説明

掃除具

【課題】清掃用シートの使用済み面が直接手に触れることなく容易に未使用面に交換できる掃除具を提供する。
【解決手段】掃除具100において、清掃用シートSが装着された場合、ユーザが取手311によって、芯31に巻回された清掃用シートSが巻き取られるように当該芯31を回動させることで、本体部1の外部へ露出した清掃用シートSの使用済み面を巻き取り、従動回転する芯32に逆方向へ巻回された清掃用シートSを芯32の周面より放出することで、清掃用シートSを使用済み面から未使用面に交換できるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、清掃用シートを装着した掃除具に関する。
【背景技術】
【0002】
取り替え自在な清掃用シートを本体に装着し、当該清掃用シートを床面に接触させた状態で柄を押動させることで、床面を清掃できるモップ等の掃除具が知られている。
【0003】
このような掃除具の一例として、本体部の基盤板の中央部を厚く且つ周辺部において薄く形成することで、清掃用シートを床面に対して盛上り状に接触させ、清掃用シートの全面に塵等を付着させながら清掃できる掃除具がある(特許文献1参照)。
【0004】
ところで、従来の掃除具では、ある特定面積の床面を清掃した後に、使用済みの清掃用シートを別の清掃用シートに逐次取り替える必要がある。特に、一度に清掃を行う床面の面積が十分に大きい場合、一度の清掃で複数回に亘って当該清掃用シートの取り替え作業が発生するため、ユーザの手間にも繋がる。
【0005】
そこで、清掃に使用することのできるタオル地等よりなる清掃用シートの一端部及び他端部を巻付して当該清掃用シートを清掃治具本体に装着し、且つ、当該清掃用シートの一端部と他端部との連設部を清掃治具本体の清掃面側に当接してなり、当該清掃用シートの一端部又は他端部を回転させることにより及び/又は一端部又は他端部を引張ることにより清掃治具本体の清掃面側に当接した一端部と他端部との連設部が新しい未使用面に変えることができる掃除具が知られている(特許文献2参照)。
当該特許文献2記載の掃除具によると、面積の大きな床面を清掃する場合でも、清掃用シートの端部を回転又は引張ることで当該清掃用シートを未使用面に交換でき、取り替え作業を逐次行うことなく清掃を継続できるので、ユーザの手間が軽減する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2007−44270号
【特許文献2】登録実用新案第3042237号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献2記載の掃除具によると、清掃用シートの一端部又は他端部を回転又は引張るために、ユーザは当該清掃用シートの端部を直接手で把持する必要がある。つまり、ユーザは、清掃用シートの使用済み面を未使用面に交換する際、清掃用シートの使用済み面を把持することで、当該清掃用シートに付着した塵や埃で手が汚れてしまうという問題があった。
【0008】
本発明の課題は、清掃用シートの使用済み面が直接手に触れることなく容易に未使用面に交換できる掃除具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、一体の長尺な清掃用シートを装着して床面を清掃するための掃除具であって、一対の孔を有する側面視ロ字状に形成された本体部と、前記本体部の内部に設けられた一対の円筒部材と、を備え、前記清掃用シートが装着された場合、前記一対の円筒部材は、各々前記清掃用シートの一端側と他端側を巻回方向が互いに逆方向となるように巻回し、前記一対の孔のうち一方の孔は、前記一対の円筒部材の一方から引き出した前記清掃用シートを挿通させ、前記一対の孔のうち他方の孔は、前記一対の円筒部材の他方に巻き取る前記清掃用シートを挿通させ、前記本体部の周面は、前記一対の孔に挿通されて前記本体部の外部へ露出する前記清掃用シートで覆われ、前記一対の円筒部材の何れか一方には、当該円筒部材を回動させるための取手が備わることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の掃除具において、前記本体部の底面には前記床面の形状に合わせて変形可能な軟質部材が設けられ、前記軟質部材の外周面は、前記一対の孔に挿通されて前記本体部の外部へ露出する前記清掃用シートで覆われることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の掃除具において、前記本体部の上面には、前記円筒部材の長手方向と平行な方向に沿って所定の深さからなる溝が形成され、前記溝の上面に、当該溝の深さより小さな径を有する棒状の柄を回動自在に取付ける取付部を備えることを特徴とする。
【0012】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の掃除具において、前記一対の孔のうち少なくとも前記他方の孔は、前記本体部の側面に形成されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によると、掃除具に清掃用シートが装着された場合、ユーザは、円筒部材の一方に巻回された清掃用シートが巻き取られるように当該円筒部材の一方を取手によって回動させることで、本体部の外部へ露出した清掃用シートの使用済み面を巻き取ることができる。また、上記回動に応じて他方の円筒部材が従動回転するため、当該他方の円筒部材に逆方向へ巻回された清掃用シートは、他方の円筒部材の周面より放出される。つまり、清掃用シートの未使用面が本体部1の外部へ露出する。そのため、ユーザは、取手を回動させるだけで、清掃用シートを使用済み面から未使用面に容易に交換できる。
したがって、本発明は、清掃用シートの使用済み面が直接手に触れることなく容易に未使用面に交換できる掃除具を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】第1実施形態に係る掃除具を正面上方から見た斜視図である。
【図2】図1に示す掃除具のXZ側面図である。
【図3】図1に示す掃除具の別の斜視図である。
【図4】図3に示す掃除具のXZ側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下に、図面を参照して、本発明に係る掃除具の具体的な態様を詳細に説明する。ただし、発明の範囲は、図示例に限定されない。
【0016】
(第1実施形態)
本実施形態に係る掃除具100は、例えば、図1及び図2に示すように、本体部1及び本体部1の底面20に取り付けられたスポンジ材21の周面が、芯31、32(円筒部材)に巻きつけられた清掃用シートSで覆われ、当該本体部1の上面に柄50が取り付けられた構成を取る。そして、掃除具100は、清掃用シートSが床面に当接した状態で、当該床面に沿って押動されることで床面に付着した塵や埃を清掃用シートSに吸着できる。以下に、当該掃除具100の各部構成について述べる。ここで、図1に示すとおり、掃除具100の幅方向をX軸方向、長手方向をY軸方向、高さ方向をZ軸方向と便宜上定める。
【0017】
清掃用シートSは、例えば、スパンレース、エアスルー、エアレイド、ポイントボンド、スパンボンド、ニードルパンチ等の不織布からなる。当該清掃用シートSは、芯31,32の周面に幾重にも亘って巻きつけられた、長方形状からなる一体の長尺なシートである。そして、図2に示すように、芯31,32の周面の最も外方に巻きつけられた清掃用シートSの一部は、挿通孔4、5に挿通されて、本体部1及びスポンジ材21の外周面を覆うように外部に露出する。
以下では、便宜上、芯31(一対の円筒部材の他方)に巻回された清掃用シートSを一端側シートS1、芯32(一対の円筒部材の一方)に一端側シートS1と逆方向に巻回された清掃用シートSを他端側シートS2、一端側シートS1と他端側シートS2との間に位置し本体部1の外部へ露出して当該本体部1の周面を覆う清掃用シートSを露出部シートS3とする。また、露出部シートS3のうち、挿通孔4(他方の孔)に挿通されて一端側シートS1と接続される端部を露出部シート一端S31、挿通孔5(一方の孔)に挿通されて他端側シートS2と接続される端部を露出部シート他端S32、露出部シート一端S31及び露出部シート他端S32間の露出部シートS3を露出部シート両端間S33とする。さらに、一端側シートS1は使用済み面からなる清掃用シートSで構成され、他端側シートS2は未使用面からなる清掃用シートSで構成されるものとする。
【0018】
本体部1は、図1に示すように、Y軸方向の端部が空洞状の、薄肉の略直方体形状からなる。つまり、本体部1は、図2に示すとおり、XZ側面視で略ロ字状を呈する。
そして、本体部1は、例えば、PP(PolyPropylene),PE(Poly Ethylene)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)、アクリル、ポリカーボネート等の汎用樹脂材で形成される。
当該本体部1は、X軸方向の略中央位置でY軸方向に亘って一様に形成された溝2と、溝2の上面に形成された継手3(取付部)と、溝2を跨いでX軸方向の両側に形成された挿通孔4、5と、当該本体部1の底面20に設けられたスポンジ材21(軟質部材)と、を含んで構成される。
【0019】
溝2は、本体部1のX軸方向における略中央位置において、Y軸方向(芯31,32の長手方向)に亘って一様に設けられる凹状の溝である。当該溝2は、図2に示すように、本体部1の上面からの深さが、柄50の径Pよりも大きなHに形成される。
継手3は、溝2の上面で、且つ、当該溝2のY軸方向における略中央位置に設けられる。継手3は、例えば、ボールジョイント構造におけるソケット等であり、球状に形成された柄50の先端が嵌挿された状態で、柄50を回動自在に取付ける。
そのため、柄50の長手方向がY軸に平行になるように、継手3を介して柄50を回動させると、柄50の径Pよりも溝2の深さHが大きいため、柄50の周面は溝2に収まった状態となる(つまり、掃除具100の上端が本体部1の上面となる)。
なお、継手3として、ヒンジ等を用いる構成であっても勿論よい。
【0020】
挿通孔4、5は、本体部1の上面に形成された一対の孔である。当該挿通孔4、5は、溝2を中心としてX軸方向の略対称な位置に各々設けられる。また、挿通孔4、5のXY平面における面積は、露出部シート一端S31及び露出部シート他端S32が各々挿通可能なように、清掃用シートSの断面積よりも僅かに大きい程度である。そして、挿通孔5が芯32から引き出した清掃用シートSを挿通させ、挿通孔4が芯31に巻き取る清掃用シートSを挿通させる。
【0021】
芯31,32は、それぞれ、本体部1の内部で且つ挿通孔4、5の下方位置に配設される。当該芯31,32は、Y軸方向の長さが本体部1と略等しく、Y軸回りに回動可能な円筒形状の部材である。そして、芯31,32の周面には各々一端側シートS1及び他端側シートS2が幾重にも亘って巻回される。
【0022】
また、芯31のY軸方向端部には、フック状(J字形状)に形成された突起である取手311が設けられる。ユーザは、当該取手311を介して芯31を回動させることができる。
そのため、例えば、ユーザが取手311を把手して、図2に示すW1方向に当該取手311を回動させると、芯31はW1方向に回動する。すると、芯31の回動に応じて当該芯31の周面に巻回された一端側シートS1がW1方向に回動するので、外部に露出した露出部シート両端間S33が芯31に巻き取られるように図2に示すD方向へ向かって移動する。この際、図2に示すD方向へ向かって移動する露出部シートS3が芯32の周面に巻回された他端側シートS2をD方向へ付勢するので、芯32がW2(=W1)方向に従動回転する。その結果、芯32の周面に巻回された他端側シートS2は、W2方向に回動することで芯32の周面より放出される。したがって、外部に露出した清掃用シートS(露出部シート両端間S33)は、使用済み面が芯31に巻き取られ、未使用面が芯32より供給されることで、使用済み面から未使用面に交換される。
【0023】
スポンジ材21は、本体部1の底面20に接着等されて配設される。当該スポンジ材21は、ポリウレタン等の合成樹脂で発泡成形されており、伸縮性や柔軟性に優れる。つまり、スポンジ材21は、清掃する床面の形状に合わせて変形可能な軟質部材である。
そして、スポンジ材21には、露出部シート両端間S33が当該スポンジ材21の外周面を覆うように装着される。そのため、凹凸のある床面や階段などを含む段差のある床面を掃除具100で清掃する際に、スポンジ材21が清掃する床面の形状に合わせて変形するので、掃除具100を床面に沿って押動させ易い。つまり、掃除具100は、清掃する床面の形状に囚われることなく、床面に付着した塵や埃を好適に吸着できる。
【0024】
柄50は、径Pからなる棒状の部材である。当該柄50は、本体部1と同様に、PP(PolyPropylene),PE(Poly Ethylene)、ABS(Acrylonitrile Butadiene Styrene)、アクリル、ポリカーボネート等の汎用樹脂材で形成される。そして、柄50は、先端が継手3に嵌挿されており、回動自在に位置決めできる。そのため、ユーザは、柄50を回動させて当該柄50の周面を溝2に収めた状態にすることで、掃除具100全体の高さ(Z軸方向長さ)を柄50が本体部1より突出する分だけ小さくすることができる。つまり、ユーザは、家具の下部や狭い隙間箇所等の床面を清掃する場合でも、掃除具100を当該家具の下部や狭い隙間箇所に潜り込ませることができる。
【0025】
次に、実施形態1の掃除具100による、清掃動作及びシートSの使用済み面を未使用面に交換する動作について説明する。
【0026】
まず、清掃用シートSの装着された掃除具100を用いて床面の清掃を行う場合、ユーザは継手3を介して柄50を回動させて、最も清掃を行い易い角度に位置決めする。特に、ユーザは、家具の下部や狭い隙間箇所等の床面を清掃する場合、柄50を回動させて当該柄50の周面を溝2に収めた状態にすることで、掃除具100を当該家具の下部や狭い隙間箇所に潜り込ませることができる。
そして、ユーザは柄50を把持して、清掃用シートSを床面に当接させた状態で、当該清掃用シートSを床面に沿って押動させることで床面に付着した塵や埃を吸着する。この際、凹凸のある床面や階段などを含む段差のある床面であっても、ユーザが柄50を介してスポンジ材21を押圧することで、当該床面の形状に合わせてスポンジ材21が適宜に変形するので、あらゆる床面を満遍なく清掃できる。
【0027】
次に、清掃動作により塵や埃を吸着して使用済み面となった清掃用シートS(露出部シート両端間S33)を未使用面に交換する。
この場合、ユーザは、取手311を把手してW1方向に回動させる。すると、露出部シート両端間S33は、芯31に巻き取られるようにD方向へ向かって移動する。つまり、外部に露出した清掃用シートS(露出部シート両端間S33)は、使用済み面が芯31に巻き取られ、未使用面が芯32より供給されることで、使用済み面から未使用面に交換される。この際、ユーザは、使用済み面となった清掃用シートSが芯31に完全に巻き取られるまで取手311を回動させることで、使用済み面となった清掃用シートSを本体部1の上面に露出させずに済むので衛生的である。
【0028】
なお、清掃用シートSが全て使用済み面となった場合(つまり、清掃用シートSが全て一端側シートS1として芯31に巻回された状態になった場合)、ユーザは、芯31及び芯32をY軸方向に移動させて本体部1と分離させる。次に、ユーザは、芯31より当該一端側シートS1を取り外すとともに、別体の清掃用シートS(他端側シートS2)を芯32に巻回して、芯31及び芯32を元の位置まで移動させる。そして、ユーザは、芯32に巻回した他端側シートS2を所定量引っ張りだして、露出部シート一端S31及び露出部シート他端S32として挿通孔4、5に挿通させるとともに、一端側シートS1として芯31に少量巻回することで、清掃用シートSを容易に換装できる。
【0029】
以上説明したように、実施形態1に係る掃除具100によれば、清掃用シートSが装着された場合、ユーザが取手311によって、芯31に巻回された清掃用シートSが巻き取られるように当該芯31を回動させることで、本体部1の外部へ露出した清掃用シートSの使用済み面を巻き取ることができる。また、上記回動に応じて芯32が従動回転するため、当該芯32に逆方向へ巻回された清掃用シートSは、芯32の周面より放出される。つまり、清掃用シートSの未使用面が本体部1の外部へ露出する。そのため、ユーザは、取手311を回動させるだけで、清掃用シートSを使用済み面から未使用面に交換できる。
したがって、本発明は、清掃用シートの使用済み面が直接手に触れることなく容易に未使用面に交換できる掃除具を提供できる。
【0030】
また、掃除具100によると、本体部1の底面20に清掃する床面の形状に合わせて変形可能なスポンジ材21が設けられ、当該スポンジ材21の外周面を露出部シート両端間S33で覆う。
そのため、ユーザは、凹凸のある床面や階段などを含む段差のある床面を掃除具100で清掃する際に、スポンジ材21が清掃する床面の形状に合わせて変形するので、掃除具100を床面に沿って押動させ易い。つまり、掃除具100は、清掃する床面の形状に囚われることなく、床面に付着した塵や埃を好適に吸着できる。
【0031】
また、本体部1の上面には、本体部1のY軸方向に亘って深さHからなる溝2が形成され、溝2の上面には、当該溝2の深さHより小さな径Pを有する棒状の柄50を回動自在に取付ける継手3を備える。
そのため、柄50の長手方向がY軸に平行になるように、継手3を介して柄50を回動させると、柄50の径Pよりも溝2の深さHが大きいため、柄50の周面は溝2に収まった状態となる。つまり、ユーザは、家具の下部や狭い隙間箇所等の床面を清掃する場合、柄50を回動させて当該柄50の周面を溝2に収めた状態にすることで、掃除具100を当該家具の下部や狭い隙間箇所に潜り込ませることができる。
【0032】
(変形例1)
次に、変形例1の掃除具100aについて、図3及び図4を用いて説明する。
実施形態1の掃除具100では、挿通孔4、5を、ともに本体部1の上面に形成されるように構成したが、図3及び図4に示すように、一端側シートS1と接続された露出部シート一端S31を挿通する挿通孔4a(他方の孔)が本体部1の側面に形成されるように構成してもよい。
以下の掃除具100aの説明においては、実施形態1の掃除具100との相違点を中心に説明し、一致する構成には、同一の符号を付し、説明を省略する。
【0033】
挿通孔4aは、図3及び図4に示すように、本体部1のYZ側面に形成された孔である。挿通孔4aのYZ平面における面積は、露出部シート一端S31が挿通可能なように、清掃用シートSの断面積よりも僅かに大きい程度である。
そして、ユーザが図4に示すW1方向に取手311を回動させた際、使用済み面となった清掃用シートSは、本体部1のYZ側面から挿通孔4aを辿って芯31に巻き取られる。つまり、ユーザが清掃用シートSを使用済み面から未使用面に交換する際、使用済み面となった清掃用シートSは、一度も本体部1の上面に露出しないので衛生的である。
【0034】
以上説明したように、変形例1に係る掃除具100aによれば、実施形態1に係る掃除具100と同様の効果を発揮することは勿論のこと、挿通孔4aがYZ側面に設けられているので、清掃用シートSを使用済み面から未使用面に交換する際、使用済み面となった清掃用シートSは、一度も本体部1の上面に露出しないので衛生的である。また、実施形態1に係る掃除具100では、使用済み面となった清掃用シートSが芯31に完全に巻き取られるまで取手311を回動させない限り、使用済み面となった清掃用シートSを本体部1の上面に露出させないように出来なかった。一方で、変形例1に係る掃除具100aでは、取手311の回動が不十分で、使用済み面となった清掃用シートSが挿通孔4aの手前(つまり、本体部1のYZ側面)で止まってしまった場合でも、当該使用済み面となった清掃用シートSを本体部1の上面に露出させずに済ますことができる。
【0035】
なお、本発明の範囲は上記実施形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
【0036】
具体的には、実施形態1及び変形例1において、スポンジ材21を、本体部1の底面20だけでなくYZ側面にも設け、底面20及びYZ側面の双方で清掃が可能な構成としてもよい。
また、変形例1aにおいて、挿通孔4aのみをYZ側面に設けたが、挿通孔5もYZ側面に設けるように構成しても勿論良い。
また、床面の形状に合わせて変形可能な軟質部材としてスポンジ材21を例示したが、ウレタン材やゴム材を用いることとしてもよい。
また、実施形態1及び変形例1において、掃除具100や掃除具100aに清掃用シートSが装着された場合を例にとって説明したが、掃除具100や掃除具100aに清掃用シートSが装着されていない場合であっても本発明は当然成り立つものである。
【符号の説明】
【0037】
100,100a 掃除具
1 本体部
2 溝
3 継手(取付部)
20 底面
21 スポンジ材(軟質部材)
31,32 芯(円筒部材)
311 取手
4 挿通孔(他方の孔)
5 挿通孔(一方の孔)
S 清掃用シート
S1 一端側シート(一端側)
S2 他端側シート(他端側)
S3 露出部シート
S31 露出部シート一端
S32 露出部シート他端
S33 露出部シート両端間
4a 挿通孔(他方の孔)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一体の長尺な清掃用シートを装着して床面を清掃するための掃除具であって、
一対の孔を有する側面視ロ字状に形成された本体部と、
前記本体部の内部に設けられた一対の円筒部材と、
を備え、
前記清掃用シートが装着された場合、
前記一対の円筒部材は、各々前記清掃用シートの一端側と他端側を巻回方向が互いに逆方向となるように巻回し、
前記一対の孔のうち一方の孔は、前記一対の円筒部材の一方から引き出した前記清掃用シートを挿通させ、
前記一対の孔のうち他方の孔は、前記一対の円筒部材の他方に巻き取る前記清掃用シートを挿通させ、
前記本体部の周面は、前記一対の孔に挿通されて前記本体部の外部へ露出する前記清掃用シートで覆われ、
前記一対の円筒部材の何れか一方には、当該円筒部材を回動させるための取手が備わることを特徴とする掃除具。
【請求項2】
請求項1に記載の掃除具において、
前記本体部の底面には前記床面の形状に合わせて変形可能な軟質部材が設けられ、
前記軟質部材の外周面は、前記一対の孔に挿通されて前記本体部の外部へ露出する前記清掃用シートで覆われることを特徴とする掃除具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の掃除具において、
前記本体部の上面には、前記円筒部材の長手方向と平行な方向に沿って所定の深さからなる溝が形成され、
前記溝の上面に、当該溝の深さより小さな径を有する棒状の柄を回動自在に取付ける取付部を備えることを特徴とする掃除具。
【請求項4】
請求項1〜3の何れか1項に記載の掃除具において、
前記一対の孔のうち少なくとも前記他方の孔は、前記本体部の側面に形成されることを特徴とする掃除具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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