拡張可能な外科用アクセスデバイス
【課題】外科手術部位へのアクセスを容易にするためのアクセスデバイスを提供すること。
【解決手段】本願のアクセスデバイスは、アクセス部材を備え、アクセス部材は、長手方向軸を規定し、近位端および遠位端を有する。アクセス部材は、内側部材、および内側部材の周りに配置される外側部材を備える。内側部材は、この部材を通る開口部を規定し、外科手術部位へのアクセスを可能にし、外側部材に対して運動可能である。アクセスデバイスは、内側部材および外側部材に付随する、展開部材を備える。展開部材は、外側部材に対する内側部材の運動の際に、長手方向軸に対して少なくとも半径方向外向きの方向に展開され、これによって、身体組織に係合し、患者の身体内でのアクセス部材の保持を容易にするように適合される。展開部材は、カラーを備え、カラーは、第一の端部にて、内側部材と係合し、第二の端部にて、外側部材と係合する。
【解決手段】本願のアクセスデバイスは、アクセス部材を備え、アクセス部材は、長手方向軸を規定し、近位端および遠位端を有する。アクセス部材は、内側部材、および内側部材の周りに配置される外側部材を備える。内側部材は、この部材を通る開口部を規定し、外科手術部位へのアクセスを可能にし、外側部材に対して運動可能である。アクセスデバイスは、内側部材および外側部材に付随する、展開部材を備える。展開部材は、外側部材に対する内側部材の運動の際に、長手方向軸に対して少なくとも半径方向外向きの方向に展開され、これによって、身体組織に係合し、患者の身体内でのアクセス部材の保持を容易にするように適合される。展開部材は、カラーを備え、カラーは、第一の端部にて、内側部材と係合し、第二の端部にて、外側部材と係合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2003年10月17日に出願された、米国仮特許出願番号60/512,389(その全内容は、本明細書中に参考として援用される)の優先権の利益を主張する。
【0002】
(背景)
(1.技術分野)
本開示は、一般に、外科手術用アクセスデバイスに関し、そして具体的には、腹壁をしっかりと係合し、これによって、このアクセスデバイスが組織部位から不注意で外れる可能性を最小にするアンカー配置を有する、アクセスデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
(2.関連技術の背景)
最小侵襲性外科手術手順(内視鏡手順と腹腔鏡手順との両方が挙げられる)は、外科手術が、組織内の開口部から遠く離れた器官、組織および脈管に対して実施されることを可能にする。これらの手順は、代表的に、カニューレを通して身体内に導入される、外科手術器具を使用する。このカニューレは、組織部以内の下にある組織へのアクセスを提供する。このカニューレは、しばしば、この器具の周囲に流体密なシールを提供して、体腔からの吹き込みガスの漏出を最小にするように適合された、シールアセンブリを組み込む。
【0004】
最小侵襲性外科手術手順は、外科手術において非常に有効であることが示されているが、数個の欠点が残っている。このカニューレは、特に、カニューレシールを通して器具を操作する間に、腹壁における切開部から戻る傾向を有し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要旨)
従って、本開示は、外科手術部位へのアクセスを容易にするためのアクセスデバイスに関する。このアクセスデバイスは、アクセス部材を備え、このアクセス部材は、長手方向軸を規定し、そして近位端および遠位端を有する。このアクセス部材は、内側部材、およびこの内側部材の周りに配置された外側部材を備える。この内側部材は、開口部を規定し、この開口部を通して、外科手術部位へのアクセスを可能にする。この内側部材および外側部材は、互いに対して相対的に運動可能である。このアクセスデバイスはまた、この内側部材およびこの外側部材に付随する、展開部材を備える。この展開部材は、この内側部材と外側部材との互いに対する運動の際に、長手方向軸に対して少なくとも半径方向外向きの方向に展開され、これによって、身体組織を係合し、そして患者の身体内でのこのアクセス部材の保持を容易にするように、位置決めされる。この展開部材は、展開カラーを備え、この展開カラーは、このカラーの第一の端部において、内側部材に係合し、そしてこのカラーの第二の端部において、外側部材に係合する。
【0006】
このカラーは、望ましくは、この内側部材の遠位端に隣接して配置される。特定の実施形態において、このカラーは、この内側部材とこの外側部材との間に配置される。
【0007】
この展開部材は、好ましくは、少なくとも1つの展開セグメントを備え、この展開セグメントは、この長手方向軸に対して少なくとも半径方向外向きの方向に曲がるように適合される。この少なくとも1つの展開セグメントは、少なくとも1つのヒンジを備え得、これによって、この展開セグメントは、このヒンジに沿って旋回し、少なくとも半径方向外向きの方向に曲がる。特定の実施形態において、この少なくとも1つの展開セグメントは、複数の屈曲可能なセグメントを備え、これらの屈曲可能なセグメントは、この内側部材と外側部材との、互いに対する軸方向での運動の際に、半径方向外向きの方向に曲がるように配置される。
【0008】
特定の実施形態において、上記外側部材は、その外壁部分において、軸方向スロットを規定し、上記少なくとも1つの展開セグメントは、この外側部材の内側に配置され、そしてこの軸方向スロットは、この少なくとも1つの展開セグメントの屈曲可能なセグメントが、その展開の際に、このスロットを通過することを可能にする。
【0009】
この外側部材は、望ましくは、少なくとも1つのねじ部を、その外側表面に備え、ここで、少なくとも1つのねじ部は、組織を係合し、そしてこの装置を組織内に保持するように上記展開部材と協働するための寸法にされる。この少なくとも1つのねじ部は、この外側部材の外側表面の周りに、途切れた様式で配置された、複数のねじ部を備え得る。
【0010】
特定の実施形態において、このアクセス装置は、上記内側部材または外側部材と作動的に係合する、カム部材をさらに備える。このカム部材は、この内側部材または外側部材を軸方向に駆動して、少なくとも1つの展開セグメントの展開を引き起こすように、運動可能である。このカム部材は、望ましくは、回転運動のために適合される。特定の実施形態において、このカム部材は、内側部材の近位端に取り付けられた内側ハウジング、および外側部材の近位端に取り付けられた外側ハウジングと作動的に係合し、これによって、このカム部材の回転運動は、これらの内側部材および外側部材の、互いに対する、軸方向での運動、ならびに少なくとも1つの展開セグメントの展開を、引き起こす。望ましくは、この内側ハウジングと外側ハウジングとのうちの少なくとも一方は、カムスロットを備え、そして上記カム部材は、このカムスロット内に作動的に係合して、展開手段の展開を引き起こす。このカム部材は、この内側ハウジングに回転可能に取り付けられ得、そしてこの外側ハウジングは、カムスロットを有し得、その結果、このカム部材の回転は、この外側部材を遠位方向に前進させる。
【0011】
特定の実施形態において、このアクセス装置は、レバーを有するレバー機構を備え、このレバーは、上記内側部材に回転可能に設置され、そして上記外側部材と作動的に係合している。このレバー機構は、望ましくは、この外側部材を駆動して、上記展開部材の展開を引き起こすように、回転可能である。
【0012】
特定の実施形態において、このアクセス装置は、回転可能な制御ノブを備え、この制御ノブは、上記内側部材に回転可能に設置され、そして上記外側部材と作動的に係合する。このレバー部材は、望ましくは、外側部材を駆動して、展開手段の展開を引き起こすように、回転可能である。上記カラーは、内側部材の外側に配置され得る。
【0013】
特定の実施形態において、上記展開カラーは、タブを備え、そして上記外側部材は、スロットを備える。これらのタブは、これらのスロット内に受容される。この装置は、凹部を有するロッキングカラーを備え得、この凹部は、この展開カラーの遠位端を係合するためのものである。このロッキングカラーは、上記内側部材に取り付けられる。
【0014】
本発明のさらなる局面において、外科手術部位へのアクセスを容易にするためのアクセス装置は、アクセス部材を備え、このアクセス部材は、長手方向軸を規定し、そして内側部材、およびこの内側部材の周りに配置される外側部材を有する。この内側部材は、開口部を規定し、この開口部を通して、外科手術部位へのアクセスを可能にする。この内側部材とこの外側部材とは、互いに対して、軸方向で運動可能である。この装置は、近位端および遠位端を有するカラーを備え、この近位端は、この外側部材に取り付けられ、そしてこの遠位端は、この内側部材に取り付けられる。このカラーは、展開セグメントを有し、これらの展開セグメントは、この内側部材と外側部材との、互いに対する運動の際に、半径方向外向きの方向に曲がるように配置されている。カム部材が、この内側部材と外側部材とのうちの一方の表面に係合するために、この内側部材と外側部材のうちの他方に取り付けられており、これによって、この内側部材または外側部材の回転が、この内側部材と外側部材とを、互いに対して軸方向に運動させる。
【0015】
この内側部材は、望ましくは、カラーの遠位端を係合するための溝を有する。上記展開セグメントは、近位ヒンジおよび遠位ヒンジを有し得、そしてこれらの展開セグメントの中心領域において、外向きに屈曲するように配置され得る。これらの展開セグメントは、これらの展開セグメントの中心領域で、外向きに屈曲するように配置され得る。これらの展開セグメントは、その中心領域に、第三のヒンジを有し得る。
【0016】
特定の実施形態において、上記カラーは、上記外側部材の内側に配置され、そしてこの外側部材は、軸方向スロットを規定する。上記展開セグメントは、展開後、この軸方向スロットを通って延び得る。
【0017】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、そして本明細書の一部を構成し、上に与えられた本開示の一般的な開示と、以下に与えられる実施形態の詳細な説明と一緒に、本開示の実施形態を説明し、本開示の原理を説明する役に立つ。
(項目1)
外科手術部位へのアクセスを容易にするためのアクセス装置であって:
アクセス部材であって、該アクセス部材は、長手方向軸を規定し、そして近位端および遠位端を有し、該アクセス部材は、内側部材および該内側部材の周りに配置される外側部材を備え、該内側部材は、開口部を規定し、該開口部を通して、外科手術部位へのアクセスを可能にし、該内側部材と該外側部材とは、互いに対して運動可能である、アクセス部材;ならびに
該内側部材および該外側部材に付随する展開部材であって、該展開部材は、該内側部材と該外側部材との互いに対する運動の際に、該長手方向軸に対して、少なくとも半径方向外向きの方向で展開され、これによって、患者の身体内での該アクセス部材の保持を容易にするために身体組織を係合するために位置決めされるように適合されている、展開部材、
を備え、
該展開部材は、展開カラーを備え、該展開カラーは、該カラーの第一の端部において、該内側部材と係合し、そして該カラーの第二の端部において、該外側部材と係合している、アクセス装置。
(項目2)
上記カラーが、上記内側部材の遠位端に隣接して配置されている、項目1に記載のアクセス装置。
(項目3)
上記カラーが、上記内側部材と上記外側部材との間に配置されている、項目2に記載のアクセス装置。
(項目4)
上記展開部材が、少なくとも1つの展開セグメントを備え、該展開セグメントは、上記長手方向軸に対して少なくとも半径方向外向きの方向で曲がるように適合されている、項目1に記載のアクセス装置。
(項目5)
上記少なくとも1つの展開セグメントが、少なくとも1つのヒンジを備え、該ヒンジによって、該展開セグメントは、該ヒンジに沿って旋回し、少なくとも半径方向外向きの方向に曲がる、項目4に記載のアクセス装置。
(項目6)
上記少なくとも1つの展開セグメントが、複数の屈曲可能なセグメントを備え、該屈曲可能なセグメントは、上記内側部材と上記外側部材との、軸方向での互いに対する運動の際に、半径方向外向きの方向に曲がるように配置されている、項目4に記載のアクセス装置。
(項目7)
上記外側部材が、該外側部材の外壁部分に、軸方向スロットを規定し、上記少なくとも1つの展開セグメントが、該外側部材の内側に配置されており、該軸方向スロットは、該少なくとも1つの展開セグメントの屈曲可能なセグメントが、該セグメントの展開の際に、該スロットを通過することを可能にする、項目6に記載のアクセス装置。
(項目8)
上記外側部材が、該外側部材の外側表面に、少なくとも1つのねじ部を備え、該少なくとも1つのねじ部が、組織を係合し、そして組織内に上記装置を保持するように上記展開部材と協働するための寸法にされている、項目1に記載のアクセス装置。
(項目9)
上記少なくとも1つのねじ部分が、上記外側部材の外側表面の周りで途切れた様式で配置された複数のねじ部を備える、項目8に記載のアクセス装置。
(項目10)
カム部材をさらに備え、該カム部材は、上記内側部材と外側部材とのうちの一方と作動的に係合しており、該カム部材は、該内側部材と該外側部材とのうちの一方を軸方向に駆動して、上記少なくとも1つの展開セグメントの展開を引き起こすように可動である、項目4に記載の装置。
(項目11)
上記カム部材が、回転運動のために適合されている、項目10に記載のアクセス装置。
(項目12)
上記カム部材が、上記内側部材の近位端に取り付けられた内側ハウジングと、上記外側部材に取り付けられた外側ハウジングとに、作動的に係合しており、これによって、該カム部材の回転運動が、該内側部材と該外側部材との、軸方向での互いに対する運動、および上記少なくとも1つの展開部材の展開を引き起こす、項目11に記載のアクセス装置。
(項目13)
上記内側ハウジングおよび上記外側ハウジングのうちの少なくとも1つが、カムスロットを備え、上記カム部材は、該カムスロットと作動的に係合して、上記展開部材の展開を引き起こす、項目12に記載のアクセス装置。
(項目14)
上記カム部材は、上記内側ハウジングに回転可能に取り付けられており、上記外側ハウジングは、上記カムスロットを有し、その結果、該カム部材の回転が、該外側部材を、該内側部材に対して遠位方向へと前進させる、項目13に記載のアクセス装置。
(項目15)
レバー機構をさらに備え、該レバー機構は、レバーを備え、該レバーは、上記内側部材に回転可能に設置されており、そして上記外側部材と作動的に係合しており、該レバー部材は、該外側部材を駆動して、上記展開部材の展開を引き起こすように回転可能である、項目1に記載のアクセス装置。
(項目16)
回転可能な制御ノブをさらに備え、該制御ノブは、上記内側部材に回転可能に設置されており、そして上記外側部材と作動的に係合しており、上記レバー部材は、該外側部材を駆動して、上記展開手段の展開を引き起こすように回転可能である、項目1に記載のアクセス装置。
(項目17)
上記カラーが、上記内側部材の外側に配置されている、項目1に記載のアクセス装置。
(項目18)
上記展開カラーが、タブを備え、そして上記外側部材が、スロットを備え、該タブは、該スロット内に受容される、項目1に記載のアクセス装置。
(項目19)
ロッキングカラーをさらに備え、該ロッキングカラーは、上記展開カラーの遠位端を係合するための凹部を有し、該ロッキングカラーは、上記内側部材に取り付けられている、項目18に記載のアクセス装置。
(項目20)
外科手術部位へのアクセスを容易にするためのアクセス装置であって:
アクセス部材であって、該アクセス部材は、長手方向軸を規定し、そして内側部材、および該内側部材の周りに配置される外側部材を有し、該内側部材は、開口部を規定し、該開口部を通して、外科手術部位へのアクセスを可能にし、該内側部材と該外側部材とは、軸方向で、互いに対して運動可能である、アクセス部材;ならびに
カラーであって、該カラーは、近位端および遠位端を有し、該近位端は、該外側部材に取り付けられており、そして該遠位端は、該内側部材に取り付けられており、該カラーは、展開セグメントを有し、該展開セグメントは、該内側部材と該外側部材との、互いに対する運動の際に、半径方向外向きの方向に曲がるように配置されている、カラー;ならびに
カム部材であって、該カム部材は、該内側部材と該外側部材のうちの一方の表面を係合するために、該内側部材と該外側部材とのうちの他方に取り付けられており、その結果、該内側部材または該外側部材の回転が、該内側部材と該外側部材とを、互いに対して軸方向で移動させる、カム部材、
を備える、アクセス装置。
(項目21)
上記内側部材が、上記カラーの遠位端を係合するための溝を有する、項目20に記載のアクセス装置。
(項目22)
上記展開セグメントが、近位ヒンジおよび遠位ヒンジを有し、そして該展開セグメントの中心領域において外向きに湾曲するように配置されている、項目20に記載のアクセス装置。
(項目23)
上記展開セグメントが、近位ヒンジおよび遠位ヒンジを有し、そして上記展開セグメントの中心領域において外向きに湾曲するように配置されている、項目22に記載のアクセス装置。
(項目24)
上記展開セグメントが、上記中心領域において第三のヒンジを有する、項目23に記載のアクセス装置。
(項目25)
上記カラーが、上記外側部材の内側に配置されており、そして該外側部材が、軸方向スロットを規定し、上記展開セグメントは、展開後、該軸方向スロットを通って延びる、項目20に記載のアクセス装置。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本開示の実施形態に従う装置の斜視図である。
【図1A】図1Aは、図1の実施形態に従う装置の遠位端の拡大斜視図である。
【図2】図2は、図1および図1Aの実施形態に従う装置の別の斜視図である。
【図3】図3は、トロカールが設置された、図1〜2の実施形態に従う装置の斜視図である。
【図4】図4は、部品が分解されて示されて種々の構成要素を説明する、図1〜3の実施形態に従う装置の拡大分解図である。
【図5】図5は、図1〜4の実施形態に従う装置の展開部材の拡大斜視図である。
【図6】図6は、図1〜5の実施形態に従う装置の外側シースの拡大斜視図である。
【図7】図7は、図1〜6の実施形態に従う装置の断面図である。
【図8】図8は、図1〜7の実施形態に従う装置の遠位端の拡大断面図である。
【図9】図9は、図1〜8の実施形態に従う装置内に位置決めされて組織に貫入しているトロカールを示す、この装置を図示する断面図である。
【図10】図10は、展開部材を展開状態で図示する、図1〜9の実施形態に従う断面図である。
【図11】図11は、展開部材と、図1〜10に従う装置の内側シースおよび外側シースとの関係をさらに図示する、この装置の遠位端の、取り出された拡大断面図である。
【図12】図12は、展開状態にある展開部材をさらに図示する、図1〜11の実施形態に従う装置の斜視図である。
【図13】図13は、下にある体腔へのアクセスを可能にするためにトロカールが取り外されたところを示す、図1〜12の実施形態に従う装置の断面図である。
【図14】図14は、本開示の別の実施形態に従う装置の斜視図である。
【図15】図15は、図14の線15−15に沿って見た、この装置の断面図である。
【図16】図16は、部品が分解された、図14〜15の実施形態に従う装置の分解図である。
【図16A】図16Aは、図14〜16に従う内側シースのロッキング溝の、取り出された拡大図である。
【図16B】図16Bは、図14〜16Aの実施形態に従う展開部材のロッキングタブを示す、取り外された拡大図である。
【図17】図17は、図14〜16Bの実施形態に従う装置の断面図である。
【図17A】図17Aは、カム部材と、内側部材のハウジングとの関係を図示する、図14〜17の実施形態に従う装置の拡大断面図である。
【図18】図18は、図14〜17Aの実施形態に従う装置の外側部材の基部の側面斜視図である。
【図18A】図18Aは、図14〜18の実施形態に従う基部のさらなる細部を示す拡大図である。
【図19】図19は、図14〜18Aの実施形態に従うカム部材の斜視図である。
【図19A】図19Aは、図14〜19の実施形態に従うカム部材のさらなる細部を図示する拡大図である。
【図20】図20は、図14〜19Aの実施形態に従う装置の近位端の斜視図である。
【図21】図21は、図20の線21−21に沿って見た、装置の断面図である。
【図22】図22は、内側部材への外側部材の設置前の、図20の図と類似の斜視図である。
【図23】図23は、図14〜22の実施形態に従う装置の遠位端の拡大断面図である。
【図24】図24は、展開部材を展開するために起動されたカム部材を図示する、図15の図と類似の図である。
【図25】図25は、カム部材の起動の際の外側部材の前進を図示する、図14〜24の実施形態に従う装置の側面図である。
【図26】図26は、展開部材が完全に展開されたところを図示する、図14〜25の実施形態に従う装置の断面図である。
【図27】図27は、展開状態にある展開部材をさらに図示する、図14〜26の実施形態に従う装置の斜視図である。
【図28】図28は、身体組織内に展開された装置を示す、図14〜27の実施形態に従う装置の断面図である。
【図29】図29は、本開示の別の代替の実施形態の図である。
【図30】図30は、本開示の別の代替の実施形態の図である。
【図31】図31は、本開示の別の代替の実施形態の図である。
【図32】図32は、本開示の別の代替の実施形態の図である。
【図33】図33は、本開示のなお別の実施形態の図である。
【図34】図34は、本開示のなお別の実施形態の図である。
【図35】図35は、本開示のなお別の実施形態の図である。
【図36】図36は、本開示のなお別の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本開示の装置の好ましい実施形態が、ここで、図面を参照して詳細に説明される。図において、同じ参照番号は、いくつかの図にわたって、類似かまたは同じ要素を同定する。本明細書中で使用される場合、用語「遠位」とは、使用者から遠い方の部分をいい、一方で、用語「近位」とは、使用者に最も近い部分をいう。
【0020】
最初に図1〜3を参照すると、本開示の実施形態に従う装置が図示されている。装置10は、身体組織(特に、体腔)へのアクセスを可能にし、この装置を通して、種々の外科手術手順をこの腔内の内臓に対して実施するための物体を導入することを可能にすることを意図される。この物体は、外科手術用器具(例えば、腹腔鏡または内視鏡用のクリップアプライア、ステープラ、鉗子、解剖具、牽引子、電気外科デバイスなど)であり得る。あるいは、この物体は、例えば、手が身体(例えば、腹腔)内に導入されて、必要とされる外科手術において直接補助する手順の間に使用される場合、外科医の腕または手であり得る。装置10は、展開の際にこの装置を身体組織内に固定し、これによって、この装置がその位置から意図されずに展開される可能性を最小にする機構を備える。
【0021】
図1〜3と組み合わせて、図4を参照すると、装置10は、一般に、3つの構成要素(すなわち、第一の部材、すなわち内側部材12、長手方向軸「a」の周りでこの内側部材12に対して同軸に設置された第二の部材、すなわち外側部材14、ならびに内側部材12の遠位端および外側部材14の遠位端に隣接する展開部材16)を備える。内側部材12は、ハウジング18、およびハウジング18から遠位に延びる内側シース20を備える。同様に、外側部材14は、基部22、および基部22から延びる外側シース24を備える。装置10の組み立てられた状態において、内側部材12は、ハウジング18が基部22の内部にあり、そして内側シース20が外側シース24の内部に位置決めされた状態で、外側部材14の内部に配置される。エラストマーシール26が、基部22の内部に位置決めされ、基部22とハウジング18との間の界面を密封し得る。内側部材12は、外側部材14に対して軸方向に移動可能であり、本明細書中以下に提供される説明から理解されるように、展開部材16を展開する。
【0022】
外側部材14の基部22は、その近位表面23において、スカラップ状の配置を有する。この配置は、一連の起伏部または相互接続されたロッキング凹部28によって、規定される。基部22は、1対の正反対の側にある細長いくぼみ30をさらに備え、これらのくぼみもまた、近位表面にある。内側部材12のハウジング18は、その外側表面から半径方向外向きに延びるボス32(図3)を備える。ボス32は、基部22のロッキング凹部28のうちの1つの内部に受容されて、展開部材16を展開位置にロックするように適合されている。ハウジング18は、ボス32の正反対の側にある関係で、送気ポート34をさらに備える。送気ポート34は、ネック36を規定し、このネックもまた、ロッキング凹部28のうちの1つに受容されて、展開部材16の展開位置での保持を容易にするような、対応する寸法にされる。送気ポート34は、身体内への流体の通過(例えば、腹腔への送気)を可能にする。
【0023】
内側部材12の内側シース20は、管様の要素であり、そして従来の手段(接着剤、セメント、溶接および当該分野において公知の任意の他の方法が挙げられる)によって、ハウジング18に固定される。あるいは、内側シース20およびハウジング18は、単一のユニットとして、モノリシックに形成され得る。外側シース24もまた、管様であり、そして基部22に対する外側シース24の回転運動および軸方向運動を可能にするように、設置される。外側シース24は、外側シース25の外側表面23上に、途切れたねじ切りされた構成を規定し、この構成は、一連の部分ねじ山38を有し、これらのねじ山は、回転運動を介して装置10を外科手術部位内に前進させる際、またはこの装置を組織内に保持する際に、補助する。図6に最もよく示されるように、外側シース24はまた、長手軸方向に延びる複数の軸方向スロット40を、シース24の遠位端に隣接して備え、これらのスロットは、外側シース24の長手軸方向で、シース24を通って延びる。対応するロッキングスロット42が、外側シース24に、各軸方向スロット40に隣接して、軸方向スロット40の近位に形成される。軸方向スロット40およびロッキングスロット42は、協働して、展開部材16を設置し、そして展開部材16が、展開位置を呈することを可能にする。
【0024】
外側シースに形成されたねじ山は、1つ以上の連続するねじ山、または途切れたねじ山を、外側シース24上に備え得る。さらなる実施形態において、これらのねじ山は、外側シース上に形成される、1つ以上の突出部を備えるか、または省略され得る。
【0025】
内側部材12および外側部材14の構成要素は、任意の適切な剛性の生体適合性材料(例えば、ステンレス鋼、チタン、アルミニウムまたはポリマー材料(アクリル、スチレン、カーボネートおよびこれらのポリマーが挙げられる)が挙げられる)から形成され得る。任意の適切な医療等級の材料が、使用され得る。内側部材12および外側部材14は、全体的にかまたは部分的に、不透明であっても透明であってもよい。
【0026】
ここで図1Aおよび図4〜6を参照して、展開部材16が議論される。展開部材16は、展開手段の一部であり、この展開手段は、装置10を組織部位内に固定する。展開部材16は、展開カラー44を備え、この展開カラーは、図5において、斜視図で示される。展開カラー44は、第一のリング46および第二のリング48を、カラー44のそれぞれ近位端および遠位端に備え、これらのリングは、複数の展開セグメントまたはタブ50によって、相互接続される。展開セグメント50は、カラー44の周りで半径方向に間隔を空けており、そして開口部45を規定する。4つのセグメント50が示されているが、セグメント50の数は、4つより多くても少なくてもよい。展開セグメント50は、各々、軸方向に間隔を空けた複数のヒンジ線または接合部52を規定する。第一の対のヒンジ接合部52a、52bは、それぞれ、第一のリング46および第二のリング48に隣接して配置され、そして第三のヒンジ接合部52cは、展開セグメント50のおよそ中心点に配置される。展開セグメント50は、展開部材16の起動の際に、ヒンジ接合部52に沿って、半径方向外向きの位置へとたわみ、装置10を、体腔の組織内に固定する(図10を参照のこと)。さらなる実施形態において、第三のヒンジ接合部52cは、省略され得る。展開セグメント50は、第三のヒンジ接合部52cなしで、およそ中心点で屈曲し得る。
【0027】
図1Aおよび図4〜8の参照を続けて、展開カラー44は、内側シース20および外側シース24に、以下の様式で設置される。第一のリング46および第二のリング48は、各々、複数の近位タブおよび遠位タブ54を備え、これらのタブは、それらのそれぞれの周囲の周りで等距離で配置され、そしてリング46、48から外向きに延びる。近位タブ54aは、外側シース24のロッキングスロット42内に受容されるような、対応する寸法および配置にされており、第一のリング46を、外側シース24に対して固定する。この配置を用いて、展開セグメント50は、外側シース24の軸方向スロット40と整列し、これによって、展開セグメント50が、展開の間、軸方向スロット40を通って半径方向に屈曲することを可能にする。1つの好ましい実施形態において、内側シース20は、その遠位端に設置されたロッキングカラー56を備える。ロッキングカラー56は、好ましくは、内部環状凹部58を備え、この凹部は、図8に図示されるように、内側シース20の遠位端を収容する。内側シース20は、内部環状凹部58に隣接して、従来の手段(接着剤の使用、溶接、または当該分野において公知の他の任意の方法が挙げられる)によって、ロッキングカラー56に固定される。ロッキングカラー56は、面取りされた端部60をさらに規定し、この端部は、外側シースの遠位端から延びる。面取りされた端部60は、装置10の、組織内への挿入を容易にする。ロッキングカラー56の近位端は、展開カラー44の第二のリング48に当接する。従って、内側シース20が外側シース24に対して引き込まれるにつれて、ロッキングカラー56は、第二のリング48を、強制的に、対応する近位方向または引き込み方向にする。このような運動は、展開セグメント50を、ヒンジ接合部52に沿って外向きにたわませ、展開状態にする。遠位タブ54bは、引き込み運動の間、外側シース24の軸方向スロット40内に入る。
【0028】
さらなる実施形態において、展開手段は、拡張可能な膜、または膨張可能なスポンジを、その内側シース、外側シース、またはこの内側シースおよび/もしくは外側シースに付随するカラーに備える。さらなる実施形態において、展開セグメント50は、外側シース24上に提供され得る。さらなる実施形態において、この展開手段は、内側シース20と一体的に形成される。
【0029】
装置10の操作が、ここで議論される。腹腔鏡外科手順において、腹腔は、送気されて、腔壁を上昇させ、その内部の組織および器官へのより大きいアクセスを提供する。図9を参照すると、トロカール100は、装置10の内部に配置され、そして前進して、遠位の貫入先端102を組織内に伸長させる。トロカール100は、当該分野において通常であるように、腹壁を穿刺するために使用される。次いで、このトロカールは、所望であれば、取り外され得る。その後、内側部材12が、外側部材14に対して、近位方向または引き込まれた方向に、図10に示されるような方向矢印「z」の方向で、移動される。内側シース20の近位への移動は、ロッキングカラー56を近位に移動させる。ロッキングカラー56の近位への移動は、展開カラー44の第二のリング48(これは、ロッキングカラー56上に固定されている)を、近位に移動させる。この移動は、展開セグメント50を、ヒンジ52に沿って外向きに屈曲させ、そして外側シース24の軸方向スロット40を通して、図11に示される配置へと拡張させる。この位置において、展開セグメント50は、腹腔の内壁を係合し、これによって、この装置が、外科手術部位から不注意で引き抜かれることを防止する。あるいは、展開セグメント50は、開口部の周囲の組織を係合するように操作され得、装置10が、腹部から引き抜かれることを防止する。望ましくは、カラーが、外側シースと摩擦によってかまたはその他の様式で係合し、そして腹壁の外側表面を係合するために使用され、そして展開部材16と協働して、装置10を適所に固定する。図12は、展開カラー44を、完全に展開された位置で図示する。次いで、装置10は、内側部材12のハウジング18を、図12の方向矢印「y」の方向に回転させることによって、展開位置に固定される。内側シース20およびロッキングカラー56は、展開カラー44に対して一緒に回転される。なぜなら、展開カラー44は、ロッキングカラー56に取り付けられていないからである。あるいは、内側シース20は、このような回転を可能にするように、ハウジング18と係合する。次いで、送気ポート34のボス32およびネック36は、外側部材14の基部22のそれぞれの凹部28内に位置決めされる。ボス32は、他の実施形態において、省略され得る。この位置において、内側部材12は、引き込まれた位置に固定され、これによって、展開カラー44を展開状態に維持する。図13は、展開部材が完全に展開され、そしてトロカールが取り外されて、体腔内の内臓へのアクセスを可能にしている、装置を図示する。その後、外科手術用器具のような物体が、この装置内に導入されて、所望の外科手術が実施される。さらなる実施形態において、装置10は、外科医の手を受容する大きさにされ、この手が、体腔に挿入される。
【0030】
装置10は、弁アセンブリまたはシールアセンブリを有し得ることが企図され、このアセンブリは、ハウジング18に設置され得るか、またはハウジング18および/もしくは基部22に組み込まれ得る。好ましい弁アセンブリまたはシールアセンブリは、挿入される物体の周りにシールを形成して、装置10を通る吹き込みガスの放出を防止するように適合された、少なくとも1つの弁要素またはシール要素を備え得る。この弁アセンブリまたはシールアセンブリはまた、物体が存在しない場合にこの装置の軸方向開口部を閉じるための、ゼロ閉鎖弁(例えば、フラッパ弁またはダックビル弁)を備え得る。この目的に適切な1つの弁アセンブリは、同一人に譲渡された、Smithらに対する米国特許第5,603,702号に開示されており、その内容は、本明細書中に参考として援用される。この’702号特許は、特定の実施形態において、ハウジング18を、取り外し可能な接続など(差し込み連結、摩擦ばめ、螺合接続、または当該分野において公知の他の任意の適切な接続が挙げられる)を通して設置するように適合され得る、弁アセンブリを開示する。この弁アセンブリは、ハウジング18、基部22、またはこれらの両方に組み込まれ得る。
【0031】
さらなる実施形態において、トロカール100は、排除され、そして鈍い閉塞具が、内側シース20の内部で使用される。装置10および閉塞具は、身体組織に切開を作製した後に、身体内に進められる。
【0032】
特定の実施形態において、上記展開手段は、内側シースに付随し、そしてこの展開手段と一体的に形成された内側シースの部分を備え得るか、またはこの内側シースの遠位端に設置された別個のカラーを備え得る。上記外側シースは、上記展開手段の展開に適合するための、この外側シースに形成されたスロットを有するか、またはこの外側シースは、展開手段の展開を可能にするための寸法にされる。この内側シースの遠位端は、この外側シースに接続され得、その結果、内側シースの遠位への移動の際に、上記展開セグメントは、外側シースの軸方向スロットを通って拡張する。
【0033】
図14〜17を参照すると、本開示の装置の別の実施形態が図示されている。装置120は、第一の部材、すなわち内側部材122、内側部材122に対して長手方向軸「a」の周りで同軸に設置された第二の部材、すなわち外側部材124、ならびに内側部材122の遠位端および外側部材124の遠位端に隣接する展開部材126を備える。内側部材122は、ハウジング128、およびハウジング128から遠位に延びる内側シース130を備える。同様に、外側部材124は、基部132、およびこの基部から延びる外側シース134を備える。装置120の組み立てられた状態において、内側部材122は、ハウジング128が基部132の内部にあり、そして内側シース130が外側シース134の内部に位置決めされた状態で、外側部材124の内部に配置される。この装置は、カム部材136をさらに備え、このカム部材は、基部132の内部に、ハウジング128と基部132との間に位置決めされる。カム部材136は、カム機構の一部を形成し、このカム機構は、展開部材126を展開するように作用する。一般に、カム部材136は、内側部材122と外側部材124とを、互いに対して軸方向に移動させて、展開部材126を展開するように、回転可能である。カム部材136の細部および作動は、本明細書中以下で、より詳細に議論される。
【0034】
示される実施形態において、外側シース134は、図1に示されるものと同様に、ねじ山を備えない。しかし、さらなる実施形態において、連続的かまたは途切れたねじ山が、備えられ得る。
【0035】
装置120は、アダプタ138をさらに備え、このアダプタは、内側部材122の近位端に隣接して位置決めされ、そしてハウジング128に設置される。アダプタ138は、エラストマーのダックビルシールまたはゼロシール(zero seal)140に載る。このようなシール140は、装置120に挿入される物体が存在しない場合に閉じ、この装置を通る吹き込みガスの通過を防止する。アダプタ138を設置するための種々の手段が企図され、この手段としては、例えば、差し込み連結、スナップばめ配置、螺合配置、接着剤などが挙げられる。装置120は、ハウジング128に取り付けられた送気ポート142をさらに備え、この送気ポートは、腹腔に送気するために必要な吹き込み流体の導入のためのものである。弁144は、当該分野において公知であるように、送気ポート142に組み込まれる。
【0036】
図14〜17と組み合わせて、図18を参照すると、内側部材122のハウジング128は、その外側表面に、凹状の領域または円弧部分146を備え、そしてハウジング128の遠位部分に隣接して、周囲リブ148を備える。周囲リブ148は、環状凹部または周囲凹部150を規定し、この凹部は、カム部材136の、ハウジング128に対する設置を容易にする。ハウジング128の近位端は、拡大されたフランジ152を有する。フランジ152は、アダプタ138を支持するための支持表面を規定する。理解されるように、アダプタ138は、所望であれば、接着剤などの使用によって、フランジ152に固定され得る。ハウジング128の遠位端は、減少した直径のセクション154を備える。
【0037】
ここで図17〜18と組み合わせて、図19〜22を参照して、カム部材136が議論される。カム部材136は、環状部分156、および環状部分156から延びる手動操作用レッグ158を備える。環状部分156は、ハウジング128の減少した直径のセクション154の周りでの同軸状の設置のための開口部160を規定する。環状部分156は、内部溝162、この溝162に隣接して半径方向内向きに延びる複数のタブ164、および内部リブ166をさらに規定する(図19および図19A)。カム部材136の、ハウジング128上で組み立てられた位置において、タブ164は、カム部材136の内部リブ166が、ハウジング128の減少した直径の部分とスライド接触した関係にある状態で、ハウジング128の内部溝150内に受容される。図17および図17Aは、これらの構成要素の関係を詳細に図示する。従って、理解されるように、カム部材136は、カム部材136の端部164とハウジング128の内部溝150との関係によって、ハウジング128に対して自由に回転運動するが、内側部材122に軸方向に固定される。好ましくは、タブ164は、これらの構成要素の組み立ての間にたわむように十分に可撓性であり、これによって、タブ164がたわんで、ほぼスナップばめの関係で、内部溝150内に受容されることを可能にする。タブ164は、好ましくは、この組み立てプロセスを容易にするための、面取りされた表面168を備える。タブ164は、環状部分156の周りで、間隔を空けた関係で配置される。
【0038】
環状部分156はまた、第一のカムピンおよび第二のカムピン170を備え、これらのカムピンは、ほぼ正反対の側にある関係で配置され、そして軸「a」に対して半径方向外向きに延びる。カムピン170は、カム部材136の回転運動の間、外側部材124の基部132内に規定されたカムスロット172内に受容され、そしてこれらのスロット172を横断し、外側部材124と内側部材122との、互いに対する軸方向での運動を駆動する。カム部材136の、手動操作用レッグ158は、図21に最もよく図示されるように、ハウジング128の凹状の円弧部分146内に収容される。手動操作用レッグ158は、軸方向スロット175(図16および図22)をさらに規定し、この軸方向スロットは、基部132に設置される場合に、基部132の外壁の一部を受容するための寸法にされる。図22は、外側部材124の設置前に、内側部材122のハウジング128に設置されたカム部材136を図示する。図20および図21は、外側部材124が内側部材122の周りで同軸状に設置される場合の、カム部材136の軸方向スロット174内での、基部132の外壁部分の受容を図示する。
【0039】
ここで図16および図23を参照して、展開部材126が議論される。展開部材126は、組織部位内で装置120を固定する、展開手段の一部である。展開部材126は、展開カラー174を備え、この展開カラーは、図16において、斜視図で示される。展開カラー174は、第一のリング176および第二のリング178を、カラー174のそれぞれ近位端および遠位端に備え、これらのリングは、複数の展開セグメント180によって相互接続され、開口部181を規定する。展開セグメント180は、カラー174の周りで半径方向に間隔を空ける。4つのセグメント180が示されているが、セグメント180の数は、4つより多くても(例えば、5つ、6つ)、4つより少なくてもよい。展開セグメント180は、各々、第一のリング176と第二のリング178とのそれぞれに隣接して配置された、軸方向に間隔を空けた複数のヒンジ線またはヒンジ接合部182を規定する。展開セグメント180は、ヒンジ接合部182に沿ってたわみ、そして展開部材126の軌道の際に、その中心領域183に隣接して外向きに、半径方向外側の位置まで屈曲し、これによって、装置120を、体腔の組織内に固定する。
【0040】
展開カラー174は、以下の様式で、内側シース130および外側シース134に設置される。第一のリング176は、複数のピン184を備え、これらのピンは、このリングの周囲の周りに等間隔で配置され、そしてリング176から外向きに延びる。ピン184は、外側シース134のロッキング開口部186内に、スナップばめの関係で受容され、第一のリング176を外側シース74に固定するように、対応する寸法および配置にされる。第二のリング178は、複数の内部タブ190(図23)を備え、これらのタブは、リング178の内部領域に等間隔で配置される。タブ190は、内側シース130の溝188(図16A)内に受容され、リング178を内側部材124に固定するように、配置される。この配置を用いて、展開カラー174は、内側シース130および外側シース134に軸方向に固定され、これによって、展開セグメント180が、展開の間、外向きに屈曲することを可能にする。1つの好ましい実施形態において、展開カラー174は、その遠位端にて、面取りされた端部192を備え、この面取りされた端部は、第二のリング178の遠位端から延びる(図23)。面取りされた端部192は、組織内への装置120の挿入を容易にする。
【0041】
図14および図16を再度参照すると、装置120は、外側部材124の外側シース74の周りに同軸状に設置された、可撓性のスライドリングまたは輪状部品194をさらに備え得る。輪状部品194は、外側シース124に沿って進み、対向の組織に押し付けられて位置決めされ、展開部材126と協働して、この組織内での装置120の固定をさらに容易にするように、適合される。輪状部品194は、外側シース74と摩擦により係合し、そして内部リブ196を有して、外側シース74の周りでの摩擦係合を容易にし得る。輪状部品194は、好ましくは、エラストマー材料を含む。特定の実施形態において、この外側シースは、この外側シースの外側表面の全体または一部分に、ねじ山を備える。
【0042】
装置120の作動が、ここで議論される。腹腔鏡外科手術において、腹腔が送気されて、腔壁を上昇され、その内部の組織および器官へのより大きいアクセスが提供される。トロカールは、体腔にアクセスし、装置120をその組織部位内に残すために、利用される。図24を参照すると、カム部材136のレッグ158は、方向矢印「y」の方向に移動される。この移動の間、カムピン170は、図25に図示されるように、基部132のカムスロット172に沿って動く。カムスロット172の、傾斜しているかまたは斜めの関係は、外側部材124(基部132および外側シース134を含む)を、内側部材122に対して、方向矢印「z」によって示される、軸方向遠位方向に駆動させる。図26に示されるように、外側シース134の遠位への移動は、展開カラー174の第一のリング176を、第二のリング178に対して遠位に移動させる。この移動は、展開セグメント180を、図26および図27に示される配置へと、ヒンジ接合部182に沿って外向きに屈曲させる。この位置において、展開セグメント180は、腹腔の内壁に係合させ、この装置が、手術部位から不注意で引き抜かれることを防止する。図26に示されるように、展開セグメント180は、屈曲した配置を規定する。なぜなら、ヒンジ接合部が、中心領域183に位置しないからである。展開セグメント180は、望ましくは、ポリマー材料、または他の屈曲可能な材料から形成され、そして中心領域183のヒンジ接合部なしで屈曲するような大きさにされる。さらなる実施形態において、展開セグメント180は、図5における接合部52cと同様に、中心領域183に、ヒンジ接合部を備える。さらなる実施形態において、展開セグメントは、ヒンジ接合部なしで屈曲するように配置される。望ましくは、展開セグメント180は、弓形の中心領域183において、湾曲した形状を有し、一方で、接合部52cは、展開セグメント50の中心領域において、尖った形状を作製する。あるいは、展開セグメント180は、開口部を囲む組織を係合するように操作され得、これによって、装置120を、この切開部内に固定する。
【0043】
カム部材136は、カムスロット172の凹部198内のカムピン170の受容によって、展開位置に固定され得る(図24)。カムピン170が前進するにつれて、これらのカムピンは、カムスロット172に隣接する基部132の段199の上に載る。段199は、カムスロット172の凹部198を規定し、その結果、ピン170は、図25に示されるように、段199に対してロックされる。カム部材136は、スロット172の中心領域において、カムスロット172に沿ったさらなる段の提供によって、中心点の位置で固定され得ることが、企図される。その後、輪状部品194は、外側シース134に沿って前進され、患者の外壁を係合し、これによって、装置120を、切開内に固定する。図28は、展開部材126が完全に展開され、可撓性の輪状部品194が患者の外壁にしっかりと係合している、装置120を図示する。その後、外科手術用器具のような物体が、この装置内に導入されて、所望の外科手術を実施する。さらなる実施形態において、装置120は、体腔内に挿入される、外科医の手を受容するための大きさにされる。
【0044】
ここで図29〜32を参照すると、本開示の別の実施形態が図示されている。このデバイス200は、図14〜28のデバイスと実質的に類似であり、そして内側部材および外側部材を備え、これらの部材には、内側シースおよび外側シース、ならびにハウジング228および基部232が付随している。しかし、この実施形態の場合、外側部材を遠位方向に駆動して、展開部材を展開するために、カム機構が、レバー機構202で置き換えられる。具体的には、レバー機構202は、手動で係合可能なレバー204を備え、このレバーは、レバーピン206を通る、内側部材のハウジング228の回転運動のために設置される。レバーピン206は、カラー208と係合可能であり、そしてカラー208における開口部分210内に回転可能に受容される。次に、カラー208は、従来の手段を介して、外側シースに接続される。レバーピン206は、その外周部において、螺旋状の溝212を備え、この溝は、ハウジング228に付随する、対応する横断溝ピン214を受容する。その結果、レバー204の回転は、溝ピン214上に沿った螺旋状溝212の動きを介して、レバーピン206を遠位方向に平行移動させる。レバーピン206の遠位方向への移動は、カラー208および外側部材を、遠位に駆動し、展開部材を、上述の様式で展開する。図1〜13に示される展開部材16、または図14〜28の展開部材126が、使用され得る。
【0045】
ここで図33〜36を参照すると、本開示の別の代替の実施形態が図示されている。この実施形態は、外側部材を駆動して展開部材の展開を引き起こすための、回転可能な制御機構300を備える。回転制御機構300は、回転可能なノブ302、およびノブ302から近位方向に延びるピン304を備える。ノブ302は、カラー306の対応する開口部310内への、ノブ302の吊下部分308の受容によって、カラー306に作動的に接続される。吊下部分308は、開口部310内で回転可能である。ピン304は、内側部材122のハウジング328に付随する、内部ボア312を通って延びる。ピン304は、おねじ314を備え、このおねじは、ボア内のめねじ316と螺合可能に係合する。従って、回転可能なノブ302の回転は、それぞれの螺合配置を介して、ピン304の対応する回転、ならびにノブ320およびピン304の対応する軸方向移動を引き起こし、これによって、カラー306および外側シースを駆動し、展開部材を展開する。制御ノブ302は、外科医による係合を容易にするための、スカラップ状の外側表面318を備え得る。制御ノブ302は、展開部材の部分的な展開を引き起こすために、選択的に回転され得ることが、注目される。
【0046】
上で議論された実施形態において、展開部材16または展開部材126は、この展開部材上に、比較的薄いエラストマーフィルムを備え、組織とのシールを提供し、外科手術の間、吹き込みガスが逃れることを防止する。
【0047】
種々の改変が、本明細書中に開示された実施形態に対してなされ得ることが、理解される。従って、上記説明は、限定として解釈されるべきではなく、単に、好ましい実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付された特許請求の範囲および精神内で、他の改変を予測する。
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2003年10月17日に出願された、米国仮特許出願番号60/512,389(その全内容は、本明細書中に参考として援用される)の優先権の利益を主張する。
【0002】
(背景)
(1.技術分野)
本開示は、一般に、外科手術用アクセスデバイスに関し、そして具体的には、腹壁をしっかりと係合し、これによって、このアクセスデバイスが組織部位から不注意で外れる可能性を最小にするアンカー配置を有する、アクセスデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
(2.関連技術の背景)
最小侵襲性外科手術手順(内視鏡手順と腹腔鏡手順との両方が挙げられる)は、外科手術が、組織内の開口部から遠く離れた器官、組織および脈管に対して実施されることを可能にする。これらの手順は、代表的に、カニューレを通して身体内に導入される、外科手術器具を使用する。このカニューレは、組織部以内の下にある組織へのアクセスを提供する。このカニューレは、しばしば、この器具の周囲に流体密なシールを提供して、体腔からの吹き込みガスの漏出を最小にするように適合された、シールアセンブリを組み込む。
【0004】
最小侵襲性外科手術手順は、外科手術において非常に有効であることが示されているが、数個の欠点が残っている。このカニューレは、特に、カニューレシールを通して器具を操作する間に、腹壁における切開部から戻る傾向を有し得る。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
(要旨)
従って、本開示は、外科手術部位へのアクセスを容易にするためのアクセスデバイスに関する。このアクセスデバイスは、アクセス部材を備え、このアクセス部材は、長手方向軸を規定し、そして近位端および遠位端を有する。このアクセス部材は、内側部材、およびこの内側部材の周りに配置された外側部材を備える。この内側部材は、開口部を規定し、この開口部を通して、外科手術部位へのアクセスを可能にする。この内側部材および外側部材は、互いに対して相対的に運動可能である。このアクセスデバイスはまた、この内側部材およびこの外側部材に付随する、展開部材を備える。この展開部材は、この内側部材と外側部材との互いに対する運動の際に、長手方向軸に対して少なくとも半径方向外向きの方向に展開され、これによって、身体組織を係合し、そして患者の身体内でのこのアクセス部材の保持を容易にするように、位置決めされる。この展開部材は、展開カラーを備え、この展開カラーは、このカラーの第一の端部において、内側部材に係合し、そしてこのカラーの第二の端部において、外側部材に係合する。
【0006】
このカラーは、望ましくは、この内側部材の遠位端に隣接して配置される。特定の実施形態において、このカラーは、この内側部材とこの外側部材との間に配置される。
【0007】
この展開部材は、好ましくは、少なくとも1つの展開セグメントを備え、この展開セグメントは、この長手方向軸に対して少なくとも半径方向外向きの方向に曲がるように適合される。この少なくとも1つの展開セグメントは、少なくとも1つのヒンジを備え得、これによって、この展開セグメントは、このヒンジに沿って旋回し、少なくとも半径方向外向きの方向に曲がる。特定の実施形態において、この少なくとも1つの展開セグメントは、複数の屈曲可能なセグメントを備え、これらの屈曲可能なセグメントは、この内側部材と外側部材との、互いに対する軸方向での運動の際に、半径方向外向きの方向に曲がるように配置される。
【0008】
特定の実施形態において、上記外側部材は、その外壁部分において、軸方向スロットを規定し、上記少なくとも1つの展開セグメントは、この外側部材の内側に配置され、そしてこの軸方向スロットは、この少なくとも1つの展開セグメントの屈曲可能なセグメントが、その展開の際に、このスロットを通過することを可能にする。
【0009】
この外側部材は、望ましくは、少なくとも1つのねじ部を、その外側表面に備え、ここで、少なくとも1つのねじ部は、組織を係合し、そしてこの装置を組織内に保持するように上記展開部材と協働するための寸法にされる。この少なくとも1つのねじ部は、この外側部材の外側表面の周りに、途切れた様式で配置された、複数のねじ部を備え得る。
【0010】
特定の実施形態において、このアクセス装置は、上記内側部材または外側部材と作動的に係合する、カム部材をさらに備える。このカム部材は、この内側部材または外側部材を軸方向に駆動して、少なくとも1つの展開セグメントの展開を引き起こすように、運動可能である。このカム部材は、望ましくは、回転運動のために適合される。特定の実施形態において、このカム部材は、内側部材の近位端に取り付けられた内側ハウジング、および外側部材の近位端に取り付けられた外側ハウジングと作動的に係合し、これによって、このカム部材の回転運動は、これらの内側部材および外側部材の、互いに対する、軸方向での運動、ならびに少なくとも1つの展開セグメントの展開を、引き起こす。望ましくは、この内側ハウジングと外側ハウジングとのうちの少なくとも一方は、カムスロットを備え、そして上記カム部材は、このカムスロット内に作動的に係合して、展開手段の展開を引き起こす。このカム部材は、この内側ハウジングに回転可能に取り付けられ得、そしてこの外側ハウジングは、カムスロットを有し得、その結果、このカム部材の回転は、この外側部材を遠位方向に前進させる。
【0011】
特定の実施形態において、このアクセス装置は、レバーを有するレバー機構を備え、このレバーは、上記内側部材に回転可能に設置され、そして上記外側部材と作動的に係合している。このレバー機構は、望ましくは、この外側部材を駆動して、上記展開部材の展開を引き起こすように、回転可能である。
【0012】
特定の実施形態において、このアクセス装置は、回転可能な制御ノブを備え、この制御ノブは、上記内側部材に回転可能に設置され、そして上記外側部材と作動的に係合する。このレバー部材は、望ましくは、外側部材を駆動して、展開手段の展開を引き起こすように、回転可能である。上記カラーは、内側部材の外側に配置され得る。
【0013】
特定の実施形態において、上記展開カラーは、タブを備え、そして上記外側部材は、スロットを備える。これらのタブは、これらのスロット内に受容される。この装置は、凹部を有するロッキングカラーを備え得、この凹部は、この展開カラーの遠位端を係合するためのものである。このロッキングカラーは、上記内側部材に取り付けられる。
【0014】
本発明のさらなる局面において、外科手術部位へのアクセスを容易にするためのアクセス装置は、アクセス部材を備え、このアクセス部材は、長手方向軸を規定し、そして内側部材、およびこの内側部材の周りに配置される外側部材を有する。この内側部材は、開口部を規定し、この開口部を通して、外科手術部位へのアクセスを可能にする。この内側部材とこの外側部材とは、互いに対して、軸方向で運動可能である。この装置は、近位端および遠位端を有するカラーを備え、この近位端は、この外側部材に取り付けられ、そしてこの遠位端は、この内側部材に取り付けられる。このカラーは、展開セグメントを有し、これらの展開セグメントは、この内側部材と外側部材との、互いに対する運動の際に、半径方向外向きの方向に曲がるように配置されている。カム部材が、この内側部材と外側部材とのうちの一方の表面に係合するために、この内側部材と外側部材のうちの他方に取り付けられており、これによって、この内側部材または外側部材の回転が、この内側部材と外側部材とを、互いに対して軸方向に運動させる。
【0015】
この内側部材は、望ましくは、カラーの遠位端を係合するための溝を有する。上記展開セグメントは、近位ヒンジおよび遠位ヒンジを有し得、そしてこれらの展開セグメントの中心領域において、外向きに屈曲するように配置され得る。これらの展開セグメントは、これらの展開セグメントの中心領域で、外向きに屈曲するように配置され得る。これらの展開セグメントは、その中心領域に、第三のヒンジを有し得る。
【0016】
特定の実施形態において、上記カラーは、上記外側部材の内側に配置され、そしてこの外側部材は、軸方向スロットを規定する。上記展開セグメントは、展開後、この軸方向スロットを通って延び得る。
【0017】
添付の図面は、本明細書に組み込まれ、そして本明細書の一部を構成し、上に与えられた本開示の一般的な開示と、以下に与えられる実施形態の詳細な説明と一緒に、本開示の実施形態を説明し、本開示の原理を説明する役に立つ。
(項目1)
外科手術部位へのアクセスを容易にするためのアクセス装置であって:
アクセス部材であって、該アクセス部材は、長手方向軸を規定し、そして近位端および遠位端を有し、該アクセス部材は、内側部材および該内側部材の周りに配置される外側部材を備え、該内側部材は、開口部を規定し、該開口部を通して、外科手術部位へのアクセスを可能にし、該内側部材と該外側部材とは、互いに対して運動可能である、アクセス部材;ならびに
該内側部材および該外側部材に付随する展開部材であって、該展開部材は、該内側部材と該外側部材との互いに対する運動の際に、該長手方向軸に対して、少なくとも半径方向外向きの方向で展開され、これによって、患者の身体内での該アクセス部材の保持を容易にするために身体組織を係合するために位置決めされるように適合されている、展開部材、
を備え、
該展開部材は、展開カラーを備え、該展開カラーは、該カラーの第一の端部において、該内側部材と係合し、そして該カラーの第二の端部において、該外側部材と係合している、アクセス装置。
(項目2)
上記カラーが、上記内側部材の遠位端に隣接して配置されている、項目1に記載のアクセス装置。
(項目3)
上記カラーが、上記内側部材と上記外側部材との間に配置されている、項目2に記載のアクセス装置。
(項目4)
上記展開部材が、少なくとも1つの展開セグメントを備え、該展開セグメントは、上記長手方向軸に対して少なくとも半径方向外向きの方向で曲がるように適合されている、項目1に記載のアクセス装置。
(項目5)
上記少なくとも1つの展開セグメントが、少なくとも1つのヒンジを備え、該ヒンジによって、該展開セグメントは、該ヒンジに沿って旋回し、少なくとも半径方向外向きの方向に曲がる、項目4に記載のアクセス装置。
(項目6)
上記少なくとも1つの展開セグメントが、複数の屈曲可能なセグメントを備え、該屈曲可能なセグメントは、上記内側部材と上記外側部材との、軸方向での互いに対する運動の際に、半径方向外向きの方向に曲がるように配置されている、項目4に記載のアクセス装置。
(項目7)
上記外側部材が、該外側部材の外壁部分に、軸方向スロットを規定し、上記少なくとも1つの展開セグメントが、該外側部材の内側に配置されており、該軸方向スロットは、該少なくとも1つの展開セグメントの屈曲可能なセグメントが、該セグメントの展開の際に、該スロットを通過することを可能にする、項目6に記載のアクセス装置。
(項目8)
上記外側部材が、該外側部材の外側表面に、少なくとも1つのねじ部を備え、該少なくとも1つのねじ部が、組織を係合し、そして組織内に上記装置を保持するように上記展開部材と協働するための寸法にされている、項目1に記載のアクセス装置。
(項目9)
上記少なくとも1つのねじ部分が、上記外側部材の外側表面の周りで途切れた様式で配置された複数のねじ部を備える、項目8に記載のアクセス装置。
(項目10)
カム部材をさらに備え、該カム部材は、上記内側部材と外側部材とのうちの一方と作動的に係合しており、該カム部材は、該内側部材と該外側部材とのうちの一方を軸方向に駆動して、上記少なくとも1つの展開セグメントの展開を引き起こすように可動である、項目4に記載の装置。
(項目11)
上記カム部材が、回転運動のために適合されている、項目10に記載のアクセス装置。
(項目12)
上記カム部材が、上記内側部材の近位端に取り付けられた内側ハウジングと、上記外側部材に取り付けられた外側ハウジングとに、作動的に係合しており、これによって、該カム部材の回転運動が、該内側部材と該外側部材との、軸方向での互いに対する運動、および上記少なくとも1つの展開部材の展開を引き起こす、項目11に記載のアクセス装置。
(項目13)
上記内側ハウジングおよび上記外側ハウジングのうちの少なくとも1つが、カムスロットを備え、上記カム部材は、該カムスロットと作動的に係合して、上記展開部材の展開を引き起こす、項目12に記載のアクセス装置。
(項目14)
上記カム部材は、上記内側ハウジングに回転可能に取り付けられており、上記外側ハウジングは、上記カムスロットを有し、その結果、該カム部材の回転が、該外側部材を、該内側部材に対して遠位方向へと前進させる、項目13に記載のアクセス装置。
(項目15)
レバー機構をさらに備え、該レバー機構は、レバーを備え、該レバーは、上記内側部材に回転可能に設置されており、そして上記外側部材と作動的に係合しており、該レバー部材は、該外側部材を駆動して、上記展開部材の展開を引き起こすように回転可能である、項目1に記載のアクセス装置。
(項目16)
回転可能な制御ノブをさらに備え、該制御ノブは、上記内側部材に回転可能に設置されており、そして上記外側部材と作動的に係合しており、上記レバー部材は、該外側部材を駆動して、上記展開手段の展開を引き起こすように回転可能である、項目1に記載のアクセス装置。
(項目17)
上記カラーが、上記内側部材の外側に配置されている、項目1に記載のアクセス装置。
(項目18)
上記展開カラーが、タブを備え、そして上記外側部材が、スロットを備え、該タブは、該スロット内に受容される、項目1に記載のアクセス装置。
(項目19)
ロッキングカラーをさらに備え、該ロッキングカラーは、上記展開カラーの遠位端を係合するための凹部を有し、該ロッキングカラーは、上記内側部材に取り付けられている、項目18に記載のアクセス装置。
(項目20)
外科手術部位へのアクセスを容易にするためのアクセス装置であって:
アクセス部材であって、該アクセス部材は、長手方向軸を規定し、そして内側部材、および該内側部材の周りに配置される外側部材を有し、該内側部材は、開口部を規定し、該開口部を通して、外科手術部位へのアクセスを可能にし、該内側部材と該外側部材とは、軸方向で、互いに対して運動可能である、アクセス部材;ならびに
カラーであって、該カラーは、近位端および遠位端を有し、該近位端は、該外側部材に取り付けられており、そして該遠位端は、該内側部材に取り付けられており、該カラーは、展開セグメントを有し、該展開セグメントは、該内側部材と該外側部材との、互いに対する運動の際に、半径方向外向きの方向に曲がるように配置されている、カラー;ならびに
カム部材であって、該カム部材は、該内側部材と該外側部材のうちの一方の表面を係合するために、該内側部材と該外側部材とのうちの他方に取り付けられており、その結果、該内側部材または該外側部材の回転が、該内側部材と該外側部材とを、互いに対して軸方向で移動させる、カム部材、
を備える、アクセス装置。
(項目21)
上記内側部材が、上記カラーの遠位端を係合するための溝を有する、項目20に記載のアクセス装置。
(項目22)
上記展開セグメントが、近位ヒンジおよび遠位ヒンジを有し、そして該展開セグメントの中心領域において外向きに湾曲するように配置されている、項目20に記載のアクセス装置。
(項目23)
上記展開セグメントが、近位ヒンジおよび遠位ヒンジを有し、そして上記展開セグメントの中心領域において外向きに湾曲するように配置されている、項目22に記載のアクセス装置。
(項目24)
上記展開セグメントが、上記中心領域において第三のヒンジを有する、項目23に記載のアクセス装置。
(項目25)
上記カラーが、上記外側部材の内側に配置されており、そして該外側部材が、軸方向スロットを規定し、上記展開セグメントは、展開後、該軸方向スロットを通って延びる、項目20に記載のアクセス装置。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】図1は、本開示の実施形態に従う装置の斜視図である。
【図1A】図1Aは、図1の実施形態に従う装置の遠位端の拡大斜視図である。
【図2】図2は、図1および図1Aの実施形態に従う装置の別の斜視図である。
【図3】図3は、トロカールが設置された、図1〜2の実施形態に従う装置の斜視図である。
【図4】図4は、部品が分解されて示されて種々の構成要素を説明する、図1〜3の実施形態に従う装置の拡大分解図である。
【図5】図5は、図1〜4の実施形態に従う装置の展開部材の拡大斜視図である。
【図6】図6は、図1〜5の実施形態に従う装置の外側シースの拡大斜視図である。
【図7】図7は、図1〜6の実施形態に従う装置の断面図である。
【図8】図8は、図1〜7の実施形態に従う装置の遠位端の拡大断面図である。
【図9】図9は、図1〜8の実施形態に従う装置内に位置決めされて組織に貫入しているトロカールを示す、この装置を図示する断面図である。
【図10】図10は、展開部材を展開状態で図示する、図1〜9の実施形態に従う断面図である。
【図11】図11は、展開部材と、図1〜10に従う装置の内側シースおよび外側シースとの関係をさらに図示する、この装置の遠位端の、取り出された拡大断面図である。
【図12】図12は、展開状態にある展開部材をさらに図示する、図1〜11の実施形態に従う装置の斜視図である。
【図13】図13は、下にある体腔へのアクセスを可能にするためにトロカールが取り外されたところを示す、図1〜12の実施形態に従う装置の断面図である。
【図14】図14は、本開示の別の実施形態に従う装置の斜視図である。
【図15】図15は、図14の線15−15に沿って見た、この装置の断面図である。
【図16】図16は、部品が分解された、図14〜15の実施形態に従う装置の分解図である。
【図16A】図16Aは、図14〜16に従う内側シースのロッキング溝の、取り出された拡大図である。
【図16B】図16Bは、図14〜16Aの実施形態に従う展開部材のロッキングタブを示す、取り外された拡大図である。
【図17】図17は、図14〜16Bの実施形態に従う装置の断面図である。
【図17A】図17Aは、カム部材と、内側部材のハウジングとの関係を図示する、図14〜17の実施形態に従う装置の拡大断面図である。
【図18】図18は、図14〜17Aの実施形態に従う装置の外側部材の基部の側面斜視図である。
【図18A】図18Aは、図14〜18の実施形態に従う基部のさらなる細部を示す拡大図である。
【図19】図19は、図14〜18Aの実施形態に従うカム部材の斜視図である。
【図19A】図19Aは、図14〜19の実施形態に従うカム部材のさらなる細部を図示する拡大図である。
【図20】図20は、図14〜19Aの実施形態に従う装置の近位端の斜視図である。
【図21】図21は、図20の線21−21に沿って見た、装置の断面図である。
【図22】図22は、内側部材への外側部材の設置前の、図20の図と類似の斜視図である。
【図23】図23は、図14〜22の実施形態に従う装置の遠位端の拡大断面図である。
【図24】図24は、展開部材を展開するために起動されたカム部材を図示する、図15の図と類似の図である。
【図25】図25は、カム部材の起動の際の外側部材の前進を図示する、図14〜24の実施形態に従う装置の側面図である。
【図26】図26は、展開部材が完全に展開されたところを図示する、図14〜25の実施形態に従う装置の断面図である。
【図27】図27は、展開状態にある展開部材をさらに図示する、図14〜26の実施形態に従う装置の斜視図である。
【図28】図28は、身体組織内に展開された装置を示す、図14〜27の実施形態に従う装置の断面図である。
【図29】図29は、本開示の別の代替の実施形態の図である。
【図30】図30は、本開示の別の代替の実施形態の図である。
【図31】図31は、本開示の別の代替の実施形態の図である。
【図32】図32は、本開示の別の代替の実施形態の図である。
【図33】図33は、本開示のなお別の実施形態の図である。
【図34】図34は、本開示のなお別の実施形態の図である。
【図35】図35は、本開示のなお別の実施形態の図である。
【図36】図36は、本開示のなお別の実施形態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
本開示の装置の好ましい実施形態が、ここで、図面を参照して詳細に説明される。図において、同じ参照番号は、いくつかの図にわたって、類似かまたは同じ要素を同定する。本明細書中で使用される場合、用語「遠位」とは、使用者から遠い方の部分をいい、一方で、用語「近位」とは、使用者に最も近い部分をいう。
【0020】
最初に図1〜3を参照すると、本開示の実施形態に従う装置が図示されている。装置10は、身体組織(特に、体腔)へのアクセスを可能にし、この装置を通して、種々の外科手術手順をこの腔内の内臓に対して実施するための物体を導入することを可能にすることを意図される。この物体は、外科手術用器具(例えば、腹腔鏡または内視鏡用のクリップアプライア、ステープラ、鉗子、解剖具、牽引子、電気外科デバイスなど)であり得る。あるいは、この物体は、例えば、手が身体(例えば、腹腔)内に導入されて、必要とされる外科手術において直接補助する手順の間に使用される場合、外科医の腕または手であり得る。装置10は、展開の際にこの装置を身体組織内に固定し、これによって、この装置がその位置から意図されずに展開される可能性を最小にする機構を備える。
【0021】
図1〜3と組み合わせて、図4を参照すると、装置10は、一般に、3つの構成要素(すなわち、第一の部材、すなわち内側部材12、長手方向軸「a」の周りでこの内側部材12に対して同軸に設置された第二の部材、すなわち外側部材14、ならびに内側部材12の遠位端および外側部材14の遠位端に隣接する展開部材16)を備える。内側部材12は、ハウジング18、およびハウジング18から遠位に延びる内側シース20を備える。同様に、外側部材14は、基部22、および基部22から延びる外側シース24を備える。装置10の組み立てられた状態において、内側部材12は、ハウジング18が基部22の内部にあり、そして内側シース20が外側シース24の内部に位置決めされた状態で、外側部材14の内部に配置される。エラストマーシール26が、基部22の内部に位置決めされ、基部22とハウジング18との間の界面を密封し得る。内側部材12は、外側部材14に対して軸方向に移動可能であり、本明細書中以下に提供される説明から理解されるように、展開部材16を展開する。
【0022】
外側部材14の基部22は、その近位表面23において、スカラップ状の配置を有する。この配置は、一連の起伏部または相互接続されたロッキング凹部28によって、規定される。基部22は、1対の正反対の側にある細長いくぼみ30をさらに備え、これらのくぼみもまた、近位表面にある。内側部材12のハウジング18は、その外側表面から半径方向外向きに延びるボス32(図3)を備える。ボス32は、基部22のロッキング凹部28のうちの1つの内部に受容されて、展開部材16を展開位置にロックするように適合されている。ハウジング18は、ボス32の正反対の側にある関係で、送気ポート34をさらに備える。送気ポート34は、ネック36を規定し、このネックもまた、ロッキング凹部28のうちの1つに受容されて、展開部材16の展開位置での保持を容易にするような、対応する寸法にされる。送気ポート34は、身体内への流体の通過(例えば、腹腔への送気)を可能にする。
【0023】
内側部材12の内側シース20は、管様の要素であり、そして従来の手段(接着剤、セメント、溶接および当該分野において公知の任意の他の方法が挙げられる)によって、ハウジング18に固定される。あるいは、内側シース20およびハウジング18は、単一のユニットとして、モノリシックに形成され得る。外側シース24もまた、管様であり、そして基部22に対する外側シース24の回転運動および軸方向運動を可能にするように、設置される。外側シース24は、外側シース25の外側表面23上に、途切れたねじ切りされた構成を規定し、この構成は、一連の部分ねじ山38を有し、これらのねじ山は、回転運動を介して装置10を外科手術部位内に前進させる際、またはこの装置を組織内に保持する際に、補助する。図6に最もよく示されるように、外側シース24はまた、長手軸方向に延びる複数の軸方向スロット40を、シース24の遠位端に隣接して備え、これらのスロットは、外側シース24の長手軸方向で、シース24を通って延びる。対応するロッキングスロット42が、外側シース24に、各軸方向スロット40に隣接して、軸方向スロット40の近位に形成される。軸方向スロット40およびロッキングスロット42は、協働して、展開部材16を設置し、そして展開部材16が、展開位置を呈することを可能にする。
【0024】
外側シースに形成されたねじ山は、1つ以上の連続するねじ山、または途切れたねじ山を、外側シース24上に備え得る。さらなる実施形態において、これらのねじ山は、外側シース上に形成される、1つ以上の突出部を備えるか、または省略され得る。
【0025】
内側部材12および外側部材14の構成要素は、任意の適切な剛性の生体適合性材料(例えば、ステンレス鋼、チタン、アルミニウムまたはポリマー材料(アクリル、スチレン、カーボネートおよびこれらのポリマーが挙げられる)が挙げられる)から形成され得る。任意の適切な医療等級の材料が、使用され得る。内側部材12および外側部材14は、全体的にかまたは部分的に、不透明であっても透明であってもよい。
【0026】
ここで図1Aおよび図4〜6を参照して、展開部材16が議論される。展開部材16は、展開手段の一部であり、この展開手段は、装置10を組織部位内に固定する。展開部材16は、展開カラー44を備え、この展開カラーは、図5において、斜視図で示される。展開カラー44は、第一のリング46および第二のリング48を、カラー44のそれぞれ近位端および遠位端に備え、これらのリングは、複数の展開セグメントまたはタブ50によって、相互接続される。展開セグメント50は、カラー44の周りで半径方向に間隔を空けており、そして開口部45を規定する。4つのセグメント50が示されているが、セグメント50の数は、4つより多くても少なくてもよい。展開セグメント50は、各々、軸方向に間隔を空けた複数のヒンジ線または接合部52を規定する。第一の対のヒンジ接合部52a、52bは、それぞれ、第一のリング46および第二のリング48に隣接して配置され、そして第三のヒンジ接合部52cは、展開セグメント50のおよそ中心点に配置される。展開セグメント50は、展開部材16の起動の際に、ヒンジ接合部52に沿って、半径方向外向きの位置へとたわみ、装置10を、体腔の組織内に固定する(図10を参照のこと)。さらなる実施形態において、第三のヒンジ接合部52cは、省略され得る。展開セグメント50は、第三のヒンジ接合部52cなしで、およそ中心点で屈曲し得る。
【0027】
図1Aおよび図4〜8の参照を続けて、展開カラー44は、内側シース20および外側シース24に、以下の様式で設置される。第一のリング46および第二のリング48は、各々、複数の近位タブおよび遠位タブ54を備え、これらのタブは、それらのそれぞれの周囲の周りで等距離で配置され、そしてリング46、48から外向きに延びる。近位タブ54aは、外側シース24のロッキングスロット42内に受容されるような、対応する寸法および配置にされており、第一のリング46を、外側シース24に対して固定する。この配置を用いて、展開セグメント50は、外側シース24の軸方向スロット40と整列し、これによって、展開セグメント50が、展開の間、軸方向スロット40を通って半径方向に屈曲することを可能にする。1つの好ましい実施形態において、内側シース20は、その遠位端に設置されたロッキングカラー56を備える。ロッキングカラー56は、好ましくは、内部環状凹部58を備え、この凹部は、図8に図示されるように、内側シース20の遠位端を収容する。内側シース20は、内部環状凹部58に隣接して、従来の手段(接着剤の使用、溶接、または当該分野において公知の他の任意の方法が挙げられる)によって、ロッキングカラー56に固定される。ロッキングカラー56は、面取りされた端部60をさらに規定し、この端部は、外側シースの遠位端から延びる。面取りされた端部60は、装置10の、組織内への挿入を容易にする。ロッキングカラー56の近位端は、展開カラー44の第二のリング48に当接する。従って、内側シース20が外側シース24に対して引き込まれるにつれて、ロッキングカラー56は、第二のリング48を、強制的に、対応する近位方向または引き込み方向にする。このような運動は、展開セグメント50を、ヒンジ接合部52に沿って外向きにたわませ、展開状態にする。遠位タブ54bは、引き込み運動の間、外側シース24の軸方向スロット40内に入る。
【0028】
さらなる実施形態において、展開手段は、拡張可能な膜、または膨張可能なスポンジを、その内側シース、外側シース、またはこの内側シースおよび/もしくは外側シースに付随するカラーに備える。さらなる実施形態において、展開セグメント50は、外側シース24上に提供され得る。さらなる実施形態において、この展開手段は、内側シース20と一体的に形成される。
【0029】
装置10の操作が、ここで議論される。腹腔鏡外科手順において、腹腔は、送気されて、腔壁を上昇させ、その内部の組織および器官へのより大きいアクセスを提供する。図9を参照すると、トロカール100は、装置10の内部に配置され、そして前進して、遠位の貫入先端102を組織内に伸長させる。トロカール100は、当該分野において通常であるように、腹壁を穿刺するために使用される。次いで、このトロカールは、所望であれば、取り外され得る。その後、内側部材12が、外側部材14に対して、近位方向または引き込まれた方向に、図10に示されるような方向矢印「z」の方向で、移動される。内側シース20の近位への移動は、ロッキングカラー56を近位に移動させる。ロッキングカラー56の近位への移動は、展開カラー44の第二のリング48(これは、ロッキングカラー56上に固定されている)を、近位に移動させる。この移動は、展開セグメント50を、ヒンジ52に沿って外向きに屈曲させ、そして外側シース24の軸方向スロット40を通して、図11に示される配置へと拡張させる。この位置において、展開セグメント50は、腹腔の内壁を係合し、これによって、この装置が、外科手術部位から不注意で引き抜かれることを防止する。あるいは、展開セグメント50は、開口部の周囲の組織を係合するように操作され得、装置10が、腹部から引き抜かれることを防止する。望ましくは、カラーが、外側シースと摩擦によってかまたはその他の様式で係合し、そして腹壁の外側表面を係合するために使用され、そして展開部材16と協働して、装置10を適所に固定する。図12は、展開カラー44を、完全に展開された位置で図示する。次いで、装置10は、内側部材12のハウジング18を、図12の方向矢印「y」の方向に回転させることによって、展開位置に固定される。内側シース20およびロッキングカラー56は、展開カラー44に対して一緒に回転される。なぜなら、展開カラー44は、ロッキングカラー56に取り付けられていないからである。あるいは、内側シース20は、このような回転を可能にするように、ハウジング18と係合する。次いで、送気ポート34のボス32およびネック36は、外側部材14の基部22のそれぞれの凹部28内に位置決めされる。ボス32は、他の実施形態において、省略され得る。この位置において、内側部材12は、引き込まれた位置に固定され、これによって、展開カラー44を展開状態に維持する。図13は、展開部材が完全に展開され、そしてトロカールが取り外されて、体腔内の内臓へのアクセスを可能にしている、装置を図示する。その後、外科手術用器具のような物体が、この装置内に導入されて、所望の外科手術が実施される。さらなる実施形態において、装置10は、外科医の手を受容する大きさにされ、この手が、体腔に挿入される。
【0030】
装置10は、弁アセンブリまたはシールアセンブリを有し得ることが企図され、このアセンブリは、ハウジング18に設置され得るか、またはハウジング18および/もしくは基部22に組み込まれ得る。好ましい弁アセンブリまたはシールアセンブリは、挿入される物体の周りにシールを形成して、装置10を通る吹き込みガスの放出を防止するように適合された、少なくとも1つの弁要素またはシール要素を備え得る。この弁アセンブリまたはシールアセンブリはまた、物体が存在しない場合にこの装置の軸方向開口部を閉じるための、ゼロ閉鎖弁(例えば、フラッパ弁またはダックビル弁)を備え得る。この目的に適切な1つの弁アセンブリは、同一人に譲渡された、Smithらに対する米国特許第5,603,702号に開示されており、その内容は、本明細書中に参考として援用される。この’702号特許は、特定の実施形態において、ハウジング18を、取り外し可能な接続など(差し込み連結、摩擦ばめ、螺合接続、または当該分野において公知の他の任意の適切な接続が挙げられる)を通して設置するように適合され得る、弁アセンブリを開示する。この弁アセンブリは、ハウジング18、基部22、またはこれらの両方に組み込まれ得る。
【0031】
さらなる実施形態において、トロカール100は、排除され、そして鈍い閉塞具が、内側シース20の内部で使用される。装置10および閉塞具は、身体組織に切開を作製した後に、身体内に進められる。
【0032】
特定の実施形態において、上記展開手段は、内側シースに付随し、そしてこの展開手段と一体的に形成された内側シースの部分を備え得るか、またはこの内側シースの遠位端に設置された別個のカラーを備え得る。上記外側シースは、上記展開手段の展開に適合するための、この外側シースに形成されたスロットを有するか、またはこの外側シースは、展開手段の展開を可能にするための寸法にされる。この内側シースの遠位端は、この外側シースに接続され得、その結果、内側シースの遠位への移動の際に、上記展開セグメントは、外側シースの軸方向スロットを通って拡張する。
【0033】
図14〜17を参照すると、本開示の装置の別の実施形態が図示されている。装置120は、第一の部材、すなわち内側部材122、内側部材122に対して長手方向軸「a」の周りで同軸に設置された第二の部材、すなわち外側部材124、ならびに内側部材122の遠位端および外側部材124の遠位端に隣接する展開部材126を備える。内側部材122は、ハウジング128、およびハウジング128から遠位に延びる内側シース130を備える。同様に、外側部材124は、基部132、およびこの基部から延びる外側シース134を備える。装置120の組み立てられた状態において、内側部材122は、ハウジング128が基部132の内部にあり、そして内側シース130が外側シース134の内部に位置決めされた状態で、外側部材124の内部に配置される。この装置は、カム部材136をさらに備え、このカム部材は、基部132の内部に、ハウジング128と基部132との間に位置決めされる。カム部材136は、カム機構の一部を形成し、このカム機構は、展開部材126を展開するように作用する。一般に、カム部材136は、内側部材122と外側部材124とを、互いに対して軸方向に移動させて、展開部材126を展開するように、回転可能である。カム部材136の細部および作動は、本明細書中以下で、より詳細に議論される。
【0034】
示される実施形態において、外側シース134は、図1に示されるものと同様に、ねじ山を備えない。しかし、さらなる実施形態において、連続的かまたは途切れたねじ山が、備えられ得る。
【0035】
装置120は、アダプタ138をさらに備え、このアダプタは、内側部材122の近位端に隣接して位置決めされ、そしてハウジング128に設置される。アダプタ138は、エラストマーのダックビルシールまたはゼロシール(zero seal)140に載る。このようなシール140は、装置120に挿入される物体が存在しない場合に閉じ、この装置を通る吹き込みガスの通過を防止する。アダプタ138を設置するための種々の手段が企図され、この手段としては、例えば、差し込み連結、スナップばめ配置、螺合配置、接着剤などが挙げられる。装置120は、ハウジング128に取り付けられた送気ポート142をさらに備え、この送気ポートは、腹腔に送気するために必要な吹き込み流体の導入のためのものである。弁144は、当該分野において公知であるように、送気ポート142に組み込まれる。
【0036】
図14〜17と組み合わせて、図18を参照すると、内側部材122のハウジング128は、その外側表面に、凹状の領域または円弧部分146を備え、そしてハウジング128の遠位部分に隣接して、周囲リブ148を備える。周囲リブ148は、環状凹部または周囲凹部150を規定し、この凹部は、カム部材136の、ハウジング128に対する設置を容易にする。ハウジング128の近位端は、拡大されたフランジ152を有する。フランジ152は、アダプタ138を支持するための支持表面を規定する。理解されるように、アダプタ138は、所望であれば、接着剤などの使用によって、フランジ152に固定され得る。ハウジング128の遠位端は、減少した直径のセクション154を備える。
【0037】
ここで図17〜18と組み合わせて、図19〜22を参照して、カム部材136が議論される。カム部材136は、環状部分156、および環状部分156から延びる手動操作用レッグ158を備える。環状部分156は、ハウジング128の減少した直径のセクション154の周りでの同軸状の設置のための開口部160を規定する。環状部分156は、内部溝162、この溝162に隣接して半径方向内向きに延びる複数のタブ164、および内部リブ166をさらに規定する(図19および図19A)。カム部材136の、ハウジング128上で組み立てられた位置において、タブ164は、カム部材136の内部リブ166が、ハウジング128の減少した直径の部分とスライド接触した関係にある状態で、ハウジング128の内部溝150内に受容される。図17および図17Aは、これらの構成要素の関係を詳細に図示する。従って、理解されるように、カム部材136は、カム部材136の端部164とハウジング128の内部溝150との関係によって、ハウジング128に対して自由に回転運動するが、内側部材122に軸方向に固定される。好ましくは、タブ164は、これらの構成要素の組み立ての間にたわむように十分に可撓性であり、これによって、タブ164がたわんで、ほぼスナップばめの関係で、内部溝150内に受容されることを可能にする。タブ164は、好ましくは、この組み立てプロセスを容易にするための、面取りされた表面168を備える。タブ164は、環状部分156の周りで、間隔を空けた関係で配置される。
【0038】
環状部分156はまた、第一のカムピンおよび第二のカムピン170を備え、これらのカムピンは、ほぼ正反対の側にある関係で配置され、そして軸「a」に対して半径方向外向きに延びる。カムピン170は、カム部材136の回転運動の間、外側部材124の基部132内に規定されたカムスロット172内に受容され、そしてこれらのスロット172を横断し、外側部材124と内側部材122との、互いに対する軸方向での運動を駆動する。カム部材136の、手動操作用レッグ158は、図21に最もよく図示されるように、ハウジング128の凹状の円弧部分146内に収容される。手動操作用レッグ158は、軸方向スロット175(図16および図22)をさらに規定し、この軸方向スロットは、基部132に設置される場合に、基部132の外壁の一部を受容するための寸法にされる。図22は、外側部材124の設置前に、内側部材122のハウジング128に設置されたカム部材136を図示する。図20および図21は、外側部材124が内側部材122の周りで同軸状に設置される場合の、カム部材136の軸方向スロット174内での、基部132の外壁部分の受容を図示する。
【0039】
ここで図16および図23を参照して、展開部材126が議論される。展開部材126は、組織部位内で装置120を固定する、展開手段の一部である。展開部材126は、展開カラー174を備え、この展開カラーは、図16において、斜視図で示される。展開カラー174は、第一のリング176および第二のリング178を、カラー174のそれぞれ近位端および遠位端に備え、これらのリングは、複数の展開セグメント180によって相互接続され、開口部181を規定する。展開セグメント180は、カラー174の周りで半径方向に間隔を空ける。4つのセグメント180が示されているが、セグメント180の数は、4つより多くても(例えば、5つ、6つ)、4つより少なくてもよい。展開セグメント180は、各々、第一のリング176と第二のリング178とのそれぞれに隣接して配置された、軸方向に間隔を空けた複数のヒンジ線またはヒンジ接合部182を規定する。展開セグメント180は、ヒンジ接合部182に沿ってたわみ、そして展開部材126の軌道の際に、その中心領域183に隣接して外向きに、半径方向外側の位置まで屈曲し、これによって、装置120を、体腔の組織内に固定する。
【0040】
展開カラー174は、以下の様式で、内側シース130および外側シース134に設置される。第一のリング176は、複数のピン184を備え、これらのピンは、このリングの周囲の周りに等間隔で配置され、そしてリング176から外向きに延びる。ピン184は、外側シース134のロッキング開口部186内に、スナップばめの関係で受容され、第一のリング176を外側シース74に固定するように、対応する寸法および配置にされる。第二のリング178は、複数の内部タブ190(図23)を備え、これらのタブは、リング178の内部領域に等間隔で配置される。タブ190は、内側シース130の溝188(図16A)内に受容され、リング178を内側部材124に固定するように、配置される。この配置を用いて、展開カラー174は、内側シース130および外側シース134に軸方向に固定され、これによって、展開セグメント180が、展開の間、外向きに屈曲することを可能にする。1つの好ましい実施形態において、展開カラー174は、その遠位端にて、面取りされた端部192を備え、この面取りされた端部は、第二のリング178の遠位端から延びる(図23)。面取りされた端部192は、組織内への装置120の挿入を容易にする。
【0041】
図14および図16を再度参照すると、装置120は、外側部材124の外側シース74の周りに同軸状に設置された、可撓性のスライドリングまたは輪状部品194をさらに備え得る。輪状部品194は、外側シース124に沿って進み、対向の組織に押し付けられて位置決めされ、展開部材126と協働して、この組織内での装置120の固定をさらに容易にするように、適合される。輪状部品194は、外側シース74と摩擦により係合し、そして内部リブ196を有して、外側シース74の周りでの摩擦係合を容易にし得る。輪状部品194は、好ましくは、エラストマー材料を含む。特定の実施形態において、この外側シースは、この外側シースの外側表面の全体または一部分に、ねじ山を備える。
【0042】
装置120の作動が、ここで議論される。腹腔鏡外科手術において、腹腔が送気されて、腔壁を上昇され、その内部の組織および器官へのより大きいアクセスが提供される。トロカールは、体腔にアクセスし、装置120をその組織部位内に残すために、利用される。図24を参照すると、カム部材136のレッグ158は、方向矢印「y」の方向に移動される。この移動の間、カムピン170は、図25に図示されるように、基部132のカムスロット172に沿って動く。カムスロット172の、傾斜しているかまたは斜めの関係は、外側部材124(基部132および外側シース134を含む)を、内側部材122に対して、方向矢印「z」によって示される、軸方向遠位方向に駆動させる。図26に示されるように、外側シース134の遠位への移動は、展開カラー174の第一のリング176を、第二のリング178に対して遠位に移動させる。この移動は、展開セグメント180を、図26および図27に示される配置へと、ヒンジ接合部182に沿って外向きに屈曲させる。この位置において、展開セグメント180は、腹腔の内壁に係合させ、この装置が、手術部位から不注意で引き抜かれることを防止する。図26に示されるように、展開セグメント180は、屈曲した配置を規定する。なぜなら、ヒンジ接合部が、中心領域183に位置しないからである。展開セグメント180は、望ましくは、ポリマー材料、または他の屈曲可能な材料から形成され、そして中心領域183のヒンジ接合部なしで屈曲するような大きさにされる。さらなる実施形態において、展開セグメント180は、図5における接合部52cと同様に、中心領域183に、ヒンジ接合部を備える。さらなる実施形態において、展開セグメントは、ヒンジ接合部なしで屈曲するように配置される。望ましくは、展開セグメント180は、弓形の中心領域183において、湾曲した形状を有し、一方で、接合部52cは、展開セグメント50の中心領域において、尖った形状を作製する。あるいは、展開セグメント180は、開口部を囲む組織を係合するように操作され得、これによって、装置120を、この切開部内に固定する。
【0043】
カム部材136は、カムスロット172の凹部198内のカムピン170の受容によって、展開位置に固定され得る(図24)。カムピン170が前進するにつれて、これらのカムピンは、カムスロット172に隣接する基部132の段199の上に載る。段199は、カムスロット172の凹部198を規定し、その結果、ピン170は、図25に示されるように、段199に対してロックされる。カム部材136は、スロット172の中心領域において、カムスロット172に沿ったさらなる段の提供によって、中心点の位置で固定され得ることが、企図される。その後、輪状部品194は、外側シース134に沿って前進され、患者の外壁を係合し、これによって、装置120を、切開内に固定する。図28は、展開部材126が完全に展開され、可撓性の輪状部品194が患者の外壁にしっかりと係合している、装置120を図示する。その後、外科手術用器具のような物体が、この装置内に導入されて、所望の外科手術を実施する。さらなる実施形態において、装置120は、体腔内に挿入される、外科医の手を受容するための大きさにされる。
【0044】
ここで図29〜32を参照すると、本開示の別の実施形態が図示されている。このデバイス200は、図14〜28のデバイスと実質的に類似であり、そして内側部材および外側部材を備え、これらの部材には、内側シースおよび外側シース、ならびにハウジング228および基部232が付随している。しかし、この実施形態の場合、外側部材を遠位方向に駆動して、展開部材を展開するために、カム機構が、レバー機構202で置き換えられる。具体的には、レバー機構202は、手動で係合可能なレバー204を備え、このレバーは、レバーピン206を通る、内側部材のハウジング228の回転運動のために設置される。レバーピン206は、カラー208と係合可能であり、そしてカラー208における開口部分210内に回転可能に受容される。次に、カラー208は、従来の手段を介して、外側シースに接続される。レバーピン206は、その外周部において、螺旋状の溝212を備え、この溝は、ハウジング228に付随する、対応する横断溝ピン214を受容する。その結果、レバー204の回転は、溝ピン214上に沿った螺旋状溝212の動きを介して、レバーピン206を遠位方向に平行移動させる。レバーピン206の遠位方向への移動は、カラー208および外側部材を、遠位に駆動し、展開部材を、上述の様式で展開する。図1〜13に示される展開部材16、または図14〜28の展開部材126が、使用され得る。
【0045】
ここで図33〜36を参照すると、本開示の別の代替の実施形態が図示されている。この実施形態は、外側部材を駆動して展開部材の展開を引き起こすための、回転可能な制御機構300を備える。回転制御機構300は、回転可能なノブ302、およびノブ302から近位方向に延びるピン304を備える。ノブ302は、カラー306の対応する開口部310内への、ノブ302の吊下部分308の受容によって、カラー306に作動的に接続される。吊下部分308は、開口部310内で回転可能である。ピン304は、内側部材122のハウジング328に付随する、内部ボア312を通って延びる。ピン304は、おねじ314を備え、このおねじは、ボア内のめねじ316と螺合可能に係合する。従って、回転可能なノブ302の回転は、それぞれの螺合配置を介して、ピン304の対応する回転、ならびにノブ320およびピン304の対応する軸方向移動を引き起こし、これによって、カラー306および外側シースを駆動し、展開部材を展開する。制御ノブ302は、外科医による係合を容易にするための、スカラップ状の外側表面318を備え得る。制御ノブ302は、展開部材の部分的な展開を引き起こすために、選択的に回転され得ることが、注目される。
【0046】
上で議論された実施形態において、展開部材16または展開部材126は、この展開部材上に、比較的薄いエラストマーフィルムを備え、組織とのシールを提供し、外科手術の間、吹き込みガスが逃れることを防止する。
【0047】
種々の改変が、本明細書中に開示された実施形態に対してなされ得ることが、理解される。従って、上記説明は、限定として解釈されるべきではなく、単に、好ましい実施形態の例示として解釈されるべきである。当業者は、本明細書に添付された特許請求の範囲および精神内で、他の改変を予測する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
明細書中に記載の発明。
【請求項1】
明細書中に記載の発明。
【図1】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図17A】
【図18】
【図18A】
【図19】
【図19A】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図1A】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図16A】
【図16B】
【図17】
【図17A】
【図18】
【図18A】
【図19】
【図19A】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【公開番号】特開2011−11070(P2011−11070A)
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−206175(P2010−206175)
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【分割の表示】特願2006−535382(P2006−535382)の分割
【原出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年9月14日(2010.9.14)
【分割の表示】特願2006−535382(P2006−535382)の分割
【原出願日】平成16年10月15日(2004.10.15)
【出願人】(501289751)タイコ ヘルスケア グループ リミテッド パートナーシップ (320)
【Fターム(参考)】
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