説明

抽選装置

【課題】 抽選の仕組みとして斬新であり、当たりの確率を変化させることができる抽選装置を提供する。
【解決手段】 複数個の球を抽選部1に投入して抽選を行う抽選装置であって、複数色種の色球B1〜B3を用意するとともに、少なくとも2色の色球B1〜B3を抽選部1に投入する色球投入機構2と、抽選部1において、色球投入機構2により投入された色球B1〜B3が入りうる入賞口12dと、入賞口12dに入った色球B1〜B3の色を識別する色識別センサ6と、色識別センサ6による色の識別結果に応じて当たりか否かを判定する制御部とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、たとえばメダルゲーム機に用いられる抽選装置に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の抽選装置としては、たとえば特許文献1に開示されたものがある。この特許文献1に開示された抽選装置は、メダルゲーム機に備えられたものであり、メダル落下溝に落ちた抽選用のボールを上方へと搬送するとともに、そのボールをボール受台内に投入し、このボール受台内に設けた複数の収容空間のうち、当たりとされた一つの収容空間(特別収容空間)にボールが入るか否かによって物理的な抽選を行うものである。
【0003】
【特許文献1】特開2002−210221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の抽選装置では、ボールが特別収容空間に入るか否かによって当否が決まってしまうため、いわゆるルーレットなどと同様の興趣しか感じられず、抽選の仕組みとしてはありきたりでそれほど斬新なものではなった。
【0005】
また、収容空間の数がnで1つの収容空間が特別収容空間とすると、当たりの確率が1/nになるが、収容空間の数は部品を交換する等以外変更することができないため、当たりの確率をゲーム内容などに応じて変化させることができないといった不都合な面もある。
【0006】
本願発明は、上記した事情のもとで考え出されたものであって、抽選の仕組みとして斬新であり、当たりの確率を変化させることができる抽選装置を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本願発明では、次の技術的手段を講じている。
【0008】
本願発明によって提供される抽選装置は、複数個の球を抽選部に投入して抽選を行う抽選装置であって、上記球として複数色種の色球を用意するとともに、少なくとも2色の色球を上記抽選部に投入する色球投入機構と、上記抽選部において、上記色球投入機構により投入された上記色球が入りうる入賞口と、上記入賞口に入った上記色球の色を識別する色識別手段と、上記色識別手段による色の識別結果に応じて当たりか否かを判定する制御手段と、を備えている。
【0009】
好ましい実施の形態としては、上記抽選部には、上記色球が転がる凹面状の盤面と、この盤面の中央部に位置して鉛直軸周りに回転する回転部材とが設けられており、上記入賞口は、上記回転部材の周部に設けられている。
【0010】
好ましい実施の形態としては、上記回転部材の周部は、周壁により構成されているとともに、この周壁には、上記入賞口と複数の凹部とが設けられており、かつ、上記盤面の中央部には、上記入賞口に入った色球および他の色球を回収するための開口が設けられている。
【0011】
好ましい実施の形態としては、上記回転部材は、上記周壁の下端が上記盤面に接触または近接する低位置と、上記周壁の下端と上記盤面との間隔が上記色球の径よりも大となる高位置とを選択的にとりうるように構成されている。
【0012】
好ましい実施の形態としては、上記制御手段はまた、上記色球投入機構による色球の投入個数および/または投入色数を所定の条件に応じて変更させる機能をもつ。
【0013】
好ましい実施の形態としては、上記制御手段はまた、所定の条件に応じて当たりとする色を変更する機能をもつ。
【0014】
このような構成によれば、入賞口に色球が入っただけでは当否が決まらず、その色球の色によって当否が決まるため、色球の色を用いた斬新な抽選の仕組みを提供することができる。また、色球投入機構による色球の投入個数や投入色数あるいは当たりとする色などといった種々の要素については、たとえばゲーム内容などの所定の条件に応じて容易に変更することができ、これにより当たりの確率を変化させることができる。
【0015】
本願発明のその他の特徴および利点は、添付図面を参照して以下に行う詳細な説明によって、より明らかとなろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本願発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1〜4は、本願発明に係る抽選装置の一実施形態として機械的な構成を示している。図5は、図1〜4に示された抽選装置の電気的な構成を示している。
【0017】
本実施形態の抽選装置は、メダルゲーム機(図示略)に備えられたものであり、基本的には、たとえばメダルが抽選用のチャッカ(図示略)に入ると、メダルの払い出し動作を実行するか否かについて抽選ゲームを行うものである。図1〜4に示されているように、抽選装置は、赤、青、緑の色球B1〜B3を用いた抽選ゲームを実行可能なものであって、機械的な構成要素としては、色球B1〜B3が投入される抽選部1、色球B1〜B3を投入する色球投入機構2、色球B1〜B3を回収する色球回収機構3、上記抽選部1に設けられた回転部材12を回転させるための回転機構4、これら回転部材12および回転機構4を一体的に昇降させるための昇降機構5を備えている。なお、昇降機構5は、図5にのみ示している。その他、抽選装置には、全体の動作を制御する制御部9や、プレイヤに対して画像情報や文字情報を表示する表示部90、さらにはプレイヤが所定の操作を行うための操作部91が含まれるが、これらについても図5にのみ示している。
【0018】
抽選部1は、図1〜3に良く示されているように、色球B1〜B3が転がる盤面10aをもつベース部材10と、このベース部材10の盤面10aを囲む略円筒状の透明部材11と、上記盤面10aの中央部に位置して鉛直軸周りに回転する回転部材12とを有して構成されている。
【0019】
ベース部材10の盤面10aは、その周縁部から中央部に向けて次第に低くなるように湾曲凹面状に形成されている。これにより、盤面10a上の色球B1〜B3は、勢いがなくなると盤面10aの中央部に寄ってくる。また、盤面10aの中央部には、回転部材12で隠れるように色球回収用の開口10bが設けられている。この開口10bは、色球B1〜B3より大きな径をもつ一方、回転部材12よりは小さな径をもつように形成されている。
【0020】
透明部材11は、盤面10a上の色球B1〜B3が外側に飛び出したり落ちたりすることを防止するのに十分な高さをもつ。たとえば色球B1〜B3の径が35mm程度の場合、透明部材11の高さとしては100mm程度あればよい。
【0021】
回転部材12は、周壁12aと天板部12bとを有してキャップ状に形成されている。この回転部材12の周壁12a全体には、色球B1〜B3を保持したり弾いたりする凹部12cが設けられている。周壁12aの一箇所には、色球B1〜B3が回転部材12の内部側へと入りうる入賞口12dが設けられている。また、図2〜図4に示されているように、開口10bには、回転軸40が鉛直方向に挿入されており、この回転軸40の上部先端が回転部材12の天板部12bに固定されている。この回転軸40には、入賞口12dに入った1個の色球のみを保持するとともに、保持した色球の重さによってその状態を検知可能な保持部材41が取り付けられている。この保持部材41は、入賞口12dの間近となる開口10bの一部を塞いで略水平姿勢をなす状態(色球を保持しうる状態)から、保持した色球を開口10bに落とすように大きく傾斜した状態へと揺動可能に構成されている。抽選動作時には、上記回転軸40が回転機構4により回転させられることにより、回転部材12および保持部材41が一体となって鉛直軸周りに回転する。このとき、入賞口12dに色球が入ると、その色球が保持部材41によって保持される。また、回転機構4は、昇降機構5によって鉛直方向に移動させられるように構成されている。これにより、回転部材12は、図3に良く示されているように、周壁12aの下端が盤面10aにほとんど接した状態となる低位置と仮想線で示す高位置Hとを取りうる。回転部材12が高位置Hを取る際には、保持部材41も略水平姿勢を保ちながら開口10bの上方へと移動させられ、保持部材41に色球が保持されている場合には、この色球もそのまま上方へと移動させられる。そして、回転部材12が高位置Hを取ると、周壁12aの下端と盤面10aとの間隔が色球B1〜B3の径以上の大きさとなる。その結果、入賞口12dに入らずに盤面10a上にあった色球B1〜B3は、回転部材12の周壁12aに妨げられることなく開口10bに落ちる。その後、回転部材12が低位置へと戻され、さらに保持部材41が傾斜させられることにより、保持部材41に保持されていた色球も開口10bに落ちる。これにより、盤面10a上に投入された全ての色球B1〜B3が回収される。なお、開口10bの周縁と回転軸40との間は、色球B1〜B3の径より大きな間隔となるように設定されている。そのため、色球B1〜B3は、開口10bの周縁と回転軸40との間に詰まることなく開口10bに落ちる。
【0022】
色球投入機構2は、図4に良く示されているように、色球B1〜B3を色別に分けて貯留する色球貯留部20、色球B1〜B3の所定個数をまとめて抽選部1の上方へと搬送するベルトコンベヤ21、色球貯留部20からベルトコンベヤ21の下部入口21aへと色球B1〜B3を導く通路22、およびベルトコンベヤ21の上部出口21bへと搬送されてきた色球B1〜B3を抽選部1へと転がり落とすように導くレール状のスロープ部材23を有して構成されている。色球貯留部20には、各色の色球B1〜B3を1つずつ通路22へと送り出すことが可能な投入用シャッタ20aが設けられている。このような色球投入機構2においては、色球貯留部20の投入用シャッタ20aが各色の投入個数に応じた動作を行うことにより、たとえば2個の赤の色球B1、2個の青の色球B2、および1個の緑の色球B3がまとまってベルトコンベヤ21の下部入口21aへと導かれる。その後、これらの色球B1〜B3は、ベルトコンベヤ21によって上方へと搬送され、さらにベルトコンベヤ21の上部出口21bに達すると、スロープ部材23を伝って抽選部1へと落ちてゆく。これにより、抽選部1の盤面10a上には、各色所定個数の色球B1〜B3が投入される。盤面10a上に投入された色球B1〜B3は、当初は回転部材12を中心として一定方向に回るが、回転部材12は、色球B1〜B3が回る方向とは逆方向に回転するように構成されている。これにより、色球B1〜B3は、勢いがなくなるまでは回転部材12の周壁12aに当たるなどしてある程度不規則に動き、巡り合わせが良ければ回転部材12の入賞口12dに入る。回転部材12の回転が停止すると、入賞口12dに入らなかった色球B1〜B3は、回転部材12の凹部12cに保持された状態となる。なお、回転部材12が回転している状態でも、勢いがなくなった色球B1〜B3は、回転部材12の凹部12cに保持されることがある。
【0023】
色球回収機構3は、図4に良く示されているように、開口10bの直下から色球貯留部20へと色球B1〜B3を導く通路30、この通路30の出口30aと色球貯留部20との間で色球B1〜B3の進路を色ごとに変える進路変換器31、および通路30の途中箇所において各色の色球B1〜B3を1つずつ出口30aへと送り出すことが可能な回収用シャッタ32を有して構成されている。通路30における回収用シャッタ32の位置よりも開口10bに近い箇所には、当該箇所を通過する色球B1〜B3を検知するとともにその色を識別するための色識別センサ6が設けられている。色識別センサ6は、検知対象となる色球B1〜B3で反射した光を受け、その光の波長に応じた信号を出力可能な例えばRGBカラーセンサからなる。このような色球回収機構3においては、回収用シャッタ32により通路30を閉じた状態とした上で、色識別センサ6を介して後述する制御部9が回収した色球B1〜B3の色の順番(色順)を把握している。つまり、回収用シャッタ32を閉じた状態では、制御部9が把握した通りの色順に色球B1〜B3が並んだ状態で一旦保持される。最終的には、上記色順に応じて進路変換器31が色球B1〜B3の進路を変化させ、これに連動して回収用シャッタ32が所定の開閉動作を行うことにより、色球貯留部20には、盤面10a上に投入された全ての色球B1〜B3が色別に回収される。
【0024】
図5に示されているように、抽選装置は、マイクロコンピュータからなる制御部9を備えている。この制御部9には、色球投入機構2の投入用シャッタ20aおよびベルトコンベヤ21、色球回収機構3の進路変換器31および回収用シャッタ32、回転機構4、保持部材41、昇降機構5、ならびに色識別センサ6が接続されている。また、制御部9には、抽選ゲームだけでなくメダルゲームにも併用される表示部90や操作部91が接続されている。このような制御部9は、所定のプログラムや入力信号に基づいて抽選装置全体の動作を制御するとともに、メダルゲーム機全体の動作についても制御する。
【0025】
次に、抽選装置の動作について説明する。
【0026】
図6は、抽選ゲームの処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、制御部9は、たとえば表示部90の画面上で実行される所定の電子ゲームに成功すると、回転部材12の回転を開始させるとともに(S1)、赤青緑の色球B1〜B3を抽選部1に投入させる(S2)。このとき、回転部材12は、低位置で回転させられるとともに、保持部材41は、略水平姿勢に保たれている。なお、この抽選ゲームでは、一例として当たりの色が緑色に設定されており、赤が2個、青が2個、緑が1個からなる合計5個の色球B1〜B3が投入されるものとする。抽選ゲームの開始条件としては、たとえばメダルゲームに付随する他の物理的なゲームの結果などを利用してもよい。また、当たりの色や各色の投入個数については、たとえばメンテナンス時に制御部9のプログラムや設定データを書き換えることによって変更できるものとしてもよい。
【0027】
抽選部1に投入された色球B1〜B3は、回転部材12が低位置にあるため運良く入賞口12dに入ったものだけが保持部材41によって保持される。このようにして保持部材41が色球を保持した状態を検知すると(S3:YES)、制御部9は、回転部材12の回転を停止させ(S4)、その後、回転部材12を高位置Hへと上昇移動させる(S5)。これにより、保持部材41に保持された色球もそのまま上昇移動させられ、入賞口12dに入ったその色球が何色であるのかプレイヤに対してアピールされる。その一方、回転部材12の凹部12cに保持されるなどして盤面10a上に残っていた色球B1〜B3は、開口10bに落ちて回収用の通路30へと導かれる。
【0028】
このような状況において、制御部9は、色識別センサ6からの信号に基づいて、通路30に導かれた色球B1〜B3の色を識別するとともに、識別した色の順番(色順)を記憶する(S6)。このとき、保持部材41に色球が保持されている場合には、抽選部1に投入された色球の個数(たとえば5個)よりも、色識別によって確認された色球の個数が1つだけ少なくなる(たとえば4個)。そして、抽選部1に投入された複数の色球のうち、保持部材41に保持された色球以外のものについては、どのような色か直接識別されることとなる。つまり、制御部9は、入賞口12dに入らずに回収された色球の色識別結果に基づき、入賞口12dに入った色球の色を間接的に認識している。なお、入賞口12dに入った色球については、後述するS10の処理を経て必ず最後に回収されるため、制御部9は、識別した色順の最後の色としては入賞口12dに入った色球の色を記憶する。
【0029】
以上のようにして認識結果が得られ、その認識結果として入賞口12dに入った色球の色が当たりの色(緑)の場合(S7:YES)、制御部9は、所定枚数のメダルの払い出し動作を実行させる(S8)。これにより、プレイヤにとって有利な抽選ゲームに成功した状態となる。なお、抽選ゲームに成功すると、たとえばさらに、表示部90の画面上で電子ゲームを実行させるようにしてもよいし、あるいはメダルゲームに付随する他の物理的なゲームを実行させるようにしてもよい。
【0030】
最終的に、制御部9は、高位置Hにある回転部材12を低位置へと下降移動させ(S9)、その後、保持部材41を傾斜させる(S10)。これにより、保持部材41に保持されていた色球は、開口10bに落ちて回収用の通路30へと導かれる。そして、制御部9は、S6で記憶した色順に基づいて進路変換機構31および回収用シャッタ32を動作させる。これにより、抽選部1に投入した全ての色球B1〜B3が色球貯留部20において色別に回収され、抽選ゲームが終わる。なお、処理手順としては、S9,S10の処理を行ってからS8の処理を行うようにしてもよい。
【0031】
S7において、入賞口12dに入った色球の色が当たりの色でない場合(S7:NO)、制御部9は、S9に進む。つまり、この場合には、入賞口12dに色球が入ったものの、その色が当たりの色ではないため、メダルの払い出し動作が行われず、プレイヤにとっては抽選ゲームに失敗した状態となる。
【0032】
S3において、保持部材41によって色球を保持した状態が検知されることなく(S3:NO)、色球B1〜B3を投入してから所定時間が経過すると(S11:YES)、制御部9は、S4に進む。この場合には、結局のところ入賞口12dに入った色球がないため、S7:NOの処理を経てメダルの払い出し動作が行われないこととなり、プレイヤにとっては抽選ゲームに失敗した状態となる。
【0033】
図7は、第1ミニゲームの処理手順を示すフローチャートである。この第1ミニゲームは、上記抽選ゲームと同様に所定の電子ゲームに成功することで実行されるものであるが、プレイヤが当たりの色を任意に選んだ上で色球B1〜B3を用いた抽選を行うゲームである。なお、第1ミニゲームでは、一例として赤青緑の色球B1〜B3がそれぞれ1個だけ用いられるものとする。
【0034】
図7に示すように、第1ミニゲームを開始する際、制御部9は、表示部90の画面上に第1ミニゲームの内容を説明するための画像情報や文字情報を表示させる(S20)。第1ミニゲームの説明内容としては、赤青緑の色球B1〜B3がそれぞれ1個投入されることや、成功すれば何枚のメダルが払い出されるのかということ、ゲームをするかしないか選択できるといったことなどが含まれる。
【0035】
プレイヤにより「ゲームをする」が選択された場合(S21:YES)、制御部9は、当たりの色を赤青緑のどれにするかプレイヤに選択させるための画面を表示部90に表示させる(S22)。
【0036】
プレイヤが操作部91の選択ボタンを操作するなどして当たりの色を選択すると(S23:YES)、制御部9は、抽選動作を開始させる(S24)。この抽選動作は、赤青緑の色球B1〜B3をそれぞれ1個として計3個の色球B1〜B3を投入する以外、図6に示したS1〜S6の一連の動作と概ね同様である。そして、制御部9は、色球B1〜B3を投入してから所定時間が経過するまでに保持部材41によって色球が保持された状態を検知したり、あるいは色球B1〜B3が保持されることなく所定時間が経過すると、抽選結果が確定した状態として抽選動作を終える(S25)。
【0037】
ここで、抽選結果として何らかの色球が保持部材41に保持された状態にあり、かつ、その色球の色がプレイヤにより選択された色である場合(S26:YES)、制御部9は、たとえば(n×3)枚のメダルの払い出し動作を実行させる(S27)。つまり、プレイヤにとって有利な第1ミニゲームに成功した状態となる。その後、制御部9は、図6に示したS9,S10と同様の一連の動作(色球を回収するための動作)を実行させる。これにより、抽選部1に投入した計3個の色球B1〜B3が全て回収され、第1ミニゲームが終わる。
【0038】
S26において、抽選結果として色球B1〜B3が保持部材41に保持されなかったり、または、保持されたとしてもその色球の色がプレイヤにより選択された色でない場合(S26:NO)、制御部9は、色球を回収するための動作を実行させる。この場合には、メダルの払い出し動作が行われないこととなり、プレイヤにとっては第1ミニゲームに失敗した状態となる。
【0039】
S23において、プレイヤにより当たりの色が選択されない場合(S23:NO)、制御部9は、当たりの色が選択されるまで繰り返しS22に戻る。
【0040】
S21において、プレイヤにより「ゲームをしない」が選択された場合(S21:NO)、制御部9は、第1ミニゲームに成功した場合よりも少ないn枚のメダルの払い出し動作を実行させる(S28)。つまり、この場合には、第1ミニゲームによってさらに多くのメダルを獲得する権利が放棄されるものの、第1ミニゲームの開始条件となる所定の電子ゲームに成功した状態にあるため、プレイヤにとってはある程度満足できる状況となる。
【0041】
図8は、第2ミニゲームの処理手順を示すフローチャートである。この第2ミニゲームも、上記抽選ゲームと同様に所定の電子ゲームに成功することで実行されるものであるが、プレイヤがメダルの払い出し枚数についての倍率を選択することができ、その倍率が高くなるほど色球B1〜B3の投入個数を多くして抽選を行うといったゲームである。なお、第2ミニゲームでは、一例として当たりの色が緑とされ、この緑の色球B3がどの倍率でも1個だけ投入されるものとする。
【0042】
図8に示すように、第2ミニゲームを開始する際、制御部9は、表示部90の画面上に第2ミニゲームの内容を説明するための画像情報や文字情報を表示させる(S40)。第2ミニゲームの説明内容としては、緑の色球B3が当たり球であることや、倍率に応じて払い出されるメダルの枚数が異なること、ゲームをするかしないか選択できるといったことなどが含まれる。
【0043】
プレイヤにより「ゲームをする」が選択された場合(S41:YES)、制御部9は、プレイヤに倍率を選択させるための画面を表示部90に表示させる(S42)。
【0044】
プレイヤが操作部91の選択ボタンを操作するなどして例えば4倍の倍率が選択されると(S43:×4)、制御部9は、計4個の色球B1〜B3を投入するように抽選動作を開始させる(S44)。一方、2倍の倍率が選択されると(S43:×2)、制御部9は、計2個の色球B1,B3を投入するように抽選動作を開始させる(S45)。あるいは、3倍の倍率が選択されると(S43:×3)、制御部9は、計3個の色球B1〜B3を投入するように抽選動作を開始させる(S46)。このような抽選動作も、図6に示したS1〜S6の一連の動作と概ね同様であるが、プレイヤにより選択された倍率に応じて色球B1〜B3の投入個数を変更する点が先述した抽選動作とは異なる。ただし、抽選部1に投入される色球B1〜B3には、どの倍率を選択しても当たり球となる緑の色球B3が必ず1個だけ含まれる。その他の赤や青の色球B1,B2は、投入個数に応じて種々の個数をとりうる。したがって、抽選部1に投入される色球の色数(投入色数)としては、赤青緑の3色に限らず、赤緑あるいは青緑の2色でもよい。
【0045】
その後、制御部9は、色球B1〜B3を投入してから所定時間が経過するまでに保持部材41によって色球が保持された状態を検知したり、あるいは色球B1〜B3が保持されることなく所定時間が経過すると、抽選結果が確定した状態として抽選動作を終える(S47)。
【0046】
ここで、抽選結果として何らかの色球が保持部材41に保持された状態にあり、かつ、その色球の色が当たりの色(緑)である場合(S48:YES)、制御部9は、倍率に応じた(n×倍率)枚のメダルの払い出し動作を実行させる(S49)。つまり、倍率によってメダルの払い出し枚数が変わる第2ミニゲームに成功した状態となる。その後、制御部9は、図6に示したS9,S10と同様の一連の動作(色球を回収するための動作)を実行させる。これにより、抽選部1に投入した全ての色球B1〜B3が回収され、第2ミニゲームが終わる。
【0047】
S48において、抽選結果として色球B1〜B3が保持部材41に保持されなかったり、または、保持されたとしてもその色球の色が当たりの色でない場合(S48:NO)、制御部9は、色球を回収するための動作を実行させる。この場合には、メダルの払い出し動作が行われないこととなり、プレイヤにとっては第2ミニゲームに失敗した状態となる。
【0048】
S41において、プレイヤにより「ゲームをしない」が選択された場合(S41:NO)、制御部9は、第2ミニゲームに成功した場合よりも少ないn枚のメダルの払い出し動作を実行させる(S50)。つまり、この場合には、第2ミニゲームによってさらに多くのメダルを獲得する権利が放棄されるものの、第2ミニゲームの開始条件となる所定の電子ゲームに成功した状態にあるため、プレイヤにとってはある程度満足できる状況となる。
【0049】
したがって、本実施形態の抽選装置によれば、入賞口12dに色球B1〜B3が入っただけでは当否が決まらず、入賞口12dに入った色球の色によって当否が決まるため、色球B1〜B3の色を用いた斬新で趣向の凝った抽選ゲームを提供することができる。
【0050】
また、色球B1〜B3の投入個数や投入色数あるいは当たりの色といった抽選結果を左右する種々の要素については、プレイヤ自身が倍率や当たりの色を選択することによって容易に変更することができ、これによりプレイヤの意向をゲームに反映させた上で当該ゲームに成功する確率を変化させることができる。
【0051】
なお、本願発明は、上記した実施形態に限定されるものではない。
【0052】
上記実施形態の抽選装置は、メダルゲーム機に備えられたものであるが、抽選装置としては、メダルゲーム機以外のゲーム機に備えられたものでもよく、もちろん、単独で使用されるものであってもよい。
【0053】
色球の投入個数や投入色数あるいは当たりの色などといった要素は、上記実施形態の例に限定されるものではない。
【0054】
上記実施形態では、入賞口に入った1個の色球を保持部材によって一旦保持した状態とし、その色球の色を間接的に認識するようにしているが、保持部材に代えて、たとえば入賞口付近に色識別センサを設けておいてもよい。この場合、入賞口に入った色球を保持することなく直ちに回収し、その際に入賞口付近の色識別センサによって入賞口に入った色球の色を直接識別することができる。また、このような場合には、2個以上の色球が入賞口に入ることもあり得るが、そのうちの少なくとも1個の色球の色が当たりの色であれば、メダルの払い出し動作を実行させるなどしてゲームに成功した状態としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本願発明に係る抽選装置の一実施形態を示す要部斜視図である。
【図2】図1に示した抽選装置の平面視断面図である。
【図3】図2のIII−III線に沿う側面視断面図である。
【図4】図1に示した抽選装置の全体を示す側面視断面図である。
【図5】図1に示した抽選装置の電気的な構成を示すブロック図である。
【図6】図1に示した抽選装置で実行される抽選ゲームの処理手順を示すフローチャートである。
【図7】図1に示した抽選装置で実行される第1ミニゲームの処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図1に示した抽選装置で実行される第2ミニゲームの処理手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0056】
B1 赤の色球
B2 青の色球
B3 緑の色球
1 抽選部
10a 盤面
10b 開口
12 回転部材
12a 周壁(周部)
12c 凹部
12d 入賞口
2 色球投入機構
6 色識別センサ(色識別手段)
9 制御部(制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の球を抽選部に投入して抽選を行う抽選装置であって、
上記球として複数色種の色球を用意するとともに、少なくとも2色の色球を上記抽選部に投入する色球投入機構と、
上記抽選部において、上記色球投入機構により投入された上記色球が入りうる入賞口と、
上記入賞口に入った上記色球の色を識別する色識別手段と、
上記色識別手段による色の識別結果に応じて当たりか否かを判定する制御手段と、
を備えていることを特徴とする、抽選装置。
【請求項2】
上記抽選部には、上記色球が転がる凹面状の盤面と、この盤面の中央部に位置して鉛直軸周りに回転する回転部材とが設けられており、上記入賞口は、上記回転部材の周部に設けられている、請求項1に記載の抽選装置。
【請求項3】
上記回転部材の周部は、周壁により構成されているとともに、この周壁には、上記入賞口と複数の凹部とが設けられており、かつ、上記盤面の中央部には、上記入賞口に入った色球および他の色球を回収するための開口が設けられている、請求項2に記載の抽選装置。
【請求項4】
上記回転部材は、上記周壁の下端が上記盤面に接触または近接する低位置と、上記周壁の下端と上記盤面との間隔が上記色球の径よりも大となる高位置とを選択的にとりうるように構成されている、請求項3に記載の抽選装置。
【請求項5】
上記制御手段はまた、上記色球投入機構による色球の投入個数および/または投入色数を所定の条件に応じて変更させる機能をもつ、請求項1ないし4のいずれかに記載の抽選装置。
【請求項6】
上記制御手段はまた、所定の条件に応じて当たりとする色を変更する機能をもつ、請求項1ないし5のいずれかに記載の抽選装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−4227(P2006−4227A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−180641(P2004−180641)
【出願日】平成16年6月18日(2004.6.18)
【出願人】(000129149)株式会社カプコン (192)
【Fターム(参考)】