説明

振動ヘッドを備えた電気シェーバー

毛を切断することができる温度に加熱される伸長素子(260)と、前記伸長素子(260)を備え付けた振動構造体(200)と、前記振動構造体(200)を組み込んだハウジング(106)を備えた毛切断装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱素子で毛を除去することに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば剃刀や毛抜き或いはワックス等の、使用することに不快感を覚え、皮膚を刺激し及び/又は皮膚にダメージを与える機械的な手段を用い、体から無駄毛を除去することがある。
【0003】
皮膚表面から毛を切断する為に電熱線や他の構造体を用いることが提案されている。発熱器は、毛を切断する為に充分な程度の熱を発生させ、皮膚にダメージを与えないように皮膚からオフセットされるが、多くの場合、僅かに伸びた無駄毛を取り残してしまう。
【0004】
Petersonの米国特許第3,934,115号では、皮膚と接触するセラミック面の上面に配置された平行な金属帯を用いて毛を切断する。Hillsの米国特許第2,727,132号及びP.Massimoのイタリア国特許第1201364号では、連続的に加熱される素子を用いて毛を焼灼する。P.M.Bellの米国特許第558,465号、D.Seideの米国特許第589,445号、G.S.Hillsの米国特許第2,727,132号、G.L.Johnsonの米国特許第3,093,724号、Hashimotoの米国特許第5,063,993号及び米国特許第6,307,181B1号、F.Solvintoのフランス国特許第2531655号及び欧州特許第0201189号、及び、E.Michitのフランス国特許第2612381号では、連続的に加熱される電熱線を用いて毛を焼灼する。J.F.Carterの米国特許第3,474,224号では、鼻毛を焼灼する円形の櫛状機器が備えられている。これらの引用文献は、皮膚レベルまで毛を除去する手段を提案するものではないようである。
【0005】
Vrtaricによる米国特許第4,2534,324号には、毛の先端のみに使用され、枝毛部分を除去する加熱型毛切除システムが提案されている。
【0006】
本出願人は、PCT公開番号WO03/009977及びWO03/009976において、毛を切断する為の発熱システムを開示している。これらの出願で開示された全てのものは、参照によりここに包含される。これらの出願には、パルス熱又は非パルス熱を発生する電熱線を用いて毛を切断する方法及び装置が記載されている。ここで使用されるように、電熱線とは、皮膚領域から毛を切断するのに充分な程度及び/又は期間の熱を発生させることができる金属線、金属帯、又は、他のタイプの発熱素子の一つ以上を意味する。電熱線等の構造体の全ては、おおむね、先に引用されたいずれかの出願に開示されている。加えて、ここに記載される構造体及び方法は、それらで開示された構造体内で使用され得、或いは、それらで開示された構造体と組み合わせて使用され得る。
【0007】
先に引用されたPCT出願において、毛は、加熱されることによって皮膚付近で分断される。また、この毛の切断は、皮膚下部の毛の少なくとも一部を破壊するかもしれない。ここで使用されるように、「切断(cut)」という語句は、毛のこのタイプの分断(severing)又はシェービング(shaving)を指す為に用いられる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の幾つかの実施の一態様によれば、毛を切断するのに充分な熱を発生させる電熱線が、毛を切断するような構造体に備え付けられ、皮膚領域の毛に対して振動し、これにより毛に対して複数回通過する。
【0009】
例示的な実施の形態において、電熱線が振動機構により構造体に対して振動させられる。好適な振動の方向は、一般的に、使用者の皮膚と平行であり、電熱線の径方向と直交する。その機構は、例えば非対称に重みを付加された回転可能な要素を有したモータを備えたものであっても良い。他の周知の方法及び/又は装置もまた、振動させる為に使用できる。
【0010】
選択的には、構造体は、皮膚に沿った構造体(すなわちフレーム)の動きに応じて振動機構をオン又はオフする動作検知器を備える。代替的に又は追加的には、構造体が皮膚領域に対して最小速度以上又は以下で移動するとき、動作検知器は、振動器をオン又はオフに切り替える。選択的には、動作検知器は、振動を制御し、電熱線による発熱期間を制御する。選択的には、動作検知器は、機械的検知器であり、或いは光学的検知器である。代替的には、動作検知器は、温度又は振動を、閾値でオン又はオフさせるよりも、少なくとも閾値近傍で調整するようにしても良い。ここで使用される語句「オンする」又は「オフする」は、このような、より限定された調整を含む。
【0011】
本発明の幾つかの実施の一態様によれば、皮膚領域から毛を切断することができる構造体が、フレーム上に設置された電熱線を内部に有する開口部と、開口部と電熱線にその長さ方向を向けた二以上の細長い皮膚押圧エレメントとを備えている。選択的には、細長いエレメントは、皮膚と平行であり、或いは、皮膚(すなわち開口部平面)に対して15°以下、選択的には5°以下の鋭角を成す。選択的には、二以上の皮膚押圧エレメントは、二列以上あり、電熱線が載置されるギャップによって分割され、それに向けられている。
【0012】
選択的には、電熱線が、開口部において二以上の支柱に備え付けられている。そして開口部が、例えば、他のエレメントよりも装置から更に突出した一以上の皮膚押圧エレメントを持つことにより、或いは、密で堅い要素によって支柱を覆うことにより、支柱を皮膚に接触させないようにして配置された二以上の支柱保護部を備えている。
【0013】
本発明の幾つかの実施の一態様によれば、皮膚領域から毛を切断することができる構造体が、位置調整可能なフレームに電熱線が備え付けられた開口部を備えている。選択的には、一以上の位置調整器がフレームと構造体との間に備えられている。一以上の位置調整器を動作させることにより、電熱線の位置が開口部に対して調整され、及び/又は、電熱線の角度が開口部平面に対して調整される。
【0014】
選択的には、フレームが、備え付けのソケットに差し込まれるように形成され、その一部及び/又はソケットが導電性を有している。
【0015】
例示的な実施の形態において、フレームが二本以上の支柱を備え、各支柱が、電熱線をその中心に定めるガイド溝を有している。例示的な実施の形態において、少なくとも一本の支柱が、例えば発熱期間中及び/又は電熱線が毛を押圧したときの圧力によりその長手方向に伸長し得る間も、張力で電熱線を保持するような弾性を有する。選択的には、少なくとも一本の支柱は、電熱線の軸方向に力を加えられたときには比較的撓み易く、それと直交する方向に力を加えられたときには比較的撓み難い。
【0016】
本発明の幾つかの実施の一態様によれば、弾性を有する二本の柱を備えたフレームで電熱線に張力を付加する方法が提案される。選択的には、各支柱は、電熱線が載置され又は保持される電熱線ガイド溝を有している。例示的な実施の形態において、電熱線は、支柱が互いに接近して屈曲するような角度でガイド路に対して引っ張られる。支柱は、屈曲しているかぎりは、外的な張力を取り除かれても屈曲した状態で電熱線を保持し、電熱線が、フレーム又は支柱そのものに付く。選択的には、電熱線は、張力を付加する一以上の機構を使用した張力付加工程及び取付工程中も、張力が付加されている。本発明の実施の形態において、支柱は弾力性又は弾性を有しており、これら弾力性、弾性という語句は、ここで同義的に使用される。
【0017】
本発明の幾つかの実施の一態様によれば、毛切断中に振動するような電熱線を有する構造体は、切断された毛を収集する収集装置を備える。収集装置は、例えば切断された毛を引き寄せる静電気を帯電する棒状の物を備える。選択的には、棒状の物は、帯電部近傍で切断された毛の搬送を補助する櫛及び/又はブラシを含む。選択的には、収集装置は、例えば構造体に並置されたキャビティのような収容領域を備える。
【0018】
本発明の幾つかの実施の一態様によれば、構造体は、熱及び/又は振動に応じてデオドラントを散布するようなデオドラント・ディスペンサーを備える。選択的には、ディスペンサーは、振動に応じてデオドラントが散布されるベンチュリ管開口部を備える。選択的には、ディスペンサーは固形及び/又は流動体のデオドラントを入れることができ、デオドラントは、熱及び/又は振動に応じて霧化及び/又は気化する。
【0019】
本発明の幾つかの実施の一態様によれば、毛切断中に振動することができる電熱線を有する構造体は、電熱線近傍に並置された脱臭用フィルタを備え、それは、電熱線の通過によって発生した臭いを除去する。選択的には、フィルタは、脱臭用デオドラントを吸収することができる吸湿剤を備えており、前記の通過中における臭いを更に除去する。例示的な実施の形態において、回転可能な羽根が、フィルタに臭いを通過させるように当該フィルタ近傍に並置されている。
【0020】
本発明の例示的な実施の形態によれば、
毛を切断することができる温度に加熱される伸長素子と、
伸長素子を備え付けた振動構造体と、
振動構造体を組み込んだハウジングと、
を備えた毛切断装置が提供される。
【0021】
選択的には、毛を含んだ皮膚領域に沿って低速で移動するとき、振動構造体を振動させることにより、発熱した伸長素子が毛に対して複数回通過する。
【0022】
選択的には、ある距離で隔てられた二本の支柱間に伸長素子が備え付けられ、少なくとも一方の支柱が電熱線に張力を付加するような弾性材である。選択的には、弾性を有する各支柱が、第一の方向に加えられた力に対して比較的撓み易く、第二の方向に加えられた力に対して比較的撓み難い。選択的には、支柱の少なくとも一部が、電熱線の少なくとも一部が嵌め込まれるガイド溝を備える。選択的には、支柱が導電性を有する。選択的には、電熱線が支柱に電気的に接続されている。
【0023】
選択的には、装置が、支柱を支持するような振動構造体に設けられた導電性のソケットを含む。
【0024】
選択的には、装置が、電熱線の軸に直交した方向におけるハウジングに対する支柱の移動を制限する二以上の支柱安定機構を含む。
【0025】
本発明の実施の形態において、毛切断装置は、回転時において振動構造体を振動させる偏芯回転ウェイトを含む。選択的には、毛切断装置は、皮膚領域に沿った電熱線の動きに応じて振動構造体をオン又はオフさせる動作検知器を含む。選択的には、動作検知器が、最小速度に応じて振動構造体をオン又はオフさせる。選択的には、動作検知器が、一定の値を超えた速度を報知する。選択的には、その報知が視覚的なものである。選択的には、その報知が振動を停止させることを含む。
【0026】
本発明の実施の形態において、動作検知器が、伸長素子の発熱を補助的に制御する。選択的には、動作検知器が、所定の速度よりも低い速度を検知したとき、伸長素子の加熱をオフする。選択的には、動作検知器が、所定の速度よりも高い速度を検知したとき、伸長素子の加熱をオフする。選択的には、動作検知器が、機械的な動作検知器と光学的な動作検知器の少なくとも一方を備える。
【0027】
本発明の実施の形態において、加熱される伸長素子が電熱線である。
【0028】
本発明の実施の形態において、装置が、使用者の皮膚に押し当てられるような携帯型装置であり、前記の皮膚上の毛を切断する。
【0029】
本発明の実施の形態によれば、振動する加熱素子を用いて皮膚領域から毛を切断する方法であり、
(a)毛を切断するのに充分に高い温度に伸長素子を加熱するステップと、
(b)加熱された伸長素子を皮膚領域に当て付けるステップと、
(c)当て付けている間、皮膚領域を複数回通過するよう、その長軸と直交する方向に伸長素子を振動させるステップと、
を含む方法が更に提供される。
【0030】
選択的には、この方法は、切断された毛を収集するステップを更に含む。選択的には、切断された毛を容器に収容するステップを含む。
【0031】
選択的には、この方法は、毛を除去すべき領域から皮膚表面に沿って伸長素子を手で動かすステップを含む。
【0032】
本発明の実施の形態において、伸長素子が電熱線である。
【0033】
本発明の実施の形態において、この方法は、毛を除去すべき領域から皮膚表面に沿って伸長素子を手で動かすステップを含む。
【0034】
本発明の実施の形態によれば、張力が付加された電熱線を製作する方法であり、
その少なくとも一本が電熱線の軸方向に弾性を有した支柱であって、二本のそれぞれ独立した支柱に対して電熱線を位置決めするステップと、
互いに向かい合う支柱に対して電熱線を位置決めする為に、電熱線に対し、その軸方向に、支柱を変形させるのに充分な程度で張力を付加するステップと、
少なくとも一本の支柱を変形させて電熱線に張力を付加し、その状態で電熱線を固定するステップと、
を含む方法が更に提供される。
【0035】
選択的には、少なくとも一本の支柱が電熱線用のガイドを備え、
少なくとも一つの電熱線ガイドを位置決めするステップと、
一方の支柱が他方の支柱に向かって屈曲するよう、支柱の軸に対して0°又は鋭角を成す方向に、支柱との接触部分を越えて伸びた電熱線の少なくとも一端を引っ張るステップとを含む。
【0036】
選択的には、固定するステップが、電熱線に張力を付加しているときに当該電熱線をそれぞれの支柱に固定するステップを含む。
【0037】
本発明の実施の形態において、電熱線の位置決めが少なくとも一本の支柱の先端で行われ、それの固定が当該先端近傍で行われる。
【0038】
本発明の実施の形態によれば、毛を切断する装置に使用され、毛のある皮膚領域に接触することができる部分を有し、
(a)構造体の開口部を規定する少なくとも二列の細長い皮膚押圧エレメントと、
(b)開口部内に位置し、電圧印加時に、毛を切断するのに充分な熱を発生させることができる伸長素子と、
(c)ヘッドの構成要素を搭載する基台と、
を備え、皮膚押圧エレメントの長軸が概ね開口部の中心に向けられている、毛切断ヘッドが更に提供される。
【0039】
選択的には、その長軸が、開口部によって規定された平面とおよそ20°以下の角度を成す。選択的には、二以上の皮膚押圧エレメントが、伸長素子が位置するギャップによって分断されている。
【0040】
本発明の実施の形態において、伸長素子が電熱線である。
【0041】
本発明の実施の形態において、ヘッドが、フレームと振動構造体との間に並置された一以上の位置調整機構を含む。
【0042】
本発明の実施の形態によれば、毛を切断する装置に使用され、毛のある皮膚領域に接触することができる部分を有し、
(a)構造体に対して移動可能に備え付けられた位置調整可能なフレームと、
(b)毛を切断するのに充分な熱を発生でき、開口部近傍でフレームに備え付けられた伸長素子と、
(c)フレームと構造体との間に並置された一以上の位置調整機構と、
を含む毛切断ヘッドが更に提供される。
【0043】
選択的には、一以上の調整機構が、開口部に対する電熱線の全体的な位置を調整する。代替的に又は追加的には、一以上の調整機構が、開口部平面に対して電熱線の角度を調整する。
【0044】
選択的には、伸長素子が電熱線である。
【0045】
選択的には、ヘッドが、前記の伸長素子と電気的に接続される、毛切断装置に当該ヘッドを取り付けることができる少なくとも二本の取付ピンも含む。
【0046】
本発明の実施の形態によれば、
本発明に係るヘッドと、
毛を切断するのに充分な温度に伸長素子を加熱するよう作用する電源と
を含む、毛切断装置が更に提供される。
【0047】
選択的には、ヘッドが、前記の伸長素子と電気的に接続される少なくとも二本の取付ピンも含み、毛切断装置が、前記の電源と電気的に接続されるソケットを取り付ける為の係合部分を含む。
【0048】
選択的には、毛切断装置が、伸長素子の長軸と直交する方向に当該伸長素子を振動させる手段も含む。選択的には、振動手段は、伸長素子を振動させる動作によってヘッドも振動させるように作用する。
【0049】
本発明の実施の形態において、毛切断装置が、使用者の皮膚に押し当てられてその皮膚上の毛を切断することができる携帯型装置である。
【0050】
本発明の実施の形態によれば、毛のある皮膚領域に接触することができる部分を有する構造体を備え、
(a)その部分に備えられ、毛を切断するのに充分な熱を発生させる伸長素子と、
(b)その部分に並置されたデオドラント又はパヒューム・ディスペンサーと、
を備えた毛切断装置が更に提供される。
【0051】
選択的には、ディスペンサーは、熱に応じてデオドラント又はパヒュームを散布することができる。
【0052】
選択的には、伸長素子が振動することができる。
【0053】
本発明の実施の形態において、デオドラント・ディスペンサーが、振動に応じてデオドラントを散布することができる。
【0054】
本発明の実施の形態によれば、毛のある皮膚領域に接触することができる部分を有する構造体を備え、
(a)その部分に備えられ、毛を切断するのに充分な熱を発生させる素子と、
(b)その部分に備えられたフィルタと、
(c)要素からフィルタに空気を流すような構造体に備えられたポンプと、
を備えた毛切断装置が更に提供される。
【0055】
選択的には、フィルタは、それを通過する空気にデオドラント又はパヒュームを散布する。
【0056】
本発明の実施の形態によれば、毛のある皮膚領域に接触することができる構造体を備え、
(a)その部分に備えられ、毛を切断するのに充分な熱を発生させる伸長素子と、
(b)切断された毛を収集するような帯電素子と、
を備えた毛切断装置が更に提供される。
【0057】
選択的には、帯電素子は、ブラシ、櫛、及び、毛を収容する容器の中の少なくとも1つを更に備える。
【0058】
本発明の実施の形態において、加熱される素子が電熱線である。
【0059】
本発明の実施の形態において、毛切断装置は、使用者の皮膚に押し当てられてその皮膚上の毛を切断することができる携帯型装置である。
【0060】
(a)加熱された伸長素子で毛を切断するステップと、
(b)帯電素子で切断された毛を収集するステップと、
を含む、切断された毛の収集方法が更に提供される。
【0061】
選択的には、帯電素子は、ブラシ、櫛、及び、毛を収容する容器の中の少なくとも1つを更に備える。
【0062】
選択的には、この方法が、切断された毛を容器に収容するステップを含む。
【0063】
選択的には、加熱された伸長素子が電熱線である。
【0064】
選択的には、この方法が、毛を除去すべき領域から皮膚表面に沿って伸長素子を手で動かすステップを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0065】
本発明の例示的な実施の形態に従い、図1Aに、二本の支柱240と242を備えたフレーム200に吊り付けられた電熱線260の簡略的な概略図を示す。例示的な実施の形態において、支柱240、242は、電熱線用のガイド溝120、122を備えている。選択的には、電熱線260は、ガイド溝120及び/又は122に沿って配置されている。
【0066】
例示的な実施の形態において、支柱240、242は、例えば支柱240、242に実質的に直交するストラット244によって所定位置に保持されている。電熱線260は、例えばその端部270、272で支柱240及び/又は242に付けられている。
【0067】
例示的な実施の形態において、導電性支柱290は、導電性を有し、導電領域190に取り付けられ、導電性支柱292は、導電性を有し、導電領域192に取り付けられている。さらに、張力を付加する支柱240、242は、それぞれ、導電性を有し、導電性支柱290、292を介して供給される電力が電熱線260を発熱させるよう、導電領域190、192に接続されている。
【0068】
例示的な実施の形態において、支柱240と242のいずれか一方或いはその両方は、それらが適切に位置するとき、電熱線260が皮膚表面と交差するように移動する間もぴんと張り続くような弾性を有した、導電部材から成る。選択的には、支柱240及び/又242は、比較的柔軟性がある為、互いに接近するような力を付加されたときに屈曲する。選択的には、支柱240及び/又242は、比較的柔軟性がない為、電熱線260の軸に直交する方向に力を付加されたときには屈曲しない。
【0069】
例示的な実施の形態において、例えば支柱のいずれか一方或いはその両方が弾性を有するとき、製造段階で電熱線260に張力が付加される。
【0070】
ガイド溝120と122に電熱線を位置合わせした状態では、電熱線端部270及び/又は272は、充分な力及び/又は適切な角度で(水平な)電熱線260に対して方向208に引っ張られ、それにより、支柱240及び242が互いに接近するように屈曲する。また、電熱線260は、点276、278の各々で、例えば、はんだ、(導電性エポキシのような)導電性接着剤、及び/又は周知の他の接続手段を用いることにより、支柱240及び/又は242に付く。クランピングのような機械的接続もまた使用することができる。選択的には、クランプは、均一なめっきであり、高い導電性を有した機械的及び電気的接続を提供する銅又は金を被膜したものである。支柱用のガイド溝120及び/又は122が電熱線260の張力によって互いに接近するように継続的に屈曲しても良いことに留意すべきである。支柱に付けた後は、電熱線の自由端を取り外しても良い。
【0071】
一本の支柱だけが弾性を有する場合も(或いは、たとえその両方が弾性を有する場合であっても)、同様の方法を使用しても良い。この場合、電熱線260は、張力を付加される前後に、選択的且つ恒久的に、柔軟性のない支柱(又は選択的にはフレーム)に付けられる。そして電熱線の他端は、前述したように張力を付加され、電熱線を組み込んだフレーム又は支柱に付けられる。選択的には、特に電熱線を一本の支柱に予め付けたときには、支柱にガイド溝を必要としない。
【0072】
選択的には、支柱240及び/又は242と電熱線260との間にある一以上のコイルバネにより、電熱線260に張力が付加される。
【0073】
張力を付加された電熱線260は、毛404に逆らうような方向402(図4)に移動するとき、その発熱及び/又は圧力によって長手方向に伸長したとしてもその張力を維持するであろう。
【0074】
一つの方法として、電熱線端部270及び/又は272を、例えばストラット244に配置された一以上の張力付加歯車(不図示)に取り付けて方向208に引っ張るものがある。一以上の歯車を回転させることにより、電熱線端部270と272は、電熱線260に張力を付加するように方向208に引っ張られる。方向208に電熱線260を引っ張る為の他の方法には、周知であり、例えば弾性機構及び/又はニューマチック・テンショニング・デバイス(pneumatic tensioning device)を電熱線端部270及び/又は272に付けるものが含まれる。
【0075】
例示的な実施の形態において、導電性支柱290はソケット180に差し込まれ、導電性支柱292はソケット182に差し込まれる。ソケット180及び182と導電性支柱290及び292との摩擦ばめは、フレーム全体を取り換える為、或いは、電熱線260を洗浄及び/又は修理する為、例えばソケット180と182からフレーム200を容易に取り外せるように与えられる。ソケット180と182は、例えば導電性を有し、電源からの電力を伝達させることができる。これにより、導電性支柱290と292、導電領域190と192、及び、テンショション用の支柱240と242を介して電熱線260に電流が供給される。電熱線が切れた場合、電熱線、支柱、及び、ストラット機構を取り換えるであろうことが一般に想定される。
【0076】
例示的な実施の形態において、支柱支持体160は、支柱240と242に対する方向168への過度の動きを防止する為に配置されている。代替的に又は追加的には、支柱支持体162は、支柱240と242に対する方向166への過度の動きを防止する為に配置されている。これは、フレームに作用する振動が電熱線を好適に振動させることを保証する。
【0077】
本発明の例示的な実施の形態に従い、図1Bに、図1Aの代替的な構造体の概略図を示す。この実施の形態では、電熱線260は、支柱に張力を付加されて付くよりも以前に、支柱240、242のリング150、152に通される。
【0078】
図2は、振動支柱130と138から突出したコンパートメント300に組み込まれた、図1Aのフレーム200に備えられている電熱線260の概略図である。例示的な実施の形態において、振動器350は、振動支柱130と138に接続され、偏芯ウェイト232を有したモータ234を備えている。偏芯ウェイト232は、モータ234が方向230に回転するときに振動器350を振動させる。代替的に又は追加的には、振動器350は、それに横断して配置されたコネクタ354を介して振動支柱130と138に接続されている。
【0079】
追加的なクロスピン132は、振動支柱130と138を貫通し、その周辺でそれらを動作可能にさせている。振動器350が振動すると振動支柱130と138にその振動が伝達し、それにより、電熱線260及び/又コンパートメント300が方向402に周期的に動く。
【0080】
切断される毛404(図4)において、電熱線260、フレーム200及び/又はコンパートメント300が振動することにより、皮膚400の一定の領域が保持されている間、電熱線260が毛404を容易に何度も通過する。電熱線260が何度も通過することにより、(すなわち使用者によって電熱線260が皮膚表面に対して交差して動かされるとき)皮膚領域400に接触する単位時間あたりの切断効率が高くなる。電熱線の振幅は0.2〜2mmであり、選択的には0.5〜1mmである。
【0081】
例示的な実施の形態において、コンパートメント300は、例えばスナップ構造体(Snap-together structure)を備え、及び/又は、洗浄する為に取り外し可能に、及び/又は、ソケット180と182からフレーム200を取り外せるように、振動支柱130と138に着脱可能に取り付けられている。
【0082】
図3でより明確に示されるように、例示的な実施の形態において、コンパートメント300は一列の皮膚押圧エレメント312を備えている。皮膚押圧エレメント312は、皮膚領域400(図4)を押圧し及び/又はぴんと張らせるものであり、電熱線260が皮膚領域400に食い込まない状態で毛404を切断できるようにして、可能ならばその熱を分散させ、皮膚領域400を、より低い効率で切断し及び/又は焼灼させる。
【0083】
本発明の例示的な実施の形態では、二列の皮膚押圧エレメントが電熱線260の両側に備えられている。先に示されたPCT出願に皮膚押圧エレメントの列が示されており、例えば支柱などである。しかしながら本実施の形態で示された皮膚押圧エレメントは、その長軸が電熱線に概ね向けられた細長いエレメントを備えた実施の形態に示されるものと異なる。本発明人は、ここに示される細長いエレメントが皮膚に沿った剃り動作をより円滑に且つより快適に提供することを見出している。皮膚押圧エレメント312の別の構造体、例えば皮膚領域400(図4)、電熱線260、及び/又は、コンパートメント300に対して高さや角度及び/又はその面を変更した皮膚押圧エレメント312を備えたものもまた、本発明の例示的な実施の形態として想定される。本発明の好適な実施の形態において、細長いエレメントの長軸は、開口平面(及びこのような皮膚面)と平行、或いは、その面に対して僅か(5、10、15、又は20°)に傾いている。
【0084】
代替的に又は追加的には、支柱保護部340、342は、支柱240、242及び/又は皮膚に張力を付加して押圧する皮膚押圧エレメント312を越えて延在する。例示的な実施の形態において、支柱保護部340、342は、支柱240、242からの熱及び/又は振動が皮膚領域400(図4)にダメージを与えないようにし、或いは逆に、皮膚領域400の基部近傍でオフセットされて支柱240、242から離すことにより皮膚領域400にダメージを与えないようにしている。
【0085】
例示的な実施の形態において、歯車318、320及び/又は330は、ストラット244に対して並置され、平板388、390及び392が、それぞれ、ストラット244の位置を調整するように回転することができる。ストラット244の位置調整は、皮膚押圧エレメント312に対する電熱線260の位置に影響し、従って皮膚領域400に対しても影響する。歯車318、320及び/又は330の回転により、操作者は、例えば皮膚押圧エレメント312に対する電熱線260の接近をコントロールし、方向248における電熱線260の位置を調整する。代替的に又は追加的には、操作者は、例えば方向284及び/又は286に関し、皮膚押圧エレメント312に対する電熱線260の角度を調整する。
【0086】
歯車318、320及び/又は330を使用し、操作者は、皮膚押圧エレメント312の端面(或いは皮膚押圧エレメントの列を用いない場合には開口部)に対して電熱線を最適な位置及び角度にすることができる。
【0087】
図3は、ギャップ328内に位置する電熱線260を有した、コンパートメント300と比較的振動しない構造体106を備えた振動毛切断ユニット100の断面図である。選択的には、皮膚押圧エレメント312は、電熱線260の一方のサイドに配置された細長いエレメントであり、ギャップ328に面している。先に示されたように、一列の皮膚押圧エレメント314は、ギャップ328に面した、電熱線260のもう一方のサイドにある細長い構成素子を備えていても良い。選択的には、支柱支持部160、162は、電熱線260が皮膚押圧エレメント312及び/又は314に接触するのを防止する為に支柱240、242に配置されている。
【0088】
構造体106は、例えば機械的な動作検知器であるホイール110を備え、ホイール110は、例えば皮膚領域400(図4)の表面に沿って転がり、ユニット100が皮膚領域400に対して動作していること示す信号を制御部118に送信する。例示的な実施の形態において、制御部118は、動作に応じて振動器350をオン又はオフし、それにより、振動器350が選択的に振動する。
【0089】
選択的には、動作検知器であるホイール110は、ユニット100が皮膚領域400に対して最小速度を上回って移動するときには振動器350をオンに切り替え、ユニット100が最小速度を下回って移動するときには振動器350をオフに切り替える。本発明の例示的な実施の形態では、最小速度は0.2〜1cm/sであり、選択的にはおよそ0.5cm/sである。また、本発明の幾つかの実施の形態において、動作検知器は、その速度が毛を適切に除去するような値を上回るものであることをも報知する。この速度は一般に3cm/s以上である。しかしながらこの値は電熱線の直径と温度に依存して変化し得る。代替的に又は追加的には、機械的動作検知器110は、振動器350をオン又はオフさせるように制御部118に命令信号を出力する光学的な動作検知器を備える。選択的には、振動を制御することに加え、動作検知器110は、皮膚領域400に対するユニット100の動きに応じ、電熱線260によって発生される熱をオン又はオフする機能を有する。選択的には、システムは、発熱中及び/又は振動中かどうかを視覚的に報知する手段、例えばライト等を含む。本発明の実施の形態においてライトは、速度が所望の範囲内であるときには緑であり、その範囲外であるときには赤である。
【0090】
例示的な実施の形態において、バッテリ114は、例えば振動器350及び/又は電熱線260に電力を供給する。選択的には、バッテリ114は、再充電可能であり、例えば入力部116によって電力変換器及び/又はAC電源コンセント(不図示)等の外部電源に接続される。代替的に又は追加的には、入力部116は、バッテリ114を介することなく電熱線260及び/又は振動器350に直接接続され、電熱線260は例えば交流電流で駆動する。
【0091】
説明を明確にする為に、これらの実施の形態では、例えば張力を付加する支柱240及び242及び/又は振動器350とバッテリ114との接続を示していない。しかしながら例示的な実施の形態において、電気コネクタの簡略的な配線は、電熱線260、振動器350、及び/又は、ユニット100に接続された他の構成要素に電力を供給する為に使用される。
【0092】
例示的な実施の形態において、クロスピン132が、構造体106に取り付くピン端部134と136を有し、これにより、構造体106と同様に振動支柱130及び138が振動する為、コンパートメント300が振動することができるようになる。一以上の動作制限器332は、振動支柱130及び/又は138に隣接し、コンパートメント300振動中の振動支柱130と138の変位を制限し、選択的には、構造体106から突出している。例示的な実施の形態において、動作制限器332は、例えばシリコン等の圧縮可能な部材である。代替的であり例示的な実施の形態において、フレーム200が、振動器350及びコンパートメント300並びに構造体106に、変動しない状態で直接接続される一方で、電熱線260は皮膚領域400に対して振動する。
【0093】
例示的な実施の形態において、コンパートメント300は、流動体及び/又は固形のデオドラント142を入れることができるコンテナ140を備える。コンテナ140は、例えばベンチュリ管開口部148を有した通路146に連結している。デオドラント142は、コンパートメント300が振動すると霧化し、ベンチュリ管開口部148を介して電熱線260及び/又は皮膚400周辺領域に散布される。
【0094】
代替的に又は追加的には、デオドラント142は、電熱線260から与えられる熱によって気化する。代替的に又は追加的には、カバー310が通路146に備えられている。使用者操作トリガー308が、構造体106に備えられ、デオドラント142からの気体及び/又はエーロゾルを放出する為にカバー310を開放する。
【0095】
ただ、どのようなタイプの分布手段を使用した場合であっても、デオドラント142は、霧化し及び/又は気化するとき、伝達通路146を介して電熱線260と皮膚領域400全体に達し、それにより、毛切断中に発生した臭いを消し及び/又は中和する。デオドラント(毛を焼灼したときの臭いを消すパヒュームであり得る)として、種々の好ましい香りを提案することができる。
【0096】
図1Aに示される更に別の代替的で例示的な実施の形態において、煙及び/又は脱臭用フィルタ280が、ストラット244の通気口380を覆うように位置している。回転可能な送気装置支持羽根236(或いは他の送気機構)は、回転し、フィルタ280に臭いを引き込ませる。フィルタ280の入力側と通気口380とを通気路で連結させると、より完全に、焼灼したときの臭いを含む空気の流れをフィルタ280に送り込むことができる。
【0097】
選択的には、フィルタ280は例えば液体デオドラント等のデオドラントを吸収する多孔性の部材であり、操作者は、フィルタ280の少なくとも一部の領域に液体デオドラントを塗る。臭いは、フィルタ280を通り過ぎたときに好ましいフレグランスによって中和され及び/又は取って代わられる。選択的には、脱臭用フィルタ280は、切断された毛460(図3)を更に収集する容器374内部に配置され、或いは、容器374に隣接して配置される。
【0098】
選択的には、送気装置支持羽根236は、熱及び/又は振動を伴って動作する。選択的には、送気装置支持羽根236は、これらの要素の一方又は両方と同時に動作することがなく、或いは、付加的な臭いを除去する為に多少長い期間動作する。
【0099】
本発明の例示的な実施の形態に従い、図4に、皮膚領域400から伸びた毛404を切断する振動毛切断ユニット100の簡略的な断面図を示す。
【0100】
例示的な実施の形態において、静電露出部370は、例えば動作検知器であるホイール110近傍でユニット100に組み込まれ、電熱線260によって切断された毛460を引き寄せる。静電露出部370は、例えばテフロン(登録商標)であり、皮膚との摩擦によって自身で帯電し、毛を引き寄せるのに適切な大きさを有する。他の帯電手段及び材料もまた、使用することができる。
【0101】
選択的には、毛を収容する容器374は、静電露出部370近傍に並置され、静電露出部370に溜まった毛460を収集する。選択的には、容器374は、収集補助部378を有し、静電露出部370近傍に毛460を搬送する櫛或いはブラシである。
【0102】
例示的な実施の形態において、電熱線260に流れる電流は、0.5Aであるが、電熱線260の直径及び/又は含まれる材料に依存して変化することがある。切断効率の為、電熱線260は、10〜100ミリセカンド選択的には25〜75ミリセカンドの期間毛404に対して保持されるとき、例えば700〜800°であるピークの温度に達する。
【0103】
電熱線260が例えば50〜150ミリセカンドなどの長い期間毛404に対して保持されるとき、例えば500°の低温を、毛404を切断する為に使用することができる。電熱線260が例えば5〜15ミリセカンドなどの短い期間毛404に対して保持されるとき、例えば1000°の高温を、毛404を切断する為に使用することができる。
【0104】
バッテリ114は、電熱線260の直径に依存し、例えば3〜30ボルト及び0.03〜5アンペアを供給する。
【0105】
例示的な実施の形態において、電熱線260は0.07〜0.1ミリメートルの直径を有する。代替的には、電熱線260は、柔軟性が低く及び/又は破断し易い材料で加工されている場合には、0.1ミリメートル以上の直径を有し、柔軟性が高く及び/又は破断し難い材料で加工されている場合には、0.07ミリメートル以下の直径を有する。
【0106】
電熱線260は、例えば25〜30ミリメートルの長さを有するが、一回の通過で切断される設計上の毛404の量に基づいて、例えば30ミリメートル以上又は25ミリメートル以下の長さを有することもあるだろう。
【0107】
例示的な実施の形態において、電熱線260は、Kantaal D(Kantaalグループで製造されるニッケルクロムと他の金属との合金)から加工されている。電熱線260の代替的な材料には、ニクロム又は電熱線の別の抵抗材料が含まれる。
【0108】
支柱240及び/又は242を製造する為に使用される弾性と導電性を有した材料の例には、バネ鋼(SS 302)とベリリウム銅が含まれる。選択的には、支柱には、電熱線に対する導電性と支柱のはんだ付性を向上させるスズのような材料が被膜されている。
【0109】
皮膚押圧エレメント312は直線状の櫛のような部品として示されているが、それらの形状は変更可能であるだろう。代替的に又は選択的には、設計変更される皮膚押圧エレメント312の列は、ユニット100一式に備えられたものとして含まれ得る。例えばユニット100一式に含まれる皮膚押圧エレメント312の列は、それらの長さ方向に沿って屈曲されたものであり得、半円状であり得、或いは、丸いボール状にさえなり得るだろう。例えば毛密度及び/又は操作者の好みに基づいて、皮膚押圧エレメント312の列を種々に設計して使用することができるだろう。
【0110】
様々な数値的指標が電熱線を説明する為に利用されている。追加的には、様々な数値的指標は、電熱線に近接した構造体を説明する為に利用され、電熱線に対する皮膚押圧エレメントの長さ、直径及び位置を含む。これらの数値的指標が、様々な工学原理、材料、使用目的、本発明に採り入れられた設計に基づいて更に変更可能であることが理解されるであろう。読み手は、先に参照されたPCT出願をさらに引用し、ここに開示された多くの特徴を有する多数の変形例を包含できる。
【0111】
ここに開示されたそれぞれの特徴が、先に述べたように単一のシェーバー装置と共に使用できることが更に理解されるであろう。代替的には、各特徴(又はそれらの幾つかの組合せ)は、例えば先に参照されたPCT出願に示された装置の一つに加えられることにより、別々に適用することもできる。その上、先に与えられた例が実際に例示的なものであり、本発明又は請求項の範囲を限定しないものであることが理解されるであろう。
【0112】
語句「含む(include)」、「備える(comprise)」、「有する(have)」、及び、ここで使用されるようなこれらの同意語は、「含むが必ずしも限定されない」を意味する。
【0113】
本発明の例示的で非限定的な実施の形態は、以上の記述で説明され、ここに添付された図面を参照して読解される。図面において、二枚以上の図面に現れる同一及び同様の構造体、素子又はその部分は、それらが現れる図面において、通常、同一又は同様の参照番号を付される。図面に示される構成要素及び特徴の寸法は、説明の便宜上及び明瞭化を第一に選択されたものであり、スケールを必要とするものではない。
【図面の簡単な説明】
【0114】
【図1A】本発明の例示的な実施の形態に従い、毛を切断することができる電熱線を支持する構造体の概略図を示したものである。
【図1B】本発明の例示的な実施の形態に従い、図1Aの代替的な構造体の概略図を示したものである。
【図2】本発明の例示的な実施の形態に従い、位置調整器を含む図1Aの構造体の概略図を示したものである。
【図3】本発明の例示的な実施の形態に従い、振動毛切断ユニットの部分等角図を示したものである。
【図4】本発明の例示的な実施の形態に従い、図3の振動毛切断ユニットの横断面であり、毛切断中を示したものである。
【符号の説明】
【0115】
100 ユニット
106 構造体
110 ホイール
114 バッテリ
116 入力部
118 制御部
120、122 ガイド溝
130、138 振動支柱
132 クロスピン
134、136 ピン端部
140 コンテナ
142 デオドラント
146 通路
148 ベンチュリ管開口部
150、152 リング
160、162 支柱支持体
180、182 ソケット
190、192 導電領域
200 フレーム
232 偏芯ウェイト
234 モータ
236 送気装置支持羽根
240、242 支柱
244 ストラット
260 電熱線
270、272 電熱線端部
280 脱臭用フィルタ
290、292 導電性支柱
300 コンパートメント
308 使用者操作トリガー
310 カバー
312、314 皮膚押圧エレメント
318、320、330 歯車
328 ギャップ
340、342 支柱保護部
350 振動器
354 コネクタ
370 静電露出部
374 容器
378 収集補助部
380 通気口
388、390、392 平板
400 皮膚
404、460 毛

【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛を切断することができる温度に加熱される伸長素子(elongate element)と、
前記伸長素子を備え付けた振動構造体と、
前記振動構造体を組み込んだハウジングと、
を備えた毛切断装置。
【請求項2】
毛を含んだ皮膚領域に沿って低速で移動するとき、前記振動構造体を振動させることにより、発熱した前記伸長素子が、毛に対して複数回通過する、請求項1に記載の毛切断装置。
【請求項3】
ある距離で隔てられた二本の支柱間に前記伸長素子が備え付けられ、少なくとも一方の前記支柱が電熱線に張力を付加するような弾性材である、請求項1又は2に記載の毛切断装置。
【請求項4】
弾性を有する各前記支柱が、第一の方向に加えられた力に対して比較的撓み易く、第二の方向に加えられた力に対して比較的撓み難い、請求項3に記載の毛切断装置。
【請求項5】
前記支柱の少なくとも一部が、前記電熱線の少なくとも一部が嵌まるガイド溝を備えた、請求項3又は4に記載の毛切断装置。
【請求項6】
前記支柱が導電性を有した、請求項3から5のいずれかに記載の毛切断装置。
【請求項7】
前記電熱線を前記支柱に電気的に接続した、請求項6に記載の毛切断装置。
【請求項8】
前記支柱を支持するような前記振動構造体に備えられた導電性ソケットを含む、請求項6又は7に記載の毛切断装置。
【請求項9】
前記電熱線の軸に直交した方向における前記ハウジングに対する前記支柱の移動を制限する二以上の支柱安定機構を含む、請求項3から8のいずれかに記載の毛切断装置。
【請求項10】
回転時に前記振動構造体を振動させる偏芯回転ウェイトを含む、前記請求項のいずれかに記載の毛切断装置。
【請求項11】
皮膚領域に沿った前記電熱線の動きに応じて前記振動構造体をオン又はオフさせる動作検知器を含む、前記請求項のいずれかに記載の毛切断装置。
【請求項12】
前記動作検知器が、最小速度に応じて前記振動構造体をオン又はオフさせる、請求項11に記載の毛切断装置。
【請求項13】
前記動作検知器が、一定の値を超えた速度を報知する報知手段を備えた、請求項11又は12に記載の毛切断装置。
【請求項14】
前記報知手段が視覚的なものである、請求項13に記載の毛切断装置。
【請求項15】
前記報知手段が振動を停止させる機能を含む、請求項13又は14に記載の毛切断装置。
【請求項16】
前記動作検知器が、前記伸長素子の発熱を補助的に制御する、請求項11から15のいずれかに記載の毛切断装置。
【請求項17】
前記動作検知器が、所定の速度よりも低い速度を検知したときに、前記伸長素子に対する加熱をオフする、請求項16に記載の毛切断装置。
【請求項18】
前記動作検知器が、所定の速度よりも高い速度を検知したときに、前記伸長素子に対する加熱をオフする、請求項16又は17に記載の毛切断装置。
【請求項19】
前記動作検知器が、
(a)機械的な動作検知器
(b)光学的な動作検知器
の少なくとも一方である、請求項11から18のいずれかに記載の毛切断装置。
【請求項20】
加熱される前記伸長素子が電熱線である、前記請求項のいずれかに記載の毛切断装置。
【請求項21】
使用者の皮膚に押し当てられるような携帯型装置であり、皮膚表面又はその近傍で該皮膚上の毛を切断する、前記請求項のいずれかに記載の毛切断装置。
【請求項22】
(a)毛を切断するのに充分に高い温度に伸長素子を加熱するステップと、
(b)加熱された伸長素子を皮膚領域に当て付けるステップと、
(c)当て付けている間、皮膚領域を複数回通過するように、その長軸と直交する方向に伸長素子を振動させるステップとを含む、振動した加熱素子を用いて皮膚領域から毛を切断する方法。
【請求項23】
切断された毛を収集するステップを更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
切断された毛を容器に収容するステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
伸長素子が電熱線である、請求項22から24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
毛を除去すべき領域から皮膚表面に沿って伸長素子を手で動かすステップを含む、請求項22から25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
少なくとも一本が電熱線の軸方向に弾性を有した支柱であって、二本のそれぞれ独立した支柱に対して電熱線を位置決めするステップと、
互いに向かい合う支柱に対して電熱線を位置決めする為に、電熱線に対し、その軸方向に、支柱を変形させるのに充分な程度で張力を付加するステップと、
少なくとも一本の支柱を変形させて電熱線に張力を付加し、その状態で電熱線を固定するステップとを含む、張力が付加された電熱線を製作する方法。
【請求項28】
少なくとも一本の支柱が電熱線をガイドする為のガイドを備え、
少なくとも一つの電熱線ガイドを位置決めするステップと、
一方の支柱が他方の支柱に向かって屈曲するよう、支柱の軸に対して0°又は鋭角を成す方向に、支柱との接触部分を越えて伸びた電熱線の少なくとも一端を引っ張るステップとを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
固定するステップが、電熱線に張力を付加しているときに当該電熱線をそれぞれの支柱に固定するステップを含む、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
電熱線の位置決めが少なくとも一本の支柱の先端で行われ、その固定が該先端近傍で行われる、請求項27から29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
請求項27から29のいずれかに記載の方法によって製造される装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
毛を切断することができる温度に加熱される伸長素子(elongate element)と、
前記伸長素子を備え付けた振動構造体と、
前記振動構造体を組み込んだハウジングと、
を備えた毛切断装置。
【請求項2】
毛を含んだ皮膚領域に沿って低速で移動するとき、前記振動構造体を振動させることにより、発熱した前記伸長素子が、毛に対して複数回通過する、請求項1に記載の毛切断装置。
【請求項3】
ある距離で隔てられた二本の支柱間に前記伸長素子が備え付けられ、少なくとも一方の前記支柱が電熱線に張力を付加するような弾性材である、請求項1又は2に記載の毛切断装置。
【請求項4】
弾性を有する各前記支柱が、第一の方向に加えられた力に対して比較的撓み易く、第二の方向に加えられた力に対して比較的撓み難い、請求項3に記載の毛切断装置。
【請求項5】
前記支柱の少なくとも一部が、前記電熱線の少なくとも一部が嵌まるガイド溝を備えた、請求項3又は4に記載の毛切断装置。
【請求項6】
前記支柱が導電性を有した、請求項3から5のいずれかに記載の毛切断装置。
【請求項7】
前記電熱線を前記支柱に電気的に接続した、請求項6に記載の毛切断装置。
【請求項8】
前記支柱を支持するような前記振動構造体に備えられた導電性ソケットを含む、請求項6又は7に記載の毛切断装置。
【請求項9】
前記電熱線の軸に直交した方向における前記ハウジングに対する前記支柱の移動を制限する二以上の支柱安定機構を含む、請求項3から8のいずれかに記載の毛切断装置。
【請求項10】
回転時に前記振動構造体を振動させる偏芯回転ウェイトを含む、前記請求項のいずれかに記載の毛切断装置。
【請求項11】
皮膚領域に沿った前記電熱線の動きに応じて前記振動構造体をオン又はオフさせる動作検知器を含む、前記請求項のいずれかに記載の毛切断装置。
【請求項12】
前記動作検知器が、最小速度に応じて前記振動構造体をオン又はオフさせる、請求項11に記載の毛切断装置。
【請求項13】
前記動作検知器が、一定の値を超えた速度を報知する報知手段を備えた、請求項11又は12に記載の毛切断装置。
【請求項14】
前記報知手段が視覚的なものである、請求項13に記載の毛切断装置。
【請求項15】
前記報知手段が振動を停止させる機能を含む、請求項13又は14に記載の毛切断装置。
【請求項16】
前記動作検知器が、前記伸長素子の発熱を補助的に制御する、請求項11から15のいずれかに記載の毛切断装置。
【請求項17】
前記動作検知器が、所定の速度よりも低い速度を検知したときに、前記伸長素子に対する加熱をオフする、請求項16に記載の毛切断装置。
【請求項18】
前記動作検知器が、所定の速度よりも高い速度を検知したときに、前記伸長素子に対する加熱をオフする、請求項16又は17に記載の毛切断装置。
【請求項19】
前記動作検知器が、
(a)機械的な動作検知器
(b)光学的な動作検知器
の少なくとも一方である、請求項11から18のいずれかに記載の毛切断装置。
【請求項20】
加熱される前記伸長素子が電熱線である、前記請求項のいずれかに記載の毛切断装置。
【請求項21】
使用者の皮膚に押し当てられるような携帯型装置であり、皮膚表面又はその近傍で該皮膚上の毛を切断する、前記請求項のいずれかに記載の毛切断装置。
【請求項22】
(a)毛を切断するのに充分に高い温度に伸長素子を加熱するステップと、
(b)加熱された伸長素子を皮膚領域に当て付けるステップと、
(c)当て付けている間、皮膚領域を複数回通過するように、その長軸と直交する方向に伸長素子を振動させるステップとを含む、振動した加熱素子を用いて皮膚領域から毛を切断する方法。
【請求項23】
切断された毛を収集するステップを更に含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
切断された毛を容器に収容するステップを含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
伸長素子が電熱線である、請求項22から24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
毛を除去すべき領域から皮膚表面に沿って伸長素子を手で動かすステップを含む、請求項22から25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
少なくとも一本が電熱線の軸方向に弾性を有した支柱であって、二本のそれぞれ独立した支柱に対して電熱線を位置決めするステップと、
互いに向かい合う支柱に対して電熱線を位置決めする為に、電熱線に対し、その軸方向に、支柱を変形させるのに充分な程度で張力を付加するステップと、
その後に、少なくとも一本の支柱を変形させて電熱線に張力を付加し、その状態で電熱線を固定するステップとを含む、張力が付加された電熱線を製作する方法。
【請求項28】
少なくとも一本の支柱が電熱線をガイドする為のガイドを備え、
少なくとも一つの電熱線ガイドを位置決めするステップと、
一方の支柱が他方の支柱に向かって屈曲するよう、支柱の軸に対して0°又は鋭角を成す方向に、支柱との接触部分を越えて伸びた電熱線の少なくとも一端を引っ張るステップとを含む、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
固定するステップが、電熱線に張力を付加しているときに当該電熱線をそれぞれの支柱に固定するステップを含む、請求項27又は28に記載の方法。
【請求項30】
電熱線の位置決めが少なくとも一本の支柱の先端で行われ、その固定が該先端近傍で行われる、請求項27から29のいずれかに記載の方法。
【請求項31】
請求項27から29のいずれかに記載の方法によって製造される装置。

【図1A】
image rotate

【図1B】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公表番号】特表2006−513779(P2006−513779A)
【公表日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−569310(P2004−569310)
【出願日】平成15年3月13日(2003.3.13)
【国際出願番号】PCT/IL2003/000219
【国際公開番号】WO2004/080232
【国際公開日】平成16年9月23日(2004.9.23)
【出願人】(500307616)レイディアンシー インク. (5)
【Fターム(参考)】