説明

指圧器

【課題】
従来の指圧器では、指圧器本体を接続可能な物体に固定しないとテコを利用した指圧が出来なかった。そのため本体を接続出来る物体がなければテコの機能をなさないので、どこでも気軽にテコを利用した指圧が出来ないという課題を有していた。
【解決手段】
蝶番と掛け金を用いて接合し、L字を成した本体に2つの止めネジで固定した肘当てと、本体固定ベルトを取り付けたL字型本体Bと、長方形の本体Aと、前記L字本体Bを前記長方形の本体Aに連結し、前記L字型本体Bと前記長方形の本体Aを回転可能にするために、それぞれ2本のボルトにより取り付けたUボルトプレートと、前記長方形の本体Aの概略中央部に取り付けた指圧突起止めにより固定された指圧突起と、長方形の本体Aの前記Uボルトプレートを取り付けた一端とは逆の一端部に取り付け固定されたハンドストッパーとを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は使用者自らの腕を固定具として利用し、テコの力で頚部や肩、背部を指圧するための指圧器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来からテコを利用して肩、背部を指圧する指圧器はよく知られており、各種の指圧器が提案されている。
【0003】
従来の指圧器は、物体に縛り固定するもの(例えば、特許文献1参照。)、また、 柱や座椅子に固定するものとか(例えば、特許文献2参照。)、座板を設け支柱を取り付ける事でテコの機能をなすもの(例えば、特許文献3,特許文献4,特許文献5,特許文献6参照。)などがある。
【0004】
以下、従来の指圧器について図4を用いて説明する。
【0005】
指圧棒(S字形状)15に、把手部16と、弾性指圧部17を取り付け、連結用バンド18で、指圧棒15と座板19とを連結する。使用者は座板19に座位し、弾性指圧部17を肩凝り部に当て、テコの原理を応用し、把手部16を下降せしめることによって、肩部指圧が容易に出来る指圧器である。
【0006】
発明の効果としては、テコの原理を応用し、指圧棒の指圧部がS字形状になっていることから、確実に肩凝り部の局所をとらえ、使用者本人が指圧の強弱を調整しながら長時間、楽に指圧が出来る。よって、頑固な肩凝りを、たたいたり、もんだりしないことから筋肉を痛めず、わずかな力で楽に解消できる指圧器に関するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2003−135558号公報
【特許文献2】特開7−265373号公報
【特許文献3】実開平6−81535号公報
【特許文献4】実開平6−74142号公報
【特許文献5】実開平10−796号公報
【特許文献6】実開平8−354号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、従来の指圧器では、指圧器本体を接続可能な物体に固定しないとテコを利用した指圧が出来なかった。そのため本体を接続出来る物体がなければテコの機能をなさないので、どこでも気楽にテコを利用した指圧が出来ないという課題を有していた。
【0009】
また、座板に支柱を取り付けてテコの機能をなす発明は、どこかに置いて台座に座位、あるいは仰臥位で行うため、本体を置くある程度のスペースを必要としていた。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記記載の課題を解決するために、本発明は、蝶番と掛け金を用いて接合し、L字を成した本体に2つの止めネジで固定した肘当てと、本体固定ベルトを取り付けたL字型本体Bと、長方形の本体Aと、前記L字型本体Bを前記長方形の本体Aに連結し、前記L字型本体Bと前記長方形の本体Aを回転可能にするために、それぞれ2本のボルトにより取り付けたUボルトプレートと、前記長方形の本体Aの概略中央部に取り付けた指圧突起止めにより固定された指圧突起と、長方形の本体Aの前記Uボルトプレートを取り付けた一端とは逆の一端部に取り付け固定されたハンドストッパーとを備えたものである。
【0011】
また、前記L字型本体Bの直角を成す外面を接合する着脱可能な掛け金を外し、内面を接続する蝶番を軸に前記L字型本体Bの平面体を内面垂直体方向に折り畳み、また前記L字型本体Bと前記長方形の本体Aを連結するUボルトプレート部で、長方形の本体AをL字型本体Bの垂直外面に回旋することによりコンパクトに折り畳め、L字型本体Bの掛け金に隣接する平面体部に止めネジで固定した本体固定ベルトで纏めることで持ち運び、収納が容易に出来る機能を備えた事を特徴とする請求項1記載の指圧器。
【発明の効果】
【0012】
以上のように、本考案は、L字型本体Bに肘当てを取り付けた機能構成で、肘当てに腕を通して肘を固定することで、本体を接続可能な物体に接続した時と変わらない効果が得られる。そのため、場所を選ばず、どこでも気楽にテコを利用した指圧が行えるようになる。
【0013】
また、立ったままでも歩きながらでもテコを利用した指圧が行えるので、ある程度のスペースを確保しなくてもテコを利用した指圧が行える。
【0014】
その上、本体を接続する物体の代わりが肘なので、肘当てに固定した肘部分の角度を調整することで、肩だけでなく、頚部、背部、上腕に至るまでテコを利用した指圧が容易にできるという効果が得られるものである。
【0015】
さらに、折り畳みが出来るようにしたことで、コンパクトに纏まり、バックなどに収まりやすく、持ち運びの不自由や収納の不便さを取り除けるよう工夫した従来にない優れた機能を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係わるテコを利用した指圧器の全体斜視図
【図2】本発明の取り扱い実施例
【図3】本発明の指圧器を折り畳んだ場合の全体側面図
【図4】従来の指圧器の全体斜視図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態に係るテコを利用した指圧器について説明する。尚、各図において、同一部分には同一符号を付している。
【0018】
図1は本発明の実施の形態に係る指圧器の概略を表す全体斜視図である。
【0019】
図2は本発明のテコを利用した指圧器の取り扱い実施例を表す図である。
まず、長方形の本体A3を指圧したい側の肩上で担ぐような格好で構える。
このとき、長方形の本体A3を担いだ側の手掌をハンドストッパー1に沿わすように長方形の本体A3を把持する。
更に、長方形の本体A3の概略中央部に固定した指圧突起12を指圧したい局部に当てる。
【0020】
次にL字型本体B7の垂直体が指圧器使用者の背部に来るようにし、L字型本体B7の平面体を、指圧したい局部側と対称の上腕の内側、すなわち腋か部で挟み込むようにし、その腕を肘当て9にL字型本体B7の平面体の外側から体幹部方向、すなわち内側に通し肘を固定する。
【0021】
これにより肘を固定した肘当て9部が、本体を接続可能な物体に固定した場合と同等の役割を果たし、Uボルトプレート5を軸に、長方形の本体A3に取り付けたハンドストッパー1に沿わすように長方形の本体A3を把持した手掌を下降することで、テコを利用した指圧が行える。
【0022】
また、本体を接続する物体の代わりを成している肘当て9に固定された肘の角度を調整することで、指圧突起12の場所を変えられるので、肩以外にも、頚部や背部もテコの力で指圧することが出来る。
【0023】
図3は本発明の指圧器を折り畳んだ場合の全体側面図を表す。
折り畳む方法として、L字型本体B7の直角を成す外面を接合する着脱可能な掛け金14を外し、内面を接合する蝶番13を軸にL字型本体B7の平面体を垂直体内面方向に折り畳む。
【0024】
さらに、L字型本体B7と長方形の本体A3を連結するUボルトプレート5部で、長方形の本体A3をL字型本体B7の垂直体外面に回旋することにより、長方形の本体A3とL字型本体B7を合わせた本体全体をコンパクトに折り畳める。
【0025】
また、L字型本体B7の掛け金14に隣接する平面体部に止めネジ11で固定した本体固定ベルト10で本体全体をコンパクトに纏めることが出来る。
これにより、持ち運び、収納が容易に出来るようにした。
【0026】
図4は従来の指圧器に関する全体斜視図である。
これは、指圧棒(S字形状)15に、把手部16と弾性指圧部17を取り付け、連結用バンド18で、指圧棒15と座板19とを連結する。
使用者は座板19に座位し、弾性指圧部17を肩凝り部に当て、テコの原理を応用し、把手部16を下降せしめることによって、肩部指圧が容易に出来る機能を備えた指圧器である。
【0027】
図1において、1はハンドストッパーで、長方形の本体A3にボルト2で固定されている。指圧する際、この部に手を沿わすように長方形の本体A3を把持することで、より握力を使わずに高い指圧効果が得られるよう工夫した。
【0028】
4は、指圧突起12を強く固定する為に設けた指圧突起止めである。
これにより、指圧突起12が指圧の際、横ぶれして力が左右に逃げるのを防ぐ。
【0029】
5はUボルトプレートで、2本のボルト6で固定し、長方形の本体A3とL字型本体B7を連結する。これにより指圧の際、この部分が軸となり、長方形の本体A3を上下に動かせるので、テコの機能を成す。
【0030】
また、前記Uボルトプレート5により回旋可能になるので、長方形の本体A3をL字型本体B7の垂直体の外面に回旋し、さらに掛け金14を外すと、L字型本体B7の平面体を、蝶番を軸にL字型の垂直体内面方向に折り畳める。その状態で、L字型本体B7の平面体の掛け金14と隣接する外側に止めネジ11で固定した本体固定ベルト10で纏めることで、本体全体をコンパクトに出来る。
【0031】
9は肘当てで、2つの止めネジ8でL字型本体B7の平面体の先端中央部と平面体の外面中央部に固定する。
この部に腕を通し、肘を置き固定することで、本体を接続可能な物体に固定した状態と同じ効果が得られ、場所を選ばずどこでもテコを利用した指圧が出来る。
【符号の説明】
【0032】
1 ハンドストッパー
2 ボルト
3 長方形の本体A
4 指圧突起止め
5 Uボルトプレート
6 ボルト
7 L字型本体B
8 止めネジ
9 肘当て
10 本体固定ベルト
11 止めネジ
12 指圧突起
13 蝶番
14 掛け金
15 指圧棒
16 把手部
17 弾性指圧部
18 連結用バンド
19 座板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
蝶番と掛け金を用いて接合し、L字を成した本体に2つの止めネジで固定した肘当てと、本体固定ベルトを取り付けたL字型本体Bと、長方形の本体Aと、前記L字型本体Bを前記長方形の本体Aに連結し、前記L字型本体Bと、前記長方形の本体Aを回転可能にするために、それぞれ2本のボルトにより取り付けたUボルトプレートと、前記長方形の本体A概略中央部に取り付けた指圧突起止めにより固定された指圧突起と、長方形の本体Aの前記Uボルトプレートを取り付けた一端とは逆の一端部に取り付け固定されたハンドストッパーとを備えた事を特徴とする指圧器。
【請求項2】
前記L字型本体Bの直角を成す外面を接合する着脱可能な掛け金を外し、内面を接合する蝶番を軸にL字型本体Bの平面体を内面垂直方向に折り畳み、また前記L字型本体Bと前記長方形の本体Aを連結するUボルトプレート部で、長方形の本体AをL字型本体Bの垂直外面に回旋することによりコンパクトに折り畳め、L字型本体Bの掛け金に隣接する平面体部に止めネジで固定した本体固定ベルトで纏めることで持ち運び、収納が容易に出来る機能を備えた事を特徴とする請求項1記載の指圧器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−139782(P2011−139782A)
【公開日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−1789(P2010−1789)
【出願日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【出願人】(710000066)
【Fターム(参考)】