説明

振込システム

【課題】手続き終了時に判明した振込先名の間違いで保留となっている振込の訂正処理を金融機関の窓口に行かなくてもできる振込システムを提供する。
【解決手段】自動取引装置10にて現金振込を行うとき、振込先金融機関(他行のホストコンピュータ30)の口座確認ができない場合、メールアドレス登録部12が携帯電話40のメールアドレスを登録し、手続き終了時に印刷部13が振込識別番号を印刷する。行員が、保留されている振込依頼について、振込手続きをしようとして振込先金融機関から通知された振込先名と振込依頼人が入力した振込先名とをチェックしたときに、完全に一致していない場合、その振込依頼は、再度保留される。この場合、メールサーバ25が、登録されたメールアドレス宛に訂正依頼のメールを送信する。振込先名が訂正されて返信されたメールは、振込情報訂正部24によって解析され、該当する振込依頼の情報が訂正される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は振込システムに関し、特にATM(Automated Teller Machine:現金自動預払機)のような自動取引装置を利用して他の金融機関への現金の振込処理を効率的に行うことができる振込システムに関する。
【背景技術】
【0002】
金融機関で振込を行う場合、店舗等に設置されているATMを利用することが多い。その際、振込先が同じ金融機関の場合は、振込に必要な情報を同じ金融期間内ですべて取得できるため、その場で振込手続き完了までの操作が可能である。また、他の金融機関への振込であっても、振込先への振込経験があってその情報が記録された振込カードを用いて振込を行う場合でも、ほぼ問題なく振込手続き完了まで進めることができる。しかし、振込カードがなく、現金による提携金融機関への振込を行う場合には、ATM操作の際に、振込依頼人に関する情報、振込金額、振込先に関する情報のすべてを入力または選択操作しなければならないことがある。振込先に関する情報としては、振込先金融機関、支店、口座番号、科目および振込先名があり、振込依頼人に関する情報としては、依頼人名および連絡先電話番号がある。
【0003】
ここで、振込先名については、ATMが自行ホストコンピュータを介して提携金融機関に口座番号による口座照会を行ったとき、提携金融機関から口座番号に対応した振込先名の情報が照会応答として返ってくる。この場合、その振込先の名前を画面に提示できるので、その入力操作を省略することができる。その後、入力された振込内容の確認が行われ、現金の投入、計数、振込金額等の確認後、ATMが自行ホストコンピュータを介して提携金融機関に振込依頼をする。そして、提携金融機関から振込許可の応答があると、ATMは、レシートの発行および必要ならおつりの払出処理をして、現金振込に関するすべての手続きが完結する。
【0004】
ところが、提携金融機関が口座番号および口座名義人名の情報を共有できる一般社団法人全国銀行協会に加盟していなかったり、加盟していても情報を非公開にしていたり、さらには、提携金融機関のホストコンピュータが稼働していなかったりする場合がある。このような場合、提携金融機関から口座番号に対応した振込先名の情報の提供がないので、ATMは、振込先名の入力を要求し、振込依頼人に振込先の名前をカタカナで入力してもらう。その後、入力された振込内容の確認が行われ、現金の投入、現金計数、振込金額等の確認後、ATMが自行ホストコンピュータに対して振込依頼をする。自行ホストコンピュータは、ATMに対しては即座に振込許可を送るが、提携金融機関とはその場で口座確認ができないので、振込依頼を保留状態で保持する。そして、振込許可の応答を受けたATMは、レシートの発行および必要ならおつりの払出処理をして、現金振込に関するATMでの手続きが完了する。
【0005】
保留となっている振込依頼は、行員が振込先金融機関に対して口座確認をする。このとき、振込先金融機関から提供された口座番号に対応する口座名義人名が、振込依頼人が入力した振込先の名前と一致する場合は、振込先金融機関に振込依頼をし、振込先金融機関から振込完了が通知されることで、振込手続きが完了する。
【0006】
一方、口座確認の際に、振込先金融機関から提供された口座番号に対応する口座名義人名が、振込依頼人が入力した振込先の名前と完全に一致しない場合、振込先金融機関に振込依頼をすることができない。この場合、行員が振込依頼人に対し、金融機関の窓口で訂正手続きをするよう電話連絡をする。振込依頼人は、金融機関の窓口に出向いて、訂正手続きをすることで、振込先金融機関に対し、保留していた振込の手続きを行う。振込先金融機関から振込完了の通知を受けることで、振込手続きは完了し、ここで初めて振込が成立することになる。
【0007】
以上のように、ATMで行った振込依頼が自行ホストコンピュータで保留となるのは、その場で自行ホストコンピュータが振込先金融機関に口座照会を行うことができないことによる。これに対し、振込先金融機関に口座照会を行うことができない場合であっても、その場で振込手続きを完了させ得るシステムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。このシステムでは、金融機関とは、所定の通信回線を通じて独自に通信が可能な送金中継装置を備え、この送金中継装置が振込手続きを代行することにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−16258号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、振込の訂正手続きを金融機関の窓口で行うには、利用者は営業時間に窓口へ行かなければならないため大きな手間が発生し、一方、金融機関は手続きの対面事務処理の手間が発生するという問題点があった。
【0010】
また、金融機関のほとんどが口座確認をリアルタイムに行うことができるので、極一部の金融機関のために、送金処理だけのために別ルートで振込手続きが可能なシステムを新たに設けることは、現実的ではない。
【0011】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、振込が保留となっている場合に、金融機関の窓口に行かなくても訂正処理をすることができる振込システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明では上記の課題を解決するために、現金による振込を実行可能な自動取引装置と、前記自動取引装置と接続される第1ホストコンピュータと、前記第1ホストコンピュータと接続される少なくとも一つの第2ホストコンピュータとを含む振込システムにおいて、前記自動取引装置は、現金振込を受け付けて処理を行う振込処理部と、前記振込処理部が振込の受付をしている際に連絡先情報として携帯電話のメールアドレスの登録を受け付けるメールアドレス登録部と、前記第1ホストコンピュータから通知された振込識別番号を出力する印刷部と、を備え、前記第1ホストコンピュータは、前記自動取引装置から口座照会を受けて振込先口座のある前記第2ホストコンピュータに口座照会を行い、前記第2ホストコンピュータからの照会応答を前記自動取引装置に送る口座照会部と、前記自動取引装置から振込依頼を受けて振込先口座のある前記第2ホストコンピュータに振込依頼を行い、前記第2ホストコンピュータからの振込許可を前記振込識別番号とともに前記自動取引装置に送る振込依頼部と、前記第2ホストコンピュータから照会応答がない場合に、前記自動取引装置からの振込依頼を受け付けて保留する振込依頼保留部と、前記振込依頼保留部に保留された振込依頼に関する情報が前記第2ホストコンピュータの保持する情報と相違する場合に、前記メールアドレス登録部が受け付けたメールアドレス宛に前記振込識別番号を付した訂正依頼のメールを送信するメールサーバと、送信したメールに対する訂正依頼の返信メールを前記メールサーバが受けたときに、前記返信メールの内容を解析し、前記振込識別番号により特定された振込依頼に関する情報を訂正する振込情報訂正部と、を備えていることを特徴とする振込システムが提供される。
【0013】
このような振込システムによれば、手続き終了時に判明した振込先名の間違いで保留となっている振込依頼がある場合、その訂正依頼を振込依頼人の携帯電話にメールで通知し、その返信メールで振込先名の訂正を指示することができる。
【0014】
また、本発明では、第1ホストコンピュータと、前記第1ホストコンピュータの配下にあって現金による振込を実行可能な第1自動取引装置と、前記第1ホストコンピュータと接続される少なくとも一つの第2ホストコンピュータと、前記第2ホストコンピュータの配下にある第2自動取引装置とを含む振込システムにおいて、前記第1自動取引装置は、現金振込を受け付けて処理を行う振込処理部と、振込処理の際に連絡先情報として携帯電話のメールアドレスの登録を受け付けるメールアドレス登録部と、前記第1ホストコンピュータから通知された振込識別番号を出力する印刷部と、前記第1ホストコンピュータに保留されていて前記振込識別番号によって特定される振込依頼の情報に対する訂正依頼を受け付ける第1訂正依頼受付部と、を備え、前記第2自動取引装置は、前記第1ホストコンピュータに保留されていて前記振込識別番号によって特定される振込依頼の情報に対する訂正依頼を受け付け、前記第2ホストコンピュータを介して前記第1ホストコンピュータに通知する第2訂正依頼受付部を備え、前記第1ホストコンピュータは、前記自動取引装置から口座照会を受けて振込先口座のある前記第2ホストコンピュータに口座照会を行い、前記第2ホストコンピュータからの照会応答を前記自動取引装置に送る口座照会部と、前記自動取引装置から振込依頼を受けて振込先口座のある前記第2ホストコンピュータに振込依頼を行い、前記第2ホストコンピュータからの振込許可を前記振込識別番号とともに前記自動取引装置に送る振込依頼部と、前記第2ホストコンピュータから照会応答がない場合に、前記自動取引装置からの振込依頼を受け付けて保留する振込依頼保留部と、前記振込依頼保留部に保留された振込依頼に関する情報が前記第2ホストコンピュータの保持する情報と相違する場合に、前記メールアドレス登録部で登録されたメールアドレス宛に前記振込識別番号を付した訂正依頼のメールを送信するメールサーバと、前記第1自動取引装置または前記第2自動取引装置の前記第1訂正依頼受付部または前記第2訂正依頼受付部が訂正依頼を受け付けたときに、前記振込識別番号により特定された振込依頼に関する情報を訂正する振込情報訂正部と、を備え、前記第2ホストコンピュータは、前記第2自動取引装置の前記第2訂正依頼受付部が訂正依頼を受け付けたときに、訂正依頼内容を前記第1ホストコンピュータに通知する訂正依頼転送部を備えていることを特徴とする振込システムが提供される。
【0015】
このような振込システムによれば、手続き終了時に判明した振込先名の間違いで保留となっている振込依頼がある場合、その訂正依頼を振込依頼人の携帯電話にメールで通知し、訂正の手続きは、第1または第2自動取引装置で振込先名の訂正をすることができる。
【発明の効果】
【0016】
上記構成の振込システムは、現金振込の際に口座確認ができなかった口座の振込先名の入力時に携帯電話のメールアドレスを登録し、振込先名の訂正が必要になった場合に、訂正依頼を、メールにて通知するので、電話で受ける必要がないという利点がある。
【0017】
メールで通知された訂正依頼に対し、振込依頼人の都合のよいタイミングで、携帯電話または最寄りの自動取引装置によって訂正処理ができるので、金融機関の営業時間内に窓口に行かなくても振込を成立させることができる。また、金融機関は、窓口で振込先名の訂正をするための対面事務手続きが発生しないので、面倒で時間のかかる対面事務処理の手間をなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施の形態に係る振込システムのブロック図である。
【図2】第1の実施の形態に係る振込システムの適用環境を示す図である。
【図3】ホストコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
【図4】自動取引装置の処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】自行のホストコンピュータにおける口座照会処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】自行のホストコンピュータにおける振込依頼処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】自行のホストコンピュータにおける訂正処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】訂正依頼メールの内容例を示す図である。
【図9】振込完了を通知するメールの内容例を示す図である。
【図10】第2の実施の形態に係る振込システムのブロック図である。
【図11】自動取引装置の訂正受付処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】自動取引装置における入力内容確認画面の例を示す図である。
【図13】自行のホストコンピュータにおける訂正処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は第1の実施の形態に係る振込システムのブロック図である。
振込システムは、自動取引装置10と、この自動取引装置10と接続されるホストコンピュータ20と、このホストコンピュータ20と接続されるホストコンピュータ30と、振込依頼人の携帯電話40とを有している。
【0020】
自動取引装置10は、振込依頼人が現金振込の操作する端末(ATM)であって、振込に関する操作を受け付けて振込処理を行う振込処理部11を備えている。自動取引装置10は、また、振込依頼人の連絡先として、振込処理部11が登録を行っている電話番号の他に、携帯電話40のメールアドレスを登録するためのメールアドレス登録部12を備えている。このメールアドレス登録部12は、自動取引装置10の表示画面に表示されるキー(ボタン)からの入力の他、赤外線通信機構を利用して携帯電話40からの送信により入力できるようにしている。自動取引装置10は、さらに、振込操作が終わったときに取引内容と振込識別番号とを印刷する印刷部13を備えている。振込識別番号は、2次元または3次元バーコードとすることができる。
【0021】
ホストコンピュータ20は、自動取引装置10が受け付けた振込についての口座照会を振込先口座のあるホストコンピュータ30に行い、その照会応答を自動取引装置10へ通知する口座照会部21を備えている。ホストコンピュータ20は、自動取引装置10からの振込依頼を受けてホストコンピュータ30に振込依頼を行い、ホストコンピュータ30からの振込許可を振込識別番号とともに自動取引装置10に送る振込依頼部22を備えている。ホストコンピュータ20は、また、ホストコンピュータ30から照会応答がなかったときに、自動取引装置10が受け付けた振込依頼を保留しておく振込依頼保留部23を備えている。ホストコンピュータ20は、振込依頼保留部23に保留されている振込依頼の中で、内容の誤っている情報(主に振込先名)を訂正する振込情報訂正部24と、その訂正を携帯電話40に対してメール送信により依頼するメールサーバ25とを備えている。
【0022】
ホストコンピュータ30は、ホストコンピュータ20とは異なる金融機関のものであって、ホストコンピュータ20からの依頼に対して口座照会を行う口座照会部31と、振込処理を行う振込処理部32とを備えている。
【0023】
振込依頼人が自動取引装置10を操作してこの自動取引装置10の金融機関(自行)とは異なる金融機関(他行)の口座に現金振込を行う場合の処理の流れについて説明する。まず、振込依頼人が自動取引装置10を操作して所定の項目、すなわち、振込先の金融機関、支店名および振込先口座の科目を選択し、振込先の口座番号、依頼人名および電話番号、振込金額を入力する。自動取引装置10の振込処理部11は、これらの情報を以てホストコンピュータ20に口座照会を依頼する。
【0024】
ホストコンピュータ20は、口座照会部21が振込先金融機関のホストコンピュータ30に口座照会をする。ホストコンピュータ30は、その口座照会部31がホストコンピュータ20からの依頼に対して自身のデータベースを探索して依頼された口座に対応する口座名義人(振込先名)を抽出し、ホストコンピュータ20に対して照会応答を返す。ホストコンピュータ20は、その口座照会部21がその照会応答を自動取引装置10に返す。なお、ホストコンピュータ20が振込先金融機関のホストコンピュータ30から振込先名の通知を受けなかった場合は、振込先名の情報がない状態で照会応答が自動取引装置10に返される。
【0025】
自動取引装置10では、振込先名の情報のない照会応答の場合には、振込処理部11が振込先名の入力を要求し、メールアドレス登録部12が携帯電話40のメールアドレスの登録の要求が行われる。
【0026】
そして、現金の入金処理が行われると、振込処理に必要な情報すべてが揃ったので、自動取引装置10の振込処理部11は、ホストコンピュータ20に対して振込依頼をする。ホストコンピュータ20は、口座照会のときに振込先名の通知を受けたかどうかで振込先金融機関のホストコンピュータ30に対して振込依頼をするかどうかを判断する。すなわち、振込先名の通知を受けた金融機関のホストコンピュータ30に対しては、振込依頼部22がそのまま振込依頼をする。しかし、ホストコンピュータ30が振込先名の通知を受けていない金融機関のものであれば、この時点では、振込依頼人が入力した振込先名が正しいかどうかを判断することができないので、その振込依頼は、振込依頼保留部23によって保留される。
【0027】
ホストコンピュータ30は、振込依頼を受けた場合、その振込処理部32にて振込処理を行い、振込処理が完了すると、ホストコンピュータ20に対して振込許可を送る。ホストコンピュータ20の振込依頼部22は、ホストコンピュータ30から振込許可を受けると、その振込許可を振込識別番号とともに自動取引装置10へ送る。もちろん、振込依頼部22が振込依頼を振込依頼保留部23に保留したときにも、振込許可および振込識別番号を自動取引装置10へ送る。
【0028】
振込許可および振込識別番号を受けた自動取引装置10は、その印刷部13が振込の取引内容を印刷したレシートを発行するが、そのときに、ホストコンピュータ20から通知された振込識別番号を印字して出力する。
【0029】
振込依頼保留部23に保留された振込依頼は、行員が振込先金融機関に連絡して振込依頼人が入力した振込先名と振込先口座に対応する口座名義人とが一致しているかどうかを判断し、両者が完全に一致している場合には、振込先金融機関に振込処理を依頼する。
【0030】
振込依頼人が入力した振込先名と振込先口座に対応する口座名義人とが一致していない場合は、メールサーバ25がメールアドレス登録部12によって登録されたメールアドレス宛に振込識別番号を添付した訂正依頼のメールを送信する。このメールを受け取った振込依頼人は、振込先名を訂正して返信する。この返信メールをメールサーバ25が受けると、振込情報訂正部24が返信メールの内容を解析し、振込識別番号により特定された振込依頼に関する情報を訂正する。このとき、この訂正された振込依頼には、手続き可のフラグが付され、この手続き可のフラグを目印にして、行員による振込手続きが行われることになる。
【0031】
振込先名を訂正したことによって、振込手続きが完了した場合、または、訂正が正しく行われずに振込手続きが完了できなかった場合に、その旨がメールサーバ25によって携帯電話40に送信される。
【0032】
このように、訂正が必要な事象が発生したとしても、その訂正を金融機関の窓口に出向くことなく携帯電話で行うことができるので、利用者の利便性を大幅に向上させることができる。
【0033】
図2は第1の実施の形態に係る振込システムの適用環境を示す図である。
振込システムは、たとえば、銀行A,B,C,Dの管理するホストコンピュータ20,50,60,70と、銀行Xの管理するホストコンピュータ30とを備えている。ホストコンピュータ20,50,60,70を有する銀行A,B,C,Dは、たとえば、口座番号および口座名義人名の情報を共有できる提携金融機関であって、ネットワーク80を介して相互に接続されている。一方、ホストコンピュータ30を有する銀行Xは、口座番号および口座名義人名の情報を共有できないが振込処理は可能な提携金融機関であって、ネットワーク90を介してネットワーク80に接続されている。
【0034】
ホストコンピュータ20は、銀行A内に構築されたネットワーク20aを介して複数の自動取引装置10に接続されている。このような構成は、他の銀行においても同様の構成を有している。
【0035】
図3はホストコンピュータのハードウェア構成例を示す図である。
ホストコンピュータ20は、CPU(Central Processing Unit)101によって装置全体が制御されている。CPU101には、バス108を介してRAM(Random Access Memory)102、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disk Drive)103、グラフィック処理装置104、入力インタフェース105、光学ドライブ装置106および通信インタフェース107が接続されている。また、USB(Universal Serial Bus)ポートのような汎用の入出力インタフェースがバス108に接続されていることもある。
【0036】
RAM102には、CPU101に実行させるOS(Operating System)のプログラムやアプリケーションプログラムの少なくとも一部が一時的に格納される。また、RAM102には、CPU101による処理に必要な各種データが格納される。ハードディスクドライブ103には、OSや振込処理などに必要な各種アプリケーションプログラムが格納される。
【0037】
グラフィック処理装置104には、モニタ109が接続されている。グラフィック処理装置104は、CPU101からの命令に従って、画像をモニタ109の画面に表示させる。入力インタフェース105には、キーボード110とマウス111とが接続されている。入力インタフェース105は、キーボード110やマウス111から送られてくる信号を、バス108を介してCPU101に送信する。
【0038】
光学ドライブ装置106は、OSのプログラム、アプリケーションプログラム、各種データ等を、これらが格納された光ディスク112を使用してハードディスクドライブ103にインストールするのに使用される。
【0039】
通信インタフェース107は、ネットワーク20a,80に接続されている。通信インタフェース107は、ネットワーク20a,80を介して、他のコンピュータとの間でデータの送受信を行う。
【0040】
以上のようなハードウェア構成によって、本実施の形態の処理機能を実現することができる。なお、他のホストコンピュータ30,50,60,70および自動取引装置10についても、同様のハードウェア構成で実現できる。たとえば、自動取引装置10では、モニタ109として機能するフラットディスプレイパネルとタッチパッドのような入力装置とを有するタッチパネルが設けられている。そのタッチパネルのタッチパッドがキーボード110やマウス111の代わりに入力インタフェース105に接続されている。タッチパネルは、指で画面に触れると、指が触れた位置を検知して画面上の位置を指定し、バス108を介してCPU101に送信する。
【0041】
図4は自動取引装置の処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、自行のホストコンピュータ20および振込先の他行のホストコンピュータ30の振込関連処理も含めて表している。
【0042】
自動取引装置10では、まず、その振込処理部11が画面上に表示されている振込キーの押下を監視していて(ステップS1)、振込キーが押下されると、次に、現金振込キーが押下されたかどうかが判断される(ステップS2)。ここで、現金振込キーではなく、口座振り込みキーが押下された場合には、口座振込処理が実行され(ステップS3)、振込キーの押下待ちになる。
【0043】
現金振込キーが押下されると、振込処理部11は、振込カードを使用するかどうかの選択を要求し(ステップS4)、振込カードがない場合は、振込先の情報の入力を要求する(ステップS5)。振込先の情報の入力としては、振込先の金融機関の選択、支店の選択、振込先口座の科目の選択、振込先の口座番号の入力がある。振込カードがある場合は、これら振込先の情報がその振込カードに記憶されているので、振込先の情報の入力はパスされる。
【0044】
次に、振込処理部11は、振込依頼人の情報を入力するよう要求する(ステップS6)。この振込依頼人の情報としては、依頼人名および電話番号である。そして、振込処理部11は、振込金額の入力を要求する(ステップS7)。次に、振込処理部11は、入力された情報の内容確認を要求し、確認キーが押下されると、自行のホストコンピュータ20に口座照会の依頼を出す(ステップS8)。ここで、自行のホストコンピュータ20は、口座照会の依頼を受けると、振込先金融機関のホストコンピュータに口座照会をし、照会応答があると、その照会応答を自動取引装置10へ送る。自行のホストコンピュータ20は、振込先金融機関のホストコンピュータから照会応答がなくても、その旨の照会応答を自動取引装置10へ送る。
【0045】
ステップS8の判断において、確認キー以外のキーが押下されると、振込処理部11は、そのキーに応じた処理へ進む。たとえば、図示のように、キャンセルキーが押下されると、この処理は、振込キーの押下待ちに戻る。もちろん、図示はしないが、入力項目に対応する訂正キーが押下されると、その項目に対応する入力受付の画面に戻り、入力項目の訂正が可能になる。
【0046】
次に、振込処理部11は、自行のホストコンピュータ20からの照会応答に振込先口座番号に対応する振込先名が提供されているかどうかを判断し(ステップS9)、提供されていれば、その振込先名を振込内容確認画面に表示させる。振込先名が提供されていない場合、振込処理部11は、振込先名の入力を要求し(ステップS10)、メールアドレス登録部12が携帯電話のメールアドレスの登録を要求する(ステップS11)。
【0047】
次に、振込処理部11は、振込内容確認画面を表示させ(ステップS12)、確認キーの押下を検出すると、入金処理に進む(ステップS13)。入金処理では、自動取引装置10への現金の投入を促し、現金投入が完了すると、現金の計数を開始し、計数結果を画面表示する。
【0048】
次に、振込処理部11は、金額を含む振込内容確認画面を表示させ、確認キーの押下待ちになる(ステップS14)。ここで、図示はしないが、確認キー以外のキー、たとえばキャンセルキーが押下されると、振込キーの押下待ちに戻り、追加入金する場合は、ステップS13に戻る。振込内容確認画面で確認キーが押下されると、振込処理部11は、自行のホストコンピュータ20に振込依頼を出す。自行のホストコンピュータ20は、振込依頼を受けて、口座照会時に振込先口座番号に対応する振込先名が提供されていた場合は、その提供元のホストコンピュータに対して振込処理を依頼し、振込先名の提供がなかった場合は、保留処理を行う。振込処理または保留処理が終わると、自行のホストコンピュータ20は、自動取引装置10へ振込許可と振込識別番号とを通知する。
【0049】
振込処理部11は、自行のホストコンピュータ20から振込許可通知を受けると、必要に応じておつりの精算を行い、印刷部13がレシート発行と振込識別番号の印刷を行う(ステップS15)。その後、ステップS1に戻り、次の振込のために待機する。
【0050】
図5は自行のホストコンピュータにおける口座照会処理の流れを示すフローチャートである。
ホストコンピュータ20では、口座照会部21が自動取引装置10から口座照会の依頼があるかどうかを判断し(ステップS21)、口座照会の依頼があると、振込先金融機関のホストコンピュータに対して口座照会を行う(ステップS22)。次に、口座照会部21は、振込先金融機関が口座照会の可能な機関かどうかを判断する(ステップS23)。口座照会の可能な金融機関の場合は、口座番号およびこの口座番号に対応する振込先名が提供されているので、口座照会部21は、自動取引装置10に振込先名を付加した照会応答を返す(ステップS24)。口座照会不可の金融機関の場合は、口座番号に対応する振込先名が提供されないので、口座照会部21は、自動取引装置10に振込先名を含まない照会応答を返す(ステップS25)。その後、ステップS21に戻り、次の口座照会のために待機する。
【0051】
図6は自行のホストコンピュータにおける振込依頼処理の流れを示すフローチャートである。
ホストコンピュータ20では、振込依頼部22が自動取引装置10から振込依頼があるかどうかを判断し(ステップS31)、振込依頼があると、振込依頼部22は、振込先金融機関が口座照会の不可能な機関かどうかを判断する(ステップS32)。口座照会の不可能な金融機関の場合、その振込依頼は、振込依頼保留部23によって保留される(ステップS33)。口座照会の可能な金融機関の場合には、振込依頼部22が振込先金融機関のホストコンピュータに対して振込依頼をする(ステップS34)。振込依頼が保留されるか、振込先金融機関のホストコンピュータから振込許可通知があると、振込依頼部22は、自動取引装置10に振込許可を通知し(ステップS35)、ステップS31に戻って、次の振込依頼に備える。
【0052】
図7は自行のホストコンピュータにおける訂正処理の流れを示すフローチャート、図8は訂正依頼メールの内容例を示す図、図9は振込完了を通知するメールの内容例を示す図である。
【0053】
ホストコンピュータ20では、まず、振込情報訂正部24が、振込依頼保留部23によって保留されている振込依頼の中で、手続き不可となっている振込依頼があるかどうかを判断する(ステップS41)。これは、振込依頼保留部23が管理するテーブルに行員による振込依頼が必要かどうかを表すフラグ情報が含まれていて、そのフラグ情報の状態で保留されている振込依頼が手続き不可になっているかどうかで判断している。すなわち、フラグ情報は、振込依頼保留部23が保留した時点で手続き可になっていて、行員による振込依頼をしようとしたときに、口座番号に対応する振込先名が振込依頼人の入力した振込先名と相違していた場合に、手続き不可の情報に書き換えられる。
【0054】
振込情報訂正部24は、手続き不可の情報を持つ振込依頼があれば、メールサーバ25によって、振込依頼人が登録したメールアドレス宛に、訂正依頼のメールを送信する(ステップS42)。たとえば図8に示したように、この訂正依頼のメール120には、訂正依頼の理由121と、振込識別番号122と、正しい振込先名の入力枠123とを含んでいる。振込依頼人は、振込操作をした際に発行されたレシートで振込識別番号をチェックすることにより、いつ手続きをした振込に関する訂正依頼であるかを判断することができる。また、振込依頼人は、正しい振込先名を入力し、決定ボタン124を押下して訂正メールを返信することにより、金融機関の窓口に行くことなく振込手続きの訂正を行うことができる。
【0055】
次に、メールサーバ25が訂正メールを受信すると(ステップS43)、そのメール内容は、振込情報訂正部24に送られ、振込情報訂正部24にて記載内容の解析が行われる(ステップS44)。振込情報訂正部24は、返信メールから振込識別番号および正しい振込先名の情報を切り出し、振込識別番号によって特定された振込依頼の振込情報を訂正する(ステップS45)。このとき、上記したフラグ情報を手続き可に変更することにより、振込手続きが可能となった振込依頼があることを行員に通知することができ、その通知を元に、行員は、振込先金融機関に対し正しい情報にて振込依頼をすることができる。
【0056】
その後、振込依頼保留部23は、行員による振込が完了したかどうかを監視していて、振込が完了したと判断すると(ステップS46)、保留していた振込完了の振込依頼を削除し、メールサーバ25から振込完了通知のメールを送信する(ステップS47)。この振込完了通知のメールは、たとえば図9に示したメール130のように、訂正された振込先名によって口座確認ができたこと、現金振込が完了したこと、および振込識別番号が記載されている。振込完了通知のメール送信後は、ステップS41に戻る。
【0057】
図10は第2の実施の形態に係る振込システムのブロック図である。なお、この図10において、図1に示した構成要素と同じまたは均等の構成要素については同じ符号を付してその詳細な説明は省略する。
【0058】
この第2の実施の形態に係る振込システムは、ホストコンピュータ20とその配下の自動取引装置10、ホストコンピュータ30、ホストコンピュータ50とその配下の自動取引装置55、および、振込依頼人の携帯電話40とを有している。この振込システムは、メールで通知された訂正依頼に対し、振込依頼人は、最寄りの自行の自動取引装置10または他行の自動取引装置55を使って振込手続きの訂正を行う点で、第1の実施の形態に係る振込システムと相違する。
【0059】
自動取引装置10は、振込処理部11と、メールアドレス登録部12と、印刷部13と、訂正依頼受付部14とを備えている。この訂正依頼受付部14は、訂正依頼を受けた振込依頼人が振込を行った銀行と同じ銀行の自動取引装置10を使って訂正処理を行うときに使用される。
【0060】
自行のホストコンピュータ20は、口座照会部21、振込依頼部22、振込依頼保留部23、振込情報訂正部24、メールサーバ25、および、位置情報データベース26を備えている。位置情報データベース26は、自行の自動取引装置10および他行の自動取引装置55が設置されている地図上の位置情報を格納している。これにより、携帯電話40のGPS(Global Positioning System)機能を利用して取得したGPS情報が振込依頼人から通知されると、それを基に振込依頼人のいる最寄りの自動取引装置(ATM)を探してその位置情報を通知する。
【0061】
振込情報訂正部24は、自行の自動取引装置10または他行の自動取引装置55を使って振込先名を訂正するとき、振込識別番号により特定された振込依頼に関する情報を訂正する。
【0062】
他行のホストコンピュータ50は、訂正依頼転送部51を備え、ホストコンピュータ50の配下の自動取引装置55は、訂正依頼受付部56を備えている。ここでは、ホストコンピュータ50は、ホストコンピュータ20と相互に口座確認ができる他行ホストコンピュータの代表として記載してある。自動取引装置55の訂正依頼受付部56は、他行でありながらホストコンピュータ20に保留されている振込依頼の情報を訂正する訂正依頼を受け付けることができる。訂正依頼受付部56が訂正依頼を受け付けると、ホストコンピュータ50の訂正依頼転送部51は、ホストコンピュータ20に振込識別番号の問い合わせをしたり問い合わせ結果を訂正依頼受付部56に提供したりする。訂正依頼受付部56が受け付けた訂正情報は、ホストコンピュータ50の訂正依頼転送部51を通じてホストコンピュータ20に転送され、振込情報訂正部24において、振込識別番号により特定された振込依頼に対して訂正情報が反映されることになる。
【0063】
他行のホストコンピュータ30は、ホストコンピュータ20と相互に口座確認ができない他行ホストコンピュータの代表として記載してあり、ここでは、自動取引装置10で現金振込をしたときに振込先に指定された銀行のホストコンピュータである。
【0064】
図11は自動取引装置の訂正受付処理の流れを示すフローチャート、図12は自動取引装置における入力内容確認画面の例を示す図である。ここでは、自行のホストコンピュータ20の配下の自動取引装置10および提携された他行のホストコンピュータ50の配下の自動取引装置55に備えられた訂正依頼受付部14,56の訂正受付処理の流れについて説明する。
【0065】
訂正依頼受付部14,56では、訂正受付キーの押下を監視していて(ステップS51)、訂正受付キーが押下されると、次に、現在利用している自動取引装置が現金振込をした銀行と同じ銀行のものかどうかの選択を指示する(ステップS52)。訂正依頼受付部56では、「他行」が選択されるので、訂正依頼受付部56は、振込元の銀行の選択を指示する(ステップS53)。訂正依頼受付部14では、「自行」が選択されるので、訂正依頼受付部14は、ステップS53の処理をパスする。
【0066】
次に、訂正依頼受付部14,56は、振込識別番号の入力を要求し(ステップS54)、訂正すべき振込先名の入力を要求する(ステップS55)。振込識別番号および振込先名が入力されると、訂正依頼受付部14,56は、振込元の銀行のホストコンピュータ20に問い合わせをし、保留されている振込依頼の情報を取得し、入力内容の確認の画面表示にしてキーの押下待ちにする(ステップS56)。この入力内容の確認の画面は、たとえば、図12に示した画面140のように、自動取引装置10による振込手続きのときに入力した情報および訂正依頼時に入力した情報を含む振込先に関する情報が表示される。この画面140には、表示内容が正しいことを確認した時に押下する確認キー141、振込先名を訂正したいときに押下する振込先名の訂正キー142およびこの操作を取り消すときに押下するキャンセルキー143を有している。
【0067】
入力内容の確認の画面140において、確認キー141が押下されると、その訂正情報が振込元の銀行のホストコンピュータ20に送信される(ステップS57)。入力内容の確認の画面140において、振込先名の訂正キー142が押下されると、ステップS55に戻り、キャンセルキー143が押下されると、ステップS51に戻る。
【0068】
図13は自行のホストコンピュータにおける訂正処理の流れを示すフローチャートである。
ホストコンピュータ20では、まず、振込情報訂正部24が、振込依頼保留部23によって保留されている振込依頼の中で、手続き不可となっている振込依頼があるかどうかを判断する(ステップS61)。これは、振込依頼保留部23が管理するテーブルに行員による振込依頼手続きが必要かどうかを表すフラグ情報が含まれていて、そのフラグ情報の状態で保留されている振込依頼が手続き不可になっているかどうかで判断している。
【0069】
振込情報訂正部24は、手続き不可の情報を持つ振込依頼があれば、メールサーバ25によって、振込依頼人が登録したメールアドレス宛に、訂正依頼のメールを送信する(ステップS62)。このとき、訂正依頼のメールに、「訂正受付が可能な最寄りの自動取引装置の通知サービスを希望する場合、GPS情報を入力して返信してください」なる内容を追加しておく。これにより、最寄りの自動取引装置がどこにあるかを知りたい場合、振込依頼人は、このサービスを利用することができ、その際には、携帯電話40のGPS機能を利用して取得した位置情報を返信メールによって送信すればよい。
【0070】
次に、振込情報訂正部24は、自動取引装置10,55にて訂正受付があったかどうかを振込識別番号による問い合わせの有無により判断する(ステップS63)。振込情報訂正部24は、どの自動取引装置からも訂正受付がない場合、メールサーバ25が返信メールを受信したかどうかを判断し(ステップS64)、返信メールを受信した場合には、そこにGPS情報が含まれているかどうかを判断する(ステップS65)。GPS情報が含まれていると、位置情報データベース26が振込依頼人の位置に近い自動取引装置を探索し、その位置情報が含まれた案内メールをメールサーバ25が振込依頼人の携帯電話40へ送信する(ステップS67)。メール送信する位置情報としては、自動取引装置の所在地を示すテキスト情報とすることができ、好ましくは、地図上に振込依頼人の位置と、最寄りの自動取引装置の位置とを示した画像情報とすることができる。その後、振込情報訂正部24は、ステップS63に戻る。
【0071】
ステップS64にて、返信メールの受信がなかった場合、および、ステップS65にて、返信メールにGPS情報がなかった場合にも、振込情報訂正部24は、自動取引装置10,55による訂正受付の有無を判断するステップS63に戻る。
【0072】
ステップS63にて、自動取引装置10,55で訂正受付があった場合、振込情報訂正部24は、振込依頼人によって確認された入力情報を基に振込情報の訂正を行う(ステップS68)。この振込情報の訂正により、この保留していた振込依頼は、行員による振込手続きを再開することができる。
【0073】
その後、振込依頼保留部23は、行員による振込手続きが完了したかどうかを監視しており(ステップS69)、振込が完了したと判断すると、その振込依頼を削除し、メールサーバ25が振込完了通知のメールを送信する(ステップS70)。振込完了通知のメール送信後は、ステップS61に戻る。
【0074】
以上のように、訂正依頼がメールによって通知された振込依頼人は、振込手続きをした銀行の窓口に行くことなく、最寄りの自行または他行の自動取引装置から振込先名の訂正をすることが可能になる。また、振込依頼人は、GPS情報を返信メールで通知することにより、最寄りの自動取引装置の位置情報を知ることができるので、手軽に振込先名の訂正が可能になる。
【符号の説明】
【0075】
10 自動取引装置
11 振込処理部
12 メールアドレス登録部
13 印刷部
14 訂正依頼受付部
20 ホストコンピュータ
20a ネットワーク
21 口座照会部
22 振込依頼部
23 振込依頼保留部
24 振込情報訂正部
25 メールサーバ
26 位置情報データベース
30 ホストコンピュータ
31 口座照会部
32 振込処理部
40 携帯電話
50 ホストコンピュータ
51 訂正依頼転送部
55 自動取引装置
56 訂正依頼受付部
60,70 ホストコンピュータ
80,90 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現金による振込を実行可能な自動取引装置と、前記自動取引装置と接続される第1ホストコンピュータと、前記第1ホストコンピュータと接続される少なくとも一つの第2ホストコンピュータとを含む振込システムにおいて、
前記自動取引装置は、
現金振込を受け付けて処理を行う振込処理部と、
前記振込処理部が振込の受付をしている際に連絡先情報として携帯電話のメールアドレスの登録を受け付けるメールアドレス登録部と、
前記第1ホストコンピュータから通知された振込識別番号を出力する印刷部と、
を備え、
前記第1ホストコンピュータは、
前記自動取引装置から口座照会を受けて振込先口座のある前記第2ホストコンピュータに口座照会を行い、前記第2ホストコンピュータからの照会応答を前記自動取引装置に送る口座照会部と、
前記自動取引装置から振込依頼を受けて振込先口座のある前記第2ホストコンピュータに振込依頼を行い、前記第2ホストコンピュータからの振込許可を前記振込識別番号とともに前記自動取引装置に送る振込依頼部と、
前記第2ホストコンピュータから照会応答がない場合に、前記自動取引装置からの振込依頼を受け付けて保留する振込依頼保留部と、
前記振込依頼保留部に保留された振込依頼に関する情報が前記第2ホストコンピュータの保持する情報と相違する場合に、前記メールアドレス登録部が受け付けたメールアドレス宛に前記振込識別番号を付した訂正依頼のメールを送信するメールサーバと、
送信したメールに対する訂正依頼の返信メールを前記メールサーバが受けたときに、前記返信メールの内容を解析し、前記振込識別番号により特定された振込依頼に関する情報を訂正する振込情報訂正部と、
を備えていることを特徴とする振込システム。
【請求項2】
前記振込依頼保留部に保留された振込依頼に関する情報は、振込先の口座番号に対応する口座名義人名の情報であることを特徴とする請求項1記載の振込システム。
【請求項3】
前記振込依頼保留部は、行員による振込依頼が必要かどうかを表すフラグ情報を管理していて、前記振込情報訂正部により振込依頼が訂正されると、当該振込依頼の前記フラグ情報を手続き不可から手続き可に設定することを特徴とする請求項1記載の振込システム。
【請求項4】
前記振込依頼保留部は、行員による振込手続きが完了したかどうかを監視し、振込手続きが完了したとき、振込手続きが完了した振込依頼を削除し、前記メールサーバにより振込完了通知のメールを送信することを特徴とする請求項1記載の振込システム。
【請求項5】
第1ホストコンピュータと、前記第1ホストコンピュータの配下にあって現金による振込を実行可能な第1自動取引装置と、前記第1ホストコンピュータと接続される少なくとも一つの第2ホストコンピュータと、前記第2ホストコンピュータの配下にある第2自動取引装置とを含む振込システムにおいて、
前記第1自動取引装置は、
現金振込を受け付けて処理を行う振込処理部と、
振込処理の際に連絡先情報として携帯電話のメールアドレスの登録を受け付けるメールアドレス登録部と、
前記第1ホストコンピュータから通知された振込識別番号を出力する印刷部と、
前記第1ホストコンピュータに保留されていて前記振込識別番号によって特定される振込依頼の情報に対する訂正依頼を受け付ける第1訂正依頼受付部と、
を備え、
前記第2自動取引装置は、
前記第1ホストコンピュータに保留されていて前記振込識別番号によって特定される振込依頼の情報に対する訂正依頼を受け付け、前記第2ホストコンピュータを介して前記第1ホストコンピュータに通知する第2訂正依頼受付部
を備え、
前記第1ホストコンピュータは、
前記自動取引装置から口座照会を受けて振込先口座のある前記第2ホストコンピュータに口座照会を行い、前記第2ホストコンピュータからの照会応答を前記自動取引装置に送る口座照会部と、
前記自動取引装置から振込依頼を受けて振込先口座のある前記第2ホストコンピュータに振込依頼を行い、前記第2ホストコンピュータからの振込許可を前記振込識別番号とともに前記自動取引装置に送る振込依頼部と、
前記第2ホストコンピュータから照会応答がない場合に、前記自動取引装置からの振込依頼を受け付けて保留する振込依頼保留部と、
前記振込依頼保留部に保留された振込依頼に関する情報が前記第2ホストコンピュータの保持する情報と相違する場合に、前記メールアドレス登録部で登録されたメールアドレス宛に前記振込識別番号を付した訂正依頼のメールを送信するメールサーバと、
前記第1自動取引装置または前記第2自動取引装置の前記第1訂正依頼受付部または前記第2訂正依頼受付部が訂正依頼を受け付けたときに、前記振込識別番号により特定された振込依頼に関する情報を訂正する振込情報訂正部と、
を備え、
前記第2ホストコンピュータは、
前記第2自動取引装置の前記第2訂正依頼受付部が訂正依頼を受け付けたときに、訂正依頼内容を前記第1ホストコンピュータに通知する訂正依頼転送部
を備えていることを特徴とする振込システム。
【請求項6】
前記第1自動取引装置の前記第1訂正依頼受付部および前記第2自動取引装置の前記第2訂正依頼受付部は、振込手続きをした金融機関が前記第1自動取引装置の金融機関と異なる場合、前記第1自動取引装置の金融機関の選択を要求するようにしたことを特徴とする請求項5記載の振込システム。
【請求項7】
前記振込依頼保留部は、行員による振込手続きが完了したかどうかを監視し、振込手続きが完了したとき、振込手続きが完了した振込依頼を削除し、前記メールサーバにより振込完了通知のメールを送信することを特徴とする請求項5記載の振込システム。
【請求項8】
前記第1ホストコンピュータは、前記第1自動取引装置および前記第2自動取引装置が設置されている位置情報を格納し、前記携帯電話から返信されたメールに含まれた前記携帯電話の位置情報を基に最寄りの前記第1自動取引装置または前記第2自動取引装置を探してそれらの位置情報を前記メールサーバを通じて前記携帯電話へ送信する位置情報データベースを備えていることを特徴とする請求項5記載の振込システム。
【請求項9】
前記携帯電話へ送信する位置情報は、地図上に前記携帯電話の位置と、探索された最寄りの自動取引装置の位置とを示した画像情報であることを特徴とする請求項8記載の振込システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−45312(P2013−45312A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183214(P2011−183214)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000237639)富士通フロンテック株式会社 (667)
【Fターム(参考)】