拡径保持リングを備える枢支ロッドを有するモジュール式ベルト
噛み合わされるとともに、ロッド(424)の端部から長さ方向中心線に沿って離間して設けられた保持リング(427)を備える枢支ロッド(424)により所定位置に固定されるモジュール(403、430)を有するモジュール式ベルト。モジュール(403)の第1の複数の連結端部の最外連結端部(412)は、他の連結端部(406)の孔より大きい径を有するとともに、それらから偏位している孔(415)を有する。最外連結端部(412)の孔(415)は、ほぼ楕円形であり、孔(415)の一部は、他の孔に位置が一致している。楕円形にすることにより、ロッドの保持機能が向上する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール式搬送装置、とりわけモジュール式ベルト及びモジュール式ベルトからロッド保持スナップ式ロッドを取り外す方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属製コンベヤ・ベルトとは異なり、腐食せず、軽量で、また洗浄が容易であるために、プラスチックのコンベヤ・ベルトは、特に食品の取り扱いや運搬の材料に広く用いられている。モジュール式プラスチック・コンベヤ・ベルトは、選択可能な幅を有し、隣り合って列を成すように配置可能な、成形されたモジュール式プラスチック連結部つまりベルト・モジュールにより構成されている。モジュールの各々の側部から突出するとともに離間して配置された一連の連結端部は、枢支ロッドを収容するための位置が合わされた孔を有する。モジュールの列の1つの端部に沿う連結端部は、隣接する列の連結端部と相互に連結されている。隣り合わせに配置して、端部と端部が連結されるモジュールの、位置が合わされた孔に軸支されている枢支ロッドは、隣接する列との間にヒンジを構成する。ベルト・モジュールの列は、次いで、互いに連結され、関節を介して駆動スプロケットの周りに巻き付けることができる無限コンベヤ・ベルトを構成する。
【0003】
枢支ロッドの保持は、モジュール式プラスチック・コンベヤ・ベルトの重要な特徴である。ロッドの保持は、枢支ロッド両端のヘッドを拡径することによって達成可能であるが、そのような形状は、ロッドのヘッドを破壊することなく分解することを不可能にする。ヘッド無しのロッドが、製造とベルトの組立を容易にするために用いられてきた。これらの種類のロッドは、使用するとき、ベルトの両端で封鎖しなければならない。さらに、ヘッド無しのロッドは、分解のための取外しがしばしば困難である。
【0004】
ロッドを保持する一つのやり方は、ロッドの一方の端部にヘッドを設け、反対側の端部をヘッド無しにすることである。ヘッド付きロッドには、ロッドのヘッド部から離間する軸の部分にロッド保持リングが設けられている。ロッドは、モジュール式連結部の枢軸用孔に挿着されるが、それらは、全てが全く同一の径を有する。保持リングは最外連結部の枢軸用孔より径がほんの少し大きいために、リングは、最外連結端部の枢軸用孔に無理やり押し込み、連結部を通り抜けた位置で広がることができるようになっている。この構成において、ロッドは、保持リングにより所定位置にしっかりと保持される。上述したシステムは、最外連結部の孔の径と保持リングの径について厳しい耐用性が要求されるという欠点を有する。現実には、ロッドが余りうまく保持されない又はきつく保持されているために簡単には分解できなくなるという危険性がある。さらに、保持リングは、少しでも大き過ぎた場合には、挿入時に剪断されることもある。
【0005】
必要なものは、上述した耐用性をあまり気にかけなくてもよい装置である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、独立請求項1、8及び12に記載した、モジュール式ベルト及びモジュール式ベルトからロッド保持スナップ式ロッドを取り外す方法を提供することにより上述した要求に応えることができる。好適実施形態は、従属請求項に規定されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
とりわけ、本発明は、連結部の面を通過した位置で係合する肩状部の大きさを増大させるために、拡径保持リングが設けられたスナップ式ロッド・システムを備えることにより、上述した要求に応えることができる。同時に、リングが大きい径を有するために、最外連結部の孔は、拡径保持リングが孔を通過することができるよう、合わせて大きくなっていることが必要である。保持リングとロッドの径の間の差が大きいために、耐用性をあまり気にかけなくてもよい。一実施形態において、最外連結端部の孔は、組み立てたとき、保持リングの大きい肩状部が連結部の面に確実に重なり合うよう僅かに偏心している。ベルトに張力が掛かっているとき、ロッドは、この保持位置に向けてしっかりと押圧されるために、ベルトに牽引力を伝動する能力を失うことはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1から図4において、モジュール式ベルト10は、当業者には明白であるように、複数のベルト・モジュールから構成されている。図1は、最外モジュール13、16を示す。当業者には明白であるように、ベルト10は、ベルトの進行方向34に直行する方向において種々の幅になるよう、煉瓦積みの形態で形成される。
【0009】
モジュール13、16の各々は、図1の上端に示した外側縁12に対して、モジュールの中程に配置された第1と第2の複数の連結端部22、25を備えるモジュール本体20を有する。連結端部22、25の各々は、第1の横厚部21を構成する対向した側壁23、24を有する。第1の横厚部21は、第1の近位部27でモジュール本体20の中間部26に結合されている。横厚部は、中間部26からベルトの進行方向に沿い第1の遠位部29に向けて延出している。
【0010】
連結端部22、25は、ベルトの進行方向34に直交する向きに設けられた孔28、31を有する。孔28、31は、図示したように、隣接するベルト・モジュール13、16が噛み合わされたとき枢支ロッド19を受承する。
【0011】
枢支ロッド19は、一般には円形で、径30を有する。これにより、モジュール13、16は、相互に枢動可能になっているために、関節を介してスプロケット(図示せず)の周りに巻き付けることができる。枢支ロッド19は、枢支ロッド19の径より大きい径47を有する端部46を備える。枢支ロッド19は、また、端部46から長さ方向に離間する位置に保持リング60を有する。保持リング60は、枢支ロッド19の径より大きい径DRを有するとともに、面取りされた又は傾斜した縁63を設けてもよい。
【0012】
モジュール16の最外連結端部40は、ベルト10の縁12の側に設けられている。最外連結端部40は、枢支ロッド19の端部46を受承することができる陥凹部43を有する。枢支ロッド19が矢印49で示した方向でベルト10に挿着されたとき、図4に示したように、端部46は、陥凹部43に受承されて、孔52を囲繞する、連結端部の部分に当接する。
【0013】
連結端部40は、リング60の径DRにほぼ等しいか又はそれより僅かに小さいが、孔28、31の径D2よりは大きい径D1を有する孔52を備える。
【0014】
ベルト・モジュール13は、また、陥凹面56を備える、特別に形成された最外連結端部55を有する。
【0015】
孔52の長さ方向中心線65は、孔28、31の長さ方向中心線67から偏位しているために、枢支ロッド19は、図3に示したように、挿入時に撓む。枢支ロッド19は、挿入中は撓んでおり、それによりリング60が孔52を通り抜けたとき、図4の円で囲んだ領域76に示したように、拡径肩状部75が孔52を囲繞する連結部の面に重なり合う。孔52と孔31の中心線がずれているために、リング60は、挿着後に位置が合わされたモジュール13、16から脱落することが確実に阻止される。
【0016】
図2から図4は、枢支ロッド19を挿着する種々の段階における枢支ロッド19とモジュール13、16の位置を示す。図2において、枢支ロッド19は、枢支ロッド19の本体つまり軸が撓まされる前の、最大挿入位置にある状態が示されている。枢支ロッド19は、保持リング60の面取り縁63が孔52の、図の左側の縁に当接するまで矢印49の方向に挿入されている。
【0017】
図3を参照して説明すると、枢支ロッド19が孔52の右側に向けて撓むことにより、保持リング60の位置が孔52に合わされる。保持リング60は、挿入時に孔52の内壁と摩擦係合する大きさである。従って、保持リングは、孔52の内径D1にほぼ等しいか又はそれより僅かに大きい径DRを有する。図示したように、面取り縁63の左側が図3の孔を通り抜けることにより、保持リング60は、孔52を通過することができる。
【0018】
図4は、保持リング60が孔52を通過し終えるまで挿入され、円76内の領域において左側に「スナップ」後退した位置にある枢支ロッド19を示す。保持リング60の左側縁が孔52の端部を通り抜けたとき、枢支ロッド19は、その直線形に復帰する。この位置において、ベルト・モジュール13、16は、噛み合わされて保持リング60により互いに連結される。
【0019】
図5は、本発明のモジュール式ベルトの代替の実施形態を示す。第1のベルト・モジュール104の最外連結端部103とロッド保持リング106の間に構成される重複領域100が、スナップ式ロッドを取り付けるときの動作を規定する。枢支ロッドの中心線109と保持リング106が係合する最外連結端部103の孔112の中心線111の間の偏位107が、取付け動作に影響を及ぼす変数である。この偏位107は、ヘッド121と保持リング106の間のロッド118の径D4を小さくすることにより増大させることができる。このとき、保持リング106の径を、孔112の径より僅かに小さくする又はそれと同一にすることができるために、保持機能を低下させることなく、枢支ロッドの取外しを容易にすることが可能になる。最外連結端部103は、ヘッド121を受承する陥凹部122を有する。最外連結端部103の孔112は、複数の連結端部130の孔127より大きい。孔127領域のロッド118の径D3は、ヘッド121と保持リング106の間のロッド118の径D4より大きい。
【0020】
第2のベルト・モジュール133も、また、陥凹部139が設けられた最外連結端部136を有する。第2のベルト・モジュール133の陥凹部139は、第1と第2のベルト・モジュール104、133が噛み合わされて枢支ロッド118により連結されるとき、保持リング106を受承する。第2のベルト・モジュール133の最外連結端部136は、第1のベルト・モジュール104の孔127の径にほぼ等しい径143の枢支ロッド用孔140を有する。
【0021】
図6は、噛み合わされたベルト・モジュールの端部から見たときの偏位107を示す。枢支ロッドの中心線109と孔112の中心線111が図示されている。
【0022】
図7に示したように、枢支ロッド118は、ねじ回し200を用いて取り外すことができる。ねじ回し200は、枢支ロッド118のヘッド121の下に挿入し、てこの原理によりロッド118を湾曲させ、第1のモジュール104の最外連結端部103の孔112に位置を合わせるために用いられる。保持リング106の位置が孔112に合ったとき、枢支ロッド118は、矢印203で示した外向きの方向に摺動させて取り外すことができる。
【0023】
図8は、本発明の代替の実施形態を示す。ベルト300は、モジュール303、306から形成されている。該モジュールは、外側連結端部309、312を有する。モジュール306の連結端部309は、枢支ロッド319の保持リング360を受承するための孔315を内部に形成するために拡大された幅を有する。モジュール303の連結端部312は、図示したように、隣接する連結端部309と噛み合っている。また、連結端部309は、枢支ロッド319の端部346を受承するための陥凹部318を有する。
【0024】
連結端部309は、また、孔315と同一の径を有する孔321を備える。孔315、321は、面取りされた又は傾斜した縁363を備えるように形成されたリング360の径Drにほぼ等しいか又はそれより小さい径D1を有する。連結端部312及びベルトの中央部にかけて設けられた連結端部は、D1より小さい径D2の孔を有する。孔315、321の長さ方向中心線325は、連結端部312の孔及びベルト・モジュールの中央部にかけての孔の長さ方向中心線330から偏位している。
【0025】
従って、枢支ロッド319を挿入するとき、枢支ロッド319を曲げなければならないが、リング360が孔315を通り抜けたとき、枢支ロッド319は、図8において左に移動し、肩状部375が、孔315周りの連結部の面に当接する。
【0026】
また、図8の実施形態では、保持リング106の上と下に位置し、上と下とでは異なる径を有する枢支ロッド118(図5)が設けられていてもよい。図示例において、保持リングとヘッドの間のロッドの径は、保持リングとロッドの第2の端部との間のロッドの径より小さい。
【0027】
図9から図12は、本発明の別の実施形態を示す。モジュール式ベルト400の一部の断面が図示されている。第1のモジュール403は、貫通するように形成された孔409を備える複数の連結端部406を有する。モジュール403の最外連結端部412は、貫通するように形成された孔415を有する。孔415は、他の孔409より大きい。また、孔415は、孔409の中心線421から偏位する中心線418を有する。図1から図8に示した実施形態に関連して先に説明したように、大きい孔と偏位した中心線を設けることにより、拡径保持リング427を有する枢支ロッド424によりロッドの保持が可能になる。保持リング427は、枢支ロッド424の外径より大きい外径を有する。第2のモジュール430は、孔409に位置合せができる孔436が設けられた複数の連結端部433を有する。連結端部433は、連結端部406の間に形成された空間に嵌る。第2のモジュール430の最外連結端部436は、ベルト400を構成するために、モジュール403、430が噛み合わされて枢支ロッド424により連結されるとき、拡径保持リング427を受承するための第1の陥凹部439を有する。同様に、第2のモジュール430の最外連結端部436は、第2の陥凹部440を有する。第2の陥凹部440は、ねじ回しなどの先端部を受承できる大きさになっている。ベルト400を構成するために枢支ロッド424が噛み合わされたモジュール403、430に挿入されるとき、ロッド424は、初めは図3に示したように変形する。保持リング427が孔415を通り抜けたとき、枢支ロッド424は、(図4と図9が最も判りやすいが)図の左側に移動し、リング427とロッド424とにより形成される肩状部442が、連結端部412の側面に当接することにより、枢支ロッド424は、第1と第2のベルト・モジュール403、430各々の最外連結端部412、436の間に取り付けられる。
【0028】
最外連結端部412の縁は、孔415を除いて中実である。枢支ロッド424は、端部にヘッドを有してはいない。リング427は、枢支ロッド424の端部から離間して設けられている。従って、図7に示したような方法で、枢支ロッド424をベルト400の縁から取り外すことは不可能である。図11に示したように、リング427に係合させて枢支ロッド424を矢印445の方向に取り外すために、ねじ回しの刃441などを第2の陥凹部440に挿入することができる。ねじ回しの刃441を矢印448の方向に回動させることにより、刃441の角449が、ロッド424及び/又はリング427に当接して、それを図11において右向きに、次いで矢印445で示す外向きに動かす。
【0029】
第2の孔440との境の湾曲した壁451は、刃441の回動を可能にする。図12に示したように、修理又はメンテナンスのためにモジュールを分解するために枢支ロッド424を取り外すとき、ヘッドが平坦な一般的なねじ回しが、ベルト400の上部から下向きに又はそれに替えてベルト400の底から上向きに挿入できるようになっている。
【0030】
図13は、2倍幅の最外連結端部506に保持された枢支ロッド503を有するベルト・モジュール500を示す。連結端部506は、枢支ロッド503の径より僅かに大きい径の第1の横孔509を有する。枢支ロッド503は、枢支ロッド503の径より大きい径の保持リング512を有する。枢支ロッド503は、また、枢支ロッド503の最外端部に設けられたヘッド部分515を有する。保持リング512は、ヘッド515から離間して設けられている。連結端部506は、図13の向きのとき右側に偏位する第2の横孔518を有する。横孔518は、横孔509より大きい。従って、枢支ロッド503は、図13の右側に示したように、モジュール500を切り離すとき枢支ロッド503をベルトから抜き取れるようにするために、弾性変形ができる。連結端部521は、図示のように連結端部506とは反対側に延出していて、隣接するモジュール500と噛み合うことができる。
【0031】
図14を参照して説明すると、最外横孔518は、横孔509と部分的に重なり合う楕円形を有する。孔518の湾曲した壁519は、孔518の左側において孔509の湾曲した壁520と位置がほぼ一致する。孔518の湾曲した壁519は、枢支ロッド503の中央の、孔518の湾曲壁519が終わって拡径湾曲壁525が始まる両側の位置510まで、孔509の湾曲壁520と位置が一致している。湾曲壁519と湾曲壁525を組み合わせることにより、横孔509と位置が部分的に一致する楕円形の孔が形成される。外側の孔518が複雑な形状を有するために、保持リング512は、孔518の周囲で連結部面527(図13)とより大きく重複することとなり、該構造体のロッド保持機能が向上する。
【0032】
図15と図16は、ヘッド無しの枢支ロッド550により連結された隣接モジュール500を示す。この形態において、モジュール500は、孔553の周りをベルトの縁まで延出している。ロッド550は、工具又は道具を2層の最外連結部内部の空間に挿入して保持リング558に係合させ、てこの原理を利用することによりロッド550を取り外すことができる。保持リング558は、枢支ロッド550より大きい径を有し、また、リング558には、図15の右側に示したように、枢支ロッド550を取り外すための、てこの作用点が設けられている。図16に示したように、最外横孔518は、上述したように、第1の湾曲壁519と第2の湾曲壁525を備える楕円形である。
【0033】
図17と図18は、2倍幅の最外連結端部606に保持された枢支ロッド603を有するベルト・モジュール600を示す。連結端部606は、枢支ロッド603の径より僅かに大きい径の第1の横孔609を有する。枢支ロッド603は、枢支ロッド603の径より大きい径の保持リング612を有する。枢支ロッド603は、また、枢支ロッド603の最外端部に設けられたヘッド615を有する。保持リング612は、ヘッド615から離間して設けられている。連結端部606は、図17の向きにおいて右に偏位している第2の横孔618を有する。横孔618は、横孔609より大きい。従って、枢支ロッド603は、図17の右側に示したように、モジュール600を切り離すためにベルトから枢支ロッド603を取り外すとき、弾性変形することができる。図示のように、連結端部621は、連結端部606とは反対向きに延出し、隣接するモジュール600と噛み合うことができる。
【0034】
図18を参照して説明すると、最外横孔618は、横孔609と部分的に重なり合う概ね楕円形を有する。孔618の湾曲壁619は、孔618の左側において孔609の湾曲壁620と位置がほぼ一致する。孔618の湾曲壁619は、枢支ロッド603の中央の、湾曲部が終わってほぼ正接壁622が孔618の両側から拡径湾曲壁625に向けて延出する点まで、横孔609の湾曲壁620と位置が一致する。湾曲壁619、正接壁622及び湾曲壁625を組み合わせることにより、横孔609と部分的に位置が一致する楕円形の孔618が形成される。外側の孔618が複雑な形状を有するために、保持リング612は、孔618の周囲で連結部面639(図17)とより重複することとなり、該構造体のロッド保持機能が向上する。
【0035】
図19と図20は、ヘッド無しの枢支ロッド650により連結された隣接モジュール600を示す。この形態において、モジュール600は、孔653の周りをベルトの縁まで延出している。ロッド650は、工具又は道具を2層の最外連結部内部の空間に挿入して保持リング658に係合させ、てこの原理を利用することによりロッド650を取り外すことができる。保持リング658は、枢支ロッド650より大きい径を有し、また、リング658には、図19の右側に示したように、枢支ロッド650を取り外すための、てこの作用点が設けられている。図20に示したように、最外横孔618は、上述したように、ほぼ正接壁622により連結された第1の湾曲壁619と第2の湾曲壁625を有する楕円形である。
【0036】
図21は、1層の連結部構造の最外連結端部703を有するモジュール700を示す。最外連結端部703は、他の横孔709より大きい横孔706を有する。また、横孔706は、図示した向きにおいて右に偏位しているために、図の右側に示した枢支ロッド712のように、孔706を通して取り外すとき、枢支ロッド712は弾性変形することができる。枢支ロッド712は、枢支ロッド712の径より大きい外径の保持リング715を有する。隣接モジュール700には、隣接モジュール700を噛み合せて枢支ロッド712により連結するとき、保持リング715を受承するための空間としての陥凹部728が設けられている。
【0037】
図22を参照して説明すると、代替の実施形態は、隣接モジュール744の連結端部760に対向する最外連結端部755に陥凹部750を有するモジュール744を提供する。連結端部755、760を噛み合せて枢支ロッド712を挿着したとき、保持リング715は、モジュール744に形成された陥凹部750に配置される。
【0038】
特定の実施形態との関連において本発明について説明したが、本発明の範囲を、説明した特定の形態に限定する意図はなく、それどころか、代替例、変更例及び等価例が、添付特許請求の範囲により規定される本発明の範囲に含まれることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】枢支ロッドがベルトの端部から突出している挿着前の状態の、本発明によるベルトと枢支ロッドの平断面図である。
【図2】枢支ロッド挿着の初期における、図1に示したベルトと枢支ロッドの平断面図である。
【図3】挿着後期における、枢支ロッドの平断面図である。
【図4】挿着した状態を示す、図1のベルトと枢支ロッドの平断面図である。
【図5】本発明の代替の実施形態による、挿着した状態のベルトと枢支ロッドの平断面図である。
【図6】明確にするために枢支ロッドを取り外したときの、ベルトの端面図である。
【図7】ねじ回しにより枢支ロッドを取り外すときの、図5に示したベルトの断面図である。
【図8】本発明の代替の実施形態の平断面図である。
【図9】本発明の代替の実施形態によるモジュール式ベルトの一部の断面図である。
【図10】図9に示した部分の端部断面図である。
【図11】枢支ロッドをねじ回しの先端により取り外している状態を示す、本発明のモジュール式ベルトの一部の断面図である。
【図12】枢支ロッドをねじ回しにより取り外している状態を示す、本発明のモジュール式ベルトの一部の斜視図である。
【図13】2層の連結部構造を有するベルト・モジュールの一部を示す、本発明の代替の実施形態の断面図である。
【図14】図13の線14‐14に沿う断面図である。
【図15】ヘッド無しの枢支ロッドにより連結されたベルト・モジュールの一部の断面図である。
【図16】図15の線16‐16に沿う断面図である。
【図17】2層の連結部構造を有するベルト・モジュールの一部を示す、本発明の別の代替の実施形態の断面図である。
【図18】図17の線18‐18に沿う断面図である。
【図19】2層の連結部構造を有するとともに、ヘッド無しの枢支ロッドにより連結されたベルト・モジュールの一部を示す、本発明の別の代替の実施形態の断面図である。
【図20】図19の線20‐20に沿う断面図である。
【図21】1層の連結部構造を有する、本発明の代替の実施形態の断面図である。
【図22】1層の連結部構造を有する、本発明の代替の実施形態の断面図である。
【符号の説明】
【0040】
400 モジュール式ベルト
403,430 モジュール
406,412,433,436 連結端部
409,415 孔
421 中心線
424 枢支ロッド
439,440 陥凹部
【技術分野】
【0001】
本発明は、モジュール式搬送装置、とりわけモジュール式ベルト及びモジュール式ベルトからロッド保持スナップ式ロッドを取り外す方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属製コンベヤ・ベルトとは異なり、腐食せず、軽量で、また洗浄が容易であるために、プラスチックのコンベヤ・ベルトは、特に食品の取り扱いや運搬の材料に広く用いられている。モジュール式プラスチック・コンベヤ・ベルトは、選択可能な幅を有し、隣り合って列を成すように配置可能な、成形されたモジュール式プラスチック連結部つまりベルト・モジュールにより構成されている。モジュールの各々の側部から突出するとともに離間して配置された一連の連結端部は、枢支ロッドを収容するための位置が合わされた孔を有する。モジュールの列の1つの端部に沿う連結端部は、隣接する列の連結端部と相互に連結されている。隣り合わせに配置して、端部と端部が連結されるモジュールの、位置が合わされた孔に軸支されている枢支ロッドは、隣接する列との間にヒンジを構成する。ベルト・モジュールの列は、次いで、互いに連結され、関節を介して駆動スプロケットの周りに巻き付けることができる無限コンベヤ・ベルトを構成する。
【0003】
枢支ロッドの保持は、モジュール式プラスチック・コンベヤ・ベルトの重要な特徴である。ロッドの保持は、枢支ロッド両端のヘッドを拡径することによって達成可能であるが、そのような形状は、ロッドのヘッドを破壊することなく分解することを不可能にする。ヘッド無しのロッドが、製造とベルトの組立を容易にするために用いられてきた。これらの種類のロッドは、使用するとき、ベルトの両端で封鎖しなければならない。さらに、ヘッド無しのロッドは、分解のための取外しがしばしば困難である。
【0004】
ロッドを保持する一つのやり方は、ロッドの一方の端部にヘッドを設け、反対側の端部をヘッド無しにすることである。ヘッド付きロッドには、ロッドのヘッド部から離間する軸の部分にロッド保持リングが設けられている。ロッドは、モジュール式連結部の枢軸用孔に挿着されるが、それらは、全てが全く同一の径を有する。保持リングは最外連結部の枢軸用孔より径がほんの少し大きいために、リングは、最外連結端部の枢軸用孔に無理やり押し込み、連結部を通り抜けた位置で広がることができるようになっている。この構成において、ロッドは、保持リングにより所定位置にしっかりと保持される。上述したシステムは、最外連結部の孔の径と保持リングの径について厳しい耐用性が要求されるという欠点を有する。現実には、ロッドが余りうまく保持されない又はきつく保持されているために簡単には分解できなくなるという危険性がある。さらに、保持リングは、少しでも大き過ぎた場合には、挿入時に剪断されることもある。
【0005】
必要なものは、上述した耐用性をあまり気にかけなくてもよい装置である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、独立請求項1、8及び12に記載した、モジュール式ベルト及びモジュール式ベルトからロッド保持スナップ式ロッドを取り外す方法を提供することにより上述した要求に応えることができる。好適実施形態は、従属請求項に規定されている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
とりわけ、本発明は、連結部の面を通過した位置で係合する肩状部の大きさを増大させるために、拡径保持リングが設けられたスナップ式ロッド・システムを備えることにより、上述した要求に応えることができる。同時に、リングが大きい径を有するために、最外連結部の孔は、拡径保持リングが孔を通過することができるよう、合わせて大きくなっていることが必要である。保持リングとロッドの径の間の差が大きいために、耐用性をあまり気にかけなくてもよい。一実施形態において、最外連結端部の孔は、組み立てたとき、保持リングの大きい肩状部が連結部の面に確実に重なり合うよう僅かに偏心している。ベルトに張力が掛かっているとき、ロッドは、この保持位置に向けてしっかりと押圧されるために、ベルトに牽引力を伝動する能力を失うことはない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
図1から図4において、モジュール式ベルト10は、当業者には明白であるように、複数のベルト・モジュールから構成されている。図1は、最外モジュール13、16を示す。当業者には明白であるように、ベルト10は、ベルトの進行方向34に直行する方向において種々の幅になるよう、煉瓦積みの形態で形成される。
【0009】
モジュール13、16の各々は、図1の上端に示した外側縁12に対して、モジュールの中程に配置された第1と第2の複数の連結端部22、25を備えるモジュール本体20を有する。連結端部22、25の各々は、第1の横厚部21を構成する対向した側壁23、24を有する。第1の横厚部21は、第1の近位部27でモジュール本体20の中間部26に結合されている。横厚部は、中間部26からベルトの進行方向に沿い第1の遠位部29に向けて延出している。
【0010】
連結端部22、25は、ベルトの進行方向34に直交する向きに設けられた孔28、31を有する。孔28、31は、図示したように、隣接するベルト・モジュール13、16が噛み合わされたとき枢支ロッド19を受承する。
【0011】
枢支ロッド19は、一般には円形で、径30を有する。これにより、モジュール13、16は、相互に枢動可能になっているために、関節を介してスプロケット(図示せず)の周りに巻き付けることができる。枢支ロッド19は、枢支ロッド19の径より大きい径47を有する端部46を備える。枢支ロッド19は、また、端部46から長さ方向に離間する位置に保持リング60を有する。保持リング60は、枢支ロッド19の径より大きい径DRを有するとともに、面取りされた又は傾斜した縁63を設けてもよい。
【0012】
モジュール16の最外連結端部40は、ベルト10の縁12の側に設けられている。最外連結端部40は、枢支ロッド19の端部46を受承することができる陥凹部43を有する。枢支ロッド19が矢印49で示した方向でベルト10に挿着されたとき、図4に示したように、端部46は、陥凹部43に受承されて、孔52を囲繞する、連結端部の部分に当接する。
【0013】
連結端部40は、リング60の径DRにほぼ等しいか又はそれより僅かに小さいが、孔28、31の径D2よりは大きい径D1を有する孔52を備える。
【0014】
ベルト・モジュール13は、また、陥凹面56を備える、特別に形成された最外連結端部55を有する。
【0015】
孔52の長さ方向中心線65は、孔28、31の長さ方向中心線67から偏位しているために、枢支ロッド19は、図3に示したように、挿入時に撓む。枢支ロッド19は、挿入中は撓んでおり、それによりリング60が孔52を通り抜けたとき、図4の円で囲んだ領域76に示したように、拡径肩状部75が孔52を囲繞する連結部の面に重なり合う。孔52と孔31の中心線がずれているために、リング60は、挿着後に位置が合わされたモジュール13、16から脱落することが確実に阻止される。
【0016】
図2から図4は、枢支ロッド19を挿着する種々の段階における枢支ロッド19とモジュール13、16の位置を示す。図2において、枢支ロッド19は、枢支ロッド19の本体つまり軸が撓まされる前の、最大挿入位置にある状態が示されている。枢支ロッド19は、保持リング60の面取り縁63が孔52の、図の左側の縁に当接するまで矢印49の方向に挿入されている。
【0017】
図3を参照して説明すると、枢支ロッド19が孔52の右側に向けて撓むことにより、保持リング60の位置が孔52に合わされる。保持リング60は、挿入時に孔52の内壁と摩擦係合する大きさである。従って、保持リングは、孔52の内径D1にほぼ等しいか又はそれより僅かに大きい径DRを有する。図示したように、面取り縁63の左側が図3の孔を通り抜けることにより、保持リング60は、孔52を通過することができる。
【0018】
図4は、保持リング60が孔52を通過し終えるまで挿入され、円76内の領域において左側に「スナップ」後退した位置にある枢支ロッド19を示す。保持リング60の左側縁が孔52の端部を通り抜けたとき、枢支ロッド19は、その直線形に復帰する。この位置において、ベルト・モジュール13、16は、噛み合わされて保持リング60により互いに連結される。
【0019】
図5は、本発明のモジュール式ベルトの代替の実施形態を示す。第1のベルト・モジュール104の最外連結端部103とロッド保持リング106の間に構成される重複領域100が、スナップ式ロッドを取り付けるときの動作を規定する。枢支ロッドの中心線109と保持リング106が係合する最外連結端部103の孔112の中心線111の間の偏位107が、取付け動作に影響を及ぼす変数である。この偏位107は、ヘッド121と保持リング106の間のロッド118の径D4を小さくすることにより増大させることができる。このとき、保持リング106の径を、孔112の径より僅かに小さくする又はそれと同一にすることができるために、保持機能を低下させることなく、枢支ロッドの取外しを容易にすることが可能になる。最外連結端部103は、ヘッド121を受承する陥凹部122を有する。最外連結端部103の孔112は、複数の連結端部130の孔127より大きい。孔127領域のロッド118の径D3は、ヘッド121と保持リング106の間のロッド118の径D4より大きい。
【0020】
第2のベルト・モジュール133も、また、陥凹部139が設けられた最外連結端部136を有する。第2のベルト・モジュール133の陥凹部139は、第1と第2のベルト・モジュール104、133が噛み合わされて枢支ロッド118により連結されるとき、保持リング106を受承する。第2のベルト・モジュール133の最外連結端部136は、第1のベルト・モジュール104の孔127の径にほぼ等しい径143の枢支ロッド用孔140を有する。
【0021】
図6は、噛み合わされたベルト・モジュールの端部から見たときの偏位107を示す。枢支ロッドの中心線109と孔112の中心線111が図示されている。
【0022】
図7に示したように、枢支ロッド118は、ねじ回し200を用いて取り外すことができる。ねじ回し200は、枢支ロッド118のヘッド121の下に挿入し、てこの原理によりロッド118を湾曲させ、第1のモジュール104の最外連結端部103の孔112に位置を合わせるために用いられる。保持リング106の位置が孔112に合ったとき、枢支ロッド118は、矢印203で示した外向きの方向に摺動させて取り外すことができる。
【0023】
図8は、本発明の代替の実施形態を示す。ベルト300は、モジュール303、306から形成されている。該モジュールは、外側連結端部309、312を有する。モジュール306の連結端部309は、枢支ロッド319の保持リング360を受承するための孔315を内部に形成するために拡大された幅を有する。モジュール303の連結端部312は、図示したように、隣接する連結端部309と噛み合っている。また、連結端部309は、枢支ロッド319の端部346を受承するための陥凹部318を有する。
【0024】
連結端部309は、また、孔315と同一の径を有する孔321を備える。孔315、321は、面取りされた又は傾斜した縁363を備えるように形成されたリング360の径Drにほぼ等しいか又はそれより小さい径D1を有する。連結端部312及びベルトの中央部にかけて設けられた連結端部は、D1より小さい径D2の孔を有する。孔315、321の長さ方向中心線325は、連結端部312の孔及びベルト・モジュールの中央部にかけての孔の長さ方向中心線330から偏位している。
【0025】
従って、枢支ロッド319を挿入するとき、枢支ロッド319を曲げなければならないが、リング360が孔315を通り抜けたとき、枢支ロッド319は、図8において左に移動し、肩状部375が、孔315周りの連結部の面に当接する。
【0026】
また、図8の実施形態では、保持リング106の上と下に位置し、上と下とでは異なる径を有する枢支ロッド118(図5)が設けられていてもよい。図示例において、保持リングとヘッドの間のロッドの径は、保持リングとロッドの第2の端部との間のロッドの径より小さい。
【0027】
図9から図12は、本発明の別の実施形態を示す。モジュール式ベルト400の一部の断面が図示されている。第1のモジュール403は、貫通するように形成された孔409を備える複数の連結端部406を有する。モジュール403の最外連結端部412は、貫通するように形成された孔415を有する。孔415は、他の孔409より大きい。また、孔415は、孔409の中心線421から偏位する中心線418を有する。図1から図8に示した実施形態に関連して先に説明したように、大きい孔と偏位した中心線を設けることにより、拡径保持リング427を有する枢支ロッド424によりロッドの保持が可能になる。保持リング427は、枢支ロッド424の外径より大きい外径を有する。第2のモジュール430は、孔409に位置合せができる孔436が設けられた複数の連結端部433を有する。連結端部433は、連結端部406の間に形成された空間に嵌る。第2のモジュール430の最外連結端部436は、ベルト400を構成するために、モジュール403、430が噛み合わされて枢支ロッド424により連結されるとき、拡径保持リング427を受承するための第1の陥凹部439を有する。同様に、第2のモジュール430の最外連結端部436は、第2の陥凹部440を有する。第2の陥凹部440は、ねじ回しなどの先端部を受承できる大きさになっている。ベルト400を構成するために枢支ロッド424が噛み合わされたモジュール403、430に挿入されるとき、ロッド424は、初めは図3に示したように変形する。保持リング427が孔415を通り抜けたとき、枢支ロッド424は、(図4と図9が最も判りやすいが)図の左側に移動し、リング427とロッド424とにより形成される肩状部442が、連結端部412の側面に当接することにより、枢支ロッド424は、第1と第2のベルト・モジュール403、430各々の最外連結端部412、436の間に取り付けられる。
【0028】
最外連結端部412の縁は、孔415を除いて中実である。枢支ロッド424は、端部にヘッドを有してはいない。リング427は、枢支ロッド424の端部から離間して設けられている。従って、図7に示したような方法で、枢支ロッド424をベルト400の縁から取り外すことは不可能である。図11に示したように、リング427に係合させて枢支ロッド424を矢印445の方向に取り外すために、ねじ回しの刃441などを第2の陥凹部440に挿入することができる。ねじ回しの刃441を矢印448の方向に回動させることにより、刃441の角449が、ロッド424及び/又はリング427に当接して、それを図11において右向きに、次いで矢印445で示す外向きに動かす。
【0029】
第2の孔440との境の湾曲した壁451は、刃441の回動を可能にする。図12に示したように、修理又はメンテナンスのためにモジュールを分解するために枢支ロッド424を取り外すとき、ヘッドが平坦な一般的なねじ回しが、ベルト400の上部から下向きに又はそれに替えてベルト400の底から上向きに挿入できるようになっている。
【0030】
図13は、2倍幅の最外連結端部506に保持された枢支ロッド503を有するベルト・モジュール500を示す。連結端部506は、枢支ロッド503の径より僅かに大きい径の第1の横孔509を有する。枢支ロッド503は、枢支ロッド503の径より大きい径の保持リング512を有する。枢支ロッド503は、また、枢支ロッド503の最外端部に設けられたヘッド部分515を有する。保持リング512は、ヘッド515から離間して設けられている。連結端部506は、図13の向きのとき右側に偏位する第2の横孔518を有する。横孔518は、横孔509より大きい。従って、枢支ロッド503は、図13の右側に示したように、モジュール500を切り離すとき枢支ロッド503をベルトから抜き取れるようにするために、弾性変形ができる。連結端部521は、図示のように連結端部506とは反対側に延出していて、隣接するモジュール500と噛み合うことができる。
【0031】
図14を参照して説明すると、最外横孔518は、横孔509と部分的に重なり合う楕円形を有する。孔518の湾曲した壁519は、孔518の左側において孔509の湾曲した壁520と位置がほぼ一致する。孔518の湾曲した壁519は、枢支ロッド503の中央の、孔518の湾曲壁519が終わって拡径湾曲壁525が始まる両側の位置510まで、孔509の湾曲壁520と位置が一致している。湾曲壁519と湾曲壁525を組み合わせることにより、横孔509と位置が部分的に一致する楕円形の孔が形成される。外側の孔518が複雑な形状を有するために、保持リング512は、孔518の周囲で連結部面527(図13)とより大きく重複することとなり、該構造体のロッド保持機能が向上する。
【0032】
図15と図16は、ヘッド無しの枢支ロッド550により連結された隣接モジュール500を示す。この形態において、モジュール500は、孔553の周りをベルトの縁まで延出している。ロッド550は、工具又は道具を2層の最外連結部内部の空間に挿入して保持リング558に係合させ、てこの原理を利用することによりロッド550を取り外すことができる。保持リング558は、枢支ロッド550より大きい径を有し、また、リング558には、図15の右側に示したように、枢支ロッド550を取り外すための、てこの作用点が設けられている。図16に示したように、最外横孔518は、上述したように、第1の湾曲壁519と第2の湾曲壁525を備える楕円形である。
【0033】
図17と図18は、2倍幅の最外連結端部606に保持された枢支ロッド603を有するベルト・モジュール600を示す。連結端部606は、枢支ロッド603の径より僅かに大きい径の第1の横孔609を有する。枢支ロッド603は、枢支ロッド603の径より大きい径の保持リング612を有する。枢支ロッド603は、また、枢支ロッド603の最外端部に設けられたヘッド615を有する。保持リング612は、ヘッド615から離間して設けられている。連結端部606は、図17の向きにおいて右に偏位している第2の横孔618を有する。横孔618は、横孔609より大きい。従って、枢支ロッド603は、図17の右側に示したように、モジュール600を切り離すためにベルトから枢支ロッド603を取り外すとき、弾性変形することができる。図示のように、連結端部621は、連結端部606とは反対向きに延出し、隣接するモジュール600と噛み合うことができる。
【0034】
図18を参照して説明すると、最外横孔618は、横孔609と部分的に重なり合う概ね楕円形を有する。孔618の湾曲壁619は、孔618の左側において孔609の湾曲壁620と位置がほぼ一致する。孔618の湾曲壁619は、枢支ロッド603の中央の、湾曲部が終わってほぼ正接壁622が孔618の両側から拡径湾曲壁625に向けて延出する点まで、横孔609の湾曲壁620と位置が一致する。湾曲壁619、正接壁622及び湾曲壁625を組み合わせることにより、横孔609と部分的に位置が一致する楕円形の孔618が形成される。外側の孔618が複雑な形状を有するために、保持リング612は、孔618の周囲で連結部面639(図17)とより重複することとなり、該構造体のロッド保持機能が向上する。
【0035】
図19と図20は、ヘッド無しの枢支ロッド650により連結された隣接モジュール600を示す。この形態において、モジュール600は、孔653の周りをベルトの縁まで延出している。ロッド650は、工具又は道具を2層の最外連結部内部の空間に挿入して保持リング658に係合させ、てこの原理を利用することによりロッド650を取り外すことができる。保持リング658は、枢支ロッド650より大きい径を有し、また、リング658には、図19の右側に示したように、枢支ロッド650を取り外すための、てこの作用点が設けられている。図20に示したように、最外横孔618は、上述したように、ほぼ正接壁622により連結された第1の湾曲壁619と第2の湾曲壁625を有する楕円形である。
【0036】
図21は、1層の連結部構造の最外連結端部703を有するモジュール700を示す。最外連結端部703は、他の横孔709より大きい横孔706を有する。また、横孔706は、図示した向きにおいて右に偏位しているために、図の右側に示した枢支ロッド712のように、孔706を通して取り外すとき、枢支ロッド712は弾性変形することができる。枢支ロッド712は、枢支ロッド712の径より大きい外径の保持リング715を有する。隣接モジュール700には、隣接モジュール700を噛み合せて枢支ロッド712により連結するとき、保持リング715を受承するための空間としての陥凹部728が設けられている。
【0037】
図22を参照して説明すると、代替の実施形態は、隣接モジュール744の連結端部760に対向する最外連結端部755に陥凹部750を有するモジュール744を提供する。連結端部755、760を噛み合せて枢支ロッド712を挿着したとき、保持リング715は、モジュール744に形成された陥凹部750に配置される。
【0038】
特定の実施形態との関連において本発明について説明したが、本発明の範囲を、説明した特定の形態に限定する意図はなく、それどころか、代替例、変更例及び等価例が、添付特許請求の範囲により規定される本発明の範囲に含まれることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】枢支ロッドがベルトの端部から突出している挿着前の状態の、本発明によるベルトと枢支ロッドの平断面図である。
【図2】枢支ロッド挿着の初期における、図1に示したベルトと枢支ロッドの平断面図である。
【図3】挿着後期における、枢支ロッドの平断面図である。
【図4】挿着した状態を示す、図1のベルトと枢支ロッドの平断面図である。
【図5】本発明の代替の実施形態による、挿着した状態のベルトと枢支ロッドの平断面図である。
【図6】明確にするために枢支ロッドを取り外したときの、ベルトの端面図である。
【図7】ねじ回しにより枢支ロッドを取り外すときの、図5に示したベルトの断面図である。
【図8】本発明の代替の実施形態の平断面図である。
【図9】本発明の代替の実施形態によるモジュール式ベルトの一部の断面図である。
【図10】図9に示した部分の端部断面図である。
【図11】枢支ロッドをねじ回しの先端により取り外している状態を示す、本発明のモジュール式ベルトの一部の断面図である。
【図12】枢支ロッドをねじ回しにより取り外している状態を示す、本発明のモジュール式ベルトの一部の斜視図である。
【図13】2層の連結部構造を有するベルト・モジュールの一部を示す、本発明の代替の実施形態の断面図である。
【図14】図13の線14‐14に沿う断面図である。
【図15】ヘッド無しの枢支ロッドにより連結されたベルト・モジュールの一部の断面図である。
【図16】図15の線16‐16に沿う断面図である。
【図17】2層の連結部構造を有するベルト・モジュールの一部を示す、本発明の別の代替の実施形態の断面図である。
【図18】図17の線18‐18に沿う断面図である。
【図19】2層の連結部構造を有するとともに、ヘッド無しの枢支ロッドにより連結されたベルト・モジュールの一部を示す、本発明の別の代替の実施形態の断面図である。
【図20】図19の線20‐20に沿う断面図である。
【図21】1層の連結部構造を有する、本発明の代替の実施形態の断面図である。
【図22】1層の連結部構造を有する、本発明の代替の実施形態の断面図である。
【符号の説明】
【0040】
400 モジュール式ベルト
403,430 モジュール
406,412,433,436 連結端部
409,415 孔
421 中心線
424 枢支ロッド
439,440 陥凹部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
モジュール式ベルトにおいて、
第1の複数の連結端部を備える複数のベルト・モジュールを有し、各々の連結端部は、第1の横厚部を構成する対向した側壁を有するとともに、第1の近位部において中間部に結合されて、前記中間部からベルトの進行方向である、連結端部の第1の遠位部に向けて延出しており、前記第1の複数の連結端部は、前記第1の横厚部を前記対向した側壁間において貫通する第1の孔を有し、前記第1のベルト・モジュールは、第2の横厚部を構成する対向した側壁を有するとともに、第2の近位部において中間部に結合されて、前記中間部からベルトの進行方向である、連結端部の第2の遠位部に向けて延出する最外連結端部を有し、前記最外連結端部は、前記第2の横厚部を前記対向した側壁間において貫通する第2の孔を有し、前記第2の孔は、前記第1の孔より大きく、前記第2の孔は、前記第1の孔の長さ方向中心線から前記ベルトの進行方向に偏位しており、前記モジュールは、第2の複数の連結端部を有し、各々の連結端部は、第1の横厚部を構成する対向した側壁を有するとともに、第1の近位部において中間部に結合されて、前記中間部からベルトの進行方向である、連結端部の第1の遠位部に向けて延出しており、前記第2の複数の連結端部は、前記厚部を前記対向した側壁間において貫通する第3の孔を有し、前記第2の複数の連結端部は、第2の横厚部を構成する対向した側壁を有するとともに、第2の近位部において中間部に結合されて、前記中間部からベルトの進行方向である、連結端部の第2の遠位部に向けて延出する最外連結端部を有し、前記第2の横厚部は、取り外すための、枢支ロッドに係合する工具を受承できるよう、その中に形成された第4の孔を有し、
前記枢支ロッドは、第1の径の長い本体を有し、前記枢支ロッドは、第2の端部の反対側に形成された第1の端部を有し、前記枢支ロッドは、前記ベルトの進行方向に直交する向きに配置された長さ方向中心線を有し、前記枢支ロッドは、前記枢支ロッドの前記第1の端部から前記長さ方向中心線の方向に離間して配置された保持リングを有し、前記枢支ロッドは、隣接するモジュールの前記第1、第2及び第3の孔を貫通させて配置することができるようになっているモジュール式ベルト。
【請求項2】
前記枢支ロッドを取り外すための工具を受承する前記孔は湾曲している請求項1に記載のモジュール式ベルト。
【請求項3】
前記枢支ロッドを取り外すための工具を受承する前記孔は半円形である請求項1又は2に記載のモジュール式ベルト。
【請求項4】
前記工具はねじ回しの刃である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のモジュール式ベルト。
【請求項5】
前記枢支ロッドを取り外すための工具を受承する前記孔は、前記第2の連結端部の1つの一部及び中間部の一部に形成されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のモジュール式ベルト。
【請求項6】
前記第1の複数の連結端部の前記最外連結端部は、前記最外連結端部の孔の周りをベルトの縁まで延出している請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のモジュール式ベルト。
【請求項7】
前記枢支ロッドはヘッド無しである請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のモジュール式ベルト。
【請求項8】
ロッド保持スナップ式ロッドをモジュール式ベルトから取り外す方法において、
第1の複数の連結端部を備える複数のモジュールを用意することと、ここで、各々の連結端部は、第1の横厚部を構成する対向した側壁を有するとともに、第1の近位部において中間部に結合されて、前記中間部からベルトの進行方向である、連結端部の第1の遠位部に向けて延出しており、前記第1の複数の連結端部は、前記第1の横厚部を前記対向した側壁間において貫通する第1の孔を有し、前記第1のベルト・モジュールは、第2の横厚部を構成する対向した側壁を有するとともに、第2の近位部において中間部に結合されて、前記中間部からベルトの進行方向である、連結端部の第2の遠位部に向けて延出する最外連結端部を有し、前記最外連結端部は、前記第2の横厚部を前記対向した側壁間において貫通する第2の孔を有し、前記第2の孔は、前記第1の孔より大きく、前記第2の孔は、前記第1の孔の長さ方向中心線から前記ベルトの進行方向に偏位し、
前記第1の複数の連結端部とは反対方向に延出している第2の複数の連結端部を用意することと、ここで、各々の連結端部は、第1の横厚部を構成する対向した側壁を有するとともに、第1の近位部において中間部に結合されて、前記中間部からベルトの進行方向である、連結端部の第1の遠位部に向けて延出しており、前記第2の複数の連結端部は、前記厚部を前記対向した側壁間において貫通する第3の孔を有し、前記第2の複数の連結端部は、第2の横厚部を構成する対向した側壁を有するとともに、第2の近位部において中間部に結合されて、前記中間部からベルトの進行方向である、連結端部の第2の遠位部に向けて延出している最外連結端部を有し、前記第2の横厚部は、取り外すための、枢支ロッドに係合する工具を受承できるよう、その中に形成された第4の孔を有し、
第1の径の長い本体を有する枢支ロッドを用意することと、ここで、前記枢支ロッドは、第2の端部の反対側に形成された第1の端部を有し、前記枢支ロッドは、前記ベルトの進行方向に直交する向きに配置された長さ方向中心線を有し、前記枢支ロッドは、前記枢支ロッドの前記第1の端部から前記長さ方向中心線の方向に離間して配置された保持リングを有し、前記枢支ロッドは、前記モジュールを噛み合わせたとき、前記保持リングが前記モジュールの1つの前記最外連結端部の側壁と隣接するモジュールの連結端部との間に配置されるよう、前記隣接するベルト・モジュールの前記第1、第2及び第3の孔を貫通させて配置することができ、
前記最外連結端部の前記孔に工具を挿入することと、
前記第1の最外連結端部の前記孔を介して取り外すために、前記枢支ロッドを弾性変形させるため前記工具を前記保持リングに係合させることとを含む方法。
【請求項9】
前記工具はねじ回しの刃である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記枢支ロッドを取り外すための工具を受承する前記孔は湾曲している請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記枢支ロッドを取り外すための工具を受承する前記孔は半円形に形成されている請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
モジュール式ベルトにおいて、
第1の複数の連結端部を備える複数のベルト・モジュールと、ここで、各々の連結端部は、第1の横厚部を構成する対向した側壁を有するとともに、第1の近位部において中間部に結合されて、前記中間部からベルトの進行方向である、連結端部の第1の遠位部に向けて延出しており、前記第1の複数の連結端部は、前記第1の横厚部を前記対向した側壁間において貫通する第1の孔を有し、前記第1のベルト・モジュールは、第2の横厚部を構成する対向した側壁を有するとともに、第2の近位部において中間部に結合されて、前記中間部からベルトの進行方向である、連結端部の第2の遠位部に向けて延出している最外連結端部を有し、前記最外連結端部は、前記第2の横厚部を前記対向した側壁間において貫通する第2の孔を有し、前記第2の孔は、前記第1の孔より大きく、前記第2の孔は、前記第1の孔の径にほぼ等しい径の第1の部分を有するとともに、前記第1の部分の径より大きい径の第2の部分を有する、前記第1のベルト・モジュールは、前記第1の複数の連結端部とは反対方向に延出しているとともに、その中に形成された第3の横孔を備える第2の複数の連結端部を有し、
第1の径の長い本体を備える枢支ロッドとを備え、ここで、前記枢支ロッドは、第2の端部の反対側に形成された第1の端部を有し、前記枢支ロッドは、前記ベルトの進行方向に直交する向きに配置された長さ方向中心線を有し、前記枢支ロッドは、前記枢支ロッドの前記第1の端部から前記長さ方向中心線の方向に離間して配置された保持リングを有し、前記枢支ロッドは、前記ベルトを構成するために、隣接するモジュールの前記第1、第2及び第3の孔を貫通させて配置することができるようになっているモジュール式ベルト。
【請求項13】
前記第1の最外連結端部の前記孔の前記第1の部分は、ほぼ円形である請求項12に記載のモジュール式ベルト。
【請求項14】
前記第1の最外連結端部の前記孔の前記第2の部分は、ほぼ円形であるとともに、前記第1の部分より大きい径を有する請求項13に記載のモジュール式ベルト。
【請求項15】
前記第2の部分は、前記第1の最外連結端部の前記孔の縁に沿う一点で前記第1の部分と交差する請求項14に記載のモジュール式ベルト。
【請求項16】
前記第1と第2の部分は、前記第1の最外連結端部の前記孔の一部を画成する正接壁により連結されている請求項14に記載のモジュール式ベルト。
【請求項17】
前記最外連結端部に形成された前記第2の孔の前記第1と第2の部分は、正接壁により連結されている請求項12に記載のモジュール式ベルト。
【請求項18】
前記第1の複数の連結端部の前記最外連結端部は、1つの連結端部の厚さを有する請求項12から請求項17のいずれか1項に記載のモジュール式ベルト。
【請求項19】
前記第1の複数の連結端部の前記最外連結端部は、2つの連結端部の厚さを有する請求項12から請求項17のいずれか1項に記載のモジュール式ベルト。
【請求項20】
前記第1の複数の連結端部の前記最外連結端部は、隣接するモジュールと噛み合わされたとき、前記保持リングを受承することができる陥凹部を有する請求項12から請求項19のいずれか1項に記載のモジュール式ベルト。
【請求項21】
前記第2の複数の連結端部の1つは、隣接するモジュールと噛み合わされたとき、前記保持リングを受承することができる陥凹部を有する請求項12から請求項20のいずれか1項に記載のモジュール式ベルト。
【請求項1】
モジュール式ベルトにおいて、
第1の複数の連結端部を備える複数のベルト・モジュールを有し、各々の連結端部は、第1の横厚部を構成する対向した側壁を有するとともに、第1の近位部において中間部に結合されて、前記中間部からベルトの進行方向である、連結端部の第1の遠位部に向けて延出しており、前記第1の複数の連結端部は、前記第1の横厚部を前記対向した側壁間において貫通する第1の孔を有し、前記第1のベルト・モジュールは、第2の横厚部を構成する対向した側壁を有するとともに、第2の近位部において中間部に結合されて、前記中間部からベルトの進行方向である、連結端部の第2の遠位部に向けて延出する最外連結端部を有し、前記最外連結端部は、前記第2の横厚部を前記対向した側壁間において貫通する第2の孔を有し、前記第2の孔は、前記第1の孔より大きく、前記第2の孔は、前記第1の孔の長さ方向中心線から前記ベルトの進行方向に偏位しており、前記モジュールは、第2の複数の連結端部を有し、各々の連結端部は、第1の横厚部を構成する対向した側壁を有するとともに、第1の近位部において中間部に結合されて、前記中間部からベルトの進行方向である、連結端部の第1の遠位部に向けて延出しており、前記第2の複数の連結端部は、前記厚部を前記対向した側壁間において貫通する第3の孔を有し、前記第2の複数の連結端部は、第2の横厚部を構成する対向した側壁を有するとともに、第2の近位部において中間部に結合されて、前記中間部からベルトの進行方向である、連結端部の第2の遠位部に向けて延出する最外連結端部を有し、前記第2の横厚部は、取り外すための、枢支ロッドに係合する工具を受承できるよう、その中に形成された第4の孔を有し、
前記枢支ロッドは、第1の径の長い本体を有し、前記枢支ロッドは、第2の端部の反対側に形成された第1の端部を有し、前記枢支ロッドは、前記ベルトの進行方向に直交する向きに配置された長さ方向中心線を有し、前記枢支ロッドは、前記枢支ロッドの前記第1の端部から前記長さ方向中心線の方向に離間して配置された保持リングを有し、前記枢支ロッドは、隣接するモジュールの前記第1、第2及び第3の孔を貫通させて配置することができるようになっているモジュール式ベルト。
【請求項2】
前記枢支ロッドを取り外すための工具を受承する前記孔は湾曲している請求項1に記載のモジュール式ベルト。
【請求項3】
前記枢支ロッドを取り外すための工具を受承する前記孔は半円形である請求項1又は2に記載のモジュール式ベルト。
【請求項4】
前記工具はねじ回しの刃である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のモジュール式ベルト。
【請求項5】
前記枢支ロッドを取り外すための工具を受承する前記孔は、前記第2の連結端部の1つの一部及び中間部の一部に形成されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のモジュール式ベルト。
【請求項6】
前記第1の複数の連結端部の前記最外連結端部は、前記最外連結端部の孔の周りをベルトの縁まで延出している請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のモジュール式ベルト。
【請求項7】
前記枢支ロッドはヘッド無しである請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のモジュール式ベルト。
【請求項8】
ロッド保持スナップ式ロッドをモジュール式ベルトから取り外す方法において、
第1の複数の連結端部を備える複数のモジュールを用意することと、ここで、各々の連結端部は、第1の横厚部を構成する対向した側壁を有するとともに、第1の近位部において中間部に結合されて、前記中間部からベルトの進行方向である、連結端部の第1の遠位部に向けて延出しており、前記第1の複数の連結端部は、前記第1の横厚部を前記対向した側壁間において貫通する第1の孔を有し、前記第1のベルト・モジュールは、第2の横厚部を構成する対向した側壁を有するとともに、第2の近位部において中間部に結合されて、前記中間部からベルトの進行方向である、連結端部の第2の遠位部に向けて延出する最外連結端部を有し、前記最外連結端部は、前記第2の横厚部を前記対向した側壁間において貫通する第2の孔を有し、前記第2の孔は、前記第1の孔より大きく、前記第2の孔は、前記第1の孔の長さ方向中心線から前記ベルトの進行方向に偏位し、
前記第1の複数の連結端部とは反対方向に延出している第2の複数の連結端部を用意することと、ここで、各々の連結端部は、第1の横厚部を構成する対向した側壁を有するとともに、第1の近位部において中間部に結合されて、前記中間部からベルトの進行方向である、連結端部の第1の遠位部に向けて延出しており、前記第2の複数の連結端部は、前記厚部を前記対向した側壁間において貫通する第3の孔を有し、前記第2の複数の連結端部は、第2の横厚部を構成する対向した側壁を有するとともに、第2の近位部において中間部に結合されて、前記中間部からベルトの進行方向である、連結端部の第2の遠位部に向けて延出している最外連結端部を有し、前記第2の横厚部は、取り外すための、枢支ロッドに係合する工具を受承できるよう、その中に形成された第4の孔を有し、
第1の径の長い本体を有する枢支ロッドを用意することと、ここで、前記枢支ロッドは、第2の端部の反対側に形成された第1の端部を有し、前記枢支ロッドは、前記ベルトの進行方向に直交する向きに配置された長さ方向中心線を有し、前記枢支ロッドは、前記枢支ロッドの前記第1の端部から前記長さ方向中心線の方向に離間して配置された保持リングを有し、前記枢支ロッドは、前記モジュールを噛み合わせたとき、前記保持リングが前記モジュールの1つの前記最外連結端部の側壁と隣接するモジュールの連結端部との間に配置されるよう、前記隣接するベルト・モジュールの前記第1、第2及び第3の孔を貫通させて配置することができ、
前記最外連結端部の前記孔に工具を挿入することと、
前記第1の最外連結端部の前記孔を介して取り外すために、前記枢支ロッドを弾性変形させるため前記工具を前記保持リングに係合させることとを含む方法。
【請求項9】
前記工具はねじ回しの刃である請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記枢支ロッドを取り外すための工具を受承する前記孔は湾曲している請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記枢支ロッドを取り外すための工具を受承する前記孔は半円形に形成されている請求項8から請求項10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
モジュール式ベルトにおいて、
第1の複数の連結端部を備える複数のベルト・モジュールと、ここで、各々の連結端部は、第1の横厚部を構成する対向した側壁を有するとともに、第1の近位部において中間部に結合されて、前記中間部からベルトの進行方向である、連結端部の第1の遠位部に向けて延出しており、前記第1の複数の連結端部は、前記第1の横厚部を前記対向した側壁間において貫通する第1の孔を有し、前記第1のベルト・モジュールは、第2の横厚部を構成する対向した側壁を有するとともに、第2の近位部において中間部に結合されて、前記中間部からベルトの進行方向である、連結端部の第2の遠位部に向けて延出している最外連結端部を有し、前記最外連結端部は、前記第2の横厚部を前記対向した側壁間において貫通する第2の孔を有し、前記第2の孔は、前記第1の孔より大きく、前記第2の孔は、前記第1の孔の径にほぼ等しい径の第1の部分を有するとともに、前記第1の部分の径より大きい径の第2の部分を有する、前記第1のベルト・モジュールは、前記第1の複数の連結端部とは反対方向に延出しているとともに、その中に形成された第3の横孔を備える第2の複数の連結端部を有し、
第1の径の長い本体を備える枢支ロッドとを備え、ここで、前記枢支ロッドは、第2の端部の反対側に形成された第1の端部を有し、前記枢支ロッドは、前記ベルトの進行方向に直交する向きに配置された長さ方向中心線を有し、前記枢支ロッドは、前記枢支ロッドの前記第1の端部から前記長さ方向中心線の方向に離間して配置された保持リングを有し、前記枢支ロッドは、前記ベルトを構成するために、隣接するモジュールの前記第1、第2及び第3の孔を貫通させて配置することができるようになっているモジュール式ベルト。
【請求項13】
前記第1の最外連結端部の前記孔の前記第1の部分は、ほぼ円形である請求項12に記載のモジュール式ベルト。
【請求項14】
前記第1の最外連結端部の前記孔の前記第2の部分は、ほぼ円形であるとともに、前記第1の部分より大きい径を有する請求項13に記載のモジュール式ベルト。
【請求項15】
前記第2の部分は、前記第1の最外連結端部の前記孔の縁に沿う一点で前記第1の部分と交差する請求項14に記載のモジュール式ベルト。
【請求項16】
前記第1と第2の部分は、前記第1の最外連結端部の前記孔の一部を画成する正接壁により連結されている請求項14に記載のモジュール式ベルト。
【請求項17】
前記最外連結端部に形成された前記第2の孔の前記第1と第2の部分は、正接壁により連結されている請求項12に記載のモジュール式ベルト。
【請求項18】
前記第1の複数の連結端部の前記最外連結端部は、1つの連結端部の厚さを有する請求項12から請求項17のいずれか1項に記載のモジュール式ベルト。
【請求項19】
前記第1の複数の連結端部の前記最外連結端部は、2つの連結端部の厚さを有する請求項12から請求項17のいずれか1項に記載のモジュール式ベルト。
【請求項20】
前記第1の複数の連結端部の前記最外連結端部は、隣接するモジュールと噛み合わされたとき、前記保持リングを受承することができる陥凹部を有する請求項12から請求項19のいずれか1項に記載のモジュール式ベルト。
【請求項21】
前記第2の複数の連結端部の1つは、隣接するモジュールと噛み合わされたとき、前記保持リングを受承することができる陥凹部を有する請求項12から請求項20のいずれか1項に記載のモジュール式ベルト。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公表番号】特表2009−532304(P2009−532304A)
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−503388(P2009−503388)
【出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【国際出願番号】PCT/CH2007/000168
【国際公開番号】WO2007/112610
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(591270796)ハバシット アクチエンゲゼルシャフト (25)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年9月10日(2009.9.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年4月3日(2007.4.3)
【国際出願番号】PCT/CH2007/000168
【国際公開番号】WO2007/112610
【国際公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【出願人】(591270796)ハバシット アクチエンゲゼルシャフト (25)
【Fターム(参考)】
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