内径よりも小さくなり、後述のように、押圧アタッチメント1の全体を枠体12の孔13内に挿入することが可能となる。
【0052】
ただし、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とからなる押しねじ具の基本的な構成は上記実施形態1と共通する。すなわち、本実施形態においても、図10に示すように押圧アタッチメント1が頭部3、胴部4、及び先端部5からなり、先端部5の外周面に雄ねじ6が形成され、胴部4が連設されている面とは反対側の頭部3の面に接触面用プレート7が貼着されている。また、回転アタッチメント2には、雌ねじ9を有する第1空間部8、及び該第1空間部8に連通する第2空間部10が形成されており、外周面に雄ねじ11が形成されている。さらに、図示はしないが、回転アタッチメント2の外側の端面20に溝部22が形成されている点も、上記実施形態1と共通する。
【0053】
本実施形態では、上記のように、押圧アタッチメントの頭部の外径を回転アタッチメントの雄ねじ11の谷部の部分における直径よりも小さく形成し、結果として枠体12の孔13の内径よりも小さく形成されることとなるので、押圧アタッチメント1の全体を枠体12の孔13内に挿入することができ、押圧アタッチメント1を、枠体12の孔13の内側のみならず、外側からでも挿入することができることとなり、従って、予め押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とを合体させた上で外側から枠体12の孔13に挿入することが可能となる。
【0054】
そこで、先ず、押圧アタッチメント1の先端部5の雄ねじ6を、回転アタッチメント2の雌ねじ9に螺合させ、回転アタッチメント2を締め付け方向に回転し続けると、回転アタッチメント2は押圧アタッチメント1の頭部3側に移動し、図11に示すように、押圧アタッチメント1の雄ねじ6と回転アタッチメント2の雌ねじ9との螺合状態が解除され、押圧アタッチメント1の先端部5が回転アタッチメント2の第2空間部10内に入り込み、その第2空間部10内に収納されることとなる。
このようにして押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とは相互に離脱することなく、合体された状態となる。そして、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とを合体させた状態のまま、図12に示すように、枠体12の孔13内に挿入し、回転アタッチメント2の外周面の雄ねじ11を、枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14に螺合させる。
【0055】
このように合体させた押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とを枠体12の孔13内に挿入した状態で、図13に示すように、ガラス戸15の端部を枠体12内に挿入する。ゴム製の接触面用プレート16を枠体12の一片12aとガラス戸15の端部との間に介装させるようにし、該接触面用プレート16を介してガラス戸15の端部を間接的に枠体12の一片12aに接触させる点も上記実施形態1と同じである。
【0056】
このようにして押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが枠体12の孔13内に挿入され、ガラス戸15の端部が枠体12内に挿入された状態で、回転アタッチメント2を締め付け方向、すなわち締め付けに回転させると、実施形態1と同様に回転アタッチメント2はガラス戸15に向かう側に移動し、それに伴って、押圧アタッチメント1も同方向に移動し、図14に示すように、押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触することとなる。
【0057】
押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触した後、さらに回転アタッチメント2を回転して該回転アタッチメント2を所定距離移動させることで、図15に示すように、押圧アタッチメント1の先端部5の先端面5aが回転アタッチメント2の第2空間部10の内周底面10aと接触する。
【0058】
このように、押圧アタッチメント1の先端部5の先端面5aが回転アタッチメント2の第2空間部10の内周底面10aと接触した状態で、最終的に回転アタッチメント2を回転させて締め付けると、押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15を押圧することとなり、それによってガラス戸15が枠体12内で固定されることとなる。この点も実施形態1と同様である。
【0059】
回転アタッチメント2は、その外周面の雄ねじ11が、枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14に螺合していることで回転するが、回転アタッチメント2の内周面の雌ねじ9と押圧アタッチメント1の外周面の雄ねじ6とは螺合していないので、本実施形態においても、実施形態1と同様に、押圧アタッチメント1の先端面5aが回転アタッチメント2の内周底面10aと接触した状態で回転アタッチメント2を回転させたとき、そのアタッチメント2の回転力は、押圧アタッチメント1が回転せずにガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力に変換されることとなる。従って、直進方向の押圧力で押圧アタッチメント1が接触面用プレート7を介してガラス戸15を押圧するので、介在している接触面用プレート7に捩じれ等の力が作用するようなこともなく、接触面用プレート7が押圧アタッチメント1の頭部3から不用意な離脱するようなこともないのである。
また、本実施形態においても、押圧アタッチメント1の先端面5aと回転アタッチメント2の内周底面10aとが点接触状態となっているため、実施形態1と同様に、回転アタッチメント2の回転力は押圧アタッチメント1の直進方向の押圧力に効率的に変換されることとなる。
さらに、本実施形態においても、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが金属等の表面が円滑な面からなる素材で構成されているとともに、接触面用プレート7が弾力性を有する摩擦抵抗の大きいゴム等の素材で構成され、接触面用プレート7とガラス戸15との間の摩擦抵抗の大きさと、押圧アタッチメント1の先端面5aと回転アタッチメント2の内周底面10aとの間の摩擦抵抗の大きさの差によって、回転アタッチメント2が回転しても、押圧アタッチメント1が供回りするようなこともなく、回転アタッチメント2の回転力によって、押圧アタッチメント1の直進方向の押圧力に変換される作用がスムーズに生じることとなる。
【0060】
(実施形態3)
本実施形態では、開口部19が形成されている回転アタッチメント2の一方の端面18が、押圧アタッチメント1の頭部3の裏面側に接触して押圧することによって、押圧アタッチメント1の頭部3の表面側をガラス戸15に圧接しうるように構成されている。この点で、回転アタッチメント2の第2空間部10の内周底面10aが、押圧アタッチメント1の先端部5の先端面5aに接触して押圧することによって、押圧アタッチメント1の頭部3をガラス戸15に圧接しうるように構成されていた上記実施形態1と相違する。
【0061】
ただし、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とからなる押しねじ具の基本的な構成は上記実施形態1と共通する。すなわち、本実施形態においても、図16に示すように押圧アタッチメント1が頭部3、胴部4、及び先端部5からなり、先端部5の外周面に雄ねじ6が形成され、胴部4が連設されている面とは反対側の頭部3の面に接触面用プレート7が貼着されている。
【0062】
また、回転アタッチメント2には、雌ねじ9を有する第1空間部8、及び該第1空間部8に連通する第2空間部10が形成されており、外周面に雄ねじ11が形成されている。
【0063】
本実施形態においても、上記実施形態1と同様、図3及び図4に示すような他片12b側に孔13が穿設された断面略コ字状の枠体12を用い、押圧アタッチメント1を枠体12の孔13に挿入して押圧アタッチメント1の先端部5の雄ねじ6に回転アタッチメント2の内周面の雌ねじ9を螺合させるとともに、回転アタッチメント2の外周面の雄ねじ11と枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14とを螺合させ、図17に示すように、ガラス戸15の端部を枠体12内に挿入する。
【0064】
ガラス戸15の端部は、同図のように接触面用プレート16を介して間接的に枠体12の一片12aに接触させる。このとき、ガラス戸15の端部の反対側の面と、押圧アタッチメント1の接触面用プレート7との間には、実施形態1と同様に隙間17が生じている。
【0065】
この状態で、回転アタッチメント2を締め付け方向に回転させると、回転アタッチメント2はガラス戸15に向かう側に移動し、それに伴って、押圧アタッチメント1も同方向に移動し、押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触することとなる。
【0066】
押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触した後、さらに回転アタッチメント2を回転し、回転アタッチメント2が所定距離移動すると、押圧アタッチメント1の雄ねじ6と回転アタッチメント2の雌ねじ9との螺合状態が解除され、図18に示すように押圧アタッチメント1の先端部5が回転アタッチメント2の第2空間部10内に入り込み、その第2空間部10内に収納されることとなる。
【0067】
本実施形態では、図18に示すように、押圧アタッチメント1の先端部5の先端面5aが回転アタッチメント2の第2空間部10の内周底面10aと接触する前に、回転アタッチメント2の開口部の端面18が押圧アタッチメント1の頭部3に接触し、それによって、それ以上の回転アタッチメント2の移動が禁止されることとなる。
【0068】
従って、本実施形態では、上記実施形態1、2のように回転アタッチメント2の第2空間部10の内周底面10aが押圧アタッチメント1の先端部5の先端面5aを押圧するのではなく、回転アタッチメント2の開口部の端面18が押圧アタッチメント1の頭部3を押圧することで、押圧アタッチメント1の頭部3がガラス戸15を圧接することとなる。
【0069】
このような点で、本実施形態は上記実施形態1、2と相違するのであるが、上述のように回転アタッチメント2が所定距離移動することで押圧アタッチメント1の雄ねじ6と回転アタッチメント2の雌ねじ9との螺合状態が解除されて押圧アタッチメント1の先端部5が回転アタッチメント2の第2空間部10内に収納され、回転アタッチメント2の回転力が、押圧アタッチメント1のガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力に変換されるという作用に関しては、実施形態1と共通する。
【0070】
すなわち、最終的に回転アタッチメント2を回転させて締め付ける際に、回転アタッチメント2は、その外周面の雄ねじ11が枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14に螺合していることで回転するが、回転アタッチメント2の内周面の雌ねじ9と押圧アタッチメント1の外周面の雄ねじ6とは螺合していないので、押圧アタッチメント1が回転することはなく、回転アタッチメント2の開口部の端面18が押圧アタッチメント1の頭部3と接触した状態で回転アタッチメント2を回転させたとき、その回転アタッチメント2の回転力は、押圧アタッチメント1が回転せずにガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力に変換されることとなる。
この場合において、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とは、上記のように金属や硬質合成樹脂という表面が円滑な面からなる素材で構成されているため、押圧アタッチメント1の頭部3の裏面側と、回転アタッチメント2の一方の端面18とが接触した状態において、両者の接触面において摩擦抵抗が小さく、その一方で、接触面用プレート7が弾力性を有する摩擦抵抗の大きいゴム等の素材で構成されているので、接触面用プレート7とガラス戸15との間の摩擦抵抗の大きさと、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2のとの間の摩擦抵抗の大きさの差によって、回転アタッチメント2が回転しても、押圧アタッチメント1が供回りするようなこともなく、上記実施形態1、2と同様に、アタッチメント2の回転力によって、押圧アタッチメント1がガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力に変換される作用がスムーズに生じることとなる。
ただし、本実施形態では、押圧アタッチメント1の頭部3の裏面側と、回転アタッチメント2の一方の端面18とは、面接触状態で接触するため、点接触状態で押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが接触する上記実施形態1、2の場合と比較すると、摩擦抵抗は多少大きく、アタッチメント2の回転力を押圧アタッチメント1の直進方向の押圧力に変換させる作用を生じさせる点では、上記実施形態1、2の方が優れている。
この場合、回転アタッチメント2の一方の端面18を曲面状に形成することによって、押圧アタッチメント1の頭部3の裏面側と回転アタッチメント2の一方の端面18との接触面積が小さくなり、アタッチメント2の回転力を押圧アタッチメント1の直進方向の押圧力に変換させる作用を向上させることは可能である。
【0071】
本実施形態においても、直進方向の押圧力で押圧アタッチメント1が接触面用プレート7を介してガラス戸15を押圧するので、介在している接触面用プレート7に捩じれ等の力が作用するようなこともなく、接触面用プレート7が押圧アタッチメント1の頭部3から不用意な離脱するようなこともない。
【0072】
(実施形態4)
本実施形態では、図19に示すように、押圧アタッチメント1と螺合する側の回転アタッチメント2の一方の端面18側に開口部19が形成されているのみならず、他方の端面20側にも開口部21が形成されており、この点で、一方の端面18側にのみ開口部19が形成され、他方の端面側には開口部が形成されておらず、閉鎖状態に形成されていた実施形態1乃至3と相違している。
【0073】
他方の端面20には、図20に示すように、溝部22が形成されている。この溝部22は、回転アタッチメント2を回転させる際に、その操作を行い易いように、回転させるための別体のアタッチメントを係入させるためのものである。
【0074】
回転アタッチメント2の他方の端面20側に開口部21が形成されている点以外の構成については、上記実施形態1乃至3と共通する。すなわち、本実施形態においても、図19に示すように押圧アタッチメント1が頭部3、胴部4、及び先端部5からなり、先端部5の外周面に雄ねじ6が形成され、胴部4が連設されている面とは反対側の頭部3の面に接触面用プレート7が貼着されている。
【0075】
また、回転アタッチメント2には、雌ねじ9を有する第1空間部8、及び該第1空間部8に連通する第2空間部10が形成されており、外周面の全体に雄ねじ11が形成されている。本実施形態では、上述のように回転アタッチメント2の一方の端面18側のみならず、他方の端面20側にも開口部21が形成されているので、上記実施形態1乃至3のように第2空間部10は凹状になることがなく、そのために回転アタッチメント2の外周面の全体に形成される雄ねじ11の寸法を、上記実施形態1乃至3に比べて短くすることができるという利点がある。
【0076】
本実施形態においても、図21に示すように、他片12b側に孔13が穿設された断面略コ字状の枠体12を用い、押圧アタッチメント1を枠体12の孔13に挿入するとともに、押圧アタッチメント1の先端部5の雄ねじ6に回転アタッチメント2の内周面の雌ねじ9を螺合させ、且つ回転アタッチメント2の外周面の雄ねじ11と枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14とを螺合させる。そして、図21に示すように、押圧アタッチメント1の頭部3(より具体的には接触面用プレート7)と、枠体12の一片12aとの間にガラス戸15の端部を挿入する。
【0077】
本実施形態においても、回転アタッチメント2を締め付け方向に回転させると、回転アタッチメント2はガラス戸15に向かう側に移動し、それに伴って、押圧アタッチメント1も同方向に移動し、押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触することとなる。
【0078】
押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触した後、さらに回転アタッチメント2を回転し、回転アタッチメント2が所定距離移動すると、図22に示すように押圧アタッチメント1の雄ねじ6と回転アタッチメント2の雌ねじ9との螺合状態が解除され、押圧アタッチメント1の先端部5が回転アタッチメント2の第2空間部10内に入り込み、その第2空間部10内に収納されることとなる。この点は、上記実施形態1乃至3と同様である。
【0079】
本実施形態では、上述のように、回転アタッチメント2の一方の端面18側のみならず、他方の端面20側にも開口部21が形成されているため、実施形態1、2のように押圧アタッチメント1の先端部5の先端面5aが回転アタッチメント2の第2空間部10の内周底面10aと接触するというようなことがない。すなわち、実施形態3と同様に、回転アタッチメント2の開口部の端面18が押圧アタッチメント1の頭部3に接触し、それによって、それ以上の回転アタッチメント2の移動が禁止されることとなる。
【0080】
従って、本実施形態においても、上記実施形態3のように、回転アタッチメント2の開口部の端面18が押圧アタッチメント1の頭部3を押圧することで、押圧アタッチメント1の頭部3がガラス戸15を圧接することとなる。
【0081】
そして、回転アタッチメント2が所定距離移動することで押圧アタッチメント1の雄ねじ6と回転アタッチメント2の雌ねじ9との螺合状態が解除されて押圧アタッチメント1の先端部5が回転アタッチメント2の第2空間部10内に収納され、回転アタッチメント2の回転力が、押圧アタッチメント1のガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力に変換されるという、実施形態1乃至3と共通する作用が生じることとなる。
この場合、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とは、上記のように金属や硬質合成樹脂という表面が円滑な面からなる素材で構成されているため、上記実施形態3と同様に、押圧アタッチメント1の頭部3の裏面側と、回転アタッチメント2の一方の端面18とが接触した状態において、両者の接触面において摩擦抵抗が小さく、その一方で、接触面用プレート7が弾力性を有する摩擦抵抗の大きいゴム等の素材で構成されているので、接触面用プレート7とガラス戸15との間の摩擦抵抗の大きさと、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2のとの間の摩擦抵抗の大きさの差によって、回転アタッチメント2が回転しても、押圧アタッチメント1が供回りするようなこともなく、上記実施形態1と同様に、回転アタッチメント2の回転力によって、押圧アタッチメント1がガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力に変換される作用がスムーズに生じることとなる。
ただし、本実施形態では、押圧アタッチメント1の頭部3の裏面側と、回転アタッチメント2の一方の端面18とは、面接触状態で接触するため、点接触状態で押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが接触する上記実施形態1、2の場合と比較すると、摩擦抵抗は多少大きく、アタッチメント2の回転力を押圧アタッチメント1の直進方向の押圧力に変換される作用を生じさせる点では、上記実施形態1、2の方が優れている。
【0082】
本実施形態においても、直進方向の押圧力で押圧アタッチメント1が接触面用プレート7を介してガラス戸15を押圧するので、介在している接触面用プレート7に捩じれ等の力が作用するようなこともなく、接触面用プレート7が押圧アタッチメント1の頭部3から不用意な離脱するようなこともない。
【0083】
(実施形態5)
本実施形態では、押圧アタッチメント1の外周面に雄ねじ6が形成されておらず、この点で、雄ねじ6が形成されていた上記実施形態1乃至4と相違している。
【0084】
押圧アタッチメント1が、被取付体を押圧する押圧部として機能する略円板状の頭部3と、略円柱状の胴部4とからなる点では、上記実施形態1と共通する。ただし、本実施形態では、胴部4の先端側の先端部5が、図23に示すように、凹状に形成されており、この点で、先端部5の先端面5aが外向きに突出するような曲面状に形成されていた上記実施形態1等と相違している。
【0085】
また、押圧アタッチメント1の頭部3の両面のうち、胴部4が連設されている面とは反対側の面には、図23に示すように、ゴム製又は弾力性を有する合成樹脂製の接触面用プレート7が貼着されており、この点でも上記実施形態1と共通する。
【0086】
回転アタッチメント2は、その一方の端面18側に開口部19が形成されているのみならず、他方の端面20側にも開口部21が形成されており、この点で、上記実施形態4と共通する。前記開口部19に連通して比較的浅い第1空間部8が形成され、その第2空間部10が形成されている点は、上記実施形態1乃至4と共通する。ただし、本実施形態では上記のように押圧アタッチメント1の外周面に雄ねじ6が形成されていないので、回転アタッチメント2の第1空間部8の内周面に雌ねじ9が形成されておらず、この点では上記実施形態1乃至4と相違する。回転アタッチメント2の外周面に雄ねじ11が形成されている点は、上記実施形態1乃至4と共通する。
【0087】
本実施形態においては、図24に示すように、押圧アタッチメント1の先端部5及び胴部4を、回転アタッチメント2の開口部19から第1空間部8内に挿入し、さらに同図のように押圧アタッチメント1の先端部5が回転アタッチメント2の第2空間部10内に臨出するように、前記押圧アタッチメント1を回転アタッチメント2の第1空間部8及び第2空間部10内に挿入する。
【0088】
このようにして押圧アタッチメント1を回転アタッチメント2の第1空間部8及び第2空間部10内に挿入した状態で、図25に示すように押圧アタッチメント1の先端部5を打付具等で打ち付けてかしめた状態とする。その結果、押圧アタッチメント1の先端部5の両側部5b、5cは、第1空間部8と隣接する第2空間部10の端面に密着することとなる。これによって、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが一体化し、押圧アタッチメント1から回転アタッチメント2が離脱するのが阻止されることとなる。このようなかしめ作業を行うときには、図25に示すように回転アタッチメント2の開口部19の端面18と押圧アタッチメント1の頭部3との間には、いわゆるあそびのためのわずかな隙間が形成されていることが好ましく、たとえば極薄の介装物を回転アタッチメント2の開口部の端面18と押圧アタッチメント1の頭部3との間に介装し、かしめ作業の後にその介装物を除去する等によってその隙間を形成することができる。
【0089】
上記のようにして押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが合体され、そのように押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とを合体させた状態で、図26に示すように枠体12の孔13に挿入する。また、同図のように、押圧アタッチメント1の頭部3(より具体的には接触面用プレート7)と、枠体12の一片12aとの間にガラス戸15の端部を挿入する。
【0090】
本実施形態においては、押圧アタッチメント1に雄ねじ6が形成されておらず、回転アタッチメント2に雌ねじ9が形成されていないので、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが螺合されることはないが、回転アタッチメント2の外周面に雄ねじ11が形成され。その雄ねじ11と螺合する雌ねじ14が枠体12の孔13の内周面に形成されているので、回転アタッチメント2と枠体12の孔13とは相互に螺合する。
【0091】
螺合した状態で回転アタッチメント2を締め付け方向に回転させると、上記実施形態1乃至4と同様に回転アタッチメント2はガラス戸15に向かう側に移動する。しかし、回転アタッチメント2と押圧アタッチメント1とは螺合していないので、回転アタッチメント2が移動することに伴って押圧アタッチメント1が移動することはない。
【0092】
回転アタッチメント2が所定距離移動すると、回転アタッチメント2の開口部の端面18が押圧アタッチメント1の頭部3に接触し、さらに回転アタッチメント2を回転させてガラス戸15に向かう側に移動させると、それに伴って押圧アタッチメント1も移動することとなる。
【0093】
そして、押圧アタッチメント1が所定距離移動し、図27に示すように、押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触したとき、それ以上の押圧アタッチメント1の移動が禁止されることとなる。
【0094】
この状態で、押圧アタッチメント1の移動は一応禁止されてはいるが、回転アタッチメント2の開口部19の端面18と押圧アタッチメント1の頭部3との間のわずかな隙間は、図27に示すように未だ存在している状態とされているので、回転アタッチメント2は移動する余地があり、押圧アタッチメント1の頭部3がガラス戸15を圧接する状態には未だ至っていない。
【0095】
最終的には、図28のように、回転アタッチメント2を回転して締め付けることで、押圧アタッチメント1の頭部3がガラス戸15を圧接することとなる。このとき、上記のようなわずかの隙間があることで、回転アタッチメント2はわずかにガラス戸15の方向へ移動し、回転アタッチメント2の開口部19の端面18と押圧アタッチメント1の頭部3とが接触し、それによって押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介して好適にガラス戸15を圧接することとなるのである。
【0096】
本実施形態では、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが螺合していないので、回転アタッチメント2は当初は回転しながら移動するが、押圧アタッチメント1は当初から回転せずに移動する。ただし、押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15を圧接し、その際に、回転アタッチメント2の回転力によって、押圧アタッチメント1のガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力が作用することとなる点において上記実施形態1乃至4と共通する。
この場合、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とは、金属や硬質合成樹脂という表面が円滑な面からなる素材で構成されているため、上記実施形態3、4と同様に、押圧アタッチメント1の頭部3の裏面側と、回転アタッチメント2の一方の端面18とが接触した状態において、両者の接触面において摩擦抵抗が小さく、その一方で、接触面用プレート7が弾力性を有する摩擦抵抗の大きいゴム等の素材で構成されているので、接触面用プレート7とガラス戸15との間の摩擦抵抗の大きさと、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2のとの間の摩擦抵抗の大きさの差によって、回転アタッチメント2が回転しても、押圧アタッチメント1が供回りするようなこともなく、アタッチメント2の回転力によって、押圧アタッチメント1がガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力に変換される作用がスムーズに生じることとなる。
【0097】
本実施形態においても、押圧アタッチメント1の直進方向の押圧力が作用して、ガラス戸15を固定して取り付ける操作を好適に行うことができる。また直進方向の押圧力で押圧アタッチメント1が接触面用プレート7を介してガラス戸15を押圧するので、介在している接触面用プレート7に捩じれ等の力が作用するようなこともなく、接触面用プレート7が押圧アタッチメント1の頭部3から不用意に離脱するようなこともない。
【0098】
(実施形態6)
本実施形態においても、押圧アタッチメント1の外周面に雄ねじ6が形成されておらず、この点で、雄ねじ6が形成されていた上記実施形態1乃至4と相違している。さらに、本実施形態では、押圧アタッチメント1の全体がゴムや弾力性を有する合成樹脂等の、摩擦抵抗が大きく弾力性を有する素材で構成されており、この点で押圧アタッチメント1が金属や硬質の合成樹脂で構成されていた上記実施形態1乃至5と相違する。
【0099】
本実施形態の押圧アタッチメント1は、図29に示すように、略円板状の頭部3と、略円柱状の胴部4とからなり、該胴部4の先端側の先端部5は、断面略半円状に突出した形状に形成されている。本実施形態では、上記のように押圧アタッチメント1の全体がゴムや弾力性を有する合成樹脂等の摩擦抵抗が大きく弾力性を有する素材で構成されているので、上記実施形態1乃至5のようなゴム製の接触面用プレート7は設けられていない。すなわち、押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7と同様に機能する。
【0100】
一方、回転アタッチメント2は、図29に示すように、一方の端面18側にのみ開口部19が形成され、他方の端面側には開口部が形成されておらず、閉鎖状態に形成されている。この点では上記実施形態1乃至3と共通し、上記実施形態4及び5と相違している。ただし、本実施形態においても、他方の端面側に開口部を形成することは可能である。
【0101】
本実施形態では、回転アタッチメント2の内部には1つの空間部10しか形成されておらず、上記実施形態1乃至5のような第1空間部8と第2空間部10との2つの空間部が形成されてはいない。また、押圧アタッチメント1の外周面に雄ねじ6が形成されていないので、上記実施形態5と同様に回転アタッチメント2の空間部10の内周面に雌ねじ9が形成されていない。回転アタッチメント2の外周面に雄ねじ11が形成されている点は、上記実施形態1乃至5と共通する。
【0102】
さらに本実施形態では、上記押圧アタッチメント1及び回転アタッチメント2の他に、図29に示すようにワッシャ28が具備されている。このワッシャ28は金属製のものであり、同図に示すように、中央に孔29が穿設されたリング状に形成されている。
【0103】
本実施形態においても、図30に示すように、他片12b側に孔13が穿設された断面略コ字状の枠体12を用い、押圧アタッチメント1を枠体12の孔13に挿入するとともに、押圧アタッチメント1の胴部4に回転アタッチメント2を外嵌する。そして、図30に示すように、押圧アタッチメント1の頭部3と、枠体12の一片12aとの間にガラス戸15の端部を挿入する。
【0104】
本実施形態においても、上記実施形態5と同様に押圧アタッチメント1に雄ねじ6が形成されておらず、回転アタッチメント2に雌ねじ9が形成されていないので、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが螺合されることはないが、回転アタッチメント2の外周面に雄ねじ11が形成され。その雄ねじ11と螺合する雌ねじ14が枠体12の孔13の内周面に形成されているので、回転アタッチメント2と枠体12の孔13とは相互に螺合する。
【0105】
螺合した状態で回転アタッチメント2を締め付け方向に回転させると、回転アタッチメント2はガラス戸15に向かう側に移動する。回転アタッチメント2と押圧アタッチメント1とは螺合していないので、回転アタッチメント2が移動することに伴って押圧アタッチメント1が回転して移動することはないが、図30に示すように、回転アタッチメント2の開口部19の端面18に押圧アタッチメント1の頭部3が直接接触しているのではなく、ワッシャ28を介して接触しているので、後述のように摩擦抵抗に伴うねじれの力が不当に作用することがなく、回転アタッチメント2が移動することに伴い、押圧アタッチメント1はスムーズに直進して移動することとなる。
【0106】
そして、押圧アタッチメント1が所定距離移動し、図31に示すように、押圧アタッチメント1の頭部3がガラス戸15に接触したとき、それ以上の回転アタッチメント2及び押圧アタッチメント1の移動が禁止されることとなる。最終的には、回転アタッチメント2を回転して締め付けることで、押圧アタッチメント1の頭部3がガラス戸15を圧接することとなる。
【0107】
本実施形態においても、上記実施形態5と同様に、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが螺合していないので、回転アタッチメント2は当初は回転しながら移動するが、押圧アタッチメント1は当初から回転せずに移動する。
【0108】
本実施形態においては、上記のような押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2との間に金属製のワッシャ28が介装されているため、摩擦抵抗の小さい素材である金属製の回転アタッチメント2と、摩擦抵抗の大きい素材であるゴム製の押圧アタッチメント1とが直接接触することがなく、従って、回転アタッチメント2の回転力が押圧アタッチメント1に直接的に作用することがない。
【0109】
すなわち、回転アタッチメント2と金属製のワッシャ28とは、金属や硬質合成樹脂という表面が円滑な面からなる素材で構成されているので、回転アタッチメント2と金属製のワッシャ28とが接触した状態において、両者の接触面において摩擦抵抗が小さく、その一方で、押圧アタッチメント1が弾力性を有する摩擦抵抗の大きいゴム等の素材で構成されているので、押圧アタッチメント1の頭部3とガラス戸15との間の摩擦抵抗の大きさと、回転アタッチメント2と金属製のワッシャ28との間の摩擦抵抗の大きさの差によって、回転アタッチメント2が回転しても、押圧アタッチメント1が供回りするようなことがない。
【0110】
従って、アタッチメント2の回転力によって、押圧アタッチメント1がガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力に変換される作用がスムーズに生じることとなるのである。
【0111】
(実施形態7)
本実施形態においても、押圧アタッチメント1の外周面に雄ねじ6が形成されておらず、この点で、上記実施形態5及び6と共通する。また、本実施形態では、押圧アタッチメント1の全体がゴムや弾力性を有する合成樹脂等の摩擦抵抗が大きく弾力性を有する素材で構成されており、押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7と同様に機能する。この点で上記実施形態6と共通する。
【0112】
本実施形態の押圧アタッチメント1は、図32に示すように、略円板状であって断面略台形状の頭部3と、略円板状の胴部4と、略円錐状の先端部5とで構成されている。
【0113】
回転アタッチメント2は、図32に示すように、その一方の端面18側に開口部19が形成されているのみならず、他方の端面20側にも開口部21が形成されている。 本実施形態では、上記実施形態1乃至5と同様に第1空間部8と第2空間部10との2つの空間部が形成されているが、前記押圧アタッチメント1の胴部4の略円板状の形状に合わせて、すなわち厚みの薄い胴部4に合わせて、第1空間部8の幅は第2空間部10に比べてきわめて狭く形成されている。
【0114】
また、押圧アタッチメント1の外周面に雄ねじ6が形成されていないので、上記実施形態5、6と同様に回転アタッチメント2の空間部10の内周面に雌ねじ9が形成されていない。回転アタッチメント2の外周面に雄ねじ11が形成されている点は、上記実施形態1乃至6と共通する。
【0115】
さらに、本実施形態では、上記実施形態6と同様に、押圧アタッチメント1及び回転アタッチメント2の他に、図32に示すように孔29が穿設された金属製のワッシャ28が具備されている。このワッシャ28は、上記実施形態6と同様に、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2との間に介装されるものである。
【0116】
本実施形態では、図33に示すように、予めワッシャ28を介して押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とを合体させておく。すなわち、押圧アタッチメント1の先端部5を、回転アタッチメント2の開口部19から第1空間部8及び第2空間部10内に挿入する。ここで、押圧アタッチメント1の先端部5は、上記のように略円錐状に形成されているので、該先端部5の最大径よりも内径が小さい第1空間部8に強制的に圧入されることとなる。
【0117】
そして、押圧アタッチメント1の先端部5が第1空間部8を通過して第2空間部10内に挿入されると、該先端部5の最大径は第1空間部8の内径よりも大きいので、押圧アタッチメント1の先端部5が開口部19の外側に抜け出ることもなく、該先端部5の背面側が、第1空間部8と隣接する第2空間部10の端面に係止されることとなる。
【0118】
本実施形態においても、図34に示すように、他片12b側に孔13が穿設された断面略コ字状の枠体12を用い、枠体12内にガラス戸15の端部を挿入した後、上記のように押圧アタッチメント1を合体させた回転アタッチメント2の雄ねじ11を、枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14に螺合させつつ、該回転アタッチメント2を枠体12の孔13に挿入する。
【0119】
螺合した状態で回転アタッチメント2を締め付け方向に回転させると、回転アタッチメント2はガラス戸15に向かう側に移動する。回転アタッチメント2と押圧アタッチメント1とは螺合していないが、押圧アタッチメント1は回転アタッチメント2に合体されているので、回転アタッチメント2が移動することに伴って押圧アタッチメントも移動することとなる。
【0120】
そして、押圧アタッチメント1が所定距離移動し、図34に示すように、押圧アタッチメント1の頭部3がガラス戸15に接触したとき、それ以上の回転アタッチメント2及び押圧アタッチメント1の移動が禁止されることとなる。最終的には、回転アタッチメント2を回転して締め付けることで、押圧アタッチメント1の頭部3がガラス戸15を圧接することとなる。
【0121】
本実施形態においても、上記実施形態5、6と同様に、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが螺合していないので、回転アタッチメント2の回転力によって、押圧アタッチメント1は当初から回転せずに移動する。
【0122】
また、本実施形態においても、上記実施形態6と同様に押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2との間に金属製のワッシャ28が介装されているので、押圧アタッチメント1の頭部3とガラス戸15との間の摩擦抵抗の大きさと、回転アタッチメント2と金属製のワッシャ28との間の摩擦抵抗の大きさの差によって、回転アタッチメント2が回転しても、押圧アタッチメント1が供回りするようなことがない。この結果、アタッチメント2の回転力によって、押圧アタッチメント1がガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力に変換される作用がスムーズに生じることとなる。
【0123】
(その他の実施形態)
尚、上記実施形態においては、被取付体の押圧部として機能する押圧アタッチメント1の頭部の被取付体との接触面側に接触面用プレート7を設けたため、上記のような好ましい効果が得られたが、このような接触面用プレート7を設けることは本発明に必須の条件ではない。
【0124】
また、該実施形態では、被取付体としてガラス戸15を用い、そのガラス戸15を枠体12内に挿入して取り付ける場合について説明したが、被取付体の対象物は上記実施形態のガラス戸に限定されるものではない。また、被取付体の素材もガラスに限らず、たとえばアクリル樹脂、金属、木材等、他の素材で被取付体が構成されていてもよい。
【0125】
さらに、上記実施形態では、押圧アタッチメント1の全体が略円柱状で側面が略T字状となるように形成したが、押圧アタッチメント1の形状は上記実施形態に限定されるものではない。また、回転アタッチメント2の形状も、上記実施形態の略円筒状に限定されない。
【0126】
さらに、上記実施形態では、押圧アタッチメント1や回転アタッチメント2を真鍮、亜鉛、ステンレスで構成する場合について説明したが、押圧アタッチメント1や回転アタッチメント2材質はこれに限定されるものではなく、他の金属であってもよく、さらには金属以外の材質のものであってもよい。
【0127】
その他、本発明の意図する範囲内で設計変更自在である。
【符号の説明】
【0128】
1 押圧アタッチメント
2 回転アタッチメント
3 頭部
4 胴部
5 先端部
6 雄ねじ
7 接触面用プレート
8 第1空間部
9 雌ねじ
10 第2空間部
11 雄ねじ
12 枠体
13 孔
14 雌ねじ
15 ガラス戸
16 接触面用プレート
18 端面
19 開口部
20 端面
21 開口部
【技術分野】
【0001】
本発明は押しねじ具、さらに詳しくは、たとえばガラス戸の端部のような被取付体を枠体に挿入して取り付ける際に、その枠体に穿設されたねじ孔に挿入するとともに、そのような枠体内に挿入されるガラス戸の端部等の被取付体に押し当てながら、その被取付体を枠体内に固定して取り付ける押しねじ具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、商品陳列ケース等においては、開閉自在なガラス戸が設けられており、そのようなガラス戸は、略コ字状の枠体である受け金具内に挿入して取り付けられている。このようなガラス戸の取り付け構造を示す出願として、たとえば下記特許文献1のような出願がある。
【0003】
この特許文献1に示すようなガラス戸の取り付け構造においては、図35に示すように略コ字状の枠体12cに予めねじ孔13cが穿設され、その枠体12c内にガラス戸の端部(図示せず)が挿入されるとともに、枠体12cの外側から同図(a)に示すような締付ねじ25を前記ねじ孔13c内に螺挿入し、その締付ねじ25の先端部をガラス戸に押し当てることによってガラス戸が枠体12c内で固定されていた。そして、このような締付ねじ25は、その締付ねじ25をガラス戸のねじ孔13c内に螺挿入する際の回転運動によって押圧力を被取付体であるガラス戸に作用させてガラス戸を固定するものである。
【0004】
しかしながら、このような締付ねじは、一般に金属や硬質の合成樹脂等で構成され、被取付体であるガラス戸も硬い素材のガラスで構成されているので、締付ねじをねじ孔13c内に螺挿入すべく回転させることで、締付ねじの先端部とガラス戸との接触面に滑りが生じ易く、締付ねじの回転運動による押圧力が、被取付体であるガラス戸に有効に作用しないという問題が生じていた。
【0005】
また、締付ねじと被取付体であるガラス戸とが、ともに硬い素材で構成されているので、締付ねじの回転運動による押圧力を生じさせたとき、ガラス戸が割れるおそれもあった。
【0006】
そこで、このような締付ねじとガラス戸との接触面の滑りや、ガラス戸の割れを防止するために、図35(b)に示すように、締付ねじ25の先端部にゴム片26を取り付けたようなものも用いられているが、上記のような締付ねじは回転運動による押圧力をガラス戸に作用させるもの故に、締付ねじをガラス戸に回転圧着する際に、摩擦抵抗の大きい素材からなるゴム片26にねじれの力が生じ、ゴム片26が締付ねじ25の先端部から不用意に離脱するおそれがあるという問題が生じていた。
【0007】
そこで、このような問題を解決するために、たとえば図36に示すように、金属プレートにプレート状のゴム片(図示せず)を貼り付けた別体の介装部材27を、被取付体であるガラス戸と枠体間に介装させるようなことも行われている。しかしながら、この場合には、介装部材27を別途準備しなければならず、部品点数が増えるばかりでなく、このような介装部材27を、ガラス戸と枠体間の所望の位置に介装させる作業が煩雑となっていた。
【0008】
また、上記のような締付ねじは、回転運動による押圧力を作用させるので、被取付体であるガラス戸に直接作用させる場合はまだしも、介装部材27を介してガラス戸に間接的に作用させると、その回転による押圧力が低減するおそれもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実用新案登録第2531948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述のような問題点を解決するためになされたもので、上記従来の押しねじ具のように、ガラス戸等の被取付体に回転圧着して、ゴム片等の摩擦抵抗の大きい部材にねじれの力を生じさせてゴム片等の部材を押しねじ具から離脱させるようなことがなく、ガラス戸等の被取付体を枠体内に挿入した状態で、押圧力を有効に作用させ、好適に固定して取り付けることのできる押しねじ具を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、一端側に結合部が形成されているとともに、被取付体を押圧可能とする押圧部が他端側に形成された押圧アタッチメント1と、該押圧アタッチメント1の結合部と結合可能な結合部を内周面に有するとともに、被取付体の取付部の雌ねじ14に螺合可能な雄ねじ11を外周面に有する回転アタッチメント2とからなり、該回転アタッチメント2の結合部を前記押圧アタッチメント1の結合部に結合させ、前記回転アタッチメント2の外周面の雄ねじ11を被取付体の取付部の雌ねじ14に螺合させつつ、前記回転アタッチメント2を回転させることで押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが相互に対面する部分において接触し、該押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが接触した状態で、該回転アタッチメント2の回転力が、前記押圧アタッチメント1の被取付体に対する直進方向の押圧力として作用しうるように構成されていることを特徴とする押しねじ具を提供するものである。
【0012】
押圧アタッチメント1の一端側の結合部は、たとえば雄ねじ6であり、また回転アタッチメント2の結合部は、たとえば前記押圧アタッチメント1の雄ねじ6に螺合可能な雌ねじ9である。このような回転アタッチメント2の雌ねじ9を、前記押圧アタッチメント1の雄ねじ6に螺合させつつ、前記回転アタッチメント2を回転させることで押圧アタッチメント1が回転アタッチメント2とともに移動可能であり、前記押圧アタッチメント1の雄ねじ6と回転アタッチメント2の雌ねじ9との螺合状態が解除されたときに、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが相互に対面する部分において接触し、そのような接触状態で、該回転アタッチメント2の外周面の雄ねじ11を被取付体の取付部の雌ねじ14に螺合させつつ回転させる際の回転アタッチメント2の回転力が、前記押圧アタッチメント1の被取付体に対する直進方向の押圧力として作用しうるように構成されることとなる。
このような押圧アタッチメント1の雄ねじ6や回転アタッチメント2の雌ねじ9のような結合部以外の結合部にも本発明を適用することができる。たとえば押圧アタッチメント1の外周面と回転アタッチメント2を単に嵌合するような場合である。
ここで、本発明における「結合部」とは、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが相互に離脱しないような状態で結合させることのみを意味するものではなく、簡単に離脱しうるように緩く結合されているような状態も含むものである。
要は、回転アタッチメント2の回転力が、前記押圧アタッチメント1の被取付体に対する直進方向の押圧力として作用しうるように、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが結合されていればよいのである。
【0013】
上記のように、相互に対面する部分において押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが接触する場合、その接触は点接触状態であることが望ましい。
相互に対面する部分において接触する具体的な構成として、たとえば押圧アタッチメント1の一端側の先端部分と、回転アタッチメント2の内周面とが相互に対面して接触するように構成される。
尚、「相互に対面する部分において押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが接触する」とは、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが直接接触する場合の他、たとえばワッシャ等を介して間接的に接触しているような場合も含むものである。
押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2は、該押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが相互に対面する部分において接触した際に、回転アタッチメント2の回転により押圧アタッチメント1がとも回りしない程度に摩擦抵抗の少ない素材で構成されることが望ましい。このような摩擦抵抗の少ない素材として、たとえば金属や硬質の合成樹脂が例示される。
【0014】
押圧アタッチメント1の押圧部の被取付体と接触する面側に、弾力性を有する接触面用プレート7を貼着することが望ましい。
押圧アタッチメント1としては、たとえば被取付体を押圧可能とする押圧部として機能する頭部3と、該頭部3に連設された胴部4と、該胴部4の先端側に連設された先端部5とからなり、該先端部5の外周面に結合部が形成されたようなものを用いることができる。
回転アタッチメント2としては、たとえばその一方の端面18に開口部19が形成され、該開口部19に連通して第1空間部8が形成されているとともに、該第1空間部8に連通して第2空間部10が形成され、前記第1空間部8の内周面に、押圧アタッチメント1の雄ねじ6に螺合可能な雌ねじ9が形成され、前記第2空間部10の内周面には雌ねじが形成されておらず、前記押圧アタッチメント1の雄ねじ6が形成された部分の全体を収納しうる寸法を有して形成されたようなものを用いることができる。この場合、第2空間部10の内径は、押圧アタッチメント1の雄ねじ6の外径より大きく形成される。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、上述のような構成からなるため、回転アタッチメントの外周面の雄ねじが、被取付体の取付部の雌ねじに螺合していることで、回転アタッチメントを回転させたときに、その回転アタッチメントの回転力は、押圧アタッチメントが被取付体を押圧する直進方向の押圧力に変換されることとなる。
特に、押圧アタッチメントの一端側の結合部を雄ねじとするとともに、回転アタッチメントの結合部を該押圧アタッチメントの雄ねじに螺合可能な雌ねじとし、その雄ねじと雌ねじの螺合状態が解除されたときに押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが相互に対面する部分において接触し、押圧アタッチメントの直進方向の押圧力が作用するように構成した場合には、当初押圧アタッチメントの雄ねじと回転アタッチメントの雌ねじが螺合しているが、その螺合状態が解除されることで押圧アタッチメントが回転することはなく、従って、回転アタッチメントを回転させたとき、回転アタッチメントの回転力は、押圧アタッチメントが回転せずに被取付体を押圧する直進方向の押圧力に好適に変換されることとなるのである。
【0016】
そして、このような直進方向の押圧力で押圧アタッチメントが被取付体を押圧するので、その押圧力が被取付体に好適に作用し、被取付体を確実に固定して取り付けることができるという効果がある。
【0017】
また、押圧アタッチメントの被取付体との接触面側にゴム等の接触面用プレートを貼着する場合にも、直進方向の押圧力で押圧アタッチメントが被取付体を押圧するので、接触面用プレートに捩じれ等の力が作用するようなこともなく、接触面用プレートが押圧アタッチメントから不用意な離脱するようなことがないという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】一実施形態の押しねじ具を分解して示す概略断面図。
【図2】図1のB方向から見た状態の側面図。
【図3】ガラス戸を取り付ける枠体の側面図。
【図4】図3のA−A線断面図。
【図5】押圧アタッチメントを枠体の孔内に挿入した状態の概略断面図。
【図6】枠体の孔内に挿入された押圧アタッチメントに回転アタッチメントを螺合した状態の概略断面図。
【図7】ガラス戸を枠体内に挿入した状態の概略断面図。
【図8】回転アタッチメントを回転して押圧アタッチメントでガラス戸を押圧する状態を示す概略断面図。
【図9】回転アタッチメントによる締め付け完成状態の概略断面図。
【図10】他実施形態の押しねじ具を分解して示す概略断面図。
【図11】同実施形態において、押圧アタッチメントと回転アタッチメントとを合体させた状態を示す概略断面図。
【図12】合体させた押圧アタッチメントと回転アタッチメントとを、枠体の孔内に挿入した状態を示す概略断面図。
【図13】ガラス戸を枠体内に挿入した状態の概略断面図。
【図14】回転アタッチメントを回転して押圧アタッチメントでガラス戸を押圧する状態を示す概略断面図。
【図15】回転アタッチメントによる締め付け完成状態の概略断面図。
【図16】他実施形態の押しねじ具を分解して示す概略断面図。
【図17】同実施形態において、押圧アタッチメントを枠体の孔内に挿入し、押圧アタッチメントに回転アタッチメントを螺合し、ガラス戸を枠体内に挿入した状態の概略断面図。
【図18】同実施形態の締め付け完成状態の概略断面図。
【図19】さらに他の実施形態の押しねじ具を分解して示す概略断面図。
【図20】図19のC方向から見た状態の側面図。
【図21】同実施形態において、押圧アタッチメントを枠体の孔内に挿入し、押圧アタッチメントに回転アタッチメントを螺合し、ガラス戸を枠体内に挿入した状態の概略断面図。
【図22】同実施形態の締め付け完成状態の概略断面図。
【図23】さらに他の実施形態の押しねじ具を分解して示す概略断面図。
【図24】同実施形態において、押圧アタッチメントと回転アタッチメントとを合体させた状態を示す概略断面図。
【図25】同実施形態において、押圧アタッチメントをかしめた状態を示す概略断面図。
【図26】合体させた押圧アタッチメントと回転アタッチメントとを、枠体の孔内に挿入した状態を示す概略断面図。
【図27】同実施形態において、押圧アタッチメントをガラス戸に圧接した状態の概略断面図。
【図28】回転アタッチメントによる締め付け完成状態の概略断面図。
【図29】さらに他の実施形態の押しねじ具を分解して示す概略断面図。
【図30】同実施形態において、押圧アタッチメントと回転アタッチメントとを合体させて枠体の孔内に挿入し、ガラス戸を枠体内に挿入した状態の概略断面図。
【図31】同実施形態の締め付け完成状態の概略断面図。
【図32】さらに他の実施形態の押しねじ具を分解して示す概略断面図。
【図33】同実施形態において、押圧アタッチメントと回転アタッチメントとを合体させた状態を示す断面図。
【図34】同実施形態において、押圧アタッチメント及び回転アタッチメントを枠体の孔内に挿入し、ガラス戸を枠体内に挿入し、回転アタッチメントによって締め付けた状態の概略断面図。
【図35】従来の押しねじ具を枠体に装着する状態を示す概略断面図。
【図36】他の従来例を示す概略断面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明の押しねじ具は、上述のように、一端側に結合部が形成されているとともに、被取付体を押圧可能とする押圧部が他端側に形成された押圧アタッチメントと、該押圧アタッチメントの結合部と結合可能な結合部を内周面に有するとともに、被取付体の取付部の雌ねじに螺合可能な雄ねじを外周面に有する回転アタッチメントとからなり、該回転アタッチメントの結合部を、前記押圧アタッチメントの結合部に結合させ、前記回転アタッチメントの外周面の雄ねじを被取付体の取付部の雌ねじに螺合させつつ、前記回転アタッチメントを回転させることで、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが相互に対面する部分において接触し、該押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが接触した状態で、該回転アタッチメントの回転力が、前記押圧アタッチメントの被取付体に対する直進方向の押圧力として作用しうるように構成されているものである。
押圧アタッチメントの一端側の結合部はたとえば雄ねじによって形成され、また回転アタッチメントの結合部はたとえば前記押圧アタッチメントの雄ねじに螺合可能な雌ねじによって形成される。このような回転アタッチメントの雌ねじを、前記押圧アタッチメントの雄ねじに螺合させつつ、前記回転アタッチメントを回転させることで、押圧アタッチメント1が回転アタッチメント2とともに移動可能であり、前記押圧アタッチメントの雄ねじと回転アタッチメントの雌ねじとの螺合状態が解除されたときに、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが相互に対面する部分において接触し、該押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが接触した状態で、該回転アタッチメントの外周面の雄ねじを被取付体の取付部の雌ねじに螺合させつつ回転させる際の回転アタッチメントの回転力が、前記押圧アタッチメントの被取付体に対する直進方向の押圧力として作用しうるように構成されることとなる。
【0020】
上記のように、押圧アタッチメントと回転アタッチメントとは相互に対面する部分において接触するが、その場合、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とは、点接触状態で接触するように構成されていることが望ましい。
相互に対面する部分において接触する具体的な構成として、たとえば押圧アタッチメント1の一端側の先端部分と、回転アタッチメント2の内周面とが相互に対面して接触するように構成される。
また、「相互に対面する部分において押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが接触する」とは、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが直接接触する場合の他、たとえばワッシャ等を介して間接的に接触しているような場合も含むものである。
押圧アタッチメントや回転アタッチメントの材質は特に限定されるものではないが、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが相互に対面する部分において接触した際に、回転アタッチメント2の回転により、押圧アタッチメント1がとも回りしない程度に摩擦抵抗の少ない素材で構成されることが望ましい。このような摩擦抵抗の少ない素材として、たとえば金属や硬質の合成樹脂が例示される。金属としては、たとえば真鍮、亜鉛、スチール等を採用することができる。
【0021】
さらに、押圧アタッチメントには、押圧部の被取付体と接触する面側に、接触面用プレートを貼着することができる。
押圧アタッチメントは上記のように金属や硬質の合成樹脂等で構成されるので、上記のように押圧アタッチメントの押圧部に接触面用プレートを貼着することで、押圧アタッチメントの押圧部が被取付体に直接接触することがなく、接触面用プレートを介して間接的に接触することとなり、被取付体が損傷すること等を好適に防止することができる。この接触面用プレートの素材としては、ゴムや合成樹脂等を用いることができる。この接触面用プレートは、被取付体との接触面を形成して上記のように被取付体が損傷するのを好適に防止しうるものであるが、この接触面用プレートの機能としては、被取付体及び押圧アタッチメントと接触することで、摩擦抵抗が大きいことがさらに重要な性質となる。この点については後述する。
【0022】
押圧アタッチメントの構成は特に限定されるものではないが、たとえば被取付体を押圧可能とする押圧部として機能する頭部と、該頭部に連設された胴部と、該胴部の先端側に連設された先端部とからなり、該先端部の外周面に雄ねじが形成されたようなものを用いることができる。この場合、押圧アタッチメントの頭部の外径は、回転アタッチメントの外径よりも大きく形成することも可能である。これによって、被取付体に対する押圧アタッチメントの頭部の押圧力をより好適に作用させることができるからである。この結果、押圧アタッチメントの頭部の外径は胴部や先端部の外径よりも大きく形成することができる。このように頭部の外径を胴部や先端部の外径よりも大きく形成することにより、押圧アタッチメントの側面形状は略T字状となる。
一方、押圧アタッチメントの頭部の外径は、回転アタッチメントの外径、より詳しくは、回転アタッチメントの外周面の雄ねじの谷部の部分における外径よりも小さく形成することも可能である。別言すれば、雌ねじが形成された被取付体の取付部(挿入孔)の内径よりも小さく形成することができる。押圧アタッチメントの頭部の外径を被取付体の挿入孔の内径よりも小さく形成することで、押圧アタッチメントの全体を被取付体の挿入孔内に挿入することができ、その結果、押圧アタッチメントを被取付体の内側のみならず、外側からでも挿入することができるので、予め押圧アタッチメントの先端部の雄ねじを、回転アタッチメントの雌ねじを螺合させて該押圧アタッチメントと回転アタッチメントとを合体させておき、その上で回転アタッチメントの外周面の雄ねじを被取付体の取付部の雌ねじに螺合させることもできる。
また、押圧アタッチメントの全体の形状も特に限定されないが、たとえば略円柱状に形成される。
【0023】
また回転アタッチメントの構成も特に限定されるものではないが、たとえばその一方の端面に開口部が形成され、該開口部に連通して第1空間部が形成されているとともに、該第1空間部に連通して第2空間部が形成され、前記第1空間部の内周面に、押圧アタッチメントの雄ねじに螺合可能な雌ねじが形成され、前記第2空間部の内周面には雌ねじが形成されておらず、前記押圧アタッチメント1の雄ねじが形成された部分の全体を収納しうる寸法を有して形成されたようなものを用いることができる。
【0024】
この場合、第2空間部の内径は、押圧アタッチメントの頭部の外径より大きく形成される。また回転アタッチメントの形状は特に限定されるものではないが、たとえば全体が略円筒状となるように形成される。
【0025】
押圧アタッチメントの押圧部の他端側で被取付体を押圧可能とする構成としては、たとえば押圧アタッチメントの被取付体の押圧部と反対側の面と、回転アタッチメントの内周底面とが接触した状態で、回転アタッチメントの回転により前記押圧アタッチメントの押圧部が被取付体を押圧しうるように構成することができる。押圧アタッチメントが、上記のように、頭部、胴部、及び先端部で構成され、回転アタッチメントが、上記のように第1空間部と第2空間部とを有して形成され、該第2空間部が凹状に形成されている場合には、押圧アタッチメントの先端部の先端面と、回転アタッチメントの第2空間部の内周底面とが接触することとなる。この場合、押圧アタッチメントの先端部の先端面を、外向きに突出するような曲面状に形成することで、押圧アタッチメントの先端面と、回転アタッチメントの第2空間部の内周底面とが点接触状態となり、接触時の抵抗が必要以上に大きくなるのを防止することができ、回転アタッチメントの回転力が押圧アタッチメントの被取付体に対する直進方向の押圧力に変換される作用が好適に生じることとなる。
【0026】
一方、押圧アタッチメントの被取付体の押圧部と反対側の面と、回転アタッチメントの開口部の端面とが接触した状態で、回転アタッチメントの回転により前記押圧アタッチメントの押圧部が被取付体を押圧しうるように構成することもできる。押圧アタッチメントが、上記のように、頭部、胴部、及び先端部で構成され、回転アタッチメントが、上記のように第1空間部と第2空間部とを有して形成され、該第2空間部が凹状に形成されている場合には、押圧アタッチメントの先端部の先端面と回転アタッチメントの第2空間部の内周底面とは接触せず、押圧アタッチメントの頭部と回転アタッチメントの開口部19の端面18とが接触して、押圧アタッチメントの頭部が被取付体を押圧することとなる。この場合には、第2空間部が凹状に形成されていてもよいが、このような凹状ではなく、回転アタッチメントの他方の端面側にも開口部が形成されるような構成とすることも可能である。
【0027】
以下、本発明のより具体的な実施形態について図面に従って説明する。
(実施形態1)
本実施形態の押しねじ具は、図1に示すように、押圧アタッチメント1と、回転アタッチメント2とからなる。
【0028】
押圧アタッチメント1は、被取付体を押圧する押圧部として機能する略円板状の頭部3と、略円柱状の胴部4とからなり、胴部4の先端側の先端部5の外周面には、第1図に示すように雄ねじ6が形成されている。また、先端部5の先端面5aは、本実施形態においては外向きに突出するような曲面状に形成されている。ただし直面状に形成することも可能である。押圧アタッチメント1は、同図に示すように全体の側面が略T字状に形成され、また頭部3、胴部4、先端部5の全体は、たとえば真鍮、亜鉛、スチール等の金属、或いは硬質の合成樹脂等で構成されている。
【0029】
押圧アタッチメント1の頭部3の表裏両面のうち、胴部4が連設されている面とは反対側の面、すなわち頭部3の表面側には、被取付体との接触面を形成して、その接触の際の摩擦抵抗を生じさせるゴム製或いは弾力性を有する合成樹脂製の接触面用プレート7が貼着されている。
【0030】
回転アタッチメント2は、全体が略円筒状に形成され、前記押圧アタッチメント1と同様に、真鍮、亜鉛、スチール等の金属、或いは硬質の合成樹脂で構成されている。回転アタッチメント2の一方の端面18には開口部19が形成され、該開口部19に連通して比較的浅い第1空間部8が形成されている。この第1空間部8の内周面には、前記押圧アタッチメント1の先端部5の外周面に形成された雄ねじ6に螺合可能な雌ねじ9が形成されている。
【0031】
また、回転アタッチメント2の内部には、前記第1空間部8に連通して、前記開口部19とは反対側に凹状の第2空間部10が形成されている。第2空間部10が凹状に形成されたものであるので、前記開口部19とは反対側の回転アタッチメント2の他方の端面20には開口部が形成されていない。また前記第1空間部8とは異なり、この第2空間部10の内周面には雌ねじは形成されていない。
【0032】
さらに、この第2空間部10は、前記押圧アタッチメント1の先端部5を収納しうるような奥行きの寸法を有して形成されている。すなわち、押圧アタッチメント1の先端部5の外周面の雄ねじ6が回転アタッチメント2の第1空間部8の内周面の雌ねじ9と螺合状態となりながら、さらに回転アタッチメント2を回転し続けると、その螺合状態が解除されて押圧アタッチメント1の先端部5が回転アタッチメント2の第2空間部10内に収納されうるように、該第2空間部10の奥行きの寸法が設定されているのである。
【0033】
一方、第2空間部10の内径は、押圧アタッチメント1の先端部5の外径より大きく形成されている。これは、前記押圧アタッチメント1の先端部5の雄ねじ6が回転アタッチメント2の第1空間部8の雌ねじ9との螺合状態が解除されたときに、押圧アタッチメント1の先端部5が回転アタッチメント2の第2空間部10内に挿入されうるようにするためである。
【0034】
さらに、回転アタッチメント2の外周面には、雄ねじ11が形成されている。ここで、雄ねじ11は、図1に示すように、回転アタッチメント2の外周面の全体に形成される他、回転アタッチメント2の外周面に部分的に形成することも可能である。
また、図2に示すように、回転アタッチメント2の外側の端面20には、溝部22が形成されている。この溝部22は、回転アタッチメント2を回転させる際に、その操作を行い易いように、回転させるための別体のアタッチメント等を係入させるためのものである。
さらに、押圧アタッチメント1の頭部の外径は、回転アタッチメント2の外径よりも大きく形成されている。
【0035】
次に、上記のような押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とからなる押しねじ具を用いて、被取付体であるガラス戸を枠体内に取り付ける場合について説明する。
【0036】
先ず、図3及び図4に示すように、被取付体であるガラス戸15の端部を挿入するための断面略コ字状の枠体12を準備する。この枠体12は、同図に示すように、その一片12a側には孔が穿設されていないが、他片12b側には、本実施形態の押しねじ具を挿入するための孔13が穿設されている。そして、その孔13の内周面には、前記回転アタッチメント2の外周面に形成された雄ねじ11に螺合可能な雌ねじ14が形成されている。
【0037】
次に、図5に示すように、押圧アタッチメント1を指等で把持して前記枠体12の孔13に挿入する。具体的には、図5の矢印イ方向に示すように、押圧アタッチメント1の胴部4を枠体12の孔13に挿入し、該押圧アタッチメント1の頭部3を枠体12の他片12bの内面側に当接させる。この状態で、押圧アタッチメント1の先端部5が、図5に示すように孔13から枠体12の他片12bの外側に裸出することとなり、回転アタッチメント2が螺合し易い状態となる。
【0038】
次に、図6に示すように、回転アタッチメント2の第1空間部8の内周面の雌ねじ9を、押圧アタッチメント1の先端部5の雄ねじ6に螺合し、回転アタッチメント2を締め付け方向に回転させると、回転アタッチメント2は図6の矢印ロ方向に徐々に移動することとなる。そして、回転アタッチメント2をさらに締め付け方向に回転させると、回転アタッチメント2の外周面の雄ねじ11と、枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14とが螺合する。
【0039】
この場合において、押圧アタッチメント1の先端部5の雄ねじ6に回転アタッチメント2の雌ねじ9を螺合させ易い状態とし、さらに、後述する被取付体であるガラス戸15を枠体12内に挿入し易い状態とするために、押圧アタッチメント1の頭部3は、指等で押さえつけて、枠体12の他片12bの内面側に当接させて位置決めしておくことが望ましい。そして、ある程度の位置まで押圧アタッチメント1の先端部5の雄ねじ6に回転アタッチメント2の雌ねじ9を螺合させ、さらに回転アタッチメント2の雄ねじ11と、枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14とを螺合させると、特に指等で押さえつけなくても、押圧アタッチメント1の頭部3は枠体12の他片12bの内面側に当接した状態で位置決めされることとなる。
【0040】
尚、上記のように押圧アタッチメント1を先に枠体12の孔13に挿入せず、回転アタッチメント2を先に枠体12の孔13に挿入することも可能である。この場合には、回転アタッチメント2の外周面の雄ねじ11を、枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14に螺合させることで、回転アタッチメント2を枠体12の孔13に位置決めしておくことが容易となる。
【0041】
次に、図7の矢印ハ方向に示すように、被取付体であるガラス戸15の端部を、断面略コ字状の枠体12内に挿入する。ガラス戸15の端部は、枠体12の一片12a側に近接するように該枠体12内に挿入する。具体的には、ゴム製の接触面用プレート16を準備し、その接触面用プレート16を枠体12の一片12aとガラス戸15の端部との間に介装させるようにし、該接触面用プレート16を介してガラス戸15の端部を間接的に枠体12の一片12aに接触させる。
【0042】
この場合において、押圧アタッチメント1の先端部5の雄ねじ6に回転アタッチメント2の雌ねじ9がある程度の位置まで螺合され、押圧アタッチメント1の頭部3は枠体12の他片12bの内面側に当接した状態で位置決めされているので、接触面用プレート16を介してガラス戸15の端部を間接的に枠体12の一片12aに接触させるようにして枠体12内に挿入する際に、図7に示すように隙間17が存在し、従って、ガラス戸15の端部を枠体12内に挿入する際に、押圧アタッチメント1の頭部3が支障となることもないのである。
【0043】
このようにしてガラス戸15の端部が枠体12内に挿入された後、さらに回転アタッチメント2を締め付け方向に回転させると、押圧アタッチメント1の先端部5の雄ねじ6に回転アタッチメント2の雌ねじ9が螺合された状態で、回転アタッチメント2はさらにガラス戸15に向かう方向、すなわち第8図の矢印ニ方向に移動し、それに伴って、押圧アタッチメント1は同図の矢印ホ方向に移動し、同図に示すように押圧アタッチメント1の頭部3が、接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触することとなる。
押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触した後、さらに回転アタッチメント2を回転させると、回転アタッチメント2のみがさらに矢印ニ方向に移動する。この場合において、押圧アタッチメント1の先端部5の雄ねじ6は回転アタッチメント2の雌ねじ9に未だ螺合された状態であるため、回転アタッチメント2の回転に伴い押圧アタッチメント1にも回転しようとする力が作用する。
しかし、押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触した状態においては、接触面用プレート7とガラス戸15との接触部分における摩擦抵抗が大きいので、その摩擦抵抗により押圧アタッチメント1の回転が阻止され、回転アタッチメント2のみが回転しつつ移動することとなる。
すなわち、本実施形態においては、従来のように、ゴム製の接触面用プレートが貼着された押しねじ具を直接把持して回転圧着させるのではなく、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2との2部材からなる押しねじ具を用い、押圧アタッチメント1の雄ねじ6に回転アタッチメント2の雌ねじ9を螺合させるとともに、回転アタッチメント2の外周面の雄ねじ11と枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14も螺合させるので、つまり螺合箇所が2箇所に存在するので、回転アタッチメント2を回転させても、上記のように接触面用プレート7とガラス戸15との接触部分における摩擦抵抗によって押圧アタッチメント1の回転が阻止され、従って、押圧アタッチメント1が回転しないので、接触面用プレート7にねじれの力が生じるようなこともないのである。
【0044】
押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触した後、さらに回転アタッチメント2を回転し、回転アタッチメント2が図8の矢印ニ方向に所定距離移動すると、押圧アタッチメント1の雄ねじ6と回転アタッチメント2の雌ねじ9との螺合状態が解除され、押圧アタッチメント1の先端部5が回転アタッチメント2の第2空間部10内に入り込み、その第2空間部10内に収納されることとなる。
【0045】
このようにして押圧アタッチメント1の先端部5が回転アタッチメント2の第2空間部10内に収納された後、さらに回転アタッチメント2を締め付け方向へ回転させると、回転アタッチメント2の外周面の雄ねじ11と、枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14との螺合状態により、回転アタッチメント2はガラス戸15に向かう方向、すなわち図9の矢印ヘ方向に移動する。
【0046】
そして、押圧アタッチメント1の先端部5の先端面5aが、回転アタッチメント2の第2空間部10の内周底面10aと接触したとき、それ以上の回転アタッチメント2の矢印ヘ方向への移動が禁止されることとなる。ただし、後述のように最終的に回転アタッチメント2を回転させて締め付けることで、接触面用プレート7がわずかに収縮し、接触面用プレート7が収縮した分だけ、回転アタッチメント2はわずかに移動する。
また、この場合、押圧アタッチメント1の先端部5の先端面5aは、上述のように、外向きにわずかに突出するような曲面状に形成されているため、押圧アタッチメント1の先端面5aと、回転アタッチメント2の第2空間部10の内周底面10aとが点接触状態となり、接触時の抵抗が必要以上に大きくなるのを防止することができる。
【0047】
そして、押圧アタッチメント1の先端部5の先端面5aが回転アタッチメント2の第2空間部10の内周底面10aと接触した状態で、最終的に回転アタッチメント2を回転させて締め付けると、押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15を押圧することとなり、それによってガラス戸15が枠体12内で固定されることとなる。
【0048】
この場合において、回転アタッチメント2は、その外周面の雄ねじ11が、枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14に螺合していることで回転するが、回転アタッチメント2の内周面の雌ねじ9と押圧アタッチメント1の外周面の雄ねじ6とは螺合していないので、押圧アタッチメント1が回転することはなく、従って、押圧アタッチメント1の先端面5aが回転アタッチメント2の内周底面10aと接触した状態で回転アタッチメント2を回転させたとき、そのアタッチメント2の回転力は、押圧アタッチメント1が回転せずにガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力に変換されることとなる。
また、この場合において、押圧アタッチメント1の先端面5aと、回転アタッチメント2の内周底面10aとが点接触状態となっているため、アタッチメント2の回転力は、押圧アタッチメント1の直進方向の押圧力に効率的に変換されることとなる。
さらに、この場合において、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とは、上記のように金属や硬質合成樹脂という表面が円滑な面からなる素材で構成されているため、押圧アタッチメント1の先端面5aが回転アタッチメント2の内周底面10aと接触した状態において、両者の接触面において摩擦抵抗がほとんど生じることがない。その一方で、押圧アタッチメント1の頭部3に貼着されている接触面用プレート7は、摩擦抵抗の大きいゴム製等の素材からなるため、接触面用プレート7とガラス戸15との間の摩擦抵抗の大きいものとなる。従って、接触面用プレート7とガラス戸15との間の摩擦抵抗の大きさと、押圧アタッチメント1の先端面5aと回転アタッチメント2の内周底面10aとの間の摩擦抵抗の大きさの差によって、回転アタッチメント2が回転しても、押圧アタッチメント1が供回りするようなこともないのである。この結果、アタッチメント2の回転力によって、押圧アタッチメント1の直進方向の押圧力に変換される作用がスムーズに生じることとなる。
【0049】
一方、摩擦抵抗の大きい素材からなる接触面用プレート7は、摩擦抵抗の小さい金属、硬質合成樹脂製等の素材からなる押圧アタッチメント1と、摩擦抵抗の小さいガラス製のガラス戸15との間に介装された状態となり、直進方向の押圧力で押圧アタッチメント1が接触面用プレート7を介してガラス戸15を押圧するので、介在している接触面用プレート7に捩じれ等の力が作用するようなこともなく、従って、接触面用プレート7が押圧アタッチメント1の頭部3から不用意な離脱するようなこともないのである。
【0050】
(実施形態2)
本実施形態では、押圧アタッチメント1の頭部の外径が、回転アタッチメント2の外径、より詳しくは、回転アタッチメントの外周面の雄ねじ11の谷部の部分における直径よりも小さく形成されており、その点で、押圧アタッチメント1の頭部の外径が、回転アタッチメント2の外径よりも大きく形成されていた上記実施形態1と相違する。
【0051】
押圧アタッチメント1の頭部の外径が、回転アタッチメント2の雄ねじ11の谷部の部分における直径よりも小さく形成されているので、結果として、押圧アタッチメント1の頭部の外径は、枠体12の孔13の内径よりも小さくなり、後述のように、押圧アタッチメント1の全体を枠体12の孔13内に挿入することが可能となる。
【0052】
ただし、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とからなる押しねじ具の基本的な構成は上記実施形態1と共通する。すなわち、本実施形態においても、図10に示すように押圧アタッチメント1が頭部3、胴部4、及び先端部5からなり、先端部5の外周面に雄ねじ6が形成され、胴部4が連設されている面とは反対側の頭部3の面に接触面用プレート7が貼着されている。また、回転アタッチメント2には、雌ねじ9を有する第1空間部8、及び該第1空間部8に連通する第2空間部10が形成されており、外周面に雄ねじ11が形成されている。さらに、図示はしないが、回転アタッチメント2の外側の端面20に溝部22が形成されている点も、上記実施形態1と共通する。
【0053】
本実施形態では、上記のように、押圧アタッチメントの頭部の外径を回転アタッチメントの雄ねじ11の谷部の部分における直径よりも小さく形成し、結果として枠体12の孔13の内径よりも小さく形成されることとなるので、押圧アタッチメント1の全体を枠体12の孔13内に挿入することができ、押圧アタッチメント1を、枠体12の孔13の内側のみならず、外側からでも挿入することができることとなり、従って、予め押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とを合体させた上で外側から枠体12の孔13に挿入することが可能となる。
【0054】
そこで、先ず、押圧アタッチメント1の先端部5の雄ねじ6を、回転アタッチメント2の雌ねじ9に螺合させ、回転アタッチメント2を締め付け方向に回転し続けると、回転アタッチメント2は押圧アタッチメント1の頭部3側に移動し、図11に示すように、押圧アタッチメント1の雄ねじ6と回転アタッチメント2の雌ねじ9との螺合状態が解除され、押圧アタッチメント1の先端部5が回転アタッチメント2の第2空間部10内に入り込み、その第2空間部10内に収納されることとなる。
このようにして押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とは相互に離脱することなく、合体された状態となる。そして、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とを合体させた状態のまま、図12に示すように、枠体12の孔13内に挿入し、回転アタッチメント2の外周面の雄ねじ11を、枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14に螺合させる。
【0055】
このように合体させた押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とを枠体12の孔13内に挿入した状態で、図13に示すように、ガラス戸15の端部を枠体12内に挿入する。ゴム製の接触面用プレート16を枠体12の一片12aとガラス戸15の端部との間に介装させるようにし、該接触面用プレート16を介してガラス戸15の端部を間接的に枠体12の一片12aに接触させる点も上記実施形態1と同じである。
【0056】
このようにして押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが枠体12の孔13内に挿入され、ガラス戸15の端部が枠体12内に挿入された状態で、回転アタッチメント2を締め付け方向、すなわち締め付けに回転させると、実施形態1と同様に回転アタッチメント2はガラス戸15に向かう側に移動し、それに伴って、押圧アタッチメント1も同方向に移動し、図14に示すように、押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触することとなる。
【0057】
押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触した後、さらに回転アタッチメント2を回転して該回転アタッチメント2を所定距離移動させることで、図15に示すように、押圧アタッチメント1の先端部5の先端面5aが回転アタッチメント2の第2空間部10の内周底面10aと接触する。
【0058】
このように、押圧アタッチメント1の先端部5の先端面5aが回転アタッチメント2の第2空間部10の内周底面10aと接触した状態で、最終的に回転アタッチメント2を回転させて締め付けると、押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15を押圧することとなり、それによってガラス戸15が枠体12内で固定されることとなる。この点も実施形態1と同様である。
【0059】
回転アタッチメント2は、その外周面の雄ねじ11が、枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14に螺合していることで回転するが、回転アタッチメント2の内周面の雌ねじ9と押圧アタッチメント1の外周面の雄ねじ6とは螺合していないので、本実施形態においても、実施形態1と同様に、押圧アタッチメント1の先端面5aが回転アタッチメント2の内周底面10aと接触した状態で回転アタッチメント2を回転させたとき、そのアタッチメント2の回転力は、押圧アタッチメント1が回転せずにガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力に変換されることとなる。従って、直進方向の押圧力で押圧アタッチメント1が接触面用プレート7を介してガラス戸15を押圧するので、介在している接触面用プレート7に捩じれ等の力が作用するようなこともなく、接触面用プレート7が押圧アタッチメント1の頭部3から不用意な離脱するようなこともないのである。
また、本実施形態においても、押圧アタッチメント1の先端面5aと回転アタッチメント2の内周底面10aとが点接触状態となっているため、実施形態1と同様に、回転アタッチメント2の回転力は押圧アタッチメント1の直進方向の押圧力に効率的に変換されることとなる。
さらに、本実施形態においても、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが金属等の表面が円滑な面からなる素材で構成されているとともに、接触面用プレート7が弾力性を有する摩擦抵抗の大きいゴム等の素材で構成され、接触面用プレート7とガラス戸15との間の摩擦抵抗の大きさと、押圧アタッチメント1の先端面5aと回転アタッチメント2の内周底面10aとの間の摩擦抵抗の大きさの差によって、回転アタッチメント2が回転しても、押圧アタッチメント1が供回りするようなこともなく、回転アタッチメント2の回転力によって、押圧アタッチメント1の直進方向の押圧力に変換される作用がスムーズに生じることとなる。
【0060】
(実施形態3)
本実施形態では、開口部19が形成されている回転アタッチメント2の一方の端面18が、押圧アタッチメント1の頭部3の裏面側に接触して押圧することによって、押圧アタッチメント1の頭部3の表面側をガラス戸15に圧接しうるように構成されている。この点で、回転アタッチメント2の第2空間部10の内周底面10aが、押圧アタッチメント1の先端部5の先端面5aに接触して押圧することによって、押圧アタッチメント1の頭部3をガラス戸15に圧接しうるように構成されていた上記実施形態1と相違する。
【0061】
ただし、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とからなる押しねじ具の基本的な構成は上記実施形態1と共通する。すなわち、本実施形態においても、図16に示すように押圧アタッチメント1が頭部3、胴部4、及び先端部5からなり、先端部5の外周面に雄ねじ6が形成され、胴部4が連設されている面とは反対側の頭部3の面に接触面用プレート7が貼着されている。
【0062】
また、回転アタッチメント2には、雌ねじ9を有する第1空間部8、及び該第1空間部8に連通する第2空間部10が形成されており、外周面に雄ねじ11が形成されている。
【0063】
本実施形態においても、上記実施形態1と同様、図3及び図4に示すような他片12b側に孔13が穿設された断面略コ字状の枠体12を用い、押圧アタッチメント1を枠体12の孔13に挿入して押圧アタッチメント1の先端部5の雄ねじ6に回転アタッチメント2の内周面の雌ねじ9を螺合させるとともに、回転アタッチメント2の外周面の雄ねじ11と枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14とを螺合させ、図17に示すように、ガラス戸15の端部を枠体12内に挿入する。
【0064】
ガラス戸15の端部は、同図のように接触面用プレート16を介して間接的に枠体12の一片12aに接触させる。このとき、ガラス戸15の端部の反対側の面と、押圧アタッチメント1の接触面用プレート7との間には、実施形態1と同様に隙間17が生じている。
【0065】
この状態で、回転アタッチメント2を締め付け方向に回転させると、回転アタッチメント2はガラス戸15に向かう側に移動し、それに伴って、押圧アタッチメント1も同方向に移動し、押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触することとなる。
【0066】
押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触した後、さらに回転アタッチメント2を回転し、回転アタッチメント2が所定距離移動すると、押圧アタッチメント1の雄ねじ6と回転アタッチメント2の雌ねじ9との螺合状態が解除され、図18に示すように押圧アタッチメント1の先端部5が回転アタッチメント2の第2空間部10内に入り込み、その第2空間部10内に収納されることとなる。
【0067】
本実施形態では、図18に示すように、押圧アタッチメント1の先端部5の先端面5aが回転アタッチメント2の第2空間部10の内周底面10aと接触する前に、回転アタッチメント2の開口部の端面18が押圧アタッチメント1の頭部3に接触し、それによって、それ以上の回転アタッチメント2の移動が禁止されることとなる。
【0068】
従って、本実施形態では、上記実施形態1、2のように回転アタッチメント2の第2空間部10の内周底面10aが押圧アタッチメント1の先端部5の先端面5aを押圧するのではなく、回転アタッチメント2の開口部の端面18が押圧アタッチメント1の頭部3を押圧することで、押圧アタッチメント1の頭部3がガラス戸15を圧接することとなる。
【0069】
このような点で、本実施形態は上記実施形態1、2と相違するのであるが、上述のように回転アタッチメント2が所定距離移動することで押圧アタッチメント1の雄ねじ6と回転アタッチメント2の雌ねじ9との螺合状態が解除されて押圧アタッチメント1の先端部5が回転アタッチメント2の第2空間部10内に収納され、回転アタッチメント2の回転力が、押圧アタッチメント1のガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力に変換されるという作用に関しては、実施形態1と共通する。
【0070】
すなわち、最終的に回転アタッチメント2を回転させて締め付ける際に、回転アタッチメント2は、その外周面の雄ねじ11が枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14に螺合していることで回転するが、回転アタッチメント2の内周面の雌ねじ9と押圧アタッチメント1の外周面の雄ねじ6とは螺合していないので、押圧アタッチメント1が回転することはなく、回転アタッチメント2の開口部の端面18が押圧アタッチメント1の頭部3と接触した状態で回転アタッチメント2を回転させたとき、その回転アタッチメント2の回転力は、押圧アタッチメント1が回転せずにガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力に変換されることとなる。
この場合において、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とは、上記のように金属や硬質合成樹脂という表面が円滑な面からなる素材で構成されているため、押圧アタッチメント1の頭部3の裏面側と、回転アタッチメント2の一方の端面18とが接触した状態において、両者の接触面において摩擦抵抗が小さく、その一方で、接触面用プレート7が弾力性を有する摩擦抵抗の大きいゴム等の素材で構成されているので、接触面用プレート7とガラス戸15との間の摩擦抵抗の大きさと、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2のとの間の摩擦抵抗の大きさの差によって、回転アタッチメント2が回転しても、押圧アタッチメント1が供回りするようなこともなく、上記実施形態1、2と同様に、アタッチメント2の回転力によって、押圧アタッチメント1がガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力に変換される作用がスムーズに生じることとなる。
ただし、本実施形態では、押圧アタッチメント1の頭部3の裏面側と、回転アタッチメント2の一方の端面18とは、面接触状態で接触するため、点接触状態で押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが接触する上記実施形態1、2の場合と比較すると、摩擦抵抗は多少大きく、アタッチメント2の回転力を押圧アタッチメント1の直進方向の押圧力に変換させる作用を生じさせる点では、上記実施形態1、2の方が優れている。
この場合、回転アタッチメント2の一方の端面18を曲面状に形成することによって、押圧アタッチメント1の頭部3の裏面側と回転アタッチメント2の一方の端面18との接触面積が小さくなり、アタッチメント2の回転力を押圧アタッチメント1の直進方向の押圧力に変換させる作用を向上させることは可能である。
【0071】
本実施形態においても、直進方向の押圧力で押圧アタッチメント1が接触面用プレート7を介してガラス戸15を押圧するので、介在している接触面用プレート7に捩じれ等の力が作用するようなこともなく、接触面用プレート7が押圧アタッチメント1の頭部3から不用意な離脱するようなこともない。
【0072】
(実施形態4)
本実施形態では、図19に示すように、押圧アタッチメント1と螺合する側の回転アタッチメント2の一方の端面18側に開口部19が形成されているのみならず、他方の端面20側にも開口部21が形成されており、この点で、一方の端面18側にのみ開口部19が形成され、他方の端面側には開口部が形成されておらず、閉鎖状態に形成されていた実施形態1乃至3と相違している。
【0073】
他方の端面20には、図20に示すように、溝部22が形成されている。この溝部22は、回転アタッチメント2を回転させる際に、その操作を行い易いように、回転させるための別体のアタッチメントを係入させるためのものである。
【0074】
回転アタッチメント2の他方の端面20側に開口部21が形成されている点以外の構成については、上記実施形態1乃至3と共通する。すなわち、本実施形態においても、図19に示すように押圧アタッチメント1が頭部3、胴部4、及び先端部5からなり、先端部5の外周面に雄ねじ6が形成され、胴部4が連設されている面とは反対側の頭部3の面に接触面用プレート7が貼着されている。
【0075】
また、回転アタッチメント2には、雌ねじ9を有する第1空間部8、及び該第1空間部8に連通する第2空間部10が形成されており、外周面の全体に雄ねじ11が形成されている。本実施形態では、上述のように回転アタッチメント2の一方の端面18側のみならず、他方の端面20側にも開口部21が形成されているので、上記実施形態1乃至3のように第2空間部10は凹状になることがなく、そのために回転アタッチメント2の外周面の全体に形成される雄ねじ11の寸法を、上記実施形態1乃至3に比べて短くすることができるという利点がある。
【0076】
本実施形態においても、図21に示すように、他片12b側に孔13が穿設された断面略コ字状の枠体12を用い、押圧アタッチメント1を枠体12の孔13に挿入するとともに、押圧アタッチメント1の先端部5の雄ねじ6に回転アタッチメント2の内周面の雌ねじ9を螺合させ、且つ回転アタッチメント2の外周面の雄ねじ11と枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14とを螺合させる。そして、図21に示すように、押圧アタッチメント1の頭部3(より具体的には接触面用プレート7)と、枠体12の一片12aとの間にガラス戸15の端部を挿入する。
【0077】
本実施形態においても、回転アタッチメント2を締め付け方向に回転させると、回転アタッチメント2はガラス戸15に向かう側に移動し、それに伴って、押圧アタッチメント1も同方向に移動し、押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触することとなる。
【0078】
押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触した後、さらに回転アタッチメント2を回転し、回転アタッチメント2が所定距離移動すると、図22に示すように押圧アタッチメント1の雄ねじ6と回転アタッチメント2の雌ねじ9との螺合状態が解除され、押圧アタッチメント1の先端部5が回転アタッチメント2の第2空間部10内に入り込み、その第2空間部10内に収納されることとなる。この点は、上記実施形態1乃至3と同様である。
【0079】
本実施形態では、上述のように、回転アタッチメント2の一方の端面18側のみならず、他方の端面20側にも開口部21が形成されているため、実施形態1、2のように押圧アタッチメント1の先端部5の先端面5aが回転アタッチメント2の第2空間部10の内周底面10aと接触するというようなことがない。すなわち、実施形態3と同様に、回転アタッチメント2の開口部の端面18が押圧アタッチメント1の頭部3に接触し、それによって、それ以上の回転アタッチメント2の移動が禁止されることとなる。
【0080】
従って、本実施形態においても、上記実施形態3のように、回転アタッチメント2の開口部の端面18が押圧アタッチメント1の頭部3を押圧することで、押圧アタッチメント1の頭部3がガラス戸15を圧接することとなる。
【0081】
そして、回転アタッチメント2が所定距離移動することで押圧アタッチメント1の雄ねじ6と回転アタッチメント2の雌ねじ9との螺合状態が解除されて押圧アタッチメント1の先端部5が回転アタッチメント2の第2空間部10内に収納され、回転アタッチメント2の回転力が、押圧アタッチメント1のガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力に変換されるという、実施形態1乃至3と共通する作用が生じることとなる。
この場合、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とは、上記のように金属や硬質合成樹脂という表面が円滑な面からなる素材で構成されているため、上記実施形態3と同様に、押圧アタッチメント1の頭部3の裏面側と、回転アタッチメント2の一方の端面18とが接触した状態において、両者の接触面において摩擦抵抗が小さく、その一方で、接触面用プレート7が弾力性を有する摩擦抵抗の大きいゴム等の素材で構成されているので、接触面用プレート7とガラス戸15との間の摩擦抵抗の大きさと、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2のとの間の摩擦抵抗の大きさの差によって、回転アタッチメント2が回転しても、押圧アタッチメント1が供回りするようなこともなく、上記実施形態1と同様に、回転アタッチメント2の回転力によって、押圧アタッチメント1がガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力に変換される作用がスムーズに生じることとなる。
ただし、本実施形態では、押圧アタッチメント1の頭部3の裏面側と、回転アタッチメント2の一方の端面18とは、面接触状態で接触するため、点接触状態で押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが接触する上記実施形態1、2の場合と比較すると、摩擦抵抗は多少大きく、アタッチメント2の回転力を押圧アタッチメント1の直進方向の押圧力に変換される作用を生じさせる点では、上記実施形態1、2の方が優れている。
【0082】
本実施形態においても、直進方向の押圧力で押圧アタッチメント1が接触面用プレート7を介してガラス戸15を押圧するので、介在している接触面用プレート7に捩じれ等の力が作用するようなこともなく、接触面用プレート7が押圧アタッチメント1の頭部3から不用意な離脱するようなこともない。
【0083】
(実施形態5)
本実施形態では、押圧アタッチメント1の外周面に雄ねじ6が形成されておらず、この点で、雄ねじ6が形成されていた上記実施形態1乃至4と相違している。
【0084】
押圧アタッチメント1が、被取付体を押圧する押圧部として機能する略円板状の頭部3と、略円柱状の胴部4とからなる点では、上記実施形態1と共通する。ただし、本実施形態では、胴部4の先端側の先端部5が、図23に示すように、凹状に形成されており、この点で、先端部5の先端面5aが外向きに突出するような曲面状に形成されていた上記実施形態1等と相違している。
【0085】
また、押圧アタッチメント1の頭部3の両面のうち、胴部4が連設されている面とは反対側の面には、図23に示すように、ゴム製又は弾力性を有する合成樹脂製の接触面用プレート7が貼着されており、この点でも上記実施形態1と共通する。
【0086】
回転アタッチメント2は、その一方の端面18側に開口部19が形成されているのみならず、他方の端面20側にも開口部21が形成されており、この点で、上記実施形態4と共通する。前記開口部19に連通して比較的浅い第1空間部8が形成され、その第2空間部10が形成されている点は、上記実施形態1乃至4と共通する。ただし、本実施形態では上記のように押圧アタッチメント1の外周面に雄ねじ6が形成されていないので、回転アタッチメント2の第1空間部8の内周面に雌ねじ9が形成されておらず、この点では上記実施形態1乃至4と相違する。回転アタッチメント2の外周面に雄ねじ11が形成されている点は、上記実施形態1乃至4と共通する。
【0087】
本実施形態においては、図24に示すように、押圧アタッチメント1の先端部5及び胴部4を、回転アタッチメント2の開口部19から第1空間部8内に挿入し、さらに同図のように押圧アタッチメント1の先端部5が回転アタッチメント2の第2空間部10内に臨出するように、前記押圧アタッチメント1を回転アタッチメント2の第1空間部8及び第2空間部10内に挿入する。
【0088】
このようにして押圧アタッチメント1を回転アタッチメント2の第1空間部8及び第2空間部10内に挿入した状態で、図25に示すように押圧アタッチメント1の先端部5を打付具等で打ち付けてかしめた状態とする。その結果、押圧アタッチメント1の先端部5の両側部5b、5cは、第1空間部8と隣接する第2空間部10の端面に密着することとなる。これによって、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが一体化し、押圧アタッチメント1から回転アタッチメント2が離脱するのが阻止されることとなる。このようなかしめ作業を行うときには、図25に示すように回転アタッチメント2の開口部19の端面18と押圧アタッチメント1の頭部3との間には、いわゆるあそびのためのわずかな隙間が形成されていることが好ましく、たとえば極薄の介装物を回転アタッチメント2の開口部の端面18と押圧アタッチメント1の頭部3との間に介装し、かしめ作業の後にその介装物を除去する等によってその隙間を形成することができる。
【0089】
上記のようにして押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが合体され、そのように押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とを合体させた状態で、図26に示すように枠体12の孔13に挿入する。また、同図のように、押圧アタッチメント1の頭部3(より具体的には接触面用プレート7)と、枠体12の一片12aとの間にガラス戸15の端部を挿入する。
【0090】
本実施形態においては、押圧アタッチメント1に雄ねじ6が形成されておらず、回転アタッチメント2に雌ねじ9が形成されていないので、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが螺合されることはないが、回転アタッチメント2の外周面に雄ねじ11が形成され。その雄ねじ11と螺合する雌ねじ14が枠体12の孔13の内周面に形成されているので、回転アタッチメント2と枠体12の孔13とは相互に螺合する。
【0091】
螺合した状態で回転アタッチメント2を締め付け方向に回転させると、上記実施形態1乃至4と同様に回転アタッチメント2はガラス戸15に向かう側に移動する。しかし、回転アタッチメント2と押圧アタッチメント1とは螺合していないので、回転アタッチメント2が移動することに伴って押圧アタッチメント1が移動することはない。
【0092】
回転アタッチメント2が所定距離移動すると、回転アタッチメント2の開口部の端面18が押圧アタッチメント1の頭部3に接触し、さらに回転アタッチメント2を回転させてガラス戸15に向かう側に移動させると、それに伴って押圧アタッチメント1も移動することとなる。
【0093】
そして、押圧アタッチメント1が所定距離移動し、図27に示すように、押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15に接触したとき、それ以上の押圧アタッチメント1の移動が禁止されることとなる。
【0094】
この状態で、押圧アタッチメント1の移動は一応禁止されてはいるが、回転アタッチメント2の開口部19の端面18と押圧アタッチメント1の頭部3との間のわずかな隙間は、図27に示すように未だ存在している状態とされているので、回転アタッチメント2は移動する余地があり、押圧アタッチメント1の頭部3がガラス戸15を圧接する状態には未だ至っていない。
【0095】
最終的には、図28のように、回転アタッチメント2を回転して締め付けることで、押圧アタッチメント1の頭部3がガラス戸15を圧接することとなる。このとき、上記のようなわずかの隙間があることで、回転アタッチメント2はわずかにガラス戸15の方向へ移動し、回転アタッチメント2の開口部19の端面18と押圧アタッチメント1の頭部3とが接触し、それによって押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介して好適にガラス戸15を圧接することとなるのである。
【0096】
本実施形態では、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが螺合していないので、回転アタッチメント2は当初は回転しながら移動するが、押圧アタッチメント1は当初から回転せずに移動する。ただし、押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7を介してガラス戸15を圧接し、その際に、回転アタッチメント2の回転力によって、押圧アタッチメント1のガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力が作用することとなる点において上記実施形態1乃至4と共通する。
この場合、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とは、金属や硬質合成樹脂という表面が円滑な面からなる素材で構成されているため、上記実施形態3、4と同様に、押圧アタッチメント1の頭部3の裏面側と、回転アタッチメント2の一方の端面18とが接触した状態において、両者の接触面において摩擦抵抗が小さく、その一方で、接触面用プレート7が弾力性を有する摩擦抵抗の大きいゴム等の素材で構成されているので、接触面用プレート7とガラス戸15との間の摩擦抵抗の大きさと、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2のとの間の摩擦抵抗の大きさの差によって、回転アタッチメント2が回転しても、押圧アタッチメント1が供回りするようなこともなく、アタッチメント2の回転力によって、押圧アタッチメント1がガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力に変換される作用がスムーズに生じることとなる。
【0097】
本実施形態においても、押圧アタッチメント1の直進方向の押圧力が作用して、ガラス戸15を固定して取り付ける操作を好適に行うことができる。また直進方向の押圧力で押圧アタッチメント1が接触面用プレート7を介してガラス戸15を押圧するので、介在している接触面用プレート7に捩じれ等の力が作用するようなこともなく、接触面用プレート7が押圧アタッチメント1の頭部3から不用意に離脱するようなこともない。
【0098】
(実施形態6)
本実施形態においても、押圧アタッチメント1の外周面に雄ねじ6が形成されておらず、この点で、雄ねじ6が形成されていた上記実施形態1乃至4と相違している。さらに、本実施形態では、押圧アタッチメント1の全体がゴムや弾力性を有する合成樹脂等の、摩擦抵抗が大きく弾力性を有する素材で構成されており、この点で押圧アタッチメント1が金属や硬質の合成樹脂で構成されていた上記実施形態1乃至5と相違する。
【0099】
本実施形態の押圧アタッチメント1は、図29に示すように、略円板状の頭部3と、略円柱状の胴部4とからなり、該胴部4の先端側の先端部5は、断面略半円状に突出した形状に形成されている。本実施形態では、上記のように押圧アタッチメント1の全体がゴムや弾力性を有する合成樹脂等の摩擦抵抗が大きく弾力性を有する素材で構成されているので、上記実施形態1乃至5のようなゴム製の接触面用プレート7は設けられていない。すなわち、押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7と同様に機能する。
【0100】
一方、回転アタッチメント2は、図29に示すように、一方の端面18側にのみ開口部19が形成され、他方の端面側には開口部が形成されておらず、閉鎖状態に形成されている。この点では上記実施形態1乃至3と共通し、上記実施形態4及び5と相違している。ただし、本実施形態においても、他方の端面側に開口部を形成することは可能である。
【0101】
本実施形態では、回転アタッチメント2の内部には1つの空間部10しか形成されておらず、上記実施形態1乃至5のような第1空間部8と第2空間部10との2つの空間部が形成されてはいない。また、押圧アタッチメント1の外周面に雄ねじ6が形成されていないので、上記実施形態5と同様に回転アタッチメント2の空間部10の内周面に雌ねじ9が形成されていない。回転アタッチメント2の外周面に雄ねじ11が形成されている点は、上記実施形態1乃至5と共通する。
【0102】
さらに本実施形態では、上記押圧アタッチメント1及び回転アタッチメント2の他に、図29に示すようにワッシャ28が具備されている。このワッシャ28は金属製のものであり、同図に示すように、中央に孔29が穿設されたリング状に形成されている。
【0103】
本実施形態においても、図30に示すように、他片12b側に孔13が穿設された断面略コ字状の枠体12を用い、押圧アタッチメント1を枠体12の孔13に挿入するとともに、押圧アタッチメント1の胴部4に回転アタッチメント2を外嵌する。そして、図30に示すように、押圧アタッチメント1の頭部3と、枠体12の一片12aとの間にガラス戸15の端部を挿入する。
【0104】
本実施形態においても、上記実施形態5と同様に押圧アタッチメント1に雄ねじ6が形成されておらず、回転アタッチメント2に雌ねじ9が形成されていないので、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが螺合されることはないが、回転アタッチメント2の外周面に雄ねじ11が形成され。その雄ねじ11と螺合する雌ねじ14が枠体12の孔13の内周面に形成されているので、回転アタッチメント2と枠体12の孔13とは相互に螺合する。
【0105】
螺合した状態で回転アタッチメント2を締め付け方向に回転させると、回転アタッチメント2はガラス戸15に向かう側に移動する。回転アタッチメント2と押圧アタッチメント1とは螺合していないので、回転アタッチメント2が移動することに伴って押圧アタッチメント1が回転して移動することはないが、図30に示すように、回転アタッチメント2の開口部19の端面18に押圧アタッチメント1の頭部3が直接接触しているのではなく、ワッシャ28を介して接触しているので、後述のように摩擦抵抗に伴うねじれの力が不当に作用することがなく、回転アタッチメント2が移動することに伴い、押圧アタッチメント1はスムーズに直進して移動することとなる。
【0106】
そして、押圧アタッチメント1が所定距離移動し、図31に示すように、押圧アタッチメント1の頭部3がガラス戸15に接触したとき、それ以上の回転アタッチメント2及び押圧アタッチメント1の移動が禁止されることとなる。最終的には、回転アタッチメント2を回転して締め付けることで、押圧アタッチメント1の頭部3がガラス戸15を圧接することとなる。
【0107】
本実施形態においても、上記実施形態5と同様に、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが螺合していないので、回転アタッチメント2は当初は回転しながら移動するが、押圧アタッチメント1は当初から回転せずに移動する。
【0108】
本実施形態においては、上記のような押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2との間に金属製のワッシャ28が介装されているため、摩擦抵抗の小さい素材である金属製の回転アタッチメント2と、摩擦抵抗の大きい素材であるゴム製の押圧アタッチメント1とが直接接触することがなく、従って、回転アタッチメント2の回転力が押圧アタッチメント1に直接的に作用することがない。
【0109】
すなわち、回転アタッチメント2と金属製のワッシャ28とは、金属や硬質合成樹脂という表面が円滑な面からなる素材で構成されているので、回転アタッチメント2と金属製のワッシャ28とが接触した状態において、両者の接触面において摩擦抵抗が小さく、その一方で、押圧アタッチメント1が弾力性を有する摩擦抵抗の大きいゴム等の素材で構成されているので、押圧アタッチメント1の頭部3とガラス戸15との間の摩擦抵抗の大きさと、回転アタッチメント2と金属製のワッシャ28との間の摩擦抵抗の大きさの差によって、回転アタッチメント2が回転しても、押圧アタッチメント1が供回りするようなことがない。
【0110】
従って、アタッチメント2の回転力によって、押圧アタッチメント1がガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力に変換される作用がスムーズに生じることとなるのである。
【0111】
(実施形態7)
本実施形態においても、押圧アタッチメント1の外周面に雄ねじ6が形成されておらず、この点で、上記実施形態5及び6と共通する。また、本実施形態では、押圧アタッチメント1の全体がゴムや弾力性を有する合成樹脂等の摩擦抵抗が大きく弾力性を有する素材で構成されており、押圧アタッチメント1の頭部3が接触面用プレート7と同様に機能する。この点で上記実施形態6と共通する。
【0112】
本実施形態の押圧アタッチメント1は、図32に示すように、略円板状であって断面略台形状の頭部3と、略円板状の胴部4と、略円錐状の先端部5とで構成されている。
【0113】
回転アタッチメント2は、図32に示すように、その一方の端面18側に開口部19が形成されているのみならず、他方の端面20側にも開口部21が形成されている。 本実施形態では、上記実施形態1乃至5と同様に第1空間部8と第2空間部10との2つの空間部が形成されているが、前記押圧アタッチメント1の胴部4の略円板状の形状に合わせて、すなわち厚みの薄い胴部4に合わせて、第1空間部8の幅は第2空間部10に比べてきわめて狭く形成されている。
【0114】
また、押圧アタッチメント1の外周面に雄ねじ6が形成されていないので、上記実施形態5、6と同様に回転アタッチメント2の空間部10の内周面に雌ねじ9が形成されていない。回転アタッチメント2の外周面に雄ねじ11が形成されている点は、上記実施形態1乃至6と共通する。
【0115】
さらに、本実施形態では、上記実施形態6と同様に、押圧アタッチメント1及び回転アタッチメント2の他に、図32に示すように孔29が穿設された金属製のワッシャ28が具備されている。このワッシャ28は、上記実施形態6と同様に、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2との間に介装されるものである。
【0116】
本実施形態では、図33に示すように、予めワッシャ28を介して押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とを合体させておく。すなわち、押圧アタッチメント1の先端部5を、回転アタッチメント2の開口部19から第1空間部8及び第2空間部10内に挿入する。ここで、押圧アタッチメント1の先端部5は、上記のように略円錐状に形成されているので、該先端部5の最大径よりも内径が小さい第1空間部8に強制的に圧入されることとなる。
【0117】
そして、押圧アタッチメント1の先端部5が第1空間部8を通過して第2空間部10内に挿入されると、該先端部5の最大径は第1空間部8の内径よりも大きいので、押圧アタッチメント1の先端部5が開口部19の外側に抜け出ることもなく、該先端部5の背面側が、第1空間部8と隣接する第2空間部10の端面に係止されることとなる。
【0118】
本実施形態においても、図34に示すように、他片12b側に孔13が穿設された断面略コ字状の枠体12を用い、枠体12内にガラス戸15の端部を挿入した後、上記のように押圧アタッチメント1を合体させた回転アタッチメント2の雄ねじ11を、枠体12の孔13の内周面の雌ねじ14に螺合させつつ、該回転アタッチメント2を枠体12の孔13に挿入する。
【0119】
螺合した状態で回転アタッチメント2を締め付け方向に回転させると、回転アタッチメント2はガラス戸15に向かう側に移動する。回転アタッチメント2と押圧アタッチメント1とは螺合していないが、押圧アタッチメント1は回転アタッチメント2に合体されているので、回転アタッチメント2が移動することに伴って押圧アタッチメントも移動することとなる。
【0120】
そして、押圧アタッチメント1が所定距離移動し、図34に示すように、押圧アタッチメント1の頭部3がガラス戸15に接触したとき、それ以上の回転アタッチメント2及び押圧アタッチメント1の移動が禁止されることとなる。最終的には、回転アタッチメント2を回転して締め付けることで、押圧アタッチメント1の頭部3がガラス戸15を圧接することとなる。
【0121】
本実施形態においても、上記実施形態5、6と同様に、押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2とが螺合していないので、回転アタッチメント2の回転力によって、押圧アタッチメント1は当初から回転せずに移動する。
【0122】
また、本実施形態においても、上記実施形態6と同様に押圧アタッチメント1と回転アタッチメント2との間に金属製のワッシャ28が介装されているので、押圧アタッチメント1の頭部3とガラス戸15との間の摩擦抵抗の大きさと、回転アタッチメント2と金属製のワッシャ28との間の摩擦抵抗の大きさの差によって、回転アタッチメント2が回転しても、押圧アタッチメント1が供回りするようなことがない。この結果、アタッチメント2の回転力によって、押圧アタッチメント1がガラス戸15を押圧する直進方向の押圧力に変換される作用がスムーズに生じることとなる。
【0123】
(その他の実施形態)
尚、上記実施形態においては、被取付体の押圧部として機能する押圧アタッチメント1の頭部の被取付体との接触面側に接触面用プレート7を設けたため、上記のような好ましい効果が得られたが、このような接触面用プレート7を設けることは本発明に必須の条件ではない。
【0124】
また、該実施形態では、被取付体としてガラス戸15を用い、そのガラス戸15を枠体12内に挿入して取り付ける場合について説明したが、被取付体の対象物は上記実施形態のガラス戸に限定されるものではない。また、被取付体の素材もガラスに限らず、たとえばアクリル樹脂、金属、木材等、他の素材で被取付体が構成されていてもよい。
【0125】
さらに、上記実施形態では、押圧アタッチメント1の全体が略円柱状で側面が略T字状となるように形成したが、押圧アタッチメント1の形状は上記実施形態に限定されるものではない。また、回転アタッチメント2の形状も、上記実施形態の略円筒状に限定されない。
【0126】
さらに、上記実施形態では、押圧アタッチメント1や回転アタッチメント2を真鍮、亜鉛、ステンレスで構成する場合について説明したが、押圧アタッチメント1や回転アタッチメント2材質はこれに限定されるものではなく、他の金属であってもよく、さらには金属以外の材質のものであってもよい。
【0127】
その他、本発明の意図する範囲内で設計変更自在である。
【符号の説明】
【0128】
1 押圧アタッチメント
2 回転アタッチメント
3 頭部
4 胴部
5 先端部
6 雄ねじ
7 接触面用プレート
8 第1空間部
9 雌ねじ
10 第2空間部
11 雄ねじ
12 枠体
13 孔
14 雌ねじ
15 ガラス戸
16 接触面用プレート
18 端面
19 開口部
20 端面
21 開口部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端側に結合部が形成されているとともに、被取付体を押圧可能とする押圧部が他端側に形成された押圧アタッチメント(1)と、該押圧アタッチメント(1)の結合部と結合可能な結合部を内周面に有するとともに、被取付体の取付部の雌ねじ(14)に螺合可能な雄ねじ(11)を外周面に有する回転アタッチメント(2)とからなり、該回転アタッチメント(2)の結合部を前記押圧アタッチメント(1)の結合部に結合させ、前記回転アタッチメント(2)の外周面の雄ねじ(11)を被取付体の取付部の雌ねじ(14)に螺合させつつ、前記回転アタッチメント(2)を回転させることで、前記押圧アタッチメント(1)と回転アタッチメント(2)とが相互に対面する部分において接触し、該押圧アタッチメント(1)と回転アタッチメント(2)とが接触した状態で、該回転アタッチメント(2)の回転力が、前記押圧アタッチメント(1)の被取付体に対する直進方向の押圧力として作用しうるように構成されていることを特徴とする押しねじ具。
【請求項2】
押圧アタッチメント(1)の一端側の結合部が雄ねじ(6)であるとともに、回転アタッチメント(2)の結合部が該押圧アタッチメント(1)の雄ねじ(6)に螺合可能な雌ねじ(9)であり、該回転アタッチメント(2)の雌ねじ(9)を、前記押圧アタッチメント(1)の雄ねじ(6)に螺合させつつ、前記回転アタッチメント(2)を回転させることで、押圧アタッチメント(1)が回転アタッチメント(2)とともに移動可能であり、前記押圧アタッチメント(1)の雄ねじ(6)と回転アタッチメント(2)の雌ねじ(9)との螺合状態が解除されたときに、前記押圧アタッチメント(1)と回転アタッチメント(2)とが相互に対面する部分において接触し、該回転アタッチメント(2)の外周面の雄ねじ(11)を被取付体の取付部の雌ねじ(14)に螺合させつつ回転させる際の回転アタッチメント(2)の回転力が、前記押圧アタッチメント(1)の被取付体に対する直進方向の押圧力として作用しうるように構成されている請求項1記載の押しねじ具。
【請求項3】
回転アタッチメント(2)の一方の端面(18)に開口部(19)が形成され、該開口部(19)に連通して第1空間部(8)が形成されているとともに、該第1空間部(8)に連通して第2空間部(10)が形成され、前記第1空間部(8)の内周面に、押圧アタッチメント(1)の雄ねじ(6)に螺合可能な雌ねじ(9)が形成され、前記第2空間部(10)の内周面には雌ねじが形成されておらず、前記押圧アタッチメント(1)の雄ねじ(6)が形成された部分の全体を収納しうる寸法を有して形成されている請求項2記載の押しねじ具。
【請求項4】
第2空間部(10)の内径が、押圧アタッチメント(1)の雄ねじ(6)の外径より大きく形成されている請求項3記載の押しねじ具。
【請求項5】
押圧アタッチメント(1)の一端側の先端部分と、回転アタッチメント(2)の内周面とが相互に対面して接触するように構成されている請求項1乃至4のいずれかに記載の押しねじ具。
【請求項6】
相互に対面する部分において押圧アタッチメント(1)と回転アタッチメント(2)とが点接触状態で接触するように構成されている請求項1乃至5のいずれかに記載の押しねじ具。
【請求項7】
押圧アタッチメント(1)が、被取付体を押圧可能とする押圧部として機能する頭部(3)と、該頭部(3)に連設された胴部(4)と、該胴部(4)の先端側に連設された先端部(5)とからなり、該先端部(5)が結合部として形成されている請求項1乃至6のいずれかに記載の押しねじ具。
【請求項8】
押圧アタッチメント(1)の押圧部の被取付体と接触する面側に、弾力性を有する素材からなる接触面用プレート(7)が貼着されている請求項1乃至7のいずれかに記載の押しねじ具。
【請求項9】
押圧アタッチメント(1)と回転アタッチメント(2)は、該押圧アタッチメント(1)と回転アタッチメント(2)とが相互に対面する部分において接触した際に、回転アタッチメント(2)の回転により押圧アタッチメント(1)がとも回りしない程度に摩擦抵抗の少ない素材でそれぞれ構成されている請求項1乃至8のいずれかに記載の押しねじ具。
【請求項10】
押圧アタッチメント(1)と回転アタッチメント(2)とが接触した際に、回転アタッチメント(2)の回転により押圧アタッチメント(1)がとも回りしない程度に摩擦抵抗の少ない素材が、金属又は硬質の合成樹脂である構成されている請求項9記載の押しねじ具。
【請求項11】
被取付体の取付部が、該被取付体を挿入しうる断面略コ字状の枠体(12)であり、該枠体(12)の他片(12b)側に孔(13)が穿設されているとともに、該孔(13)の内周面に、回転アタッチメント(2)の外周面の雄ねじ(11)と螺合可能な雌ねじ(14)が形成されている請求項1乃至10のいずれかに記載の押しねじ具。
【請求項1】
一端側に結合部が形成されているとともに、被取付体を押圧可能とする押圧部が他端側に形成された押圧アタッチメント(1)と、該押圧アタッチメント(1)の結合部と結合可能な結合部を内周面に有するとともに、被取付体の取付部の雌ねじ(14)に螺合可能な雄ねじ(11)を外周面に有する回転アタッチメント(2)とからなり、該回転アタッチメント(2)の結合部を前記押圧アタッチメント(1)の結合部に結合させ、前記回転アタッチメント(2)の外周面の雄ねじ(11)を被取付体の取付部の雌ねじ(14)に螺合させつつ、前記回転アタッチメント(2)を回転させることで、前記押圧アタッチメント(1)と回転アタッチメント(2)とが相互に対面する部分において接触し、該押圧アタッチメント(1)と回転アタッチメント(2)とが接触した状態で、該回転アタッチメント(2)の回転力が、前記押圧アタッチメント(1)の被取付体に対する直進方向の押圧力として作用しうるように構成されていることを特徴とする押しねじ具。
【請求項2】
押圧アタッチメント(1)の一端側の結合部が雄ねじ(6)であるとともに、回転アタッチメント(2)の結合部が該押圧アタッチメント(1)の雄ねじ(6)に螺合可能な雌ねじ(9)であり、該回転アタッチメント(2)の雌ねじ(9)を、前記押圧アタッチメント(1)の雄ねじ(6)に螺合させつつ、前記回転アタッチメント(2)を回転させることで、押圧アタッチメント(1)が回転アタッチメント(2)とともに移動可能であり、前記押圧アタッチメント(1)の雄ねじ(6)と回転アタッチメント(2)の雌ねじ(9)との螺合状態が解除されたときに、前記押圧アタッチメント(1)と回転アタッチメント(2)とが相互に対面する部分において接触し、該回転アタッチメント(2)の外周面の雄ねじ(11)を被取付体の取付部の雌ねじ(14)に螺合させつつ回転させる際の回転アタッチメント(2)の回転力が、前記押圧アタッチメント(1)の被取付体に対する直進方向の押圧力として作用しうるように構成されている請求項1記載の押しねじ具。
【請求項3】
回転アタッチメント(2)の一方の端面(18)に開口部(19)が形成され、該開口部(19)に連通して第1空間部(8)が形成されているとともに、該第1空間部(8)に連通して第2空間部(10)が形成され、前記第1空間部(8)の内周面に、押圧アタッチメント(1)の雄ねじ(6)に螺合可能な雌ねじ(9)が形成され、前記第2空間部(10)の内周面には雌ねじが形成されておらず、前記押圧アタッチメント(1)の雄ねじ(6)が形成された部分の全体を収納しうる寸法を有して形成されている請求項2記載の押しねじ具。
【請求項4】
第2空間部(10)の内径が、押圧アタッチメント(1)の雄ねじ(6)の外径より大きく形成されている請求項3記載の押しねじ具。
【請求項5】
押圧アタッチメント(1)の一端側の先端部分と、回転アタッチメント(2)の内周面とが相互に対面して接触するように構成されている請求項1乃至4のいずれかに記載の押しねじ具。
【請求項6】
相互に対面する部分において押圧アタッチメント(1)と回転アタッチメント(2)とが点接触状態で接触するように構成されている請求項1乃至5のいずれかに記載の押しねじ具。
【請求項7】
押圧アタッチメント(1)が、被取付体を押圧可能とする押圧部として機能する頭部(3)と、該頭部(3)に連設された胴部(4)と、該胴部(4)の先端側に連設された先端部(5)とからなり、該先端部(5)が結合部として形成されている請求項1乃至6のいずれかに記載の押しねじ具。
【請求項8】
押圧アタッチメント(1)の押圧部の被取付体と接触する面側に、弾力性を有する素材からなる接触面用プレート(7)が貼着されている請求項1乃至7のいずれかに記載の押しねじ具。
【請求項9】
押圧アタッチメント(1)と回転アタッチメント(2)は、該押圧アタッチメント(1)と回転アタッチメント(2)とが相互に対面する部分において接触した際に、回転アタッチメント(2)の回転により押圧アタッチメント(1)がとも回りしない程度に摩擦抵抗の少ない素材でそれぞれ構成されている請求項1乃至8のいずれかに記載の押しねじ具。
【請求項10】
押圧アタッチメント(1)と回転アタッチメント(2)とが接触した際に、回転アタッチメント(2)の回転により押圧アタッチメント(1)がとも回りしない程度に摩擦抵抗の少ない素材が、金属又は硬質の合成樹脂である構成されている請求項9記載の押しねじ具。
【請求項11】
被取付体の取付部が、該被取付体を挿入しうる断面略コ字状の枠体(12)であり、該枠体(12)の他片(12b)側に孔(13)が穿設されているとともに、該孔(13)の内周面に、回転アタッチメント(2)の外周面の雄ねじ(11)と螺合可能な雌ねじ(14)が形成されている請求項1乃至10のいずれかに記載の押しねじ具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
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【図10】
【図11】
【図12】
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【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【公開番号】特開2010−255375(P2010−255375A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−109482(P2009−109482)
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000105017)クローバ金属株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月28日(2009.4.28)
【出願人】(000105017)クローバ金属株式会社 (4)
【Fターム(参考)】
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