説明

拾得物受付システムおよび拾得物受付方法

【課題】店舗に設置されたATMを用いて効率的に拾得物の届け出を受け付けることができる拾得物受付システムおよび拾得物受付方法を提供する。
【解決手段】この拾得物受付システムでは、利用者が所有する金融機関カードをATM100に挿入させると共に読み取ったカード情報を口座契約マスタに照会し、カード情報が口座契約マスタの契約者データと一致すると拾得物情報を受付け、拾得物情報とカード情報とを関連付けて金融機関Aの拾得物サーバ210に送信するようになっている。また、拾得物サーバ210が前記カード情報に対応する契約者データを口座契約マスタから取得し、契約者データと拾得物情報とを関連付けた届け出情報データテーブルを策士絵し出力する。そして、その出力先は、警察や、ATM100の現金の充填および回収を行う警備保障会社に出力することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
拾得物の届け出を受け付けるシステムおよび方法に関し、より詳細には、無人店舗、金融機関店舗における24時間対応のスペース、駅、コンビニエンスストア等に設置された現金自動預払機を用いて拾得物の届け出を受け付けるシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、公共の場所で他人の物を拾った場合、その拾得物を近所の派出所に届け出るのが通常である。また、店内で他人の物を拾った場合は、その拾得物をその店のサービスカウンターや売り場カウンターの担当者に届け出ることもある。一方、無人店舗に設置されている現金自動預払機(以下、ATMと称する。)上に他人の金融機関カードや通帳が忘れ物として置かれている場合は、それらを近所の派出所に届け出ることもできるが、ATMに取付けられている専用電話を用いて当該ATMを管理しているATM管理センターに電話連絡し、当該電話連絡を通じて拾得物の届け出を行うこともできる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−310501号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、前述のようにATM管理センターに電話での拾得物の届け出が行われる場合、ATM管理センターの電話オペレータは、届け出主の情報、拾得物の情報、拾得物に関する所有権の留保要否等を聴取して調書を作成する必要がある。また、電話オペレータは、届け出主に対して、拾得物を所定の方法でATMの近傍に保管することを指示する。例えば、拾得物が銀行のキャッシュカードや通帳等の小さなものである場合は、電話オペレータは届け出主に、拾得物をATMに設けられている連絡箱に入れるように指示する。一方、拾得物が連絡箱に入らない大きなものである場合、電話オペレータは届け出主に、ATM近傍の目立ちにくい場所に保管するように指示する。また、オペレータは、調書を作成した後に、前記ATMの現金の充填及び回収を行う警備保障会社に対し連絡箱に拾得物が収納されていることを電話連絡し、前記拾得物の回収及び回収した拾得物の所定の場所、例えば、前記ATMを所有する銀行の現金を取り扱う現金センターへの持ち込みを依頼する。そして、現金センターは最寄りの警察に拾得物を届け出る。
【0005】
一方、電話連絡を受けたATM管理センターの電話オペレータは、拾得物が自行のキャッシュカードや通帳でない場合、届け出主に対して近所の派出所に拾得物を届け出ることを最初に案内する。これは、他社のキャッシュカードや現金や財布が届け出られる場合、ATM管理センターはこれらの拾得物を警察に届け出ており、拾得物の処理に余計な時間がかかるからである。
【0006】
このように、拾得物の届け出に対し、ATM管理センターの電話オペレータが行わなければならない作業が非常に多いので、ATMに取付けられている専用電話を使った拾得物の届け出があると、ATM管理センターの電話オペレータの他の業務の作業効率が著しく低下する。
【0007】
また、届け出主も、無人ATMに取付けられている専用電話を用いて自己の個人情報、例えば氏名、住所、電話番号等を告げる必要がある。また、拾得物が何であるかを伝える手間もある。さらに、専用電話がすぐにATM管理センターに繋がる場合もあるだろうが、時間帯によっては繋がり難い場合も想定される。このため、個人情報を伝えることに対する抵抗感や届け出に時間がかかることを懸念して、届け出主が届け出を行うことを躊躇することも考えられる。
【0008】
さらに、ATMを所有する銀行としては、いたずら等の目的で連絡箱に拾得物以外の物が投入される危険を回避する必要がある。例えば、届け出主が自己の個人情報を偽って電話オペレータに伝えると共に、連絡箱に届け出主所有の不要な物を投入する可能性もある。
【0009】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、店舗に設置されたATMを用いて効率的に拾得物の届け出を受け付けることができる拾得物受付システムおよび拾得物受付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、この本発明の主要な観点によれば、現金自動預払機(ATM)と当該ATMと通信可能である金融機関のサーバとを有する拾得物受付システムであって、前記ATMの前面側には、利用者が銀行取引を行う際に利用する利用画面を表示すると共に当該利用者による入力を受け付けるインターフェース部が設けられており、このシステムは、前記ATMが、前記利用者の有する金融機関カードの前記ATMへの挿入を要求する画面を前記インターフェース部に表示させると共に、前記利用者が挿入する前記金融機関カードからカード情報を読み取り、当該カード情報を前記金融機関のサーバが有する口座契約マスタ、又は、統合ATMシステム経由で接続可能な口座契約マスタに照会する照会手段と、前記照会手段において前記カード情報が前記口座契約マスタの契約者データと一致すると、拾得物を他の拾得物から識別するために用いる拾得物情報を要求する画面を前記インターフェース部に表示させると共に、前記利用者によって入力される前記拾得物情報を受け付け、当該拾得物情報と前記カード情報とを関連付けて前記金融機関のサーバに送信する拾得物受付送信手段とを有し、前記金融機関のサーバが、前記拾得物受付送信手段で前記ATMから送信される前記拾得物情報および前記カード情報を受信すると、前記カード情報に対応する前記契約者データを前記口座契約マスタから取得し、前記契約者データと前記拾得物情報とを関連付けた届け出情報を作成し出力する出力手段とを有することを特徴とする拾得物受付システムが提供される。
【0011】
このように、利用者が所有する金融機関カードをATMに挿入させると共に読み取ったカード情報を口座契約マスタに照会し、前記カード情報が前記口座契約マスタの契約者データと一致すると前記拾得物情報を受付け、当該拾得物情報と前記カード情報とを関連付けて前記金融機関のサーバに送信するようになっている。また、前記金融機関のサーバが、前記カード情報に対応する前記契約者データを前記口座契約マスタから取得し、前記契約者データと前記拾得物情報とを関連付けた届け出情報を作成し出力する。例えば、警察や、前記ATMの現金の充填および回収を行う警備保障会社に出力することができる。
【0012】
これにより、ATM管理センターの電話オペレータは拾得物の受け付けのための処理を行う必要が無くなり、ATM管理センターの電話オペレータの他の業務の作業効率を向上することができる。
【0013】
また、利用者も自己の個人情報を口頭で告げる必要がなく、ATM管理センターに電話連絡をする必要も無いので、個人情報の口頭連絡や電話が繋がり難いこと等を懸念して拾得物の届け出を躊躇することも無くなる。
【0014】
また、拾得物を届け出る利用者は自己の所有する金融機関カードをATMに挿入する必要があるので、いたずら等の目的で拾得物の届け出処理が行われることが防止される。
【0015】
また、本発明の好ましい実施形態によれば、前記拾得物は金銭、通帳、キャッシュカード又はクレジットカードであり、前記拾得物受付送信手段は、前記ATMが、前記拾得物情報として拾得物の種類を受け付け、受け付けた拾得物の種類が前記金銭である時は前記インターフェース部に前記拾得物を前記ATMの金銭授受部に挿入するように要求する画面を表示し、受け付けた拾得物が前記通帳である時は前記インターフェース部に前記拾得物を前記ATMの通帳記帳部に挿入するように要求する画面を表示し、受け付けた拾得物の種類がキャッシュカード又はクレジットカードである時は前記インターフェース部に前記拾得物を前記ATMのカード挿入部に挿入するように要求し、挿入される前記拾得物を収容するものである。
【0016】
また、前記ATMはデジタル画像を撮像する撮像装置を有し、前記拾得物受付送信手段は、前記拾得物を前記撮像装置の画角内の所定位置に配置するように要求する画面を前記インターフェース部に表示させると共に、前記撮像装置によって撮像された前記拾得物の画像を含む前記拾得物情報を受け付けるものであることが好ましい。
【0017】
また、前記出力手段は、前記届け出情報を、前記ATMが設置された場所を訪れて前記拾得物を回収する所定の団体のコンピュータに送信するものであることが好ましい。また、前記出力手段は、前記届け出情報を、前記ATMを管轄している金融機関の支店のコンピュータに送信又は前記ATMを管轄している金融機関の支店にFAXを送信するものであることが好ましい。
【0018】
また、前記届け出情報は、前記ATMで前記拾得物の受付けを行った日時の情報を含むものであり、前記金融機関のサーバは、通信ネットワークを介して少なくとも1つのクライアント端末と接続可能であり、このシステムはさらに、前記金融機関のサーバが、前記届け出情報を複数集積して届け出情報データテーブルを作成するデータテーブル作成手段と、前記金融機関のサーバが、前記クライアント端末からの要求に応じて、前記クライアント端末の表示装置に前記届け出情報データテーブルに基づいた画面を表示させる表示手段と、を有することが好ましい。
【0019】
また、前記届け出情報が前記警察のコンピュータに送信された後、前記金融機関のサーバが、前記警察が前記届け出情報に対して付与した事件番号を受け付け、前記事件番号を前記届け出情報に付加する事件番号付加手段をさらに有することが好ましい。
【0020】
また、前記金融機関のサーバが、前記契約者データに電子メールアドレスが含まれている場合に、前記拾得物を届け出たことに関するお礼メールを当該電子メールアドレス宛てに送信するお礼メール送信手段をさらに有することが好ましい。また、前記金融機関のサーバが、前記契約者データに住所が含まれている場合に、前記拾得物を届け出たことに関する当該住所宛てのお礼レターを作成し印刷するお礼レター作成手段をさらに有することが好ましい。
【0021】
また、このシステムは、前記ATMが、前記の拾得物の届け出を行った利用者の情報を前記拾得物の所有者に開示するか否かを選択させる画面を前記インターフェース部に表示させると共に、前記利用者による前記開示するか否かの選択を受け付ける開示可否受付手段をさらに有し、前記拾得物受付送信手段は、前記開示可否受付処理によって受け付けた情報を前記金融機関のサーバに送信するものであることが好ましい。
【0022】
また、このシステムは、前記ATMが、前記拾得物について前記の拾得物の届け出を行った利用者が前記拾得物について報労金を受ける権利および所有権を取得する権利を留保するか否か選択させる画面を表示させると共に、前記利用者による前記報労金を受ける権利および所有権を取得する権利を留保するか否かの選択を受け付ける権利留保受付手段をさらに有し、前記拾得物受付送信手段は、前記権利留保受付手段によって受け付けた情報を前記金融機関のサーバに送信するものであることが好ましい。
【0023】
また、前記ATMは、前記拾得物を収容可能であって、前記拾得物を投入するための投入口を有する拾得物収容部と、前記拾得物収容部の投入口を開閉する開閉手段とを有し、このシステムは、前記ATMが、前記拾得物収容部に前記拾得物を収容するように要求する画面を前記インターフェース部に表示させると共に、前記開閉部によって前記拾得物収容部の投入口を開状態とする収容手段をさらに有することが好ましい。
【0024】
上記目的を達成するため、この本発明の主要な観点によれば、現金自動預払機(ATM)と当該ATMと通信可能である金融機関のサーバとを用いた拾得物受付方法であって、前記ATMの前面側には、利用者が銀行取引を行う際に利用する利用画面を表示すると共に当該利用者による入力を受け付けるインターフェース部が設けられており、この方法は、前記ATMが、前記利用者の有する金融機関カードの前記ATMへの挿入を要求する画面を前記インターフェース部に表示させると共に、前記利用者が挿入する前記金融機関カードからカード情報を読み取り、当該カード情報を前記金融機関のサーバの有する口座契約マスタ、又は、統合ATMシステム経由で接続可能な口座契約マスタに照会する照会工程と、前記ATMが、前記照会工程において前記カード情報が前記口座契約マスタの契約者データと一致すると、拾得物を他の拾得物から識別するために用いる拾得物情報を要求する画面を前記インターフェース部に表示させると共に、前記利用者によって入力される前記拾得物情報を受け付け、当該拾得物情報と前記カード情報とを関連付けて前記金融機関のサーバに送信する拾得物受付送信工程と、前記金融機関のサーバが、前記拾得物受付送信工程で前記ATMから送信される前記拾得物情報および前記カード情報を受信すると、前記カード情報に対応する前記契約者データを前記口座契約マスタから取得し、前記契約者データと前記拾得物情報とを関連付けた届け出情報を作成し出力する出力工程とを有することを特徴とする拾得物受付方法が提供される。
【0025】
このように、利用者が所有する金融機関カードをATMに挿入させると共に読み取ったカード情報を口座契約マスタに照会し、前記カード情報が前記口座契約マスタの契約者データと一致すると前記拾得物情報を受付け、当該拾得物情報と前記カード情報とを関連付けて前記金融機関のサーバに送信するようになっている。また、前記金融機関のサーバが、前記カード情報に対応する前記契約者データを前記口座契約マスタから取得し、前記契約者データと前記拾得物情報とを関連付けた届け出情報を作成し出力する。例えば、警察や、前記ATMの現金の充填及び回収を行う警備保障会社に出力することができる。
【0026】
これにより、ATM管理センターの電話オペレータは拾得物の受け付けのための処理を行う必要が無くなり、ATM管理センターの電話オペレータの他の業務の作業効率を向上することができる。
【0027】
また、利用者も自己の個人情報を口頭で告げる必要がなく、ATM管理センターに電話連絡をする必要も無いので、個人情報の口頭連絡や電話が繋がり難いこと等を懸念して拾得物の届け出を躊躇することも無くなる。
【0028】
また、拾得物を届け出る利用者は自己の所有する金融機関カードをATMに挿入する必要があるので、いたずら等の目的で拾得物の届け出処理が行われることが防止される。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、利用者は、ATMを用いて効率的に拾得物を届け出ることができるようになり、金融機関は、ATMを用いて効率的に拾得物の届け出を受け付けることができるようになる。
【0030】
なお、この発明の更なる他の特徴と顕著な効果は次の発明を実施するための最良の形態の項に記載された実施形態及び図面を参照することによって当業者に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の一実施形態に係る拾得物受付システムの概略構成を示す図
【図2】ATMの概略構成を示す図
【図3】ATMの斜視図
【図4】拾得物収容部の斜視図
【図5】表示装置の表示画面の例
【図6】口座契約マスタの例
【図7】拾得物サーバの概略構成を示す図
【図8】ATM、拾得物サーバ、警察サーバおよび警備保障会社端末における処理を示すフローチャート
【図9】表示装置の表示画面の例
【図10】表示装置の表示画面の例
【図11】表示装置の表示画面の例
【図12】届け出情報データレコードの例
【図13】届け出情報データテーブルの例
【図14】表示装置の表示画面の例
【図15】表示装置の表示画面の例
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明の一実施形態に係る拾得物受付システムを図面に基づき説明する。
【0033】
図1は本発明の一実施形態に係る拾得物受付システムの概略構成を示す図である。この拾得物受付システムは、例えば無人店舗に設置されているATM100と、当該ATM100に通信回線により接続されている金融機関Aのサーバ装置200とを有する。金融機関Aは、ATM100を設置した銀行であっても良く、ATM100を設置した銀行ではないがATM100によって銀行取引を行うことができる銀行であっても良い。なお、周知のファイアウォール、Webサーバなどは図示を省略している。
【0034】
図2は本実施形態のATM100の概略構成を示す図であり、図3はATMの斜視図である。図3に示すように、このATM100はその前面側にインターフェース部IFを有する。図2に示すように、このATM100は、CPU110と、RAM120と、液晶ディスプレイ等の表示装置130と、モデムやルーター等の送受信部140と、複数のボタンから成る入力装置151と、利用者が表示装置130上を指で触れることにより入力を受け付ける周知のタッチパネル式入力装置152と、カード挿入部153と、紙幣挿入部154と、通帳記帳部155と、拾得物収容部160と、撮像装置170と、拾得物データ格納部180と、プログラム格納部190とを有する。本実施形態では、インターフェース部IFには、表示装置130と、入力装置151と、タッチパネル式入力装置152と、カード挿入部153と、紙幣挿入部154と、通帳記帳部155とが設けられている。
【0035】
入力装置151は、0〜9のテンキー、決定ボタン、取消ボタン、スペースボタン、デリートボタン等を有する。表示装置130は利用者が銀行取引を行う際に利用する画面を表示するものであり、利用者がATM100の前に立つと例えば図5に示すような画面を表示するようになっている。また、利用者が表示装置130上の「お引き出し」や「お預け入れ」の部分に触れると、タッチパネル式入力装置152が「お引き出し」や「お預け入れ」の入力を受け付けるようになっている。カード挿入部153は、金融機関のカード、即ちキャッシュカード、クレジットカード等が挿入されると、挿入されたカードのカード情報を読み取るものである。紙幣挿入部154は図示しない蓋部を有し、この蓋部は、例えば図5の画面で「お預け入れ」が選択されると、その預け入れの銀行取引の途中で利用者に紙幣を入金させる際に開く。また、この蓋部が開いている間に利用者が紙幣挿入部154内に紙幣を挿入すると、前記蓋部が閉まり、ATM100は紙幣挿入部154に挿入された紙幣を収容する。通帳記帳部155は、利用者によって金融機関Aの通帳が挿入されると、その通帳に未記帳の情報を記載し、記帳後の通帳を利用者に返却するようになっている。
【0036】
図3に示すように、拾得物収容部160はATM100の側面に取付けられている。拾得物収容部160の前面には投入口161が設けられており、その投入口161は開閉手段としての蓋162によって閉鎖されている。蓋162は図示しない開閉機構によって投入口161を開放する開位置(図4)と投入口161を閉鎖する閉位置(図3)に移動するようになっている。拾得物収容部160は投入口161から投入可能な所定の大きさより小さい拾得物を収容するためのものである。
【0037】
撮像装置170は表示装置130の全体を撮像可能にATM100に取付けられたデジタルカメラである。拾得物データ格納部180はATMのメモリ内に割り当てられた所定の領域である。
【0038】
このATM100は、プログラム格納部190に、ATM100にそれぞれ所定の動作を行わせる利用者情報受付処理部191、拾得物情報受付処理部192、送信処理部193、拾得物収容処理部194、開示可否受付処理部195、および権利留保受付処理部196を有する。これらの機能については、ATM100および拾得物サーバ210が行う処理の一例(図8参照)に沿って後述する。
【0039】
前記金融機関Aのサーバ装置200は、拾得物サーバ210と、銀行等の金融機関に従来からある勘定系システム250とを有する。勘定系システム250内には口座契約マスタ格納部251と口座データ格納部252とが設定されている。
【0040】
口座契約マスタ格納部251は、金融機関Aにおける顧客情報(名義、住所、電話番号、メールアドレス等の個人情報等)を支店コード及び口座番号と対応付けた図6に例示すような口座契約マスタを有する。口座データ格納部252は、口座番号ごとに口座残高や銀行取引の履歴を格納するものである。
【0041】
図7は本実施形態の拾得物サーバ210の概略構成を示す図である。この拾得物サーバ210は、CPU211と、RAM212と、液晶ディスプレイ等の表示装置213と、モデムやルーター等の送受信部214と、拾得物データ格納部215と、プログラム格納部230とを有する。拾得物サーバ210は、図1に示すように、送受信部214および通信回線を介してATM100、警備保障会社に設置された警備保障会社端末300、警察に設置された警察サーバ400、および拾得物の遺失者の家に設置された遺失者端末500等の外部の端末と通信可能になっている。ここで、当該警備保障会社はATM100の現金の充填および回収を行う会社である。また、拾得物サーバ210は、送受信部214、通信回線および統合ATMシステム600を介して他の金融機関Bの勘定系システム700と通信するようになっている。統合ATMシステム600は全国の都市銀行、地方銀行、信用金庫などの金融機関が接続されているシステムであり、送受信部610と中継部620とを有し、中継部620は、ATM100で行われる銀行取引に応じて、取引対象の口座が開設された金融機関の勘定系システムに対して取引要求を転送するものである。
【0042】
この拾得物サーバ210は、プログラム格納部230に、コンピュータにそれぞれ所定の動作を行わせる口座契約照会処理部231、届け出情報データレコード格納処理部232、届け出情報データレコード送信処理部233、届け出情報データテーブル管理部234、クライアント端末画面作成部235、事件番号付加部236、お礼メール送信部237、および支店宛てFAX送信部238を有する。これらの機能については、ATM100および拾得物サーバ210が行う処理の一例(図8参照)に沿って以下に説明する。
【0043】
先ず、ATM100が表示装置130に図5の画面を表示させ、利用者が画面中の「拾得物届け出」のボタンを指で押すと、ATM100がタッチパネル入力装置152により「拾得物届け出」が選択されたことを受付ける(ステップS1)。続いて、ATM100は、利用者情報受付処理部191により、利用者が有する金融機関カード(例えば金融機関Aのキャッシュカードや他の銀行のキャッシュカード)を挿入するように要求する画面を表示装置130に表示し、カード挿入部153に挿入された金融機関カードからカード情報(例えば口座番号やカード番号)を読み取るカード情報読み取り処理を行う(ステップS2)。続いて、ATM100は、利用者情報受付処理部191により、読み取ったカード情報を金融機関A又は他の金融機関の口座契約マスタに照会するために、当該カード情報を拾得物サーバ210に送信する(ステップS3)。
【0044】
前記カード情報を受信した拾得物サーバ210は、口座契約照会処理部231により、当該カード情報が勘定系システム250の口座契約マスタ格納部251に格納されている口座契約マスタの契約者データと一致するか否かを判断し、一致しなければ、統合ATMシステム600経由で例えば金融機関Bの勘定系システム700の口座契約マスタ格納部720に格納されている口座契約マスタの契約者データと一致するか否かを判断する(ステップS4)。そして、拾得物サーバ210は、口座契約照会処理部231により、前記カード情報が前記契約者データと一致するか否かを示す口座照会結果をATM100に送信する(ステップS5)。
【0045】
ATM100が前記口座照会結果を受信し、その口座照会結果が前記カード情報と前記契約者データとが一致することを示す場合は、ATM100は、拾得物情報受付処理部192により拾得物情報を受け付ける拾得物情報受付処理を行う(ステップS6)。拾得物情報受付処理の一例として、本実施形態では、表示装置130に図9に示すような画面を表示させ、利用者により選択される拾得物の種類をタッチパネル式入力装置152によって受け付ける。また、拾得物情報受付処理の他の一例として、本実施形態では、拾得物を表示装置130の上に載置するように要求する画面を表示装置130に表示させ、利用者が拾得物を表示装置130上に載置した際に撮像装置170で拾得物を撮像し、その撮像画像を拾得物情報として受け付ける。続いて、ATM100は、送信処理部193により、受け付けた拾得物情報を前記カード情報と関連付けて拾得物サーバ210に送信する(ステップS7)。
【0046】
また、ATM100は、開示可否受付処理195により、表示装置130に図10に示すような画面を表示させると共に、利用者に氏名の開示の可否を選択させ、利用者による選択をタッチパネル式入力装置152によって受け付ける開示可否受付処理を行う(ステップS8)。また、ATM100は、表示装置130に図11に示すような画面を表示させ、届け出る拾得物について当該利用者が報労金を受ける権利および所有権を取得する権利を留保するか否かをタッチパネル式入力装置152によって受け付ける権利留保受付処理を行う(ステップS9)。続いて、ATM100は、送信処理部193により、受け付けた氏名開示可否情報と権利留保要否情報を前記カード情報と関連付けて拾得物サーバ210に送信する(ステップS10)。尚、ステップS7の情報送信とステップS10の情報送信を同時に行うことも可能である。
【0047】
ステップS7及びステップS10によって送信される情報を拾得物サーバ210が受け付けると、拾得物サーバ210は、届け出情報データレコード格納処理部232により、その拾得物について届け出情報データレコードを作成し、拾得物データ格納部215に格納する(ステップS11)。届け出情報データレコードは例えば図12に示すようなものとなり、当該拾得物の届け出をATMで受け付けた日時と、拾得者情報(拾得者の氏名、口座番号等)と、拾得物の種類と、拾得物の画像と、氏名開示可否情報と、権利留保要否情報とを有する。この時の拾得者情報は、拾得物サーバ210が前記口座契約マスタから取得するものである。また、本実施形態の届け出情報データレコードは、当該拾得物の届け出があったATMを管轄している金融機関の支店のコンピュータ宛に当該届け出情報データレコードをFAX送信した日時、当該拾得物がATMから回収された日時、後述するお礼メールが発送された日時、当該拾得物が警察に持ち込まれた日時、当該拾得物が持ち主に返却された日時、警察で付与される事件番号等を格納可能なものである。
【0048】
続いて、拾得物サーバ210は、届け出情報データレコード送信処理部233により、前記届け出情報データレコードを警察サーバ400に送信する(ステップS12)。警察サーバ400では、事件番号付与部440により、受け付けた届け出情報データレコードに事件番号を付与し(ステップS13)、その事件番号を拾得物サーバ210に送信する(ステップS14)。また、警察サーバ400は、受付処理部420により、受け付けた届け出情報データレコードを拾得物データ格納部450に格納する。拾得物サーバ210は、警察サーバ400から送信される事件番号を受け付けると、図12に示すような届け出情報データレコードに事件番号を追加する(ステップS15)。
【0049】
続いて、拾得物サーバ210は、届け出情報データレコード送信処理部233により、前記届け出情報データレコードを警備保障会社端末300に送信する(ステップS16)。警備保障会社端末300では、受付処理部320により、受け付けた届け出情報データレコードを表示装置330に表示する(ステップS17)。また、拾得物サーバ210は、受付処理部320により拾得物データ格納部340に格納する。表示装置330に届け出情報データレコードが表示されることにより、警備保障会社は、次にATM100の現金の充填および回収を行う際に前記拾得物を回収する必要性を知ることができる。尚、拾得物サーバ210は、支店宛てFAX送信部238により、金融機関Aの各支店のうちATM100を管轄している支店にも前記届け出情報データレコードの情報をFAX送信する(ステップS18)。
【0050】
続いて、拾得物サーバ210は、届け出情報データテーブル管理部234により、前記届け出情報データレコードの情報を用いて拾得物データ格納部に格納されている届け出情報データテーブルを更新する。届け出情報データテーブル管理部234は複数の届け出情報データテーブルの情報を集積して図13に示すような届け出情報データテーブルを作成するものである。
【0051】
また、拾得物サーバ210は、外部の端末として例えば遺失者端末500から拾得物の情報を要求されると、クライアント端末画面作成部235により、遺失者端末の画面に届け出情報データテーブルに基づいた画面を表示させる。これにより、遺失者は自己の遺失物が届け出られているか否かを容易に知ることができる。この時、届け出情報データテーブルに格納されている情報に基づいて、氏名開示を望まない拾得者の個人情報は開示されない。
【0052】
続いて、拾得物サーバ210は、お礼メール送信部237により、前記拾得者情報に基づいて、前記拾得者宛てに拾得物を届け出たことに関するお礼の電子メールを送信する(ステップS19)。
【0053】
ここで、拾得物をATM100に収容する方法について説明する。一例としては、前記ステップS6やステップS9が終了した後に、ATM100は、拾得物収容処理部194により、表示画面130に図14に示すような画面を表示させる。また、ATM100は、蓋162を投入口161が開放される開位置に移動させ、利用者が図14の「投入完了」を指で触れると、ATM100は蓋162を投入口161が閉鎖される閉位置に移動させる。これにより、ATM100は拾得物を収容する。また、拾得物が投入口161に投入できないほど大きい場合、利用者が図14の「投入不可」を指で触れると、拾得物をATM100の近傍の目立ちにくい場所に保管させる指示が表示装置130に表示され、当該指示に従って届け出者はATM100の近傍に拾得物を保管する。
【0054】
他の例としては、ステップS6で受け付けた拾得物の種類が現金である場合は、ATM100は、表示画面130に図15に示すような画面を表示させる。また、ATM100は、紙幣挿入部154の蓋部を開状態とし、利用者が拾得物を紙幣挿入部154に挿入できるようにし、利用者が図15の画面の「投入完了」を指で触れると、前記蓋部を閉状態とする。これにより、ATM100は拾得物を収容する。ステップS6で受け付けた拾得物の種類が通帳、キャッシュカード又はクレジットカードである場合も同様であり、通帳の場合は、表示画面130に拾得物を通帳記帳部155に挿入するように要求する画面を表示させ、キャッシュカード又はクレジットカードの場合は、表示画面130に拾得物をカード挿入部153に挿入するように要求する画面を表示させる。そして、ATM100は、通帳記帳部155やカード挿入部153に挿入される拾得物を収容する。
【0055】
ATM100の現金の充填および回収に来る警備保障会社の担当者は、ATM100の拾得物収容部160や、拾得物としての現金、カードおよび通帳が収容されている場所を空ける鍵を持っているので、現金の充填および回収の際に拾得物を回収することができる。
【0056】
このように、本実施形態では、利用者が所有する金融機関カードをATM100に挿入させると共に読み取ったカード情報を口座契約マスタに照会し、カード情報が口座契約マスタの契約者データと一致すると拾得物情報を受付け、拾得物情報とカード情報とを関連付けて金融機関Aの拾得物サーバ210に送信するようになっている。また、拾得物サーバ210が前記カード情報に対応する契約者データを口座契約マスタから取得し、契約者データと拾得物情報とを関連付けた届け出情報データテーブルを作成し出力する。そして、その出力先は、警察や、ATM100の現金の充填および回収を行う警備保障会社にとすることができる。
【0057】
これにより、ATM管理センターが拾得物の受付を電話で行う必要がなくなり、ATM管理センターのオペレータの他の業務の作業効率を向上することができる。
【0058】
また、利用者も自己の個人情報を口頭で告げる必要がなく、ATM管理センターに電話連絡をする必要も無いので、個人情報の口頭連絡や電話が繋がり難いこと等を懸念して拾得物の届け出を躊躇することも無くなる。
【0059】
また、拾得物を届け出る利用者は自己の所有する金融機関カードをATM100に挿入する必要があるので、いたずら等の目的で拾得物の届け出処理が行われることが防止される。
【0060】
また、本実施形態では、拾得物情報として拾得物の種類を受付、受け付けた拾得物の種類が金銭である時は表示装置130に拾得物をATM100の紙幣挿入部154に挿入するように要求する画面を表示し、受け付けた拾得物が通帳である時は表示装置130に拾得物をATM100の通帳記帳部155に挿入するように要求する画面を表示し、受け付けた拾得物の種類がキャッシュカード又はクレジットカードである時は表示装置130に拾得物をATM100のカード挿入部153に挿入するように要求し、挿入される拾得物を収容するようになっている。これにより、無人店舗においても、キャッシュカード、クレジットカード、現金、通帳等の厳重な取扱を要する拾得物を確実に保管することが可能となる。
【0061】
また、本実施形態では、ATM100はデジタル画像を撮像する撮像装置170を有する。また、ATM100は、拾得物を撮像装置170の画角内である表示装置130の上に配置するように要求する画面を表示装置130に表示させると共に、撮像装置170によって撮像された拾得物の画像を含む拾得物情報を受け付けるようになっている。このため、利用者は面倒な手続な情報入力をすることなく拾得物の届け出処理を行うことができる。また、拾得物を受け付ける金融機関や警察としては、拾得物の識別を容易に行うことが出来るようになるので、遺失者に対する対応等の作業を効率的に行うことができる。また、拾得物サーバ210が、外部の端末として例えば遺失者端末500から拾得物の情報を要求された際に、遺失者端末の画面に届け出情報データテーブルに基づいた画面を表示させるが、その画面に拾得物の画像を入れることができるので、遺失者による遺失物の捜索が容易になる。
【0062】
また、本実施形態では、前記届け出情報データレコードを、ATM100が設置されている店舗を訪れて拾得物を回収する警備保障会社の警備保障会社端末300に送信するようになっている。このため、24時間営業のATM100で夜中に拾得物の届け出があった場合でも、そのことがすぐに警備保障会社に連絡され、翌朝に拾得物の回収をすることが可能になる。また、金融機関Aの電話オペレータ等が警備保障会社に連絡する手間を省くこともできる。
【0063】
また、本実施形態では、届け出情報データレコードを、前記ATMが設置された地域を管轄する警察の警察サーバ400に送信するようになっている。このため、24時間営業のATM100で夜中に拾得物の届け出があった場合でも、そのことを警察でもタイムリーに把握することができる。また、金融機関Aの電話オペレータ等が警察に連絡する手間を省くこともできる。
【0064】
また、本実施形態では、届け出情報データレコードを、前記ATMを管轄している金融機関Aの支店のコンピュータに送信するようになっている。このため、24時間営業のATM100で夜中に拾得物の届け出があった場合でも、そのことを当該支店でもタイムリーに把握することができる。また、金融機関Aの電話オペレータ等が当該支店に連絡する手間を省くこともできる。
【0065】
また、本実施形態では、前記金融機関Aの拾得物サーバ210は通信ネットワークを介して外部の端末、例えば遺失者端末500と接続可能である。また、金融機関Aの拾得物サーバ210が、前記届け出情報データレコードを複数集積して届け出情報データテーブルを作成し、遺失者端末からの要求に応じて遺失者端末500の表示装置520に届け出情報データテーブルに基づいた画面を表示させるようになっている。これにより、遺失者は自己の遺失物を容易に捜索することが可能となる。
【0066】
また、本実施形態では、口座契約マスタの契約者データに拾得物を届け出た利用者の電子メールアドレスが含まれている場合に、金融機関Aの拾得物サーバ210が、拾得物を届け出たことに関するお礼メールを当該電子メールアドレス宛てに送信するようになっている。これにより、拾得物を届け出た利用者は届け出が確実に行われたことを知ることができ、また、届け出を行うことによる満足感を得ることも可能となる。
【0067】
尚、口座契約マスタの契約者データに拾得物を届け出た利用者の住所が含まれている場合に、金融機関Aの拾得物サーバ210によって拾得物を届け出たことに関する当該住所宛てのお礼レターを作成し印刷することも可能である。この場合、お礼レターを当該利用者に宛て迅速に郵送することが可能になり、メールを送信する場合と同様の効果を奏する。
【0068】
また、本実施形態では、ATM100が、拾得物の届け出を行った利用者の個人情報を拾得物の所有者に開示するか否かを選択させる画面を表示装置130に表示させると共に、利用者による開示するか否かの選択を受け付け、受け付けた開示可否の情報を金融機関Aの拾得物サーバ210に送信するようになっている。このため、個人情報の開示を望まない拾得者の意向に沿うことができる。
【0069】
また、本実施形態では、ATM100が、拾得物について拾得物の届け出を行った利用者が拾得物についての報労金を受ける権利および所有権を取得する権利を留保するか否か選択させる画面を表示装置130に表示させると共に、利用者による報労金を受ける権利および所有権を取得する権利を留保するか否かの選択を受け付け、受け付けた権利留保要否の情報を金融機関Aの拾得物サーバ210に送信するようになっている。このため、報労金を受ける権利および所有権を取得する権利の留保要否の確認を容易且つ確実に行うことができる。
【0070】
また、本実施形態では、ATM100は、拾得物を収容可能であり拾得物を投入するための投入口161を有する拾得物収容部160と、拾得物収容部160の投入口161を閉鎖する蓋162とを有し、蓋162はATM100によって開状態と閉状態に移動するようになっている。また、ATM100が、拾得物収容部160に拾得物を収容するように要求する画面を表示装置130に表示させると共に、ATM100が蓋162を開けて投入口を開状態とするように構成されている。これにより、無人店舗においても、財布やバッグ等の拾得物を確実に保管することが可能となる。
【0071】
尚、本実施形態では、ステップS3において、読み取ったカード情報を金融機関Aの拾得物サーバ210に送信し、ステップS4において、送信されたカード情報が金融機関Aの勘定系システム250の契約者データと一致するか否かを判断し、一致しなければ、統合ATMシステム600経由で他の金融機関の勘定系システム700の口座契約マスタ格納部720に格納されている口座契約マスタの契約者データと一致するか否かを判断するようにしている。これに対して、ATM100を統合ATMシステム600経由で他の金融機関の勘定系システム700と通信するように構成することも可能である。この場合、ATM100は他の金融機関の勘定系システム700にカード情報を直接照会することができる。
【0072】
尚、本実施形態において、届け出情報データレコードは、ATM100が設置されている場所のデータを含むものであることが好ましい。
【0073】
尚、本実施形態は、ステップS1〜S2において、表示装置130に利用者が所有する金融機関カードの挿入を要求し、挿入される金融機関カードからカード情報を読み取り、これを利用者情報として拾得物サーバ210に送信するように構成されている。これに対し、ステップS1〜S2において、表示装置130に利用者の氏名、住所等を入力するように要求し、利用者による氏名、住所等の入力をタッチパネル式入力装置152で受け付け、受け付けた利用者情報を拾得物サーバ210に送信するように構成することも可能である。
【0074】
尚、この発明は上記位置実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で種々変形可能である。
【符号の説明】
【0075】
100…ATM、110…CPU、120…RAM、130…表示装置、140…送受信部、151…入力装置、152…タッチパネル入力装置、153…カード挿入部、154…紙幣挿入部、155…通帳挿入部、160…拾得物収容部、161…投入口、162…蓋、170…撮像装置、180…拾得物データ格納部、190…プログラム格納部、191…利用者情報受付処理部、192…拾得物情報受付処理部、193…送信処理部、194…拾得物収容処理部、195…開示可否受付処理部、196…権利留保受付処理部、200…サーバ装置、210…拾得物サーバ、211…CPU、212…RAM、213…表示装置、214…送受信部、215…拾得部得データ格納部、230…プルグラム格納部、231…口座契約照会処理部、232…届け出情報データレコード格納処理部、233…届け出情報データレコード送信処理部、234…届け出情報データテーブル管理部、235…クライアント端末画面作成部、236…事件番号付加部、237…お礼メール送信部、238…支店宛てFAX送信部、300…警備保障会社端末、400…警察サーバ、500…遺失者端末、600…統合ATMシステム、610…送受信部、620…中継部、700…勘定系システム、710…送受信部、720…口座契約マスタ格納部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現金自動預払機(ATM)と当該ATMと通信可能である金融機関のサーバとを有する拾得物受付システムであって、
前記ATMの前面側には、利用者が銀行取引を行う際に利用する利用画面を表示すると共に当該利用者による入力を受け付けるインターフェース部が設けられており、
このシステムは、
前記ATMが、
前記利用者の有する金融機関カードの前記ATMへの挿入を要求する画面を前記インターフェース部に表示させると共に、前記利用者が挿入する前記金融機関カードからカード情報を読み取り、当該カード情報を前記金融機関のサーバが有する口座契約マスタ、又は、統合ATMシステム経由で接続可能な口座契約マスタに照会する照会手段と、
前記照会手段において前記カード情報が前記口座契約マスタの契約者データと一致すると、拾得物を他の拾得物から識別するために用いる拾得物情報を要求する画面を前記インターフェース部に表示させると共に、前記利用者によって入力される前記拾得物情報を受け付け、当該拾得物情報と前記カード情報とを関連付けて前記金融機関のサーバに送信する拾得物受付送信手段と、
を有し、
前記金融機関のサーバが、
前記拾得物受付送信手段で前記ATMから送信される前記拾得物情報および前記カード情報を受信すると、前記カード情報に対応する前記契約者データを前記口座契約マスタから取得し、前記契約者データと前記拾得物情報とを関連付けた届け出情報を作成し出力する出力手段と
を有するものである
ことを特徴とする拾得物受付システム。
【請求項2】
請求項1記載の拾得物受付システムにおいて、
前記拾得物は金銭、通帳、キャッシュカード又はクレジットカードであり、
前記拾得物受付送信手段は、前記ATMが、前記拾得物情報として拾得物の種類を受け付け、受け付けた拾得物の種類が前記金銭である時は前記インターフェース部に前記拾得物を前記ATMの金銭授受部に挿入するように要求する画面を表示し、受け付けた拾得物が前記通帳である時は前記インターフェース部に前記拾得物を前記ATMの通帳記帳部に挿入するように要求する画面を表示し、受け付けた拾得物の種類がキャッシュカード又はクレジットカードである時は前記インターフェース部に前記拾得物を前記ATMのカード挿入部に挿入するように要求し、挿入される前記拾得物を収容するものである
ことを特徴とする拾得物受付システム。
【請求項3】
請求項1記載の拾得物受付システムにおいて、
前記ATMはデジタル画像を撮像する撮像装置を有し、
前記拾得物受付送信手段は、前記拾得物を前記撮像装置の画角内の所定位置に配置するように要求する画面を前記インターフェース部に表示させると共に、前記撮像装置によって撮像された前記拾得物の画像を含む前記拾得物情報を受け付けるものである
ことを特徴とする拾得物受付システム。
【請求項4】
請求項1記載の拾得物受付システムにおいて、
前記出力手段は、前記届け出情報を、前記ATMが設置された場所を訪れて前記拾得物を回収する所定の団体のコンピュータに送信するものである
ことを特徴とする拾得物受付システム。
【請求項5】
請求項1記載の拾得物受付システムにおいて、
前記出力手段は、前記届け出情報を、前記ATMが設置された地域を管轄する警察のコンピュータに送信するものである
ことを特徴とする拾得物受付システム。
【請求項6】
請求項1記載の拾得物受付システムにおいて、
前記出力手段は、前記届け出情報を、前記ATMを管轄している金融機関の支店のコンピュータに送信又は前記ATMを管轄している金融機関の支店にFAXを送信するものである
ことを特徴とする拾得物受付システム。
【請求項7】
請求項1記載の拾得物受付システムにおいて、
前記届け出情報は、前記ATMで前記拾得物の受付けを行った日時の情報を含むものであり、
前記金融機関のサーバは、通信ネットワークを介して少なくとも1つのクライアント端末と接続可能であり、
このシステムはさらに、
前記金融機関のサーバが、前記届け出情報を複数集積して届け出情報データテーブルを作成するデータテーブル作成手段と、
前記金融機関のサーバが、前記クライアント端末からの要求に応じて、前記クライアント端末の表示装置に前記届け出情報データテーブルに基づいた画面を表示させる表示手段と
を有する
ことを特徴とする拾得物受付システム。
【請求項8】
請求項4記載の拾得物受付システムにおいて、
前記届け出情報が前記警察のコンピュータに送信された後、前記金融機関のサーバが、前記警察が前記届け出情報に対して付与した事件番号を受け付け、前記事件番号を前記届け出情報に付加する事件番号付加手段をさらに有する
ことを特徴とする拾得物受付システム。
【請求項9】
請求項1記載の拾得物受付システムにおいて、
前記金融機関のサーバが、前記口座契約マスタの契約者データに電子メールアドレスが含まれている場合に、前記拾得物を届け出たことに関するお礼メールを当該電子メールアドレス宛てに送信するお礼メール送信手段をさらに有する
ことを特徴とする拾得物受付システム。
【請求項10】
請求項1記載の拾得物受付システムにおいて、
前記金融機関のサーバが、前記契約者データに住所が含まれている場合に、前記拾得物を届け出たことに関する当該住所宛てのお礼レターを作成し印刷するお礼レター作成手段をさらに有する
ことを特徴とする拾得物受付システム。
【請求項11】
請求項1記載の拾得物受付システムにおいて、
このシステムは、前記ATMが、前記の拾得物の届け出を行った利用者の情報を前記拾得物の所有者に開示するか否かを選択させる画面を前記インターフェース部に表示させると共に、前記利用者による前記開示するか否かの選択を受け付ける開示可否受付手段をさらに有し、
前記拾得物受付送信手段は、前記開示可否受付処理によって受け付けた情報を前記金融機関のサーバに送信するものである
ことを特徴とする拾得物受付システム。
【請求項12】
請求項1記載の拾得物受付システムにおいて、
このシステムは、前記ATMが、前記拾得物について前記の拾得物の届け出を行った利用者が前記拾得物について報労金を受ける権利および所有権を取得する権利を留保するか否か選択させる画面を表示させると共に、前記利用者による前記報労金を受ける権利および所有権を取得する権利を留保するか否かの選択を受け付ける権利留保受付手段をさらに有し、
前記拾得物受付送信手段は、前記権利留保受付手段によって受け付けた情報を前記金融機関のサーバに送信するものである
ことを特徴とする拾得物受付システム。
【請求項13】
請求項1記載の拾得物受付システムにおいて、
前記ATMは、
前記拾得物を収容可能であって、前記拾得物を投入するための投入口を有する拾得物収容部と、
前記拾得物収容部の投入口を開閉する開閉手段と
を有し、
このシステムは、前記ATMが、前記拾得物収容部に前記拾得物を収容するように要求する画面を前記インターフェース部に表示させると共に、前記開閉部によって前記拾得物収容部の投入口を開状態とする収容手段をさらに有する
ことを特徴とする拾得物受付システム。
【請求項14】
現金自動預払機(ATM)と当該ATMと通信可能である金融機関のサーバとを用いた拾得物受付方法であって、
前記ATMの前面側には、利用者が銀行取引を行う際に利用する利用画面を表示すると共に当該利用者による入力を受け付けるインターフェース部が設けられており、
この方法は、
前記ATMが、前記利用者の有する金融機関カードの前記ATMへの挿入を要求する画面を前記インターフェース部に表示させると共に、前記利用者が挿入する前記金融機関カードからカード情報を読み取り、当該カード情報を前記金融機関のサーバの有する、又は、統合ATMシステム経由で接続可能な口座契約マスタに照会する照会工程と、
前記ATMが、前記照会工程において前記カード情報が前記口座契約マスタの契約者データと一致すると、拾得物を他の拾得物から識別するために用いる拾得物情報を要求する画面を前記インターフェース部に表示させると共に、前記利用者によって入力される前記拾得物情報を受け付け、当該拾得物情報と前記カード情報とを関連付けて前記金融機関のサーバに送信する拾得物受付送信工程と、
前記金融機関のサーバが、前記拾得物受付送信工程で前記ATMから送信される前記拾得物情報および前記カード情報を受信すると、前記カード情報に対応する前記契約者データを前記口座契約マスタから取得し、前記契約者データと前記拾得物情報とを関連付けた届け出情報を作成し出力する出力工程と
を有する
ことを特徴とする拾得物受付方法。
【請求項15】
請求項14記載の拾得物受付方法において、
前記拾得物は金銭、通帳、キャッシュカード又はクレジットカードであり、
前記拾得物受付送信工程では、前記ATMが、前記拾得物情報として拾得物の種類を受け付け、受け付けた拾得物の種類が前記金銭である時は前記インターフェース部に前記拾得物を前記ATMの金銭授受部に挿入するように要求する画面を表示し、受け付けた拾得物が前記通帳である時は前記インターフェース部に前記拾得物を前記ATMの通帳記帳部に挿入するように要求する画面を表示し、受け付けた拾得物の種類がキャッシュカード又はクレジットカードである時は、前記インターフェース部に前記拾得物を前記ATMのカード挿入部に挿入するように要求し、挿入される前記拾得物を収容する
ことを特徴とする拾得物受付方法。
【請求項16】
請求項14記載の拾得物受付方法において、
前記出力工程では、前記届け出情報を、前記ATMが設置された場所を訪れて前記拾得物を回収する所定の団体のコンピュータに送信する
ことを特徴とする拾得物受付方法。
【請求項17】
請求項14記載の拾得物受付方法において、
前記出力工程では、前記届け出情報を、前記ATMが設置された地域を管轄する警察のコンピュータに送信する
ことを特徴とする拾得物受付方法。
【請求項18】
請求項14記載の拾得物受付方法において、
前記届け出情報は、前記ATMで前記拾得物の受付けを行った日時の情報を含むものであり、
前記金融機関のサーバは通信ネットワークを介して少なくとも1つのクライアント端末と接続可能であり、
この方法はさらに、
前記金融機関のサーバが、前記届け出情報を複数集積して届け出情報データテーブルを作成するデータテーブル作成工程と、
前記金融機関のサーバが、前記クライアント端末からの要求に応じて、前記クライアント端末の表示装置に前記届け出情報データテーブルに基づいた画面を表示させる表示工程と
を有する
ことを特徴とする拾得物受付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−41429(P2013−41429A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−178076(P2011−178076)
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【出願人】(397077955)株式会社三井住友銀行 (120)
【Fターム(参考)】