排水設備
【課題】 電線共同溝としての機能を併有する排水用の側溝ブロックに対して、ケーブル類の敷設が容易となる適切な位置に集水桝やケーブル桝を配置できるようにする。
【解決手段】 本発明は、排水空間17を断面上部に有しかつケーブル類5の収納空間18を断面下部に有する複数の側溝ブロック1を備えた排水設備に関する。この排水設備は、道路2の縦断方向に連続して埋設された複数の側溝ブロック1よりなる側溝区間3と、側溝区間3の延長上に位置するように側溝ブロックに接続された1又は複数の変更ブロック31とを備える。変更ブロック31は、排水空間17に連通しかつその排水方向を道路中央側に変更する上部空間37と、収納空間18に連通しかつケーブル類5を屈曲させずに通過させることができる下部空間38とを有する。
【解決手段】 本発明は、排水空間17を断面上部に有しかつケーブル類5の収納空間18を断面下部に有する複数の側溝ブロック1を備えた排水設備に関する。この排水設備は、道路2の縦断方向に連続して埋設された複数の側溝ブロック1よりなる側溝区間3と、側溝区間3の延長上に位置するように側溝ブロックに接続された1又は複数の変更ブロック31とを備える。変更ブロック31は、排水空間17に連通しかつその排水方向を道路中央側に変更する上部空間37と、収納空間18に連通しかつケーブル類5を屈曲させずに通過させることができる下部空間38とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル類を纏めて収納可能な電線共同溝としての機能と、排水用の側溝としての機能を併有する側溝ブロックに適した排水設備に関する。
【背景技術】
【0002】
配電線、電話線及び光ファイバー等の各種のケーブル類を地中に埋設すれば、災害時の緊急輸送道路の確保、円滑な消防活動、台風・地震等の災害時に強い街づくり、高度情報化に向けての電力の安定した供給、及び、通信の信頼性の向上等を図ることができる。
そこで、特に都市部においては、機能的な道路空間を形成しかつ美しい街並みを実現するため、歩道に埋設した電線共同溝(C・C・BOX)にケーブル類を纏めて収納することにより、道路を無電柱化することが進められている。
【0003】
かかる電線共同溝は、家屋へのケーブル類の引き込み距離を出来るだけ短くするため、歩道の官民境界部に沿って設置されることが好ましい。
しかし、歩道の官民境界部には、道路や家屋からの雨水を下水に流す側溝ブロックが設置されている場合が多いため、電線共同溝を設置したい位置が既に側溝ブロックが設置されている位置と重複することがある。
【0004】
そこで、ケーブル類を纏めて収納可能な電線共同溝としての機能と、排水用の側溝としての機能を併有する側溝ブロック(以下、「ハイブリッド型の側溝ブロック」ということがある。)が提案されている。
このハイブリッド型の側溝ブロックとしては、従来2つのタイプがある。このうち、第1のタイプは、上方が開放された断面ほぼU字型のブロック本体と、その上方開放部を閉塞する蓋部材とを備えており、ブロック本体の側壁部を長手方向に貫通する貫通孔にケーブル類を収納するようにしたものである(特許文献1及び2参照)。
【0005】
また、第2のタイプは、上方が開放された断面ほぼU字型のブロック本体と、その上方開放部を閉塞する蓋部材とを備えており、ブロック本体の側壁部の内面にケーブル類の保持部材を突設するとともに、ブロック本体の底部に下水の排水路を形成したものである(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−147846号公報
【特許文献2】特開2008−215053号公報
【特許文献3】特許第2523083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の各特許文献では、排水用の側溝ブロックにケーブル類を収納して地中化する事例が記載されているが、かかる側溝ブロックに対して集水桝やケーブル桝をどのような位置に配置すれば、ケーブル類を敷設し易くなるかについては全く想定されていない。
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑み、電線共同溝としての機能を併有する排水用の側溝ブロックに対して、ケーブル類の敷設が容易となる適切な位置に集水桝やケーブル桝を配置することができる排水設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明の排水設備は、排水空間を断面上部に有しかつケーブル類の収納空間を断面下部に有する複数の側溝ブロックを備えた排水設備であって、道路の縦断方向に連続して設置された複数の前記側溝ブロックよりなる側溝区間と、前記側溝区間の延長上に位置するように前記側溝ブロックに接続された1又は複数の変更ブロックと、を備えており、前記変更ブロックが、前記排水空間に連通しかつその排水方向を道路中央側に変更する上部空間と、前記収納空間に連通しかつ前記ケーブル類を屈曲させずに通過させることができる下部空間とを有することを特徴とする。
【0009】
(2) 本発明の排水設備によれば、側溝区間の延長上に位置する変更ブロックが、側溝ブロックの排水空間(排水路)に連通しかつその排水方向を道路中央側に変更する上部空間を有するので、その上部空間からの排出を集水する集水桝を、側溝区間の道路中央側にオフセットした位置に配置することができる。
この場合、側溝ブロックの収納空間が集水桝によって分断されなくなるので、集水桝の設置区間において、ケーブル類を側溝ブロックの外部に迂回させる必要がなく、ケーブル類の敷設作業が容易になる。
【0010】
(3) また、本発明の排水設備によれば、側溝区間の延長上に位置する変更ブロックが、側溝ブロックの収納空間に連通しかつケーブル類を屈曲させずに通過させることができる下部空間を有するので、その下部空間に連通するケーブル桝を、側溝区間の延長上に配置することができる。
この場合、側溝ブロック内のケーブル類を、変更ブロックの下部空間を通して屈曲させずにケーブル桝まで延ばすことができるので、ケーブル桝の設置区間においてケーブル類を側溝ブロックの外部に迂回させる必要がなく、ケーブル類の敷設作業が容易になる。
【0011】
(4) また、本発明の排水設備において、前記ケーブル桝の縦断方向両端部にそれぞれ前記変更ブロックを接続し、前記各変更ブロックの前記上部空間にそれぞれ連通しかつ前記ケーブル桝の周囲に沿って迂回する排水経路の迂回水路を設けることが好ましい。
この場合、上記迂回水路が、ケーブル桝の周囲に沿って迂回する排水経路になっているので、ケーブル桝の種類や設置数が変化しても柔軟に対応することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上の通り、本発明の排水設備によれば、側溝ブロックの排水路に連通しかつその排水方向を道路中央側に変更する上部空間と、側溝ブロックの収納空間に連通しかつケーブル類を屈曲させずに通過させることができる下部空間とを有する変更ブロックを採用したので、ケーブル類の敷設が容易となる適切な位置に集水桝やケーブル桝を配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る側溝ブロックを用いた排水設備の一例を示す斜視図である。
【図2】(a)は側溝ブロックの斜視図、(b)はその横断面図である。
【図3】(a)は変更ブロックと集水桝の平面図、(b)は方向変更部材の斜視図、(c)は集水桝の縦断面図、(d)は変更ブロックと集水桝の横断面図である。
【図4】変更ブロックと集水桝を用いた桝部区間の構成例の平面図であり、(a)は変更ブロックと集水桝が2つある場合、(b)はそれらが1つある場合を示す。
【図5】変更ブロックと集水桝を用いた桝部区間の別の構成例の平面図である。
【図6】変更ブロックと集水桝を用いた桝部区間の別の構成例の平面図である。
【図7】(a)は変更ブロックと迂回用の水路ブロックの平面図、(b)は方向変更部材の斜視図、(c)は変更ブロックと迂回用の水路ブロックの横断面図、(d)は変更ブロックの側面図である。
【図8】変更ブロックと迂回用の水路ブロックを用いた桝部区間の構成例の平面図である。
【図9】変更ブロックと迂回用の水路ブロックを用いた桝部区間の別の構成例の平面図であり、(a)はケーブル桝の幅が比較的大きい場合、(b)はケーブル桝の幅が比較的小さい場合を示す。
【図10】桝部区間の比較例を示す平面図である。
【図11】側溝ブロックの変形例を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
〔排水設備の全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係る側溝ブロック1を用いた排水設備の一例を示す斜視図である。
図1に示すように、この排水設備は、道路2の縦断方向Aに沿って側溝ブロック1を連続して埋設してなる側溝区間3と、この側溝区間3同士の間に介在する桝部区間4とを備えている。
【0015】
本実施形態の側溝ブロック1は、ケーブル類5を纏めて収納可能な電線共同溝としての機能と、排水用の側溝としての機能を併有しており、道路2の縦断方向Aに沿って当該道路の左右両脇に複数連続して埋設されている。
図1に示す道路2は、横断方向中央部に合流式下水管6を有する比較的幅員が小さい小規模な舗装道路よりなる。そこで、道路脇に設置される各側溝ブロック1は、家屋7へのケーブル5Aの引き込み距離をなるべく短くするため、側溝ブロック1の幅方向外側縁を官民境界線Bと一致させた状態で配置されている。
【0016】
図1に示すように、側溝ブロック1の内部に収納されるケーブル類5には、家屋7の住民のライフラインとなる各種のケーブル(例えば、低圧又は高圧の各電力線や、電話線又は光ファイバーなどの通信線)5Aが含まれる。
もっとも、後述の収納空間18のサイズに余裕がある場合には、このケーブル類5として、上下水道配管やガス配管を含めることもでき、さらにはそれらを単独で収納することもできる。また、本明細書にいう「ケーブル類」とは、上記の各ケーブル5Aそのものだけでなく、ケーブル5Aを保護管5Bに挿通して敷設する場合には、その保護管5Bをも含む意味で使用している。
【0017】
なお、図1の設備例では、左側の側溝区間3の側溝ブロック1に「通信幹線」の保護管5Bが収納され、右側の側溝区間3の側溝ブロック1に「高圧電力線」の保護管5Bが収納されている。
【0018】
〔側溝ブロックの構成〕
図2(a)は側溝ブロックの斜視図であり、図2(b)はその横断面図である。
図2に示すように、本実施形態の側溝ブロック1は、開水路断面であるブロック本体11と、ほぼ平板状に形成された底板部材12と、ブロック本体11の上方開放部を閉塞する蓋部材13とを備えている。
このうち、ブロック本体11は、プレキャストコンクリート製であり、左右の側壁部14と、その下端部同士を繋ぐ底壁部15とを一体に有する、上方が開放された断面ほぼU字状のコンクリートブロック体よりなる。
【0019】
本実施形態のブロック本体11は、断面幅よりも断面高さの方が大きい長方形断面になっており、その断面幅は300〜600mmの範囲に設定され、その断面高さは450〜850mmの範囲に設定されている。
ブロック本体11の長さは1000〜4000mmの範囲に設定され、蓋部材13の長さは500mm程度が一般的なサイズであるが、ブロック本体11の長さに特に縛られるものではない。また、底板部材12の長さは1000mm程度までであれば人力で施工できるために好ましいが、これもブロック本体11の長さとは無関係に設定可能である。
【0020】
ブロック本体11の各側壁部14は、その外面が平らになっているが、その内面の上下方向ほぼ中央部に段差部16が形成されている(図2(a)参照)。この段差部16は、ブロック本体11の長手方向に沿って延設されており、これにより、側壁部14の上半部分の断面厚さがその下半部分の断面厚さがよりもやや小さくなっている。
そして、両側壁部14と底壁部15とで囲まれるブロック本体11の内空断面のうち、段差部16より上方の上側部分が排水空間(排水路)17となっており、段差部16より下方の下側部分がケーブル類5の収納空間18となっている。
【0021】
また、ブロック本体11の両側壁部14の内面には、蓋部材13の幅方向両縁を支持する蓋掛けリブ19がブロック本体11の長手方向に沿って延設されている。
この蓋掛けリブ19は、ブロック本体11の長手方向途中の所定箇所で途切れており、この途切れた箇所の切り欠き部(図示せず)は、底板部材12を装着する際に用いる引っ掛け具21(図2(b)参照)の逃げ部分となっている。
底板部材12の幅寸法は、ブロック本体11の開口幅よりも小さいが、左右の段差部16間の幅方向間隔よりも大きい寸法に設定されている。
【0022】
このため、例えば図2(b)に示すように、底板部材12の幅方向一端縁を一方の段差部16に載せた状態で、他端縁に引っ掛けた引っ掛け具21を用いて他端縁を徐々に他方の段差部16に載せることで、底板部材12をブロック本体11の内空断面の上下方向中途部に装着することができる。
そして、このようにして底板部材12を装着すると、ブロック本体11の内空断面における、底板部材12の上方に排水路17が形成され、下方の部分にケーブル類5の収納空間18が確保されることになる。
【0023】
図2(a)に示すように、段差部16の上面には、底板部材12の縁部の裏面に当接するゴム製のシール部材24が取り付けられており、このシール部材24により、底板部材12の上面で形成される排水路17から下方の収納空間18への漏水を防止するようになっている。
なお、このシール部材24は、段差部16の上面ではなく、底板部材12の下面に取り付けることにしてもよい。また、シール部材24を底板部材12の幅方向両縁面(木口面)に取り付けることにより、底板部材12の縁部と側壁部14における段差部16直上の壁面部分との間で止水を行ってもよい。また、図示していないが、長手方向で連続して並設される各底板部材12の端部同士は、例えばブチルゴム等よりなるシールテープによって水密に連結される。
【0024】
〔側溝ブロックの効果〕
本実施形態の側溝ブロック1によれば、ブロック本体11の内空断面における底板部材12よりも下方の部分がケーブル類5の収納空間18になっているので、側壁部14を貫通する貫通孔によって収納空間を設ける場合(前記特許文献1及び2の場合)に比べて、収納空間18の断面を大きく確保することできる。従って、収納空間18に対するケーブル類5(ケーブル5Aそのもの或いはその保護管5B)の敷設作業がより簡便になる。
【0025】
また、本実施形態の側溝ブロック1によれば、排水路17を清掃してから底板部材12をブロック本体11から取り外すことにより、ケーブル類5の収納空間18を側溝ブロック1の施工完了後でも簡単に開放することができる。
このため、ケーブル5Aや保護管5Bの追加又は交換を行う際に、ブロック本体11の側方の地盤を掘り返す必要がなく、ケーブル類5の追加又は交換に容易に対応することができる。
【0026】
また、本実施形態の側溝ブロック1によれば、ブロック本体11の内空断面に装着された底板部材12よりも下方の収納空間18にケーブル類5が収納されているので、排水路17を清掃する際にケーブル類5が邪魔になることがない。
このため、排水路17に対する汚泥除去のための清掃等のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0027】
更に、本実施形態の側溝ブロック1によれば、ブロック本体11の側壁部14の内面に、底板部材12の左右両縁部を支持する段差部16が当該ブロック本体11の長手方向に沿って一体に形成されている。
このため、例えば、ブロック本体11の長手方向に延びるブラケット61(図11参照)を側壁部14に取り付けて、底板部材12を支持する段差部を後付けで作成する場合に比べて、材料費と打設手間を低減することができ、側溝ブロック1の製作コストを安価に抑えることができる。
【0028】
また、本実施形態の側溝ブロック1によれば、上記段差部16と底板部材12の間をシール部材24で水密に止水するとともに、底板部材12の長手方向端部同士をシールテープで水密に止水することにより、排水路17から下方の収納空間18への漏水が極力防止されている。
このため、排水路17からの漏水がケーブル類5の収納空間18に至ることに伴う当該ケーブル類5の劣化を、出来るだけ抑制できるという利点がある。
【0029】
〔桝部区間の構成部材(その1)〕
図3(a)〜図3(d)は、桝部区間4(図1参照)の構成部材である変更ブロック31と集水桝32を示している。
すなわち、図3(a)は変更ブロック31と集水桝32の平面図、図3(b)は方向変更部材33の斜視図、図3(c)は集水桝32の縦断面図、図3(d)は変更ブロック31と集水桝32の横断面図である。
【0030】
図3に示すように、変更ブロック31は、側溝ブロック1のブロック本体11と同じ横断面形状のブロック本体35と、底板部材12と同じ断面形状の底板部材36とを備えている。
ブロック本体35の内部に底板部材36を装着すると、内部が上部空間37と下部空間38の上下2段に区画されるが、この場合、上部空間37は側溝ブロック1の排水路17と同じ断面形状となり、下部空間38は側溝ブロック1の収納空間18と同じ断面形状となる。
【0031】
従って、変更ブロック31を任意の側溝ブロック1の端部に同心状に接続すると、変更ブロック31の上部空間37は側溝ブロック1の排水路17に連通し、下部空間38は側溝ブロック1の収納空間18に連通する。
変更ブロック31のブロック本体35には、その道路中央側の側壁部に排水口39が形成されており、変更ブロック31の上部空間37には、上部空間37に流入した排水をその排水口39に導くための方向変更部材33が設けられている。
【0032】
この方向変更部材33は、例えば、図3(b)に示すように、ほぼ4分の1周分の凹湾曲面を有するブロック体又は板材よりなり、その凹湾曲面の曲率半径は上部空間37の断面幅にほぼ相当する寸法となっている。
また、方向変更部材33は、上記凹湾曲面を上部空間37の入り口と排水口39の双方に望ませた状態で上部空間37の内部に収納されている。このため、図3中の太矢印で示すように、排水が上部空間37の入り口から流入すると、凹湾曲面に当たって道路中央側に90度方向変換し、排水口39に至るようになっている。
【0033】
従って、変更ブロック31を側溝ブロック1の端部に接続すると、変更ブロック31の上部空間37は、側溝ブロック1の排水路17から流入した道路縦断方向に流れる排水を、方向変更部材33によって道路中央側に変更する機能を発揮する。
これに対して、変更ブロック31の下部空間38の場合は、縦断方向に真っ直ぐに連通しておりかつ上記方向変更部材33が設けられていないので、収納空間18の内部のケーブル類5を屈曲させずにそのまま通過させることができる機能を有する。
【0034】
集水桝32はボックス本体40を備える。ボックス本体40の形状及び寸法は任意に設計可能であるが、本実施形態では、変更ブロック31のブロック本体35とほぼ同じ断面形状で、かつ、そのブロック本体35よりも長手方向寸法が大きくなっている。このボックス本体40の側壁部には集水口41が形成されており、この集水口41と排水口39とが合致するように、ボックス本体40とブロック本体35の側壁部同士が互いに重合状に接続される。
このため、上部空間37において道路中央側に方向変換した排水は、集水口41を通って集水桝32内の集水空間にいったん貯留されることになる。
【0035】
なお、図3(a)に示す例では、変更ブロック31のブロック本体35と集水桝32のボックス本体40の上端開口部にはグレーチングが嵌め込まれているが、通常のコンクリート蓋をその上端開口部に嵌め込むことにしてもよい。
【0036】
〔桝部区間の構成例(その1)〕
図4(a)及び図4(b)は、変更ブロック31と集水桝32を用いた桝部区間4の構成例を示す平面図である。
このうち、図4(a)は変更ブロック31と集水桝32が2つある場合を示している。同図に示すように、この桝部区間4の構成例では、ケーブル桝34によって分離された2つの側溝区間3,3の終端部の側溝ブロック1にそれぞれ変更ブロック31,31が接続され、その各変更ブロック31,31がそれぞれケーブル桝34に接続されている。
【0037】
上記ケーブル桝34は、いわゆる共同溝特殊部とも呼ばれるものであり、例えば、ハンドホール或いはマンホール相当の寸法を有している。また、ケーブル桝34の上面又は側面に電柱34A(図4(b)参照)を設けたり、桝内部に通信用の中継装置やトランスを設けたりする場合もある。
側溝ブロック1、変更ブロック31及びケーブル桝34は、いずれもその幅方向外側縁を官民境界線Bと一致させた状態で配置されている。これに対して、集水桝32は、変更ブロック31の道路中央側(図4の下側)にオフセットした位置に配置されている。
【0038】
本実施形態の排水設備によれば、側溝区間3の延長上に位置する変更ブロック31が、側溝ブロック1の排水路17に連通しかつその排水方向を道路中央側に変更する上部空間37を有するので、図4(a)に示すように、上部空間37からの排水を集水する集水桝32,32を、側溝区間3の道路中央側にオフセットした位置に配置することができる。
このため、集水桝32が側溝ブロック1の収納空間18と干渉しなくなるので、集水桝32を設置する区間でケーブル類5を側溝ブロック1の外部に迂回させる必要がなく、ケーブル類5の敷設作業を容易に行うことができる。
【0039】
また、本実施形態の排水設備によれば、側溝区間3の延長上に位置する変更ブロック31が、 側溝ブロック1の収納空間18に連通しかつケーブル類5を屈曲させずに通過させることができる下部空間38を有するので、図4(a)に示すように、下部空間38を通過するケーブル類5を受け入れるケーブル桝34を、側溝区間3の延長上に配置することができる。
このため、側溝ブロック1内のケーブル類5を、変更ブロック31の下部空間38を通して屈曲させずにケーブル桝34まで延ばすことができるので、ケーブル桝34を設置する区間でケーブル類5を側溝ブロック1の外部に迂回させる必要がなく、ケーブル類5の敷設作業が容易になる。
【0040】
なお、前記方向変更部材33は、側溝区間3からの排水を集水桝32に出来るだけスムーズに導くことにより、側溝区間3の終端部にゴミや汚泥が溜まるのを防止する部材であるから、必ずしも変更ブロック31の上部空間37に設ける必要はない。
【0041】
一方、図4(b)は変更ブロック31と集水桝32が1つある場合を示している。同図に示すように、この桝部区間4の構成例では、片方の側溝区間3の終端部の側溝ブロック1のみに変更ブロック31が接続され、この変更ブロック31の道路中央側にオフセットした状態で、集水桝32が配置されている。
従って、図4(b)の場合も、集水桝32が側溝ブロック1の収納空間18と干渉しなくなるので、集水桝32を設置する区間でケーブル類5を側溝ブロック1の外部に迂回させる必要がなく、ケーブル類5の敷設作業を容易に行えるという効果が得られる。
【0042】
なお、図4(b)の構成例では、ケーブル桝34が大小2つのものに分割構成されており、右側のケーブル桝34の上面には電柱34Aが設けられている。
また、図4において、符号42は集水桝32に接続された横断排水管であり、この排水管42は前記合流式下水管6(図1参照)に通じている。更に、符号43はケーブル桝34から分岐して横断方向に延びる保護管を示している。
【0043】
図5は、変更ブロック31と集水桝32を用いた桝部区間4の別の構成例の平面図である。
この図5の桝部区間4の構成例は、ケーブル桝34の縦断方向両側にそれぞれ変更ブロック31,31と集水桝32,32を設けている点で図4(a)と同様であるが、その2つの集水桝32,32の間を、ケーブル桝34の側面に沿って縦断方向に延びる小型水路44によって導水可能に連結している点で、図4(a)の場合と相違する。
【0044】
上記小型水路44は、複数の小型側溝45をそれぞれ縦断方向に繋ぎ合わせることによって構成されており、その小型側溝45は、ほぼ楕円形状の断面の排水路を内部に有する排水ブロックよりなる。この排水ブロックの上部には、内部の排水路に表面水を導くための導水スリットが形成されている。
図5に示す桝部区間4の構成例によれば、2つの集水桝32,32を上記小型水路44によって導水可能に連結しているので、横断排水管42が接続されていない図5左側の集水桝32が雨水で充満しても、その雨水を、小型水路44を通じて横断排水管42が接続されている図5右側の集水桝32に導くことができる。
【0045】
また、図5に示す桝部区間4の構成例によれば、例えば既設の埋設物との干渉が生じるために、後述の図8に示すような迂回水路57を設置できないような場合でも、その迂回水路57よりも断面が小さい小型水路44をケーブル桝34に近接して設置することにより、道路中央側からケーブル桝34に向かう流水を桝全長に渡って小型水路44に取り込み、集水桝32に導くことができるという利点もある。
【0046】
図6は、変更ブロック31と集水桝32を用いた桝部区間4の別の構成例の平面図であり、この構成例はケーブル桝34を設置しない場合を示している。
同図に示すように、この桝部区間4の構成例では、側溝区間3の終端部の側溝ブロック1に変更ブロック31のみが接続され、この変更ブロック31の道路中央側にオフセットした状態で集水桝32が配置されている。
従って、図6の場合も、集水桝32が側溝ブロック1の収納空間18に対して干渉しなくなるので、集水桝32を設置する区間でケーブル類5を側溝ブロック1の外部に迂回させる必要がなく、ケーブル類5の敷設作業を容易に行えるという効果が得られる。
【0047】
なお、図6の構成例では、左右の側溝区間3,3からそれぞれ変更ブロック31に向かって流下する排水をそれぞれ集水桝32に導くため、変更ブロック31の上部空間37は各側溝区間3,3の排水路17に連通しており、当該上部空間37に方向変更部材33は設けられていない。
【0048】
〔桝部区間の構成部材(その2)〕
図7(a)〜図7(d)は、桝部区間4(図1参照)の構成部材である変更ブロック31と迂回用の水路ブロック51を示している。
すなわち、図7(a)は変更ブロック31と迂回用の水路ブロック51の平面図、図7(b)は方向変更部材33の斜視図、図7(c)は変更ブロック31と迂回用の水路ブロック51の横断面図、図7(d)は変更ブロック31の側面図である。
【0049】
図7の変更ブロック31と方向変更部材33の構造及び機能は、図3の場合と同様であるから、図3と同じ符号を図7に付することにより、それらの詳細説明を省略する。
図7に示すように、迂回用の水路ブロック51は、変更ブロック31の排水口39から流入した排水を道路中央側(図7(a)の左側)に流下させる導水ブロック52と、導水ブロック52から流入した排水の方向を再度90度変更させて元の方向(変更ブロック31に流入する前の排水方向)に戻すコーナーブロック53とから構成されている。
【0050】
このうち、導水ブロック52は、変更ブロック31より長さが短くかつ変更ブロック31より小さい例えばほぼ半分程度の断面高さに形成された、上方が開放された断面ほぼU字状のコンクリートブロック体よりなる。
導水ブロック52の流入端は、その流入側開口が変更ブロック31の排水口39と合致するように、当該変更ブロック31の側壁部に接続されている。また、導水ブロック52の流出端は、その流出側開口がコーナーブロック53の後述の流入口54と合致するように、当該コーナーブロック53の側壁部に接続されている。
【0051】
これに対して、コーナーブロック53は、変更ブロック31と同じ長さでかつ変更ブロック31より小さい例えばほぼ半分程度の断面高さに形成された、上方が開放された断面ほぼU字状のコンクリートブロック体よりなる。
コーナーブロック53は、変更ブロック31の上部空間37とほぼ同等の内空断面を有しており、このコーナーブロック53の側壁部には、変更ブロック31から導水ブロック52を通じて流入してきた排水を受け入れる流入口54が形成されている。
【0052】
コーナーブロック53の内部には方向変更部材33が収納されている。この方向変更部材33は、変更ブロック31の場合とは逆向きに90度だけ排水が方向変換するように、その凹湾曲面を流入口54と出口の双方に望ませた状態で当該コーナーブロック53の内部に収納されている。
このため、図7中の太矢印で示すように、排水が変更ブロック31の上部空間37の入り口から流入すると、その上部空間37内の方向変更部材33の凹湾曲面に当たって道路中央側に90度方向変換し、排水口39から導水ブロック52に流れ込む。
【0053】
その後、導水ブロック52に流れ込んだ排水は、流入口54からコーナーブロック53の内部に流入し、そのコーナーブロック53内の方向変更部材33の凹湾曲面に当たって元の方向に90度方向変換し、当該コーナーブロック53の出口から流出する。
従って、側溝ブロック1の端部に変更ブロック31を接続しこの変更ブロック31に水路ブロック51を接続すると、上部空間37を流れる排水は、図7(a)の太矢印に示すような2度の90度の方向変換を経て、その流下位置がほぼ導水ブロック52の長さ分だけ道路中央側(図7(a)の左側)にシフトすることになる。
【0054】
なお、図7(a)では、太矢印で示す排水の流れが変更ブロック31→導水ブロック52→コーナーブロック53の順となる場合を例示しているが、コーナーブロック53から排水が流入する場合には、その排水はコーナーブロック53→導水ブロック52→変更ブロック31の順に流れることになる。
【0055】
〔桝部区間の構成例(その2)〕
図8は、変更ブロック31と迂回用の水路ブロック51を用いた桝部区間4の構成例を示す平面図である。
同図に示すように、この桝部区間4の構成例では、ケーブル桝34によって分離された2つの側溝区間3,3の終端部の側溝ブロック1にそれぞれ変更ブロック31,31が接続されており、その各変更ブロック31,31に更に水路ブロック51,51が接続されている。
【0056】
また、上記各水路ブロック51,51のコーナーブロック53,53の間は、縦断方向に連続して設置された複数の側溝部材55を含む直線水路56で連結されている。
従って、図8の構成例では、ケーブル桝34の縦断方向両側に配置された各水路ブロック51,51とこの水路ブロック51,51同士を繋ぐ直線水路56とから、ケーブル桝34の縦断方向両端部に接続された各変更ブロック31,31の上部空間37にそれぞれ連通し、かつ、そのケーブル桝34の周囲に沿って迂回する排水経路である迂回水路57が構成されている。
【0057】
なお、図8に示すように、この桝部区間4の場合には、集水桝32が直線水路56の中途部に設けられており、この集水桝32はケーブル桝34の道路中央側に近接するように配置されている。
【0058】
図9(a)及び図9(b)は、変更ブロック31と迂回用の水路ブロック51を用いた桝部区間4の別の構成例の平面図である。
このうち、図9(a)はケーブル桝34の幅が比較的大きい場合を示しており、図9(b)はケーブル桝34の幅が比較的小さい場合を示している。すなわち、図9(a)の構成例では、ケーブル桝34の幅寸法(道路横断方向の寸法)が、図8のケーブル桝34よりは小さいが側溝ブロック1の幅よりも大きくなっている。
【0059】
この図9(a)と図8とを対比すれば明らかな通り、現場に設置するケーブル桝34の幅寸法の変化に対しては、導水ブロック52の長さを調整することによって対応することができる。
これに対して、図9(b)の構成例では、ケーブル桝34の幅寸法(道路2の横断方向の寸法)が、側溝ブロック1の幅と同じ寸法になっている。このため、水路ブロック51が導水ブロック52を備えておらず、変更ブロック31にコーナーブロック53を直結した構造になっている。
【0060】
このように、水路ブロック51の構成部材である導水ブロック52については、その長さを適宜調整したり或いは当該導水ブロック52を省略したりすることにより、種々の幅寸法のケーブル桝34にそれぞれ適した迂回水路57を構成することができる。
また、図8と図9を対比すれば明らかな通り、ケーブル桝34の長さ寸法(道路2の縦断方向の寸法)の変化に対しては、迂回水路57の直線水路56の長さをそれに合わせて調節することで対応することができる。
【0061】
このように、本実施形態の排水設備によれば、迂回水路57がケーブル桝34の周囲に沿って迂回する排水経路になっているので、当該迂回水路57を構成する導水ブロック52や直線水路56の長さを適宜調節することにより、ケーブル桝34の種類や設置数が現場によって種々に変化しても、その変化に柔軟に対応できるという利点がある。
【0062】
〔桝部区間の比較例〕
図10は、桝部区間4の比較例を示す平面図である。
前述の通り、本実施形態では、電線共同溝を構成する側溝ブロック1が、排水路17を断面上部に有しかつケーブル類5の収納空間18を断面下部に有するが、かかる上下2段構造の側溝ブロック1で構成される側溝区間3に集水桝32やケーブル桝34を繋げる場合には、例えば図10に示すように、集水桝32を従来通り側溝区間3の延長上に配置し、ケーブル桝34を側溝区間3の道路中央側(図10の下側)にオフセットさせて配置することも考えられる。
【0063】
しかし、本実施形態の側溝ブロック1はブロック本体11内の底部側がケーブル類5の収納空間18となっているので、側溝ブロック1以上の深さの集水桝32を側溝区間3の延長上に配置すると、集水桝32によって収納空間18が分断されることになる。
従って、図10に示すように、集水桝32の設置区間については、ケーブル類5を側溝ブロック1の外部に迂回させて敷設する必要があり、これでは側溝ブロック1の側壁部14を穿孔せねばならず、ケーブル類5の敷設作業が非常に煩雑になる。
【0064】
なお、収納空間18と干渉しない程度に浅い集水桝32を採用すれば上記の問題は生じないが、これでは所望の集水容量が得られなくなる可能性が高い。
また、ケーブル桝34を道路中央側にオフセットして配置すると、側溝ブロック1の収納空間18がケーブル桝34の内部空間と連通しなくなるので、この場合も図10に示すように、ケーブル類5を側溝ブロック1の外部に迂回させて敷設する必要があり、ケーブル類5の敷設作業が非常に煩雑になる。
【0065】
これに対して、本実施形態の排水設備では、排水方向を道路中央側に変更する上部空間37と、ケーブル類5が真っ直ぐに通過可能な下部空間38とを有する変更ブロック31を側溝区間3の延長上に接続し、その変更ブロック31の上部空間37に連通する集水桝32を側溝区間3の道路中央側にオフセットして配置しているので、集水容量が十分に大きい集水桝32を採用しても、側溝ブロック1の収納空間18が分断されない。
このため、集水桝32の設置区間において、ケーブル類5を側溝ブロック1の外部に迂回させる必要がなくなり、ケーブル類5の敷設作業が容易になる。
【0066】
また、本実施形態の排水設備では、排水方向を道路中央側に変更する上部空間37と、ケーブル類5が真っ直ぐに通過可能な下部空間38とを有する変更ブロック31を側溝区間3の延長上に接続し、この変更ブロック31の下部空間38に連通するケーブル桝34を側溝区間3の延長上に配置しているので、側溝ブロック1内のケーブル類5を、下部空間38を通じて屈曲させずにケーブル桝34まで延ばすことができる。
このため、ケーブル桝34の設置区間において、ケーブル類5を側溝ブロック1の外部に迂回させる必要がなくなり、ケーブル類5の敷設作業が容易になる。
【0067】
また、変更ブロック31の下部空間38に連通するケーブル桝34を側溝区間3の延長上に配置すれば、ケーブル桝34を官民境界線Bに近接して配置することができる。
このため、ケーブル桝34を道路中央側にオフセットして配置する場合(図10の場合)に比べて、ケーブル桝34から民地側へのケーブル敷設距離を短くできるとともに、ケーブル桝34の道路中央側への張り出しが少ないので、道路2の有効な舗装幅員をできるだけ大きく確保できるという利点もある。
【0068】
〔側溝ブロックの変形例〕
図11(a)〜図11(d)は、側溝ブロック1の変形例を示す横断面図である。
図11(a)の側溝ブロック1は、ブロック本体11の各側壁部14の内面に左右一対のブラケット(片持ち状の支持部材の総称)61,61を取り付けて段差部を形成し、このブラケット61,61間に底板部材12を架設するようになっている。
この場合、底板部材12を装着するための段差部16を有しない通常のブロック本体11に対しても、排水路17を断面上部に有しかつケーブル類5の収納空間18を断面下部に有する側溝ブロック1を構成することができる。
【0069】
また、ブロック本体11の内空断面の上部に排水路17を形成する「中底部材」としては、上述の平板状の底板部材12だけでなく、例えば図11(b)〜図11(d)に示す種々の構造のものを採用することができる。
すなわち、図11(b)に示す側溝ブロック1では、中底部材として、底板部の左右両縁から側板部を上方に立設してなる上方開口状の水路部材62を採用している。
【0070】
図11(b)に示すように、この水路部材62の底板部をブロック本体11の両側壁部14に設けたブラケット61,61に架設すれば、排水路17を断面上部に有しかつケーブル類5の収納空間18を断面下部に有する側溝ブロック1を構成することができる。
なお、この水路部材62については、段差部16が側壁部14に一体に形成された図2のブロック本体11に使用することもできる。
【0071】
図11(c)に示す側溝ブロック1では、中底部材として、底板部の左右両縁から側板部を上方に立設してなるとともに、各側板部の上端縁に掛止部63を有する水路部材64を採用している。
この水路部材64の場合には、両掛止部61,61をブロック本体11の上端部に掛止してブロック本体11内の上部にセットすることにより、排水路17を断面上部に有しかつケーブル類5の収納空間18を断面下部に有する側溝ブロック1を構成することができる。
【0072】
図11(d)に示す側溝ブロック1では、天板部の左右両縁から側板部を下方に延設してなる下方開口状のカバー部材65を採用している。
このカバー部材65の場合には、側板部の下端縁がブロック本体11の底面に到達するまで収納することにより、カバー部材65の天板部で排水路17の底面を構成し、かつ、カバー部材65の内部でケーブル類5の収納空間18を確保することができる。
【0073】
このように、ブロック本体11の内部に装着する中底部材は、ブロック本体11の断面内部に着脱自在に装着可能であり、その装着により、上部側の排水路17と下部側の収納空間18とにブロック本体11の内部空間を区画できるものであればよい。
【0074】
なお、今回開示した実施形態は例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の構成と均等の範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0075】
1 側溝ブロック
2 道路
3 側溝区間
4 桝部区間
5 ケーブル類
17 排水空間(排水路)
18 収納空間
31 変更ブロック
32 集水桝
33 方向変更部材
34 ケーブル桝
37 上部空間
38 下部空間
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブル類を纏めて収納可能な電線共同溝としての機能と、排水用の側溝としての機能を併有する側溝ブロックに適した排水設備に関する。
【背景技術】
【0002】
配電線、電話線及び光ファイバー等の各種のケーブル類を地中に埋設すれば、災害時の緊急輸送道路の確保、円滑な消防活動、台風・地震等の災害時に強い街づくり、高度情報化に向けての電力の安定した供給、及び、通信の信頼性の向上等を図ることができる。
そこで、特に都市部においては、機能的な道路空間を形成しかつ美しい街並みを実現するため、歩道に埋設した電線共同溝(C・C・BOX)にケーブル類を纏めて収納することにより、道路を無電柱化することが進められている。
【0003】
かかる電線共同溝は、家屋へのケーブル類の引き込み距離を出来るだけ短くするため、歩道の官民境界部に沿って設置されることが好ましい。
しかし、歩道の官民境界部には、道路や家屋からの雨水を下水に流す側溝ブロックが設置されている場合が多いため、電線共同溝を設置したい位置が既に側溝ブロックが設置されている位置と重複することがある。
【0004】
そこで、ケーブル類を纏めて収納可能な電線共同溝としての機能と、排水用の側溝としての機能を併有する側溝ブロック(以下、「ハイブリッド型の側溝ブロック」ということがある。)が提案されている。
このハイブリッド型の側溝ブロックとしては、従来2つのタイプがある。このうち、第1のタイプは、上方が開放された断面ほぼU字型のブロック本体と、その上方開放部を閉塞する蓋部材とを備えており、ブロック本体の側壁部を長手方向に貫通する貫通孔にケーブル類を収納するようにしたものである(特許文献1及び2参照)。
【0005】
また、第2のタイプは、上方が開放された断面ほぼU字型のブロック本体と、その上方開放部を閉塞する蓋部材とを備えており、ブロック本体の側壁部の内面にケーブル類の保持部材を突設するとともに、ブロック本体の底部に下水の排水路を形成したものである(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−147846号公報
【特許文献2】特開2008−215053号公報
【特許文献3】特許第2523083号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の各特許文献では、排水用の側溝ブロックにケーブル類を収納して地中化する事例が記載されているが、かかる側溝ブロックに対して集水桝やケーブル桝をどのような位置に配置すれば、ケーブル類を敷設し易くなるかについては全く想定されていない。
本発明は、上記のような従来の問題点に鑑み、電線共同溝としての機能を併有する排水用の側溝ブロックに対して、ケーブル類の敷設が容易となる適切な位置に集水桝やケーブル桝を配置することができる排水設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1) 本発明の排水設備は、排水空間を断面上部に有しかつケーブル類の収納空間を断面下部に有する複数の側溝ブロックを備えた排水設備であって、道路の縦断方向に連続して設置された複数の前記側溝ブロックよりなる側溝区間と、前記側溝区間の延長上に位置するように前記側溝ブロックに接続された1又は複数の変更ブロックと、を備えており、前記変更ブロックが、前記排水空間に連通しかつその排水方向を道路中央側に変更する上部空間と、前記収納空間に連通しかつ前記ケーブル類を屈曲させずに通過させることができる下部空間とを有することを特徴とする。
【0009】
(2) 本発明の排水設備によれば、側溝区間の延長上に位置する変更ブロックが、側溝ブロックの排水空間(排水路)に連通しかつその排水方向を道路中央側に変更する上部空間を有するので、その上部空間からの排出を集水する集水桝を、側溝区間の道路中央側にオフセットした位置に配置することができる。
この場合、側溝ブロックの収納空間が集水桝によって分断されなくなるので、集水桝の設置区間において、ケーブル類を側溝ブロックの外部に迂回させる必要がなく、ケーブル類の敷設作業が容易になる。
【0010】
(3) また、本発明の排水設備によれば、側溝区間の延長上に位置する変更ブロックが、側溝ブロックの収納空間に連通しかつケーブル類を屈曲させずに通過させることができる下部空間を有するので、その下部空間に連通するケーブル桝を、側溝区間の延長上に配置することができる。
この場合、側溝ブロック内のケーブル類を、変更ブロックの下部空間を通して屈曲させずにケーブル桝まで延ばすことができるので、ケーブル桝の設置区間においてケーブル類を側溝ブロックの外部に迂回させる必要がなく、ケーブル類の敷設作業が容易になる。
【0011】
(4) また、本発明の排水設備において、前記ケーブル桝の縦断方向両端部にそれぞれ前記変更ブロックを接続し、前記各変更ブロックの前記上部空間にそれぞれ連通しかつ前記ケーブル桝の周囲に沿って迂回する排水経路の迂回水路を設けることが好ましい。
この場合、上記迂回水路が、ケーブル桝の周囲に沿って迂回する排水経路になっているので、ケーブル桝の種類や設置数が変化しても柔軟に対応することができる。
【発明の効果】
【0012】
以上の通り、本発明の排水設備によれば、側溝ブロックの排水路に連通しかつその排水方向を道路中央側に変更する上部空間と、側溝ブロックの収納空間に連通しかつケーブル類を屈曲させずに通過させることができる下部空間とを有する変更ブロックを採用したので、ケーブル類の敷設が容易となる適切な位置に集水桝やケーブル桝を配置することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係る側溝ブロックを用いた排水設備の一例を示す斜視図である。
【図2】(a)は側溝ブロックの斜視図、(b)はその横断面図である。
【図3】(a)は変更ブロックと集水桝の平面図、(b)は方向変更部材の斜視図、(c)は集水桝の縦断面図、(d)は変更ブロックと集水桝の横断面図である。
【図4】変更ブロックと集水桝を用いた桝部区間の構成例の平面図であり、(a)は変更ブロックと集水桝が2つある場合、(b)はそれらが1つある場合を示す。
【図5】変更ブロックと集水桝を用いた桝部区間の別の構成例の平面図である。
【図6】変更ブロックと集水桝を用いた桝部区間の別の構成例の平面図である。
【図7】(a)は変更ブロックと迂回用の水路ブロックの平面図、(b)は方向変更部材の斜視図、(c)は変更ブロックと迂回用の水路ブロックの横断面図、(d)は変更ブロックの側面図である。
【図8】変更ブロックと迂回用の水路ブロックを用いた桝部区間の構成例の平面図である。
【図9】変更ブロックと迂回用の水路ブロックを用いた桝部区間の別の構成例の平面図であり、(a)はケーブル桝の幅が比較的大きい場合、(b)はケーブル桝の幅が比較的小さい場合を示す。
【図10】桝部区間の比較例を示す平面図である。
【図11】側溝ブロックの変形例を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態を説明する。
〔排水設備の全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係る側溝ブロック1を用いた排水設備の一例を示す斜視図である。
図1に示すように、この排水設備は、道路2の縦断方向Aに沿って側溝ブロック1を連続して埋設してなる側溝区間3と、この側溝区間3同士の間に介在する桝部区間4とを備えている。
【0015】
本実施形態の側溝ブロック1は、ケーブル類5を纏めて収納可能な電線共同溝としての機能と、排水用の側溝としての機能を併有しており、道路2の縦断方向Aに沿って当該道路の左右両脇に複数連続して埋設されている。
図1に示す道路2は、横断方向中央部に合流式下水管6を有する比較的幅員が小さい小規模な舗装道路よりなる。そこで、道路脇に設置される各側溝ブロック1は、家屋7へのケーブル5Aの引き込み距離をなるべく短くするため、側溝ブロック1の幅方向外側縁を官民境界線Bと一致させた状態で配置されている。
【0016】
図1に示すように、側溝ブロック1の内部に収納されるケーブル類5には、家屋7の住民のライフラインとなる各種のケーブル(例えば、低圧又は高圧の各電力線や、電話線又は光ファイバーなどの通信線)5Aが含まれる。
もっとも、後述の収納空間18のサイズに余裕がある場合には、このケーブル類5として、上下水道配管やガス配管を含めることもでき、さらにはそれらを単独で収納することもできる。また、本明細書にいう「ケーブル類」とは、上記の各ケーブル5Aそのものだけでなく、ケーブル5Aを保護管5Bに挿通して敷設する場合には、その保護管5Bをも含む意味で使用している。
【0017】
なお、図1の設備例では、左側の側溝区間3の側溝ブロック1に「通信幹線」の保護管5Bが収納され、右側の側溝区間3の側溝ブロック1に「高圧電力線」の保護管5Bが収納されている。
【0018】
〔側溝ブロックの構成〕
図2(a)は側溝ブロックの斜視図であり、図2(b)はその横断面図である。
図2に示すように、本実施形態の側溝ブロック1は、開水路断面であるブロック本体11と、ほぼ平板状に形成された底板部材12と、ブロック本体11の上方開放部を閉塞する蓋部材13とを備えている。
このうち、ブロック本体11は、プレキャストコンクリート製であり、左右の側壁部14と、その下端部同士を繋ぐ底壁部15とを一体に有する、上方が開放された断面ほぼU字状のコンクリートブロック体よりなる。
【0019】
本実施形態のブロック本体11は、断面幅よりも断面高さの方が大きい長方形断面になっており、その断面幅は300〜600mmの範囲に設定され、その断面高さは450〜850mmの範囲に設定されている。
ブロック本体11の長さは1000〜4000mmの範囲に設定され、蓋部材13の長さは500mm程度が一般的なサイズであるが、ブロック本体11の長さに特に縛られるものではない。また、底板部材12の長さは1000mm程度までであれば人力で施工できるために好ましいが、これもブロック本体11の長さとは無関係に設定可能である。
【0020】
ブロック本体11の各側壁部14は、その外面が平らになっているが、その内面の上下方向ほぼ中央部に段差部16が形成されている(図2(a)参照)。この段差部16は、ブロック本体11の長手方向に沿って延設されており、これにより、側壁部14の上半部分の断面厚さがその下半部分の断面厚さがよりもやや小さくなっている。
そして、両側壁部14と底壁部15とで囲まれるブロック本体11の内空断面のうち、段差部16より上方の上側部分が排水空間(排水路)17となっており、段差部16より下方の下側部分がケーブル類5の収納空間18となっている。
【0021】
また、ブロック本体11の両側壁部14の内面には、蓋部材13の幅方向両縁を支持する蓋掛けリブ19がブロック本体11の長手方向に沿って延設されている。
この蓋掛けリブ19は、ブロック本体11の長手方向途中の所定箇所で途切れており、この途切れた箇所の切り欠き部(図示せず)は、底板部材12を装着する際に用いる引っ掛け具21(図2(b)参照)の逃げ部分となっている。
底板部材12の幅寸法は、ブロック本体11の開口幅よりも小さいが、左右の段差部16間の幅方向間隔よりも大きい寸法に設定されている。
【0022】
このため、例えば図2(b)に示すように、底板部材12の幅方向一端縁を一方の段差部16に載せた状態で、他端縁に引っ掛けた引っ掛け具21を用いて他端縁を徐々に他方の段差部16に載せることで、底板部材12をブロック本体11の内空断面の上下方向中途部に装着することができる。
そして、このようにして底板部材12を装着すると、ブロック本体11の内空断面における、底板部材12の上方に排水路17が形成され、下方の部分にケーブル類5の収納空間18が確保されることになる。
【0023】
図2(a)に示すように、段差部16の上面には、底板部材12の縁部の裏面に当接するゴム製のシール部材24が取り付けられており、このシール部材24により、底板部材12の上面で形成される排水路17から下方の収納空間18への漏水を防止するようになっている。
なお、このシール部材24は、段差部16の上面ではなく、底板部材12の下面に取り付けることにしてもよい。また、シール部材24を底板部材12の幅方向両縁面(木口面)に取り付けることにより、底板部材12の縁部と側壁部14における段差部16直上の壁面部分との間で止水を行ってもよい。また、図示していないが、長手方向で連続して並設される各底板部材12の端部同士は、例えばブチルゴム等よりなるシールテープによって水密に連結される。
【0024】
〔側溝ブロックの効果〕
本実施形態の側溝ブロック1によれば、ブロック本体11の内空断面における底板部材12よりも下方の部分がケーブル類5の収納空間18になっているので、側壁部14を貫通する貫通孔によって収納空間を設ける場合(前記特許文献1及び2の場合)に比べて、収納空間18の断面を大きく確保することできる。従って、収納空間18に対するケーブル類5(ケーブル5Aそのもの或いはその保護管5B)の敷設作業がより簡便になる。
【0025】
また、本実施形態の側溝ブロック1によれば、排水路17を清掃してから底板部材12をブロック本体11から取り外すことにより、ケーブル類5の収納空間18を側溝ブロック1の施工完了後でも簡単に開放することができる。
このため、ケーブル5Aや保護管5Bの追加又は交換を行う際に、ブロック本体11の側方の地盤を掘り返す必要がなく、ケーブル類5の追加又は交換に容易に対応することができる。
【0026】
また、本実施形態の側溝ブロック1によれば、ブロック本体11の内空断面に装着された底板部材12よりも下方の収納空間18にケーブル類5が収納されているので、排水路17を清掃する際にケーブル類5が邪魔になることがない。
このため、排水路17に対する汚泥除去のための清掃等のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0027】
更に、本実施形態の側溝ブロック1によれば、ブロック本体11の側壁部14の内面に、底板部材12の左右両縁部を支持する段差部16が当該ブロック本体11の長手方向に沿って一体に形成されている。
このため、例えば、ブロック本体11の長手方向に延びるブラケット61(図11参照)を側壁部14に取り付けて、底板部材12を支持する段差部を後付けで作成する場合に比べて、材料費と打設手間を低減することができ、側溝ブロック1の製作コストを安価に抑えることができる。
【0028】
また、本実施形態の側溝ブロック1によれば、上記段差部16と底板部材12の間をシール部材24で水密に止水するとともに、底板部材12の長手方向端部同士をシールテープで水密に止水することにより、排水路17から下方の収納空間18への漏水が極力防止されている。
このため、排水路17からの漏水がケーブル類5の収納空間18に至ることに伴う当該ケーブル類5の劣化を、出来るだけ抑制できるという利点がある。
【0029】
〔桝部区間の構成部材(その1)〕
図3(a)〜図3(d)は、桝部区間4(図1参照)の構成部材である変更ブロック31と集水桝32を示している。
すなわち、図3(a)は変更ブロック31と集水桝32の平面図、図3(b)は方向変更部材33の斜視図、図3(c)は集水桝32の縦断面図、図3(d)は変更ブロック31と集水桝32の横断面図である。
【0030】
図3に示すように、変更ブロック31は、側溝ブロック1のブロック本体11と同じ横断面形状のブロック本体35と、底板部材12と同じ断面形状の底板部材36とを備えている。
ブロック本体35の内部に底板部材36を装着すると、内部が上部空間37と下部空間38の上下2段に区画されるが、この場合、上部空間37は側溝ブロック1の排水路17と同じ断面形状となり、下部空間38は側溝ブロック1の収納空間18と同じ断面形状となる。
【0031】
従って、変更ブロック31を任意の側溝ブロック1の端部に同心状に接続すると、変更ブロック31の上部空間37は側溝ブロック1の排水路17に連通し、下部空間38は側溝ブロック1の収納空間18に連通する。
変更ブロック31のブロック本体35には、その道路中央側の側壁部に排水口39が形成されており、変更ブロック31の上部空間37には、上部空間37に流入した排水をその排水口39に導くための方向変更部材33が設けられている。
【0032】
この方向変更部材33は、例えば、図3(b)に示すように、ほぼ4分の1周分の凹湾曲面を有するブロック体又は板材よりなり、その凹湾曲面の曲率半径は上部空間37の断面幅にほぼ相当する寸法となっている。
また、方向変更部材33は、上記凹湾曲面を上部空間37の入り口と排水口39の双方に望ませた状態で上部空間37の内部に収納されている。このため、図3中の太矢印で示すように、排水が上部空間37の入り口から流入すると、凹湾曲面に当たって道路中央側に90度方向変換し、排水口39に至るようになっている。
【0033】
従って、変更ブロック31を側溝ブロック1の端部に接続すると、変更ブロック31の上部空間37は、側溝ブロック1の排水路17から流入した道路縦断方向に流れる排水を、方向変更部材33によって道路中央側に変更する機能を発揮する。
これに対して、変更ブロック31の下部空間38の場合は、縦断方向に真っ直ぐに連通しておりかつ上記方向変更部材33が設けられていないので、収納空間18の内部のケーブル類5を屈曲させずにそのまま通過させることができる機能を有する。
【0034】
集水桝32はボックス本体40を備える。ボックス本体40の形状及び寸法は任意に設計可能であるが、本実施形態では、変更ブロック31のブロック本体35とほぼ同じ断面形状で、かつ、そのブロック本体35よりも長手方向寸法が大きくなっている。このボックス本体40の側壁部には集水口41が形成されており、この集水口41と排水口39とが合致するように、ボックス本体40とブロック本体35の側壁部同士が互いに重合状に接続される。
このため、上部空間37において道路中央側に方向変換した排水は、集水口41を通って集水桝32内の集水空間にいったん貯留されることになる。
【0035】
なお、図3(a)に示す例では、変更ブロック31のブロック本体35と集水桝32のボックス本体40の上端開口部にはグレーチングが嵌め込まれているが、通常のコンクリート蓋をその上端開口部に嵌め込むことにしてもよい。
【0036】
〔桝部区間の構成例(その1)〕
図4(a)及び図4(b)は、変更ブロック31と集水桝32を用いた桝部区間4の構成例を示す平面図である。
このうち、図4(a)は変更ブロック31と集水桝32が2つある場合を示している。同図に示すように、この桝部区間4の構成例では、ケーブル桝34によって分離された2つの側溝区間3,3の終端部の側溝ブロック1にそれぞれ変更ブロック31,31が接続され、その各変更ブロック31,31がそれぞれケーブル桝34に接続されている。
【0037】
上記ケーブル桝34は、いわゆる共同溝特殊部とも呼ばれるものであり、例えば、ハンドホール或いはマンホール相当の寸法を有している。また、ケーブル桝34の上面又は側面に電柱34A(図4(b)参照)を設けたり、桝内部に通信用の中継装置やトランスを設けたりする場合もある。
側溝ブロック1、変更ブロック31及びケーブル桝34は、いずれもその幅方向外側縁を官民境界線Bと一致させた状態で配置されている。これに対して、集水桝32は、変更ブロック31の道路中央側(図4の下側)にオフセットした位置に配置されている。
【0038】
本実施形態の排水設備によれば、側溝区間3の延長上に位置する変更ブロック31が、側溝ブロック1の排水路17に連通しかつその排水方向を道路中央側に変更する上部空間37を有するので、図4(a)に示すように、上部空間37からの排水を集水する集水桝32,32を、側溝区間3の道路中央側にオフセットした位置に配置することができる。
このため、集水桝32が側溝ブロック1の収納空間18と干渉しなくなるので、集水桝32を設置する区間でケーブル類5を側溝ブロック1の外部に迂回させる必要がなく、ケーブル類5の敷設作業を容易に行うことができる。
【0039】
また、本実施形態の排水設備によれば、側溝区間3の延長上に位置する変更ブロック31が、 側溝ブロック1の収納空間18に連通しかつケーブル類5を屈曲させずに通過させることができる下部空間38を有するので、図4(a)に示すように、下部空間38を通過するケーブル類5を受け入れるケーブル桝34を、側溝区間3の延長上に配置することができる。
このため、側溝ブロック1内のケーブル類5を、変更ブロック31の下部空間38を通して屈曲させずにケーブル桝34まで延ばすことができるので、ケーブル桝34を設置する区間でケーブル類5を側溝ブロック1の外部に迂回させる必要がなく、ケーブル類5の敷設作業が容易になる。
【0040】
なお、前記方向変更部材33は、側溝区間3からの排水を集水桝32に出来るだけスムーズに導くことにより、側溝区間3の終端部にゴミや汚泥が溜まるのを防止する部材であるから、必ずしも変更ブロック31の上部空間37に設ける必要はない。
【0041】
一方、図4(b)は変更ブロック31と集水桝32が1つある場合を示している。同図に示すように、この桝部区間4の構成例では、片方の側溝区間3の終端部の側溝ブロック1のみに変更ブロック31が接続され、この変更ブロック31の道路中央側にオフセットした状態で、集水桝32が配置されている。
従って、図4(b)の場合も、集水桝32が側溝ブロック1の収納空間18と干渉しなくなるので、集水桝32を設置する区間でケーブル類5を側溝ブロック1の外部に迂回させる必要がなく、ケーブル類5の敷設作業を容易に行えるという効果が得られる。
【0042】
なお、図4(b)の構成例では、ケーブル桝34が大小2つのものに分割構成されており、右側のケーブル桝34の上面には電柱34Aが設けられている。
また、図4において、符号42は集水桝32に接続された横断排水管であり、この排水管42は前記合流式下水管6(図1参照)に通じている。更に、符号43はケーブル桝34から分岐して横断方向に延びる保護管を示している。
【0043】
図5は、変更ブロック31と集水桝32を用いた桝部区間4の別の構成例の平面図である。
この図5の桝部区間4の構成例は、ケーブル桝34の縦断方向両側にそれぞれ変更ブロック31,31と集水桝32,32を設けている点で図4(a)と同様であるが、その2つの集水桝32,32の間を、ケーブル桝34の側面に沿って縦断方向に延びる小型水路44によって導水可能に連結している点で、図4(a)の場合と相違する。
【0044】
上記小型水路44は、複数の小型側溝45をそれぞれ縦断方向に繋ぎ合わせることによって構成されており、その小型側溝45は、ほぼ楕円形状の断面の排水路を内部に有する排水ブロックよりなる。この排水ブロックの上部には、内部の排水路に表面水を導くための導水スリットが形成されている。
図5に示す桝部区間4の構成例によれば、2つの集水桝32,32を上記小型水路44によって導水可能に連結しているので、横断排水管42が接続されていない図5左側の集水桝32が雨水で充満しても、その雨水を、小型水路44を通じて横断排水管42が接続されている図5右側の集水桝32に導くことができる。
【0045】
また、図5に示す桝部区間4の構成例によれば、例えば既設の埋設物との干渉が生じるために、後述の図8に示すような迂回水路57を設置できないような場合でも、その迂回水路57よりも断面が小さい小型水路44をケーブル桝34に近接して設置することにより、道路中央側からケーブル桝34に向かう流水を桝全長に渡って小型水路44に取り込み、集水桝32に導くことができるという利点もある。
【0046】
図6は、変更ブロック31と集水桝32を用いた桝部区間4の別の構成例の平面図であり、この構成例はケーブル桝34を設置しない場合を示している。
同図に示すように、この桝部区間4の構成例では、側溝区間3の終端部の側溝ブロック1に変更ブロック31のみが接続され、この変更ブロック31の道路中央側にオフセットした状態で集水桝32が配置されている。
従って、図6の場合も、集水桝32が側溝ブロック1の収納空間18に対して干渉しなくなるので、集水桝32を設置する区間でケーブル類5を側溝ブロック1の外部に迂回させる必要がなく、ケーブル類5の敷設作業を容易に行えるという効果が得られる。
【0047】
なお、図6の構成例では、左右の側溝区間3,3からそれぞれ変更ブロック31に向かって流下する排水をそれぞれ集水桝32に導くため、変更ブロック31の上部空間37は各側溝区間3,3の排水路17に連通しており、当該上部空間37に方向変更部材33は設けられていない。
【0048】
〔桝部区間の構成部材(その2)〕
図7(a)〜図7(d)は、桝部区間4(図1参照)の構成部材である変更ブロック31と迂回用の水路ブロック51を示している。
すなわち、図7(a)は変更ブロック31と迂回用の水路ブロック51の平面図、図7(b)は方向変更部材33の斜視図、図7(c)は変更ブロック31と迂回用の水路ブロック51の横断面図、図7(d)は変更ブロック31の側面図である。
【0049】
図7の変更ブロック31と方向変更部材33の構造及び機能は、図3の場合と同様であるから、図3と同じ符号を図7に付することにより、それらの詳細説明を省略する。
図7に示すように、迂回用の水路ブロック51は、変更ブロック31の排水口39から流入した排水を道路中央側(図7(a)の左側)に流下させる導水ブロック52と、導水ブロック52から流入した排水の方向を再度90度変更させて元の方向(変更ブロック31に流入する前の排水方向)に戻すコーナーブロック53とから構成されている。
【0050】
このうち、導水ブロック52は、変更ブロック31より長さが短くかつ変更ブロック31より小さい例えばほぼ半分程度の断面高さに形成された、上方が開放された断面ほぼU字状のコンクリートブロック体よりなる。
導水ブロック52の流入端は、その流入側開口が変更ブロック31の排水口39と合致するように、当該変更ブロック31の側壁部に接続されている。また、導水ブロック52の流出端は、その流出側開口がコーナーブロック53の後述の流入口54と合致するように、当該コーナーブロック53の側壁部に接続されている。
【0051】
これに対して、コーナーブロック53は、変更ブロック31と同じ長さでかつ変更ブロック31より小さい例えばほぼ半分程度の断面高さに形成された、上方が開放された断面ほぼU字状のコンクリートブロック体よりなる。
コーナーブロック53は、変更ブロック31の上部空間37とほぼ同等の内空断面を有しており、このコーナーブロック53の側壁部には、変更ブロック31から導水ブロック52を通じて流入してきた排水を受け入れる流入口54が形成されている。
【0052】
コーナーブロック53の内部には方向変更部材33が収納されている。この方向変更部材33は、変更ブロック31の場合とは逆向きに90度だけ排水が方向変換するように、その凹湾曲面を流入口54と出口の双方に望ませた状態で当該コーナーブロック53の内部に収納されている。
このため、図7中の太矢印で示すように、排水が変更ブロック31の上部空間37の入り口から流入すると、その上部空間37内の方向変更部材33の凹湾曲面に当たって道路中央側に90度方向変換し、排水口39から導水ブロック52に流れ込む。
【0053】
その後、導水ブロック52に流れ込んだ排水は、流入口54からコーナーブロック53の内部に流入し、そのコーナーブロック53内の方向変更部材33の凹湾曲面に当たって元の方向に90度方向変換し、当該コーナーブロック53の出口から流出する。
従って、側溝ブロック1の端部に変更ブロック31を接続しこの変更ブロック31に水路ブロック51を接続すると、上部空間37を流れる排水は、図7(a)の太矢印に示すような2度の90度の方向変換を経て、その流下位置がほぼ導水ブロック52の長さ分だけ道路中央側(図7(a)の左側)にシフトすることになる。
【0054】
なお、図7(a)では、太矢印で示す排水の流れが変更ブロック31→導水ブロック52→コーナーブロック53の順となる場合を例示しているが、コーナーブロック53から排水が流入する場合には、その排水はコーナーブロック53→導水ブロック52→変更ブロック31の順に流れることになる。
【0055】
〔桝部区間の構成例(その2)〕
図8は、変更ブロック31と迂回用の水路ブロック51を用いた桝部区間4の構成例を示す平面図である。
同図に示すように、この桝部区間4の構成例では、ケーブル桝34によって分離された2つの側溝区間3,3の終端部の側溝ブロック1にそれぞれ変更ブロック31,31が接続されており、その各変更ブロック31,31に更に水路ブロック51,51が接続されている。
【0056】
また、上記各水路ブロック51,51のコーナーブロック53,53の間は、縦断方向に連続して設置された複数の側溝部材55を含む直線水路56で連結されている。
従って、図8の構成例では、ケーブル桝34の縦断方向両側に配置された各水路ブロック51,51とこの水路ブロック51,51同士を繋ぐ直線水路56とから、ケーブル桝34の縦断方向両端部に接続された各変更ブロック31,31の上部空間37にそれぞれ連通し、かつ、そのケーブル桝34の周囲に沿って迂回する排水経路である迂回水路57が構成されている。
【0057】
なお、図8に示すように、この桝部区間4の場合には、集水桝32が直線水路56の中途部に設けられており、この集水桝32はケーブル桝34の道路中央側に近接するように配置されている。
【0058】
図9(a)及び図9(b)は、変更ブロック31と迂回用の水路ブロック51を用いた桝部区間4の別の構成例の平面図である。
このうち、図9(a)はケーブル桝34の幅が比較的大きい場合を示しており、図9(b)はケーブル桝34の幅が比較的小さい場合を示している。すなわち、図9(a)の構成例では、ケーブル桝34の幅寸法(道路横断方向の寸法)が、図8のケーブル桝34よりは小さいが側溝ブロック1の幅よりも大きくなっている。
【0059】
この図9(a)と図8とを対比すれば明らかな通り、現場に設置するケーブル桝34の幅寸法の変化に対しては、導水ブロック52の長さを調整することによって対応することができる。
これに対して、図9(b)の構成例では、ケーブル桝34の幅寸法(道路2の横断方向の寸法)が、側溝ブロック1の幅と同じ寸法になっている。このため、水路ブロック51が導水ブロック52を備えておらず、変更ブロック31にコーナーブロック53を直結した構造になっている。
【0060】
このように、水路ブロック51の構成部材である導水ブロック52については、その長さを適宜調整したり或いは当該導水ブロック52を省略したりすることにより、種々の幅寸法のケーブル桝34にそれぞれ適した迂回水路57を構成することができる。
また、図8と図9を対比すれば明らかな通り、ケーブル桝34の長さ寸法(道路2の縦断方向の寸法)の変化に対しては、迂回水路57の直線水路56の長さをそれに合わせて調節することで対応することができる。
【0061】
このように、本実施形態の排水設備によれば、迂回水路57がケーブル桝34の周囲に沿って迂回する排水経路になっているので、当該迂回水路57を構成する導水ブロック52や直線水路56の長さを適宜調節することにより、ケーブル桝34の種類や設置数が現場によって種々に変化しても、その変化に柔軟に対応できるという利点がある。
【0062】
〔桝部区間の比較例〕
図10は、桝部区間4の比較例を示す平面図である。
前述の通り、本実施形態では、電線共同溝を構成する側溝ブロック1が、排水路17を断面上部に有しかつケーブル類5の収納空間18を断面下部に有するが、かかる上下2段構造の側溝ブロック1で構成される側溝区間3に集水桝32やケーブル桝34を繋げる場合には、例えば図10に示すように、集水桝32を従来通り側溝区間3の延長上に配置し、ケーブル桝34を側溝区間3の道路中央側(図10の下側)にオフセットさせて配置することも考えられる。
【0063】
しかし、本実施形態の側溝ブロック1はブロック本体11内の底部側がケーブル類5の収納空間18となっているので、側溝ブロック1以上の深さの集水桝32を側溝区間3の延長上に配置すると、集水桝32によって収納空間18が分断されることになる。
従って、図10に示すように、集水桝32の設置区間については、ケーブル類5を側溝ブロック1の外部に迂回させて敷設する必要があり、これでは側溝ブロック1の側壁部14を穿孔せねばならず、ケーブル類5の敷設作業が非常に煩雑になる。
【0064】
なお、収納空間18と干渉しない程度に浅い集水桝32を採用すれば上記の問題は生じないが、これでは所望の集水容量が得られなくなる可能性が高い。
また、ケーブル桝34を道路中央側にオフセットして配置すると、側溝ブロック1の収納空間18がケーブル桝34の内部空間と連通しなくなるので、この場合も図10に示すように、ケーブル類5を側溝ブロック1の外部に迂回させて敷設する必要があり、ケーブル類5の敷設作業が非常に煩雑になる。
【0065】
これに対して、本実施形態の排水設備では、排水方向を道路中央側に変更する上部空間37と、ケーブル類5が真っ直ぐに通過可能な下部空間38とを有する変更ブロック31を側溝区間3の延長上に接続し、その変更ブロック31の上部空間37に連通する集水桝32を側溝区間3の道路中央側にオフセットして配置しているので、集水容量が十分に大きい集水桝32を採用しても、側溝ブロック1の収納空間18が分断されない。
このため、集水桝32の設置区間において、ケーブル類5を側溝ブロック1の外部に迂回させる必要がなくなり、ケーブル類5の敷設作業が容易になる。
【0066】
また、本実施形態の排水設備では、排水方向を道路中央側に変更する上部空間37と、ケーブル類5が真っ直ぐに通過可能な下部空間38とを有する変更ブロック31を側溝区間3の延長上に接続し、この変更ブロック31の下部空間38に連通するケーブル桝34を側溝区間3の延長上に配置しているので、側溝ブロック1内のケーブル類5を、下部空間38を通じて屈曲させずにケーブル桝34まで延ばすことができる。
このため、ケーブル桝34の設置区間において、ケーブル類5を側溝ブロック1の外部に迂回させる必要がなくなり、ケーブル類5の敷設作業が容易になる。
【0067】
また、変更ブロック31の下部空間38に連通するケーブル桝34を側溝区間3の延長上に配置すれば、ケーブル桝34を官民境界線Bに近接して配置することができる。
このため、ケーブル桝34を道路中央側にオフセットして配置する場合(図10の場合)に比べて、ケーブル桝34から民地側へのケーブル敷設距離を短くできるとともに、ケーブル桝34の道路中央側への張り出しが少ないので、道路2の有効な舗装幅員をできるだけ大きく確保できるという利点もある。
【0068】
〔側溝ブロックの変形例〕
図11(a)〜図11(d)は、側溝ブロック1の変形例を示す横断面図である。
図11(a)の側溝ブロック1は、ブロック本体11の各側壁部14の内面に左右一対のブラケット(片持ち状の支持部材の総称)61,61を取り付けて段差部を形成し、このブラケット61,61間に底板部材12を架設するようになっている。
この場合、底板部材12を装着するための段差部16を有しない通常のブロック本体11に対しても、排水路17を断面上部に有しかつケーブル類5の収納空間18を断面下部に有する側溝ブロック1を構成することができる。
【0069】
また、ブロック本体11の内空断面の上部に排水路17を形成する「中底部材」としては、上述の平板状の底板部材12だけでなく、例えば図11(b)〜図11(d)に示す種々の構造のものを採用することができる。
すなわち、図11(b)に示す側溝ブロック1では、中底部材として、底板部の左右両縁から側板部を上方に立設してなる上方開口状の水路部材62を採用している。
【0070】
図11(b)に示すように、この水路部材62の底板部をブロック本体11の両側壁部14に設けたブラケット61,61に架設すれば、排水路17を断面上部に有しかつケーブル類5の収納空間18を断面下部に有する側溝ブロック1を構成することができる。
なお、この水路部材62については、段差部16が側壁部14に一体に形成された図2のブロック本体11に使用することもできる。
【0071】
図11(c)に示す側溝ブロック1では、中底部材として、底板部の左右両縁から側板部を上方に立設してなるとともに、各側板部の上端縁に掛止部63を有する水路部材64を採用している。
この水路部材64の場合には、両掛止部61,61をブロック本体11の上端部に掛止してブロック本体11内の上部にセットすることにより、排水路17を断面上部に有しかつケーブル類5の収納空間18を断面下部に有する側溝ブロック1を構成することができる。
【0072】
図11(d)に示す側溝ブロック1では、天板部の左右両縁から側板部を下方に延設してなる下方開口状のカバー部材65を採用している。
このカバー部材65の場合には、側板部の下端縁がブロック本体11の底面に到達するまで収納することにより、カバー部材65の天板部で排水路17の底面を構成し、かつ、カバー部材65の内部でケーブル類5の収納空間18を確保することができる。
【0073】
このように、ブロック本体11の内部に装着する中底部材は、ブロック本体11の断面内部に着脱自在に装着可能であり、その装着により、上部側の排水路17と下部側の収納空間18とにブロック本体11の内部空間を区画できるものであればよい。
【0074】
なお、今回開示した実施形態は例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の構成と均等の範囲内での全ての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0075】
1 側溝ブロック
2 道路
3 側溝区間
4 桝部区間
5 ケーブル類
17 排水空間(排水路)
18 収納空間
31 変更ブロック
32 集水桝
33 方向変更部材
34 ケーブル桝
37 上部空間
38 下部空間
【特許請求の範囲】
【請求項1】
排水空間を断面上部に有しかつケーブル類の収納空間を断面下部に有する複数の側溝ブロックを備えた排水設備であって、
道路の縦断方向に連続して設置された複数の前記側溝ブロックよりなる側溝区間と、
前記側溝区間の延長上に位置するように前記側溝ブロックに接続された1又は複数の変更ブロックと、を備えており、
前記変更ブロックが、前記排水空間に連通しかつその排水方向を道路中央側に変更する上部空間と、前記収納空間に連通しかつ前記ケーブル類を屈曲させずに通過させることができる下部空間とを有することを特徴とする排水設備。
【請求項2】
前記上部空間からの排水を集水する集水桝が、前記側溝区間の道路中央側にオフセットした位置に配置されている請求項1に記載の排水設備。
【請求項3】
前記下部空間に連通するケーブル桝が、前記側溝区間の延長上に配置されている請求項1又は2に記載の排水設備。
【請求項4】
前記ケーブル桝の縦断方向両端部にそれぞれ前記変更ブロックが接続されており、
前記各変更ブロックの前記上部空間にそれぞれ連通しかつ前記ケーブル桝の周囲に沿って迂回する排水経路の迂回水路が設けられている請求項3に記載の排水設備。
【請求項1】
排水空間を断面上部に有しかつケーブル類の収納空間を断面下部に有する複数の側溝ブロックを備えた排水設備であって、
道路の縦断方向に連続して設置された複数の前記側溝ブロックよりなる側溝区間と、
前記側溝区間の延長上に位置するように前記側溝ブロックに接続された1又は複数の変更ブロックと、を備えており、
前記変更ブロックが、前記排水空間に連通しかつその排水方向を道路中央側に変更する上部空間と、前記収納空間に連通しかつ前記ケーブル類を屈曲させずに通過させることができる下部空間とを有することを特徴とする排水設備。
【請求項2】
前記上部空間からの排水を集水する集水桝が、前記側溝区間の道路中央側にオフセットした位置に配置されている請求項1に記載の排水設備。
【請求項3】
前記下部空間に連通するケーブル桝が、前記側溝区間の延長上に配置されている請求項1又は2に記載の排水設備。
【請求項4】
前記ケーブル桝の縦断方向両端部にそれぞれ前記変更ブロックが接続されており、
前記各変更ブロックの前記上部空間にそれぞれ連通しかつ前記ケーブル桝の周囲に沿って迂回する排水経路の迂回水路が設けられている請求項3に記載の排水設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−136897(P2012−136897A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291014(P2010−291014)
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(392027900)株式会社イトーヨーギョー (43)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月27日(2010.12.27)
【出願人】(392027900)株式会社イトーヨーギョー (43)
【Fターム(参考)】
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