振動コンベヤ
【課題】ゴムブッシュやボス部の熱に対する耐性を高めて衝撃等に強く駆動効率も安定的に維持することができるようにした搬送コンベヤを提供する。
【解決手段】フレーム及びこのフレームに対して振動するトラフ2と、これらフレーム及びトラフ2の間に介在されるレバー3とを具備し、レバー3の両端がフレーム及びトラフ2の側面に突設したボス部21等にゴムブッシュ4を介して回動可能に接続されるものにおいて、トラフ2に突設されるボス部21に冷却面8aがボス部21の内周に接するように冷却手段8を設けた。
【解決手段】フレーム及びこのフレームに対して振動するトラフ2と、これらフレーム及びトラフ2の間に介在されるレバー3とを具備し、レバー3の両端がフレーム及びトラフ2の側面に突設したボス部21等にゴムブッシュ4を介して回動可能に接続されるものにおいて、トラフ2に突設されるボス部21に冷却面8aがボス部21の内周に接するように冷却手段8を設けた。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性を高めた振動コンベヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の振動コンベヤとして、特許文献1、2に示すもの等が知られている。これらのものは、図12にも示すように、搬送方向に沿って延びるフレーム1、及び、断面上向きコ字形のトラフ2と、これらフレーム1及びトラフ2の間に介在されるレバー3とを具備している。フレーム1及びトラフ2の側面には金属製のボス部11,21が突出しており、一方、レバー3の両端には金属製の外筒31,31が溶接等により取り付けられていて、これらの外筒31、31がボス部11,21に、ゴムブッシュ4を介して回動可能に外嵌されている。フレーム1とトラフ2の間にはさらに、前記レバー3に交叉する方向にコイルばね5が取り付けられているとともに、加振源(図12においては省略)から振動を与え得るように構成してあり、コイルばね5の作動時には圧縮、引張りと共に同一のたわみを受けて振動力の大部分を蓄え振動の同調に働くようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−197154号公報
【特許文献2】特開平7−237726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような振動コンベヤは、焼却炉における廃材のような高温の搬送物を搬送する目的で使用される場合が少なくない。このような搬送物は200〜300℃、さらには700〜800℃近くに及ぶ場合も少なくなく、周囲の放射熱等も手伝って、トラフの側面は極めて高温になる。
【0005】
しかして、ボス部は加振に耐える強度を保つために、通常、トラフの側面に溶接等により取り付けてあり、ボス部とゴムブッシュの間の熱伝導率は高い。この種のゴムブッシュには一般に天然ゴムが使われ、耐熱温度が70〜80℃であるため、トラフから伝わった熱でゴムが溶けるおそれがあり、またゴムが溶けないまでも硬化を早める要因になる。ゴムブッシュは、材料投入時の衝撃を吸収する緩衝材としての機能のほか、コイルばねと共同して共振状態を作り出す役割等をも果たしているため、ゴムが溶けたり硬化によりバネ定数が変化したりすると、衝撃等に対して脆弱になり、また振幅の減少を通じて駆動効率の低下等も招くことになる。さらに、ボス部は振動を頻繁に繰り返すため、ひび割れが発生し、耐久性を低下させる要因となる。
【0006】
本発明は、このような課題を有効に解決した搬送コンベヤを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0008】
すなわち、本発明の振動コンベヤは、フレーム及び当該フレームに対して振動するトラフと、これらフレーム及びトラフの間に介在されるレバーとを具備し、前記レバーの両端が前記フレーム及び前記トラフの側面に突設したボス部にゴムブッシュを介して回動可能に接続されるものにおいて、前記トラフに突設されるボス部に更に冷却手段を、冷却面がボス部の内周に接するように設けたことを特徴とする。
【0009】
このように構成すると、冷却手段により持ち込まれる冷熱がボス部の内周から外周を経てゴムブッシュに内側から伝達されるので、ゴムブッシュを効果的に冷却して不適切な温度にまで昇温することを有効に防止することができる。
【0010】
本発明を既存設備にて後付で有効に構成できるようにするためには、冷却手段が、ボス部に対し外段取りで要素部品を取り付けて構成可能な構造をなしていることが望ましい。
【0011】
取り扱いや取り付け作業を極めて簡素にする冷却手段としては、ボス部の内空に装着される筒部と、この筒部の少なくとも外方端を閉止する閉止部材と、前記閉止部材に設けられて前記筒部の内空を往来する流路を形成する隔壁と、前記閉止部材を貫通して前記流路の一端側と他端側にそれぞれ接続される媒体導出入路とを具備しているものが挙げられる。
【0012】
ボス部の内径誤差等に現場にて柔軟に対応可能とするためには、冷却手段が、ボス部の内周に沿うように巻回状態で装入される可撓性のパイプ部材と、このパイプ部材の巻回状態を保持する保持手段とを具備し、前記パイプ部材の一端側から媒体を導入して他端側から導出し得るように構成されていることが望ましい。
【0013】
また、本発明の他の構成に係る振動コンベヤは、フレーム及び当該フレームに対して振動するトラフと、これらフレーム及びトラフの間に介在されるレバーとを具備し、前記レバーの両端が前記フレーム及び前記トラフの側面に突設したボス部にゴムブッシュを介して回動可能に接続されるものにおいて、ボス部の中間部をトラフの側面に補強部材を介して支持させ、ボス部の中間部よりも先端側に前記ゴムブッシュを介して前記レバーの端部を接続していることを特徴とする。
【0014】
このように構成すると、ボス部の強度を損なうことなく、ゴムブッシュをトラフから極力遠い位置に取り付けることができるので、トラフからゴムブッシュへの伝熱を減らして、昇温をより有効に防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上説明した構成であるから、ゴムブッシュやボス部の熱に対する耐性を高めて衝撃等に強く駆動効率も安定的に維持することができ、さらに既設の搬送製品にも容易に適用できてその機能を高め得るようにした新規有用な搬送コンベヤを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係る振動コンベヤの概略的な全体側面図。
【図2】同実施形態の振動コンベヤに適用される冷却手段を示す要部拡大側面図。
【図3】図2におけるIII−III線断面図。
【図4】同冷却手段を構成するユニットを示す図。
【図5】本発明の第2実施形態に係る冷却手段を示す要部拡大側面図。
【図6】図5におけるVI−VI線断面図。
【図7】同冷却手段の装着状態を示す図。
【図8】冷却手段の適用が好適となる振動コンベア上の他の部位を示す図。
【図9】図8の部位に適用される冷却手段の一例を示す図。
【図10】図8の部位に適用される冷却手段の他の例を示す図。
【図11】図8の部位に適用される冷却手段のさらに他の例を示す図。
【図12】従来の振動コンベヤの一部を示す部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
【0018】
この実施形態の振動コンベヤは、図1に示すように、搬送方向に沿って延びるフレーム1、及び、断面上向きコ字形のトラフ2と、これらフレーム1及びトラフ2の間を連結するレバー3とを具備している。フレーム1は、床面に対して防振コイルばね10を介し移送方向へ向かって下向き傾斜1度で設置され、レバー3はフレーム1と上方のトラフ2とを移送方向の複数箇所(図示例では6か所)において60度傾斜した状態で連結してある。フレーム1及びトラフ2の側面1a、2aには図12に示したような金属製のボス部11,21が突出しており、一方、レバー3の両端には金属製の外筒31(図3参照)が溶接等により取り付けられていて、この外筒31がボス部11,21に、ゴムブッシュ4を介して回動可能に外嵌されている。
【0019】
より具体的には、上記トラフ2側のボス部21は図2及び図3等に示すようにトラフ2の側面2aに固定された取付板6に溶接・固定されており、これと同心的な同じく金属でなる外筒31はこの取付板6に対してフリーな状態にあって、これら外筒31とボス部21との間に環状のゴムを加硫接着させてなるゴムブッシュ4を配置している。ゴムには天然ゴムが使用されている。フレーム1側のボス部11と外筒31との関係も上記とほぼ同様である。
【0020】
また、フレーム1とトラフ2の間は、図1及び図2に示すコイルばね5によって連結してある。このコイルばね5は、上端部がトラフ2に対してレバー3の上端部においてレバー3と交叉する方向に取り付けられ、下端部がフレーム1に固定されているものである。レバー3はトラフ2の垂直荷重の大部分を支えると共に、トラフ2が側方へ動かないようにしてトラフ2の振動方向を規制している。コイルばね5は作動時には圧縮、引張りと共に同一のたわみを受けて振動力の大部分を蓄え振動の同調に働く。
【0021】
なお、図1に示されるように、フレーム1とトラフ2の間は、駆動部7によって振動が導入されるように構成してある。駆動部7は、フレーム1上の両側部にそれぞれ固定されたモータ71の出力軸のプーリ72と、同じくフレーム1上の両側部に固定された偏心軸73のプーリ74とにVベルト75が巻装されており、偏心軸73はモータ71によってベルト駆動される。偏心軸73には加振ロッド76が軸支されており、偏心軸73の回転は加振ロッド76の往復運動に変換される。加振ロッド76の先端部はトラフ2の側面に固定された取付け板77上の2枚のゴム板スプリング78に挟持されており、加振ロッド76の往復運動によってトラフ2が加振され、矢印nで示す方向、すなわち下流側へ向かって上向きの傾斜角度30度の方向に直線振動される。レバー3及びコイルばね5はかかる振動に同調してトラフ2の各部位を支持する。
【0022】
このような構成において、本実施形態は、前記トラフ3に突設される図2及び図3のボス部21に対して、更に冷却手段8を、冷却面8aがボス部21の一部である内周21aに接するように配置し、この冷却手段8により、ボス部21を介してゴムブッシュ4を内周4a側から冷却し得るように構成している。
【0023】
具体的に説明すると、冷却手段8は、図4に示すようにボス部21に装着される冷却ユニット81を主体とするもので、この冷却ユニット81は筒部81aの両端に閉止部材81b、81cを有した円筒状をなし、前記ボス部21の内周に緊密に装着できる外径寸法に設定されている。この冷却ユニット81の一方の閉止部材81bには内部を下半部の室S1と上半部の室S2に部分的に区画する隔壁82が一体的に設けてあり、隔壁82の内奥において両室S1,S2を連通させている。前記閉止部材81bには2箇所にソケット83a、84aや図示しないホース等を用いた媒体導出入路83、84が接続されている。媒体導出入路83、84は閉止部材81bを貫通して各室S1,S2に連通させてあり、ボス部21の内空に図3に示すように両媒体導出路83,84間を接続する流路Fを形成している。この実施形態では、下側の媒体導出入路83に冷却源を接続し、上側の媒体導出入路84をドレン等に開放して、前記流路Fに下から上に向かう冷却水の流れを形成している。
【0024】
また、本実施形態において前記ボス部21は、チャネル状の補強部材9によって補強してある。この補強部材9は、一対の対向部91の基端をトラフ2の側面2aに設けた取付板6に溶接継手xを介して剛接され、頂部92に設けた孔92aにボス部21を貫通させているもので、この頂部92とボス部21の中間部との間も溶接継手xを介して剛接してある。そして、ボス部21の中間部よりも先端側に、前記ゴムブッシュ4を介して前記レバー3の端部に設けた外筒31を接続している。
【0025】
以上のように、本実施形態の振動コンベヤは、フレーム1及び当該フレーム1に対して振動するトラフ2と、これらフレーム1及びトラフ2の間に介在されるレバー3とを具備し、前記レバー3の両端が前記フレーム1及び前記トラフ2の側面に突設したボス部11,21にゴムブッシュ4を介して回動可能に接続されるものである。
【0026】
そして、本実施形態は前記トラフ2に突設されるボス部21に更に冷却手段8を、冷却面8aがボス部21の内周に接するように設けたことを特徴とする。
【0027】
このように構成すると、冷却手段8により持ち込まれる冷熱がボス部21の内周から外周を経てゴムブッシュ4に内側から伝達されるので、ゴムブッシュ4を効果的に冷却することができ、ゴムブッシュ4が不適切な温度にまで昇温することを有効に防止することができる。さらに、ボス部21のひび割れ等も防止でき、ボス部21の延命にもつながる。したがって、熱に対する耐性を高めて衝撃等に強く駆動効率も安定的に維持することができる搬送コンベヤを提供することが可能となる。
【0028】
また、かかる冷却手段8は、ボス部21に対して外段取りで要素部品を取り付けて構成可能な構造のものであるため、既設の振動コンベヤに対しても後付けで冷却手段8を有効に導入してその機能を高め得ることができる。
【0029】
具体的にその冷却手段8は、ボス部21の内空に装着される筒部81aと、この筒部81aの少なくとも外方端を閉止する閉止部材81bと、前記閉止部材81bに設けられて前記筒部81aの内空を往来する流路Fを形成する隔壁82と、前記閉止部材81bを貫通して前記流路Fの一端側と他端側にそれぞれ接続される媒体導出入路83,84とを具備しており、これらをボス部21の内周に装着可能な冷却ユニット81としているので、取り扱いや取り付け作業の便を有効に高めることができる。
【0030】
さらに、ボス部21の中間部をトラフ2の側面2aに補強部材9を介して支持させ、ボス部21の中間部よりも先端側に前記ゴムブッシュ4を介して前記レバー3の端部を接続しているので、ボス部21の強度を損なうことなく、ゴムブッシュ4をトラフ2から極力遠い位置に取り付けてレバー3を接続することができ、これによりトラフ2からゴムブッシュ4への伝熱を減らして、昇温をより有効に防止することができる。
【0031】
加えて、本実施形態の冷却手段8は、冷却水をボス部21の内周に下から導入して上から導出するようにしているため、冷却源から背圧が掛かることを防止でき、また空気を混入させないために効率良い冷却を行うことが可能となる。
【0032】
なお、上記実施形態では、筒部の内方端の閉止部材をボス部の内周の途中までしか装入していないが、作業上の支障がなければ、ボス部の内周の奥まですなわちトラフの側面に当接ないし近接する位置まで筒部を装入することで、より高い冷却効果を得ることができる。
【0033】
また、冷却手段のうち内方端側の閉止部材を設けなくとも内部に有効に流路を形成することが可能である。
(第2実施形態)
【0034】
次に、本発明の第2実施形態を、図5〜図7を参照して説明する。なお、搬送コンベヤの基本的構成は図1と同様であるため、共通する部分の説明を省略する。
【0035】
この実施形態の搬送コンベヤは、トラフ2に突設されるボス部21の冷却に可撓性のパイプ部材181を利用した冷却手段108を構成したもので、この冷却手段108は、ボス部21の内周21aに沿うように巻回状態で装入される前記パイプ部材181と、このパイプ部材181の巻回状態を保持する保持手段(図示せず)とを具備する。パイプ部材181にはビニールチューブ等が利用可能であり、例えば内径90mm程度のボス部21の内周に対して、内径6〜7mm程度のパイプ部材181を螺旋状に配管し、ホースバンドで固定する。ボス部21の内周とパイプ部材181の間は高熱伝導タイプの接着剤(シリコン等)で固める。これらのホースバンドや接着剤は上記保持手段としての役割を果たす。勿論、先に螺旋状に配管してホースバンドや接着剤等で形状を保持してユニット構造にした後に、ボス部21の内周に圧入するようにしてもよい。この場合にも、ボス部21の内周とパイプ部材181の間に更に接着剤等の保持手段を介在させておくことが有効となる。以上により、パイプ部材181の冷却面181aはボス部21の内周21aに接した状態とされる。
【0036】
パイプ部材181の両端はボス部21の外方端に位置していて、これらの両端にはソケット183a、184aや図示しないホース等を用いた媒体導出入路183、184が接続されており、この実施形態でも、下側の媒体導出入路183に冷却源を接続し、上側の媒体導出入路184をドレン等に開放して、前記流路Fに下から上に向かう冷却水の流れを形成するようにしている。
【0037】
なお、ボス部21の中間部をトラフ2の側面2aに補強部材9を介して支持させ、ボス部21の中間部よりも先端側に前記ゴムブッシュ4を介して前記レバー3の端部を接続している点も前記実施形態と同様である。
【0038】
このように構成しても、前記実施形態と同様、冷却手段108により持ち込まれる冷熱がボス部21の内周から外周を経てゴムブッシュ4に内側から伝達されるので、ゴムブッシュ4を効果的に冷却することができ、ゴムブッシュ4が不適切な温度にまで昇温することを有効に防止することができる。さらに、ボス部21のひび割れ等も防止でき、ボス部21の延命にもつながる。したがって、熱に対する耐性を高めて衝撃等に強く駆動効率も安定的に維持することができる搬送コンベヤを提供することが可能となる。
【0039】
また、かかる冷却手段108も、ボス部21に対して外段取りで要素部品を取り付けて構成可能な構造であるため、既設の振動コンベヤに対しても後付けで冷却手段108を有効に導入してその機能を高め得ることができる。
【0040】
特に本実施形態の冷却手段8は、冷却手段108が、ボス部21の内周に沿うように巻回状態で装入される可撓性のパイプ部材181と、このパイプ部材181の巻回状態を保持する保持手段とを具備し、前記パイプ部材181の一端側から媒体を導入して他端側から導出し得るように構成しており、冷却手段108がフレキシブルな構造になるため、ボス部21の内径誤差等に現場等で柔軟に対応することができるようになる。
【0041】
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0042】
例えば、冷却媒体としては、冷却水以外に冷却オイルや冷却ガス等を用いることも可能である。
【0043】
また、図8に示すように、トラフ2に取り付けた取付板20にフレームパイプ20aが架設され、このフレームパイプ20aの端部に振動モータMが取り付けられている構造の振動コンベアにおいては、トラフ2からの熱が取付板20およびフレームパイプ20aを介して振動モータMに伝わり、当該振動モータMが過熱状態に陥って、損傷や破損に至ることがある。フレームパイプ20aを肉厚してトラフ2からの熱をフレームパイプ20aに蓄熱することにより振動モータMへの熱伝導を抑制することも考えられるが、装置全体の強度低下につながるため、実際には採用は難しい。
【0044】
そこで、フレームパイプ20aから振動モータMへの熱伝導率の高い部位に、上記実施形態に準じて冷却手段を設けておくことが有効となる。具体例としては、図9に示すようにフレームパイプ20aの端部と振動モータMとの間に冷却手段としてドーナツ状の水冷タンク208を設けたものが挙げられる。この水冷タンク208には2箇所に媒体導出入口208a、208bが設けてあり、一方の媒体導出入口208aから導入した冷却水を内部で循環させて他方の媒体導出入口208bから導出することで熱を汲み出し、これにより振動モータMへの熱伝導を抑制して、振動モータMの加熱防止を図っているものである。
【0045】
さらに、他の冷却手段として、図10に示すようにフレームパイプ20aの中空部S内にホース308を螺旋状にして挿入し、ホース308に冷水を流して、熱をフレームパイプ20aの内部にのみ伝導させて汲み出すことで振動モータMへの熱伝導を抑制する構成も、振動モータMの過熱防止に有効となる。さらにまた、冷却手段として、図11に示すようなドーナツ状の断熱材408を振動モータMとフレームパイプ20aとの間に設ける構成も、簡素な過熱防止手段として効果的なものとなる。
【0046】
その他、本発明を振動スクリーン(振動ふるい)に適用するなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0047】
1…フレーム
2…トラフ
3…レバー
4…ゴムブッシュ
8…冷却手段
8a…冷却面
9…補強部材
11…ボス部
21…ボス部
81a…筒部
81b…閉止部材
82…隔壁
83、84…媒体導出入路
108…冷却手段
108a…冷却面
181…パイプ部材
F…流路
【技術分野】
【0001】
本発明は、耐熱性を高めた振動コンベヤに関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の振動コンベヤとして、特許文献1、2に示すもの等が知られている。これらのものは、図12にも示すように、搬送方向に沿って延びるフレーム1、及び、断面上向きコ字形のトラフ2と、これらフレーム1及びトラフ2の間に介在されるレバー3とを具備している。フレーム1及びトラフ2の側面には金属製のボス部11,21が突出しており、一方、レバー3の両端には金属製の外筒31,31が溶接等により取り付けられていて、これらの外筒31、31がボス部11,21に、ゴムブッシュ4を介して回動可能に外嵌されている。フレーム1とトラフ2の間にはさらに、前記レバー3に交叉する方向にコイルばね5が取り付けられているとともに、加振源(図12においては省略)から振動を与え得るように構成してあり、コイルばね5の作動時には圧縮、引張りと共に同一のたわみを受けて振動力の大部分を蓄え振動の同調に働くようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−197154号公報
【特許文献2】特開平7−237726号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、このような振動コンベヤは、焼却炉における廃材のような高温の搬送物を搬送する目的で使用される場合が少なくない。このような搬送物は200〜300℃、さらには700〜800℃近くに及ぶ場合も少なくなく、周囲の放射熱等も手伝って、トラフの側面は極めて高温になる。
【0005】
しかして、ボス部は加振に耐える強度を保つために、通常、トラフの側面に溶接等により取り付けてあり、ボス部とゴムブッシュの間の熱伝導率は高い。この種のゴムブッシュには一般に天然ゴムが使われ、耐熱温度が70〜80℃であるため、トラフから伝わった熱でゴムが溶けるおそれがあり、またゴムが溶けないまでも硬化を早める要因になる。ゴムブッシュは、材料投入時の衝撃を吸収する緩衝材としての機能のほか、コイルばねと共同して共振状態を作り出す役割等をも果たしているため、ゴムが溶けたり硬化によりバネ定数が変化したりすると、衝撃等に対して脆弱になり、また振幅の減少を通じて駆動効率の低下等も招くことになる。さらに、ボス部は振動を頻繁に繰り返すため、ひび割れが発生し、耐久性を低下させる要因となる。
【0006】
本発明は、このような課題を有効に解決した搬送コンベヤを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0008】
すなわち、本発明の振動コンベヤは、フレーム及び当該フレームに対して振動するトラフと、これらフレーム及びトラフの間に介在されるレバーとを具備し、前記レバーの両端が前記フレーム及び前記トラフの側面に突設したボス部にゴムブッシュを介して回動可能に接続されるものにおいて、前記トラフに突設されるボス部に更に冷却手段を、冷却面がボス部の内周に接するように設けたことを特徴とする。
【0009】
このように構成すると、冷却手段により持ち込まれる冷熱がボス部の内周から外周を経てゴムブッシュに内側から伝達されるので、ゴムブッシュを効果的に冷却して不適切な温度にまで昇温することを有効に防止することができる。
【0010】
本発明を既存設備にて後付で有効に構成できるようにするためには、冷却手段が、ボス部に対し外段取りで要素部品を取り付けて構成可能な構造をなしていることが望ましい。
【0011】
取り扱いや取り付け作業を極めて簡素にする冷却手段としては、ボス部の内空に装着される筒部と、この筒部の少なくとも外方端を閉止する閉止部材と、前記閉止部材に設けられて前記筒部の内空を往来する流路を形成する隔壁と、前記閉止部材を貫通して前記流路の一端側と他端側にそれぞれ接続される媒体導出入路とを具備しているものが挙げられる。
【0012】
ボス部の内径誤差等に現場にて柔軟に対応可能とするためには、冷却手段が、ボス部の内周に沿うように巻回状態で装入される可撓性のパイプ部材と、このパイプ部材の巻回状態を保持する保持手段とを具備し、前記パイプ部材の一端側から媒体を導入して他端側から導出し得るように構成されていることが望ましい。
【0013】
また、本発明の他の構成に係る振動コンベヤは、フレーム及び当該フレームに対して振動するトラフと、これらフレーム及びトラフの間に介在されるレバーとを具備し、前記レバーの両端が前記フレーム及び前記トラフの側面に突設したボス部にゴムブッシュを介して回動可能に接続されるものにおいて、ボス部の中間部をトラフの側面に補強部材を介して支持させ、ボス部の中間部よりも先端側に前記ゴムブッシュを介して前記レバーの端部を接続していることを特徴とする。
【0014】
このように構成すると、ボス部の強度を損なうことなく、ゴムブッシュをトラフから極力遠い位置に取り付けることができるので、トラフからゴムブッシュへの伝熱を減らして、昇温をより有効に防止することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、以上説明した構成であるから、ゴムブッシュやボス部の熱に対する耐性を高めて衝撃等に強く駆動効率も安定的に維持することができ、さらに既設の搬送製品にも容易に適用できてその機能を高め得るようにした新規有用な搬送コンベヤを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1実施形態に係る振動コンベヤの概略的な全体側面図。
【図2】同実施形態の振動コンベヤに適用される冷却手段を示す要部拡大側面図。
【図3】図2におけるIII−III線断面図。
【図4】同冷却手段を構成するユニットを示す図。
【図5】本発明の第2実施形態に係る冷却手段を示す要部拡大側面図。
【図6】図5におけるVI−VI線断面図。
【図7】同冷却手段の装着状態を示す図。
【図8】冷却手段の適用が好適となる振動コンベア上の他の部位を示す図。
【図9】図8の部位に適用される冷却手段の一例を示す図。
【図10】図8の部位に適用される冷却手段の他の例を示す図。
【図11】図8の部位に適用される冷却手段のさらに他の例を示す図。
【図12】従来の振動コンベヤの一部を示す部分拡大図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
(第1実施形態)
【0018】
この実施形態の振動コンベヤは、図1に示すように、搬送方向に沿って延びるフレーム1、及び、断面上向きコ字形のトラフ2と、これらフレーム1及びトラフ2の間を連結するレバー3とを具備している。フレーム1は、床面に対して防振コイルばね10を介し移送方向へ向かって下向き傾斜1度で設置され、レバー3はフレーム1と上方のトラフ2とを移送方向の複数箇所(図示例では6か所)において60度傾斜した状態で連結してある。フレーム1及びトラフ2の側面1a、2aには図12に示したような金属製のボス部11,21が突出しており、一方、レバー3の両端には金属製の外筒31(図3参照)が溶接等により取り付けられていて、この外筒31がボス部11,21に、ゴムブッシュ4を介して回動可能に外嵌されている。
【0019】
より具体的には、上記トラフ2側のボス部21は図2及び図3等に示すようにトラフ2の側面2aに固定された取付板6に溶接・固定されており、これと同心的な同じく金属でなる外筒31はこの取付板6に対してフリーな状態にあって、これら外筒31とボス部21との間に環状のゴムを加硫接着させてなるゴムブッシュ4を配置している。ゴムには天然ゴムが使用されている。フレーム1側のボス部11と外筒31との関係も上記とほぼ同様である。
【0020】
また、フレーム1とトラフ2の間は、図1及び図2に示すコイルばね5によって連結してある。このコイルばね5は、上端部がトラフ2に対してレバー3の上端部においてレバー3と交叉する方向に取り付けられ、下端部がフレーム1に固定されているものである。レバー3はトラフ2の垂直荷重の大部分を支えると共に、トラフ2が側方へ動かないようにしてトラフ2の振動方向を規制している。コイルばね5は作動時には圧縮、引張りと共に同一のたわみを受けて振動力の大部分を蓄え振動の同調に働く。
【0021】
なお、図1に示されるように、フレーム1とトラフ2の間は、駆動部7によって振動が導入されるように構成してある。駆動部7は、フレーム1上の両側部にそれぞれ固定されたモータ71の出力軸のプーリ72と、同じくフレーム1上の両側部に固定された偏心軸73のプーリ74とにVベルト75が巻装されており、偏心軸73はモータ71によってベルト駆動される。偏心軸73には加振ロッド76が軸支されており、偏心軸73の回転は加振ロッド76の往復運動に変換される。加振ロッド76の先端部はトラフ2の側面に固定された取付け板77上の2枚のゴム板スプリング78に挟持されており、加振ロッド76の往復運動によってトラフ2が加振され、矢印nで示す方向、すなわち下流側へ向かって上向きの傾斜角度30度の方向に直線振動される。レバー3及びコイルばね5はかかる振動に同調してトラフ2の各部位を支持する。
【0022】
このような構成において、本実施形態は、前記トラフ3に突設される図2及び図3のボス部21に対して、更に冷却手段8を、冷却面8aがボス部21の一部である内周21aに接するように配置し、この冷却手段8により、ボス部21を介してゴムブッシュ4を内周4a側から冷却し得るように構成している。
【0023】
具体的に説明すると、冷却手段8は、図4に示すようにボス部21に装着される冷却ユニット81を主体とするもので、この冷却ユニット81は筒部81aの両端に閉止部材81b、81cを有した円筒状をなし、前記ボス部21の内周に緊密に装着できる外径寸法に設定されている。この冷却ユニット81の一方の閉止部材81bには内部を下半部の室S1と上半部の室S2に部分的に区画する隔壁82が一体的に設けてあり、隔壁82の内奥において両室S1,S2を連通させている。前記閉止部材81bには2箇所にソケット83a、84aや図示しないホース等を用いた媒体導出入路83、84が接続されている。媒体導出入路83、84は閉止部材81bを貫通して各室S1,S2に連通させてあり、ボス部21の内空に図3に示すように両媒体導出路83,84間を接続する流路Fを形成している。この実施形態では、下側の媒体導出入路83に冷却源を接続し、上側の媒体導出入路84をドレン等に開放して、前記流路Fに下から上に向かう冷却水の流れを形成している。
【0024】
また、本実施形態において前記ボス部21は、チャネル状の補強部材9によって補強してある。この補強部材9は、一対の対向部91の基端をトラフ2の側面2aに設けた取付板6に溶接継手xを介して剛接され、頂部92に設けた孔92aにボス部21を貫通させているもので、この頂部92とボス部21の中間部との間も溶接継手xを介して剛接してある。そして、ボス部21の中間部よりも先端側に、前記ゴムブッシュ4を介して前記レバー3の端部に設けた外筒31を接続している。
【0025】
以上のように、本実施形態の振動コンベヤは、フレーム1及び当該フレーム1に対して振動するトラフ2と、これらフレーム1及びトラフ2の間に介在されるレバー3とを具備し、前記レバー3の両端が前記フレーム1及び前記トラフ2の側面に突設したボス部11,21にゴムブッシュ4を介して回動可能に接続されるものである。
【0026】
そして、本実施形態は前記トラフ2に突設されるボス部21に更に冷却手段8を、冷却面8aがボス部21の内周に接するように設けたことを特徴とする。
【0027】
このように構成すると、冷却手段8により持ち込まれる冷熱がボス部21の内周から外周を経てゴムブッシュ4に内側から伝達されるので、ゴムブッシュ4を効果的に冷却することができ、ゴムブッシュ4が不適切な温度にまで昇温することを有効に防止することができる。さらに、ボス部21のひび割れ等も防止でき、ボス部21の延命にもつながる。したがって、熱に対する耐性を高めて衝撃等に強く駆動効率も安定的に維持することができる搬送コンベヤを提供することが可能となる。
【0028】
また、かかる冷却手段8は、ボス部21に対して外段取りで要素部品を取り付けて構成可能な構造のものであるため、既設の振動コンベヤに対しても後付けで冷却手段8を有効に導入してその機能を高め得ることができる。
【0029】
具体的にその冷却手段8は、ボス部21の内空に装着される筒部81aと、この筒部81aの少なくとも外方端を閉止する閉止部材81bと、前記閉止部材81bに設けられて前記筒部81aの内空を往来する流路Fを形成する隔壁82と、前記閉止部材81bを貫通して前記流路Fの一端側と他端側にそれぞれ接続される媒体導出入路83,84とを具備しており、これらをボス部21の内周に装着可能な冷却ユニット81としているので、取り扱いや取り付け作業の便を有効に高めることができる。
【0030】
さらに、ボス部21の中間部をトラフ2の側面2aに補強部材9を介して支持させ、ボス部21の中間部よりも先端側に前記ゴムブッシュ4を介して前記レバー3の端部を接続しているので、ボス部21の強度を損なうことなく、ゴムブッシュ4をトラフ2から極力遠い位置に取り付けてレバー3を接続することができ、これによりトラフ2からゴムブッシュ4への伝熱を減らして、昇温をより有効に防止することができる。
【0031】
加えて、本実施形態の冷却手段8は、冷却水をボス部21の内周に下から導入して上から導出するようにしているため、冷却源から背圧が掛かることを防止でき、また空気を混入させないために効率良い冷却を行うことが可能となる。
【0032】
なお、上記実施形態では、筒部の内方端の閉止部材をボス部の内周の途中までしか装入していないが、作業上の支障がなければ、ボス部の内周の奥まですなわちトラフの側面に当接ないし近接する位置まで筒部を装入することで、より高い冷却効果を得ることができる。
【0033】
また、冷却手段のうち内方端側の閉止部材を設けなくとも内部に有効に流路を形成することが可能である。
(第2実施形態)
【0034】
次に、本発明の第2実施形態を、図5〜図7を参照して説明する。なお、搬送コンベヤの基本的構成は図1と同様であるため、共通する部分の説明を省略する。
【0035】
この実施形態の搬送コンベヤは、トラフ2に突設されるボス部21の冷却に可撓性のパイプ部材181を利用した冷却手段108を構成したもので、この冷却手段108は、ボス部21の内周21aに沿うように巻回状態で装入される前記パイプ部材181と、このパイプ部材181の巻回状態を保持する保持手段(図示せず)とを具備する。パイプ部材181にはビニールチューブ等が利用可能であり、例えば内径90mm程度のボス部21の内周に対して、内径6〜7mm程度のパイプ部材181を螺旋状に配管し、ホースバンドで固定する。ボス部21の内周とパイプ部材181の間は高熱伝導タイプの接着剤(シリコン等)で固める。これらのホースバンドや接着剤は上記保持手段としての役割を果たす。勿論、先に螺旋状に配管してホースバンドや接着剤等で形状を保持してユニット構造にした後に、ボス部21の内周に圧入するようにしてもよい。この場合にも、ボス部21の内周とパイプ部材181の間に更に接着剤等の保持手段を介在させておくことが有効となる。以上により、パイプ部材181の冷却面181aはボス部21の内周21aに接した状態とされる。
【0036】
パイプ部材181の両端はボス部21の外方端に位置していて、これらの両端にはソケット183a、184aや図示しないホース等を用いた媒体導出入路183、184が接続されており、この実施形態でも、下側の媒体導出入路183に冷却源を接続し、上側の媒体導出入路184をドレン等に開放して、前記流路Fに下から上に向かう冷却水の流れを形成するようにしている。
【0037】
なお、ボス部21の中間部をトラフ2の側面2aに補強部材9を介して支持させ、ボス部21の中間部よりも先端側に前記ゴムブッシュ4を介して前記レバー3の端部を接続している点も前記実施形態と同様である。
【0038】
このように構成しても、前記実施形態と同様、冷却手段108により持ち込まれる冷熱がボス部21の内周から外周を経てゴムブッシュ4に内側から伝達されるので、ゴムブッシュ4を効果的に冷却することができ、ゴムブッシュ4が不適切な温度にまで昇温することを有効に防止することができる。さらに、ボス部21のひび割れ等も防止でき、ボス部21の延命にもつながる。したがって、熱に対する耐性を高めて衝撃等に強く駆動効率も安定的に維持することができる搬送コンベヤを提供することが可能となる。
【0039】
また、かかる冷却手段108も、ボス部21に対して外段取りで要素部品を取り付けて構成可能な構造であるため、既設の振動コンベヤに対しても後付けで冷却手段108を有効に導入してその機能を高め得ることができる。
【0040】
特に本実施形態の冷却手段8は、冷却手段108が、ボス部21の内周に沿うように巻回状態で装入される可撓性のパイプ部材181と、このパイプ部材181の巻回状態を保持する保持手段とを具備し、前記パイプ部材181の一端側から媒体を導入して他端側から導出し得るように構成しており、冷却手段108がフレキシブルな構造になるため、ボス部21の内径誤差等に現場等で柔軟に対応することができるようになる。
【0041】
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではない。
【0042】
例えば、冷却媒体としては、冷却水以外に冷却オイルや冷却ガス等を用いることも可能である。
【0043】
また、図8に示すように、トラフ2に取り付けた取付板20にフレームパイプ20aが架設され、このフレームパイプ20aの端部に振動モータMが取り付けられている構造の振動コンベアにおいては、トラフ2からの熱が取付板20およびフレームパイプ20aを介して振動モータMに伝わり、当該振動モータMが過熱状態に陥って、損傷や破損に至ることがある。フレームパイプ20aを肉厚してトラフ2からの熱をフレームパイプ20aに蓄熱することにより振動モータMへの熱伝導を抑制することも考えられるが、装置全体の強度低下につながるため、実際には採用は難しい。
【0044】
そこで、フレームパイプ20aから振動モータMへの熱伝導率の高い部位に、上記実施形態に準じて冷却手段を設けておくことが有効となる。具体例としては、図9に示すようにフレームパイプ20aの端部と振動モータMとの間に冷却手段としてドーナツ状の水冷タンク208を設けたものが挙げられる。この水冷タンク208には2箇所に媒体導出入口208a、208bが設けてあり、一方の媒体導出入口208aから導入した冷却水を内部で循環させて他方の媒体導出入口208bから導出することで熱を汲み出し、これにより振動モータMへの熱伝導を抑制して、振動モータMの加熱防止を図っているものである。
【0045】
さらに、他の冷却手段として、図10に示すようにフレームパイプ20aの中空部S内にホース308を螺旋状にして挿入し、ホース308に冷水を流して、熱をフレームパイプ20aの内部にのみ伝導させて汲み出すことで振動モータMへの熱伝導を抑制する構成も、振動モータMの過熱防止に有効となる。さらにまた、冷却手段として、図11に示すようなドーナツ状の断熱材408を振動モータMとフレームパイプ20aとの間に設ける構成も、簡素な過熱防止手段として効果的なものとなる。
【0046】
その他、本発明を振動スクリーン(振動ふるい)に適用するなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0047】
1…フレーム
2…トラフ
3…レバー
4…ゴムブッシュ
8…冷却手段
8a…冷却面
9…補強部材
11…ボス部
21…ボス部
81a…筒部
81b…閉止部材
82…隔壁
83、84…媒体導出入路
108…冷却手段
108a…冷却面
181…パイプ部材
F…流路
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム及び当該フレームに対して振動するトラフと、これらフレーム及びトラフの間に介在されるレバーとを具備し、前記レバーの両端が前記フレーム及び前記トラフの側面に突設したボス部にゴムブッシュを介して回動可能に接続されるものにおいて、
前記トラフに突設されるボス部に更に冷却手段を、冷却面がボス部の内周に接するように設けたことを特徴とする振動コンベヤ。
【請求項2】
冷却手段が、ボス部に対し外段取りで要素部品を取り付けて構成可能な構造のものである請求項1記載の振動コンベヤ。
【請求項3】
冷却手段が、ボス部の内空に装着される筒部と、この筒部の少なくとも外方端を閉止する閉止部材と、前記閉止部材に設けられて前記筒部の内空を往来する流路を形成する隔壁と、前記閉止部材を貫通して前記流路の一端側と他端側にそれぞれ接続される媒体導出入路とを具備している請求項1又は2何れかに記載の振動コンベヤ。
【請求項4】
冷却手段が、ボス部の内周に沿うように巻回状態で装入される可撓性のパイプ部材と、このパイプ部材の巻回状態を保持する保持手段とを具備し、前記パイプ部材の一端側から媒体を導入して他端側から導出し得るように構成したものである請求項1又は2何れかに記載の振動コンベヤ。
【請求項5】
フレーム及び当該フレームに対して振動するトラフと、これらフレーム及びトラフの間に介在されるレバーとを具備し、前記レバーの両端が前記フレーム及び前記トラフの側面に突設したボス部にゴムブッシュを介して回動可能に接続されるものにおいて、
ボス部の中間部をトラフの側面に補強部材を介して支持させ、ボス部の中間部よりも先端側に前記ゴムブッシュを介して前記レバーの端部を接続していることを特徴とする振動コンベヤ。
【請求項1】
フレーム及び当該フレームに対して振動するトラフと、これらフレーム及びトラフの間に介在されるレバーとを具備し、前記レバーの両端が前記フレーム及び前記トラフの側面に突設したボス部にゴムブッシュを介して回動可能に接続されるものにおいて、
前記トラフに突設されるボス部に更に冷却手段を、冷却面がボス部の内周に接するように設けたことを特徴とする振動コンベヤ。
【請求項2】
冷却手段が、ボス部に対し外段取りで要素部品を取り付けて構成可能な構造のものである請求項1記載の振動コンベヤ。
【請求項3】
冷却手段が、ボス部の内空に装着される筒部と、この筒部の少なくとも外方端を閉止する閉止部材と、前記閉止部材に設けられて前記筒部の内空を往来する流路を形成する隔壁と、前記閉止部材を貫通して前記流路の一端側と他端側にそれぞれ接続される媒体導出入路とを具備している請求項1又は2何れかに記載の振動コンベヤ。
【請求項4】
冷却手段が、ボス部の内周に沿うように巻回状態で装入される可撓性のパイプ部材と、このパイプ部材の巻回状態を保持する保持手段とを具備し、前記パイプ部材の一端側から媒体を導入して他端側から導出し得るように構成したものである請求項1又は2何れかに記載の振動コンベヤ。
【請求項5】
フレーム及び当該フレームに対して振動するトラフと、これらフレーム及びトラフの間に介在されるレバーとを具備し、前記レバーの両端が前記フレーム及び前記トラフの側面に突設したボス部にゴムブッシュを介して回動可能に接続されるものにおいて、
ボス部の中間部をトラフの側面に補強部材を介して支持させ、ボス部の中間部よりも先端側に前記ゴムブッシュを介して前記レバーの端部を接続していることを特徴とする振動コンベヤ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−152965(P2011−152965A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−14141(P2010−14141)
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000002059)シンフォニアテクノロジー株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月26日(2010.1.26)
【出願人】(000002059)シンフォニアテクノロジー株式会社 (1,111)
【Fターム(参考)】
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