説明

振動式物品搬送装置及び部品供給システム

【課題】振動式物品搬送装置の出口端の位置ずれを低減し、物品の詰りや供給停止を回避することのできる構造を提供する。
【解決手段】本発明の振動式物品搬送装置10は、搬送トラック12aを備えた搬送振動体12Fと、搬送振動体に搬送トラックに沿った振動方向を備えた振動を与える振動機4と、搬送振動体の下流側端部12Fcに設けられた搬送トラックの出口端12cに隙間Bを介して対向する入口端13bを備える延長トラック13aを備えた延長搬送体13と、搬送振動体の下流側端部と延長搬送体の上流側端部13Fbとを屈折可能に連結する連結構造14と、延長搬送体の下流側端部を、延長搬送体の下流側端部における搬送方向と直交する面に沿った主面を備えた弾性支持板32を介して弾性的に支持する弾性支持構造15とを具備することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は振動式物品搬送装置及び部品供給システムに係り、特に、物品を振動する搬送振動体に設けられた搬送トラック上で振動方向に搬送する装置及びこの装置を用いた部品供給システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ボウル状の搬送振動体を備えたボウルフィーダ(パーツフィーダ)やリニアフィーダ(直進フィーダ)などの振動式物品搬送装置が物品を供給するシステムにおいて多く用いられている。例えば、図8に示すように、ボウルフィーダ1の搬送振動体(ボウル)1Fに設けられた螺旋状の搬送トラック1aの出口端1bと、リニアフィーダ2の搬送振動体2Fに設けられた直線状の搬送トラック2aの入口端2bとを僅かな隙間s1を介して対向配置し、ボウルフィーダ1の搬送トラック1aの出口端1bに到達した物品をリニアフィーダ2の搬送トラック2aの入口端2bへ渡すことで被供給装置9に物品の供給ができるように構成された振動式物品搬送装置及びその物品供給システムが知られている。また、振動式物品搬送装置の他の例として、図9に示すように、ボウルフィーダ1の下流側に接続されるリニアフィーダに互いに並行に配置された供給フィーダ2Aと返送フィーダ2Bを設け、供給フィーダ2Aの搬送振動体で物品を被供給装置9に供給しつつ、不良物品や正規の姿勢にない物品を返送フィーダ2Bに排出し、返送フィーダ2Bでボウルフィーダ1に戻すようにした装置も知られている。
【0003】
ところで、上記ボウルフィーダ1と上記リニアフィーダ2を組み合わせた振動式物品搬送装置においては、上記ボウルフィーダ1の搬送振動体1Fがその軸線周りに回転振動しているのに対し上記リニアフィーダ2の搬送振動体2Fは搬送トラック2aの延長方向に直線状に振動しているので互いに振動方向や振幅が異なることから、上記出口端1bと上記入口端2bとが接触しないように上記隙間s1を設けている。しかしながら、この隙間s1では、両側の異なる振動態様の出口端1bと入口端2bから受ける応力により物品が跳ね上がったり上記入口端2bにひっかかったりして詰まりやすくスムーズな搬送ができないという問題点がある。そこで、上記リニアフィーダの代わりに上記出口端1bに板ばねで接続された入口端を備えるとともに出口端を支柱に対して搬送方向に摺動可能に取り付けたり、駆動体で支持してなるリニアシュートを用いる場合がある(例えば、以下の特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−236625号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、図8や図9に示す従来の装置では、ボウルフィーダ1を搭載した回転振動機3とリニアフィーダ2を搭載した直線振動機4がそれぞれ防振ゴムやコイルばね等のインシュレータ(防振材)5、6を介して架台7に支持される場合が多い。また、このインシュレータ5,6は、近年の精密部品や精密機械を収容した工場内では、騒音の発生を抑制し、周囲の機器(被供給装置9を含む。)に振動による影響を与えないためには必須の構成であり、また、振動機3、4の振動状態の安定性を確保するためにも必須の構成である。
【0006】
しかしながら、上記のインシュレータ5、6が存在することにより、動作中に僅かではあるがふらつきが発生するので、上記隙間s1を介して対向する出口端1bと入口端2bの間の位置ずれ、及び、上記隙間s2を介して対向する出口端2cと被供給部9aの間の位置ずれが発生する。特に、インシュレータ6が介在する搬送振動体2Fとインシュレータが介在しない被供給装置9との間の上記出口端2cと被供給部9aの位置ずれは大きくなる可能性がある。また、これらの位置ずれは時間が経過するに従ってインシュレータ5,6の経年変化によるヘタリに起因しても大きくなる。さらに、これらの位置ずれは振動機3,4の重量に起因して高さ方向に生ずる場合もあり、振動態様によって水平方向にも生ずる場合もある。例えば、図7の部分平面図に示すように、出口端2cと被供給部9aとの間に水平方向に位置ずれDが生じた場合には、この位置ずれDによる影響は搬送される物品Wのサイズが小さく搬送トラック1a、2aの幅が小さいときほど大きくなり、位置ずれDの許容量も小さくなるため、このようなときには僅かな位置ずれDによっても物品Wが詰ってその供給が停止する虞がある。
【0007】
さらに、上記特許文献1に記載の構成では、リニアシュートの出口端を支柱で振動方向に摺動可能に取り付けるとき(上記特許文献1の図1参照)には、ボウルに位置ずれが生ずると、リニアシュートが斜めに応力を受けるため搬送方向に振動しにくくなって特に出口端の近傍で物品の搬送が滞りやすくなることから、リニアシュートの出口端と上記被供給部との間で物品が詰りやすくなるという問題点がある。一方、リニアシュートの出口端を駆動体でボウルフィーダと同期して振動させる場合(上記特許文献1の図4参照)にはリニアシュート上における物品の搬送性は上記支柱を有する構造より向上するものの、上記位置ずれが生ずるとリニアシュートの姿勢変化により搬送方向が駆動体の駆動方向とずれるため、リニアシュートには駆動体による本来の振動方向とは異なる方向のぶれが生じやすくなり、このぶれにより出口端と被供給部との間の上記隙間において物品が詰りやすくなるという問題点がある。
【0008】
そこで、本発明は上記問題点を解決するものであり、その課題は、振動式物品搬送装置の出口端の位置ずれを低減し、物品の詰りや供給停止を回避することのできる構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
斯かる実情に鑑み、本発明の振動式物品搬送装置は、搬送トラックを備えた搬送振動体と、該搬送振動体に前記搬送トラックに沿った振動方向を備えた振動を与える振動機と、前記搬送振動体の下流側端部に設けられた前記搬送トラックの出口端に隙間を介して対向する入口端を備える延長トラックを備えた延長搬送体と、前記搬送振動体の下流側端部と前記延長搬送体の上流側端部とを屈折可能に連結する連結構造と、前記延長搬送体の下流側端部を、前記延長搬送体の下流側端部における搬送方向と直交する面に沿った主面を備えた弾性支持板を介して弾性的に支持する弾性支持構造と、を具備することを特徴とする。
【0010】
この発明によれば、搬送振動体の下流側端部と延長搬送体の上流側端部を連結する連結構造が搬送トラックに沿った振動方向の振動を伝達するとともに、弾性支持構造により延長搬送体の下流側端部が弾性的に支持されていることにより、振動機により搬送振動体が振動を受けると、搬送振動体の振動が延長振動体に伝達されて同方向に振動するので、搬送トラック上から供給された物品をそのまま延長トラックに沿って搬送して延長トラックの出口端から排出することが可能になる。このとき、上記弾性支持板は主面方向の剛性が高く厚み方向の剛性が低いので、搬送方向と直交する面に沿った主面を備えた弾性支持板の支持特性としては、延長搬送体の下流側端部に対して与える搬送方向の軸線周りの回動に対する抵抗力が搬送方向と直交する軸線周りの回動に対する抵抗力よりも大きくなる。したがって、延長搬送体の搬送方向の振動を阻害しないとともに、搬送振動体の下流側端部の搬送方向と直交する軸線周りの回動をその撓みやねじれにより許容し、さらに、当該下流側端部における搬送方向と直交する面に沿った位置ずれを確実に抑制することができるだけでなく、延長搬送体のローリング等の姿勢変化を抑制することができる。なお、本明細書において「搬送方向と直交する面に沿った主面」とは、搬送方向と直交する面に対して厳密に平行である場合に限る趣旨ではなく、上記の支持特性を実質的に実現できる構成であればよいので、主面が搬送方向と直交する面に対して30度未満の角度を有する場合をも含むこととする。また、「主面方向」とは板状体(平行平板)の表面に沿った方向を言い、「厚み方向」とは板状体の表面と直交する方向を言う。さらに、本明細書において「弾性」とは、一般的にばね材として用いられるか否かとは無関係に、搬送用振動に対して実質的に弾性体として機能する場合に用いることとする。また、板状体(上記弾性支持板や後述する弾性連結版)の形状は、非拘束部分(接続部材等により拘束されていない部分)の接続方向の長さ及び幅が厚みの3倍以上であることが好ましく、5倍以上であることが望ましい。
【0011】
本発明の一の態様においては、前記弾性支持板は前記主面が前記搬送方向の下流側に対し斜め上方に向くように傾斜している。これによれば、延長搬送体の上流側端部が下流側に対して斜め上方に向かう方向の振動を受けたときに、弾性支持板が傾斜していることにより延長搬送体の下流側端部も当該振動の方向に沿って振動可能となるので、延長搬送体の振動態様を全長に亘って均一化できるため、物品を延長搬送体上においてスムーズに搬送することができる。
【0012】
本発明の他の態様においては、前記搬送方向と直交する面に沿った主面を備えた弾性連結板と、前記搬送方向に延在する弾性連結軸とを並列に備えることが好ましい。弾性連結板は主面方向の剛性が厚み方向の剛性より高く、弾性連結軸は軸線方向の剛性が軸線方向と直交する面に沿った方向の剛性よりも高いので、連結構造の連結特性においては、搬送方向(連結方向)と直交する面に沿った方向の搬送振動体の下流側端部と延長搬送体の上流側端部の間の相対的な並進移動に対する抵抗力が搬送方向と直交する軸線周りの相対的な回動に対する抵抗力よりも大きくなるだけでなく、搬送方向の軸線周りの相対的な回動に対する抵抗力も搬送方向と直交する軸線周りの相対的な回動に対する抵抗力より大きくなるので、延長搬送体のローリング等の姿勢変化を抑制することができる。
【0013】
本発明の別の態様においては、前記弾性支持構造は、前記延長搬送体の下流側端部の位置を前記搬送方向と直交する面に沿った方向に調整可能に構成する位置調整手段をさらに具備する。これによれば、位置調整手段が延長搬送体の下流側端部の位置を弾性支持構造において調整することで、物品の供給先の被供給部の位置に対する延長トラックの出口端の位置調整を容易かつ精密に行うことができる。例えば、上記位置調整部は、延長搬送体の下流側端部を搬送方向と直交する水平方向及び垂直方向に調整する手段で構成される。特に、当該位置調整部は、弾性支持構造そのものを搬送方向と直交する面に沿った方向に調整可能に構成するものであることが好ましい。例えば、弾性支持構造と、この弾性支持構造が取付固定部に対して接続固定される場合に、弾性支持構造の取付固定部に対する位置を調整可能に構成するものが挙げられる。
【0014】
本発明の別の態様においては、前記弾性支持構造は、前記弾性支持板の下流側に対する傾斜角度を調整可能に構成する支持角度調整手段をさらに具備する。この支持角度調整手段としては、上記取付固定部に対する弾性支持構造の位置を搬送方向に調整可能な構造で構成することができる。
【0015】
次に、本発明の物品供給システムは、上記いずれかの振動式物品搬送装置と、前記延長トラックの出口端に間隙を介して対向する被供給部を備えた被供給装置とを具備することを特徴とする。ここで、被供給装置としては、振動式物品搬送装置により供給された物品(例えばチップ電子部品)を検査する物品検査装置、振動式物品搬送装置により供給された物品を構成要素とする製品を組み立てる製品組立装置などが挙げられる。このような各種の被供給装置においては、特に微細な物品の供給を受ける場合、高い検査精度や組立精度を要求されることが多いので、被供給部における物品の供給位置や供給姿勢についても高い精度が求められるため、本発明の構成は極めて有効である。この場合に、上記弾性支持構造は、前記搬送振動体と振動的に分離された取付固定部、すなわち、前記被供給装置若しくはこれに直接若しくは間接的に固定された取付固定部、或いは、搬送振動体とは異なる振動系に含まれる取付固定部に接続固定され、これによって上記延長搬送体の下流側端部が取付固定部に対して弾性的に支持されることが好ましい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、搬送振動体の下流側に延長搬送体を屈折可能に連結したことにより、振動式物品搬送装置の出口端の位置ずれを低減し、物品の詰りや供給停止を回避することができるという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係る第1実施形態の振動式物品搬送装置及び物品供給システムの全体構成を示す概略正面図。
【図2】第1実施形態の延長搬送体及びその接続構造の構成を示す拡大部分正面図。
【図3】第1実施形態の延長搬送体及びその接続構造をそれぞれ搬送方向両側から見た様子をそれぞれ示す図であって、延長搬送体を連結構造とともに搬送先に向けて見た左側面図(a)、連結構造を構成する垂直支持板の板形状を示す図(b)、及び、延長搬送体を弾性支持構造とともに搬送元に向けて見た右側面図(c)。
【図4】弾性支持構造の拡大縦断面図。
【図5】第2実施形態の連結構造を一部断面にて示す拡大部分正面図。
【図6】第1実施形態の延長搬送体の設置状態の一例を示す部分平面図(a)、他の例を示す部分平面図(b)、及び、さらに他の例を示す部分正面図(c)。
【図7】従来の振動式搬送装置の物品供給箇所を示す拡大部分平面図。
【図8】従来の振動式物品搬送装置の例を示す平面図(a)及び正面図(b)。
【図9】従来の振動式搬送装置の別の例を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
次に、添付図面を参照して本発明に係る振動式物品搬送装置及び物品供給システムの実施形態について詳細に説明する。第1実施形態は、図1に示すように、従来構成と同様に、ボウルフィーダ11とリニアフィーダ12を有し、これによって物品を被供給装置9の被供給部9aに供給するように構成されている。なお、従来構成と同様の部分、特に、回転振動機3、直線振動機4、インシュレータ5,6、架台7等については説明を省略する。
【0019】
本実施形態では、図1に示すように、ボウルフィーダ11の搬送振動体(ボウル)11Fに設けられた螺旋状の搬送トラック11aからリニアフィーダ12の搬送振動体12Fに設けられた直線状の搬送トラック12aへと図示しない物品が搬送される。搬送振動体12Fは、搬送トラック12aに沿った方向(搬送方向)の往復振動(実際には当該方向に対して下流側に向けてやや上向きの往復振動、以下、この態様の振動を「搬送用振動」という。)をしている。搬送振動体12Fの下流側には延長搬送体13が配置され、この延長搬送体13には直線状の延長トラック13aが設けられている。図2に示すように、延長トラック13aの入口端13bは上記搬送トラック12aの出口端12cと隙間Bを介して対向している。また、延長トラック13aの出口端13cは被供給装置9の被供給部9aに対して隙間Cを介して対向している。これらの隙間B、Cはそれぞれ物品Wが支障なく移動できる間隔以下で、しかも振動によって両側の端部同士が接触しない間隔以上となるように設定される。なお、図示例の場合、延長搬送体13は、延長トラック13aを設けた本体13Aと、この本体13Aに取り付けられた支持材13Bと、この支持材13Bにより支持されて本体13A(延長トラック13a)の上方に配置される上枠材13Cとを備えている。上枠材13Cは延長トラック13a上の物品Wが脱出しないように保持する。
【0020】
搬送振動体12Fの下流側端部12Fcと延長搬送体13の上流側端部13Fbは、連結構造14を介して連結されている。この連結構造14は、搬送振動体12Fの下流側端部12Fc(具体的には搬送トラック12aの出口端12c)と延長搬送体13の上流側端部13Fb(具体的には延長トラック13aの入口端13b)とが直接接触せずに隙間Bを介して対向するように保持するとともに、搬送振動体12Fの上記搬送用振動を延長搬送体13に伝達する。
【0021】
連結構造14は、図2に示すように、搬送振動体12F(図示例ではその下面)に取り付けられた支持具等で構成される振動側取付部21と、延長搬送体13(図示例ではその下面)に取り付けられた支持具等で構成される延長側取付部22、23とを有する。振動側取付部21には上記隙間Bの直下位置(隙間Bと平面的に重なる位置)に突設された第1支持部21aが形成され、この第1支持部21aと延長側取付部22との間には図3(b)に示す矩形の平面形状を備えた板ばねからなる弾性連結板24がその主面方向を搬送方向(図示左右方向、搬送トラック12a及び延長トラック13aの延長する方向)と直交する面に沿った方向にした姿勢で接続されている。また、振動側取付部21には第1支持部21aよりも垂直方向(搬送方向と直交する面に沿った方向)には搬送振動体12Fに近いが搬送方向には隙間Bから離れた位置に第2支持部21bが設けられ、この第2支持部21bと延長側取付部23との間には搬送方向に伸びる弾性連結軸(連結ロッド)25が接続されている。なお、延長側取付部23は延長側取付部22よりも隙間Bより離れた位置に設けられている。弾性連結板24には図3(b)に示すように中央に貫通孔24aが形成され、この貫通孔24aに余裕を持って弾性連結軸25の長手方向中間部が挿通されている。これにより弾性連結板24と弾性連結軸25は相互に干渉せず、それぞれ独立して搬送振動体12Fと延長搬送体13との間を接続するように取り付けられている。また、上記構造により、隙間Bに近い位置において弾性連結板24及び弾性連結軸25をコンパクトに配置できるとともに、弾性連結板24の撓み変形の中心位置と弾性連結軸25の撓み変形の中心位置とを近づける(一致させる)ことができるため、連結構造14は搬送振動体12Fと延長搬送体13とを隙間Bに近い点を中心に屈折可能に連結することができる。
【0022】
上記弾性連結板24においては主面方向(平行平板状の板形状の表面に沿った方向、以下同様。)の剛性が厚み方向(同表面と直交する方向、以下同様。)の剛性より高いため、搬送振動体12Fと延長搬送体13の間の搬送方向と直交する面に沿った方向の相対的な並進移動に対する抵抗力は相対的に大きいが、搬送方向に沿った方向の相対的な並進移動に対する抵抗力、並びに、搬送方向と直交する軸線周りの相対的な回動に対する抵抗力は相対的に小さくなる。ここで、弾性連結板24の形状は非拘束部分の長さ(第1取付部21aから延長側取付部22に向かう方向の寸法)及び幅(長さ方向と直交する方向の寸法)は厚みの3倍以上であることが好ましく、5倍以上であることが望ましい。一方、上記弾性連結軸25においては軸線方向の剛性が軸線と直交する方向の剛性より高いため、搬送方向の相対的な並進移動に対する抵抗力は相対的に大きいが、搬送方向と直交する軸線周りの相対的な回転に対する抵抗力は相対的に小さくなる。ここで、弾性連結軸25の非拘束部分の長さは直径の5倍以上であることが好ましく、10倍以上であることが望ましい。上記の構成により、この連結構造14によれば、搬送方向の振動が効率的に伝達されるとともに上記隙間Bが変化しにくく、また、搬送振動体12Fの下流側端部12Fcと延長搬送体13の上流側端部13Fbとの間では搬送方向と直交する方向(図2の上下方向又は図3(a)及び(c)の左右方向)への位置ずれが抑制されるとともに容易に屈折させることが可能になる。
【0023】
なお、上記搬送用振動の振動方向の水平面(搬送方向)に対する角度(振動角)は一般に5〜25度の範囲内なので、連結構造14の弾性連結軸25が水平方向(搬送方向)に沿って延在するように設置されていても、上記搬送用振動をほとんど減衰させることなく、確実に延長搬送体13に伝達することができる。弾性連結軸25の非拘束部分の軸線方向の長さと外径の比は、弾性連結軸25の軸線方向の所要剛性と軸線方向と直交する面に沿った方向の所要剛性に応じて決定される。ただし、上記のように搬送用振動の振動方向と弾性連結軸25の軸線方向との間に上記振動角に対応する角度差が存在する場合、弾性連結軸25の座屈を回避するために上記比は30以下であることが好ましく18以下であることが望ましい。なお、弾性連結軸25が上記搬送用振動の振動方向に伸びるように(上記角度差をなくすように)設置されることが好ましいことはもちろんである。ただし、上記角度差が存在する場合でも垂直方向の振動成分は弾性連結板24による主面方向の剛性により伝達されるので、連結構造14は全体として搬送用振動の振動をその振動態様(上記傾斜角)を維持したまま効率的に延長搬送体13へ伝達することができる。
【0024】
延長搬送体13の下流側端部13Fcは弾性支持構造15によって弾性的に支持されている。この弾性支持構造15は取付固定部16に接続固定されることで下流側端部13Fcを支持している。この取付固定部16は上記搬送用振動を受ける搬送振動体12Fとは振動的に分離された部分であり、実質的に振動しない部分、例えば、上記搬送振動体12Fとは実質的に異なる振動系に属する部分、上記搬送振動体12Fに対して構造的に分離されている部分、或いは、上記搬送振動体12Fに対して少なくともインシュレータ(防振材)を介して接続されている部分などである。図1に示す架台7や当該架台7を設置した床面自体を上記取付固定部16とすることも可能であるが、図示例の場合には当該床面に設置された被供給装置9の一部を取付固定部16としている。
【0025】
弾性支持構造15は、延長搬送体13の下流側端部13Fc(の下面)に取り付けられた支持具等で構成される搬送側取付部31と、この搬送側取付部31に接続固定された上縁部32aを備えた板状の弾性支持板32と、この弾性支持板32の下縁部32bが接続固定されるとともに上記取付固定部16に固定された位置調整部33とを有する。弾性支持板32は図示例では搬送方向(延長トラック13aの搬送方向)と直交する面に沿った主面を有する薄板で構成され、好ましくは焼きならし加工された金属板で構成される。この弾性支持板32の主面方向の剛性は厚み方向の剛性よりも高く、その主面が上記搬送方向、或いは、上記搬送用振動の振動方向と直交する姿勢で配置される。ここで、弾性支持板32の形状は非拘束部分の長さ(垂直方向の寸法)及び幅(搬送方向と直交する水平方向の寸法)は厚みの3倍以上であることが好ましく、5倍以上であることが望ましい。この構造により、延長搬送体13の下流側端部13Fcは搬送方向若しくは振動方向には小さな抵抗力を受け、これらと直交する方向には大きな抵抗力を受けるから、延長搬送体13は上記搬送振動体12Fと同じ態様で振動できる。特に、図2又は図4に示すように、搬送用振動の振動方向の上記傾斜角に合わせて弾性支持板32の上記主面方向を垂直面に対して同じ傾斜の向きに(好ましくは当該傾斜角分だけ)傾斜させることにより、延長搬送体13を全長に亘って同じ振動方向を備えた態様で振動させることができる。具体的には、弾性支持板32を下流側に対して斜め上方を向くように傾斜させることで、延長搬送体13の上流側端部13Fbが連結構造14を介して受ける搬送用振動とほぼ同じ態様で延長搬送体13の下流側端部13Fcを振動させることができる。したがって、延長搬送体13を全長に亘ってより均等に振動させることができるので、物品Wの搬送性をさらに向上できる。
【0026】
また、弾性支持構造15は、搬送方向と直交する面に沿った並進移動や搬送方向の軸線周りの回転に対しては大きな抵抗力(支持力)を示すが、搬送方向と直交する軸線周りの回転に対して示す抵抗力(支持力)は小さい。したがって、下流側端部13Fcは、搬送方向と直交する面に沿った方向(図2の上下方向及び図3(a)又は(c)の左右方向)の並進移動並びに搬送方向の軸線周りの回転に対しては強い抵抗力を受け、搬送方向と直交する軸線周りの回転に対しては弱い抵抗力を受けるため、上述のように搬送振動体12Fの下流側端部12Fcが位置ずれを生じた場合でも、延長トラック13aの出口端13cと、被供給部15aとの位置ずれが生じにくくなるとともに、延長搬送体13は搬送振動体12Fに対して容易に屈折する。
【0027】
位置調整部33は、取付固定部16において延長搬送体13の搬送方向に伸びるように形成された長溝16aに嵌合する取付基材34を有し、この取付基材34には長孔34aが形成され、この長孔34aを通して取付固定部16に螺合する固定ねじ35により、取付基材34は搬送方向に位置調整可能な態様で取付固定部16に接続固定される。また、取付基材34には上方へ突出し、延長搬送体13の搬送方向と直交する面に沿った側面を備えた保持部34bが設けられ、この保持部34bの上記側面上に沿って上下に摺動可能に連結部材36が取り付けられる。連結部材36は、取付基材34の底部上に配置されたばね38Aによって上方に付勢されるとともに、当該底部に対して上方から垂直方向に螺合する調整ねじ機構(図示例では取付基材34に螺合した軸体に螺合された調整ナット)38Bによって保持されている。ばね38Aは調整ねじ機構38Bの軸体に挿通されたコイルばねである。また、連結部材36には、上記弾性支持板32の下端縁32bに接続固定された接続部材37が取り付けられている。図3(c)及び図6(c)に示すように接続部材36の両側には水平方向に突出する突片部34c、34dが形成され、これらの突片部34c、34dにそれぞれ螺合する調整ねじ39A、39Bによって接続部材37は両側から搬送方向と直交する幅方向(水平方向)に位置決めされる。さらに、上記連結部材36及び接続部材37は固定ねじ40により保持部34bに対して固定される。
【0028】
このように構成された位置調整部33は搬送方向に並進移動可能に構成されるので、上記弾性支持板32の下縁部32bの搬送方向の位置調整を行うことができ、この位置調整の作業により弾性支持板32の傾斜角を調整することができる。これらの構造は上述の支持角度調整手段を構成する。この傾斜角の調整により延長搬送体13の下流側部分の振動態様を精密に調整できるので、延長搬送体13上の物品の搬送性を最適化する上で支持角度調整手段を設けることは効果的である。なお、弾性支持板32を上述のように焼きならし処理をした金属板などの或る程度塑性変形しやすい素材(しかしながら搬送用振動に対しては弾性を有する素材)で構成することにより、弾性支持板32を傾斜させたときに上縁部32a及び下縁部32bをその中間部に対して屈折した状態に塑性変形させることで搬送側取付部31及び接続部材37に適合させることができる。ここで、弾性支持板32の上縁部32aに接続固定される搬送側取付部31と、下縁部32bに接続固定される接続部材37の弾性支持板32に対する取付面は垂直面であるため、これらの部材の加工が容易になるという利点がある。
【0029】
また、この位置調整部33は上記弾性支持板32を搬送方向と直交する面に沿って上下左右に並進移動可能となるように構成されているので、被供給装置9の被供給部9aに対する延長トラック13aの出口端13cの位置調整を精密に行うことができる。これらの構造は上述の位置調整手段を構成する。
【0030】
次に、以上のように構成された振動式物品搬送装置及び物品供給システムの動作及び作用効果について説明する。本実施形態では、図6(a)に示すように、搬送振動体12Fの搬送トラック12a上を物品(電子部品など)Wが搬送され、この物品Wが搬送トラック12aの出口端12cから排出された後、入口端13bから延長トラック13a上へ移動し、そのまま延長トラック13a上を移動していく。やがて延長トラック13aの出口端13cから排出された物品Wは被供給装置9の被供給部9aに導入される。
【0031】
図6(a)に示す状態では、延長搬送体13の上流側端部13Fbは、搬送振動体12Fの下流側端部12Fcに対して、搬送トラック12aと延長トラック13aとが平面視で一つの直線上に沿って伸びるように正対している。また、延長搬送体13の下流側端部13Fcもまた、被供給部9aに対して正対している。この状態は、振動式物品搬送装置の被供給装置9に対する位置及び姿勢の調整が上記位置調整部33等を用いて完了した状態を示している。
【0032】
ここで、本実施形態では、延長搬送体13の上流側端部13Fb及び下流側端部13Fcの端縁の平面形状が幅方向中央部で突出し幅方向両側で後退した形状となっている。図示例では端縁の平面形状が三角状とされているが、円弧形状や台形状であってもよい。このような端縁形状とすることで、後述するように搬送振動体12Fや被供給部9aの搬送方向に対する延長搬送体13の搬送方向の角度差が所定の範囲内で変化した場合でも、初期設定時における隙間B及びCの値を最小限に抑制しつつ、隙間B及びCの幅方向両側において対向する端部間の接触を回避することができる。
【0033】
本実施形態においては、図6(b)に示すように、搬送振動体12Fの下流側端部12Fcが水平方向(搬送方向と直交する面に沿った方向)に位置ずれD1を生じたときには、延長搬送体13の上流側端部13Fbも上記連結構造14によって位置ずれD1と同じ向きにほぼ同じ量だけ移動する。これは、連結構造14の搬送方向と直交する水平方向(搬送方向と直交する面に沿った方向)への並進移動に対する剛性が大きいからである。また、このときに延長搬送体13の下流側端部13Fcは上記弾性支持構造15によって被供給部9aの対向位置に保持される。これは、弾性支持構造15による搬送方向と直交する水平方向(搬送方向と直交する面に沿った方向)への並進移動に対する剛性が大きいからである。そして、この結果、延長搬送体13は図示のように平面視で屈折した姿勢となる。これは、連結構造14と弾性支持構造15の垂直軸線周りの回動(搬送方向と直交する軸線周りの回動)に対する剛性が小さいためである。
【0034】
また、図6(c)に示すように、搬送振動体12Fの下流側端部12Fcが垂直方向(搬送方向と直交する面に沿った方向)に位置ずれD2を生じたときにも、延長搬送体13の上流側端部13Fbは同じ方向にほぼ同じ量だけ移動し、下流側端部13Fcは被供給部9aの対向位置に保持され、側面視で延長搬送体13は屈折した姿勢となる。これは、連結構造14及び弾性支持構造15の垂直方向(搬送方向と直交する面に沿った方向)への並進移動に対する抵抗力が大きいとともに、搬送方向と直交する水平軸線周りの回動(搬送方向と直交する軸線周りの回動)に対する抵抗力が小さいからである。なお、図6(b)及び(c)の例はいずれも位置ずれD1、D2が極端に大きい場合について描いたものであり、実際に生じうる位置ずれ及びこれに伴う延長搬送体13の屈折角は図示よりも大幅に小さい。
【0035】
なお、上述のように位置ずれD1、D2が生じたときにおいて、延長搬送体13が搬送方向の軸線周りに回動する(転倒したりねじれたりする)ことはほとんどない。これは、連結構造14及び弾性支持構造15の搬送方向に沿った軸線周りの抵抗力(支持力)が大きいからである。この抵抗力は、主として、連結構造14の連結板24及び弾性支持構造15の弾性支持板32の主面方向の高い剛性に起因している。
【0036】
上記連結構造14において、連結板24は搬送振動体12Fの下流側端部12Fcと延長搬送体13の上流側端部13Fbとの隙間Bを介した対向する位置関係を正対した状態に維持するように機能する。このとき、連結構造14(弾性連結板24及び弾性連結軸25)をなるべく隙間Bの近傍に配置することで、延長搬送体13が屈折姿勢となったときの両端部間の相対的な位置ずれを低減できる。この位置ずれを最も低減するためには、連結構造14は隙間Bの直下位置(図示例の場合)若しくは直上位置に配置されることが好ましい。なお、隙間Bに対応する部分に開口部を備えた弾性連結板を隙間Bの上下左右にわたるように配置し、一方の端縁部を搬送振動体12Fの下流側端部12Fcに接続し、反対側の端縁部を延長搬送体13の上流側端部13Fbに接続してもよい。この場合には弾性連結板の中央部が隙間Bと一致するので、弾性変形板に撓みや捩じれが生じたときの隙間Bの変動を最小限に抑制することができる。
【0037】
また、図6(b)及び(c)に示すように位置ずれD1、D2が生じることで延長搬送体13が屈折姿勢とされた場合でも、連結構造14の搬送方向の剛性が高いことによって搬送用振動の伝達性の低下はほとんど生じない。これは、この場合には弾性連結軸25が僅かに屈曲した状態となるものの、その屈曲は弾性連結軸25の搬送方向の剛性にほとんど影響を与えないからである。
【0038】
隙間Bは弾性連結軸25の非拘束部の長さを変えることによって調整できる。図示例では、隙間Bの値は、弾性連結軸25の振動側取付部21に対する取付位置と延長側取付部23に対する取付位置の少なくとも一方を変えることで調整できる。ただし、振動側取付部21に対する取付位置を変えることで、弾性連結板24の影響(撓み変形)を防止できる。このとき、搬送振動体12Fと延長搬送体13は基本的に連結構造14(弾性連結軸25)によって同振幅かつ同位相で振動するので、隙間Bは両端部が接触しない範囲でなるべく小さく設定することができる。
【0039】
図5には、第2実施形態として、上記第1実施形態とは異なる態様の連結構造14′を有する例を示す。なお、この第2実施形態で説明する部分以外の構成は第1実施形態と同様である。この連結構造14′においては、搬送振動体12Fの下流側端部12Fc(の下面)に設けられた振動側取付部21′と、延長搬送体13の上流側端部13Fb(の下面)に設けられた延長側取付部23′に対して弾性連結軸25′の両端部が固定されている点では第1実施形態と類似の構成を備えている。しかしながら、弾性連結軸25′の中間の非拘束部分には括れ部25s′が形成されている。この括れ部25s′を設けることで、弾性連結軸25′は軸線方向に高い剛性を維持しつつ、軸線方向と直交する軸線周りの屈曲に対して低い剛性を備えたものとされる。このように構成すると、弾性連結軸25′による軸線方向の並進移動に対する剛性を大きく軸線方向と直交する軸線周りの屈曲に対する剛性を小さくすることができることから連結構造14′を弾性連結軸25′のみで構成できるため、連結構造14′を簡易に構成できる。
【0040】
なお、この連結構造14′では弾性連結軸25′の捩じれ剛性のみで搬送振動体12Fと延長搬送体13の間のローリングに対する抵抗力を得る構造となっているので、当該抵抗力を連結構造14′において充分に確保しようとすると上記捩じれ剛性を高める必要があるが、これは弾性連結軸25′の軸線方向と直交する軸線周りの屈曲に対する剛性を低くしなければならないために難しい。したがって、この場合には、上記ローリングに対する抵抗力を弾性支持構造15の弾性支持板32によって担保すればよい。弾性支持構造15により上記抵抗力を増大させるには、弾性支持板32の板形状の幅(搬送方向と直交する面に沿った幅)を大きくすればよい。
【0041】
一方、上記弾性支持構造15においては、弾性支持板32は延長搬送体13の下流側端部13Fcと被供給部9aとの隙間Cを介した対向する位置関係を正対した状態に維持するように機能する。このとき、弾性支持板32をなるべく隙間Cの近傍に配置することで、延長搬送体13が屈折姿勢となったときの下流側端部13Fcと被供給部9aの間の相対的な位置ずれを低減できる。この位置ずれを最も低減するためには、弾性支持板32は隙間Cの直下位置(図示例の場合)若しくは直上位置(例えば、被供給装置9のフレームに弾性支持構造15を介して延長搬送体13の下流側端部13Fcが吊り下げられる場合)に配置されることが好ましい。なお、隙間Cに対応する部分に開口部を備えた弾性支持板を隙間Cの上下左右にわたるように配置し、一方側の端縁部を延長搬送体13の下流側端部13Fcに接続し、反対側の端縁部を取付固定部16に接続してもよい。この場合には弾性連結板の中央部が隙間Cと一致するので、弾性変形板に撓みや捩じれが生じたときの隙間Cの変動を最小限に抑制することができる。
【0042】
本実施形態において、延長搬送体13の下流側端部13Fcは搬送振動体12Fから搬送用振動の伝達を受けることで振動しているが、被供給部9aは基本的には静止し、或いは、上記振動とは異なる態様で振動しているので、上記振動によって下流側端部13Fcと被供給部9aとが接触しないように、振動の態様に合わせて隙間Cの値を設定することが必要である。この隙間Cの値は搬送振動体12Fの被供給装置9に対する位置を調整する(例えば、被供給装置9に対する架台7の相対的な設置位置を調整する)ことで設定することができる。
【0043】
本実施形態では、上述のように搬送振動体12Fの下流側端部12Fcの位置ずれを延長搬送体13の姿勢変化(屈折)によって吸収し、被供給部9aに対する延長搬送体13の下流側端部13Fcの位置ずれを抑制することができるので、長期間にわたり安定した物品の供給を実現することができる。
【0044】
尚、本発明の振動式物品搬送装置及び物品供給システムは、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記各実施形態では、直線状の搬送トラック12aを備えた搬送振動体12Fの下流側に延長搬送体13を連結し、延長搬送体13によって固定された被供給部9aに物品を供給しているが、これとは異なり、螺旋状の搬送トラックを備えた搬送振動体の下流側に延長搬送体を連結してもよく、また、延長搬送体によって異なる態様で振動する被供給部に物品を供給するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0045】
10…振動式物品搬送装置、11…ボウルフィーダ、11F…搬送振動体、12…リニアフィーダ、12F…搬送振動体、12a…搬送トラック、12Fc…下流側端部、13…延長搬送体、13a…延長トラック、13Fb…上流側端部、13Fc…下流側端部、14…連結構造、24…連結板、25…弾性連結軸、15…弾性支持構造、32…弾性支持板、33…位置調整部、3、4…振動機、5、6…インシュレータ、7…架台、9…被供給装置、9a…被供給部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送トラックを備えた搬送振動体と、
前記搬送振動体に前記搬送トラックに沿った振動方向を備えた振動を与える振動機と、
前記搬送振動体の下流側端部に設けられた前記搬送トラックの出口端に隙間を介して対向する入口端を備える延長トラックを備えた延長搬送体と、
前記搬送振動体の下流側端部と前記延長搬送体の上流側端部とを屈折可能に連結する連結構造と、
前記延長搬送体の下流側端部を、前記延長搬送体の下流側端部における搬送方向と直交する面に沿った主面を備えた弾性支持板を介して弾性的に支持する弾性支持構造と、
を具備することを特徴とする請求項1に記載の振動式物品搬送装置。
【請求項2】
前記弾性支持板は前記主面が前記搬送方向の下流側に対し斜め上方に向くように傾斜していることを特徴とする請求項1に記載の振動式物品搬送装置。
【請求項3】
前記連結構造は、前記搬送方向と直交する面に沿った主面を備えた弾性連結板と、前記搬送方向に延在する弾性連結軸とを並列に備えることを特徴とする請求項1又は2に記載の振動式物品搬送装置。
【請求項4】
前記弾性支持構造は、前記延長搬送体の下流側端部の位置を前記搬送方向と直交する面に沿った方向に調整可能に構成する位置調整手段をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の振動式物品搬送装置。
【請求項5】
前記弾性支持構造は、前記弾性支持板の下流側に対する傾斜角度を調整可能に構成する支持角度調整手段をさらに具備することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の振動式物品搬送装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の振動式物品搬送装置と、前記延長トラックの出口端に間隙を介して対向する被供給部を備えた被供給装置とを具備することを特徴とする物品供給システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−105489(P2011−105489A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−264210(P2009−264210)
【出願日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【出願人】(599069507)株式会社ダイシン (27)
【Fターム(参考)】