説明

担架

【課題】汎用の車椅子と組み合わせることによって、被介護者等の搬送を安全且つ容易にし、通常の使用方法も可能な担架を提供する。
【解決手段】被介護者M1が横臥可能な搬送体12を有し、その前端部及び後端部に介護者M2が把持する握り部20,22を備える。車椅子34の部分を着脱自在に固定する車椅子連結部26を備える。車椅子34は、左右一対の車輪36,38を有する車体40に座部42及び背もたれ部44が固定されている。車椅子連結部26に車椅子34が取り付けられると、搬送体12の前方側が車椅子10に支持され車輪38の回転によって走行自在になり、介護者M2が握り部22を把持することによって移動可能になる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、災害地や病院等で使用される緊急搬送用の担架に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば足場の悪い災害地等で被介護者を搬送する場合、通常の担架では、被介護者を持ち上げて歩行移動するため介護者の負担が大きい。また、病院内で多く使用されている四輪式のストレッチャを災害地で使用すると、各車輪が小径なので大きな石や瓦礫が散乱している所を走行することが難しい。そこで、このような問題を解消するため、例えば、特許文献1に開示されているように、前方に小径車輪、後方に大径車輪をそれぞれ左右一対に有する車体と組み合わせて使用可能な担架体が提案されている。この担架体は車体に対して着脱自在であり、担架体を車体に取り付けることによって横臥した被介護者を車輪走行により搬送することができる。
【0003】
また、特許文献2に開示されているように、担架として兼用可能な車椅子もある。この担架は、車椅子の座椅子部を利用したもので、車体に着脱自在であり、座椅子部の途中で屈折して座部及び背もたれ部となるもので、互いに交差する角度が変更自在である。従って、車椅子に取り付けられた座椅子部の背もたれ部を水平に倒すことにより、横臥した被介護者を車椅子を利用して搬送することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−315312号公報
【特許文献2】特開平6−142137号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1の担架体の場合、車輪走行で搬送するための車体が、この担架体を載せるための専用のものであり、それ以外に用途がないので、使用効率の悪いものであり、保管場所や費用の問題を考えると合理的とは言えない。
【0006】
また、特許文献2の担架は、通常は車椅子として使用されるもので、座椅子部のパイプの連結部分の角度を可変にする構造であるため、この部分の強度が弱く、過酷な使用に耐えられるものではない。しかも、汎用の介護用等の車椅子に比べて構造が複雑化してコストが高くなるので、病院その他の公共施設などに広く普及させるのは容易ではない。
【0007】
さらに、特許文献1,2に開示された担架体等は、車輪走行で被介護者を搬送するときに、いずれも小径車輪を含む四輪式で走行する構造なので、足場の悪い災害地等で使用するのに不向きである。
【0008】
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、車椅子と組み合わせることによって、被介護者等の搬送を安全且つ容易にし、通常の使用方法も可能な担架を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明は、被介護者が横臥可能な搬送体を有し、その前端部及び後端部に介護者が把持する握り部が設けられた担架であって、前記搬送体の下面側の中央部より前方のいずれかの位置に取り付けられ、左右一対の車輪が前後に取り付けられた車体上に座部及び背もたれ部が設けられた介護用等の車椅子の部分を着脱自在に固定する車椅子連結部を備え、前記車椅子連結部に前記車椅子が取り付けられると、前記搬送体の前方側が前記車椅子に支持され前記車輪の回転によって走行自在になり、前記介護者が前記後端部の前記握り部を把持することによって移動可能になる担架である。
【0010】
前記車椅子は、前記車体の前方側に小径車輪が、後方側に大径車輪がそれぞれ左右一対に取り付けされ、前記車椅子連結部に前記車椅子が取り付けられると、前記搬送体の前方側が前記車椅子に支持され、前記小径車輪が地面から浮き上がって前記大径車輪のみの回転によって走行自在になる。
【0011】
前記車椅子連結部は、前記搬送体の左右の側端部に一対に設けられ、それぞれ下向きに突出した角部を有し、当該角部の角度が前記車椅子の前記座部及び前記背もたれ部が交わる角度に設定され、前記車椅子連結部に前記車椅子を取り付ける際、前記車椅子連結部の前記角部が前記車椅子の前記座部及び前記背もたれ部の側端部表面に当接して固定される構造にしてもよい。このとき、前記車椅子連結部が前記搬送体に着脱自在であることが好ましい。
【0012】
また、前記車椅子は、前記背もたれ部の背面に車体操作用のハンドルを左右一対に備えるものを使用し、前記車椅子連結部は、前端部側の前記握り部と前記ハンドルとを連結する連結具である構造にしてもよい。
【0013】
また、前記搬送体は、連結フレームによって連結された左右一対の横フレームと、その間に張架された柔軟なシートを有し、前記連結フレーム及び横フレームは、分解可能に組み立てられている。さらに、このシートは複数のシート材が積層されて成り、当該複数の前記シート材の内側に搬送物を収容可能な収容部が形成され、前記連結フレーム及び横フレームは、前記シートの前記収容部に収まる大きさに分解又は折り畳み可能な構造にしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
この発明の担架は、二人の介護者が搬送体を持ち上げて被介護者を搬送する通常の使用以外に、汎用の介護用等の車椅子に取り付けて使用し、車輪走行により一人の介護者で被介護者等を容易且つ安全に搬送することができる。特に、簡単に車椅子と組み合わせることができ、突然の災害に襲われた時等にも、車輪走行ができる担架を短時間のうちに用意することができる。さらに、車椅子の小径車輪を浮かせ大径車輪の回転のみで走行させる構造にすれば、足場の悪い場所でも被介護者を円滑に搬送することができ、例えば災害地に散乱した大きな石や瓦礫などの障害物を簡単に乗り越えて移動することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】この発明の担架の第一実施形態を示す斜視図である。
【図2】第一実施形態の担架の搬送体を示す平面図(a)、正面図(b)、横フレームの組立構造を示す模式図(c)である。
【図3】第一実施形態の担架に使用する車椅子連結部を示す正面図である。
【図4】第一実施形態の担架を示す正面図(a)、車椅子連結部と搬送体の取付構造を説明する模式図(b)である。
【図5】第一実施形態の担架に車椅子を取り付け、被介護者を載せて移動する様子を示す正面図である。
【図6】第一実施形態の担架に車椅子を取り付け、地面に置かれ停止している様子を示す正面図である。
【図7】この発明の担架の第二実施形態に車椅子を取り付け、被介護者を載せて移動する様子を示す正面図である。
【図8】第二実施形態の担架に車椅子を取り付け、搬送体の後端部が支持台の上面に置かれて停止している様子を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、この発明の担架の第一実施形態について、図1〜図6に基づいて説明する。この実施形態の担架10は、図1に示す状態で図示しない介護用等の車椅子に取り付けられ、車輪走行が可能になる。まず、車椅子を取り付ける前の担架10の構成について、図1〜図4に基づいて説明する。
【0017】
担架10は、被介護者が横臥可能な搬送体12を備えている。搬送体12は、図2に示すように、左右一対の横フレーム14が、前後方向に間隔を空けて配置された3つの連結フレーム16(前方から順に16a,16b,16c)と、形状の異なる連結フレーム17とを用いて固定され、横フレーム14同士の間にシート18が張架されたものである。そして、横フレーム14の前端部及び後端部に、二人の介護者がそれぞれ把持する握り部20,22が設けられている。
【0018】
横フレーム14は、例えばアルミ製のパイプ材等であり、ほぼ同じ長さの前方フレーム14aと後方フレーム14bに分解可能になっている。前方及び後方フレーム14a,14bは、例えば図2(c)に示すように、前方フレーム14aの雄状端部が後方フレーム14bの雌状端部の内側に挿入され、ボルト等の固定具24を用いて連結する構造が好適である。
【0019】
シート18は、略四角形の柔軟なシート材で構成され、左右両端の複数箇所が縫合されてリング状になっており、そのリング状部分18aの内側に組み立てられた横フレーム14が挿通される。
【0020】
連結フレーム16は、中央部分が真っ直ぐで両端部分がU字状に屈曲しており、その両端に、リング状部分18aに挿通された横フレーム14の露出した部分が固定されている。連結フレーム16の真っ直ぐな中央部分は、担架10を地面に置いたとき、搬送体12を水平に支持する脚部の働きをする。連結フレーム17は、対向する横フレーム14を最短に連結し、このフレーム構造体を補強している。
【0021】
握り部20は、一対の横フレーム14の前端部から真っ直ぐに延設され、握り部22は、一対の横フレーム14の後端部から延設され、途中で下向きに屈曲している。図2の握り部20,22の形状は一例であり、介護者が把持しやすいように適宜変更することができる。
【0022】
担架10は、図2の搬送体12の状態(後述する車椅子連結部26が取り付けられていない状態)で、二人の介護者で持ち上げて移動する通常の担架として使用することができる。
【0023】
さらに、この担架10には、図1に示すように、車椅子に連結するための一対の車椅子連結部26が着脱自在に取り付けられている。車椅子連結部26は、図3に示すように、中央部分が真っ直ぐでその両端部分がU字状に屈曲したU字状フレーム28と、細長い板の中央部分が直角よりもやや鈍角ぎみに折れ曲がったL字状板30とで構成され、U字状フレーム28の両端にL字状板30の両端が取り付けられ、L字状板30の角部が外向きに突出している。
【0024】
車椅子連結部26は、図4に示すように、搬送体12の下面側の中央部より前方にある連結フレーム16aと16bの間の位置であって、横フレーム14近傍の位置に、横フレーム14とほぼ平行に取り付けられる。ここでは、U字フレーム28の一方の屈曲部分が連結フレーム16aに、他方の屈曲部分が連結フレーム16bに、各々ボルト等の固定具32を用いて固定されている。
【0025】
次に、図1、図4(a)の担架10に車椅子34が連結された状態について、図5、図6に基づいて説明する。ここで使用される車椅子34は、広く普及している汎用の車椅子であり、前方に左右一対の小径車輪36が、後方に左右一対の大径車輪38がそれぞれ取り付けられた車体40を有し、車体40の上に座部42及び背もたれ部44が設けられている。座部42は、左右一対のフレームで成る側端部42aの間に布製のシート42bを張架して形成されている。背もたれ部44も同様に、左右一対のフレームで成る側端部44aの間に布製のシート44bを張架して形成されている。また、背もたれ部44の背面の上方部分に車体操作用のハンドル46が左右一対に設けられている。
【0026】
担架10の車椅子連結部26に車椅子34を取り付ける際は、車椅子連結部26のL字状板30の下向きに突出した角部の二面を、車椅子34の座部42の側端部42a及び背もたれ部44の側端部44aの表面に各々当接させ、その当接部分が離間しないように、図示しない固定ベルト等を用いてしっかり固定する。すると、図5に示すように、担架10の搬送体12の前方側が車椅子34に支持され、後方側が握り部22で地面に支持され、搬送体12が後方に傾斜した状態で安定化する。このとき、車椅子34は、座部42及び背もたれ部44の位置が車椅子連結部26の角部に追従するので、大径車輪38を軸にして後方に傾き、前方の小径車輪36が地面から浮き上がる。
【0027】
介護者M2が握り部22を把持して持ち上げると、図6に示すように、車椅子34の傾きが小さくなるが、小径車輪36は地面から高く浮き上がっている。従って、担架10は大径車輪38のみの回転によって走行することができるので、地面の凹凸があっても小径車輪36がぶつからず、大径車輪38で容易に乗り越えることができる。
【0028】
以上説明したように、この実施形態の担架10は、二人の介護者M2が搬送体12を持ち上げて被介護者M1を搬送する通常の使用以外に、汎用の車椅子34に取り付けて使用し、車輪走行により一人の介護者M2で搬送することができる。特に、後者の使用を行うに際し、病院その他の公共施設等で多く使用されている車椅子を利用することができ、かつ担架10と車椅子34との位置決め及び固定も容易なので、例えば、突然の災害に襲われた時でも、車輪走行ができる担架10を短時間のうちに用意することができる。さらに、図6に示すように、被介護者M1の重心位置が大径車輪38に近いので、2人で担架10の握り部20,22を保持した場合と比較して、介護者M2に掛かる荷重が小さい。しかも被介護者M1の重心位置より僅かに頭部寄りの下方に大径車輪38が位置しているので、被介護者M1の荷重は、大径車輪38の車軸の鉛直方向上方で、大径車輪38を中心に左右にモーメントとして作用し、介護者M2に掛かる被介護者M1の荷重を大幅に軽減する。
【0029】
また、車輪走行可能な状態の担架10は、車椅子34の小径車輪36が浮き上がったまま大径車輪38の回転のみで走行するので、災害地に散乱した大きな石や瓦礫などの障害物を簡単に乗り越えて移動することができる。
【0030】
また、担架10の搬送体12は分解可能なので、車椅子34を取り外した後、各パーツ単位に分解してコンパクトに保管することができる。
【0031】
次に、この発明の担架の第二実施形態について、図7、図8に基づいて説明する。ここで、上記実施形態の担架10と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。この実施形態の担架48は、図7に示すように、車椅子34に取り付けられて車輪走行が可能になる。
【0032】
担架48は、被介護者M1が横臥可能な搬送体50を備えている。搬送体50は、図2の搬送体12よりも構造が簡単で安価な搬送体であり、搬送体12の構成から連結フレーム16,17を削除し、後方の握り部22の形状が若干変更されたものである。担架48は、搬送体50の状態(後述する車椅子連結部52が取り付けられていない状態)で、二人の介護者で持ち上げて移動する通常の担架として使用することができる。
【0033】
さらに、この担架48には、車椅子34に連結可能にするための一対の車椅子連結部52が取り付けられている。車椅子連結部52は、上方部分に第一固定部52aが、下方部分に第二固定部52bが設けられた部材であり、図7に示すように、第一固定部52aの内側に搬送体50の握り部20を差し込むようにして固定されている。
【0034】
担架48に車椅子34を連結するときは、車椅子連結部52の第二固定部52bに車椅子34のハンドル46を差し込むようにして固定し、搬送体50の前方側が車椅子34に支持される状態にする。このとき、車椅子連結部52の第一及び第二固定部52a,52bの差し込み角度の設定により、車椅子34の座部42及び背もたれ部44が大径車輪38を軸にして後方に傾き、前方の小径車輪36が地面から浮き上がる。従って、担架48も上記の担架10と同様に、大径車輪38のみの回転によって走行することができ、地面に凹凸があっても小径車輪36がぶつからず、大径車輪38で容易に乗り越えることができる。
【0035】
被介護者M1を目的地に移送した後、搬送体50をベッドのように略水平な状態に安定化したいときは、図8に示すように、搬送体50の後方側の握り部22を適宜な高さの支持台54の上面で支持すればよい。
【0036】
以上説明したように、第二実施形態の担架48は、非常に外形の小さい車椅子連結部52を用いて、上記の担架10と同様の作用効果を得ることができる。しかも、搬送体の形態にかかわらず使用することができ、上記の搬送体12に使用することも可能である。ただし、この構造は、上記の担架10と比較すると、車椅子34に連結して使用されたときに車椅子連結部52に応力が集中しやすい傾向がある。従って、車椅子連結部52を耐久性に優れた材料で製作し、握り部20及びハンドル46の位置関係をしっかりと保持する構造の第一及び第二固定部52a,52bを設けることに留意する。
【0037】
なお、この発明の担架は上記実施形態に限定されるものではない。上記の担架10,48の場合、足場の悪い災害地等で使用されることが想定され、車椅子を連結したときに小径車輪が浮き上がるように車椅子連結部の形状が設定されている。しかし、病院内での使用が想定されるときは、車椅子連結部の形状を変更し、小径車輪が地面に付いて転がるようにすることができる。病院では、車椅子に座れない患者を移送する際、通常、四輪式のストレッチャが使用される。しかし、救急車による救急患者の搬入が集中してストレッチャが足りなくなったり、個々の救急患者に付き添う人手が確保できなくなったりする事態が考えられ、この発明の担架があれば非常に便利である。病院内は床が平坦なので、障害物が小径車輪にぶつかる心配がなく、小径車輪を地面から浮かせる必要はない。従って、小径車輪も大径車輪と同様に地面を転がるように車椅子連結部の形状を設定することができる。
【0038】
また、この発明の担架は、搬送体の形態について特別な制限はなく、自由に変更することができる。例えば、柔らかいシートに代えて、矩形の板材にクッション材を付設したようなものを使用してもよい。また、災害地等で使用される場合、上記の担架10,48のシート18として、防水性を有した破れにくい合成樹脂製のシート材を用いることが望ましい。さらに、そのシート材を複数重ねてシート18を形成し、重ねたシート18の間に収容部を形成すれば、担架の使用後、分解したフレーム14や連結フレーム16等を収容部に入れて保管するのに便利である。また、一枚物のシート18にポケット等の収容部を取り付け、被介護者の所持品やその他物品を収納し搬送できるようにしてもよい。
【0039】
また、この担架は、大人用、子供用など、被介護者の身長や体重に合わせ、各フレーム等のサイズ、素材、構造は適宜設定することができる。
【符号の説明】
【0040】
10,48 担架
12,50 搬送体
14 横フレーム
14a 前方フレーム
14b 後方フレーム
16(16a,16b,16c),17 連結フレーム
18 シート
18a リング状部分
20,22 握り部
24,32 固定具
26 車椅子連結部
28 U字状フレーム
30 L字状板
34 車椅子
36 小径車輪
38 大径車輪
40 車体
42 座部
42a 側端部
42b シート
44 背もたれ部
44a 側端部
44b シート
46 ハンドル
52 車椅子連結部
52a 第一固定部
52b 第二固定部
M1 被介護者
M2 介護者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被介護者が横臥可能な搬送体を有し、その前端部及び後端部に介護者が把持する握り部が設けられた担架において、
前記搬送体の下面側の中央部より前方のいずれかの位置に取り付けられ、左右一対の車輪が前後に取り付けられた車体上に座部及び背もたれ部が設けられた車椅子の部分を着脱自在に固定する車椅子連結部を備え、
前記車椅子連結部に前記車椅子が取り付けられると、前記搬送体の前方側が前記車椅子に支持され前記車輪の回転によって走行自在になり、前記介護者が前記後端部の前記握り部を把持することによって移動可能になることを特徴とする担架。
【請求項2】
前記車椅子は、前記車体の前方側に小径車輪が、後方側に大径車輪がそれぞれ左右一対に取り付けされ、
前記車椅子連結部に前記車椅子が取り付けられると、前記搬送体の前方側が前記車椅子に支持され、前記小径車輪が地面から浮き上がって前記大径車輪のみの回転によって走行自在になる請求項1記載の担架。
【請求項3】
前記車椅子連結部は、前記搬送体の左右の側端部に一対に設けられ、それぞれ下向きに突出した角部を有し、当該角部の角度が前記車椅子の前記座部及び前記背もたれ部が交わる角度に設定され、
前記車椅子連結部に前記車椅子を取り付ける際、前記車椅子連結部の前記角部が前記車椅子の前記座部及び前記背もたれ部の側端部表面に当接して固定される請求項1又は2記載の担架。
【請求項4】
前記車椅子連結部が前記搬送体に着脱自在である請求項3記載の担架。
【請求項5】
前記車椅子は、前記背もたれ部の背面に車体操作用のハンドルを左右一対に備え、
前記車椅子連結部は、前端部側の前記握り部と前記ハンドルとを連結する連結具である請求項1又は2記載の担架。
【請求項6】
前記搬送体は、連結フレームによって連結された左右一対の横フレームと、その間に張架された柔軟なシートを有し、
前記連結フレーム及び横フレームは、分解可能に組み立てられている請求項1乃至5のいずれか記載の担架。
【請求項7】
前記シートは複数のシート材が積層されて成り、当該複数の前記シート材の内側に搬送物を収容可能な収容部が形成され、
前記連結フレーム及び横フレームは、前記シートの前記収容部に収まる大きさに分解又は折り畳み可能である請求項6記載の担架。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−48677(P2013−48677A)
【公開日】平成25年3月14日(2013.3.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−187377(P2011−187377)
【出願日】平成23年8月30日(2011.8.30)
【出願人】(596004772)カナヤママシナリー株式会社 (7)