説明

指掴み懸架システムを有する指酸素計

【課題】指掴み懸架システムを有する指酸素計を提供する。
【解決手段】指酸素計が固定した第1掴み部材(4)と、第2指掴み部材(2)をもち、第2指掴み部材は第1固定指掴み部材(4)に関して可動である。これらの指掴み部材はケーシング(22)に取り付けられ、第1掴み部材(4)はケーシング(22)の頂部に固定連結されており、第2指掴み部材(2)はケーシング(22)内で垂直に可動である。力が可動の指掴み部材(2)に連続的に加えられて、その部材を固定指掴み部材に向かって偏倚させる。この偏倚力は十分な撓みをもち、指が2つの指掴み部材(2、4)間に挿入されたとき可動の掴み部材(2)は入ってくる指に対して撓むようになる。この偏倚力は可動の指掴み部分(2)に一様に分布して、指酸素計のための浮動指掴み懸架システムを有効ならしめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は指酸素計に関し、詳細には酸素計の指掴み部分によって患者の指をしっかりかつ均等に掴むことができる懸架システムをもつ指酸素計に関するものである。
【背景技術】
【0002】
幾つかの指酸素計が既知である。一般的にこれらの指酸素計はセンサー及びそれと協働する光検出器を利用するパルス酸素計測(pulse oximetry)ユニットであり、上記光検出器は被検者の指を通過する動脈血の血液酸素飽和度を測定するために、センサーによって放出される光を検出する。被検者の指を照らすためにかつ被検者の指を通過する光を検出するために、従来の指酸素計は一般に、2つの指掴み部分をもつ指掴み機構をもっていた。この従来技術ではこれらの指掴み部分は通常は枢軸によるヒンジ結合機構により互いに協働する。以下に示す米国特許は特に、指酸素計の指掴み部分を指酸素計の1端点の周りに旋回させることができる或るヒンジ機構によって指を受け入れるために開く指掴み部分を開示している:米国特許第4,685,464号、第5,490,523号、第5,792,052号、第5,313,940号、第5,676,139号、第5,810,724号、第5,957,840号及び第6,041,247号。
【0003】
2つの指掴み部分を指の周りに閉ざす他の方法がある。かかる方法の1つは、米国特許第5,209,230号に開示される如く、発光器をもつテープによって指を光検出器にテープ貼りすることである。もう1つの方法は、2つの指掴み部分を協働する歯によって指掴み部分の夫々の側壁に締め付ける。これは米国特許第5,339,810号に開示されている。指の挿入によって拡大する一体のU形可撓性ホルダーの使用は、米国特許第5,311,865号に開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
夫々の側壁にある掴み歯を協働させることによって締め付けられる2部片構成の指掴み部分を使用するこれらの指酸素計には欠点がある。指掴み部分から指を取り除くのが困難である。というのは指掴み部分は所定の寸法で固定されているからである。ヒンジ結合された旋回機構を利用するこれらの指酸素計では、指掴み部分が指に与える力は、指に沿って不均等に成りがちであり、また指がヒンジ結合した場所から離れるにつれて、次第に弱くなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の指酸素計は、一方の指掴み部分が固定している他方の指掴み部分に関して垂直に可動であることからもたらされる浮動懸架システムをもつ。偏倚力が可動の指掴み部分に対して加えられて、可動の掴み部分が固定指掴み部分に向かって絶えず偏倚させられる。2つの協働する指掴み部分は、それらの対向する面がそれらの掴み部分間に挿入された指を受け入れるための開口を形成するような輪郭をもつように形作られる。。可動の指掴み部分に加えられる偏倚力は、指が固定と可動の指部分間に挿入されたときに可動の指部分は撓むことができるが同時に、指の長さに沿って均等な力分布をもって、可動の指部分を固定の指掴み部分に向かって押す十分大きな偏倚力をもち、それによって2つの指掴み部分にそれらの間に置かれた指をしっかり掴ませるようになす。
【0006】
固定した指掴み部分に向かって偏倚させるために可動の指掴み部分に対して加えられる力は可動の指掴み部分とケーシング間に挿入された複数のコイル状バネによって加えられ、可動の指掴み部分はそのケーシングの側壁に沿って案内されて動く。前記バネはケーシングの夫々の側壁の下部から延びる棚部に締着されることができ、かくして可動の指掴み部分が固定の指掴み部分に関して垂直に動くことができるように、偏倚力が可動の指掴み部分に対して加えられるようになされる。
【0007】
固定指掴み部分はケーシングの上部に取り付けることもでき、その上面が印刷回路盤を受け入れることができるよう形作られる。この回路盤はその上に指酸素計の操作を行う幾つかの電子部品又は回路が取り付けられるか又はエッチングされている。患者の指を介して測定された患者の身体的パラメータを表す値を表示するために、ディスプレイ、LED又はその他のものもPC回路盤に取り付けられる。
【0008】
指掴み部分は更に、夫々の開口部をもつよう形作られ、その開口部を通して発光器からの光を一方の指掴み部分から他方の指掴み部分の対応する開口部に差し向けることができるようになす。上記開口部は夫々の光検出器を備えている。
【0009】
本発明の指酸素計に電力供給するために、バッテリーパック又はモジュールが可動の指掴み部分の下側に取り付けられる。操作するためにはユーザーはケーシングに取り付けられたスイッチを手動で作動する必要がある。エネルギーを節約するために、該装置はもし使用していないならば、予定時間経過後に自動的にオフに切り換えられる。
【0010】
従って本発明の目的は、浮動式懸架システムをもつ指酸素計を提供することにある。
【0011】
本発明の指酸素計の他の目的は、指掴み部分によって掴まれている指に与えられる掴み力を均等に分布させることにある。
【0012】
本発明の上記目的及び利点は、本発明の実施例についての添付図面に基づく以下の説明から良く理解することができるだろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】種々の重ね位置に置かれている本発明の指酸素計の種々の部品を示す斜視図である。
【図2】コイルバネと共に図1に示す種々の部品を示す斜視図で、ケーシングと該装置のカバーを互いに整列させて示す図である。
【図3】(A)は本発明の組み立てられた装置の上面図である。(B)は指を2つの指掴み部分間に挿入することができる開口を示す本発明の指酸素計の正面図である。(C)本発明の指酸素計の背面図である。(D)は図3Aの装置の側面図である。
【図4】本発明の指酸素計の電気回路の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照すれば、本発明の指酸素計が示されており、これは下部指掴み部分2と上部指掴み部分4を含んでいる。下部指掴み部分2と上部指掴み部分4に嵌着しているのは夫々下部指パッド6と上部指パッド8である。下部と上部の指掴み部分と、それらの指パッドは例えば手の指の如き人間の指(digit)の形状に一致するよう形作られている。このことはお互いに向き合っている指パッド6の下面と指パッド8の上面によって最も良く示されている。従って、一旦夫々の指パッド6、8がそれらの対応する指掴み部分2、4に取り付けられると、指掴み部分2と4が互いに隣接して位置したとき、図2と図3Bに最も良く示されている開口10が提供される。
【0015】
図1に最も良く示される如く、下部掴み指部分2は基底2bから延びる2つの側面2sをもつ細長い部材である。スペース又は空隙2vは基底2bのほヾ中心に設けられる。この基底の上に光検出器18(図4のD1)を置くことができる。基底2bの前端は湾曲していて開口10の1部分をなすようにしている。細長い部材2の後端は後部止め2bsをもち、この後部止めはバッテリーモジュール10を摺動掛合様式で受け入れるよう形作られている。図示していないが、バッテリーモジュール10は図4に示される如き電子部品に電力を供給するために2つのバッテリーを挿入することができるよう形作られており、それによって指酸素計にエネルギーを供給する。その操作については後述する。バッテリーモジュール10に挿入されたバネ状導体12はバッテリーを直列に接続し、それによって有効電圧を増す。
【0016】
細長い部材2の各側壁2sは更に、そこから延びている少なくとも2つの耳部又は掴み部2c1(2c1′)及び2c2(2c2′)をもつ。掴み部2cの目的については図2を参照して以下説明する。
【0017】
従順性のない(not compliant)ゴム状の材料から作ることができる下部指パッド6が指掴み部分2の基底2bに取り付けられる。指パッド6に加えて、導電性ストリップ14が指掴み部分の後端に挿入されて、バッテリーモジュール10により供給される電力の電路を提供するようになす。導電性端部14に接続されるのは可撓性ストリップ16であり、このストリップは光検出器18を取り付けられている。光検出器18が細長い部材2のスペース2v内に入っていて指パッド6がその光検出器の上に置かれている状態で、光検出器18は露出しており、従って指パッド6の開口部6aを通して光検出器に向かう光を受け入れることができる。明らかな如く、指パッド6は、その弓状の内面により、人間の指の形状に部分的に適合するよう形作られている。
【0018】
細長い部材の形態に形作られている上部指掴み部分4はその下側指パッド8に取り付けられており、この指パッドは指パッド6に対向する様に湾曲しておりかつ指の形状に部分的に適合するよう輪郭付けされている。非-従順性のゴム材料から作られ指パッド8はまた、接着剤又は他の接着手段によって細長い部材4の下面に取り付けられることができる。これは、指パッド6が細長い部材2に取り付けられる手法と同様である。一旦取り付けられると、指パッド8の開口部8aは細長い部材4の開口部4aと整列する。
【0019】
細長い部材4はその上面に半密閉型の囲い地を形成するために基底4bから上方へ延びる2つの側面4sをもち、印刷回路盤又はモジュール18を受け入れるようになされている。明示されていないが、モジュール18に取り付けられるのは幾つかの電子部品である。その回路は図4に詳細に示されている。細長い部材の各側面4sから延びているのは延長部4eであり、この延長部は下方を指している2つの指4fをもつ。延長部4eの目的は図2につき説明する。モジュール18に取り付けられているのは、ディスプレイ20であり、このディスプレイは例えば、指掴み部分2と4間に挿入された患者の指から測定された動脈血の血液酸素飽和度の如き、患者の身体的パラメータに対応する情報を表示する幾つかの数字を含む。患者の身体的特質を測定するために発光ダイオードの如き光源が細長い部材4の開口部4a と整列するようモジュール18の下側に取り付けられる。モジュール18に与られる電力は可撓性の導電性ストリップ16からくる。
【0020】
図2を参照すれば、本発明の指酸素計の図1に示された種々の部品が、上部指掴み部分4を下部指掴み部分2に隣接させるように組み立てる状態で示されている。上述の如く、これら両部分が密接した状態では、開口10が2つの指掴み部材の正面に形成される。指はこの開口を通して指掴み部分2と4間に置かれる。
【0021】
更に図2に示される如く、接触している指掴み部分2、4はU形スカートの形態をなすケーシング22の上に重ねられる。ケーシング22は後壁22bと2つの側壁22sをもつ。側壁22sの下部から延びるのは夫々の棚部22lである。夫々の側壁22sの内側には受容部22rがあり、これらの受容部は上部指掴み部分4の延長部4eの指4fを受け入れるよう形作られている。指4fを受容部22rに挿入すると、指掴み部分4はケーシング22の頂部又は上部に固定連結される。上部指掴み部分4をケーシング22に固定連結することを更に保証するために接着剤も使用することができる。
【0022】
側面22sの2つの遠位端には、夫々掴み縁又は指22gが形成されている。夫々の棚部22lに形成されているのは、幾つかの指部又は延長部22eであり、これらの延長部は対応するバネ24を夫々しっかり受け取るための固定部(anchors)を夫々提供する。図示の如く、4つのバネがあり、各バネはケーシング22の1つの隅にある1つの延長部22eによってしっかり固定される。各バネ24は通常の圧縮コイルバネとすることができる。
【0023】
更に図2に示す如く、一旦延長部に固定されると、下部指掴み部分2がケーシング22に挿入されるとき、細長い部材2の側壁2sから夫々延びる耳部の形態をなす各掴み部2cは対応するバネ24を掴み、押しさげる。バネ24は所定の弾性を有するよう選択されていて、これらのバネが、共同して、細長い部材2に対して、ケーシング22の上部に固定されている上部指掴み部分4に関して、上向きに偏倚力を与えるようになす。かくして一旦細長い部材4がケーシング22に固定連結されても、それでもなお細長い部材2は細長い部材4に対して相対的に可動の状態に留まる。
【0024】
細長い部材2がその側壁に沿って異なった場所で独立バネ24によって支持されるという事実が与えられると、指が開口10に挿入されると、指に路を譲るけれども、バネ24によって及ぼされる偏倚力は、細長い部材2を挿入された指に対してしっかり偏倚させるように細長い部材2に垂直に作用し、それによって挿入された指を固定された細長い部材4に対してしっかり掴むようになす。更に、細長い部材2の2つの隅にバネ24を設けることによって、4点懸架システムが偏倚力を細長い部材2全体にわたって均等に分布させるようになす。従って、細長い部材2と4によって掴まれた指はその全長に沿って均等に掴まれる。更に、支持基底が細長い部材2のために必要とされないようにケーシング22と細長い部材2の夫々の隅にバネを隠すことによって、ケーシング22と細長い部材2の夫々の寸法を縮小させることができ、それによって装置全体の寸法が減らされることになる。従ってまた、ケーシング22と細長い部材2の夫々の側壁間にバネを隠すことによって、バネは塵から封止されかつ潜在的な機械的乱用を絶つことができる。
【0025】
上述の実施例では4個のバネのみが示されたが、各側壁に1個のバネとケーング22の後壁に1個のバネをもつというような3個のバネ配置もまた使用可能である。逆に、ケーシング22の各側壁に沿って2個より多い多数のバネもまた本発明の実施例では使用可能である。
【0026】
本発明の組み立て装置を完成するために、数字をディスプレイ20から見ることができるようになすフィルター付きカバー26が細長い部材4上に置かれて、細長い部材4に又はケーシング22の上部縁に固定連結されるようになす。
【0027】
図2A乃至3Dを参照すれば、本発明の組み立てられた指酸素計の異なった展望図が示されている。図3Aは組み立てられ装置28の平面図であり、数字は血液酸素飽和度と心拍度数を表示し、心拍度数は指によって患者の身体的特質を測定することによって得ることができる。
【0028】
図3Bは患者の指を挿入する開口10を示す装置の正面図である。以後示す如く、上部指掴み部分4はカバー26によって保護されており、従ってその一部と指パッド8の一部のみを示している。しかし、可動の指掴み部分2はケーシング22内に取り付けられた状態で示されており、バッテリーモジュール10がその下側に着脱自在に連結されている。可動の指掴み部材2は、バネ24によって提供される偏倚力に応答して、方向矢印30によって表されるように2方向に可動である。
【0029】
図3Cは本発明の指酸素計の後側を示す。図示の如く、ケーシング22又はむしろその後壁22bにはスイッチ32が取り付けられており、このスイッチによりユーザーは、回路盤18に取り付けられた電子部品を付勢させることによって、該装置を手動で作動させることができる。バッテリーモジュール10の後側もまた図3C示されている。
【0030】
図3Dは本発明の装置28の側面図であり、これはケーシング22に取り付けられたカバー26を示す。バッテリーパック10は該装置の基底をなすものとして示されている。
【0031】
図4は該装置の回路盤18に取り付けられた電子部品を表す電子回路の配線概略図である。簡単に説明すれば、本発明の回路の種々の主な機能は、破線で個別に一纏めにされている。特に、破線ボックス34に示す如く、ホトダイオードD1(図1の18)は下部掴み部材2のスペース2vに嵌着される可撓性の回路支持ストリップに取り付けられている。また、可撓性回路ストリップ34に取り付けられかつ電気接続されているスイッチSW1は、ユーザーによってオンに切り換えられると、回路40中のLEDからの光を指掴み部分2と4間に置かれた指に差し向けさせる。一旦指が指掴み部分から除かれると、マイクロプロセッサーU1は、エネルギーを節約するために予定の時間例えば8秒の後に該装置28をオフに切り換えるようプログラムされる。
【0032】
光検出器とスイッチSW1は通常の接続によって主回路に接続されている。特に、可撓性ストリップ上に取り付けられた回路34はアナログ検出器予備調整回路(preconditioning circuit)である機能回路36に接続される。図示の如く、患者の指から測定された入力電流信号は op amp U2Aに送られ、そこでアナログ電圧信号に変換される。このアナログ電圧信号は増幅されたアナログ電圧信号VSIGを出力するためにop amp U2Cによって増幅される。該信号のダイナミックレンジはIC回路U4によって制御され、この回路は本質的に集積ディジタル電位差計である。
【0033】
増幅されたアナログ電圧信号VSIGは入力部A2でマイクロプロセッサーU1に入力される。このアナログ電圧信号はマイクロプロセッサーU1によって対応するディジタル信号に変換されて回路38に入力される。この回路はドライバIC回路U8とU9からなるLEDドライバ回路である。このドライバ回路38は患者から集めた情報をディスプレイ20上に表示するために、種々のディジットDIG1−DIG6に信号を提供する。
【0034】
図4の回路のもう1つの主な機能部品は回路40を含み、この回路は2つのLEDを駆動する可変LEDドライバ回路であり、上記両LEDは上部指掴み部分と上部指パッド8の開口部4aと8aを夫々通して患者の指に差し向けられる光を放出する。その光は、患者の指を通して放散した後、光検出器D1(18)によって感知され、この光検出器は次いで、結果として生じる電流信号をアナログ検出器予備調整回路36に出力する。
【0035】
図4の回路の副回路44はスイッチング電力供給回路であり、この回路は図4の回路の種々の部品に供給される電力を調整する。
【0036】
回路46はバッテリーパック10からの電圧が低いときを確認するバッテリー測定電圧ドライバ回路である。
【0037】
回路48は本発明の指酸素計の部品用のタイミング回路である。クロックパルスが部品U6AによってマイクロプロセッサーU1用の回路48から発生する。部品U6BとU6Cは共同して、もし電圧が3ボルトより下になったとしても、バッテリーパック10からの十分な電圧があることを保証し、その結果、適切なクロッキング信号が図4の回路の種々の部品に提供されることになる。
【0038】
本発明には多くの変形、変更、及び細部の変化を施すことができる。例えば、バネ34がケーシング22の棚部221の延長部22eに固定される代わりに、下部掴み部分2用の偏倚機構は細長い部材2を側壁22s及び/又はケーシング22の後壁22bに対して偏倚させる板バネの如き弾性の一体のバネ機構とすることができる。かかる板バネをケーシングに固定するために、ケーシングの基底部にある棚部を拡張しなければならないかもしれない。そうすれば、また、十分な偏倚特性をもつゴムの如き弾性材料を、可動の細長い部材2を固定した細長い部材4に向けて偏倚させる力を保つために、使用することができる。かくして、本明細書全体を通じて記載されかつ添付図面に示されたすべての事項は、例示に過ぎず、限定を意味するものではなく、本発明は請求の範囲の精神と範囲にのみ限定されるものであるのは言うまでもない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
指酸素計において、
後壁と各々が前記後壁から延びる2つの側壁とをもつケーシングと、
前記側壁によって挟まれかつ前記側壁に沿って垂直に動くことができる第1の指部分と、
前記第1の指部分の移動に対する上部止めを形成するために前記ケーシングと固定関係にある第2の指部分とを含み、
前記第1と第2の指部分の互いに向き合っている夫々の面はそれらの面の間に置かれる指に適合するよう形作られており、更に、
前記第1の指部分に対して偏倚力を加えるために前記ケーシングに備えたバネ手段を含み、その結果前記第1と第2の指部分間に置かれた指が、前記第1指部分が前記バネ手段によって前記第2指部分に向かって偏倚させられることによって、前記第1と第2の指部分によってしっかり掴まれるようになしたことを特徴とする指酸素計。
【請求項2】
前記ケーシングの前記側壁の各々が、前記第1の指部分が前記ケーシングから落下するのを防止するバリヤーを形成するための棚部を含み、前記側壁の各々が前記第1指部分の垂直移動を案内し、
上記バネ手段は複数のバネを含み、その内の少なくとも2つのバネが、前記第1の指部分を支持しかつこの第1指部分に対して前記偏倚力を垂直に加えるために、前記側壁の各々の棚部の対向端に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の指酸素計。
【請求項3】
前記第2の指部分の頂部に連結された複数の電子回路部品をその上に取り付けられた印刷回路盤を含み、前記第2指部分は、前記回路盤に取り付けられた発光源からの光を前記第1と第2の指部分によって掴まれた前記指に差し向けることができるようになすための開口部をもち、更に、
少なくとも前記指から測定された動脈血の血液酸素飽和度の示数を表示するために前記回路盤の頂部に取り付けられたディスプレイと、
前記ディスプレイの上に置かれかつ前記第2の指部分又は前記ケーシングの頂部に固定連結されたカバーとを含む請求項1に記載の指酸素計。
【請求項4】
前記電子回路部品と前記ディスプレイに電力を供給するために前記第1指部分の下側に着脱自在に連結されたバッテリーモジュールを更に含むことを特徴とする請求項3に記載の指酸素計。
【請求項5】
ユーザーが前記電子回路部品を手動で作動させることができるように前記ケーシングに取り付けられたスイッチを更に含むことを特徴とする請求項3に記載の指酸素計。
【請求項6】
パルス酸素計において、
固定部分と、
前記固定部分に対して可動の非固定部分とを含み、前記固定と非固定の部分は共同して、指を挿入することができる開口を提供し、更に、
前記非部分に対して偏倚する手段を含み、指が前記固定と非固定の部分間に挿入されたとき前記非固定部分は、前記指を受け入れるために前記固定部分に対して動くことができるが、前記固定部分に向かって偏倚した状態に留まって、前記指が前記固定と非固定の部分によってしっかり掴まれるようになされることを特徴とするパルス酸素計。
【請求項7】
後壁から延びる2つの側壁をもつケーシングを含み、前記固定部分は前記側壁の上部によって挟まれかつ前記上部と固定関係にあり、前記非固定部分は前記側壁によって挟まれかつ前記側壁の対向面に沿って垂直に可動であり、夫々の棚部が前記側壁の夫々の下部から延びて前記非固定部分の基底支持体を形成していることを特徴とする請求項6に記載のパルス酸素計。
【請求項8】
前記偏倚手段は複数のバネを含み、前記バネの少なくとも2つは、前記非固定部分に均等に分布した偏倚させる内向き支持力を与えるために、互いに所定の距離離れて各棚部に固定されていて、指が前記固定と非固定の部分間に挿入されたとき前記非固定部分は前記固定部分に関して垂直に動くことができ、その際前記非固定部分は連続的に前記指に対して上向きに押圧され、それによって前記指をしっかり掴む力を維持するようになしたことを特徴とする請求項7に記載のパルス酸素計。
【請求項9】
前記バネは圧縮コイルバネとすることを特徴とする請求項8に記載のパルス酸素計。
【請求項10】
上記固定部分と非固定部分は互いに整列して位置した夫々の対向面をもつ夫々の細長い部材であり、上記パルス酸素計が更に、
前記細長い部材の対応する対向面に各々取り付けられた夫々の指パッドを含み、前記指パッドは前記指パッド間に置かれた指の掴み力を増すように、指の輪郭に従うよう形作られていることを特徴とする請求項6に記載のパルス酸素計。
【請求項11】
前記固定部分の上面に連結された回路盤を含み、電子部品とディスプレイが前記回路盤に取り付けられており、前記固定部分は開口部をもち、前記固定部分の下に置いた指を照らすために、前記回路盤に電気接続された発光装置からの光がその開口部を通過し、カバーが前記回路盤の上に置かれて前記ケーシングに固定連結されていることを特徴とする請求項6に記載のパルス酸素計。
【請求項12】
前記電子部品と前記ディスプレイに電力を供給するために前記非固定部分の下側に着脱自在に連結されたバッテリーモジュールを更に含むことを特徴とする請求項11に記載のパルス酸素計。
【請求項13】
前記固定と非固定の部分によって掴まれた前記指から動脈血の血液酸素飽和度を測定するためにユーザーによって前記電子回路を手動で作動させるために前記ケーシングに取り付けられスイッチを更に含むことを特徴とする請求項11に記載のパルス酸素計。
【請求項14】
第1の掴み手段と、
前記第1の掴み手段に対向する第2の掴み手段を含み、お互いに向き合った夫々の面をもつ前記第1と第2の掴み手段は、それらの掴み手段間に置かれた指を掴むことができるように形作られており、前記第1と第2の掴み手段のうちの一方は固定されているが、前記第1と第2の掴み手段のうちの他方は前記一方の固定掴み手段に関して可動であり、更に、
一旦指が前記第1と第2の掴み手段間に置かれると、指が前記前記第1と第2の掴み手段によってしっかり掴まれたままとなるよう、前記可動の掴み手段を前記固定掴み手段に向かって可撓状に押圧する偏倚手段を含むことを特徴とする指を掴む装置。
【請求項15】
後壁から延びる2つの側壁をもつケーシングを更に含み、前記固定掴み手段は前記側壁の上部によって挟まれかつ前記上部と固定関係にあり、前記可動掴み手段は前記側壁によって挟まれかつ前記側壁の対向面に沿って垂直に可動であり、夫々の棚部が前記側壁の夫々の下部から延びており、前記偏倚手段は複数のバネを含み、前記バネのうちの少なくとも2つは前記棚部の各々と前記可動の掴み手段の対応する対向側面の間に挿入され、前記バネは前記可動の掴み手段に対して偏倚力を提供することを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記第1と第2の掴み手段は各々頂面と底面をもつ夫々一方と他方の細長い部材を含み、前記両細長い部材は互いに整列していて、前記一方の細長い部材の底面は前記他方の細長い部材の頂面に向き合っており、前記両細長い部材は夫々開口部と、前記一方の細長い部材の前記底面と前記他方の細長い部材の頂面の対応する1つに各々取り付けられた夫々の指パッドをもち、前記指パッドは指の輪郭に適合するよう形作られており、前記指パッドの各々は前記一方と他方の細長い部材の開口部と整列する開口部をもつことを特徴とする請求項14に記載の装置。
【請求項17】
後壁から延びる2つの側壁をもつケーシングを更に含み、前記一方の細長い部材は前記側壁の上部によって挟まれかつ前記上部に固定連結されており、前記他方の細長い部材は前記側壁によって挟まれかつ前記側壁の対向面に沿って垂直に可動であり、夫々の棚部が前記側壁の夫々の下部から延びており、前記偏倚手段は複数のバネからなり、そのバネのうちの少なくとも2つは前記棚部の各々と、前記他方の細長い部材の対向側面から延びる夫々の耳部の対応する1つとの間に挿入されており、前記バネは前記他方の細長い部材のための懸架システムとして機能することを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項18】
電子部品と、前記一方の細長い部材の頂面に連結された回路盤上に取り付けられたディスプレイと、前記一方の細長い部材と前記一方の細長い部材の底面に取り付けられた指パッドの夫々の開口部を通して光を出力する発光源と、前記指パッドによって掴まれた指を通過する前記発光源からの光出力を受け取るための、前記他方の細長い部材と前記他方の細長い部材の頂面に取り付けられた指パッドの夫々の開口部と整列した光検出器とを更に含むことを特徴とする請求項16に記載の装置。
【請求項19】
前記他方の細長い部材と同時に動くように前記他方の細長い部材に着脱自在に連結されたバッテリーモジュールを更に含み、前記バッテリーモジュールは前記電子部品と前記ディスプレイに電力を供給することことを特徴とする請求項18に記載の装置。
【請求項20】
前記一方の掴み手段に取り付けられた電子回路部品をユーザーにより手動で作動可能とするために前記後壁に取り付けられたスイッチを更に含むことを特徴とする請求項15記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−142704(P2009−142704A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−84796(P2009−84796)
【出願日】平成21年3月31日(2009.3.31)
【分割の表示】特願2003−524446(P2003−524446)の分割
【原出願日】平成14年8月26日(2002.8.26)
【出願人】(502034224)スミスズ メディカル ピーエム インコーポレイテッド (12)
【Fターム(参考)】