説明

押圧型あんま器

【課題】落下等させても破損し難い押圧型あんま器を提供すること。
【解決手段】押圧型あんま器1を、少なくとも、弾力性のある部材からなる基台2と、基台2表面を覆う軟質な素材からなる基台被覆材3と、基台被覆材3に留めて設けられ、基台2より硬質な部材よりなる押圧子4と、押圧子4表面を覆う軟質な素材からなる押圧子被覆材と、により構成する。そして、可能であれば、基台被覆材3の裏面側には、厚手補強材32を設け、厚手補強材32の上から基台被覆材3に補強糸を密に編み込むことにより補強編込み部31a,31bを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、押圧型あんま器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
押圧型あんま器として、例えば、合成樹脂により型を用いて成形した基台盤と、その上にかぶせる同資材のカバーを兼ねた本体と、本体に突設した複数の案内筒より突出する球面状押圧子と、前記基台盤と球面状押圧子の間に介装するコイルばねと等から構成される押圧型あんま器がある(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−15026号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上述の押圧型あんま器は、基台盤や本体が合成樹脂により構成されているので、落下等させると、破損するおそれがある、等の課題があった。
【0005】
そこで、本発明は、落下等させても破損し難い押圧型あんま器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の押圧型あんま器は、弾力性のある部材からなる基台と、前記基台表面を覆う軟質な素材からなる基台被覆材と、前記基台被覆材に留めて設けられ、前記基台より硬質な部材よりなる押圧子と、前記押圧子表面を覆う軟質な素材な素材からなる押圧子被覆材と、を有する押圧型あんま器である。
ここで、前記押圧子が留めて設けられる前記基台被覆材における前記押圧子周囲には、補強糸が密に編み込まれた補強編込み部が形成されている押圧型あんま器にしても良い。
また、前記基台被覆材の裏面には、前記基台被覆材より厚手の厚手補強材が設けられ、前記補強編込み部は、前記補強糸を前記基台被覆材と前記厚手補強材との間を繰り返し挿通させることにより密に編み込まれている押圧型あんま器にしても良い。
また、前記押圧子は、半球形状の押圧部材と、前記押圧部材の底部から延びるピン部材と、前記ピン部材に挿入され、前記押圧部材の底部との間で少なくとも前記基台被覆材を挟む被覆材挟持板と、前記ピン部材に前記被覆材挟持板の後から挿入され、前記ピン部材に固定され、前記押圧部材を前記基台被覆材に固定する挟持板留め部材と、を有する押圧型あんま器にしても良い。
【発明の効果】
【0007】
本発明の押圧型あんま器は、弾力性のある部材からなる基台と、前記基台表面を覆う軟質な素材からなる基台被覆材と、前記基台被覆材に留めて設けられ、前記基台より硬質な部材よりなる押圧子と、前記押圧子表面を覆う軟質な素材からなる押圧子被覆材と、を有するので、落下等させても破損し難くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の実施の形態1の押圧型あんま器の全体を示す全体図である。
【図2】図1に示す実施の形態1の押圧型あんま器の正面を示す正面図である。
【図3】図1に示す実施の形態1の押圧型あんま器の側面を示す側面図である。
【図4】本実施の形態における押圧子の構造の一例を斜め表側から見た分解斜視図である。
【図5】本実施の形態における押圧子の構造の一例を斜め下方から見た分解斜視図である。
【図6】図上左側の押圧子のみが取り付けられ、右側の押圧子が取り付けられる前の基台被覆材を表側から見た上面図である。
【図7】図6に示す基台被覆材を裏側から見た裏面図である。
【図8】押圧子を基台被覆材に取り付ける手順を示す説明図である。
【図9】図2に示す実施の形態1の押圧型あんま器のA−A線断面を示す断面図である。
【図10】図2に示す実施の形態1の押圧型あんま器のA−A線断面の一部を詳細に示す部分断面図である。
【図11】実施の形態1の押圧型あんま器の使用状態の一例を示す断面図である。
【図12】本発明の実施の形態2の押圧型あんま器の全体を示す全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態1,2の押圧型あんま器について説明する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1の押圧型あんま器の全体を示す全体図である。
【0011】
図1において、この押圧型あんま器1は、基台2と、基台被覆材3と、押圧子4と、押圧子被覆材5と、を有する。なお、本来は、基台2と、押圧子4とは、外部より見えないが、図1では、基台被覆材3と、押圧子被覆材5の一部分を欠如させて、基台2と、押圧子4とを露出させている。
【0012】
基台2は、例えば、ウレタンやスポンジ、発砲スチロール、ゴム等の弾力性のある部材により構成されており、弾力性のある部材であれば、これらに限定されない。
【0013】
基台被覆材3は、基台2表面を覆う、例えば、タオル生地や布等の軟質な素材により構成されており、軟質な素材であれば、ビニール等でも良く、これらに限定されない。
【0014】
押圧子4は、基台被覆材3に留められ設けられるもので、基台2より硬質な、例えば、樹脂(プラスチック)により形成されている。ただし、押圧子4は、樹脂(プラスチック)製に限定されるものではなく、木や、磁石、ゴム、金属等の部材により構成しても良いが、使用者の汗等による汚れを落とすため、押圧型あんま器1を水に浸けての丸洗い等を考慮すると、錆びやすい金属や木以外の耐水性のある樹脂(プラスチック)や、ステンレス等の錆びにくい金属等により構成するのが望ましい。また、押圧子3の形状は、ほぼ半球体に形成されており、押圧子3の底部側が基台被覆材3に留められる。なお、押圧子3の構造等は、後述する。また、押圧子4の数は、本実施の形態1では、2つ設けているが、2つに限定されず、3つでも、4つでも、それ以上でも勿論よい。
【0015】
押圧子被覆材5は、押圧子4表面全体を覆うもので、基台被覆材3と同一素材でも、異なる素材にしてもどちらでも良い。
【0016】
図2は、図1に示す実施の形態1の押圧型あんま器1の正面(上面)を示す正面図である。
【0017】
図2に示すように、図1に示す実施の形態1の押圧型あんま器1を正面(上面)から見ると、図上、下側面11は、ほぼ直線である一方、上側面12は、両側12a,12bが凸部となり、中央12cとが凹部となった2つの山が連なった形状をしている。なお、この正面形状は、一例であり、上側面12がほぼ直線であっても、下側面12が両側と中央とが窪んだ2つの山が連なった形状をしていても勿論よい。
【0018】
そして、図2に示すように、2つの押圧子4が押圧子被覆材5に被覆された後に留められる、基台被覆材3における押圧子4周囲には、基台被覆材3に対する押圧子4の取り付けを強固にするため、基台被覆材3の繊維より太めの補強糸により編込まれた二重の補強編込み部31a,31bが形成されている。なお、本実施の形態1では、補強編込み部31a,31bを二重にしているが、これは一例であり、一重でも、三重でも、それ以上でも勿論よく、また補強編込み部31a,31bを設けないようにしても良い。
【0019】
図3は、図1に示す実施の形態1の押圧型あんま器1の右側面を示す側面図である。
【0020】
図3に示すように、2つの押圧子4は、基台被覆材3上において、下側面11と上側面12との中間の中心線Cに対し、やや上側面12側寄りに設けられている。
【0021】
図4、図5は、本実施の形態における押圧子4の構造の一例を示す分解斜視図であり、図4は斜め上方から見た分解斜視図、図5は斜め下方から見た分解斜視図である。
【0022】
図4、図5に示すように、押圧子4は、半球形状の押圧部材41と、押圧部材41の底部から延びるピン部材42と、押圧部材41の底部を覆う円形状であり、ピン部材42に挿入され、押圧部材41の底部との間に、基台被覆材3や押圧子被覆材5を挟むことにより、前記基台被覆材3に前記押圧子4を留める被覆材挟持板43と、前記ピン部材42に被覆材挟持板43の後から挿入され、被覆材挟持板43が抜けることを防止する挟持板留め部材44と、から構成されている。
【0023】
なお、図5に示すように、押圧部材41の底部には、外部に露出した空隙部41aが設けられており、基台被覆材3や押圧子被覆材5を介して、被覆材挟持板43がその空隙部空隙部41aを覆うように設けられる。
【0024】
そして、本実施の形態1では、この押圧子4を構成する押圧部材41や、ピン部材42、被覆材挟持板43、挟持板留め部材44等の部材すべてを、樹脂(プラスチック)等の金属以外の部材により構成している。これにより、押圧子4については、コイルバネ等の金属部材を使用していないので、押圧型あんま器1全体を水に浸けての丸洗い等も可能となり、汚れを簡単に落とすことができる。
【0025】
押圧部材41は、中空ではなく、外部に露出する空隙部41aが設けられているので、水に浸けての丸洗い等の際に、中空部分に水が留まることを防止することができる。
【0026】
図6は、図上左側の押圧子4のみが取り付けられ、右側の押圧子4が取り付けられる前の基台被覆材3を表側から見た上面図である。
【0027】
図6に示すように、基台被覆材3上における押圧子4が留められる周囲には、補強編込み部31a,31bが設けられている。なお、図上、33は、押圧子4のピン部材42が挿入される挿入穴である。
【0028】
図7は、図6に示す状態の基台被覆材3を裏側から見た裏面図である。
【0029】
図7に示すように、基台被覆材3の裏面には、基台被覆材3に対する2つの押圧子4の取り付けを強固にして、押圧子4の位置ずれ等を防止するため、基台被覆材3の素材とは同一または異なり、かつ、厚い、例えば厚手のフェルト製等の厚手補強材32が設けられている。そして厚手補強材32の上から基台被覆材3に補強糸が密に編み込まれて補強編込み部31a,31bが形成されている。このように、本実施の形態1では、厚手補強材32の上に補強編込み部31a,31bを形成しているので、基台被覆材3に対する2つの押圧子4の取り付けを強固にすることができると共に、位置ずれを防止することができる。なお、厚手補強材32を省略して補強編込み部31a,31bを形成するだけでも、あるいは補強編込み部31a,31bを形成せずに厚手補強材32を設けるだけの構成でも良い。
【0030】
図8は、押圧子4を基台被覆材3に取り付ける手順を示す説明図である。
【0031】
つまり、ピン部材42が突出するように押圧部材41全体を押圧子被覆材5により被覆した後、ピン部材42を基台被覆材3に設けられた挿入穴33(図6,7参照。)に挿入する。そして、基台被覆材3の裏面側から、押圧部材41底部との間で、基台被覆材3や、押圧子被覆材5、厚手補強材32等を挟持するように、ピン部材42に被覆材挟持板43を挿通させ、その後から挟持板留め部材44を嵌めて、ピン部材42先端を溶着等することにより、ピン部材42に挟持板留め部材44を固定する。これにより、ビス等の金属部材を使用しなくても、押圧子4を基台被覆材3に取り付けることができる。
【0032】
図9は、図2に示す実施の形態1の押圧型あんま器1のA−A線断面を示す断面図である。
【0033】
図9に示すように、基台被覆材3には、押圧子被覆材5により被覆された押圧子4が取り付けられ、基台被覆材3は、基台2の周囲全面、すなわち上面、底部および側面を被覆している。ここで、基台2は、ウレタンや、スポンジ、ゴム等の弾力性のある部材から構成されているので、図9に示すように、押圧部材41底部から下方へ突出する被覆材挟持板43や挟持板留め部材44等の分だけ凹んで変形することにより、押圧子4の位置を固定する。
【0034】
図10は、図2に示す実施の形態1の押圧型あんま器1のA−A線断面の一部を詳細に示す部分断面図である。
【0035】
図10に示すように、押圧子被覆材5により被覆された押圧子4の裏面と、被覆材挟持板43との間には、基台被覆材3や、押圧子被覆材5、厚手補強材32が挟持されている。なお、本実施の形態1では、基台被覆材3の表側に、基台被覆材3とは同一または異なる素材の薄手の2枚の被覆材34,35を設けて、見栄えを良くしている。なお、基台被覆材3の表側に薄手の被覆材34,35を設けず省略しても、あるいは薄手の被覆材34,35の代わりに、裏面側と同様に厚手補強材32を設けるようにしても勿論よい。
【0036】
図11は、実施の形態1の押圧型あんま器1の使用状態の一例を示す断面図である。
【0037】
押圧型あんま器1の押圧子4に使用者の頭等が乗ると、その重みにより、図11に示すように、ウレタンや、スポンジ、ゴム等の弾力性のある部材から構成された基台2は、撓む等の弾性変形をすることにより、押圧子4が沈むことになる。これにより、スプリング等を使用しなくても、弾力性のある部材からなる基台2より、押圧子4を弾力的に支持することができる。
【0038】
従って、本実施の形態1の押圧型あんま器1では、弾力性のある部材からなる基台2と、基台2表面を覆う軟質な素材からなる基台被覆材3と、基台被覆材3に留めて設けられ、基台2より硬質な部材よりなる押圧子4と、押圧子4表面を覆う軟質な素材からなる押圧子被覆材5と、を有するので、落下等させても、弾力性のある部材からなる基台2等がその衝撃を吸収するので、破損し難くすることができる。
【0039】
また、本実施の形態1の押圧型あんま器1では、基台被覆材3において押圧子4が留められ設けられる押圧子4周囲には、基台被覆材3に対する押圧子4の取り付けを強固にするため補強糸が密に編み込まれた補強編込み部31a,31bを形成しているので、基台被覆材3における押圧子4の位置づれを防止することができると共に、基台被覆材3から押圧子4が外れることを防止することができる。
【0040】
また、本実施の形態1の押圧型あんま器1では、基台被覆材3の裏面に、基台被覆材3より厚手の厚手補強材32を設け、基台被覆材3と厚手補強材32との間に補強糸を繰り返し挿通させて密に編み込むことにより補強編込み部31a,31bを形成しているので、さらに、基台被覆材3における押圧子4の位置づれを防止することができると共に、基台被覆材3から押圧子4が外れることを防止することができる。
【0041】
また、本実施の形態1の押圧型あんま器1では、押圧子4は、半球形状の押圧部材41と、押圧部材41の底部から延びるピン部材42と、ピン部材42に挿入され基台被覆材3を挟むことにより、基台被覆材3に押圧子4を留める被覆材挟持板43と、ピン部材42に被覆材挟持板43の後から挿入され、押圧部材41との間で、基台被覆材3と被覆材挟持板43とを挟み固定する挟持板留め部材44と、により構成しているので、ビス等を使用しなくても、簡単かつ確実に押圧子4を基台被覆材3に固定することができる。
【0042】
また、本実施の形態1の押圧型あんま器1では、コイルバネや、ビス等の錆び易い金属部材を使用していないので、押圧型あんま器1全体を水に浸けての丸洗い等することが可能となり、汚れを簡単に落とすことができる。
【0043】
実施の形態2.
図12は、本発明の実施の形態2の押圧型あんま器10の全体を示す全体図である。
【0044】
図1に示す実施の形態1の押圧型あんま器1と比較すると明らかであるが、実施の形態2の押圧型あんま器10には、押圧子4が4つ設けられていると共に、基台2’の平面(上面)形状が、図に示すように対称に形成されており、基台被覆材3’も基台2’の形状に合わせて図に示すように対称に形成されている。それ以外の構造は、図1に示す実施の形態1の押圧型あんま器1と同じである。従って、実施の形態2の押圧型あんま器10によっても、上記実施の形態1の押圧型あんま器1と同様の効果が得られる。
【0045】
なお、以上説明した実施の形態1,2の押圧型あんま器1,10は、本発明の一例であり、本発明が、これらの実施の形態1,2に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0046】
1,10 押圧型あんま器
2,2’ 基台
3,3’ 基台被覆材
31a,31b 補強編込み部
32 厚手補強材
4 押圧子
41 押圧部材
42 ピン部材
43 被覆材挟持板
44 挟持板留め部材
5 押圧子被覆材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾力性のある部材からなる基台と、
前記基台表面を覆う軟質な素材からなる基台被覆材と、
前記基台被覆材に留めて設けられ、前記基台より硬質な部材よりなる押圧子と、
前記押圧子表面を覆う軟質な素材な素材からなる押圧子被覆材と、
を有する押圧型あんま器。
【請求項2】
請求項1記載の押圧型あんま器において、
前記押圧子が留めて設けられる前記基台被覆材における前記押圧子周囲には、補強糸が密に編み込まれた補強編込み部が形成されている押圧型あんま器。
【請求項3】
請求項2記載の押圧型あんま器において、
前記基台被覆材の裏面には、前記基台被覆材より厚手の厚手補強材が設けられ、前記補強編込み部は、前記補強糸を前記基台被覆材と前記厚手補強材との間を繰り返し挿通させることにより密に編み込まれている押圧型あんま器。
【請求項4】
請求項1〜請求項3のいずれか一の請求項に記載の押圧型あんま器において、
前記押圧子は、
半球形状の押圧部材と、
前記押圧部材の底部から延びるピン部材と、
前記ピン部材に挿入され、前記押圧部材の底部との間で少なくとも前記基台被覆材を挟む被覆材挟持板と、
前記ピン部材に前記被覆材挟持板の後から挿入され、前記ピン部材に固定され、前記押圧部材を前記基台被覆材に固定する挟持板留め部材と、
を有する押圧型あんま器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2011−45540(P2011−45540A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196791(P2009−196791)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(509241236)
【Fターム(参考)】