説明

排出機構及び販売装置

【課題】筒状の物品をポケット部に確実に受け入れることができる排出機構及びこの排出機構を備えた販売装置を提供する。
【解決手段】本発明の排出機構1は、筒体Aを受け入れ可能なポケット部46A,46Bを有する収納ケース10と、閉じ位置と開放位置との間で往復動可能な底壁部材40A,40Bと、この底壁部材40A,40Bを駆動するためのピン38A,38B及びばね42A,42Bと、を備え、底壁部材40A,40Bは、開放位置から閉じ位置に向けて移動するとき、ポケット部46A、46B内の筒体Aを排出口50の外に押し出し、ピン38A,38Bは、底壁部材40A,40Bと係合した状態で、ばね42A,42Bの付勢力に抗して底壁部材40A,40Bを閉じ位置に向けて移動させるとともに、底壁部材40A,40Bが閉じ位置に達した後、底壁部材40A,40Bとの係合を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品が収納された収納ケースから物品を一つずつ取り出す排出機構およびこの排出機構を備えた販売装置に関する。
【背景技術】
【0002】
玩具等をカプセル等の容器に包装した物品を複数収納して、購入者が硬貨を投入して回転ハンドルを回すと物品が一つ取り出される手動式販売装置がある。この手動式販売装置では、玩具等を包装する容器が球形のカプセルであるのが現在主流であるが、近年、球状カプセルの他、例えば特許文献1に記載されるように、筒状のカプセルを取り出す手動式販売装置も提案されている。
この特許文献1に記載の手動式販売装置は、筒状のカプセルが複数個収納された収納ケースと、収納ケースの前方側に設けられて筒状のカプセルを1つずつ排出する排出口と、排出口に連通して筒状のカプセルを1つ受け入れ可能なポケット部と、ポケット部に受け入れられたカプセルを排出口に押し出す底壁部材とを有する。また、収納ケースの底面には回転ハンドルの回転に対応して回転する回転台が設けられており、回転ハンドルを回転させると、回転台が所定角度回転する。底壁部材は、この回転台の回転に連動して、ポケット部の上方を開放する開放位置と、ポケット部の上方を閉じる閉じ位置との間で往復運動するようになっている。底壁部材が開放位置にあるとき、ポケット部にカプセルが受け入れられ、底壁部材が開放位置から閉じ位置に移動する際に、ポケット部に受け入れられたカプセルを排出口に排出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4234154号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような手動式販売装置においては、底壁部材の動きは、回転台の回転運動に連動しており、底壁部材は、回転台の所定角度の回転に対して、開放位置と閉じ位置との間の1サイクルの往復運動を行う。このとき、底壁部材は、半サイクルをかけて開放位置から閉じ位置へ、次の半サイクルをかけて閉じ位置から開放位置へ移動するため、1サイクル中にポケット部が完全に開放される状態となる時間が比較的短い。このため、ポケット部がカプセルを受け入れ可能な時間が短くなり、カプセルを毎回確実にポケット部に収納することが難しくなる。
【0005】
本発明の目的は、筒状の物品をポケット部に確実に受け入れることができる排出機構及びこの排出機構を備えた販売装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、本発明の排出機構は、筒体を一つずつ排出する排出機構であって、内部に筒体を複数収納して、筒体を一つずつ排出する排出口と、排出口に連通するとともに筒体を一つだけ受け入れ可能なポケット部と、を有する収納ケースと、ポケット部に向かって移動して、ポケット部の上方の少なくとも一部を閉じる閉じ位置と、ポケット部の上方を開放する開放位置との間で、ポケット部を横切る方向に往復動可能な底壁部材と、この底壁部材を駆動するための駆動手段と、を備え、底壁部材は、ポケット部に受け入れられた筒体を排出口の外に向けて押すための押出部を有し、底壁部材が開放位置に移動すると、ポケット部に筒体が受入れ可能となり、閉じ位置に向けて移動するとき、ポケット部内の筒体を押出部によって排出口の外に押し出し、駆動手段は、底壁部材を開放位置側に付勢する付勢手段と、底壁部材に係合可能な係合部材とを有し、係合部材は、底壁部材と係合した状態で付勢手段の付勢力に抗して底壁部材を閉じ位置に向けて移動させるとともに、底壁部材が閉じ位置に達した後、底壁部材との係合を解除する、ことを特徴としている。
【0007】
本発明では、好ましくは、係合部材は、回転可能な円板の円周上に形成されたピンであり、底壁部材は、往復運動方向に直交する方向に延びる係合壁を有し、ピンは、係合壁に当接し、円板の回転に伴って係合壁に沿って移動しながら、底壁部材を押すことで該底壁部材開放位置から閉じ位置に向かって移動させ、底壁部材が閉じ位置に達した後、ピンが係合壁を越えて移動することにより、ピンと係合壁との係合が解除される。
【0008】
本発明では、好ましくは、収納ケースは、筒体を上下方向に積み重ねた第1のストックを収納するための第1の収納空間と、第1のストック後方に、筒体を上下方向に積み重ねた第2のストックを収納するための第2の収納空間とを有し、更に、第1の収納空間内に筒体が収納されている場合には第2の収納空間内の筒体がポケット部に向かって移動するのを阻止するストッパを有し、ストッパは、第1のストックの最も下の筒体と第2のストックの最も下の筒体との間に突出可能な係止部と、第1のストックの下から2番目に位置する筒体に当接する当接部分と、を有し、係止部が第1のストックの最も下の筒体と第2のストックの最も下の筒体との間に突出する突出位置と、係止部が第1のストックの最も下の筒体と第2のストックの最も下の筒体との間から退避する退避位置との間で揺動可能に設けられており、当接部分が第1のストックの下から2番目に位置する筒体に当接するとき、ストッパは、係止部が突出位置に移動するように揺動し、第1のストックの下から2番目に位置する筒体が第1の収容空間内に存在しなくなり、当接部分が筒体に当接しなくなったとき、ストッパは自重により揺動して、係止部が退避位置に移動する。
【0009】
本発明では、好ましくは、排出口に隣接して、排出口から押し出された筒体を受け入れる受入室が形成されており、この受入室は、開閉可能な蓋部材が設けられた、筒体を取り出すための取出口を有し、蓋部材は、長手方向軸線に直交する方向の断面が円弧状の、開口を有する筒状に形成されるとともに軸線を中心に回動可能であり、さらに、排出口には、蓋部材の軸線を中心に回動可能な遮断部材が設けられ、この遮断部材は、蓋部材が取出口を閉じるとき、排出口を開放する非遮断位置と、蓋部材が取出口を開くとき、排出口を塞ぎ、受入室とポケット部との間を遮断する遮断位置との間で回動可能である。
【0010】
また、上記目的を達成するために、本発明の販売装置は、前述の排出機構を備えたことを特徴としている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の一実施形態に係る手動式販売装置を正面側から見た斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係る手動式販売装置の内部を示す側断面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る手動式販売装置の排出機構を上方から見た斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る手動式販売装置の排出機構を下方から見た斜視図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る手動式販売装置の排出機構の平面図である。
【図6】本発明の一実施形態に係る手動式販売装置の排出機構の側断面図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る手動式販売装置の排出機構の駆動力伝達構造を示す分解斜視図である。
【図8】本発明の一実施形態に係る手動式販売装置のストッパを示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施形態に係る手動式販売装置の他のストッパを示す斜視図である。
【図10】本発明の一実施形態に係る手動式販売装置の排出機構の駆動力伝達構造を示す部分断面図である。
【図11】本発明の一実施形態に係る排出機構の回転板と底壁部材との位置関係を示す平面図である。
【図12】本発明の一実施形態に係る排出機構の蓋部材の構造を示す斜視図である。
【図13】本発明の一実施形態に係る排出機構の蓋部材の開閉機構を示す断面図である。
【図14】本発明の一実施形態に係る排出機構の送り手段を示す斜視図である。
【図15】図6の状態における、本発明の一実施形態に係るストッパを前方から見た断面図である。
【図16】本発明の一実施形態に係るストッパを示す平面図である。
【図17】本発明の一実施形態に係る排出機構の排出動作を示す平面図である。
【図18】本発明の一実施形態に係る排出機構の排出動作を示す側断面図である。
【図19】本発明の一実施形態に係る排出機構の排出動作を示す平面図である。
【図20】本発明の一実施形態に係る排出機構の排出動作を示す側断面図である。
【図21】本発明の一実施形態に係る排出機構の排出動作を示す平面図である。
【図22】本発明の一実施形態に係る排出機構の排出動作を示す側断面図である。
【図23】本発明の一実施形態に係る排出機構の排出動作を示す平面図である。
【図24】本発明の一実施形態に係る排出機構の排出動作を示す側断面図である。
【図25】本発明の一実施形態に係る排出機構において筒体が取出口から取り出される時の排出機構の動作を表す概略図である。
【図26】本発明の一実施形態に係る排出機構において筒体が取出口から取り出される時の排出機構の動作を表す概略図である。
【図27】本発明の一実施形態に係るストッパの動作を示す側面図である。
【図28】本発明の一実施形態に係るストッパの動作を示す平面図である。
【図29】本発明の一実施形態に係る排出機構の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
[手動式販売装置の全体構成]
図1は、本発明の一実施形態に係る販売装置としての手動式販売装置100を正面側からみた斜視図である。本発明の一実施形態に係る手動式販売装置100は、一方を他方の上面の上に積み上げたすなわち上下二段構成になっている。上下の手動式販売装置100は、それぞれ箱型の筐体101を有する。筐体101の上部には、筒体Aを複数収納し、筒体Aを一つずつ排出する本発明の一実施形態に係る排出機構1が設けられている。また、手動式販売装置100の排出機構1の下方には、筐体101の前面開口を覆うカバー体103が、ヒンジにより開閉自在に設けられている。
カバー体103には、コインを投入するためのコイン投入口104と、返却されるコインが排出されるコイン受け皿106と、が設けられている。また、カバー体103には、排出機構1を作動させるために操作する回転ハンドル110がカバー体103に対して回転可能に配置されている。さらに、カバー体103からは、投入したコインを返却させるための返却部材102が突出している。
【0013】
ここで、筒体Aは、筒状に形成された物品であり、本実施形態では、フィギュア等の玩具等、手動式販売装置100で販売する製品を円筒状のカプセル等によって包装したものである。
また、本実施形態では、手動式販売装置100の筐体101は、従来の球形のカプセルに包装された物品を販売するための手動式販売装置の筐体と同じものを使用している。つまり、本発明の第一実施形態に係る排出機構1は、従来の手動式販売装置に着脱可能となっており、したがって、本実施形態の手動式販売装置100は、既存の手動式販売装置の上部に配置される、球状のカプセルが収納される収納ケースを、本発明の第一実施形態に係る排出機構1に付け替えた構成となっている。したがって、図1の手動式販売装置100には、従来の球状のカプセルを取り出すための取出口105がカバー体103に設けられているが、本実施形態では、この取出口105は使用しない。
【0014】
次に、手動式販売装置100の内部構成を説明する。図2は、上下二段の手動式販売装置100のうち、上方の手動式販売装置100の内部を示す側断面図である。
図2に示すように、手動式販売装置100の上方には、排出機構1が、中央には、投入されたコインを選別するコイン検出装置107が、下方には、コイン検出装置107で選別されたコインを収納するコイン収納部108が設けられている。
【0015】
排出機構1の下方には、回転ハンドル110の回転運動によって回転する回転台20が設けられており、この回転台20の底面の外縁には、下方に向かう歯21が形成されている。歯21は、筐体101に取り付けられた駆動歯車114に噛み合い、この駆動歯車114は、歯車113,112と噛み合っている。歯車112は、回転ハンドル110の回転軸111に固定されている。このような構成により、回転ハンドル110を回転させると、歯車112,113を介して駆動歯車114が回転し、回転台20が所定角度回動する。
なお、本実施形態では、手動式販売装置100は、従来球状のカプセルに収納された物品を排出する既存の手動式販売装置の筐体を使用しているため、歯車112から回転台20の歯21までの減速比は、回転ハンドル110が1回転すると、回転台20が所定角度回動するように設定されている。
【0016】
コイン検出装置107は、コイン投入口104に連通しており、投入されたコインから所定の種類のコインを検出し、その枚数が所定枚数に達したかを検出する。コイン検出装置1は、伝達機構109を介して回転ハンドル110の歯車112に噛み合っている。コイン検出装置107に所定種類のコインが所定枚数投入されると、コイン検出装置107は伝達機構109を介して回転ハンドル110を回転可能とする。これにより回転ハンドル110の回転が回転台20に伝達され、排出機構1が作動することにより、筒体Aが取り出される。
一方、コイン検出装置1は、所定種類のコインが所定枚数投入されていない場合には、伝達機構109を作動させず、回転ハンドル110の回転を阻止する。この結果、排出機構1が作動せず、筒体Aは取り出されない。
また、コイン検出装置1は、コイン受け皿106に連通しており、返却されるべきコインをコイン受け皿106に排出する。さらに、コイン検出装置1は、コイン収納部108とも連通しており、回転ハンドル110が回転されるごとに、投入された所定枚数の所定種類のコインをコイン収納部108に排出する。
【0017】
[排出機構の構成]
次に、排出機構1の構成について説明する。
図3は、排出機構1を上方から見た斜視図であり、図4は、排出機構1を下方から見た斜視図である。また、図5は、排出機構1の平面図であり、図6は、排出機構1の側断面図であり、図7は、排出機構1の駆動力伝達構造を示す分解斜視図である。これらの図3乃至図7に示すように、排出機構1は、筒体Aを複数収納する収納ケース10と、前述の回転台20(図4)と、回転台20の回動運動を伝達する回転板30(図7)と、回転板30によって伝達された駆動力によって往復動する底壁部材40と、収納ケース10の前方に形成され、筒体Aが排出される排出口50(図6)と、収納ケース10内の筒体Aを排出口50に向かって移動させる送り手段60と、を備える。なお、本実施形態では、収納ケース10において、排出口50が設けられた側を前方側とし、その反対側を後方側として説明する。また、収納ケース10の前後方向に直交する略水平方向を収納ケース10の横方向(幅方向)として説明する。
本実施形態では、収納ケース10と回転台20は、一つ設けられ、回転板30、底壁部材40、および送り手段60は、それぞれ複数(本実施形態では二つ)設けられている。
【0018】
収納ケース10は、従来の球形のカプセルを排出する手動式販売装置に設けられた収納ケースとほぼ同じ外形寸法および外形形状に形成されている。また、収納ケース10は、筐体101に対して着脱可能に設けられている。収納ケース10の内部は、図3に示すように、前後方向に延びる仕切り部材11によって二つの筒体収納室12A,12Bに仕切られている。筒体収納室12A,12Bの横方向の寸法は、筒体Aの高さ寸法とほぼ同じに設定されており、これらの筒体収納室12A,12Bに、それぞれ筒体Aの高さ方向が収納ケース10の横方向に沿うように、複数の筒体Aが収納されている。
【0019】
収納ケース10の下方には、図4に示すように、回転台20を収容する収容部13が形成されており、この収容部13の後方側には、回転台20の外周の一部が外部に露出するように開口14が形成されている。回転台20の一部は、開口14から外部に露出し、この露出した部分において、回転台20の歯21が筐体101の駆動歯車114に噛み合っている。また、図7に示すように、回転台20の上面には円柱形の凹部22が形成されており、この凹部22内には歯車23が固定されている。更に、回転台20の外周且つ歯21の上方には、半径方向外側に向かって突出する歯24が形成されている。
【0020】
収納ケース10の側面及び仕切り部材11の両面には、上下方向に沿って延びる3つの仕切り突起15と、仕切り突起15の前方に配置され、後方側が上下方向に延び、前方側が前方に突出する三角形状に延びる仕切り突起16とが形成されている。これらの仕切り突起15,16によって、筒体収納室12A,12Bは、前方に突出するように屈曲して延びる最前方の筒体収納空間17と、その後方に、上下方向に延びる4つの筒体収納空間18とに分割されている。筒体Aは、これらの筒体収納空間17,18のそれぞれに上下方向に積み重なってそれぞれ筒体Aのストックを構成する。
【0021】
筒体収納室12A,12Bには、ある筒体収納空間17,18内に筒体Aが収納されている場合にはその後方の収納空間17,18内の筒体Aが排出口50に向かって移動するのを阻止するストッパ71,75が設けられている。
図8は、本発明の一実施形態に係るストッパ71を示す斜視図であり、図9は、本発明の一実施形態に係るストッパ75を示す斜視図である。図8に示すように、ストッパ71は、最前方の筒体収納空間17とその後方の筒体収納空間18との間に配置されており、棒状に形成され、その一端に、筒体収納空間17に収納された筒体Aと当接可能な当接部分72を有し、その他端には、筒体収納空間17と筒体収納空間18との間の空間に突出可能な係止部73を有する。当接部分72は、図6に示すように、筒体収納空間17に収納された筒体Aのうち、下から2番目の筒体Aに当接する位置に配置されている。係止部73は、筒体収納空間17に収納された最も下の筒体Aと筒体収納空間18に収納された最も下の筒体Aとの間に配置されている。ストッパ71は、棒状部材の略中央において、回転軸74が収納ケース10または仕切り部材11に取り付けられることにより、回転軸74を中心に揺動可能に取り付けられている。それにより、ストッパ71は、係止部73が、筒体収納空間17,18の間の位置で、収納ケース10の内側に突出する突出位置と、筒体収納空間17,18の間の位置で突出しない退避位置との間で揺動可能である。なお、ストッパ71は、当接部分72に筒体Aが当接していない状態では、自重により当接部分72が突出し、係止部73が退避位置に位置するような位置で安定するような形状とされている。
【0022】
図9に示すように、ストッパ75は、両端が反対方向に略直角に屈曲した棒状部材で構成され、ストッパ71と同様に、一端に、筒体収納空間17に収納された下から2番目の筒体Aに当接可能な当接部分76と、他端に、筒体収納空間17の最も下の筒体Aとその後方の筒体収納空間17の最も下の筒体Aとの間の位置で収納ケース10の内側に突出可能な係止部77とを有する。ストッパ75は、棒状部材の略中央において、回転軸78が収納ケース10または仕切り部材11に取り付けられることにより、回転軸78を中心に揺動可能に取り付けられている。それにより、ストッパ75は、係止部77が、隣接する筒体収納空間17の間の位置で収納ケース10の内側に突出する突出位置と、隣接する筒体収納空間17の間で突出しない退避位置との間で揺動可能である。なお、ストッパ75は、当接部分76に筒体Aが当接していない状態では、自重により当接部分76が突出し、係止部77が退避位置に位置するような位置で安定するような形状とされている。
【0023】
図10は、本発明の一実施形態に係る手動式販売装置100の排出機構1の駆動力伝達構造を示す部分断面図である。この図10及び図7に示すように、回転板30A,30Bは、位置決め板32を挟んで回転台20の上方に配置されている。位置決め板32には回転台20を軸支するための孔33と、孔33に対して位相を互いに所定角度(本実施形態では約180°)ずらした位置に2つの孔34A,34Bが形成されている。孔34A,34Bの内周には、それぞれ回転板30A,30Bが位置決めされている。位置決め板32の孔34A,34Bの下方には、回転板30A,30Bを支持するための支持板35A,35Bが形成されており、支持板35A,35Bに形成されたピン36A,36Bに回転板30A,30Bがそれぞれ軸支されている。
【0024】
回転板30A,30Bの下面には、歯車37A,37Bが固定されており、これらの歯車37A,37Bの歯が、図10に示すように回転台20の歯車23の歯とそれぞれ噛み合っている。これにより、回転台20の回転が回転板30A,30Bに伝達される。
回転板30A,30Bの上面の円周上には、上方に突出するピン38A,38Bが形成されている。これらのピン38A,38Bは、位相を互いに所定角度(本実施形態では約180°)ずらした位置に配置されている。つまり、ピン38Aがその軌跡上で排出機構1の最後方に位置したときに、ピン38Bは、排出機構1の最前方に位置するように配置されている。このように、いずれか一方のピン38A,38Bが排出機構1の最後方に、いずれか他方が最前方に配置される位置が、回転板30A,30Bの初期位置となっている。
【0025】
なお、回転板30A,30Bの中心を結ぶ線は、収納ケース10の幅方向線(横方向線、図5の上下方向の線)に対して角度を有して配置されている。したがって、収納ケース10の幅方向の寸法を小さくでき、また反対に収納ケース10の幅方向の所定寸法に対して、より大きな径寸法の回転板30A,30Bを配置することができる。
また、回転台20から回転板30A,30Bまでの減速比は、回転ハンドル110が一回転して回転台20が所定角度回動したときに、回転板30A,30Bがそれぞれ半回転(180°)回動するように設定されている。
【0026】
底壁部材40A,40Bは、筒体収納室12A,12B内にそれぞれ配置されている。底壁部材40A,40Bには、前後方向に沿ってガイド溝48A,48Bが形成されており、これらのガイド溝48A,48Bに、位置決め板32に形成されたガイドピン49A,49Bがそれぞれ係合することにより、底壁部材40A,40Bが収納ケース10の前後方向に沿って案内されてスライド可能となっている。底壁部材40A,40Bの後方端部には、それぞればね取付部41A,41Bが形成され、これらのばね取付部41A,41Bには、ばね42A,42Bの一端が取り付けられる。ばね42A,42Bの他端は、位置決め板32に形成された取付ピン39A,39Bに固定されている。これらのばね42A,42Bにより、底壁部材40A,40Bは後方側に付勢されている。
【0027】
底壁部材40A,40Bの前方側の幅方向両端には、筒体Aを下から支持する一対のガイド板43A,43Bが前後方向に沿って設けられている。また、底壁部材40A,40Bの前端は、上方に延び、その上端には、筒体Aの周面に当接され、筒体Aを排出口50に向かって排出口50の外に押し出す押出部44A,44Bが形成されている。押出部44A,44Bは、横方向に沿って略円柱状に形成されており、それぞれの中央側端部には、押出部44A,44Bの周面よりも前方側に僅かに突出する押出突起45A,45Bが形成されている。
また、底壁部材40A,40Bの後方下面には、回転板30A,30Bのピン38A,38Bが係合可能な係合壁47A,47Bが形成されている。係合壁47A,47Bは、底壁部材40A,40Bの幅方向約半分(本実施形態では前方方向に向かって右側半分)にわたって横方向に延び且つ下方に突出している。
【0028】
初期状態において、ばね42A,42Bの付勢力によって最後方に位置する底壁部材40A,40Bの前方端は、収納ケース10の筒体収納室12A,12Bの前方端から所定距離を有して配置されており、したがって、収納ケース10内部の前方側には、図6に示すように、ガイド板43A,43Bの上面よりも一段下がった空間が形成される。この空間は、筒体Aを一つ受け入れ可能なポケット部46A,46Bとなっている。底壁部材40A,40Bは、これらのポケット部46A,46Bの上方を開放する開放位置初期状態においてはこの位置にある)と、ポケット部46A,46Bの上方の少なくとも一部(本実施形態では全部)を閉じる閉じ位置との間で往復動可能に設けられる。
【0029】
ここで、筒体収納室12A,12Bの前方端から底壁部材40A,40Bの前方端までの所定距離、つまりポケット部46A,46Bの前後方向の寸法は、筒体Aの直径よりも僅かに大きく設定されており、したがって、ポケット部46A,46Bは、筒体Aが一つだけ受け入れられる寸法となっている。また、底壁部材40A,40Bとポケット部46A,46Bの底面との間の高さ寸法は、筒体Aの半径とほぼ等しく設定されており、したがって、ポケット部46A,46Bは、筒体Aの下方略半分を受け入れる。
【0030】
図11は、本発明の一実施形態に係る排出機構の回転板30A,30Bと底壁部材40A,40Bとの位置関係を示す平面図である。回転板30A,30Bの初期位置においては、図11に示すように、一方の回転板30Aのピン38Aがほぼ最前方に位置し、他方の回転板30Bのピン38Bがほぼ最後方に位置する。このとき、ピン38A,38Bはいずれも底壁部材40A,40Bの係合壁47A,47Bに当接しておらず、したがって、底壁部材40A,40Bは、ばね42A,42Bの付勢力によっていずれも最後方に位置する。この位置においては、底壁部材40A,40Bの押出部44A,44Bは、ポケット部46A,46Bの後端に位置し、ポケット部46A,46Bの上方を開放する開放位置に位置する。また、図11の状態では、係合壁47A、47Bは、回転板30A,30Bの回転中心から外周の位置まで延びるように配置されている。
なお、本実施形態では、回転台20と、ピン38A,38Bを備えた回転板30A,30Bと、ばね42A,42Bを備えて、底壁部材40を駆動する本発明の駆動手段を構成する。
【0031】
図6に示すように、排出口50は、収納ケース10の下方で、かつ前方に形成された開口であり、収納ケース10の略全幅にわたって形成されている。排出口50の前方には、排出口50に隣接して、前方に突出するように筒体Aを取り出すための取出口51が形成されている。この取出口51は、蓋部材52によって覆われている。
図12は、本発明の一実施形態に係る排出機構1の蓋部材52の構造を示す斜視図である。また、図13は、本発明の一実施形態に係る排出機構1の蓋部材52の開閉機構を示す断面図である。図12及び図13や図6に示すように、蓋部材52は、周面に開口52Aを有する円筒形で、長手方向軸線に直交する方向の断面が円弧状(略C字形)となっている。蓋部材52は、長手方向軸線が収納ケース10の幅方向に沿うように、収納ケース10の略全幅にわたって配置されている。
蓋部材52は、長手方向に延びる回転軸52Cを中心に回動可能に設けられ、図示しない付勢手段によって開口52Aが排出口50側を向いて円弧状部分が取出口51を覆うように、付勢されている。蓋部材52Aの周面には、蓋部材52を付勢手段に抗して下方に回動させるためのつまみ52Bが設けられている。また、蓋部材52の内部の径寸法は、筒体Aの径寸法よりも大きくなるように設定されており、蓋部材52の内部に、排出口50から排出された筒体Aを受け入れる受入室52Dが形成される。
【0032】
排出口50と受入室52Dとの間には、排出口50の上方略半分を覆う保持部材53A,53Bが取り付けられている。これらの保持部材53A,53Bは、上方の一端が収納ケース10に取り付けられ、下方の一端がばね等の付勢手段(図示せず)によって後方側に付勢されている。これにより、保持部材53A,53Bは、収納ケース10の幅方向に沿った方向線を中心に揺動可能となっており、付勢手段の付勢力によって、ポケット部46A,46B内に受け入れられた筒体Aが排出口50から受入室52Dの方向へ移動するのを防止し、筒体Aをポケット部46A,46B内に保持する。
【0033】
また、蓋部材52の回転軸52Cには、取出口51を開放したときに排出口50を遮断する遮断部材54が設けられている。図12及び図13に示すように、遮断部材54は、断面扇形の周面54Aと、その両端に回転軸52Cの半径方向に形成された扇形の端部54Bとを有し、端部54Bは、蓋部材52の回転軸52Cに回転可能に取り付けられている。また、端部54Bの外面には、外側に突出するピン54Cが設けられており、これらのピン54Cが収納ケース10に形成された円弧形のガイド溝19に挿通されることにより、遮断部材54の回動軸52C周りの移動がガイド溝19によって案内されるようになっている。遮断部材54の周面54Aは、蓋部材52の周面の外周側に配置され、蓋部材52を閉じた状態では、遮断部材54の周面54Aは、図6に示すように、収納ケース10の内部且つ収納ケース10の仕切り10Aの上方で、蓋部材52の開口52Aの上端部を覆う位置に配置される。このような遮断部材54は、保持部材53A,53Bより上方に位置して排出口50を遮断しない非遮断位置と、遮断部材54の周面54A保持部材53A,53Bのより下方に位置してポケット部46A,46Bと受入室52Dとの間、つまり排出口50を遮断する遮断位置との間で回動可能となっている。
【0034】
蓋部材52と遮断部材54とは、蓋部材52の両端面と遮断部材54の端部54Bとの間に設けられたリンク部材55によって連動するようになっている。
リンク部材55は、蓋部材52の回転軸52Cよりも前方側に位置する回転軸55Aが収納ケース10に回動可能に取り付けられた三日月形の部材である。リンク部材55の中央部には、リンク部材55の回転中心である回転軸55Aを中心とする円弧状の長孔55Bが形成されており、この長孔55Bには、蓋部材52の回転軸52Cが貫通する。また、リンク部材55の長孔55Bより後方側には、回転軸55Aを中心とするリンク部材55の略半径方向に延びる長孔55Cが形成され、この長孔55Cには、遮断部材54の端部54Bの内面から内側に突出するピン54Dが挿通される。更に、リンク部材55には、長孔55Bを囲むように略円弧状の長孔55Dが形成されている。この長孔55Dには、蓋部材52に設けられたピン52Eが挿通される。
長孔55Dは、リンク部材55の回転軸55A側、即ち前方側に形成された端部分55Eと、その他の円弧部分55Fとを有する。端部分55Eは、長孔55Bの下端に回転軸52Cが位置した状態(図13の状態)で、回転軸52Cを中心とする略半径方向に、円弧部分55Fから僅かに外側に突出するように形成されている。円弧部分55Fは、長孔55Bの上端に回転軸52Cが位置した状態(図25の状態)で、回転軸52Cを中心とする円弧状に形成されている。
【0035】
図14は、本発明の一実施形態に係る排出機構の送り手段60を示す斜視図である。図14に示すように、送り手段60は、プーリ61A,61Bと、これらのプーリ61A,61Bにそれぞれ係合した環状ベルト62A,62Bと、回転台20の回転駆動力をプーリ61A,61Bに伝達する歯車63,64と、を備える。
【0036】
プーリ61A,61Bは、筒体収納室12A,12Bにそれぞれ3つずつ設けられ、3つのプーリ61A,61Bは、筒体収納室12A,12Bの幅方向略中央に、収納ケース10の前後方向に沿って互いに所定間隔を有して配置されている。プーリ61A,61Bの回転軸は、収納ケース10に対して回転可能に支持されており、プーリ61A,61Bは、上下方向面内で回転可能となっている。また、前後方向中央のプーリ61A,61Bに固定される回転軸65は、筒体収納室12A,12Bに幅方向に並んだプーリ61A,61Bの共通の回転軸となっている。なお、前方のプーリ61A,61Bは、収納ケース10の前方から所定距離離れた位置で底壁部材40A,40Bの押出部44A,44Bよりも後方に配置され、ポケット部46A,46B内に突出しないようになっている。
【0037】
環状ベルト62A,62Bは、それぞれ2本設けられ、1本は、前方のプーリ61A,61Bと中央のプーリ61A,61Bの間に掛け回され、もう1本は、中央のプーリ61A,61Bと後方のプーリ61A,61Bの間に掛け回されている。このような構成により、プーリ61A,61Bが回転すると、環状ベルト62A,62Bが上下方向面内で排出口50に近接する方向(収納ケース10の前後方向)に沿って移動する。環状ベルト62A,62Bの外周には、所定間隔を有して突起66A,66Bが形成されている。突起66A,66Bの形状は、本実施形態では側面視で略半円形に形成されているが、略三角形や略矩形など、その他任意の形状を採用できる。
中央のプーリ61A,61Bの回転軸65の端部には、歯車63が固定されており、この歯車63は、歯車63の下方に配置された歯車64に噛み合っている。そして、歯車64は、回転台20の歯24に噛み合っている。したがって、回転台20の回転に伴って、歯車64が回転し、この回転が歯車63を介して中央のプーリ61A,61Bに伝達されることによって環状ベルト62A,62Bの上方部分が前方に向かって移動することとなる。
【0038】
[手動式販売装置の動作]
次に、本実施形態の手動式販売装置100の動作について説明する。
まず、コイン投入口104から所定種類のコインを所定枚数投入すると、コイン検出装置107がコインを検出して、回転ハンドル110を回転可能にするとともに、所定枚数のコインをコイン収納部108に収納する。
【0039】
回転ハンドル110が回転すると、この回転運動は、歯車112,113、および駆動歯車114を介して回転台20に伝達される。回転台20は、この回転により、所定角度回動する。
【0040】
収納ケース10には、図6に示すように、各筒体収納空間17,18に筒体Aが積み重なって各空間内でストックを形成するように収納されており、排出機構1の初期状態では両方の底壁部材40A,40Bは、ばね42A,42Bの付勢力により後方に後退してポケット部46A,46Bの上方を開放した開放位置に位置する。これらのポケット部46A,46Bには、筒体収納空間17の最も下の筒体Aが1つずつ収納されている。
【0041】
回転台20が所定角度回動すると、回転台20の回動が、歯24に噛み合った歯車64を介して歯車63に伝達される。歯車63は回転軸65に固定されているので、回転軸65が回転し、プーリ61A,61Bが回転することにより、環状ベルト62A,62Bの上方部分が前方に向かって移動する。収納ケース10内に収納された筒体Aは、環状ベルト62A,62Bの突起66A,66Bによって前方に押され、前方に移動しようとする。
【0042】
図15は、図6の状態における、本発明の一実施形態に係るストッパを前方から見た断面図である。また、図16は、本発明の一実施形態に係るストッパを示す平面図である。図15及び図16に示すように、最前方の筒体収納空間17には、まだ筒体Aが収納されているため、下から2番目の筒体Aがストッパ71の当接部分72に当接している。これにより、係止部73は、筒体収納空間17の最も下の筒体Aと筒体収納空間18の最も下の筒体Aとの間に突出する突出位置に位置する。係止部73の突出により、筒体収納空間18に収納された筒体Aの最も下の筒体Aは、図6に示すように、係止部73によって更なる前方への移動が阻止される。以下同様に、筒体収納空間17の下から2番目の筒体Aがストッパ75の当接部分76に当接するため、係止部77が突出位置に移動し、その後方の筒体収納空間17の筒体Aの前方への移動を阻止する。したがって、図6の状態では、環状ベルト62A,62Bは移動するが、後方の筒体収納空間18内の筒体Aは前方に移動しない。
【0043】
図17から図24は、本発明の一実施形態に係る排出機構による筒体Aの排出動作を表す平面図及び側断面図である。
まず、図17及び図18に示すように、排出機構1の初期状態においては、底壁部材40A,40Bは、収納ケース10の最後方の位置に配置された開放位置に位置するので、ポケット部46A,46Bの上方が開放され、ポケット部46A,46Bに筒体Aが1つずつ受け入れられた状態となっている。
【0044】
回転板30A,30Bに取り付けられたピン38A,38Bの位相は180°ずれているので、排出機構1の初期状態では、前述の図11に示すように、一方の回転板30Aのピン38Aがほぼ最前方に位置し、他方の回転板30Bのピン38Bがほぼ最後方に位置している。この状態で、回転台20が所定角度回動すると回転板30A,30Bは図17において反時計回りに半回転するが、回転板30A,30Bが回転し始めると、他方の回転板30Bのピン38Bが、底壁部材40Bの係合壁47Bに当接して係合する。
【0045】
図19及び図20に示すように、回転板30Bが更に回転すると、ピン38Bも回転し、底壁部材40Bの係合壁47Bに沿って横方向に移動しながら、ばね42Bの付勢力に抗して係合壁47Bを前方に押す。これにより底壁部材40Bが前方に移動し、押出部44Bが筒体Aの側面を排出口50側に押し出す。押し出された筒体Aは、保持部材53Bを付勢力に抗して上方に押し上げながら排出口50の外側に移動する。このとき、次に排出されるべき筒体Aが下方に移動しようとするが、底壁部材40Bのガイド板43Bが、次の筒体Aを下方から支持するので、この筒体Aがポケット部46Bに落下するのが防止される。したがって、底壁部材40Bのガイド板43Bは、次に排出されるべき筒体Aがポケット部46B内に落下するのを防止する防止手段となっている。
一方、回転板30Aも回転するが、ピン38Aは係合壁47Aに当接しないため、回転板30Aは底壁部材40Aに対して空回りすることとなり、底壁部材40Aは移動しない。
【0046】
図21及び図22に示すように、底壁部材40Bが最も前方に移動した状態では、底壁部材40Bは、ポケット部46Bを覆って底壁部材40Aは、ポケット部38Aの上方を全部閉じる閉じ位置に位置する。底壁部材40Bが最も前方に移動した状態では、筒体Aは、図22に示すように、保持部材53Bを越えて受入室52Dに収納される。
【0047】
図23及び図24に示すように、底壁部材40Bが最も前方に移動した後、回転板30Bが更に回転すると、ピン48Bが回転板30Bの中心よりも収納ケース10の幅方向内側に移動し、係合壁47Bを越えて幅方向に移動して、ピン48Bと係合壁47Bとの係合が解除される。すると、底壁部材40Bは、ばね42Bによって付勢されているため、その付勢力によって後方に移動し、最も後方に位置した開放位置で静止する。底壁部材40Bの押出部44Bも後方に移動するので、保持部材53Bは、付勢手段の付勢力によって元の位置に戻る。底壁部材40Bが開放位置に移動すると、ポケット部46Bが開放されるので、筒体収納空間17内の次の筒体Aが自重により下に落ちてポケット部46Bに受け入れられる。
このような動作により、底壁部材40Bによって筒体Aを1つ受入れ室52Dに排出する。なお、この底壁部材40Bの動作の間、ピン38Aは係合壁47Aに当接しないため、底壁部材40Aは、ポケット部46Aの上方を開放する開放位置に位置したまま、移動しない。
また、筒体Aを1つ排出した後、次の筒体Aを排出する動作の際には、底壁部材40Aが開放位置から閉じ位置に移動して筒体Aを排出口50の外へ押し出すが、底壁部材40Bは開放位置に静止したままとなる。
【0048】
次に、受入れ室52Dに受け入れられた筒体Aを取出口51から取り出す際の動作について説明する。
図25及び図26は、本発明の一実施形態に係る排出機構1において、筒体Aが取出口51から取り出される時の排出機構1の動作を表す概略図である。購入者が蓋部材52のつまみ52Bを把持して蓋部材52を下方に移動させると、蓋部材52が付勢手段の付勢力に抗して長手方向軸線を中心に下方に回動する。すると、蓋部材52の開口52Aが取出口51に整列して、取出口51が開く。この動作により、受入室52C内の筒体Aが開口52Aから外部に露出するため、購入者は筒体Aを取り出すことができる。
【0049】
図13の状態から図25の状態まで蓋部材52を回転軸52Cを中心に僅かに回動させると、蓋部材52のピン52Eも回転軸52Cを中心に回動する。ピン52Eは、長孔55Dの端部分55Eを下方に押し下げ、これにより、リンク部材55は回転軸55Aを中心に下方に回動する。リンク部材55が回動すると、長孔55Cに挿通された遮断部材54のピン54Dが下方に押されて、遮断部材54が回転軸52Cを中心に下方へ回動する。図25の状態では、遮断部材54は、最も下方まで回動し、排出口50の保持部材53Bよりも下方を塞ぎ、受入れ室52Dとポケット部46Bとの間を遮断する遮断位置に位置する。
【0050】
その後、蓋部材52を更に回動させると、図26に示すように、蓋部材52の開口52Aが取出口51に位置して取出口51が開放される。このとき、蓋部材52の回動に伴ってピン52Eも回転軸52Cを中心に回動するが、長孔55Dの円弧部分55Fが、回転軸52Cを中心とする円弧状に形成されているので、ピン52Eが回動しても、長孔55Dはピン52Eに押されることがない。したがって、ピン52Eは、長孔55Dの円弧部分55Fに沿って移動するのみであり、この移動の間、リンク部材55は、移動せず、下方に押された状態での位置を維持する。このため、遮断部材54も、遮断位置を維持する。
【0051】
以上のような動作により、購入者が所定枚数のコインを投入して回転ハンドル110を回転させると、排出機構1が筒体Aを一つ排出口50の外部に排出し、取出口51から筒体Aを取り出すことができる。なお、所定枚数のコインが投入されていない場合には、回転ハンドル110が回転しないため、排出機構1が作動せず、筒体Aは排出口50の外部に排出されない。
【0052】
図27は、本発明の一実施形態に係るストッパ71の動作を示す側面図であり、図28は、本発明の一実施形態に係るストッパ71の動作を示す平面図である。また、図29は、本発明の一実施形態に係る排出機構1の側断面図である。筒体Aの取出を繰り返すことにより、最前方の筒体収納空間17内の最後の筒体Aがポケット部46A,46Bに受け入れられると、筒体収納空間17内には最も下から2番目の位置に筒体Aが存在しなくなる。すると、図27及び図28に示すように、ストッパ71の当接部分72が筒体Aに当接しなくなるため、ストッパ71は、自重により回転軸74を中心に揺動し、当接部分72が収納ケース10から突出するとともに、係止部73が突出位置から退避位置に移動する。
【0053】
退避位置においては、係止部73は、筒体収納空間18の最も下の筒体Aとその後方の筒体収納空間18の最も下の筒体Aとの間の空間から退避するため、図29に示すように、筒体収納空間18のうち最も前方に位置する筒体収納空間18内に収納された筒体Aが前方に移動可能となる。その後、筒体Aを排出する際には、環状ベルト62A,62Bの上方部分が前方に移動すると、突起66A,66Bが筒体Aの側面を前方に押して移動させ、筒体Aをポケット部46A,46Bに収納する。このとき、筒体収納空間18内には他の筒体Aがまだ収納されているため、この筒体収納空間18の後方の筒体収納空間18に収納された筒体Aは、ストッパ75の係止部77によってその移動が阻止される。
【0054】
以下、同様に、筒体収納空間18内の筒体Aがなくなると、ストッパ75の当接部分76が下から2番目の筒体Aに当接しなくなり、ストッパ75が揺動して当接部分76が収納ケース10内に突出し、係止部77が退避位置に移動する。それにより、後方の筒体収納空間18内に収納された筒体Aが前方に移動可能となる。
以上のようにして、筒体Aは、前方の筒体収納空間17内の筒体Aから後方の筒体収納空間18内の筒体Aへ、順番に取り出される。
【0055】
以上のような実施の形態によれば、次のような効果が得られる。
回転板30A,30Bのピン38A,38Bが、底壁部材40A,40Bの係合壁47A,47Bに当接することで底壁部材40A,40Bを前方に押し、ピン38A,38Bの係合壁47A,47Bへの係合が解除されると、ばね42A,42Bの付勢力によって底壁部材40A,40Bが後方へ移動するようになっているので、ピン38A,38Bの係合が解除されると、底壁部材40A,40Bが素早く開放位置に戻る。排出機構1の排出動作の1サイクルのうち、底壁部材40A,40Bが開放位置に配置されている時間を長く確保することができるから、ポケット部46A,46B内に筒体Aをより確実に収納することができ、筒体Aのポケット部46A,46Bへの受入れ、排出口50への排出をより確実に行うことができる。
【0056】
また、係合壁47A,47Bが、底壁部材40A,40Bの幅方向約半分に設けられているので、一方の回転板30Aが底壁部材40Aを前方に押している間、他方の回転板30Bは、ピン38Bが係合壁47Bに係合しないため、底壁部材40Bを移動させない。このため、他方の底壁部材40Bは、一方の底壁部材40Aが移動している間、開放位置に位置したままとなるから、これによってもポケット部46Aの開放時間をより長く確保することができる。
また、底壁部材44A,44Bを移動させる構造を、ピン38A,38B及び係合壁47A,47Bで構成しているので、ピン38A,38Bが係合壁47A,47Bに当接してこれを押すことで底壁部材44A,44Bが移動する。また、ピン38A,38Bが係合壁47A,47Bを越えて移動することによってピン38A,38Bと係合壁47A,47Bとの係合が解除される。したがって、ピン38A,38Bと係合壁47A,47Bとの係合、解除が容易に行われ、底壁部材44A,44Bの駆動手段を簡単な構造とすることができる。
【0057】
筒体収納室12A,12Bが複数の筒体収納空間17,18に区切られ、各筒体収納空間17,18にストッパ71,75が設けられているので、前方の筒体収納空間17,18内の筒体Aがなくなるまで、後方の筒体収納空間18内の筒体Aの前方への移動を阻止することができる。したがって、収納ケース内の筒体Aを前方側の筒体収納空間17,18から後方の筒体収納空間17,18の順で順序よく排出することができ、収納ケース10内で筒体Aが詰まってしまうことなく、1つずつポケット部46A,46B内に確実に収納することができる。
【0058】
蓋部材52にリンク部材55を介して遮断部材54が取り付けられているので、筒体Aを取り出す際に蓋部材52を回動させると、遮断部材54が連動して受入れ室52Dとポケット部46A,46Bとの間を遮断することができる。したがって、蓋部材52の開口52Aから排出口50に手を入れて収納ケース10内の筒体Aにアクセスするのを防止することができる。よって、次に排出されるであろう筒体Aの中身を見たり、次の筒体Aを取り出すなどの行為を防止できる。
【0059】
リンク部材55の端部分55Eと円弧部分55Fとを有する長孔55Dを有するので、蓋部材52のピン52Eが蓋部材52の開動作に伴って下方への移動を開始してから端部分55Eを脱するまでの間に、遮断部材54が非遮断位置から遮断位置に移動する。そして、ピン52Eが円弧部分55Fを通る間、遮断部材54を遮断位置で維持することができる。長孔55Dが端部分55Eを有するので、蓋部材52の回動の初期の段階で遮断部材54を遮断位置に移動させることができる。したがって蓋部材52を回動させて開口52Aから手を入れられるスペースが形成される頃には、既に遮断部材54が排出口50を遮断しているので、蓋部材52の開口52Aから排出口50に手を入れて収納ケース10内の筒体Aにアクセスするのをより一層確実に防止することができる。
【0060】
底壁部材40A,40Bの先端部分が押出部44A,44Bとされ、ポケット部46A,46Bが筒体Aの下方半分を受け入れるので、押出部44A,44Bがポケット部46A,46B内の筒体Aを押し出すときには筒体Aの長手方向中心軸線を含む水平面内に押すので、筒体Aを安定して排出口50の外に押し出すことができる。
【0061】
排出機構1が、回転台20および回転板30を有する駆動手段を備えているので、回転台20の回転運動を往復運動に変換して底壁部材40A,40Bに伝達できる。したがって、回転台20として、従来球形カプセルを排出する手動式販売装置で使用される回転台と同じものを使用することができる。つまり、球形のカプセルに物品を収納していた従来の手動式販売装置の収納ケースを本実施形態の排出機構1と交換すれば、既存の手動式販売装置で筒体Aを取り扱うことができる。これにより、手動式販売装置100の設置コストが削減でき、取り扱い物品の変更が容易にできる。
【0062】
一つの収納ケース10および回転台20に対して、収納ケース10を仕切り部材11で筒体収納室12A,12Bに分割し、収納ケース10の幅方向に二つの回転板30A,30Bおよび底壁部材40A,40Bを並行して配置して、二つの底壁部材40A,40Bを交互に位相をずらして筒体Aを押し出すように構成したので、回転板30A,30Bが半回転するごとに、底壁部材40A,40Bのいずれかによって筒体Aを一つ排出口50に排出することができる。よって、一方の底壁部材40Aが筒体Aを排出している間に、他方の底壁部材40Bがポケット部46Bに筒体Aを受け入れることができるから、次に排出すべき筒体Aの準備動作を並行して行える。したがって、回転ハンドル110の1回転に対するいずれかの底壁部材40A,40Bの動作を、筒体Aの排出動作のみに使用することができるから、排出動作のために割くことができる時間を多く取ることができ、より安定して確実に筒体Aを排出口50の外に押し出すことができる。
【0063】
また、この構成により、回転ハンドル110の1回転に対して、底壁部材40A,40Bを一往復させる必要がなく、底壁部材40A,40Bを半往復、つまり回転板30A,30Bを半回転させればよい。これにより、回転ハンドル110から回転板30A,30Bまでの回転運動の伝達機構の減速比を小さくすることができる。また、伝達機構の負荷を軽減できるとともに、回転ハンドル110を回転させるときの負荷を小さくすることができる。
【0064】
底壁部材40A,40Bが閉じ位置に配置されると、ポケット部46A,46Bの上方が閉じられ、ガイド板43A,43Bが収納ケース10内に収納された筒体Aを下から支持するので、底壁部材40A,40Bの移動中に筒体Aがポケット部46A,46Bに落下するのを防止できる。つまり、底壁部材40A,40Bが筒体Aを一つ排出口50に押し出している間に、次の筒体Aがポケット部46A,46Bに落下してくるのを防止することができるから、押出部44A,44Bが筒体Aを一つずつ確実に押し出して排出口50に排出することができる。また、このような構造により、筒体Aの排出動作中に次の筒体Aが落下してくることがないので、筒体Aが底壁部材40A,40Bの動作を阻害する等の不具合を確実に防止できる。
【0065】
一つの回転台20の歯車22に、回転板30A,30Bを互いに所定角度(180°)を有して配置することによって回転板30A,30Bの往復動の位相をずらすことができる。
【0066】
排出機構1に送り手段60A,60Bを設けたので、収納ケース10内の筒体Aを順次後方から前方に移動させることができる。したがって、筒体Aが収納ケース10の後方で残ってしまうことがなく、収納ケース10内の筒体Aを最後の一つまで確実に排出口50に排出できる。
また、送り手段60A,60Bが、プーリ61A,61Bおよび環状ベルト62A,62Bを有して構成されるので、簡単な構造で送り手段60A,60Bを構成できる。
また、環状ベルト62A,62Bの外周に突起66A,66Bが形成されているので、突起66A,66Bが筒体Aの側面に当接するから、筒体Aが環状ベルト62A,62B上で滑るのを防止でき、より確実に筒体Aを収納ケース10の前方に移動させることができる。
【0067】
プーリ61A,61Bに歯車63を固定し、この歯車63を歯車64を介して回転台20の歯24に噛み合わせたので、回転台20の回転によって環状ベルト62A,62Bを駆動することができる。したがって、回転台20が、底壁部材40A,40Bと送り手段60A,60Bの両方を駆動する共通の駆動手段となる。よって、駆動手段の共通化が図れ、送り手段60A,60Bのための駆動手段を別途設ける必要がないから、排出機構1の部品点数を低減でき、構成を簡単にできる。
【0068】
排出口50に保持部材53A,53Bを設けたので、ポケット部46A,46Bに受け入れられた筒体Aが、意図しないタイミングで排出口50から外部に排出されるのを防止できる。
【0069】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、例えば、収納ケースは、仕切り部材によって2つの筒体収納室に分割されていなくてもよく、前述の実施形態において、例えば仕切り部材11を外して、排出機構1を、収納ケース10の幅寸法と同程度の長さを有する筒体Aを収納し、排出する機構として使用することもできる。その場合には、一対の底壁部材40A,40Bのいずれか一方が筒体Aの周面を排出口50に押し出す。そのとき、底壁部材40A,40Bの押出部44A,44Bの中央側端部には、押出突起45A,45Bが形成されているので、押出突起45A,45Bが筒体Aの中央部分を押す。したがって、長い筒体であっても押し出し中に曲がって収納ケース10内で詰まってしまうのを防止しながら排出口50の外に押し出すことができる。したがって、収納ケース内に1列で筒体を収納する場合も2列で収納する場合も、同じ構造で筒体を失敗無く排出することができる。
【0070】
収納ケース内は、仕切りによって複数の筒体収納空間に区切られている必要はなく、例えば1つの筒体収納空間となっていてもよい。この場合には、収納ケースに筒体をランダムに収納し、送り手段によって順に1つずつポケット部に収納するように構成すればよい。
遮断部材の構造は、前述の実施形態のものに限らず、蓋部材を開放位置に移動させるときに、受入室とポケット部との間を遮断可能な任意の構造を採用することができる。
【0071】
送り手段は必ずしも必須の構成ではなく、例えば送り手段が設けられていない場合でも、収納ケースの底面が排出口に向かって下方に傾斜するように構成するなどすれば、筒体が排出口側に集められるので、本発明の目的を達成できる。
筒体は、筒状の容器に玩具等を収納して構成されるものに限らず、例えば販売する製品自体が筒状のものであってもよい。
販売装置は、手動式販売装置に限らず、例えば排出機構の回転台をモータで駆動するなどして構成してもよい。
【符号の説明】
【0072】
1 排出機構
10 収納ケース
17,18 筒体収納空間
20 回転台
30 回転板
38 ピン
40 底壁部材
42 ばね(付勢手段)
44 押出部
46 ポケット部
47 係合壁(係合部材)
50 排出口
51 取出口
52 蓋部材
54 遮断部材
54D 受入室
55 リンク部材
60 送り手段
71,75 ストッパ
72,76 当接部分
73,77 係止部
100 手動式販売装置
A 筒体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒体を一つずつ排出する排出機構であって、
内部に前記筒体を複数収納して、前記筒体を一つずつ排出する排出口と、前記排出口に連通するとともに前記筒体を一つだけ受け入れ可能なポケット部と、を有する収納ケースと、
前記ポケット部に向かって移動して、前記ポケット部の上方の少なくとも一部を閉じる閉じ位置と、前記ポケット部の上方を開放する開放位置との間で、前記ポケット部を横切る方向に往復動可能な底壁部材と、
この底壁部材を駆動するための駆動手段と、を備え、
前記底壁部材は、前記ポケット部に受け入れられた前記筒体を前記排出口の外に向けて押すための押出部を有し、前記底壁部材が前記開放位置に移動すると、前記ポケット部に前記筒体が受入れ可能となり、前記閉じ位置に向けて移動するとき、前記ポケット部内の前記筒体を前記押出部によって前記排出口の外に押し出し、
前記駆動手段は、前記底壁部材を前記開放位置側に付勢する付勢手段と、前記底壁部材に係合可能な係合部材とを有し、前記係合部材は、前記底壁部材と係合した状態で前記付勢手段の付勢力に抗して前記底壁部材を前記閉じ位置に向けて移動させるとともに、前記底壁部材が前記閉じ位置に達した後、前記底壁部材との係合を解除する、
ことを特徴とする排出機構。
【請求項2】
前記係合部材は、回転可能な円板の円周上に形成されたピンであり、前記底壁部材は、往復運動方向に直交する方向に延びる係合壁を有し、前記ピンは、前記係合壁に当接し、前記円板の回転に伴って前記係合壁に沿って移動しながら、前記底壁部材を押すことで該底壁部材を前記開放位置から前記閉じ位置に向かって移動させ、前記底壁部材が前記閉じ位置に達した後、前記ピンが前記係合壁を越えて移動することにより、前記ピンと前記係合壁との係合が解除される、
ことを特徴とする請求項1に記載の排出機構。
【請求項3】
前記収納ケースは、前記筒体を上下方向に積み重ねた第1のストックを収納するための第1の収納空間と、前記第1のストック後方に、前記筒体を上下方向に積み重ねた第2のストックを収納するための第2の収納空間とを有し、更に、前記第1の収納空間内に前記筒体が収納されている場合には前記第2の収納空間内の前記筒体が前記ポケット部に向かって移動するのを阻止するストッパを有し、
前記ストッパは、前記第1のストックの最も下の筒体と前記第2のストックの最も下の筒体との間に突出可能な係止部と、前記第1のストックの下から2番目に位置する筒体に当接する当接部分と、を有し、前記係止部が前記第1のストックの最も下の筒体と前記第2のストックの最も下の筒体との間に突出する突出位置と、前記係止部が前記第1のストックの最も下の筒体と前記第2のストックの最も下の筒体との間から退避する退避位置との間で揺動可能に設けられており、
前記当接部分が前記第1のストックの下から2番目に位置する筒体に当接するとき、前記ストッパは、前記係止部が前記突出位置に移動するように揺動し、前記第1のストックの下から2番目に位置する筒体が前記第1の収納空間内に存在しなくなり、前記当接部分が筒体に当接しなくなったとき、前記ストッパは自重により揺動して、前記係止部が前記退避位置に移動する、
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の排出機構。
【請求項4】
前記排出口に隣接して、前記排出口から押し出された前記筒体を受け入れる受入室が形成されており、この受入室は、開閉可能な蓋部材が設けられた、前記筒体を取り出すための取出口を有し、
前記蓋部材は、長手方向軸線に直交する方向の断面が円弧状の、開口を有する筒状に形成されるとともに前記軸線を中心に回動可能であり、
さらに、前記排出口には、前記蓋部材の前記軸線を中心に回動可能な遮断部材が設けられ、
この遮断部材は、前記蓋部材が前記取出口を閉じるとき、前記排出口を開放する非遮断位置と、前記蓋部材が前記取出口を開くとき、前記排出口を塞ぎ、前記受入室と前記ポケット部との間を遮断する遮断位置との間で回動可能である、
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の排出機構。
【請求項5】
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の排出機構を備えたことを特徴とする販売装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate


【公開番号】特開2013−25784(P2013−25784A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−288835(P2011−288835)
【出願日】平成23年12月28日(2011.12.28)
【分割の表示】特願2011−161016(P2011−161016)の分割
【原出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000135748)株式会社バンダイ (246)
【Fターム(参考)】