説明

掃除用具及びこれを備えた電気掃除機

【課題】アタッチメントとして使用するのに適し、かつ、清掃部材に付着された塵がキャニスタ型等の電気掃除機の吸引力で容易かつ確実に除去される掃除用具を提供する。
【解決手段】掃除機本体に吸込まれる気流を導く吸塵風路部材に取外し可能に接続される掃除用具21であって、この用具は、用具筒体22、用具軸31、及び清掃部材41を具備する。用具筒体は、前記気流が流通可能であり、内周面に掻き落とし凸部を有し、かつ、一端が出入り口として開口され、他端部が風路部材に着脱可能な挿入筒端部をなしている。用具軸31を用具筒体22にこの筒体の軸方向に移動可能に支持する。用具軸31は、挿入筒端部に位置決めされた状態で出入り口から突出する部位を有し、この部位に静電気で塵を付着する毛材を植毛して清掃部材41を形成する。この部材が、凸部に接しながら前記気流により用具軸31と共に用具筒体22に引込まれるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細かな塵を付着させて掃除をする掃除用具と、この掃除用具を装備して使用される電気掃除機に関する。
【背景技術】
【0002】
吸込口体、電動送風機、集塵室を有する掃除機本体と、ハンドルを有する棒状の枝とを備え、枝は掃除機本体に対し着脱自在に構成され、この枝の先端に掃除機本体内に収納自在な静電モップ等の清掃部材が装備され、この清掃部材が掃除機本体内に収納された状態において清掃部材に付着した塵埃を電動送風機にて吸引する構成の電気掃除機が、従来技術として知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−340826号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術は、掃除機本体を移動させために用いられるハンドル付き枝に清掃部材を装備して、この枝を掃除機本体から外して掃除用具として使用できるようにしたステック型の電気掃除機である。そのため、静電モップ等の清掃部材が装備された枝を、キャニスタ型やハンディ型の電気掃除機のアタッチメントとして使用することはできない、という課題がある。
【0005】
しかも、仮に、キャニスタ型電気掃除機のアタッチメントとして静電モップ等の清掃部材が装備された枝を用いることが可能であるとした場合、その枝を用いた掃除後に清掃部材に付着された塵を除去するには、キャニスタ型等の電気掃除機の運転状態で、清掃部材に対してその周りから吸塵ホースの先端開口を当てるように操作して、清掃部材に付着された塵を吸引する必要がある。
【0006】
この場合、吸塵ホースの先端開口を様々な角度で清掃部材に当てる操作を要するので、操作上不便であるとともに、吸塵ホースの先端開口の当て加減によっては清掃部材に付着された塵を確実に除去できない、という課題がある。それだけではなく、前記除塵操作において清掃部材が吸塵ホースの先端開口に吸込まれることが多々あり、それを解消するのに、都度、電動送風機の運転を停止する等の手間が必要であるので、この点でも操作上不便である。
【0007】
又、以上のように清掃部材が装備された枝をアタッチメントとして使用できない前記従来技術の電気掃除機は、通常の使用で、枝の清掃部材が、吸込口体から集塵袋に至る風路に挿入された状態に配置されている。こうした通常の使用では、集塵袋の上流側に配置された清掃部材に塵埃が付着されるので、集塵袋での集塵不良を生じる。
【0008】
以上のように清掃部材を有した従来の枝は、アタッチメントとして使用するのに適していないとともに、清掃部材に付着された塵をキャニスタ型等の電気掃除機の吸引力により容易かつ確実に除去し難いという課題がある。又、清掃部材が装備された枝をアタッチメントとして使用できない電気掃除機であるので、集塵袋での集塵不良を生じる、という課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記の課題を解決するために、本発明は、用具筒体、用具軸、及び清掃部材を具備したアタッチメントとして使用され、電動送風機が内蔵された掃除機本体に吸込まれる気流を導く吸塵風路部材に取外し可能に接続される掃除用具であって、前記気流が流通可能な用具筒体の一端が出入り口として開口され、用具筒体の他端部が吸塵風路部材に着脱可能な挿入筒端部をなすとともに、用具筒体の内周面に掻き落とし凸部を設け、用具筒体にその軸方向に移動可能に用具軸を支持し、この用具軸が挿入筒端部に位置決めされた状態で出入り口から突出する部位に、静電気で塵を付着する毛材を植毛してこの毛材の群で形成される清掃部材を設け、この清掃部材が前記気流によって用具軸とともに移動され掻き落とし凸部に接しながら用具筒体に引込まれるようにしたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、アタッチメントとして使用するのに適しており、かつ、清掃部材に付着された塵をキャニスタ型等の電気掃除機の吸引力で容易かつ確実に除去可能な掃除用具を提供できる。又、本発明によれば、通常の電気掃除機の使用形態では吸塵風路部材から外されるアタッチメントとして掃除用具が装備されるので、この掃除用具を使用しない通常の掃除では、掃除に伴う集塵が掃除用具の清掃部材に邪魔されることなく行えるキャニスタ型の電気掃除機を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電気掃除機と掃除用具を分離した状態で示す斜視図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る掃除用具を拡大して示す斜視図である。
【図3】(A)は図2の掃除用具を使用状態で示す平面図である。(B)は図3(A)中矢印F3B−F3B線に沿って示す断面図である。
【図4】(A)は図2の掃除用具を除塵状態で示す平面図である。(B)は図4(A)中矢印F4B−F4B線に沿って示す断面図である。
【図5】図2の掃除用具の一部を拡大して示す断面図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係る掃除用具を示す断面図である。
【図7】図6中矢印F7−F7線に沿って示す断面図である。
【図8】本発明の第3の実施の形態に係る掃除用具を示す断面図である。
【図9】図8の掃除用具の一部を拡大して示す断面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る掃除用具を示す断面図である。
【図11】図9の掃除用具の一部を拡大して示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図1〜図5を参照して本発明の第1の実施の形態について、詳細に説明する。
【0013】
図1中符号1はキャニスタ型の電気掃除機を示している。この電気掃除機1は、掃除機本体2と、吸塵風路部材11と、アタッチメントとして装備された掃除用具21とを具備している。
【0014】
掃除機本体2は、この本体を被掃除面である建物の床面に沿って移動させる際に回転される車輪3が取付けられた本体ケース4を備える。この本体ケース4に電動送風機5と集塵部例えば集塵袋6が内蔵されている。本体ケース4の前部は集塵袋6が着脱自在に配設される集塵室をなしており、この集塵室に連通して本体ケース4の例えば前面に吸塵口4aが設けられている。本体ケース4は、その前部上面に集塵室の上面開口を開閉するケース蓋7を有している。本体ケース4の後部は電装室となっていてと、この電装室に電動送風機5その他の電装品が収容されている。電動送風機5の吸気口は集塵室に連通されている。電動送風機5から流出された空気を本体ケース外に放出するための排気部(図示しない)が、本体ケース4の後面部に設けられている。
【0015】
吸塵風路部材11は、吸塵ホース12と、延長管15と、吸込み口体18とを備えている。
【0016】
吸塵ホース12は、可撓性のホース部12aの一端に本体接続管12bを連結するとともに、ホース部12aの他端に手元管12cを連結して形成されている。本体接続管12bを吸塵口4aに挿入することによって吸塵ホース12が掃除機本体2に接続されている。手元管12cにはハンドル13が設けられている。このハンドル13には、電動送風機5に対する各種の運転指令を与えるための複数の押しボタンを有して操作パネル14が装着されている。
【0017】
延長管15は下流側管16と上流側管17とを有した二本継型のものである。上流側管17は下流側管16の内側に嵌合されてその挿入深さが多段階に調節可能であり、この調節により延長管15の長さを使用者に合わせて伸縮できるようになっている。下流側管16の後端部16aは、吸塵ホース12の先端部、つまり、手元管12cの前端部に着脱可能である。
【0018】
吸込み口体18は、家屋の床面を掃除するのに適した床用のもので、床ブラシと通称されている。この吸込み口体18は、吸込みヘッド19と接続管20を備えている。吸込みヘッド19はその下面に吸塵開口(図示しない)を有している。接続管20は、吸込みヘッド19の長手方向中央部に後向きに突出して設けられていて、吸込みヘッド19の内部空間を経由して吸塵開口に連通している。この接続管20は、延長管15の先端部、つまり、上流側管17の前端部に着脱可能である。更に、接続管20は吸塵ホース12の先端部をなした手元管12cの前端部にも着脱可能である。
【0019】
吸塵風路部材11を掃除機本体2に接続した状態で、電動送風機5が運転されると、その吸込み力が、集塵室、吸塵口4a、吸塵ホース12、延長管15、及び吸込み口体18に、この記載順に波及する。それにより、吸込み口体18の吸塵開口から床面の塵が空気とともに吸込まれ、この含塵気流は吸塵風路部材11に導かれて掃除機本体2の集塵室に吸込まれる。そのため、含塵空気が集塵袋6のろ過作用を受けて、集塵袋6内に溜められる塵と、集塵袋6を通過して電動送風機5に吸込まれる空気とに分離される。電動送風機5を流通した空気は掃除機本体2の排気部を通って掃除機本体外に排出される。
【0020】
次に、図2〜図5を参照してアタッチメントとして使用される掃除用具21について説明する。掃除用具21は、吸塵風路部材11に取外し可能に接続されるものであって、用具筒体22と、用具軸31と、清掃部材41と、ばね45とを備えている。
【0021】
用具筒体22は、大径筒部22aとこれより小径の挿入筒端部22bにより形成された段付き円筒体に、第1の支持部23、第2の支持部24、及び少なくとも一つ例えば複数具体的には二個の掻き落とし凸部25を設けて形成されている。大径筒部22aの内径D1(図5参照)は後述する清掃部材41の自由状態の外径D3(図5参照)より大きい。
【0022】
用具筒体22の一端、つまり、大径筒部22aの挿入筒端部22bとは反対側の端は出入り口21aとして開口されている。挿入筒端部22bは、大径筒部22aの端壁21cに一体に形成されていて出入り口21aとは反対方向に突出されている。この挿入筒端部22bは、吸塵風路部材11に着脱可能であり、具体的には、吸塵ホース12の先端部をなした手元管12cの前端部に着脱可能である。
【0023】
図3及び図4中符号27は手元管12cの前端部に取付けられたロック釦を示している。ロック釦27は、図示しない係止爪部を有し、かつ、支点を中心に回動可能であるとともに、図示しないロックばねで付勢されていて、手元管12cに延長管15を接続するために用いられている。手元管12cの前端部内側に挿入筒端部22bを挿入されるに伴い、ロックばねの付勢力で挿入筒端部22bが有する係止凹部にロック釦27の係止爪部が係合された状態が保持されて、手元管12cに掃除用具21が取付けられるようになっている。又、この取付け状態で、ロックばねに抗してロック釦27を押して回動させることにより、係止爪部が係止凹部から外されようになっているので、この後に掃除用具21を引き動かすことで、掃除用具21を手元管12cの前端部から外すことができる。なお、同様のロック釦が、延長管15の上流側管17の前端部にも、接続管20との接続を担うために取付けられており、このロック釦を利用して上流側管17の前端部にも掃除用具21は着脱可能である。
【0024】
第1の支持部23は挿入筒端部22bに例えばこの筒部の端壁をなして設けられている。なお、この挿入筒端部22bの突出方向の先端を開放する場合は、挿入筒端部22bの長さ方向中間部に第1の支持部23を設けることができる。第1の支持部23にその中央部を避けて複数の通気孔28が開けられている。第2の支持部24は、第1の支持部23よりも出入り口21a側、例えば大径筒部22aの端壁21cに面一に連続して設けられている。この第2の支持部24にその中央部を避けて複数の通気孔29が開けられている。
各掻き落とし凸部25は第2の支持部24より出入り口21a側、例えば大径筒部22aの内周面から突設されている。これら掻き落とし凸部25は、大径筒部22aの周方向に沿って連続していて、その内径D2(図5参照)は後述する清掃部材41の自由状態での外径D3(図5参照)より小さめである。掻き落とし凸部25は単一でも良いとともに、可能な限り出入り口21a側に寄せて設けることが、後述の清掃部材41の除塵を除去する上でこの清掃部材41との接触の機会をより多く確保できる点で好ましい。
【0025】
用具軸31は金属又は合成樹脂からなる。用具軸31は、中空で、その軸方向の一端は閉じられ(この端を閉鎖端31aと称する)、かつ、軸方向の他端は開放されている(この端を開放端31bと称する)。この用具軸31は、第1の支持部23と第2の支持部24の中心部を貫通してこれらに支持されていて、その貫通箇所をガイドにして用具筒体22の軸方向に移動可能である。このように用具軸31が第1の支持部23と第2の支持部24の2箇所で支持されることにより、用具軸31の傾きが抑制されて、この用具軸31が略真っ直ぐに移動されるようになっている。
【0026】
用具軸31は、抜け止め部32と、ばね受け33と、複数の孔34を有している。
【0027】
抜け止め部32は用具軸31の開放端31bの周りに突出して形成されている。この抜け止め部32は第1の支持部23に接離可能であり、図3(B)に示すように抜け止め部32が第1の支持部23に接することにより、それ以上、用具軸31が出入り口21aへ移動することが妨げられて、用具筒体22に用具軸31が軸方向に位置決めされるようになっている。
【0028】
用具軸31は、抜け止め部32と第1の支持部23とで位置決めされた状態で、その閉鎖端31a側の部位31c(図5参照)が用具筒体22から外に突出する長さを有している。ばね受け33は用具軸31の軸方向中間外周面に突設されている。このばね受け33と閉鎖端31aとの間が前記部位31cをなしている。この部位31cの長さは大径筒部22aの軸長より短く、部位31cに複数の孔34が部位31cの内外を連通して開けられている。ばね受け33の直径は掻き落とし凸部25の内径D2より小さく、ばね受け33は掻き落とし凸部25を通過することができる。このばね受け33には複数の通孔33aが開けられているが、これらの通孔33aは省略しても良い。
【0029】
清掃部材41は、用具軸31の前記部位31cに、孔34を避けて、かつ、部位31cの全周にわたって多数植毛された毛材41aの群れからなる。これらの毛材41aは、静電気により塵が付着される材料例えば自在に変形が可能な化学繊維からなり、各毛材41aはもじゃもじゃの状態によれている(なお、図面では理解を容易にする都合上、よれた状態ではなく直毛の状態で描いた。)。したがって、清掃部材41は、その毛材41aが用具軸31から放射状に植毛されたモップ状に形成されている。この清掃部材41の自由状態での直径D3は、大径筒部22aの内径D1より小さく、かつ、掻き落とし凸部25の内径D2より大きい。
【0030】
ばね45は、用具軸31を巻装するコイルばねであり、その一端を第2の支持部24に支持させるとともに他端をばね受け33に支持させて、これら第2の支持部24とばね受け33との間に設けられている。このばね45によって、用具軸31がその閉鎖端31a側の部位31cが出入り口21aから突出する方向に付勢されている。
【0031】
電気掃除機1の通常の掃除状態では、電動送風機5の運転により、既述のように吸塵風路部材11の吸込み口体18の吸込み開口を通して吸塵が行われる。この場合、掃除用具21は吸塵風路部材11から外されていて使用されない。そのため、掃除用具21が集塵袋6の上流側に配置されて清掃部材41に塵埃が付着されることがないので、通常の掃除状態において掃除用具21を原因として集塵袋6での集塵不良を生じることがない。
【0032】
掃除用具21は棚上や机上等を掃除するのに使用され、次に、この掃除用具21を用いての掃除について説明する。この掃除は、掃除用具21を単独で、若しくは、電動送風機5を運転させない状態で、掃除用具21を吸塵風路部材11が備えた吸塵ホース12の手元管12cに接続した状態で行われる。
【0033】
掃除用具21が使用される状態では、図3(A)(B)に示すように清掃部材41が装着された用具軸31の部位31cが、ばね45の付勢力で用具筒体22から突出されている。この状態では、用具軸31の抜け止め部32が掃除用具21の第1の支持部23に接していて、清掃部材41全体が用具筒体22から突出された状態に、用具軸31が位置決めされている。言い換えれば、清掃部材41が使用可能な突出状態に保持されているので、掃除用具21を使用する都度、その直前に清掃部材41を手で引出して、その引出し状態に保持するための手間を要することがない。
【0034】
前記状態で使用者は用具筒体22又は手元管12cのハンドル13を握って、棚上などの掃除箇所を清掃部材41で軽く拭くように操作すればよい。それにより、清掃部材41をなした毛材41aが掃除箇所に擦れる等により静電気を帯びるので、この静電気により掃除箇所上の微細な塵を吸付けて、掃除箇所を掃除できる。
【0035】
この掃除操作において、用具軸31の先端が掃除箇所に押付けられるような操作状況になっても、それに応じて清掃部材41が大径筒部22a内に入り込むように用具軸31がばね45の付勢力に抗して移動される。そのため、掃除箇所が用具軸31の先端で強く押されて傷付けられることが抑制される。
【0036】
掃除用具21を用いた掃除後に、この掃除用具21の清掃部材41に付着した塵を取除くには、まず、掃除用具21を吸塵風路部材11が備えた吸塵ホース12の手元管12cに、掃除用具21の挿入筒端部22bを挿入して、この掃除用具21を吸塵ホース12に接続した後に、本体ケース4内の電動送風機5を運転すればよい。
【0037】
これにより、電動送風機5の真空吸引力が吸塵ホース12を通じて掃除用具21内に波及するので、大径筒部22aの出入り口21aから外気が吸込まれる。それに伴い、用具軸31が、ばね45の付勢力に抗して通気孔28を有した第1の支持部23及び通気孔29を有した第2の支持部24にガイドされながら下流側に移動されるとともに、清掃部材41が、大径筒部22a内にその出入り口21aを通って引込まれ、かつ、ばね45は短くなるように弾性変形される。
【0038】
この場合、清掃部材41をなした毛材41aの通風抵抗で前記引込みは可能であるが、本実施形態では、用具軸31にその外周から突出する円板状のばね受け33での通風抵抗が加味されるので、より容易かつ円滑に前記引込みが行われる。しかも、本実施形態では、清掃部材41の自由状態での外径D3が大径筒部22aの内径D1より小さめであるので、以上の引込みの際に清掃部材41の外周部が大径筒部22aの内周面に接し難く、したがって、より容易に前記引込みが行われる。清掃部材41が、大径筒部22a内に引込まれた状態を図4(A)(B)に示す。
【0039】
こうした引込みに伴って、微細な塵が付着された清掃部材41の外周部が掻き落とし凸部25に接触しながらこの掻き落とし凸部25を通過するので、その際に清掃部材41の外周部に付着された塵が掻き落とされる。これとともに、清掃部材41が収められている用具筒体22には、その出入り口21aから吸込まれる外気が流通している。そのため、以上のように掻き落とされた塵を、掃除用具21内を流通する気流にのせて、吸塵ホース12を経由させて本体ケース4内の集塵袋6に吸込むことができる。
【0040】
更に、ばね受け33が複数の通孔33aを有しているので、以上の清掃部材41の除塵において、ばね受け33が邪魔になって清掃部材41の外周部だけに集中して気流が通過することがなく、通孔33aを通しても清掃部材41側の空気が吸込まれる。そのため、清掃部材41の外周部と根元部(中心部)との間の中間部についても気流が流通されるに伴い、前記中間部に入り込んだ微細な塵も除塵できる。
【0041】
しかも、用具軸31は中空で清掃部材41の根元部に開口する複数の孔34を有しているので、以上の清掃部材41の除塵において、各孔34を通して清掃部材41の根元部の空気が用具軸31内に吸込まれる。そのため、清掃部材41の根元部に入り込んだ微細な塵も除塵できる。
【0042】
以上のようにキャニスタ型の電気掃除機1のアタッチメントとして装備される掃除用具21は、電気掃除機1の吸塵ホース12に取付けて棚上などを掃除するのに適しているとともに、その使用後において、掃除用具21の清掃部材41に付着された塵を、電気掃除機1が備えた電動送風機5の真空吸引力で容易かつ確実に除去できる。
【0043】
なお、電動送風機5の運転が停止されると、ばね45の付勢力で用具軸31及び清掃部材41が押戻される。
【0044】
図6及び図7を参照して本発明の第2の実施の形態を説明する。この第2実施形態は以下説明する事項以外は第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と同じ構成については第1実施形態と同符号を付してその説明を省略するとともに、以下の説明において必要により図1及び図5を参照する。
【0045】
第2実施形態の掃除用具21は、用具軸31をその軸周りに回転させる回転付与手段、例えばプロペラ51を備えている。そのために、用具軸31は、挿入筒端部22bの外部に突出された延長端部31dを有している。延長端部31dは挿入筒端部22bの突出方向と同方向に突出され、その先端が開放端31bになっているとともに、突出基部の外面に抜け止め部32が形成されている。この延長端部31dの先端部外周にプロペラ51が一体に形成されている。このプロペラ51は吸塵ホース12の手元管12c内に挿脱される大きさである。なお、延出端部31a及びこれにプロペラ51を設けることに代えて、ばね受け33を兼ねてプロペラ51を設けることも可能である。
【0046】
プロペラ51が用具軸31に設けられていることにより、清掃部材41の除塵初期、つまり、電動送風機6(図1参照)の運転により清掃部材41が真空吸引力で用具筒体22の大径筒部22a内に引込まれる際に、プロペラ51を通過する気流によって用具軸31が回転されるので、清掃部材41は用具軸31とともに回転されながら大径筒部22a内に引込まれる。これにより、清掃部材41の外周部に付着した微細な塵に対する掻き落とし凸部25の掻き落としをより確実にできる。
【0047】
第2実施形態では、清掃部材41の自由状態での外径D3(図5参照)を、用具筒体22の大径筒部22aの内径D1(図5参照)より大きくしてある。これにより、清掃部材41が大径筒部22aに出入りされる際、清掃部材41の外周部が大径筒部22aの内面に擦られる。そのため、吸塵ホース12に接続された掃除用具21を使用するに先立ち、電動送風機6を操作パネル14でのスイッチ操作で断続運転させて、清掃部材41を繰り返して大径筒部22aに出入りさせることにより、清掃部材41に静電気を帯電させることができる。したがって、こうすることで、掃除用具21による静電気を利用した微細な塵の吸付ける効果が高められる。
【0048】
以上説明した事項以外は、図6及び図7に示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。そのため、この第2実施形態においても第1実施形態で既に説明した理由により、本発明の課題を解決できる。
【0049】
図8及び図9を参照して本発明の第3の実施の形態を説明する。この第3実施形態は以下説明する事項以外は第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と同じ構成については第1実施形態と同符号を付してその説明を省略するとともに、以下の説明において必要により図1及び図5を参照する。
【0050】
第3実施形態の掃除用具21は、用具軸31をその軸周りに回転させる回転付与手段例えば螺旋溝55を備えている。螺旋溝55は、図9に示すようにばね45が伸張された状態にあるときのばね45の長さLより若干長い範囲にわたって用具軸31の外周に設けられている。図9に示すように用具軸31が第2の支持部24を貫通した箇所において螺旋溝55は第2の支持部24の貫通孔の縁24aに噛合うように係合されている。
【0051】
以上のように螺旋溝55が用具軸31に設けられ、かつ、螺旋溝55が第2の支持部24に噛合わされていることにより、清掃部材41の除塵初期、つまり、電動送風機6(図1参照)の運転により清掃部材41が真空吸引力で用具筒体22の大径筒部22a内に引込まれる際に用具軸31が回転されるので、清掃部材41は用具軸31とともに回転されながら大径筒部22a内に引込まれる。これにより、清掃部材41の外周部に付着した微細な塵に対する掻き落とし凸部25の掻き落としをより確実にできる。又、この除塵後に電動送風機6の運転が停止されて吸込み力(真空吸引力)が消失するに伴い、ばね45の付勢力で用具軸31及び清掃部材41が大径筒部22a外に押し出される際にも、これらが第2の支持部24に噛合わされた螺旋溝55により回転される。
【0052】
更に、第2実施形態と同様に清掃部材41の自由状態での外径D3(図5参照)を、用具筒体22の大径筒部22aの内径D1(図5参照)より大きくしてある。そのため、吸塵ホース12に接続された掃除用具21を使用するに先立ち、電動送風機6を操作パネル14でのスイッチ操作で断続運転させて、清掃部材41を繰り返して大径筒部22aに出入りさせることにより、大径筒部22aの内面で擦られる清掃部材41の周部に静電気を帯電させることができる。或いは、吸塵ホース12に接続された掃除用具21を使用するに先立ち、電動送風機6を所定時間の間連続運転させることにより、大径筒部22aの内面を周方向に擦る清掃部材41の周部に静電気を帯電させることができる。したがって、これらの手順による清掃部材41の帯電により、掃除用具21による静電気を利用した微細な塵の吸付ける効果が高められる。
【0053】
以上説明した事項以外は、図8及び図9に示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。そのため、この第3実施形態においても第1実施形態で既に説明した理由により、本発明の課題を解決できるとともに、以下の説明において必要により図1及び図5を参照する。
【0054】
図10及び図11を参照して本発明の第3の実施の形態を説明する。この第3実施形態は以下説明する事項以外は第1実施形態と同じであるので、第1実施形態と同じ構成については第1実施形態と同符号を付してその説明を省略する。
【0055】
第3実施形態の掃除用具21は、用具軸31を振動させる加振手段61を備えている。加振手段61は、図11に示すようにラック62と、加振軸63と、加振ヘッド例えば加振ローラ64と、加振ばね65を有している。
【0056】
ラック62は用具軸31の外面にこの用具軸31の軸方向に延びて形成されている。用具軸31は、その軸周りに沿って回転しないように回り止めされて第2の支持部24を貫通している。更に、用具軸31は第1の支持部23の中心部に形成された貫通孔23aは、用具軸31より多少大き目で、この貫通孔23aに用具軸31が遊挿されていて、それにより、用具軸31は第2の支持部24を支点として図11中上下方向に動き得るように支持されている。
【0057】
加振軸63は、挿入筒端部22bに設けられた軸支え部22cに、これを貫通し軸方向に移動可能に取付けられている。加振ローラ64は加振軸63の先端部に回転自在に取付けられている。この加振ローラ64は、ラック62に見合った大きさで、ラック62の歯部とこれに隣接した歯部との間の凹みに挿脱可能である。加振ばね65は加振軸63を用具軸31に向けて付勢して設けられており、その付勢により加振ローラ64がラック62に押付けられている。
【0058】
こうした加振手段61を備えたことにより、電動送風機6(図1参照)の運転開始により生じる真空吸引力で、用具軸31が軸方向に移動されて清掃部材41とともに大径筒部22aに引き込まれるに伴い、加振ローラ64がラック62の歯部に加振ばね65に抗して乗り上げた直後に、隣接した歯部相互間の凹みに加振ばね65の付勢力で落ち込む挙動を繰り返す。それにより、用具軸31が第2の支持部24を支点として図11中上下方向に動き得るように振動されるに伴い、用具筒体22の大径筒部22aに出入りしつつある清掃部材41も振動される。これにより、清掃部材41の外周部に付着した微細な塵に対する掻き落とし凸部25の掻き落としをより確実にできる。
【0059】
更に、第2実施形態と同様に清掃部材41の自由状態での外径D3(図1参照)を、用具筒体22の大径筒部22aの内径D1(図1参照)より大きくしてある。そのため、吸塵ホース12に接続された掃除用具21を使用するに先立ち、電動送風機6を操作パネル14でのスイッチ操作で断続運転させて、清掃部材41を繰り返して大径筒部22aに出入りさせることにより、大径筒部22aの内面で擦られる清掃部材41の周部に静電気を帯電させることができる。したがって、こうすることで、掃除用具21による静電気を利用した微細な塵の吸付ける効果が高められる。
【0060】
以上説明した事項以外は、図10及び図11に示されない構成を含めて第1実施形態と同じである。そのため、この第4実施形態においても第1実施形態で既に説明した理由により、本発明の課題を解決できる。
【符号の説明】
【0061】
1…電気掃除機、2…掃除機本体、4a…吸塵口、5…電動送風機、11…吸塵風路部材、12…吸塵ホース、15…延長管、18…吸込み口体、21…掃除用具、21a…出入り口、22…用具筒体、22b…挿入筒端部、24…支持部、25…掻き落とし凸部、31…用具軸、31b…開放端、31c…部位、33…ばね受け部、34…孔、41…清掃部材、41a…毛材、45…ばね、51…プロペラ(回転付与手段)、55…螺旋溝(回転付与手段)、61加振手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アタッチメントとして使用されて電動送風機が内蔵された掃除機本体に吸込まれる気流を導く吸塵風路部材に取外し可能に接続される掃除用具であって、
内周面に掻き落とし凸部を有し、かつ、一端が出入り口として開口され、他端部が前記吸塵風路部材に着脱可能な挿入筒端部をなしていて、前記掃除機本体に吸込まれる気流が前記出入り口から前記挿入筒端部に向けて流通可能な用具筒体と、
前記用具筒体にこの筒体の軸方向に移動可能に支持されるとともに、前記挿入筒端部に位置決めされた状態で前記出入り口から突出する長さの用具軸と、
この用具軸の前記出入り口から突出する部位に植毛されるとともに静電気で塵を付着する毛材の群で形成され、前記掃除機本体に吸込まれる気流によって、前記用具軸とともに移動されて前記掻き落とし凸部に接しながら前記用具筒体に引込まれる清掃部材と、
を具備したことを特徴とする掃除用具。
【請求項2】
前記用具軸が前記清掃部材側にばね受けを有しているとともに、前記用具筒体に設けられて前記用具軸が貫通された支持部と前記ばね受けとの間に、これらに両端を支持されて前記用具軸を前記出入り口から突出する方向に付勢するばねを設けたことを特徴とする請求項1に記載の掃除用具。
【請求項3】
前記用具軸が中空で、かつこの用具軸の前記挿入筒端部側の端が開放されているとともに、前記部位に、この部位の内外を連通する孔が複数開けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の掃除用具。
【請求項4】
前記清掃部材が前記用具筒体に引込まれる際に前記用具軸をその軸周りに回転させる回転付与手段を備えたことを特徴とする請求項1から3の内のいずれか一項に記載の掃除用具。
【請求項5】
前記清掃部材が前記用具筒体に引込まれる際に前記用具軸を振動させる加振手段を備えたことを特徴とする請求項1から3の内のいずれか一項に記載の掃除用具。
【請求項6】
電動送風機が内蔵された掃除機本体と、
この掃除機本体の吸塵口に接続された吸塵ホース、この吸塵ホースの先端部に取外し可能に接続される延長管、及びこの延長管の先端部に取外し可能に接続される吸込み口体を備えて、前記吸込み口体から吸込まれる気流を前記掃除機本体内に導く吸塵風路部材と、
アタッチメントとして装備され、前記吸塵ホースの先端部に取外し可能に接続して使用される請求項1から5の内のいずれか一項に記載の掃除用具と、
を具備したことを特徴とする電気掃除機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−393(P2011−393A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−147878(P2009−147878)
【出願日】平成21年6月22日(2009.6.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(502285664)東芝コンシューマエレクトロニクス・ホールディングス株式会社 (2,480)
【出願人】(503376518)東芝ホームアプライアンス株式会社 (2,436)
【Fターム(参考)】