説明

排水処理装置

【課題】固液分離とし渣に対する消毒処理とを適切かつ確実に行なう。
【解決手段】し渣受け体311はし渣Mを蓄える内容器311hを備えている。各し渣受け体311は移動手段312により、固液分離手段30からのし渣Mの供給を受け得る第一位置と供給手段313からの消毒液の供給を受け得る第二位置との間に亘る移動可能に支持されている。制御手段32により、第一位置に先行して位置づけられたし渣受け体311の内容器311h中のし渣Mのレベルが満タンレベルに至ったことが検知されたときに、このし渣受け体311を第二位置に移動させると共に後続のし渣受け体311を第一位置に移動させ、この後第二位置に移動されたし渣受け体311の外容器311aの流出口311cを閉鎖させて消毒液を供給してこのし渣受け体311を一定時間この消毒液で満たし、この一定時間の経過を報知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、感染症病棟や解剖室などから生じる排水の最終処理に先立って、この排水からし渣を取り除いて、このし渣とこのし渣を取り除かれた排水とにそれぞれ必要な消毒を施せるようにするための装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
感染症病棟や解剖室などから生じる排水のように、通常の処理では感染の危険性がある排水は、最終処理に先立って消毒をすることが義務づけられている。かかる排水は、最終処理に先立ってし渣とし渣の取り除かれた排水に固液分離され、両者にはそれぞれ消毒処理がなされる。消毒処理されたし渣は廃棄物処理法に基づき処分され、し渣を取り除かれた排水は消毒処理後放流される。かかる消毒処理に薬品を用いる場合には、一般に次亜塩素酸ソーダが用いられ、し渣に対しては一定濃度(現在は遊離塩素濃度1000ppm以上)の次亜塩素酸ソーダに一定時間(現在は一時間)し渣をさらすことでかかる消毒処理をしている。
【0003】
こうしたことから、この種の排水処理では一般に、バケットスクリーンなどと称される水切りかご状のし渣受け体が用いられており、排水をこのし渣受け体に送り込んで固液分離をなすと共に、し渣受け体からし渣があふれ出す前にこのし渣受け体を消毒液につけ込んで取り除かれたし渣の消毒をなすようにしている。
【0004】
しかし、かかる一般的な手法では、第一に、排水を直接的にし渣受け体に送り込むため、このし渣受け体に目詰まりを生じやすく、適切な固液分離を期し難い場合が少なからずあり、また、第二に、し渣受け体を消毒するタイミングを明確に把握することができないため、し渣受け体からし渣をあふれ出させてしまう事態、つまりオーバーフローの可能性を払拭し切れない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明が解決しようとする主たる問題点は、この種の排水の処理装置において、固液分離とし渣に対する消毒処理とを、適切かつ確実に行えるようにする点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を達成するために、この発明にあっては、排水処理装置を、以下の(1)〜(7)の構成を備えたものとした。
(1)感染症病棟などから生じる排水の処理装置であって、
(2)この排水からし渣を取り除く固液分離手段と、
この固液分離手段によって取り除かれたし渣の消毒手段と、
制御手段とを備えており、
(4)消毒手段は、二以上のし渣受け体と、し渣受け体の移動手段と、消毒液の供給手段とを備えており、
(5)し渣受け体は、上部にし渣の受け入れ口を有し且つ底部に液体の流出口を備えた外容器と、この外容器内に取り出し可能に納められて前記受け入れ口からのし渣を蓄えるかご状の内容器とを備えており、
(6)各し渣受け体は前記移動手段により、少なくとも、固液分離手段からのし渣の供給を受け得る第一位置と供給手段からの消毒液の供給を受け得る第二位置との間に亘る移動可能に支持されており、
(7)制御手段により、第一位置に先行して位置づけられたし渣受け体の内容器中のし渣のレベルが満タンレベルに至ったことが検知されたときに、このし渣受け体を第二位置に移動させると共に後続のし渣受け体を第一位置に移動させ、この後第二位置に移動されたし渣受け体の外容器の流出口を閉鎖手段により閉鎖させて前記供給手段から消毒液を供給してこのし渣受け体を一定時間この消毒液で満たし、この一定時間の経過を報知するようにしてなる。
【発明の効果】
【0007】
この発明にかかる排水処理装置によれば、排水からし渣の取り除きを先ず固液分離手段によりなし、取り除かれたこのし渣をし渣受け体に受け入れるようにしていることから、排水からのし渣の分離をスムースかつ適切に行うことができると共に、し渣受け体には含水率の低いし渣が受け入れられるのでし渣受け体の内容器の目詰まりを生じさせることもない。また、第一位置に先行して位置づけられたし渣受け体の内容器中のし渣のレベルが満タンレベルになったときには、このし渣受け体を第二位置に移動させると共に後続のし渣受け体を第一位置に移動させて、先行のし渣受け体に消毒処理を施し且つその終了を報知するようにしてあることから、し渣受け体のオーバーフローを生じさせることはなく、排水から取り除かれたし渣の全てに確実に消毒処理を施すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】図1は排水処理装置の概要構成を示した構成図である。
【図2】図2は排水処理装置の詳細構成を示した正面構成図である。
【図3】図3は排水処理装置の詳細構成を示した側面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図1〜図3に基づいて、この発明を適用して構成された排水処理装置の一例について説明する。
【0010】
この実施の形態にかかる排水処理装置は、感染症病棟や解剖室などから生じるいわゆる感染系の排水Wの最終処理に先立って、この排水Wからし渣Mを取り除いて、このし渣Mとこのし渣Mを取り除かれた排水Wとにそれぞれ必要な消毒を施せるようにするために用いられるものである。
【0011】
前記排水Wは、排水処理装置3に移送され、固液分離される。排水処理装置3においてし渣Mには消毒処理が施され、消毒処理されたし渣Mは後述の報知により消毒処理の終了を知らされた作業者により排水処理装置3から取り出され、最終処理される。排水処理装置3においては後述の固液分離手段30とし渣受け体311とにおいて排水Wからし渣Mが取り除かれ、し渣Mの取り除かれた排水Wは排水処理装置3外に送り出され最終処理される。前記消毒処理においてし渣受け体311に満たされた消毒液も消毒終了後は排水W装置外に送り出され、図示の例ではし渣Mの取り除かれた排水Wと一緒にされる。
【0012】
図示の例では、図1中、符号1に示される一次側槽から符号2に示される移送ポンプによって排水Wが排水処理装置3に送り込まれ、し渣Mを取り除かれた排水Wと消毒終了後の消毒液は排水処理装置3から符号4で示される二次側槽に送り込まれる。二次側槽4に集められたこれらの液体(原液W’)は最終処理工程に送られ、薬剤(現在は次亜塩素酸ソーダ)の濃度を一定にした状態での一定時間の消毒がなされた後放流される。
【0013】
かかる排水処理装置3は、固液分離手段30と、し渣Mの消毒手段31と、制御手段32とを備えている。
【0014】
図示の例では、箱状本体33の上部に固液分離手段30を備えさせると共に、箱状本体33の内部に消毒手段31を備えさせている。
【0015】
図示の例では、固液分離手段30を、箱状本体33の上部に回転可能に支持されたドラムスクリーン301と、このドラムスクリーン301を覆うフード302と、このドラムスクリーン301の外周面に付着したし渣Mを掻き取るスクレーパー303とを備えたものとしている。ドラムスクリーン301は、その周面をし渣Mは通さないが水は通過させる濾過面とした中空体であり、図示の例では、ドラムスクリーン301の回転中心301aを通る鉛直線を挟んだ両側にそれぞれ備えられたプーリ304によって箱状本体33上に支持されている。これらプーリ304の一つを符号305で示されるモータにより回転させることでドラムスクリーン301を図2における時計回りの向きに回転させるようになっている。フード302内にはドラムスクリーン301の上端側に排水Wを案内する流路302aが形成されていると共に、ドラムスクリーン301の下端側の直下位置において箱状本体33の上部はフード302内と連通されており、前記流路302aに案内された排水Wはドラムスクリーン301の周面にし渣Mを付着させてこれを濾過された状態で箱状本体33内に流下されるようになっている。ドラムスクリーン301の上端よりもこのドラムスクリーン301の回転先側に位置されるドラムスクリーン301の側端側には、上端をこの側端側においてドラムスクリーン301の周面に外接させたスクレーパー303が備えられており、前記のように周面に付着したし渣Mはドラムスクリーン301の回転によりこのスクレーパー303に掻き取られて落下するようになっている。スクレーパー303の直下において箱状本体33の上部にはし渣Mの通過口331が開設されており、掻き取られたし渣Mはこの通過口331を通じて後述の第一位置にあるし渣受け体311内に蓄えられる。
【0016】
制御手段32は、典型的には、コンピュータにより構成される。制御手段32は、前記移送ポンプ2、固液分離手段30、および消毒手段31を構成する各機器および後述のセンサ34と接続され、これらの各機器の稼働を制御する。また、制御手段32は、後述の第二位置に移動されたし渣受け体311の消毒処理の終了を外部に報知する。この報知は、典型的には、制御手段32と接続された図示しない報知手段(制御手段32を納めた制御盤に備えられたブザーやLEDなど)を用いてなす。また、制御手段32を構成するコンピュータを通信ネットワークなどの公知の通信手段に接続させるようにしておけば排水処理装置3の近傍にいない者に前記消毒処理の終了を知らせることができる。
【0017】
し渣Mの消毒手段31は、二以上のし渣受け体311と、し渣受け体311の移動手段312と、消毒液の供給手段313とを備えてなる。図示の例では、し渣受け体311を二個としている。各し渣受け体311はそれぞれ、上部にし渣Mの受け入れ口311bを有し且つ底部に液体の流出口311cを備えた外容器311aと、この外容器311a内に取り出し可能に納められて前記受け入れ口311bからのし渣Mを蓄えるかご状の内容器311hとから構成されている。かかる外容器311a及び内容器311hは、ポリ塩化ビニル樹脂などの耐腐食性を備えた材料から構成させる。
【0018】
図示の例では、外容器311aは、筒状主体311dと、この筒状主体311dよりも外径を小さくした下部筒部311eと、この筒状主体311dの筒下端と下部筒部311eの筒上端とを連接させる漏斗状の中間筒部311fとを備えており、筒状主体311dの筒上端を前記受け入れ口311bとし、かつ、下部筒部311eの筒下端を前記流出口311cとしている。
【0019】
また、図示の例では、内容器311hは、外容器311aの筒状主体311dの内径よりもやや外径を小さくした上面開放の有底筒状体の周面311iと底面311jとに複数の通液孔を形成させるようにして構成されている。図示の例では、外容器311aの筒状主体311dと中間筒部311fとの連接箇所のやや上方において外容器311a内の空間は網状又はパンチングボード状をなす仕切り体311gにより上下に区分されており、内容器311hは外容器311a内においてこの仕切り体311g上に載置されるようになっている。この載置状態において内容器311hの筒上端は外容器311aの受け入れ口311bよりも下方に位置されている。
【0020】
また、図示の例では、二つのし渣受け体311は、箱状本体33の上部に軸支された鉛直軸312aによって支持されている。かかる鉛直軸312aは、箱状本体33の上部に形成された軸受け部332に軸上端側を回転可能に支持されて、それより下方を箱状本体33内に位置させている。この鉛直軸312aの軸下端は、長尺板状のブラケット体312bの長さ方向略中程の位置に止め付けられている。そして、このブラケット体312bにおける鉛直軸312aを挟んだ一方側に二個のし渣受け体311、311の一方が支持され、かつ、このブラケット体312bにおける鉛直軸312aを挟んだ他方側に二個のし渣受け体311、311の他方が支持されている。図示の例では、かかるブラケット体312bに形成させた貫通孔に上方からし渣受け体311の下部筒部311eのみを入れ込ませてこのブラケット体312b上にし渣受け体311の中間筒部311fより上方を載置させるようにして鉛直軸312aの両側にそれぞれし渣受け体311が配されている。そして、図示の例では、このように鉛直軸312aに支持された二つのし渣受け体311、311のいずれか一方が常時その外容器311aの受け入れ口311bを箱状本体33の前記通過口331の直下に位置させるようになっている。この通過口331の直下においてし渣受け体311は前記固液分離手段30からのし渣Mの供給を受け得る。(以下、この位置を第一位置と称する。)
【0021】
また、二個のし渣受け体311、311のうち、第一位置にあるし渣受け体311に対向する位置にあるし渣受け体311は、前記通過口331の直下に外容器311aの受け入れ口311bを位置させないことからし渣Mの供給は受けないが前記供給手段313からの消毒液の供給を受け得るようになっている。(以下、この位置を第二位置と称する。)
【0022】
図示の例では、図1において符号313aで示す前記供給手段313を構成する消毒液の貯留タンクから符号313bで示すポンプにより第二位置にあるし渣受け体311内に消毒液が供給されるようにしてある。箱状本体33の内部には、この第二位置にあるし渣受け体311の外容器311aの前記流出口311cを塞ぐ可動弁体314が備えられている。この可動弁体314は、箱状本体33の前後側壁333、333間に亘る横架材334に回動可能に支持されたアーム314aの自由端に備えられており、このアーム314aの回動軸314bに箱状本体33の外側でプランジャーロッドを連係させたパワーシリンダー314cを動作させることにより、第二位置にあるし渣受け体311の外容器311aの流出口311cを閉じた閉弁位置と、これを開放させた開弁位置(図2において想像線で示した位置)とに亘って可動弁体314を移動させることができるようになっている。
【0023】
そして、図示の例では、箱状本体33の上部に配されたパワーシリンダー312cが鉛直軸312aに連係されており、このパワーシリンダー312cを動作させることにより鉛直軸312aを回転させて、二個のし渣受け体311、311の一方を第一位置と第二位置との間に亘って移動させ、したがってまた、二個のし渣受け体311、311の他方を第二位置と第一位置との間に亘って移動させることができるようになっている。すなわち、各し渣受け体311は前記移動手段312により、固液分離手段30からのし渣Mの供給を受け得る第一位置と供給手段313からの消毒液の供給を受け得る第二位置との間に亘る移動可能に支持されており、図示の例では、かかるパワーシリンダー312cにより回転される鉛直軸312aによってこの移動手段312を構成させている。
【0024】
そして、この実施の形態にあっては、前記制御手段32により、第一位置に先行して位置づけられたし渣受け体311の内容器311h中のし渣Mのレベルが満タンレベルに至ったことが検知されたときに、次の(1)〜(4)の段階を踏んで前記各機器を可動させるようにしている。ここで図示の例では、第一位置の直上に超音波センサなどの非接触検出センサ34を設けて、このセンサ34によりし渣受け体311の内容器311h中のし渣Mの上面のレベルを計測することで、かかる満タンレベル(通常は、オーバーフローを直ちに招かないレベル)への到達の有無を検知するようにしている。
(1)移動段階:前記移動手段312を稼働して、第一位置に先行して位置づけられたし渣受け体311を第二位置に移動させると共に後続のし渣受け体311を第一位置に移動させる。この移動が済むまでは前記移送ポンプ2及びドラムスクリーン301の稼働を停止し、この移動が済んだらこれらの稼働を再開する。
(2)閉弁段階:上記(1)の移動が終了したら、第二位置に移動されたし渣受け体311の外容器311aの流出口311cを閉鎖手段としての前記可動弁体314により閉鎖させる。
(3)消毒液充填段階:上記(2)の閉鎖が終了したら、前記供給手段313から第二位置に移動されたし渣受け体311に消毒液を供給してこのし渣受け体311をこの消毒液で満たす。
(4)消毒液排出段階:一定時間が経過したら、第二位置に移動されたし渣受け体311の外容器311aの流出口311cの前記(3)の閉鎖を解き、このし渣受け体311内から消毒液を流下させる。
そして、前記消毒液排出段階が終了したときは、そのことを前記のように外部に報知する。報知手段による発報(ブザーの吹鳴など)を作業者が解除したときは、制御手段32は初期状態に復帰(リセット)されるようにしておく。この初期状態から、前記満タンレベルが検知されると、制御手段32による前記(1)〜(4)の段階を踏んだ前記各機器の稼働が再びなされる。かかる報知を受けて第二位置にあるし渣受け体311の内容器311hの取り出しを検知したときに、報知手段の発報が解除されると共に、制御手段32が初期状態に復帰されるようにしておいても良い。
【0025】
この実施の形態にかかる排水処理装置3によれば、排水Wからし渣Mの取り除きを先ず固液分離手段30によりなし、取り除かれたこのし渣Mをし渣受け体311に受け入れるようにしていることから、排水Wからのし渣Mの分離を固液分離手段30とし渣受け体311とにおいてそれぞれスムースかつ適切に行うことができると共に、し渣受け体311には含水率の低いし渣Mが受け入れられるのでし渣受け体311の内容器311hの目詰まりを生じさせることもない。
【0026】
第一位置にあるし渣受け体311の内容器311hに蓄えられたし渣Mに残存している水分は、外容器311aの流出口311cから流下され、固液分離手段30においてし渣Mを取り除かれた排水Wと一緒に箱状本体33の底部の排出口335から排水処理装置3外に送り出される。
【0027】
また、第一位置に先行して位置づけられたし渣受け体311の内容器311h中のし渣Mのレベルが満タンレベルになったときには、このし渣受け体311を第二位置に移動させると共に後続のし渣受け体311を第一位置に移動させて、先行のし渣受け体311に消毒手段31により消毒処理を施し且つその終了(し渣受け体311の外容器311aの流出口311cを閉鎖手段により閉鎖してこのし渣受け体311内を消毒液で満たして一定時間経過した状態)を報知するようにしてあることから、この報知を契機にして消毒処理の終了したし渣受け体311の内容器311hを装置内から取り出し、その中の消毒済みのし渣Mを最終処理に回し、空になったこの内容器311hを再び第二位置にあるし渣受け体311の外容器311a内にセットする作業を遅滞なく行うことができる。図示の例では、箱状本体33の上部であって第二位置にあるし渣受け体311の上方には図示しないハッチにより閉鎖された開放部が形成されており、この開放部を利用して装置本体内から内容器311hを取り出せるようにしてある。これにより、装置内の第一位置には、し渣Mを貯める余裕のあるし渣受け体311を常時位置させることができ、し渣受け体311のオーバーフローを生じさせることはなく、排水Wから取り除かれたし渣Mの全てに確実に消毒処理を施すことができる。
【0028】
なお、し渣受け体311を三個以上とするときは、典型的には、そのうちの一つを前記第一位置に位置づけ、他の一つを前記第二位置に位置づけ、その余のし渣受け体311をこの第一位置と第二位置との間の中間位置に位置づけるようにすることとなる。
【符号の説明】
【0029】
W 排水
M し渣
3 排水処理装置
30 固液分離手段
31 消毒手段
311 し渣受け体
311a 外容器
311b 受け入れ口
311c 流出部
311h 内容器
312 移動手段
313 供給手段
32 制御手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感染症病棟などから生じる排水の処理装置であって、
この排水からし渣を取り除く固液分離手段と、
この固液分離手段によって取り除かれたし渣の消毒手段と、
制御手段とを備えており、
消毒手段は、二以上のし渣受け体と、し渣受け体の移動手段と、消毒液の供給手段とを備えており、
し渣受け体は、上部にし渣の受け入れ口を有し且つ底部に液体の流出口を備えた外容器と、この外容器内に取り出し可能に納められて前記受け入れ口からのし渣を蓄えるかご状の内容器とを備えており、
各し渣受け体は前記移動手段により、少なくとも、固液分離手段からのし渣の供給を受け得る第一位置と供給手段からの消毒液の供給を受け得る第二位置との間に亘る移動可能に支持されており、
制御手段により、第一位置に先行して位置づけられたし渣受け体の内容器中のし渣のレベルが満タンレベルに至ったことが検知されたときに、このし渣受け体を第二位置に移動させると共に後続のし渣受け体を第一位置に移動させ、この後第二位置に移動されたし渣受け体の外容器の流出口を閉鎖手段により閉鎖させて前記供給手段から消毒液を供給してこのし渣受け体を一定時間この消毒液で満たし、この一定時間の経過を報知するようにしてなることを特徴とする排水処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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