説明

抽選くじ

【課題】 簡単に作製できると共に、当落情報を見る際にゴミの排出を抑制できる様々な形状の抽選くじを提供する。
【解決手段】 抽選くじ1は、台紙2と、台紙に印刷された、当落情報を有する二次元コード3と、くじ提供者が当落情報の結果を判別できる判別手段4からなる。二次元コードはアドレス情報も有しており、二次元コード3を読取った携帯電話機の画面には、当落情報が表示されると共に、くじを提供した店や企業等といったくじ提供者のホームページアドレスが表示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は抽選くじに関する。詳しくは、所定の機器で読取り可能な当落情報部を用いた、簡単に作製できると共にゴミの排出を抑制できる様々な形状の抽選くじに係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、当落を決定して当選者に景品等を与える「くじ」として、例えば台紙等に当落情報が印刷され、当落情報を隠蔽するスクラッチ可能な隠蔽層が積層された「スクラッチくじ」(特許文献1参照。)や、台紙等に当落情報が印刷され、当落情報を隠蔽するためにその台紙を三角形に折って糊付けされた「三角くじ」が知られている。
【0003】
図5に、従来のスクラッチくじの概略平面図を示す。図5に示すように、スクラッチくじ101は、基材102と、少なくとも2色以上の色で形成された当落情報印刷部104と、当落情報印刷部を隠蔽するよう当落情報印刷部上に積層されたスクラッチ層103からなる。このスクラッチくじは、当落情報印刷部が少なくとも2色以上の色で形成されているため、単調性を解消し、また、不正な意図で当落情報の文字や絵の形状を知っても直ちに当落が判明しにくい。
【0004】
【特許文献1】特開2000−309183号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来のスクラッチくじは、「あたり」、「はずれ」等一目で当落が判別できる当落情報印刷部上に、スクラッチ層を積層して当落情報を隠蔽して、くじと成しているため、くじを作製するにあたりわざわざスクラッチ層等の当落情報を隠蔽する層を積層する工程が必要であり、作製に手間やコストがかかっていた。
【0006】
また、スクラッチ層を積層する対象物は平面状の物に限られており、くじの形状が単調であった。
【0007】
更に、当落情報を見るためにスクラッチ層を削り取らなければならないため、削りカスがゴミとなって排出されるという問題があった。
【0008】
本発明は、以上の点に鑑みて創案されたものであり、当落情報を隠蔽する層を積層する必要がなく簡単に作製できると共に、当落情報を見る際にゴミの排出を抑制できる様々な形状の抽選くじを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明の抽選くじは、所定の機器で読取り可能な当落情報部を備えている。
【0010】
ここで、「所定の機器」とは、外観上、内容が判らない当落情報部の内容を明らかにできる機器を指し、例えば読取り機能を備えた携帯電話機やバーコードリーダ等が挙げられる。このような当落情報部によって、わざわざ当落情報を隠蔽する層を剥がすことなく当落の結果を知ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る抽選くじは、簡単に作製できると共に、当落情報を見る際にゴミの排出を抑制できて、様々な形状を有することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明し、本発明の理解に供する。図1は、本発明を適用した抽選くじの一例を示す概略平面図である。抽選くじ1は、台紙2と、台紙に印刷された、当落情報を有する二次元コード3と、くじ提供者が当落情報の結果を判別できる判別手段4からなる。
【0013】
ここで、抽選くじには二次元コードが印刷されているが、所定の機器で当落情報を読取ることができれば二次元コードでなくてもよく、例えば一次元バーコード(種々の幅を持ち、隣接し合う線条が横方向に並んでいるもの)でもよい。
【0014】
また、所定の機器で読取り可能な当落情報部を印刷できて外部から当落情報部を読取ることができるのであれば、台紙でなくてもよく、例えばポケットティッシュ、散らし広告、ペットボトル、タバコケース、飲料缶や食品缶等の缶製品、ハガキ、歯磨き粉のチューブ、菓子箱等に所定の機器で読取り可能な当落情報部が印刷されていてもよい。
【0015】
更に、本発明を適用した抽選くじは、所定の機器で読取り可能な当落情報部を備えていれば、くじを提供した店や企業等といったくじ提供者が当落情報の結果を判別できる判別手段を備えていなくてもよい。このような判別手段としては、くじ提供者が当落情報の結果を判別できるものであればどのようなものでもよく、例えば数字、記号、図柄、色彩、凹凸またはこれらの組み合わせ等が挙げられる。
【0016】
また、本発明を適用した抽選くじは、同一の意味を有する当落情報がそれぞれ複数の表現方法で表現されているが、所定の機器で読取り可能な当落情報部を備えていれば、同一の意味を有する当落情報がそれぞれ複数の表現方法で表現されていなくてもよい。具体的には例えば、同じ「当選」を表示する場合でも、「あたり」、「当たり」、「アタリ」、「1等」、「2等」、「3等」等様々な表現方法を用いてもよい。図2は、「あたり」と「当たり」それぞれ別の表現方法で表現された当落情報を有する二次元コードを示す。
【0017】
図3は、本発明を適用した抽選くじの二次元コードを、読取手段を備えた携帯電話機によって読取った場合に携帯電話機に表示される画面の一例を示す概略説明図である。二次元コードが所定のサイトへ誘導するURL情報を有しているので、携帯電話機の画面には、当落情報が表示されると共に、くじを提供した店や企業等といったくじ提供者のホームページアドレスが表示される。ここで、携帯電話機を用いて二次元コードを読取った例を挙げて説明しているが、二次元コードを読取れるものであればどのようなものを用いてもよい。また、二次元コードは当落情報を有しているのであれば、ホームページアドレス等の所定のサイトへ誘導するURL情報を有していなくてもよい。
なお、「所定のサイト」とは、ユーザ情報(氏名、住所、電子メールアドレス等)の入力を促したり、商品等の宣伝を行なったりするサイトをいう。また、当落情報として「おめでとうございます!あたりです!」の文字が表示されているが、本発明で言う「当落情報」には、このように当たり外れの当否のみならず、1等、2等といった等級や具体的な景品名なども含まれる。
【0018】
図4は、本発明を適用した抽選くじの他の例を示す概略平面図である。この図から、従来、当落情報を見るためにスクラッチを削っていたところ、二次元コードを利用して抽選くじを提供できることが判る。ここで、抽選くじには二次元コードが印刷されているが、所定の機器で当落情報を読取ることができれば二次元コードでなくてもよいのは勿論である。また、所定の機器で読取り可能な当落情報部を印刷できて外部から当落情報部を読取ることができるのであれば、台紙でなくてもよく、例えばポケットティッシュ、散らし広告、ペットボトル、タバコケース、飲料缶や食品缶等の缶製品、ハガキ、歯磨き粉のチューブ、菓子箱等に所定の機器で読取り可能な当落情報部が印刷されていてもよい。
【0019】
このように、本発明を適用した抽選くじは、所定の機器で読取り可能な当落情報部を物品に印刷することで作製できるため、従来のスクラッチくじのように銀剥離シートといったスクラッチ層を積層する工程が省略できて簡単に作製することができると共に、缶製品の表面等曲面にも当落情報部を印刷して様々な形状の抽選くじを提供できる。
【0020】
また、本発明を適用した抽選くじは、当落情報が所定の機器で読取り可能な当落情報部に収められているため、当落情報部を読取る読取手段を備えた機器を用いて手軽に当落情報を見ることができ、従来のスクラッチくじのように当落情報を見るためにスクラッチ層を削ってゴミを発生させることが抑制される。
【0021】
更に、本発明を適用した抽選くじは、回収して再利用することができる。
【0022】
更に、本発明を適用した抽選くじは、従来のように、当落情報を見るために削ったり、擦ったりする必要がないため、磨耗に対する耐性を考慮する必要がなく、比較的耐摩耗性が劣る、ラップ等のビニール、ちり紙、和紙、ゴムなどに当落情報部を印刷して作製することができる。
【0023】
また、本発明を適用した抽選くじは、印刷以外にもコントラスト差を出すことによって、印刷された場合と同様に所定の機器で読取り可能な当落情報部を形成できるので、特殊塗料によって当落情報部を形成したブラックライト反応型の抽選くじや、エッチングによって当落情報部を形成したエッチング型抽選くじとすることもできる。
【0024】
また、本発明を適用した抽選くじは、くじを提供した店や企業等といったくじ提供者が当落情報の結果を判別できる判別手段を備えることによって、どのくじが当たりでどのくじが外れかといった当落情報の結果を管理することができる。
【0025】
また、本発明を適用した抽選くじは、同一の意味を有する当落情報がそれぞれ複数の表現方法で表現されることによって、様々な当落情報部例えば様々な柄の二次元コードを備えることになるので、外観上、当落情報の結果を見破られにくくなる。
【0026】
また、本発明を適用した抽選くじは、所定のサイトへ誘導するURL情報を有する当落情報部を備えているので、当落情報部を読取った機器の画面には、当落情報以外にくじを提供した店や企業等といったくじ提供者のホームページアドレスも表示でき、ホームページにユーザを誘導でき、ユーザ情報(氏名、住所、電子メールアドレス、年齢、性別等)の収集や商品の宣伝を行なうことができる。
【0027】
また、ポケットティッシュに、所定の機器で読取り可能な当落情報部を印刷して抽選くじとすることができるので、街頭で当落情報部が印刷されたポケットティッシュが配布される場合、景品等欲しさにポケットティッシュを受け取る者が増え、その結果、ポケットティッシュ内に入れられた広告を見る者が増えることが期待され、広告主の店舗等へ客を呼び込む効果が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明を適用した抽選くじの一例を示す概略平面図である。
【図2】「あたり」と「当たり」それぞれ別の表現方法で表現された当落情報を有する二次元コードである。
【図3】本発明を適用した抽選くじの二次元コードを、読取手段を備えた携帯電話機によって読取った場合に携帯電話機に表示される画面の一例を示す概略説明図である。
【図4】本発明を適用した抽選くじの他の例を示す概略平面図である。
【図5】従来のスクラッチくじの概略平面図である。
【符号の説明】
【0029】
1 抽選くじ
2 台紙
3 二次元コード
4 判別手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の機器で読取り可能な当落情報部を備えた
抽選くじ。
【請求項2】
前記当落情報部は、当落情報を有する二次元コードである
請求項1に記載の抽選くじ。
【請求項3】
くじ提供者が当落情報の結果を判別できる判別手段を備えた
請求項1または請求項2に記載の抽選くじ。
【請求項4】
同一の意味を有する当落情報がそれぞれ複数の表現方法で表現されている
請求項1または請求項2に記載の抽選くじ。
【請求項5】
前記当落情報部は、所定のサイトへ誘導するURL情報を有する
請求項1または請求項2に記載の抽選くじ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−218823(P2006−218823A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−36380(P2005−36380)
【出願日】平成17年2月14日(2005.2.14)
【出願人】(505054427)
【Fターム(参考)】