振動するブラシヘッドを有する肌用ブラシにおいて少なくとも1つの狭周波数帯の光源を用いて皮膚疾患の治療をするためのシステム
皮膚疾患の治療用の装置および対応する方法であって、ブラシヘッド部材を備え、それは複数の毛の房のリングを備える第1部分を有し、第1部分は動作中に選択された周波数で選択された角度範囲にわたり振動する。ブラシヘッド部材は第2部分も有し、これは第1部分と同心の複数の毛の房のリングを備え、動作中において静止しているままである。少なくとも1つの単色光源を備えられており、ブラシヘッドから毛の房と実質的に同じ方向へ向けられる光を提供し、その結果、振動するブラシヘッド作用するユーザの皮膚領域に光が影響を与える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して人間の皮膚疾患の治療に係るものであり、より具体的には、振動するブラシヘッドを持つ皮膚ブラシで狭周波数帯光源を用いた、皮膚疾患のための治療に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な疾患を引き起こす周知のバクテリアが多く存在している。P(プロピオニ)バクテリアニキビは、一般には尋常性座瘡として知られている人間のニキビ皮膚疾患の原因として表明されており、それは米国において最も一般的なものとして扱われている皮膚疾患である。ニキビは、長い間若者の問題であったが、成人でもしばしば罹患するものである。特に若い人々にとって効果的なニキビ治療は、醜いニキビ皮膚疾患に起因して起こる身体的および感情的影響の両方により、大変重要視されている。
【0003】
ニキビは最初、思春期の間にできるものであるので、自己像が形成されるときに、それが軽度のケースであっても学校での成績を含む個人の心理社会的発達に大きなマイナスの効果を及ぼす。更に、通常は長期間の瘢痕化効果を伴い且つ外観を損なう重傷のニキビ疾患に対して穏健な人は、しばしば顕著であるが、人生を通して職業選択および就業機会に影響を及ぼすと主張している。
【0004】
上記したように、ニキビは(思春期の)若者にもっとも多く現れるが、常に10代の終わりに解決される訳ではなく、特定の個人に対しては40代まで続く。幾つかのケースでは、ニキビの発現が20代の中ごろまで起こらない場合もある。
【0005】
上記の理由のすべてから、ニキビは重大な疾患であり、人口の大部分および多くの年齢層に影響を与えると認識することが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ニキビ治療は、食事制限、抗生物質(経口と局所投与の両方)、あるいは太陽光や他の光源への露光を含む。レチノイドやホルモン処置治療も利用される。食事制限は、一般的に予想し得ない結果を生むという問題がある。経口抗生物質はニキビ治療に成功裏に用いられているが、イースト膣炎、胃腸への副作用、光線過敏症を含む欠点を有する。レチノイドは、妊娠の可能性がある女性には勧められず、またしばしば乾燥(乾燥肌)、紅斑、口唇炎、結膜の焦燥、脱毛症の原因となり、同時にホルモン療法は患者を血栓塞栓症、女性化(男性の)および他の好ましくない効果の危険にさらす。抗生物質の局所投与もまたニキビ治療に用いられ、レチノイド、過酸化ベンゾイル、サリチル酸および抗生物質を含む。これらの治療法のそれぞれは、幾つかのケースにおいて好ましくない皮膚表面反応を含む、特定の好ましくない副作用を有している。
【0007】
太陽光にさらすことを含む光治療も、ニキビ治療に用いられている。過去にはニキビを扱うために臨床的状況において紫外線光が用いられていたが、皮膚がんの可能性からそのような治療はもはや勧められてはいない。紫外線光を用いる既存の臨床的装置は、高価で且つ医療専門家によって取り扱われなければならない十分に注意すべきものである。光治療の効果は幾つかのケースにおいて、選択された感光化学物質の使用によって増強される。しかし、そのような光と選択された化学物質の組合せを用いる治療はしばしば不快であり、スティンギング、紅斑、表皮の剥離作用および過敏症の原因となる。
【0008】
ニキビ治療における新しい開発は、狭周波数帯光を伴うものである。これらの開発は以下の特許および特許出願の中で開示されております。メンデスらへの米国特許5,549,660は、660nmの波長を持った光源を使用する。しかしながら、これは、特に有効であると証明されている訳ではない。リースとハースへの特許出願20010028227および20010023363は、それぞれ、発光ダイオード(LED)の使用、および407から420nmの波長範囲の光を放射するためにフィルタリングされた400ワットのメ金属ハロゲン化物ランプを開示しており、それはあるニキビバクテリアに対して有効なことを示された。ランプは顔全体を照らすために使用される。それらは大きく高価である。一方、LEDは小さく(約0.100インチ)、比較的低いコストである。
【0009】
さらに、金属ハロゲン化物ランプは、必要な電力に対して非効率的で、治療されるべき皮膚領域で著しい問題を引き起こす。臨床設定や監督が要求される。対照的に、LEDは、15-20%の効率を持っている。
【0010】
光を使用するニキビ治療に対して、自宅で実施できる有効な治療は無い。したがって、安全で、安く、自宅で使用することが単純な、光を使用するニキビの効果的な治療法が開発されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、本願発明は、皮膚疾患の治療用の装置を含んでおり、それは、装置のためのハウジング部材と、複数の毛の房のリングを含んでいる第1部分(第1部分は選択された角度にわたって振動動作する)と、ハウジング部材に取り付けられるようになっているブラシヘッド部材と、ブラシヘッド部材のための駆動アセンブリと、また、選択された皮膚疾患の治療に適した波長を有する少なくとも1つの光源とを備え、前述の光はブラシヘッド部材から向けられるものである。
【0012】
更に、本願発明は、皮膚疾患の治療のための方法を含んでおり、皮膚に損傷を与えずに皮膚を反対方向に伸ばすために当てはまること、1つの、前後に、指示に反対する際に皮膚を伸ばすために選択された角度にわたって選択された周波数で回転する皮膚ブラシ器具によって皮膚へ往復の応力作用を与え、皮膚ブラシのブラシヘッド部分から、皮膚ブラシによって応力作用が与えられる領域に光(選択された皮膚疾患の治療に適した少なくとも1つの波長を有する光)を照射する、ステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】Pニキビポルフィリンの吸収スペクトルに対する太陽光および他の従来の光線治療用光源の放射スペクトルを示す図である。
【図2】紫青色LED(405nmの波長)の放射スペクトルとPニキビポリフィリンの吸収スペクトルを比較した、図1の図形の部分のより詳細を示す図である。
【図3】図3A,3B,3Cは、ニキビ治療用の本願発明の携帯型の装置を示す。
【図4】図4A、4Bは、本願発明の原理を具現化する、ニキビを治療するために光を使用する他の実施形態を示す。
【図5】本願発明の原理を具現化する、ニキビを治療するために光を使用する他の実施形態を示す。
【図6】本願発明の原理を具現化する、ニキビを治療するために光を使用する他の実施形態を示す。
【図7】振動するブラシヘッドを持つ皮膚ブラシの斜視図である。
【図8】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図9】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図10】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図11】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図12】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図13】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図14】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図15】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図16】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図17】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図18】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図19】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図20】図8〜19に関連する一部を切欠いた拡大側面図である。
【図21】図8〜19に関連する一部を切欠いた拡大側面図である。
【図22】図8〜19に関連する一部を切欠いた拡大側面図である。
【図23】図8〜19に関連する一部を切欠いた拡大側面図である。
【図24】図8〜19に関連する一部を切欠いた拡大側面図である。
【図25】図8〜19に関連する一部を切欠いた拡大側面図である。
【図26】ブラシヘッドによる皮膚接触に対するセンサ制御を組み込んでいる、図8〜25の装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上記したように、選択された波長の光を提供するための、自然な太陽光およびフィルタを具備する金属ハロゲン化物ランプを含む特定の光源からの光の両方が、尋常性座瘡(以下、「ニキビ」という)を治療するために使用される。フィルタリングされた光源は、ニキビを診断するためにも使用される。暫くの間、太陽光による治療の成功理由は明らかには理解されていなかった。さらに、太陽光治療は、太陽光中の紫外線(UV)を原因とする日焼け、肌荒れおよび皮膚がんなどの好ましくない作用さえ伴っていた。
【0015】
ニキビは、やや複雑な皮膚疾患であり、それは3つの皮膚のプロセスあるいは段階を基本的に含んでいる。ニキビの発生における第1のプロセスあるいは段階は、微細ニキビ(microcomedone(プラグ))の形成であり、それは、毛漏斗部(毛穴)に形成されたバクテリアの角化細胞、皮脂およびコロニーの微視的な集まりである。その後、微小ニキビは大きくなり、コロニーとなった細胞の癒着力が高まり、結果として毛漏斗部(毛穴)の閉塞を招来し、それは一方で微好気性環境を促進する。
【0016】
第2のプロセス/段階は、皮脂生成割合の増大を含む脂漏として知られており、それはPニキビバクテリアに栄養素を供給する。これが、第1のプロセスに起因する閉塞されたニキビによって閉じ込められた毛嚢脂腺のユニット領域で発生する。
【0017】
第3のプロセスでは、皮脂が豊富な環境に起因し、微生物のコロニー化が発生する。毛漏斗部が微小ニキビによって閉塞されるようになる場合、毛嚢脂腺ユニット内のバランスは逆転し、仮にpHと酸素の条件が閉塞されたニキビ内で正しい場合、バクテリアの数は増え、病原性の効力を生み、極端なニキビ障害(吹き出物)に帰着する。このプロセスは、濾胞壁への障害や脂質の噴出を含む。
【0018】
Pニキビバクテリアが特定のポルフィリンを含み、それは可視スペクトル光を吸収する際に、酸素がある状態において、その構造体中の電子の励起を生みだすことが発見された。その後、励起された電子は、近くの酸素分子を一重項酸素遊離基へと分離する。反応性酸素は一連の化学反応を誘発し、それはバクテリアを死滅させて終了する。
【0019】
上で簡潔に述べたように、ニキビの治療で使用されていた従来の光源は、多くの好ましくない副作用に悩まされていた。具体的には、これらは、放射された光に第2の波長の光が存在すること、広帯域の光源の入力所要電力の点から相対的に非効率であること、狭周波数帯だけが実際に使用されることになっている場合に広帯域の光をフィルタリングすることの費用および複雑さ、発光装置による著しい熱発生、皮膚の露光を制限するために特別で高価な設備や複雑な光学システムを必要とする点などである。露光時間は、実際的な自宅での使用には過分である。従前のすべての光治療装置は、医学専門家の監督が必要であった。
【0020】
本願発明では、フィルタリングなしで、Pニキビバクテリア中のポルフィリンの初期可視光線吸光特性、つまり409nm(紫)の吸光度スペクトルピークに極めて近い狭周波数帯光を実際に出力する光源が使用される。本願発明の装置によって出力される光は、その波長の光でPニキビポルフィリンを刺激する。図1は概して、ポルフィリンのピーク吸光度および様々な光源のスペクトルを例示している。409nmでのPニキビポルフィリンの吸光度ピークは10で、太陽光の放射スペクトルは12で示されている。それぞれ紫外光、青色蛍光および赤色蛍光の光源はそれぞれ14、16および18で示されており、金属ハロゲン化物光源のスペクトルが20でしめされている。太陽光、特に紫外線帯光の照射は皮膚損傷および癌を伴い、同時に、赤色蛍光電球および青色蛍光電球ならびに金属ハロゲン化物光源は、Pニキビポルフィリンに対して重要な波長の成分を相対的にわずかしか含んでおらず、そのことがニキビの治療に対して非常に非能率的にしている。
【0021】
本願発明は、Pニキビポルフィリンのピーク吸光度波長である405nmに極めて近い狭周波数帯の光を放射する光源を含んでいる。図2は、本願発明で使用される光源の放射スペクトル25に対する、一般的なPニキビポルフィリンの吸光度スペクトル23を示している。光エネルギーの損失をなくすように、光源はフィルタリングされていない。したがって、本願発明は、医療専門家の援助なしで、便利で、経済的で、安全な自宅使用のために構成され適応されている。
【0022】
本願発明の第1の実施形態が図3に示されている。それは自宅使用に適した短時間露光に適当な携帯型装置である。全体として符号26で示された装置は、ハンドル27および単色光源28を含んでおり、それはハンドルの前方端29に取り付けられ、所望の405nmの波長で光を放射する。示された実施形態では、単色光源は半導体光源、特にLEDかLEDアレイあるいはレーザーダイオードである。代替的に、光源は有機LEDか電界発光素子、あるいは他の単色光源である。示された実施形態においてより詳しくは、光源28は405nmのLEDの4×4アレイであり、それは共通の相互接続基板に取り付けられている。しかしながら、他の寸法のアレイを使用することもできる。アレイは、単一のLEDに対してより大きな光強度及び/又は増大した照射範囲を提供する。示された実施形態のハンドル27は、概して長方形で、便利な携帯型の使用のために寸法が決められて構成され、ユーザの利便性のために角部において長手方向縁に沿って曲がっている。LEDアレイは、LEDに対しておよそ15-30mA、望ましくは20mAの電流を生成するバッテリーによって電力が供給される定電流回路によって駆動される。定電流回路およびバッテリーは、両方ともハンドル内に配置されている。750mAに至るような、あるいはさらに大きなはるかに高い電流構成も使用できる。
【0023】
アレイ中の各LEDは、単一のニキビ障害の部位特異治療のためや、より大きな領域の治療において皮膚を横切って移動するために設計されており、比較的強い光を放射する。放射される光の強度は、1cm2当たり20mW以下であり、それは有効ではあるが太陽光よりは効果は低い。これは、50mW/cm2まで高められる。現在、LEDは350〜700mAで200〜250mW/cm2の物が入手可能である。これは、恐らく一層のLEDの開発とともに変化するであろう。放射される光は、太陽光よりPニキビポルフィリンへの刺激において、太陽光のおよそ40倍効率的である。図3の装置を使用する場合の露光時間は、典型的には一日に1回か2回で数分程度となるであろう。従来のバッテリーは、一般的に装置内で使用され、再充電可能なものが望ましい。装置は、オン/オフボタン38によって起動される。
【0024】
ハンドル27の前方端29からは、光学的光導波管(方向付け管)あるいはスクランブラ42が延びており、それは、LED光源28から放射される光を、治療されるべき皮膚の表面へ導く。光学的光導波管42は透明な本体であり、それはアクリルから作られ、内部が白色プラスチックで被覆され、白色プラスチックは光が反射し屈折して、導波管の内部に戻って照射されるように二酸化チタンを含んでおり、ユーザの皮膚上へその出口ポート44で励起する。
【0025】
装置26は、さらにレンズ(図示略)のような光学素子を備え、それはさらに所望のスポットサイズ上に放射された光を集中させる。
光方向付け手段42のまわりに近接して、随意的な取り外し可能な光拡散器46が延びている。それは、自由端47で終っており、光方向付け手段42と概ね同じ面に存在している。光拡散器46の端部を通ってきた放射光は、長方形(47)、円形(47A)、楕円形あるいはその他の形状を含む様々な構成をとることができ、それは放射光の所望の構成に依存する。
【0026】
ハンドル27は、さらに装置のための追加の電子制御部を収容することができる。それらは、装置が安全な使用のための正確な位置にない場合に一時的に停止させるための回路を含んでおり、それは表面との接触、露光時間が正確であることを確実にするための装置の動作を制御する時間的要素、所望の露光時間が終了した場合にそれをユーザに示すための可聴的あるいは視覚的な表示、およびバッテリー充電状態を示す表示要素のようなものである。
【0027】
図3の装置26は、単色のLEDの使用のために有利であり、それは、低い熱発生と所望の光波長だけの効率的生成という利点を有している。装置26はこのように便利な携帯装置であり、それは非医療従事者によって自宅で便利なように使用可能である。
【0028】
図4Aと4Bは、皮膚に直接取り付け可能で、図3の携帯装置に対して、従来よりも長い時間にわたって使用するのに便利で快適なように設計された実施形態を示す。装置50は、1〜5cmにわたる領域の局部治療のために設計されている。光源(具体的には示されていない)は装置に一体化されており、バッテリー56を備えた共通の相互接続基板上の制御回路によって駆動される単一の405nmLEDを備え、それらすべては粘着性のプラスチック片58に取り付けられている。粘着性のプラスチック片58は、治療の長さにわたって皮膚に付けられるように設計されている。しかしながら、接着剤に加えて他の取り付け手段も使用することができる。これらは、ベルクロ(登録商標)片やある種のマスクやヘッドバンドを含む。LEDは、光出口ポート59を通って、5mW/cm未満の比較的低い強度の光を放射する。
【0029】
装置50は、光源と皮膚の間に、LEDを封入して約2〜5mm程度の小さな空隙を作る凸レンズ(図示略)を含んでいる。これは、光を広げて、望ましくは直径1cmかその程度で、光を出口ポート59を通して皮膚の小さなスポットに向ける。スイッチ要素62が設けられ、それは、使用者によって便利にLEDをオン/オフするためのものである。スイッチがオン位置である場合、LEDが起動されて、バッテリーが放電するまで、光はニキビ病変上に直接照射される。
【0030】
代替的に、バッテリーと駆動回路はモジュール(それはユニット50と離れている)の中に配置することができ、ユニット上のLEDに駆動回路とバッテリーを電線接続する。更に他の電子部品が、露光時間の終了の表示及び/又はバッテリー充電状態あるいは他の情報の表示のために設けられる。図4Aおよび4Bの装置/ユニットは、低い強度での小さな領域の長時間露光(数時間)用に設計されている。取付部材は、治療中に手を自由にすることになる。
【0031】
大きな治療領域(100cm2を越える)にわたってユーザの皮膚への取り付けのための別の実施形態が図5に示されている。装置70は、比較的低い強度(5mW/cm2未満)での光放射パターンを生みだすが、この値はより高くなりえる。治療領域への露光時間は、数時間のオーダーである。装置70は、単色光源72および光ファイバーの織ってある織物パッチ74を含んでいる。織物は、パッチ全体が皮膚の治療領域の形に順応するのに十分に柔軟である。パッチはまた、顔や身体の特定部位の輪郭と一致するために前もって形作られてもよい。
【0032】
LED72からの光は、規定の受け入れ角度でパッチのファイバー束76に伝達される。図5に示されるように、光は、織物の曲がり78においてファイバパッチから漏れて、織物の表面にわたって相対的に均一な光の分配を実現する。反射要素又は層85は、パッチの上面側から漏れた光を、皮膚に向けて戻すように方向付けする。光源、バッテリーおよび駆動回路は、織物パッチに取り付けることができるが、代替的にモジュールに取り付けることもでき、それが織物に結合される。織物パッチは、接着剤などを含む様々な手段によって、手を自由にした状態での治療のために皮膚に付けられる。
【0033】
図6は、低い光強度(5mW/cm2未満)で比較的大きな領域を治療するための、皮膚への取り付けのために設計された別のパッチの実施形態を示す。パッチ80は、成型されたプラスチックシート82および低粘着性層83を含み、それは、装置を皮膚へ一時的に固定するものであり、放射された光を透過させるものである。シート82は、その縁部86で光源84によって励起される。パッチ80は、治療領域の形に合致するのに十分に柔軟である。さらに、パッチは、顔や身体の特定部位の輪郭と合致するように前もって形作られてもよい。
【0034】
皮膚に近接するシート82の下面は、それが浅い構造の模様を持つように成形され、それが単色光源からのシート内の光がその表面に対して垂直で皮膚に向けて放射されるようにする。模様のパターンは、光の出力がシートの全表面積にわたり比較的一定となるような状態である。シート82を覆う反射要素87は、パッチの上面側から漏れる光を皮膚の方へ戻すように方向付ける。
【0035】
図4A、4B、5と6の装置はすべて、低い強度で長時間(数時間)の治療をする装置である。それらはすべて、接着剤、ストラップあるいは他の手段のいずれかによって皮膚に固定されあるいは取り付けられる。その結果、装置は推奨される治療時間にわたって本質的に手を自由にした状態で使用することができる。
【0036】
従って、本願発明は、Pニキビバクテリア中にあるポルフィリンのピーク吸光度と実質的に一致する、特定の波長を有する単色光源が用いられる光を使ってニキビの効率的で安全な治療をしようとするものである。光は、LEDや例えばレーザーなどの他の本来的な単色光源によって生成され、携帯型装置かパッチ型装置のいずれかに位置付けられ、自宅で非医療専門家によって使用されることに対して装置が便利で安全で信頼できるように制御される。
【0037】
図7〜25は、動力式皮膚ブラシの振動するブラシヘッド部分へ組み込まれる、狭周波数帯光源のさらなる実施形態であり、その光源は、ニキビやその他の皮膚疾患を含む特定の皮膚疾患の治療のために、LEDやレーザーあるいは他の同様の装置のようなものである。代表的な皮膚ブラシ器具は、図7に全体として符号100で示されている。器具は、ハンドル部分102および取り外し可能なブラシヘッド部分104を含んでいる。そのような皮膚ブラシは、共に出願中の特許出願番号10/873,584および10/873,352に示され、説明されている。それらの出願の両方は、本願発明の譲受人によって所有されている。それらの出願の両方の内容は、参考としてここに組込まれる。
【0038】
図8〜25に示される実施形態において、器具100のブラシヘッドは特別の構成を持っている。しかしながら、例示された光源との組合せにおいて、他のブラシヘッド構成および構造も使用することができることは理解されるであろう。ブラシヘッド構造(図8が例示である)は、外側部分110における2つの同心の毛の房の外側リング106、108と、内側部分118における6つの同心の毛の房の内側リング112〜117を含む。外側部分110におけるリング106および108は、動作中において静止しているままであり、その一方で内側部分118中のリング112〜117は選択された角度にわたって回転する。一般に、この角度はおよそ2〜30°の範囲であり、好ましい範囲は5〜20°である。振動は、60〜200Hzの可聴周波数範囲内で起こり、好ましくはおよそ176Hzである。外側部分110には、内側部分118の振動リングのための飛び跳ねバリアと共に、静止接触リングを提供する外側リング106および108とを備え、それによって内側部分の毛の房の振動作用が皮膚への損害あるいは害のない皮膚の有効なクレンジングのために、局所的な皮膚せん断応力が作り出される。この作用は、米国特許出願10/345,909号により詳細に記述されており、それは、本願発明の譲受人によって所有されており、それらの内容は参照によってこれによって組込まれる。
【0039】
示された実施形態では、個々の外側リング106および108には50個の房があり。その一方で内側リング112および113は24個の房を持ち、リング114と115は15個の房を持っており、リング116と117は各々10個の房を持っている。しかしながら、この特定の配置を変えることができることは理解されるに違いない。別の実施形態では、2つの外側リングは各々40個の房を持っており、その一方で6つの内側リングは24個、24個、14個、14個、10個および10個の房をそれぞれ持っている。リングの内側セットと外側セットの間の隙間は、中心間で0.154インチ(約3.9mm)であり、その一方で房の間の縁部間距離は房の基部において0.084インチ(約2.1mm)である。房は直径が0.070インチ(約1.8mm)である。房はそれぞれ多くの個々の毛を備え、一般的にはおよそ270本であり、それぞれの毛は特定の寸法を持っており、詳細は上記584特許に記述されている。別の実施形態では、1つの房当たり164本の毛を持っている。1例における毛の直径は0.004インチ(約0.1mm)で、長さは0.250〜0.600インチ(約6.4mm〜15mm)の範囲で、好ましい範囲は0.300-0.450インチ(7.6mm〜11.4mm)である。あるいは、ブラシヘッドは基準の多くの毛の房を備え、ブラシヘッドは停止位置すなわち中立位置に関して往復移動する。その移動が皮膚のクレンジングのための局所的なせん断応力を作り出すことができる限りにおいて、その移動は縦方向、横方向あるいは他のより複雑な動きである。
【0040】
ブラシヘッド104には、複数の個々の光源が配置されており、その結果、いくつかの実施形態では単一の光源が使用されるが、選択された波長の光がブラシヘッドから出る。
個々の光源は典型的に狭周波数帯であり、例えばおよそ405nm(深い青)のようなものであり、上記したように特にニキビの治療に用いられる。他の例では、乾癬、皮膚若返り、真菌感染症、細菌感染、コラーゲン再生あるいは特定の皮膚癌を治療するための特定の波長を含んでいる。これらは各々典型的にはそれ自身の特定の波長を必要とし、それらの波長は現在知られているか、あるいは将来知られるようになるであろう。あるケースにおいて、広帯域光源が特定の皮膚疾患を治療するために使用されてもよい。他の特定の波長としては、210nm(UV−C)、470nm(青色)、547nm(緑色)および627nm(赤色)を含んでいる。これらの光源の出力は様々である。現在、上に示されるように、LEDでは350〜700mAにおいて200〜250mW/cm2が利用可能である。LEDは連続光でありえるかあるいはパルス光である。一般に、パルス光については、周波数は0.1Hz〜10kHzであり、発光時間が1μ秒〜5μ秒で暗い時間は0.0001〜10秒である。周波数および発光/消灯のデューティーサイクルの好ましい範囲は、特定用途に依存して変わるものである。
【0041】
図8は、上記に詳細に記述された特定のブラシヘッドを使用して、ブラシヘッド/光源の組合せの1つの例を示している。多くの個々の光源124〜124がブラシヘッドの内部の(振動する)部分内に配置されている。この例において、さらに図20を参照すると、狭周波数光エミッタ126〜126が駆動回路127と共に器具のハンドル129内に位置している。光は、光源/伝達手段124の役割をするブラシヘッド内の個々の透明な毛の房によって方向付けられる。図8の実施形態では、ブラシヘッドから光を伝達する全部で12個の毛の房があり、それはブラシヘッドのまわりで均等に割り付けられている。しかしながら、異なる数の光伝達手段を異なる間隔で使用することができる。図8の実施形態では、エミッタ126〜126はすべて同じ波長を持っている。さらに、図21は、ブラシヘッド内の光源/光伝達手段が透明な毛の房124であるような構成にも適用可能である。図21では、しかしながら、エミッタ130もブラシヘッド内に配置され、駆動回路132にエミッタ130を接続する電気的な接続線131も器具のハンドル129内に共に配置されている。
【0042】
図9は、図8の変形例を示しており、2組の一定間隔で配置された光を伝達する毛の房が使用されている。1組目133は一定間隔で配置された毛の房のリングで、それを通して第1の狭周波数帯波長光が伝達され、その一方で第2組134は一定間隔で配置された毛の房のリングであり、それを通して第2の狭周波数帯光波長が伝達される。従って、当該組合せは単一波長あるいは複数(異なる)波長、あるいは必要であれば2つよりも多くの波長を含むものでもよい。あるいは、2組の光波長が広帯域光であり、それぞれが選択された波長をカバーするか、あるいは特定用途に応じて狭広帯域光と広帯域光の光源の組合せでもよい。
【0043】
図8および9の実施形態に対する代替案が、図10および11に示されている。上に記述されるように、図10はブラシヘッド136を示している。ブラシヘッドの振動部138の内部には、毛の房自体からは離れている複数の自己収容エミッタ140〜140が埋め込まれている。光エミッタ140は振動部138のまわりで均等に離れているが、それらは異なる配置で位置決めすることもできる。光エミッタのための駆動回路は、器具のハンドル内に位置している。図11は、図10の変形を示し、そこではエミッタは1つより多い波長を持っている。例えば、エミッタ142〜142は1つの選択された波長であってもよいし、その一方でエミッタ144〜144(あるいは、エミッター142)は別の選択された波長であってもよい。追加の波長を持つ追加のエミッタも使用することができる。さらに、エミッタは、選択された波長範囲をカバーする広帯域のものや、あるいは狭帯域波長および広帯域波長の組合せのものであってもよい。光源の波長は特定の皮膚治療に関連するものである。
【0044】
図12および13は他の実施形態を示しており、図12の例では、ブラシヘッド146の外側(静止)部分150に、単一波長の狭周波数帯光源/伝達手段148〜148を複数備えている。この実施形態において、さらに図22も参照すると、個々の光導波管153〜153は光源/伝達手段として使用され、ブラシヘッド内のスロット中に位置決めされ、ハンドル155内に配置されたエミッタ154〜154を伴い、エミッタ154からの光は光導波管に直接か、あるいはハンドル155内に配置された中間の光導波管156を介して伝達される。
【0045】
図13は、図12の構造の変形例を示し、そこではブラシヘッド146の外側部分150のスロットにおける個々の光導波管が、異なる波長のエミッタを使用して1つよりも多い波長の光を伝達する。この場合、光導波管158〜158からの光は1つの波長であり、その一方で光導波管159〜159(光導波管158と交互に)からの光は別の波長である。したがって、扱われる皮膚病に応じて狭帯域及び/又は広帯域の異なる複数の波長が用いられる。
【0046】
図14および15ならびに図23は別の実施形態を示しており、そこではブラシヘッドの内側(振動)部分のスロットに光導波管が設けられている。図14では、エミッタ160はすべて1つの波長を有しており、一方、図15では、エミッタ161が1つの波長を有し、エミッタ162(エミッタ161と交互に)は別の波長を有する。図23は、ブラシヘッド内のスロットに配置された光導波管163を伴う、ブラシヘッド内のエミッタ160(図14)あるいは161/162(図15)を示す。電気的コネクター164〜164は、ハンドル中の駆動回路165に設けられる。
【0047】
図16および17ならびに図24は、更なる実施形態を示している。図16では、回転するブラシヘッド部分167の開いた中央領域169内の単一のエミッタ166があり、その一方で図17は、第1の波長を備えたエミッタ168〜168および第2の波長を備えたエミッタ170〜170がすべて中央領域171にあることを示している。図24は、ハンドル内に配置された駆動回路176へのインターフェースで電気的接続部172を備えた、ブラシヘッド内のエミッタ166を示している。
【0048】
図18および19は、図16および17の変形例を示し、そこでは光導波管がブラシヘッド180の開いた中央領域のスロット中に設けられ、ハンドル内のエミッタから光を伝達する。図18は、ブラシヘッドの振動部分184の中心における複数の光導波管182〜182を示し、すべてが1つの波長を有し、その一方で、図19は第1の波長の光を出力する光導波管186〜186、および第2の波長を有する光を出力する光導波管188〜188を示している。
【0049】
図25は、駆動回路193と共にハンドル内に位置するエミッタ191〜191と、図16および24の単一のエミッタ166と同様に、ブラシヘッドの中心における光導波管193への架橋光導波管195を示す。図18および19に示されているような、中心領域の多数の光導波管も使用することができる。光源は、単一波長あるいは複数波長のいずれかであってもよい。
【0050】
さらに他の実施形態では、光源は静止している毛の部分の外側における、ブラシヘッドの周辺の辺りに取り付けられ配置されている。これらの光源は、さらに単一波長か異なる波長であってもよい。
【0051】
要約すると、器具の光源は、ブラシハンドルあるいはブラシヘッド自身に配置された1つ又はそれ以上のエミッタを備え、その光は毛の房自体あるいはブラシヘッドのスロット内に配置された光導波管を通して、あるいはエミッタから直接向けられる。エミッタは単一波長あるいは複数波長を有していてもよい。波長は広帯域であってもよい。
【0052】
ブラシヘッド(毛の房か光導波管、あるいは他の光伝達要素)内の光源は、ブラシヘッドの外側の静止部分あるいはブラシヘッドの内側の振動部分、あるいは外側部分の外部でブラシヘッドの周辺の辺りに配置できる。
【0053】
剪断応力によって皮膚を動かし、小さな範囲の皮膚を剥離させる振動動力ブラシの組合せで、皮膚に損傷を与えることなく毛穴を開き、皮膚疾患の治療に関連する特定波長を有する複数の光源の組合せによって、皮膚治療を遂行する際に光の使用に関する著しく高めた効率を単独で提供する。特に、光源/皮膚ブラシは、高い効能のために、ニキビに対するポルフィリンバクテリアのような特定の病原体を標的とする光の効果を増強する。迅速な方法で皮膚を動かすことは、一方向にだけ伝搬すると知られている光を、長い所望の期間内で、静止した皮膚表面上を光線が単に通過ことで通常生じるよりも広い治療領域で異なる角度から接触させることを可能にする。
【0054】
他の皮膚疾患も、特定の皮膚疾患に関連する適切な波長の光源によって治療できるかもしれない。その治療は、多くの異なる皮膚疾患のために使用することができ、例えば、皮膚の若返り、コラーゲン処理、皮膚感染症、皮膚の色素沈着、瘢痕組織低減、乾癬、脂漏症、皮膚炎、創傷治癒、皮膚の抗加齢、抜け毛、毛髪再生、傷の治療および皮膚がんの治療を含む。
【0055】
上記の組合せは、さらに、局所的な光反応製剤や光学エンハンサーの適用と組み合わせることができる。ブラシの音波クレンジング作用は、60〜200Hzの振動周波数範囲において、皮膚の穏やかな剥奪を起こし、同時に光の効果が増強された吸収レベルを実現して製剤に影響を与える。特定の皮膚製剤が、皮膚の光学的特質の改善によって、より深い浸透を実現することにより、治療のための光の効能を増大させる場合がある。
【0056】
光治療において、有効な治療に先立って、皮膚ケア専門家は物理的障壁(例えば化粧、死滅皮膚細胞など)をすべて取り除かなければならないことが理解されるであろう。両方のプロセス(洗浄して、その後光で治療)に必要な時間は結合されて、本願の光に基づく発明で短くされる。
【0057】
特に必要な場合は、ブラシの振動作用によって皮膚を動かすことは、光反応製剤を一層よく吸収させることができる。これは、光自体によって生成される、病原性の有機物あるいは癌細胞の数や、あるいは他の治療作用を低減する効果を増加させる。増加した吸収性は、ブラシ作用の1つの効果であり、そして光源は製剤を含んだ病原体あるいは細胞を活性化することができる。これは、死滅している皮膚細胞および表面の残骸の除去により、皮膚により深く浸透する製剤と光がより有効な結果を実現する。その製剤は、ポンプか同様の作用の助けで器具の供給源を通じて供給するか、あるいは器具からは放している手などによって個別に供給され、その後上記したような治療の光を伴うブラシヘッド作用が適用される。製剤の付与と治療光皮膚ブラシの使用の間の時間は、特定の製剤に依存して変化する。
【0058】
図26は、器具中のエミッタ192を起動する皮膚接触検出回路190を備えている実施形態を示す。接触要素(ブラシヘッドあるいは他の要素)は符号194で表わされている。オン/オフ制御スイッチ196はエミッタ192のためのものであり、オン/オフ制御スイッチ198はブラシヘッドのためのものである。電源200は、変調回路202を通してブラシヘッドのための駆動回路204およびエミッタ制御回路206に電力を供給する。
【0059】
動作中、ブラシヘッド194あるいは他の接触要素が皮膚に物理的に接触した場合に、皮膚接触検出回路190がそれを検出する。接触が認識された場合に、検出回路190は光エミッタ192の動作を起動するための光エミッタ制御回路206の動作を起動する。皮膚接触が終了したことを検出回路190が認識した場合、それはエミッタ192を停止させる。これは器具のより長い電池寿命に帰着し、放射された光によるユーザの目に対する影響の可能性を低減する。
【0060】
従って、皮膚への損傷なしで、皮膚に対する緩やかな応力 (往復、回転か他の前後振動の何れか)を引き起こすために60〜200Hzの好ましい範囲中の周波数で5〜20°の範囲の好ましい角度にわたって振動する振動部分を有するブラシヘッドを適用し、毛穴を開き、皮膚をわずかに清潔にし、剥離しようとするブラシヘッドを組み合わせる装置が記載されている。光源はブラシヘッド内に設けられている。光源はLEDかレーザー、あるいは他の同様の光源である。1つの波長あるいは様々な皮膚疾患の治療に関係している複数波長を有する光の影響は、ブラシヘッドの作用によって増強される。光はより深く浸透し、より均一な効果を提供することができる。さらに、それは、特定の皮膚疾患に特に適応された製剤の効能を増加させるという利点を持つ。
【0061】
発明の好ましい実施例は例示の目的のために記述されたが、様々な変更、修正および置換が、発明(それは後続の請求項によって定義される)の思想内で可能であることが理解されるであろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して人間の皮膚疾患の治療に係るものであり、より具体的には、振動するブラシヘッドを持つ皮膚ブラシで狭周波数帯光源を用いた、皮膚疾患のための治療に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な疾患を引き起こす周知のバクテリアが多く存在している。P(プロピオニ)バクテリアニキビは、一般には尋常性座瘡として知られている人間のニキビ皮膚疾患の原因として表明されており、それは米国において最も一般的なものとして扱われている皮膚疾患である。ニキビは、長い間若者の問題であったが、成人でもしばしば罹患するものである。特に若い人々にとって効果的なニキビ治療は、醜いニキビ皮膚疾患に起因して起こる身体的および感情的影響の両方により、大変重要視されている。
【0003】
ニキビは最初、思春期の間にできるものであるので、自己像が形成されるときに、それが軽度のケースであっても学校での成績を含む個人の心理社会的発達に大きなマイナスの効果を及ぼす。更に、通常は長期間の瘢痕化効果を伴い且つ外観を損なう重傷のニキビ疾患に対して穏健な人は、しばしば顕著であるが、人生を通して職業選択および就業機会に影響を及ぼすと主張している。
【0004】
上記したように、ニキビは(思春期の)若者にもっとも多く現れるが、常に10代の終わりに解決される訳ではなく、特定の個人に対しては40代まで続く。幾つかのケースでは、ニキビの発現が20代の中ごろまで起こらない場合もある。
【0005】
上記の理由のすべてから、ニキビは重大な疾患であり、人口の大部分および多くの年齢層に影響を与えると認識することが重要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ニキビ治療は、食事制限、抗生物質(経口と局所投与の両方)、あるいは太陽光や他の光源への露光を含む。レチノイドやホルモン処置治療も利用される。食事制限は、一般的に予想し得ない結果を生むという問題がある。経口抗生物質はニキビ治療に成功裏に用いられているが、イースト膣炎、胃腸への副作用、光線過敏症を含む欠点を有する。レチノイドは、妊娠の可能性がある女性には勧められず、またしばしば乾燥(乾燥肌)、紅斑、口唇炎、結膜の焦燥、脱毛症の原因となり、同時にホルモン療法は患者を血栓塞栓症、女性化(男性の)および他の好ましくない効果の危険にさらす。抗生物質の局所投与もまたニキビ治療に用いられ、レチノイド、過酸化ベンゾイル、サリチル酸および抗生物質を含む。これらの治療法のそれぞれは、幾つかのケースにおいて好ましくない皮膚表面反応を含む、特定の好ましくない副作用を有している。
【0007】
太陽光にさらすことを含む光治療も、ニキビ治療に用いられている。過去にはニキビを扱うために臨床的状況において紫外線光が用いられていたが、皮膚がんの可能性からそのような治療はもはや勧められてはいない。紫外線光を用いる既存の臨床的装置は、高価で且つ医療専門家によって取り扱われなければならない十分に注意すべきものである。光治療の効果は幾つかのケースにおいて、選択された感光化学物質の使用によって増強される。しかし、そのような光と選択された化学物質の組合せを用いる治療はしばしば不快であり、スティンギング、紅斑、表皮の剥離作用および過敏症の原因となる。
【0008】
ニキビ治療における新しい開発は、狭周波数帯光を伴うものである。これらの開発は以下の特許および特許出願の中で開示されております。メンデスらへの米国特許5,549,660は、660nmの波長を持った光源を使用する。しかしながら、これは、特に有効であると証明されている訳ではない。リースとハースへの特許出願20010028227および20010023363は、それぞれ、発光ダイオード(LED)の使用、および407から420nmの波長範囲の光を放射するためにフィルタリングされた400ワットのメ金属ハロゲン化物ランプを開示しており、それはあるニキビバクテリアに対して有効なことを示された。ランプは顔全体を照らすために使用される。それらは大きく高価である。一方、LEDは小さく(約0.100インチ)、比較的低いコストである。
【0009】
さらに、金属ハロゲン化物ランプは、必要な電力に対して非効率的で、治療されるべき皮膚領域で著しい問題を引き起こす。臨床設定や監督が要求される。対照的に、LEDは、15-20%の効率を持っている。
【0010】
光を使用するニキビ治療に対して、自宅で実施できる有効な治療は無い。したがって、安全で、安く、自宅で使用することが単純な、光を使用するニキビの効果的な治療法が開発されることが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0011】
従って、本願発明は、皮膚疾患の治療用の装置を含んでおり、それは、装置のためのハウジング部材と、複数の毛の房のリングを含んでいる第1部分(第1部分は選択された角度にわたって振動動作する)と、ハウジング部材に取り付けられるようになっているブラシヘッド部材と、ブラシヘッド部材のための駆動アセンブリと、また、選択された皮膚疾患の治療に適した波長を有する少なくとも1つの光源とを備え、前述の光はブラシヘッド部材から向けられるものである。
【0012】
更に、本願発明は、皮膚疾患の治療のための方法を含んでおり、皮膚に損傷を与えずに皮膚を反対方向に伸ばすために当てはまること、1つの、前後に、指示に反対する際に皮膚を伸ばすために選択された角度にわたって選択された周波数で回転する皮膚ブラシ器具によって皮膚へ往復の応力作用を与え、皮膚ブラシのブラシヘッド部分から、皮膚ブラシによって応力作用が与えられる領域に光(選択された皮膚疾患の治療に適した少なくとも1つの波長を有する光)を照射する、ステップを含む。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】Pニキビポルフィリンの吸収スペクトルに対する太陽光および他の従来の光線治療用光源の放射スペクトルを示す図である。
【図2】紫青色LED(405nmの波長)の放射スペクトルとPニキビポリフィリンの吸収スペクトルを比較した、図1の図形の部分のより詳細を示す図である。
【図3】図3A,3B,3Cは、ニキビ治療用の本願発明の携帯型の装置を示す。
【図4】図4A、4Bは、本願発明の原理を具現化する、ニキビを治療するために光を使用する他の実施形態を示す。
【図5】本願発明の原理を具現化する、ニキビを治療するために光を使用する他の実施形態を示す。
【図6】本願発明の原理を具現化する、ニキビを治療するために光を使用する他の実施形態を示す。
【図7】振動するブラシヘッドを持つ皮膚ブラシの斜視図である。
【図8】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図9】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図10】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図11】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図12】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図13】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図14】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図15】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図16】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図17】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図18】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図19】様々な構造の狭周波数帯光源を組み込んでいる振動ブラシヘッドの平面図である。
【図20】図8〜19に関連する一部を切欠いた拡大側面図である。
【図21】図8〜19に関連する一部を切欠いた拡大側面図である。
【図22】図8〜19に関連する一部を切欠いた拡大側面図である。
【図23】図8〜19に関連する一部を切欠いた拡大側面図である。
【図24】図8〜19に関連する一部を切欠いた拡大側面図である。
【図25】図8〜19に関連する一部を切欠いた拡大側面図である。
【図26】ブラシヘッドによる皮膚接触に対するセンサ制御を組み込んでいる、図8〜25の装置のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
上記したように、選択された波長の光を提供するための、自然な太陽光およびフィルタを具備する金属ハロゲン化物ランプを含む特定の光源からの光の両方が、尋常性座瘡(以下、「ニキビ」という)を治療するために使用される。フィルタリングされた光源は、ニキビを診断するためにも使用される。暫くの間、太陽光による治療の成功理由は明らかには理解されていなかった。さらに、太陽光治療は、太陽光中の紫外線(UV)を原因とする日焼け、肌荒れおよび皮膚がんなどの好ましくない作用さえ伴っていた。
【0015】
ニキビは、やや複雑な皮膚疾患であり、それは3つの皮膚のプロセスあるいは段階を基本的に含んでいる。ニキビの発生における第1のプロセスあるいは段階は、微細ニキビ(microcomedone(プラグ))の形成であり、それは、毛漏斗部(毛穴)に形成されたバクテリアの角化細胞、皮脂およびコロニーの微視的な集まりである。その後、微小ニキビは大きくなり、コロニーとなった細胞の癒着力が高まり、結果として毛漏斗部(毛穴)の閉塞を招来し、それは一方で微好気性環境を促進する。
【0016】
第2のプロセス/段階は、皮脂生成割合の増大を含む脂漏として知られており、それはPニキビバクテリアに栄養素を供給する。これが、第1のプロセスに起因する閉塞されたニキビによって閉じ込められた毛嚢脂腺のユニット領域で発生する。
【0017】
第3のプロセスでは、皮脂が豊富な環境に起因し、微生物のコロニー化が発生する。毛漏斗部が微小ニキビによって閉塞されるようになる場合、毛嚢脂腺ユニット内のバランスは逆転し、仮にpHと酸素の条件が閉塞されたニキビ内で正しい場合、バクテリアの数は増え、病原性の効力を生み、極端なニキビ障害(吹き出物)に帰着する。このプロセスは、濾胞壁への障害や脂質の噴出を含む。
【0018】
Pニキビバクテリアが特定のポルフィリンを含み、それは可視スペクトル光を吸収する際に、酸素がある状態において、その構造体中の電子の励起を生みだすことが発見された。その後、励起された電子は、近くの酸素分子を一重項酸素遊離基へと分離する。反応性酸素は一連の化学反応を誘発し、それはバクテリアを死滅させて終了する。
【0019】
上で簡潔に述べたように、ニキビの治療で使用されていた従来の光源は、多くの好ましくない副作用に悩まされていた。具体的には、これらは、放射された光に第2の波長の光が存在すること、広帯域の光源の入力所要電力の点から相対的に非効率であること、狭周波数帯だけが実際に使用されることになっている場合に広帯域の光をフィルタリングすることの費用および複雑さ、発光装置による著しい熱発生、皮膚の露光を制限するために特別で高価な設備や複雑な光学システムを必要とする点などである。露光時間は、実際的な自宅での使用には過分である。従前のすべての光治療装置は、医学専門家の監督が必要であった。
【0020】
本願発明では、フィルタリングなしで、Pニキビバクテリア中のポルフィリンの初期可視光線吸光特性、つまり409nm(紫)の吸光度スペクトルピークに極めて近い狭周波数帯光を実際に出力する光源が使用される。本願発明の装置によって出力される光は、その波長の光でPニキビポルフィリンを刺激する。図1は概して、ポルフィリンのピーク吸光度および様々な光源のスペクトルを例示している。409nmでのPニキビポルフィリンの吸光度ピークは10で、太陽光の放射スペクトルは12で示されている。それぞれ紫外光、青色蛍光および赤色蛍光の光源はそれぞれ14、16および18で示されており、金属ハロゲン化物光源のスペクトルが20でしめされている。太陽光、特に紫外線帯光の照射は皮膚損傷および癌を伴い、同時に、赤色蛍光電球および青色蛍光電球ならびに金属ハロゲン化物光源は、Pニキビポルフィリンに対して重要な波長の成分を相対的にわずかしか含んでおらず、そのことがニキビの治療に対して非常に非能率的にしている。
【0021】
本願発明は、Pニキビポルフィリンのピーク吸光度波長である405nmに極めて近い狭周波数帯の光を放射する光源を含んでいる。図2は、本願発明で使用される光源の放射スペクトル25に対する、一般的なPニキビポルフィリンの吸光度スペクトル23を示している。光エネルギーの損失をなくすように、光源はフィルタリングされていない。したがって、本願発明は、医療専門家の援助なしで、便利で、経済的で、安全な自宅使用のために構成され適応されている。
【0022】
本願発明の第1の実施形態が図3に示されている。それは自宅使用に適した短時間露光に適当な携帯型装置である。全体として符号26で示された装置は、ハンドル27および単色光源28を含んでおり、それはハンドルの前方端29に取り付けられ、所望の405nmの波長で光を放射する。示された実施形態では、単色光源は半導体光源、特にLEDかLEDアレイあるいはレーザーダイオードである。代替的に、光源は有機LEDか電界発光素子、あるいは他の単色光源である。示された実施形態においてより詳しくは、光源28は405nmのLEDの4×4アレイであり、それは共通の相互接続基板に取り付けられている。しかしながら、他の寸法のアレイを使用することもできる。アレイは、単一のLEDに対してより大きな光強度及び/又は増大した照射範囲を提供する。示された実施形態のハンドル27は、概して長方形で、便利な携帯型の使用のために寸法が決められて構成され、ユーザの利便性のために角部において長手方向縁に沿って曲がっている。LEDアレイは、LEDに対しておよそ15-30mA、望ましくは20mAの電流を生成するバッテリーによって電力が供給される定電流回路によって駆動される。定電流回路およびバッテリーは、両方ともハンドル内に配置されている。750mAに至るような、あるいはさらに大きなはるかに高い電流構成も使用できる。
【0023】
アレイ中の各LEDは、単一のニキビ障害の部位特異治療のためや、より大きな領域の治療において皮膚を横切って移動するために設計されており、比較的強い光を放射する。放射される光の強度は、1cm2当たり20mW以下であり、それは有効ではあるが太陽光よりは効果は低い。これは、50mW/cm2まで高められる。現在、LEDは350〜700mAで200〜250mW/cm2の物が入手可能である。これは、恐らく一層のLEDの開発とともに変化するであろう。放射される光は、太陽光よりPニキビポルフィリンへの刺激において、太陽光のおよそ40倍効率的である。図3の装置を使用する場合の露光時間は、典型的には一日に1回か2回で数分程度となるであろう。従来のバッテリーは、一般的に装置内で使用され、再充電可能なものが望ましい。装置は、オン/オフボタン38によって起動される。
【0024】
ハンドル27の前方端29からは、光学的光導波管(方向付け管)あるいはスクランブラ42が延びており、それは、LED光源28から放射される光を、治療されるべき皮膚の表面へ導く。光学的光導波管42は透明な本体であり、それはアクリルから作られ、内部が白色プラスチックで被覆され、白色プラスチックは光が反射し屈折して、導波管の内部に戻って照射されるように二酸化チタンを含んでおり、ユーザの皮膚上へその出口ポート44で励起する。
【0025】
装置26は、さらにレンズ(図示略)のような光学素子を備え、それはさらに所望のスポットサイズ上に放射された光を集中させる。
光方向付け手段42のまわりに近接して、随意的な取り外し可能な光拡散器46が延びている。それは、自由端47で終っており、光方向付け手段42と概ね同じ面に存在している。光拡散器46の端部を通ってきた放射光は、長方形(47)、円形(47A)、楕円形あるいはその他の形状を含む様々な構成をとることができ、それは放射光の所望の構成に依存する。
【0026】
ハンドル27は、さらに装置のための追加の電子制御部を収容することができる。それらは、装置が安全な使用のための正確な位置にない場合に一時的に停止させるための回路を含んでおり、それは表面との接触、露光時間が正確であることを確実にするための装置の動作を制御する時間的要素、所望の露光時間が終了した場合にそれをユーザに示すための可聴的あるいは視覚的な表示、およびバッテリー充電状態を示す表示要素のようなものである。
【0027】
図3の装置26は、単色のLEDの使用のために有利であり、それは、低い熱発生と所望の光波長だけの効率的生成という利点を有している。装置26はこのように便利な携帯装置であり、それは非医療従事者によって自宅で便利なように使用可能である。
【0028】
図4Aと4Bは、皮膚に直接取り付け可能で、図3の携帯装置に対して、従来よりも長い時間にわたって使用するのに便利で快適なように設計された実施形態を示す。装置50は、1〜5cmにわたる領域の局部治療のために設計されている。光源(具体的には示されていない)は装置に一体化されており、バッテリー56を備えた共通の相互接続基板上の制御回路によって駆動される単一の405nmLEDを備え、それらすべては粘着性のプラスチック片58に取り付けられている。粘着性のプラスチック片58は、治療の長さにわたって皮膚に付けられるように設計されている。しかしながら、接着剤に加えて他の取り付け手段も使用することができる。これらは、ベルクロ(登録商標)片やある種のマスクやヘッドバンドを含む。LEDは、光出口ポート59を通って、5mW/cm未満の比較的低い強度の光を放射する。
【0029】
装置50は、光源と皮膚の間に、LEDを封入して約2〜5mm程度の小さな空隙を作る凸レンズ(図示略)を含んでいる。これは、光を広げて、望ましくは直径1cmかその程度で、光を出口ポート59を通して皮膚の小さなスポットに向ける。スイッチ要素62が設けられ、それは、使用者によって便利にLEDをオン/オフするためのものである。スイッチがオン位置である場合、LEDが起動されて、バッテリーが放電するまで、光はニキビ病変上に直接照射される。
【0030】
代替的に、バッテリーと駆動回路はモジュール(それはユニット50と離れている)の中に配置することができ、ユニット上のLEDに駆動回路とバッテリーを電線接続する。更に他の電子部品が、露光時間の終了の表示及び/又はバッテリー充電状態あるいは他の情報の表示のために設けられる。図4Aおよび4Bの装置/ユニットは、低い強度での小さな領域の長時間露光(数時間)用に設計されている。取付部材は、治療中に手を自由にすることになる。
【0031】
大きな治療領域(100cm2を越える)にわたってユーザの皮膚への取り付けのための別の実施形態が図5に示されている。装置70は、比較的低い強度(5mW/cm2未満)での光放射パターンを生みだすが、この値はより高くなりえる。治療領域への露光時間は、数時間のオーダーである。装置70は、単色光源72および光ファイバーの織ってある織物パッチ74を含んでいる。織物は、パッチ全体が皮膚の治療領域の形に順応するのに十分に柔軟である。パッチはまた、顔や身体の特定部位の輪郭と一致するために前もって形作られてもよい。
【0032】
LED72からの光は、規定の受け入れ角度でパッチのファイバー束76に伝達される。図5に示されるように、光は、織物の曲がり78においてファイバパッチから漏れて、織物の表面にわたって相対的に均一な光の分配を実現する。反射要素又は層85は、パッチの上面側から漏れた光を、皮膚に向けて戻すように方向付けする。光源、バッテリーおよび駆動回路は、織物パッチに取り付けることができるが、代替的にモジュールに取り付けることもでき、それが織物に結合される。織物パッチは、接着剤などを含む様々な手段によって、手を自由にした状態での治療のために皮膚に付けられる。
【0033】
図6は、低い光強度(5mW/cm2未満)で比較的大きな領域を治療するための、皮膚への取り付けのために設計された別のパッチの実施形態を示す。パッチ80は、成型されたプラスチックシート82および低粘着性層83を含み、それは、装置を皮膚へ一時的に固定するものであり、放射された光を透過させるものである。シート82は、その縁部86で光源84によって励起される。パッチ80は、治療領域の形に合致するのに十分に柔軟である。さらに、パッチは、顔や身体の特定部位の輪郭と合致するように前もって形作られてもよい。
【0034】
皮膚に近接するシート82の下面は、それが浅い構造の模様を持つように成形され、それが単色光源からのシート内の光がその表面に対して垂直で皮膚に向けて放射されるようにする。模様のパターンは、光の出力がシートの全表面積にわたり比較的一定となるような状態である。シート82を覆う反射要素87は、パッチの上面側から漏れる光を皮膚の方へ戻すように方向付ける。
【0035】
図4A、4B、5と6の装置はすべて、低い強度で長時間(数時間)の治療をする装置である。それらはすべて、接着剤、ストラップあるいは他の手段のいずれかによって皮膚に固定されあるいは取り付けられる。その結果、装置は推奨される治療時間にわたって本質的に手を自由にした状態で使用することができる。
【0036】
従って、本願発明は、Pニキビバクテリア中にあるポルフィリンのピーク吸光度と実質的に一致する、特定の波長を有する単色光源が用いられる光を使ってニキビの効率的で安全な治療をしようとするものである。光は、LEDや例えばレーザーなどの他の本来的な単色光源によって生成され、携帯型装置かパッチ型装置のいずれかに位置付けられ、自宅で非医療専門家によって使用されることに対して装置が便利で安全で信頼できるように制御される。
【0037】
図7〜25は、動力式皮膚ブラシの振動するブラシヘッド部分へ組み込まれる、狭周波数帯光源のさらなる実施形態であり、その光源は、ニキビやその他の皮膚疾患を含む特定の皮膚疾患の治療のために、LEDやレーザーあるいは他の同様の装置のようなものである。代表的な皮膚ブラシ器具は、図7に全体として符号100で示されている。器具は、ハンドル部分102および取り外し可能なブラシヘッド部分104を含んでいる。そのような皮膚ブラシは、共に出願中の特許出願番号10/873,584および10/873,352に示され、説明されている。それらの出願の両方は、本願発明の譲受人によって所有されている。それらの出願の両方の内容は、参考としてここに組込まれる。
【0038】
図8〜25に示される実施形態において、器具100のブラシヘッドは特別の構成を持っている。しかしながら、例示された光源との組合せにおいて、他のブラシヘッド構成および構造も使用することができることは理解されるであろう。ブラシヘッド構造(図8が例示である)は、外側部分110における2つの同心の毛の房の外側リング106、108と、内側部分118における6つの同心の毛の房の内側リング112〜117を含む。外側部分110におけるリング106および108は、動作中において静止しているままであり、その一方で内側部分118中のリング112〜117は選択された角度にわたって回転する。一般に、この角度はおよそ2〜30°の範囲であり、好ましい範囲は5〜20°である。振動は、60〜200Hzの可聴周波数範囲内で起こり、好ましくはおよそ176Hzである。外側部分110には、内側部分118の振動リングのための飛び跳ねバリアと共に、静止接触リングを提供する外側リング106および108とを備え、それによって内側部分の毛の房の振動作用が皮膚への損害あるいは害のない皮膚の有効なクレンジングのために、局所的な皮膚せん断応力が作り出される。この作用は、米国特許出願10/345,909号により詳細に記述されており、それは、本願発明の譲受人によって所有されており、それらの内容は参照によってこれによって組込まれる。
【0039】
示された実施形態では、個々の外側リング106および108には50個の房があり。その一方で内側リング112および113は24個の房を持ち、リング114と115は15個の房を持っており、リング116と117は各々10個の房を持っている。しかしながら、この特定の配置を変えることができることは理解されるに違いない。別の実施形態では、2つの外側リングは各々40個の房を持っており、その一方で6つの内側リングは24個、24個、14個、14個、10個および10個の房をそれぞれ持っている。リングの内側セットと外側セットの間の隙間は、中心間で0.154インチ(約3.9mm)であり、その一方で房の間の縁部間距離は房の基部において0.084インチ(約2.1mm)である。房は直径が0.070インチ(約1.8mm)である。房はそれぞれ多くの個々の毛を備え、一般的にはおよそ270本であり、それぞれの毛は特定の寸法を持っており、詳細は上記584特許に記述されている。別の実施形態では、1つの房当たり164本の毛を持っている。1例における毛の直径は0.004インチ(約0.1mm)で、長さは0.250〜0.600インチ(約6.4mm〜15mm)の範囲で、好ましい範囲は0.300-0.450インチ(7.6mm〜11.4mm)である。あるいは、ブラシヘッドは基準の多くの毛の房を備え、ブラシヘッドは停止位置すなわち中立位置に関して往復移動する。その移動が皮膚のクレンジングのための局所的なせん断応力を作り出すことができる限りにおいて、その移動は縦方向、横方向あるいは他のより複雑な動きである。
【0040】
ブラシヘッド104には、複数の個々の光源が配置されており、その結果、いくつかの実施形態では単一の光源が使用されるが、選択された波長の光がブラシヘッドから出る。
個々の光源は典型的に狭周波数帯であり、例えばおよそ405nm(深い青)のようなものであり、上記したように特にニキビの治療に用いられる。他の例では、乾癬、皮膚若返り、真菌感染症、細菌感染、コラーゲン再生あるいは特定の皮膚癌を治療するための特定の波長を含んでいる。これらは各々典型的にはそれ自身の特定の波長を必要とし、それらの波長は現在知られているか、あるいは将来知られるようになるであろう。あるケースにおいて、広帯域光源が特定の皮膚疾患を治療するために使用されてもよい。他の特定の波長としては、210nm(UV−C)、470nm(青色)、547nm(緑色)および627nm(赤色)を含んでいる。これらの光源の出力は様々である。現在、上に示されるように、LEDでは350〜700mAにおいて200〜250mW/cm2が利用可能である。LEDは連続光でありえるかあるいはパルス光である。一般に、パルス光については、周波数は0.1Hz〜10kHzであり、発光時間が1μ秒〜5μ秒で暗い時間は0.0001〜10秒である。周波数および発光/消灯のデューティーサイクルの好ましい範囲は、特定用途に依存して変わるものである。
【0041】
図8は、上記に詳細に記述された特定のブラシヘッドを使用して、ブラシヘッド/光源の組合せの1つの例を示している。多くの個々の光源124〜124がブラシヘッドの内部の(振動する)部分内に配置されている。この例において、さらに図20を参照すると、狭周波数光エミッタ126〜126が駆動回路127と共に器具のハンドル129内に位置している。光は、光源/伝達手段124の役割をするブラシヘッド内の個々の透明な毛の房によって方向付けられる。図8の実施形態では、ブラシヘッドから光を伝達する全部で12個の毛の房があり、それはブラシヘッドのまわりで均等に割り付けられている。しかしながら、異なる数の光伝達手段を異なる間隔で使用することができる。図8の実施形態では、エミッタ126〜126はすべて同じ波長を持っている。さらに、図21は、ブラシヘッド内の光源/光伝達手段が透明な毛の房124であるような構成にも適用可能である。図21では、しかしながら、エミッタ130もブラシヘッド内に配置され、駆動回路132にエミッタ130を接続する電気的な接続線131も器具のハンドル129内に共に配置されている。
【0042】
図9は、図8の変形例を示しており、2組の一定間隔で配置された光を伝達する毛の房が使用されている。1組目133は一定間隔で配置された毛の房のリングで、それを通して第1の狭周波数帯波長光が伝達され、その一方で第2組134は一定間隔で配置された毛の房のリングであり、それを通して第2の狭周波数帯光波長が伝達される。従って、当該組合せは単一波長あるいは複数(異なる)波長、あるいは必要であれば2つよりも多くの波長を含むものでもよい。あるいは、2組の光波長が広帯域光であり、それぞれが選択された波長をカバーするか、あるいは特定用途に応じて狭広帯域光と広帯域光の光源の組合せでもよい。
【0043】
図8および9の実施形態に対する代替案が、図10および11に示されている。上に記述されるように、図10はブラシヘッド136を示している。ブラシヘッドの振動部138の内部には、毛の房自体からは離れている複数の自己収容エミッタ140〜140が埋め込まれている。光エミッタ140は振動部138のまわりで均等に離れているが、それらは異なる配置で位置決めすることもできる。光エミッタのための駆動回路は、器具のハンドル内に位置している。図11は、図10の変形を示し、そこではエミッタは1つより多い波長を持っている。例えば、エミッタ142〜142は1つの選択された波長であってもよいし、その一方でエミッタ144〜144(あるいは、エミッター142)は別の選択された波長であってもよい。追加の波長を持つ追加のエミッタも使用することができる。さらに、エミッタは、選択された波長範囲をカバーする広帯域のものや、あるいは狭帯域波長および広帯域波長の組合せのものであってもよい。光源の波長は特定の皮膚治療に関連するものである。
【0044】
図12および13は他の実施形態を示しており、図12の例では、ブラシヘッド146の外側(静止)部分150に、単一波長の狭周波数帯光源/伝達手段148〜148を複数備えている。この実施形態において、さらに図22も参照すると、個々の光導波管153〜153は光源/伝達手段として使用され、ブラシヘッド内のスロット中に位置決めされ、ハンドル155内に配置されたエミッタ154〜154を伴い、エミッタ154からの光は光導波管に直接か、あるいはハンドル155内に配置された中間の光導波管156を介して伝達される。
【0045】
図13は、図12の構造の変形例を示し、そこではブラシヘッド146の外側部分150のスロットにおける個々の光導波管が、異なる波長のエミッタを使用して1つよりも多い波長の光を伝達する。この場合、光導波管158〜158からの光は1つの波長であり、その一方で光導波管159〜159(光導波管158と交互に)からの光は別の波長である。したがって、扱われる皮膚病に応じて狭帯域及び/又は広帯域の異なる複数の波長が用いられる。
【0046】
図14および15ならびに図23は別の実施形態を示しており、そこではブラシヘッドの内側(振動)部分のスロットに光導波管が設けられている。図14では、エミッタ160はすべて1つの波長を有しており、一方、図15では、エミッタ161が1つの波長を有し、エミッタ162(エミッタ161と交互に)は別の波長を有する。図23は、ブラシヘッド内のスロットに配置された光導波管163を伴う、ブラシヘッド内のエミッタ160(図14)あるいは161/162(図15)を示す。電気的コネクター164〜164は、ハンドル中の駆動回路165に設けられる。
【0047】
図16および17ならびに図24は、更なる実施形態を示している。図16では、回転するブラシヘッド部分167の開いた中央領域169内の単一のエミッタ166があり、その一方で図17は、第1の波長を備えたエミッタ168〜168および第2の波長を備えたエミッタ170〜170がすべて中央領域171にあることを示している。図24は、ハンドル内に配置された駆動回路176へのインターフェースで電気的接続部172を備えた、ブラシヘッド内のエミッタ166を示している。
【0048】
図18および19は、図16および17の変形例を示し、そこでは光導波管がブラシヘッド180の開いた中央領域のスロット中に設けられ、ハンドル内のエミッタから光を伝達する。図18は、ブラシヘッドの振動部分184の中心における複数の光導波管182〜182を示し、すべてが1つの波長を有し、その一方で、図19は第1の波長の光を出力する光導波管186〜186、および第2の波長を有する光を出力する光導波管188〜188を示している。
【0049】
図25は、駆動回路193と共にハンドル内に位置するエミッタ191〜191と、図16および24の単一のエミッタ166と同様に、ブラシヘッドの中心における光導波管193への架橋光導波管195を示す。図18および19に示されているような、中心領域の多数の光導波管も使用することができる。光源は、単一波長あるいは複数波長のいずれかであってもよい。
【0050】
さらに他の実施形態では、光源は静止している毛の部分の外側における、ブラシヘッドの周辺の辺りに取り付けられ配置されている。これらの光源は、さらに単一波長か異なる波長であってもよい。
【0051】
要約すると、器具の光源は、ブラシハンドルあるいはブラシヘッド自身に配置された1つ又はそれ以上のエミッタを備え、その光は毛の房自体あるいはブラシヘッドのスロット内に配置された光導波管を通して、あるいはエミッタから直接向けられる。エミッタは単一波長あるいは複数波長を有していてもよい。波長は広帯域であってもよい。
【0052】
ブラシヘッド(毛の房か光導波管、あるいは他の光伝達要素)内の光源は、ブラシヘッドの外側の静止部分あるいはブラシヘッドの内側の振動部分、あるいは外側部分の外部でブラシヘッドの周辺の辺りに配置できる。
【0053】
剪断応力によって皮膚を動かし、小さな範囲の皮膚を剥離させる振動動力ブラシの組合せで、皮膚に損傷を与えることなく毛穴を開き、皮膚疾患の治療に関連する特定波長を有する複数の光源の組合せによって、皮膚治療を遂行する際に光の使用に関する著しく高めた効率を単独で提供する。特に、光源/皮膚ブラシは、高い効能のために、ニキビに対するポルフィリンバクテリアのような特定の病原体を標的とする光の効果を増強する。迅速な方法で皮膚を動かすことは、一方向にだけ伝搬すると知られている光を、長い所望の期間内で、静止した皮膚表面上を光線が単に通過ことで通常生じるよりも広い治療領域で異なる角度から接触させることを可能にする。
【0054】
他の皮膚疾患も、特定の皮膚疾患に関連する適切な波長の光源によって治療できるかもしれない。その治療は、多くの異なる皮膚疾患のために使用することができ、例えば、皮膚の若返り、コラーゲン処理、皮膚感染症、皮膚の色素沈着、瘢痕組織低減、乾癬、脂漏症、皮膚炎、創傷治癒、皮膚の抗加齢、抜け毛、毛髪再生、傷の治療および皮膚がんの治療を含む。
【0055】
上記の組合せは、さらに、局所的な光反応製剤や光学エンハンサーの適用と組み合わせることができる。ブラシの音波クレンジング作用は、60〜200Hzの振動周波数範囲において、皮膚の穏やかな剥奪を起こし、同時に光の効果が増強された吸収レベルを実現して製剤に影響を与える。特定の皮膚製剤が、皮膚の光学的特質の改善によって、より深い浸透を実現することにより、治療のための光の効能を増大させる場合がある。
【0056】
光治療において、有効な治療に先立って、皮膚ケア専門家は物理的障壁(例えば化粧、死滅皮膚細胞など)をすべて取り除かなければならないことが理解されるであろう。両方のプロセス(洗浄して、その後光で治療)に必要な時間は結合されて、本願の光に基づく発明で短くされる。
【0057】
特に必要な場合は、ブラシの振動作用によって皮膚を動かすことは、光反応製剤を一層よく吸収させることができる。これは、光自体によって生成される、病原性の有機物あるいは癌細胞の数や、あるいは他の治療作用を低減する効果を増加させる。増加した吸収性は、ブラシ作用の1つの効果であり、そして光源は製剤を含んだ病原体あるいは細胞を活性化することができる。これは、死滅している皮膚細胞および表面の残骸の除去により、皮膚により深く浸透する製剤と光がより有効な結果を実現する。その製剤は、ポンプか同様の作用の助けで器具の供給源を通じて供給するか、あるいは器具からは放している手などによって個別に供給され、その後上記したような治療の光を伴うブラシヘッド作用が適用される。製剤の付与と治療光皮膚ブラシの使用の間の時間は、特定の製剤に依存して変化する。
【0058】
図26は、器具中のエミッタ192を起動する皮膚接触検出回路190を備えている実施形態を示す。接触要素(ブラシヘッドあるいは他の要素)は符号194で表わされている。オン/オフ制御スイッチ196はエミッタ192のためのものであり、オン/オフ制御スイッチ198はブラシヘッドのためのものである。電源200は、変調回路202を通してブラシヘッドのための駆動回路204およびエミッタ制御回路206に電力を供給する。
【0059】
動作中、ブラシヘッド194あるいは他の接触要素が皮膚に物理的に接触した場合に、皮膚接触検出回路190がそれを検出する。接触が認識された場合に、検出回路190は光エミッタ192の動作を起動するための光エミッタ制御回路206の動作を起動する。皮膚接触が終了したことを検出回路190が認識した場合、それはエミッタ192を停止させる。これは器具のより長い電池寿命に帰着し、放射された光によるユーザの目に対する影響の可能性を低減する。
【0060】
従って、皮膚への損傷なしで、皮膚に対する緩やかな応力 (往復、回転か他の前後振動の何れか)を引き起こすために60〜200Hzの好ましい範囲中の周波数で5〜20°の範囲の好ましい角度にわたって振動する振動部分を有するブラシヘッドを適用し、毛穴を開き、皮膚をわずかに清潔にし、剥離しようとするブラシヘッドを組み合わせる装置が記載されている。光源はブラシヘッド内に設けられている。光源はLEDかレーザー、あるいは他の同様の光源である。1つの波長あるいは様々な皮膚疾患の治療に関係している複数波長を有する光の影響は、ブラシヘッドの作用によって増強される。光はより深く浸透し、より均一な効果を提供することができる。さらに、それは、特定の皮膚疾患に特に適応された製剤の効能を増加させるという利点を持つ。
【0061】
発明の好ましい実施例は例示の目的のために記述されたが、様々な変更、修正および置換が、発明(それは後続の請求項によって定義される)の思想内で可能であることが理解されるであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚疾患の治療のための装置であって、
装置のためのハウジング部材と、
ハウジング部材に取り付けられるようになっているブラシヘッド部材であって、複数の毛の房のリングを含み、且つ動作中に選択された角度にわたって振動する第1の部分を備えるブラシヘッド部材と、
ブラシヘッド部材のための駆動アセンブリと、
選択された皮膚疾患の治療に適した波長を有する少なくとも1つの光源を備え、光はブラシヘッド部材から向けられる、装置。
【請求項2】
光は単色である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
治療される皮膚疾患は、ニキビである、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
皮膚疾患は、皮膚の若返り、コラーゲン処理、皮膚感染症、皮膚の色素沈着、瘢痕組織低減、乾癬、脂漏症、皮膚炎、創傷治癒、皮膚の抗加齢、抜け毛、脱毛および皮膚がんの1つ又はそれ以上である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
皮膚疾患の治療に適した光を生成する複数の光源を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
光源は、すべて同じ波長を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
光源は、2つ以上の波長を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
光源は、単色である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
光は、連続光である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
光は、パルス光である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
光源は、ブラシヘッドから離れたハウジング内に光エミッタを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
一つまたは二つ以上の波長の光は、ブラシヘッドの第1部分から透明な毛を通して向けられる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
一つまたは二つ以上の波長の光は、ブラシヘッドの第1部分から、第1部分の開口に配置された光導波管を通して向けられる、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
一つまたは二つ以上の波長の光は、ブラシヘッドの第2部分の透明な毛を通して向けられ、第2部分は第1部分を同心状に取り囲み且つ複数の毛の房のリングを備え、第2部分は動作中において静止したままである、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
一つまたは二つ以上の波長の光は、ブラシヘッドの第2部分の開口に配置された光導波管を通して伝達され、第2部分は第1部分の周りにおいて静止状態で同心状である、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
光は、ブラシヘッドの中心近傍に位置する一つ又はそれ以上の光導波管から向けられる、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
光源は、ブラシヘッドに配置された光エミッタを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
光エミッタは、ブラシヘッドの第1部分にある、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
光エミッタはブラシヘッドの第2部分にあり、第2部分は第1部分の周りにおいて静止状態で同心状である、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
光エミッタは、ブラシヘッドの中心の近傍にある、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
更に、ブラシヘッドと皮膚との間の接触を検知するための回路と、皮膚との接触がなされたという検出回路からの指示に応答して光源をオンにする制御回路を備え、その結果として光がブラシヘッドから向けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
制御回路は、ブラシヘッドと皮膚との接触が無くなった場合に光源をオフにする、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
更に、ブラシヘッド部材によって作用された領域における皮膚に対して皮膚治療製剤を付与するためのアセンブリを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
皮膚疾患の治療のための方法であって、
皮膚を損傷させることなく反対方向に皮膚を伸ばすために、選択された周波数で選択された角度にわたって回転する皮膚ブラシ器具によって皮膚に往復の応力作用を付与し、
皮膚ブラシのブラシヘッド部から皮膚ブラシによって応力作用が付与された領域へ、選択された皮膚疾患の治療に適した少なくとも一つの波長を有する光を照射する、方法。
【請求項25】
選択された周波数は60〜700Hzの範囲内である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
皮膚疾患はニキビである、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
皮膚疾患は、皮膚の若返り、コラーゲン処理、皮膚感染症、皮膚の色素沈着、瘢痕組織低減、乾癬、脂漏症、皮膚炎、創傷治癒、皮膚の抗加齢、抜け毛、脱毛および皮膚がんの1つ又はそれ以上である、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
更に、皮膚の前記領域へ、選択された皮膚疾患の治療のための皮膚製剤を付与するステップを含み、皮膚製剤の効果は光の作用および/又はブラシの作用によって増強される、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
更に、皮膚の前記領域へ、選択された皮膚疾患の治療のための皮膚製剤を付与するステップを含み、光の効果は製剤によって増強される、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
光は、複数の光源によって生成される、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
光源は、単一の波長を有する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
光源は、二つ以上の波長を有する、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
複数の光源は、ブラシヘッドの第1の回転部分にある、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
光源は、ブラシヘッドの静止部分である第2の部分にある、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
光源は、器具のハンドル部に配置された光エミッタを備え、光エミッタからの光は器具のブラシヘッドから向けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項36】
光源は、器具のブラシヘッドに配置された光エミッタを備える、請求項24に記載の方法。
【請求項37】
光源は、連続光である、請求項24に記載の方法。
【請求項38】
光源は、パルス光である、請求項24に記載の方法。
【請求項39】
皮膚疾患の治療のための装置であって、
装置のためのハウジング部材と、
ハウジング部材に取り付けられるようになっているブラシヘッド部材であって、複数の毛の房を備えると共に停止/中立位置に関して往復移動する第1部分と、
ブラシヘッド部材のための駆動アセンブリと、
選択された皮膚疾患の治療に適した波長を有する少なくとも1つの光源とを備え、光はブラシヘッド部材から向けられる、装置。
【請求項1】
皮膚疾患の治療のための装置であって、
装置のためのハウジング部材と、
ハウジング部材に取り付けられるようになっているブラシヘッド部材であって、複数の毛の房のリングを含み、且つ動作中に選択された角度にわたって振動する第1の部分を備えるブラシヘッド部材と、
ブラシヘッド部材のための駆動アセンブリと、
選択された皮膚疾患の治療に適した波長を有する少なくとも1つの光源を備え、光はブラシヘッド部材から向けられる、装置。
【請求項2】
光は単色である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
治療される皮膚疾患は、ニキビである、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
皮膚疾患は、皮膚の若返り、コラーゲン処理、皮膚感染症、皮膚の色素沈着、瘢痕組織低減、乾癬、脂漏症、皮膚炎、創傷治癒、皮膚の抗加齢、抜け毛、脱毛および皮膚がんの1つ又はそれ以上である、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
皮膚疾患の治療に適した光を生成する複数の光源を備える、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
光源は、すべて同じ波長を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
光源は、2つ以上の波長を有する、請求項5に記載の装置。
【請求項8】
光源は、単色である、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
光は、連続光である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
光は、パルス光である、請求項1に記載の装置。
【請求項11】
光源は、ブラシヘッドから離れたハウジング内に光エミッタを備えている、請求項1に記載の装置。
【請求項12】
一つまたは二つ以上の波長の光は、ブラシヘッドの第1部分から透明な毛を通して向けられる、請求項11に記載の装置。
【請求項13】
一つまたは二つ以上の波長の光は、ブラシヘッドの第1部分から、第1部分の開口に配置された光導波管を通して向けられる、請求項11に記載の装置。
【請求項14】
一つまたは二つ以上の波長の光は、ブラシヘッドの第2部分の透明な毛を通して向けられ、第2部分は第1部分を同心状に取り囲み且つ複数の毛の房のリングを備え、第2部分は動作中において静止したままである、請求項11に記載の装置。
【請求項15】
一つまたは二つ以上の波長の光は、ブラシヘッドの第2部分の開口に配置された光導波管を通して伝達され、第2部分は第1部分の周りにおいて静止状態で同心状である、請求項11に記載の装置。
【請求項16】
光は、ブラシヘッドの中心近傍に位置する一つ又はそれ以上の光導波管から向けられる、請求項11に記載の装置。
【請求項17】
光源は、ブラシヘッドに配置された光エミッタを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項18】
光エミッタは、ブラシヘッドの第1部分にある、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
光エミッタはブラシヘッドの第2部分にあり、第2部分は第1部分の周りにおいて静止状態で同心状である、請求項17に記載の装置。
【請求項20】
光エミッタは、ブラシヘッドの中心の近傍にある、請求項17に記載の装置。
【請求項21】
更に、ブラシヘッドと皮膚との間の接触を検知するための回路と、皮膚との接触がなされたという検出回路からの指示に応答して光源をオンにする制御回路を備え、その結果として光がブラシヘッドから向けられる、請求項1に記載の装置。
【請求項22】
制御回路は、ブラシヘッドと皮膚との接触が無くなった場合に光源をオフにする、請求項21に記載の装置。
【請求項23】
更に、ブラシヘッド部材によって作用された領域における皮膚に対して皮膚治療製剤を付与するためのアセンブリを備える、請求項1に記載の装置。
【請求項24】
皮膚疾患の治療のための方法であって、
皮膚を損傷させることなく反対方向に皮膚を伸ばすために、選択された周波数で選択された角度にわたって回転する皮膚ブラシ器具によって皮膚に往復の応力作用を付与し、
皮膚ブラシのブラシヘッド部から皮膚ブラシによって応力作用が付与された領域へ、選択された皮膚疾患の治療に適した少なくとも一つの波長を有する光を照射する、方法。
【請求項25】
選択された周波数は60〜700Hzの範囲内である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
皮膚疾患はニキビである、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
皮膚疾患は、皮膚の若返り、コラーゲン処理、皮膚感染症、皮膚の色素沈着、瘢痕組織低減、乾癬、脂漏症、皮膚炎、創傷治癒、皮膚の抗加齢、抜け毛、脱毛および皮膚がんの1つ又はそれ以上である、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
更に、皮膚の前記領域へ、選択された皮膚疾患の治療のための皮膚製剤を付与するステップを含み、皮膚製剤の効果は光の作用および/又はブラシの作用によって増強される、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
更に、皮膚の前記領域へ、選択された皮膚疾患の治療のための皮膚製剤を付与するステップを含み、光の効果は製剤によって増強される、請求項24に記載の方法。
【請求項30】
光は、複数の光源によって生成される、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
光源は、単一の波長を有する、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
光源は、二つ以上の波長を有する、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
複数の光源は、ブラシヘッドの第1の回転部分にある、請求項30に記載の方法。
【請求項34】
光源は、ブラシヘッドの静止部分である第2の部分にある、請求項30に記載の方法。
【請求項35】
光源は、器具のハンドル部に配置された光エミッタを備え、光エミッタからの光は器具のブラシヘッドから向けられる、請求項24に記載の方法。
【請求項36】
光源は、器具のブラシヘッドに配置された光エミッタを備える、請求項24に記載の方法。
【請求項37】
光源は、連続光である、請求項24に記載の方法。
【請求項38】
光源は、パルス光である、請求項24に記載の方法。
【請求項39】
皮膚疾患の治療のための装置であって、
装置のためのハウジング部材と、
ハウジング部材に取り付けられるようになっているブラシヘッド部材であって、複数の毛の房を備えると共に停止/中立位置に関して往復移動する第1部分と、
ブラシヘッド部材のための駆動アセンブリと、
選択された皮膚疾患の治療に適した波長を有する少なくとも1つの光源とを備え、光はブラシヘッド部材から向けられる、装置。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【公表番号】特表2011−509113(P2011−509113A)
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−541436(P2010−541436)
【出願日】平成20年12月30日(2008.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/014100
【国際公開番号】WO2009/088463
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(505359481)パシフィック・バイオサイエンス・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド (10)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年3月24日(2011.3.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月30日(2008.12.30)
【国際出願番号】PCT/US2008/014100
【国際公開番号】WO2009/088463
【国際公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(505359481)パシフィック・バイオサイエンス・ラボラトリーズ・インコーポレーテッド (10)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]