説明

振動スクリーン

【課題】駆動装置を搭載することなくメインのスクリーンへの投入原料から除去した大塊を排出することができる振動スクリーンを提供する。
【解決手段】本体フレーム7と、篩い面が傾斜した状態で本体フレーム7上に弾性部材19を介して支持されたメインスクリーン15と、このメインスクリーン15に設けた加振機20と、メインスクリーン15上に位置するように篩い面が傾斜した状態で本体フレーム7上に弾性部材23を介して支持されたプレスクリーン22とを備え、投入重機SのバケットBからの外力をプレスクリーン22の振動に伝える外力受け部材26をプレスクリーン22のスクリーンフレーム24に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、産業廃棄物、土砂、砕石等を篩い分ける振動スクリーンに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えば土質改良機械やクラッシャ、シュレッダ等、建設発生土や岩石、或いは廃タイヤ等に代表される様々なリサイクル原料からリサイクル品を生産するリサイクル機械の需要が各地で高まっている。これらリサイクル機械の作業を補助する機械の1つに、リサイクル機械に供給するリサイクル原料やリサイクル機械から排出されたリサイクル品等を投入原料とし、この投入原料を粒度に応じて選別する振動スクリーンがある。この振動スクリーンは、篩部材(スクリーン)を内側に装着した枠体を加振することで投入原料を篩い分ける(特許文献1等参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−4333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
振動スクリーンに投入する原料の中に選別粒度に比べて著しく大きな大塊が混入していると、篩部材を含む機体の各所に過大な負荷がかかり損傷を招く恐れがある。そこで、大塊を含む原料を選別処理する場合、選別粒度を著しく超えた大塊が振動スクリーンに投入されないように、予め投入原料から大塊を除去(前処理)しておく、またスクリーンの上部に大塊除去用のスクリーンを別途設ける等の措置を行うことが考えられる。
【0005】
ここで、大塊除去用のスクリーンに堆積する大塊を機体外部に排出する場合、この大塊除去用のスクリーンを加振機で加振して篩部材上の大塊を適宜排出する、また一定量の大塊が堆積したらシリンダ等によって篩い面を起立させて篩部材上の堆積物を落下させる等の方策が考えられる。
【0006】
しかしながら、目的の選別粒度で投入原料を篩い分けるメインの振動スクリーンとは別個に大塊除去用のスクリーンに加振機や傾斜機構を設置すると、駆動装置を含めて部品点数が増加し、ひいては構造の複雑化や機体の大型化の要因となる。また、共用の枠体に上下2段の篩部材を設け、下段の篩部材の選別粒度よりも著しく大きな大塊を上段の篩部材で除去する構成のものはあるが、バネにかかる荷重が大きくなってしまうため、1段のスクリーンと同等の振幅を得るためには加振機を大型化しなければならない。
【0007】
そこで本発明は、駆動装置を搭載することなくメインのスクリーンへの投入原料から除去した大塊を排出することができる振動スクリーンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、第1の発明は、本体フレームと、篩い面が傾斜した状態で前記本体フレーム上に第1の弾性部材を介して支持された第1のスクリーンと、この第1のスクリーンに設けた加振機と、前記第1のスクリーン上に位置するように篩い面が傾斜した状態で前記本体フレーム上に第2の弾性部材を介して支持された第2のスクリーンとを備え、投入重機の作業装置からの外力を前記第2のスクリーンに伝える外力受け部材を前記第2のスクリーンの枠体に設けたことを特徴とする。
【0009】
第2の発明は、第1の発明において、前記外力受け部材が前記第2のスクリーンの枠体に弾性部材を介して支持されていることを特徴とする。
【0010】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記第2のスクリーンの原料移動方向の上流側に上方に突出するように前記外力受け部材を設けたことを特徴とする。
【0011】
第4の発明は、第1又は第2の発明において、前記第2のスクリーンの原料移動方向の中間部に上方に突出するように前記外力受け部材を設けたことを特徴とする。
【0012】
第5の発明は、第1−第4の発明のいずれか1つにおいて、前記第1及び第2の弾性部材は共にバネであり、前記第2の弾性部材のバネ定数は前記第1の弾性部材のバネ定数よりも高いことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、振動型のメインスクリーン上に受動振動型のサブスクリーンを設置したので、駆動装置を搭載することなくメインのスクリーンへの投入原料から除去した大塊を排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係る振動スクリーンを搭載した自走式スクリーンの概略構成を表す側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る振動スクリーンを搭載した自走式スクリーンの概略構成を表す平面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る振動スクリーンを搭載した自走式スクリーンの概略構成を表す正面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る振動スクリーンを搭載した自走式スクリーンの概略構成を表す背面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る振動スクリーンを用いた選別作業の様子を表す図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る振動スクリーンに備えられたプレスクリーンの加振の様子を表す図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る振動スクリーンの概略構成を表す側面図である。
【図8】本発明の第2実施形態に係る振動スクリーンの概略構成を表す背面図である。
【図9】本発明の第3実施形態に係る振動スクリーンの概略構成を表す側面図である。
【図10】本発明の第3実施形態に係る振動スクリーンの概略構成を表す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に図面を用いて本発明の実施形態を説明する。
【0016】
図1は本発明の第1実施形態に係る振動スクリーンを搭載した自走式スクリーンの概略構成を表す側面図、図2は平面図、図3は前方から見た正面図、図4は後方から見た背面図である。以下の説明において、図1中の左右をそれぞれ本自走式スクリーンにおける前後とする。
【0017】
図示した自走式スクリーンは、自力走行をするための走行体1と、この走行体1上に設けられた本体フレーム7と、この本体フレーム7上に設けた自力振動型のメインスクリーン(振動篩)15と、同じく本体フレーム7上に設けた受動振動型のプレスクリーン(振動篩)22と、メインスクリーン15を通過した粒度の小さい選別物を搬送し排出する排出コンベア30と、本体フレーム7に搭載されたパワーユニット(動力装置)29とを備えている。
【0018】
走行体1は、左右一対のトラックフレーム2と、このトラックフレーム2の後端に設けた従動輪3と、トラックフレーム2の前端に設けた駆動輪4と、この駆動輪4に直結した駆動装置(走行用油圧モータ)5と、従動輪3及び駆動輪4に掛け回した無限軌道式の履帯6とで構成されている。
【0019】
本体フレーム7は、走行体1の前後に張り出すようにトラックフレーム2の上部に配設されている。この本体フレーム7は、上面が後方に向かって下り傾斜する支持架台9を後側上部に備えており、この支持架台9によって上記メインスクリーン15及びプレスクリーン22を支持している。
【0020】
メインスクリーン15は、プレスクリーン22を通過した投入原料を粒度に応じて選別するものであって、支持架台9上に弾性部材(本例ではバネ)19を介して振動可能に支持された枠型のスクリーンフレーム(枠体)16と、スクリーンフレーム16の内側に取り付けられた所定の目の大きさの篩部材17と、スクリーンフレーム16を加振する加振装置20とを備えており、前後方向中央部がほぼ走行体1の後端の上方に位置している。図1では弾性部材19としてコイルスプリングを用いているが、ラバースプリング等の他種類の弾性体を用いることもできる。弾性部材19には、地盤振動数や起動・停止時の共振を考慮して固有振動数が比較的小さく軟らかい(バネ定数が比較的小さい)ものが選択される。この弾性部材19は、スクリーンフレーム16の左右両側においてそれぞれ前後に配置され、スクリーンフレーム16は計4つの弾性部材19で支持されている。篩部材17は篩い面を構成し、網状の選別部材、グリズリ状の選別部材の他、フィンガースクリーンやスタースクリーン等に用いられる選別部材を用いることができ、篩い面が後方に向かって下り傾斜となるように配設されている。加振装置20は偏心軸や偏心ウェイトをモータで回転させて起振するものである。この加振装置20が駆動するとスクリーンフレーム16及び篩部材17が一体的に揺さ振られ、上記プレスクリーン22を通過した投入原料のうち篩部材17の目の大きさよりも小さなものが通過し、それより粒度の大きなものが篩部材17上に残って後方に排出される。
【0021】
プレスクリーン22は、例えば油圧ショベル等の投入重機によって投入される原料を粒度に応じて選別し、メインスクリーン15の選別粒度に比べて著しく大きな大塊を投入原料から除去し排出するものである。このプレスクリーン22は、メインスクリーン15のスクリーンフレーム16とは別個に支持架台9上に弾性部材(本例ではバネ)23を介して振動可能に支持された枠型のスクリーンフレーム(枠体)24と、スクリーンフレーム24の内側に取り付けられた所定の目の大きさの篩部材25と、スクリーンフレーム24に設けた外力受け部材26とを備えており、メインスクリーン15の上方を覆うように配置されている。図1では弾性部材23としてコイルスプリングを用いているが、ラバースプリング等の他種類の弾性体を用いることもできる。弾性部材23には、メインスクリーン15の弾性部材19よりも固有振動数が高く比較的硬い(比較的バネ定数が大きい)ものが選択される。この弾性部材23は、スクリーンフレーム24の左右両側においてそれぞれメインスクリーン15の弾性部材19,19の前後に配置され、スクリーンフレーム24は計4つの弾性部材23で支持されている。篩部材25はメインスクリーン15の篩部材17よりも目の大きな篩い面を構成し、網状の選別部材、グリズリ状の選別部材の他、フィンガースクリーンやスタースクリーン等に用いられる選別部材を用いることができ、篩い面が後方に向かって下り傾斜となるように配設されている。プレスクリーン22は加振機を含めた一切の駆動装置を持たない。
【0022】
上記の外力受け部材26は、本実施形態では十分な太さの丸棒状の鋼材で形成されており、プレスクリーン22のスクリーンフレーム24の原料移動方向の上流側の壁面(前壁)の左右両側に1本ずつ、それぞれ軸心を上下に向けた姿勢で溶接等の適宜の手段によって強固に固定されている。また外力受け部材26の上側部分はスクリーンフレーム24の上方に投入重機の作業装置(バケット等)で容易に触れられる程度に十分に突出しており、下端部はスクリーンフレーム24の前壁の下端に概ね合わせてある。本実施形態の場合、スクリーンフレーム24の上下方向に採った寸法は下流側に比べて上流側が大きく、前壁がそれだけ幅広に形成してあり、外力受け部材26との接触距離を長く確保することで外力受け部材26に加わる外力に耐え得る剛性を確保している。その一方で、後方に行くにつれてスクリーンフレーム24を幅狭くすることでプレスクリーン22の軽量化に配慮してある。
【0023】
パワーユニット29は、本体フレーム7の前側部分の上部に搭載されている。パワーユニット29の重心は走行体1よりも前方にあり、他の搭載機器と重量を釣り合わせることで、機体全体の重心が走行体1上に来るようになっている。また特に図示していないが、自走式スクリーンの駆動源であるエンジンや、このエンジンにより駆動される油圧ポンプ、油圧ポンプから各駆動装置に供給される圧油を制御する複数のコントロールバルブ等がパワーユニット29に内蔵されている。
【0024】
排出コンベア30は、メインスクリーン15を通過した篩部材17の目の大きさよりも粒度の小さな投入原料を搬送し機体前方に排出するもので、コンベアフレーム35と、コンベアフレーム35の前後両端にそれぞれ回転自在に設けた駆動輪36及び従動輪37と、駆動輪36及び従動輪37に掛け回したコンベアベルト38と、駆動輪36に連結した図示しない駆動装置(排出コンベア用油圧モータ)とを備えている。駆動装置によって駆動輪36を回転させることによって駆動輪36及び従動輪37間でコンベアベルト38が循環駆動する。コンベアフレーム35は、前方に向かって上り傾斜の姿勢で設けられており、メインスクリーン15の下方位置からパワーユニット29の上方を通り機外(機体前方)に延在している。また、コンベアフレーム35の前側部分はパワーユニット29又は本体フレーム7から支持部材31を介して支持され、後側部分は支持部材32を介して本体フレーム7に支持されている。また特に図示していないが、排出コンベア30には、従動輪側に公知のベルト張り調整機構が設けられている。
【0025】
次に上記構成の自走式スクリーンの動作及び作用効果を順次説明する。
【0026】
例えば図5に示したように油圧ショベル等の投入重機Sによって原料がプレスクリーン22に投入されると、プレスクリーン22の篩部材25を通過した所定粒度以下の投入原料がメインスクリーン15に導かれ、それよりも大きな大塊は篩部材25上に残留、或いは傾斜に沿って篩部材25上を移動して機体後方に排出されて集積される(集積物Y)。プレスクリーン22を通過した投入原料はメインスクリーン15の篩部材17上に落下して篩い分けられ、振動する篩部材17を通過した選別粒度以下の投入原料が排出コンベア30上に導かれ、排出コンベア30によって前方に搬送され機体前方に排出されて集積される(集積物X)。一方、選別粒度より大きく篩部材17上に残留する投入原料は、加振機20による振動に伴って篩部材17の傾斜面上を移動して機体後方に排出され、プレスクリーン22で除去された大塊とともに集積される(集積物Y)。
【0027】
このとき、メインスクリーン15と異なり、プレスクリーン22は加振機等によって積極的に加振されないため、メインスクリーン15に比べて篩い面上に投入原料が堆積し易い。プレスクリーン22に加振機を設けて積極的に加振する構成としたり後端を支点にプレスクリーン22が起立する構成としたりすればプレスクリーン22上の大塊の排出性は向上するが、別途駆動装置を要するため部品点数が増加し、構造の複雑化、機体の大型化の要因になる。また、メインスクリーン15に上下2段の篩い面を設け、下段の篩い面を本実施形態のメインスクリーン15の篩部材17相当、上段の篩い面をプレスクリーン22の篩部材25相当の目の大きさとすることで両篩い面を同一の加振機で加振することができるが、この場合には上段の篩い面が追加された分だけメインスクリーン15の重量が増してしまう。最終的な目的粒度の投入原料を効率的に選別するためにメインスクリーン15は所望の振幅で振動する必要があるが、メインスクリーン15を上下2段にした場合、本実施形態の構成と同等の振幅を得るためには加振機を大型化しなければならない。
【0028】
そこで本実施形態では、プレスクリーン22に外力受け部材26を設け、投入重機S等の作業装置からの外力を外力受け部材26で受けてプレスクリーン22の振動に変換する(プレスクリーン22に振動を伝える)構成としている。すなわち、図6に示したように例えば投入重機SのバケットB等で外力受け部材26を押す、又は軽く叩く等することでプレスクリーン22に外力が入力され、外力を受けて弾性変形した弾性部材23の復元力によってプレスクリーン22に振動が生じる。これによって篩部材25上に堆積した大塊が振るわれて傾斜面に沿って移動し機体後方へ排出される。したがって、投入重機Sのオペレータは、作業の進展に伴って篩部材25上に大塊が堆積してきたら適宜外力受け部材26にバケットBで外力を入力してやり、大塊の排出を促してプレスクリーン22の目詰まりを抑えつつ、プレスクリーン22に原料を投入する。
【0029】
本実施形態によれば、このように単に弾性支持されたプレスクリーン22に外力受け部材26を設けただけの簡単な構成を追加することによって、モータやシリンダ等の駆動装置を別途搭載することなく、メインスクリーン15への投入原料から除去した大塊を適宜排出することができる。したがって、構造の複雑化、機体の大型化を抑えることができ、また比較的小型の加振機20によってメインスクリーン15の所望の振幅を確保することができる。
【0030】
また、プレスクリーン22を支持架台9に対して着脱可能に構成した場合、プレスクリーン22は通常の1段の振動スクリーンとして運用可能である。言い換えれば、通常の1段の振動スクリーンの上方にプレスクリーン22を追加設置すれば本実施形態の振動スクリーンを構成することができる。プレスクリーン22の構成は極めて簡単であるため追加設置も容易であり、今まで1段の振動スクリーンに直接投入することができなかった大塊を含む原料を前処理なしで投入し選別作業を行うことが可能になる。また、大塊が混在していることに気付かずに振動スクリーンに原料を投入して機械を損傷させてしまうことを防止することも可能である。
【0031】
また、投入重機Sはスクリーンの側方又は下り側、すなわち振動スクリーンの左右か後方の配置から原料投入作業を行うことが想定されるので、本実施形態のように外力受け部材26がプレスクリーン22の傾斜を上りきった端部(機体の最も高い位置)に設けられていることで、空振りしたバケットB等が振動スクリーンの他の構成機器に干渉するリスクが少なく、また投入重機S等のオペレータに要求される操作の慎重性を軽減することができる。
【0032】
さらには、プレスクリーン22を支持する弾性部材23のバネ定数を弾性部材19のバネ定数よりも大きくした場合には、弾性部材23の固有振動数が弾性部材19よりも高くなるので、外力受け部材26に外力を加えた際にプレスクリーン22をより高い周波数で振動させることができ、堆積土砂等の除去効果がさらに向上する。また、メインスクリーン15の弾性部材19に対してプレスクリーン22の弾性部材23はバネ定数が高く硬いので、大塊投入時の衝撃による弾性部材23の過度な挙動が抑えられるメリットもある。
【0033】
図7は本発明の第2実施形態に係る振動スクリーンの概略構成を表す側面図、図8は後方から見た背面図である。これらの図において第1実施形態と同様の部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0034】
本実施形態が第1実施形態と相違する点は外力受け部材26の配置にある。本実施形態における外力受け部材26は、プレスクリーン22のスクリーンフレーム24の上方に突出するように当該プレスクリーン22の原料流れ方向(前後方向)の中間部に設けられている。
【0035】
外力受け部材26は、第1実施形態と同様、例えば十分な太さの丸棒状の鋼材で形成されており、スクリーンフレーム24の左右の外壁面に1本ずつ、それぞれ軸心を上下に向けた姿勢で溶接等の適宜の手段によって強固に固定されている。この外力受け部材26の上側部分はスクリーンフレーム24の上方に投入重機の作業装置(バケット等)で容易に触れられる程度に十分に突出しており、下端部はスクリーンフレーム24の左右の壁面の下端に概ね合わせてある。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0036】
本実施形態においても、単に弾性支持されたプレスクリーン22に外力受け部材26を設けただけの簡単な構成によって駆動装置を別途搭載することなくメインスクリーン15への投入原料から除去した大塊を排出することができる。したがって、構造の複雑化、機体の大型化を抑えることができ、また比較的小型の加振機20によってメインスクリーン15の所望の振幅を確保することができる。また、簡素な構成であるため、プレスクリーン22は一般の振動スクリーンに追加設置可能することも容易であり、通常の振動スクリーンにプレスクリーン22を追加して本実施形態の振動スクリーンを構成すれば、今まで1段の振動スクリーンに直接投入することができなかった大塊を含む原料を前処理なしで投入し選別作業を行うことが可能になる。また、大塊が混在していることに気付かずに振動スクリーンに原料を投入して機械を損傷させてしまうことを防止することも可能である。
【0037】
また、外力受け部材26がプレスクリーン22の傾斜の中腹にあるため、例えば投入重機がプレスクリーン22の排出側(後方)に配置された場合、第1実施形態に比べて投入重機の本体から外力受け部材26までの距離が近いため、比較的小型の投入重機を用いる場合には外力受け部材26に外力を加え易い。
【0038】
図9は本発明の第3実施形態に係る振動スクリーンの概略構成を表す側面図、図10は後方から見た背面図である。これらの図において第1実施形態と同様の部分には既出図面と同符号を付して説明を省略する。
【0039】
本実施形態が第1実施形態と相違する点は、外力入力部材26Aがプレスクリーン22のスクリーンフレーム24に弾性部材27を介して支持されている点にある。本実施形態における外力受け部材26Aは、第1実施形態と同様、スクリーンフレーム24の前面に2本設けられているが、第2実施形態のようにスクリーンフレーム24の左右に設けても良い。
【0040】
構成をもう少し詳しく説明すると、外力受け部材26Aは、第1実施形態と同様、例えば十分な太さの丸棒状の鋼材で形成されており、スクリーンフレーム24に取り付けられた支持部材28に弾性部材27を介して支持され、投入重機の作業装置(バケット等)で容易に触れられる程度に十分上方に延在している。一方、支持部材28は溶接等の適宜の手段によってスクリーンフレーム24に強固に固定されており、上下方向の寸法は概ねスクリーンフレーム24の前壁のそれと同程度である。弾性部材27は図9及び図10に示したようなコイルスプリングの他、ラバースプリング等の他種類の弾性体を用いることもできる。その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0041】
本実施形態においては、本質的に第1実施形態と同様の効果が得られるのに加え、外力受け部材26Aが弾性部材27で支持されているので、仮に投入重機から過度な外力が入力された場合、その力を和らげてスクリーンフレーム24に必要以上の力が加わらないようにすることができる。さらに外力を受けた際には外力受け部材26A自体がスクリーンフレーム24に対して振動するので、スクリーンフレーム24の振動時間を既述した実施形態に比べて延長することができる。
【0042】
なお、以上の第1−第3実施形態において、外力受け部材26,26Aを2本設けた場合を例に挙げて説明したが、数に限定はなく、1本でも良いし3本以上でも良い。また、形状も丸棒状に限らず他の形状で良く、例えば断面が矩形のものや板状のものでも良い。さらには外力受け部材26,26Aがスクリーンフレーム24の上方に突出する場合を例に挙げて説明した、これに限らず、スクリーンフレーム24の左右又は前後に外力受け部材を突出させる構成とすることも考えられるし、スクリーンフレーム24の一部を厚くする又は硬化処理する等し、この強化した箇所を外力受け部材とすることも考えられる。外力受け部材は中実でも中空でも良い。
【0043】
また、プレスクリーン22の篩い面が1つの場合を例に挙げて説明したが、上段から順次目が細かくなるように複数段の篩い面を有する構成とすることもできる。また、必要に応じてプレスクリーン22を容易に支持架台19から着脱できる構成とすることも考えられる。
【0044】
また、メインスクリーン15が1段の篩部材17によって所定粒度より大きいか小さいかの2つのグループに投入原料を分ける構成を例に挙げて説明したが、メインスクリーン15に2段以上の篩部材を設けて粒度の異なる3つ以上のグループに投入原料を篩い分ける振動スクリーンに本発明を適用することもできる。この場合、中間粒度の原料を搬出するサイドコンベアを追加することもできる。また、排出コンベア30は必要であれば屈曲構造として輸送時に一般道路の輸送制限に対応して折る構成、或いは排出高さを調整するために屈曲角度を変更する構成としても良い。さらに、牽引走行式の移動式振動スクリーンや定置式の振動スクリーンにも本発明は適用可能であり、同様の効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0045】
7 本体フレーム
15 メインスクリーン
16 スクリーンフレーム
17 篩部材
19 弾性部材
20 加振機
22 プレスクリーン
23 弾性部材
24 スクリーンフレーム
25 篩部材
26,26A 外力受け部材
27 弾性部材
B バケット
S 投入重機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体フレームと、
篩い面が傾斜した状態で前記本体フレーム上に第1の弾性部材を介して支持された第1のスクリーンと、
この第1のスクリーンに設けた加振機と、
前記第1のスクリーン上に位置するように篩い面が傾斜した状態で前記本体フレーム上に第2の弾性部材を介して支持された第2のスクリーンとを備え、
投入重機の作業装置からの外力を前記第2のスクリーンに伝える外力受け部材を前記第2のスクリーンの枠体に設けたことを特徴とする振動スクリーン。
【請求項2】
前記外力受け部材が前記第2のスクリーンの枠体に弾性部材を介して支持されていることを特徴とする請求項1に記載の振動スクリーン。
【請求項3】
前記第2のスクリーンの原料移動方向の上流側に上方に突出するように前記外力受け部材を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の振動スクリーン。
【請求項4】
前記第2のスクリーンの原料移動方向の中間部に上方に突出するように前記外力受け部材を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の振動スクリーン。
【請求項5】
前記第1及び第2の弾性部材は共にバネであり、前記第2の弾性部材のバネ定数は前記第1の弾性部材のバネ定数よりも高いことを特徴とする請求項1−4のいずれか1項に記載の振動スクリーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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