説明

排熱回収装置

【課題】燃焼機器の負荷変動によりエコノマイザが乾湿を繰り返して伝熱管の腐食等の不具合が発生することを抑制できる排熱回収装置を提供する。
【解決手段】排ガスが流通するダクト5に、排ガスの顕熱を利用して給水を加熱する乾式エコノマイザ11と、乾式エコノマイザより排ガス流れ方向下流側に配置され排ガスの凝縮潜熱を利用して給水を加熱する凝縮エコノマイザ12とが設けられ、給水が凝縮エコノマイザ12を通って乾式エコノマイザ11に導入するように構成された排熱回収装置10において、乾式エコノマイザ11と凝縮エコノマイザ12の間に、排ガスの温度を変化させる排ガス温度変化手段20を介装し、排ガス温度変化手段20は、乾式エコノマイザ出口の排ガス温度が水露点以上となるように排ガス温度を変化させる手段、若しくは凝縮エコノマイザ入口の排ガス温度が水露点以下となるように排ガス温度を変化させる手段とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排ガスの余熱により給水を加熱するエコノマイザを含む排熱回収装置に係り、特に、排ガスダクト上に乾式エコノマイザと凝縮エコノマイザとが直列に配置された排熱回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ボイラ等の燃焼機器においては、熱効率向上のために排熱回収装置が設けられている。排熱回収装置の一つとして、排ガスダクトに設けられ、ダクト内を流通する排ガスの余熱により給水を加熱するエコノマイザが広く知られている。このエコノマイザは、排ガスの顕熱のみを回収する乾式エコノマイザが一般的であるが、熱回収率をより一層向上させる装置構成として、排ガス中の水蒸気を凝縮させて潜熱回収する凝縮エコノマイザを乾式エコノマイザと併用した排熱回収装置が提案、実用化されている。
【0003】
ボイラの場合、例えば、燃焼室で生成された約300℃の燃焼排ガスは、まず乾式エコノマイザに流入してここで顕熱が回収され、その後凝縮エコノマイザへ流入して主として凝縮潜熱が回収され、40℃程度の排ガスとして煙突から排出される。
ここで凝縮エコノマイザは、一般に多段の伝熱管群で構成され、管外に燃焼排ガス、管内に給水が供給され、排ガスからの顕熱(対流伝熱)と伝熱管表面での水分凝縮に伴う潜熱を回収する。周知のように、石炭や重油、ガス等の炭化水素を燃料とする燃焼機器で燃焼が行われると、炭化水素を構成する水素が酸素と反応して水蒸気が発生し、この水蒸気が排ガスに大量に含まれる。したがって、排ガス中の水蒸気を凝縮させて潜熱回収する凝縮エコノマイザは熱効率向上において極めて有効な手段である。
【0004】
乾式エコノマイザと凝縮エコノマイザとを併用した排熱回収装置として、特許文献1(特開昭60−213757号公報)には、燃焼室の下部に主熱交換部と潜熱回収用熱交換部とが一体化して配置された熱交換器の構成が開示されている。この熱交換器では、給水が潜熱回収用熱交換部を通って主熱交換部に導入されるようになっており、一方燃焼排ガスは、まず主熱交換部で顕熱回収された後に、潜熱回収用熱交換部で排ガス中の水蒸気を積極的に凝縮させ蒸気潜熱を回収するようになっている。
【0005】
また別の装置構成として、特許文献2(特開平11−118104号公報)には、ボイラ出口ダクトに続いて乾式エコノマイザを配置し、その後流に空気予熱器と凝縮形エコノマイザを順次直列に配置したボイラの構成が開示されている。このボイラは、乾式エコノマイザの出口の排ガス中に含まれて残留する熱量を、該排ガス中に含まれる水蒸気の保有する熱量とともに空気予熱器と凝縮形エコノマイザにより効果的に回収し熱効率向上を図ったものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開昭60−213757号公報
【特許文献2】特開平11−118104号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1、2に開示されるように、乾式エコノマイザと凝縮エコノマイザが直列に配置された排熱回収装置では、排ガス中の水分の凝縮はガス側主流が水露点に達していなくとも、伝熱管温度が水露点になっていると凝縮が生じるため、乾式エコノマイザ内でも伝熱管温度によっては部分的に凝縮が発生することがある。凝縮が生じることにより伝熱管に部分的な湿潤域が形成され、一つのエコノマイザ内で伝熱管が湿潤域及び乾燥域を有するようになる。
【0008】
この湿潤域と乾燥域は、燃焼機器の負荷変動に伴って位置が変動する。すなわち、燃焼機器の負荷が変動すると、乾式エコノマイザや凝縮エコノマイザを通過する排ガス温度が変動するので、排ガスが凝縮温度に達する位置が変動することで、湿潤域と乾燥域との境界位置が変動する。
これにより、伝熱管に乾湿を繰り返す領域が生じてしまう。伝熱管は主に金属で形成されており、乾湿を繰り返すことにより伝熱管が応力腐食割れを引き起こしやすくなる。また、伝熱管表面が乾湿を繰り返すことにより、煤塵やスケールが付着、固化しやすくなり、熱交換効率の低下を招くおそれもある。
【0009】
したがって、本発明はかかる従来技術の問題に鑑み、燃焼機器の負荷変動によりエコノマイザが乾湿を繰り返して伝熱管の腐食等の不具合が発生することを抑制できる排熱回収装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明に係る排熱回収装置は、排ガスが流通するダクトに、前記排ガスの顕熱を利用して給水を加熱する乾式エコノマイザと、前記乾式エコノマイザより排ガス流れ方向下流側に配置され前記排ガスの凝縮潜熱を利用して給水を加熱する凝縮エコノマイザとが設けられ、前記給水が前記凝縮エコノマイザを通って前記乾式エコノマイザに導入するように構成された排熱回収装置において、前記乾式エコノマイザと前記凝縮エコノマイザの間に、前記排ガスの温度を変化させる排ガス温度変化手段を介装し、前記排ガス温度変化手段は、前記乾式エコノマイザ出口の排ガス温度が水露点以上となるように排ガス温度を変化させる手段、若しくは前記凝縮エコノマイザ入口の排ガス温度が水露点以下となるように排ガス温度を変化させる手段であることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、乾式エコノマイザと凝縮エコノマイザの間に排ガス温度変化手段を介装し、この排ガス温度変化手段により乾式エコノマイザ出口の排ガス温度が水露点以上となるように、若しくは凝縮エコノマイザ入口の排ガス温度が水露点以下となるように排ガス温度を変化させる構成としたため、乾式エコノマイザ若しくは凝縮エコノマイザにて乾湿を繰り返す伝熱管ができることを防止し、伝熱管の腐食や伝熱管へのスケール等の付着を抑制することが可能となる。
【0012】
具体的には、排ガス温度変化手段が、乾式エコノマイザ出口の排ガス温度が水露点以上となるように排ガス温度を変化させる手段である場合、乾式エコノマイザ内で排ガス中の水分が凝縮することがなく、乾式エコノマイザのほぼ全ての伝熱管表面を常時乾燥状態に保つことができる。一方、排ガス温度変化手段が、凝縮エコノマイザ入口の排ガス温度が水露点以下となるように排ガス温度を変化させる手段である場合、凝縮エコノマイザ内で確実に凝縮が発生するようになり、凝縮エコノマイザのほぼ全ての伝熱管表面を常時湿潤状態に保つことができる。ここで、排ガス温度変化手段は、上記した前者と後者を兼ね備えた構成であってもよく、その場合は乾式エコノマイザを常時乾燥状態に且つ凝縮エコノマイザを常時湿潤状態に、確実に維持することが可能となる。
なお、乾式エコノマイザ出口の排ガス温度とは、乾式エコノマイザの排ガス出口側の伝熱管メタル温度であることが好ましく、また凝縮エコノマイザ入口の排ガス温度とは、凝縮エコノマイザの排ガス入口側の伝熱管メタル温度であることが好ましい。これにより、伝熱管表面における凝縮発生の有無を適切に管理することが可能である。
【0013】
また、前記排ガス温度変化手段が、前記乾式エコノマイザの上流側から前記排ガスの一部を分岐させた分岐ガスを前記乾式エコノマイザと前記凝縮エコノマイザの間に導入する分岐ガス導入部であり、前記乾式エコノマイザの給水入口温度又は前記乾式エコノマイザの排ガス出口側の伝熱管メタル温度を検出する第1の温度検出手段と、前記第1の温度検出手段で検出した温度に基づいて前記分岐ガス導入部から前記ダクト内に導入する分岐ガス導入量を調整する分岐ガス量調整手段とをさらに備え、前記第1の温度検出手段で検出された温度が水露点以下となったら前記分岐ガス量調整手段により前記分岐ガス導入量を増加させることが好ましい。
【0014】
本構成では、乾式エコノマイザ上流側から排ガスの一部を分岐させて、この分岐ガスを乾式エコノマイザと凝縮エコノマイザの間に設けた分岐ガス導入部より導入している。この分岐ガスは、乾式エコノマイザを通過しないため保有熱量が大きく、これを直接凝縮エコノマイザに供給することで凝縮エコノマイザでの交換熱量を増加させ給水温度を上昇させる。したがって、分岐ガス導入量を調整することで乾式エコノマイザに流入する給水温度の調整、ひいては乾式エコノマイザの伝熱管メタル温度の調整が可能となる。ここで、伝熱管メタル温度は、排ガス温度と給水温度との両方に依存するが、排ガスの伝熱係数は給水の伝熱係数に比べて極めて小さいため、伝熱管メタル温度は給水温度の影響を大きく受ける。よって、本構成では、伝熱管表面の凝縮発生の有無を給水温度で調整可能としている。
そして、乾式エコノマイザの給水入口温度又は乾式エコノマイザの排ガス出口側の伝熱管メタル温度に基づいて分岐ガス導入量を調整することで、乾式エコノマイザの伝熱管メタル温度を水露点以上に維持でき、これにより伝熱管表面を常時乾燥状態に保持し、乾式エコノマイザの伝熱管の腐食や伝熱管へのスケール等の付着を抑制することができる。
【0015】
また、前記凝縮エコノマイザの給水出口温度又は前記凝縮エコノマイザの排ガス入口側の伝熱管メタル温度を検出する第2の温度検出手段と、前記凝縮エコノマイザの入口側に水分を供給する水分供給手段とをさらに備え、前記第2の温度検出手段で検出された温度が水露点以上となったら前記水分供給手段により前記凝縮エコノマイザの入口側に水又は蒸気を噴霧するか、若しくは前記凝縮エコノマイザに直接散水することが好ましい。
【0016】
このように、凝縮エコノマイザの給水出口温度又は凝縮エコノマイザの排ガス入口側の伝熱管メタル温度を検出し、検出温度が水露点以上となったら水分供給手段により凝縮エコノマイザに水を供給することで、凝縮エコノマイザの伝熱管表面を湿潤状態にすることができる。具体的には、凝縮エコノマイザの入口側に水又は蒸気を噴霧することで、排ガスの湿度を上昇させ凝縮を促進させることができる。または、凝縮エコノマイザに直接散水することで伝熱管を強制的に湿潤させることができる。
【0017】
さらに、前記排ガス温度変化手段が、前記乾式エコノマイザと前記凝縮エコノマイザの間に着脱自在に介装され、前記排ガスの顕熱と凝縮潜熱とを利用して前記給水を加熱する乾式・凝縮エコノマイザであり、前記凝縮エコノマイザを通って排出された前記給水が前記乾式・凝縮エコノマイザを通って前記乾式エコノマイザに導入されるように構成するとともに、前記乾式・凝縮エコノマイザの入口側から、該乾式・凝縮エコノマイザをバイパスしてその出口側に接続され前記給水が流通するバイパス管を配設する構成とすることが好ましい。
【0018】
このように、乾式エコノマイザと前記凝縮エコノマイザの間に乾式・凝縮エコノマイザを配置し、この乾式・凝縮エコノマイザで確実に凝縮が開始するように構成することで、乾式エコノマイザは常時乾燥状態に、凝縮エコノマイザは常時湿潤状態に維持され、これにより各エコノマイザにおける伝熱管の腐食や伝熱管へのスケール等の付着を抑制することができる。好適には、乾式エコノマイザから湿式エコノマイザに至るダクト上で、排ガスの凝縮開始点を含む乾湿混在領域を予め推定しておき、この乾湿混在領域に乾式・凝縮エコノマイザを配置する。なお、乾湿混在領域の推定方法としては、排ガス温度と給水温度とから算出したメタル温度に基づいて凝縮開始点が推定でき、この凝縮開始点と運転変動幅(負荷変動幅)とに基づいて乾湿混在領域を推定することができる。運転変動幅は、経験値(過去の実測データを含む)又は実験データ、あるいはシミュレーションから求められる。
【0019】
また、本構成では、乾式・凝縮エコノマイザの伝熱管は部分的に乾燥状態と湿潤状態を繰り返すこととなるが、この乾式・凝縮エコノマイザを着脱自在としているため、腐食やスケール付着等が発生した際には乾式・凝縮エコノマイザのみを取り外して補修や交換を行うことができる。さらに乾式・凝縮エコノマイザをバイパスして給水が流通するバイパス管を配設したため、乾式・凝縮エコノマイザに不具合が発生した場合には、一時的に乾式・凝縮エコノマイザを停止し、バイパス管を開放して給水を流通させることにより定常運転を続行することが可能である。
【0020】
さらにまた、前記排ガス温度変化手段が、前記乾式エコノマイザと前記凝縮エコノマイザの間に着脱自在に介装され、前記排ガスの顕熱と凝縮潜熱とを利用して前記給水を加熱する乾式・凝縮エコノマイザであり、前記乾式・凝縮エコノマイザに導入される給水は、前記乾式エコノマイザ及び前記凝縮エコノマイザに導入される給水とは独立した給水系統を流通するように構成し、且つ前記乾式・凝縮エコノマイザ入口の給水温度が水露点以下であることが好ましい。
【0021】
このように、乾式エコノマイザと凝縮エコノマイザの間に乾式・凝縮エコノマイザを配置することで、上記した作用効果と同様に、乾式エコノマイザは常時乾燥状態に、凝縮エコノマイザは常時湿潤状態に維持され、これにより各エコノマイザにおける伝熱管の腐食や伝熱管へのスケール等の付着を抑制することができる。また、本構成においても、排ガスの凝縮開始点を含む乾湿混在領域を予め推定しておき、この乾湿混在領域に乾式・凝縮エコノマイザを配置することが好適である。
さらに、乾式・凝縮エコノマイザの給水系統を独立して構成し、且つ乾式・凝縮エコノマイザ入口の給水温度を水露点以下とすることにより、乾式・凝縮エコノマイザ内で確実に凝縮を発生させることができる。
【発明の効果】
【0022】
以上記載のように本発明では、乾式エコノマイザと凝縮エコノマイザの間に排ガス温度変化手段を介装し、この排ガス温度変化手段により乾式エコノマイザ出口の排ガス温度が水露点以上となるように、若しくは凝縮エコノマイザ入口の排ガス温度が水露点以下となるように排ガス温度を変化させる構成としたため、乾式エコノマイザ若しくは凝縮エコノマイザにて乾湿を繰り返す伝熱管ができることを防止し、伝熱管の腐食や伝熱管へのスケール等の付着を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施形態が適用されるボイラの全体構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る排熱回収装置の構成図である。
【図3】本発明の第2実施形態に係る排熱回収装置の構成図である。
【図4】本発明の第3実施形態に係る排熱回収装置の構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但しこの実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
本発明の実施形態に係る排熱回収装置は、ボイラ、ディーゼルエンジン、ガスタービン、焼却炉、加熱炉などの燃焼機器で発生した排ガスから排熱を回収する装置である。
【0025】
まず最初に、図1を参照して、本発明の実施形態に係る排熱回収装置が適用されるボイラの構成を説明する。ボイラ1は、主に、バーナ3が設けられた燃焼室2と、燃焼ガスを用いて蒸気を生成する伝熱管4と、燃焼室2の出口から延設されたダクト5と、ダクト5上に配設された排熱回収装置10と、ダクト5に接続された煙突6とを備える。
ボイラ1の燃焼室2では、バーナ3から供給される燃料と燃焼空気を燃焼させて高温の燃焼ガスを生成する。燃焼ガスは伝熱管4で熱交換されて管内の水を加熱し、蒸気を発生させる。この過程で発生した排ガスは、燃焼室2の出口から延設されたダクト5を通って排熱回収装置10で余熱回収された後、煙突6より排出される。
【0026】
排熱回収装置10は、ダクト5上に直列に配置された複数の熱交換器を有する。この熱交換器として本実施形態では、排ガス流れ方向上流側から順に、少なくとも乾式エコノマイザ11と湿式エコノマイザ12とが設けられている。
乾式エコノマイザ11は、多段の伝熱管群から構成され、管内を流通する給水と管外を流通する排ガスとを熱交換し、排ガスの顕熱を利用して給水を加熱する熱交換器である。
凝縮エコノマイザ12は、多段の伝熱管群から構成され、管内を流通する給水と管外を流通する排ガスとを熱交換し、排ガスの凝縮潜熱を利用して給水を加熱する熱交換器である。
【0027】
これらのエコノマイザの第1の給水系統14として、ポンプ13から圧送される給水は、凝縮エコノマイザ12の排ガス流れ方向下流側から伝熱管内に導入され、該凝縮エコノマイザ12を通って排ガス流れ方向上流側から排出され、次いで乾式エコノマイザ11の排ガス流れ方向下流側から伝熱管内に導入され、該乾式エコノマイザ11を通って排ガス流れ方向上流側から排出される構成となっている。
【0028】
なお、図1には一例として、鉛直方向に延設されたダクト5の上方から下方に向けて排ガス流れが形成され、このダクト部位の上方に乾式エコノマイザ11を配置し、下方に凝縮エコノマイザ12を配置した構成について示したが、これに限定されるものではなく、下方から上方に向けて排ガス流れが形成されるダクト部位に各エコノマイザを配置してもよいし、水平方向に排ガス流れが形成されるダクト部位に各エコノマイザを配置してもよい。
【0029】
さらに、本実施形態では、乾式エコノマイザ11と凝縮エコノマイザ12の間に、排ガスの温度を変化させる排ガス温度変化手段を介装した構成となっている。
この排ガス温度変化手段は、乾式エコノマイザ出口11aの排ガス温度が水露点以上となるように排ガス温度を変化させる手段、若しくは凝縮エコノマイザ入口12aの排ガス温度が水露点以下となるように排ガス温度を変化させる手段である。
これにより、乾式エコノマイザ11若しくは凝縮エコノマイザ12にて乾湿を繰り返す伝熱管ができることを防止し、伝熱管の腐食や伝熱管へのスケール等の付着を抑制することが可能となる。
【0030】
具体的には、排ガス温度変化手段が、乾式エコノマイザ出口11aの排ガス温度が水露点以上となるように排ガス温度を変化させる手段である場合、乾式エコノマイザ11内で排ガス中の水分が凝縮することがなく、乾式エコノマイザ11のほぼ全ての伝熱管表面を常時乾燥状態に保つことができる。
一方、排ガス温度変化手段が、凝縮エコノマイザ入口12aの排ガス温度が水露点以下となるように排ガス温度を変化させる手段である場合、凝縮エコノマイザ12内で確実に凝縮が発生するようになり、凝縮エコノマイザ12のほぼ全ての伝熱管表面を常時湿潤状態に保つことができる。
【0031】
排ガス温度変化手段は、上記した前者と後者を兼ね備えた構成であってもよく、その場合は乾式エコノマイザ11を常時乾燥状態に、且つ凝縮エコノマイザ12を常時湿潤状態に、確実に維持することが可能となる。
なお、乾式エコノマイザ出口11aの排ガス温度とは、乾式エコノマイザ11の排ガス出口11a側の伝熱管メタル温度であることが好ましく、また凝縮エコノマイザ入口12aの排ガス温度とは、凝縮エコノマイザ12の排ガス入口12a側の伝熱管メタル温度であることが好ましい。これにより、伝熱管表面における凝縮発生の有無を適切に管理することが可能である。
次いで、以下の第1実施形態〜第3実施形態にて、排熱回収装置10の具体的構成を説明する。
【0032】
(第1実施形態)
図2は本発明の第1実施形態に係る排熱回収装置の構成図である。
第1実施形態に係る排熱回収装置10は、排ガスが流通するダクト5に配置された乾式エコノマイザ11と、その排ガス流れ方向下流側に配置された凝縮エコノマイザ12と、排ガス温度変化手段として、乾式エコノマイザ11と凝縮エコノマイザ12の間に介装された分岐ガス導入部20と、乾式エコノマイザ11の給水温度又は伝熱管メタル温度を検出する第1の温度検出手段23を有する。
【0033】
分岐ガス導入部20は、乾式エコノマイザ11の上流側から排ガスの一部を分岐させた分岐ガスが、該乾式エコノマイザ11をバイパスして乾式エコノマイザ11と凝縮エコノマイザ12の間に導入されるようになっている。具体的には、一端側が乾式エコノマイザ11の上流側のダクト5に接続され、他端側が乾式エコノマイザ11と凝縮エコノマイザ12の間のダクト5に接続された分岐管21を設け、さらに分岐ガス導入部20より導入される分岐ガス導入量を調整する分岐ガス量調整手段を設けている。
【0034】
分岐ガス量調整手段は、図2では一例として、分岐管21と乾式エコノマイザ11の上流側のダクト5との接続部に配置した三方弁22である。この三方弁22により、ダクト5から所定流量の排ガスが分岐し、分岐ガスとして分岐ガス導入部20より導入される。なお、分岐管21の弁配置はこれに限定されるものではなく、分岐管21上に配置した開閉弁としてもよい。
【0035】
第1の温度検出手段23は、乾式エコノマイザ11の給水入口温度又は乾式エコノマイザ11の排ガス出口側11aの伝熱管メタル温度を検出する。
そして、第1の温度検出手段23で検出された温度に基づいて、分岐ガス量調整手段により分岐ガス導入量を調整する。このとき、制御手段25を設けてもよい。この場合、制御手段25は、第1の温度検出手段23から入力された温度検出信号に基づいて三方弁22の開度を求め、この開度となるように三方弁22に開度制御信号を送信する。
なお、伝熱管メタル温度は、排ガス温度と給水温度との両方に依存するが、排ガスの伝熱係数は給水の伝熱係数に比べて極めて小さいため、伝熱管メタル温度は給水温度の影響を大きく受ける。よって、本実施形態では、伝熱管表面の凝縮発生の有無を給水温度で調整可能としている。
【0036】
ここで、上記した第1実施形態に係る排熱回収装置10の作用を説明する。
定常運転では、ダクト5を流通する排ガスはまず乾式エコノマイザ11に導入され、該乾式エコノマイザ11にて排ガスの顕熱を利用して給水を加熱する。乾式エコノマイザ11より排出された排ガスは、次いで凝縮エコノマイザ12に導入され、該凝縮エコノマイザ12にて主に排ガスの凝縮潜熱を利用して給水を加熱する。
【0037】
排熱回収装置10の運転中、常時又は断続的に、第1の温度検出手段23で乾式エコノマイザ11の給水入口温度又は乾式エコノマイザ11の排ガス出口側11aの伝熱管メタル温度を検出し、検出した温度に基づいて制御手段25により三方弁22を制御し、分岐ガス導入部20からの分岐ガス導入量を調整する。具体的には、第1の温度検出手段23で検出した温度が水露点以下となったら制御手段25により三方弁22を制御し、分岐ガス導入量を増加させる。
【0038】
このように第1実施形態によれば、乾式エコノマイザ上流側から排ガスの一部を分岐させて、この分岐ガスを乾式エコノマイザ11と凝縮エコノマイザ12の間に設けた分岐ガス導入部20より導入している。この分岐ガスは、乾式エコノマイザ11を通過しないため保有熱量が大きく、これを直接凝縮エコノマイザ12に供給することで凝縮エコノマイザ12での交換熱量を増加させ給水温度を上昇させる。したがって、分岐ガス導入量を調整することで乾式エコノマイザ11に流入する給水温度の調整、ひいては乾式エコノマイザ11の伝熱管メタル温度の調整が可能となる。
【0039】
そして、乾式エコノマイザ11の給水入口温度又は乾式エコノマイザの排ガス出口側の伝熱管メタル温度に基づいて分岐ガス導入量を調整することで、乾式エコノマイザ11の伝熱管表面温度を水露点以上に維持でき、これにより伝熱管表面を常時乾燥状態に保持し、乾式エコノマイザ11の伝熱管の腐食や伝熱管へのスケール等の付着を抑制することができる。
【0040】
また、第1実施形態では、凝縮エコノマイザ12の給水出口温度又は凝縮エコノマイザ12の排ガス入口側12aの伝熱管メタル温度を検出する第2の温度検出手段26と、凝縮エコノマイザ12の入口側12aに水分を供給する水分供給手段27とを有していることが好ましい。
水分供給手段27は、凝縮エコノマイザ12の入口側12aに水又は蒸気を噴霧する手段、若しくは凝縮エコノマイザ12に直接散水する手段を用いることができる。
これらの構成により、第2の温度検出手段26で検出された温度が水露点以上となったら、水分供給手段27により凝縮エコノマイザ12の入口側12aに水又は蒸気を噴霧するか、若しくは凝縮エコノマイザ11に直接散水する。制御手段25を有する場合は、第2の温度検出手段26から入力された温度検出信号に基づいて制御手段25により水分供給手段27を作動させる制御信号を送信する。
【0041】
このように、凝縮エコノマイザ12の給水出口温度又は凝縮エコノマイザ12の排ガス入口側12aの伝熱管メタル温度を検出し、検出温度が水露点以上となったら水分供給手段27により凝縮エコノマイザ12に水を供給することで、凝縮エコノマイザ12の伝熱管表面を湿潤状態にすることができる。具体的には、凝縮エコノマイザ12の入口側12aに水又は蒸気を噴霧することで、排ガスの湿度を上昇させ凝縮を促進させることができる。または、凝縮エコノマイザ12に直接散水することで伝熱管表面を強制的に湿潤させることができる。
【0042】
次に、上記した第1実施形態の応用例を説明する。以下に示す構成は、いずれも乾式エコノマイザ11内での凝縮発生を防止するものであり、既に説明した第1実施形態の構成と組み合わせて用いることが好ましい。
【0043】
第1の応用例として、分岐管21を途中からさらに分岐させた補助分岐管30を設け、この補助分岐管30の下流端を乾式エコノマイザ11の中段に接続する。分岐管21と補助分岐管30の接続部には三方弁31を設ける。そして、第1の温度検出手段23で検出した温度に基づいて三方弁31を制御し、補助分岐管30を通って乾式エコノマイザ11の中段に導入される分岐ガス導入量を調整する。具体的には、第1の温度検出手段23で検出した温度が水露点以下となったら、補助分岐管30が開放されるように三方弁31を制御し、補助分岐管30を介して分岐ガスを乾式エコノマイザ11の中段に導入する。
【0044】
このように、乾式エコノマイザ11の給水入口温度又は乾式エコノマイザ11の排ガス出口側11aの伝熱管メタル温度が水露点以下となったら、補助分岐管30を介して分岐ガスを乾式エコノマイザ11の中段に導入することによって乾式エコノマイザ11内の排ガス温度を上昇させ、これにより排ガス中の湿度を低下させて凝縮を抑制することが可能となる。
【0045】
第2の応用例として、分岐管21を途中からさらに分岐させた補助分岐管32を設け、この補助分岐管32の下流端を凝縮エコノマイザ12の下流側ダクトに接続する。分岐管21と補助分岐管32の接続部には三方弁33を設ける。そして、第1の温度検出手段23で検出した温度に基づいて三方弁33を制御し、補助分岐管32を通って凝縮エコノマイザ12の下流側に導入される分岐ガス導入量を調整する。具体的には、第1の温度検出手段23で検出した温度が水露点以下となったら、補助分岐管32を流通する分岐ガス量が低減するように三方弁33を制御し、乾式エコノマイザ11に導入される排ガス量を増加させる。これにより、乾式エコノマイザ11内の排ガス温度が上昇し、排ガス中の湿度が低下することにより排ガス中の水分の凝縮を抑制可能となる。
【0046】
なお、補助分岐管32は、白煙防止用に従来から用いられているものであってもよい。通常、排ガスは煙突6(図1参照)から大気中に放出されると、排ガス中の水蒸気が冷却されて白煙が生じてしまうため、大気放出された時に白煙が生じない温度まで排ガスを加温した後に放出している。加温には、排熱回収装置10より上流側の排ガスが用いられる。すなわち、乾式エコノマイザ11の上流側の排ガスを一部分岐させ、この分岐ガスを煙突の手前で合流させている。この補助分岐管32から分岐される分岐ガス量を低減することにより、乾式エコノマイザ11への排ガス導入量を増加させ、乾式エコノマイザ11内での水分凝縮を抑制する。
【0047】
(第2実施形態)
図3は本発明の第2実施形態に係る排熱回収装置の構成図である。
第2実施形態に係る排熱回収装置10は、排ガスが流通するダクト5に配置された乾式エコノマイザ11と、その排ガス流れ方向下流側に配置された凝縮エコノマイザ12と、排ガス温度変化手段として、乾式エコノマイザ11と凝縮エコノマイザ12の間に介装された乾式・凝縮エコノマイザ35を有する。
【0048】
乾式・凝縮エコノマイザ35は、排ガスの顕熱と凝縮潜熱とを利用して給水を加熱する熱交換器で、ダクト5に対して着脱自在に配設されている。
好適には、乾式エコノマイザ11から湿式エコノマイザ12に至るダクト5上で、排ガスの凝縮開始点を含む乾湿混在領域を予め推定しておき、この乾湿混在領域に乾式・凝縮エコノマイザ35を配置する。乾湿混在領域の推定方法としては、排ガス温度と給水温度とから算出したメタル温度に基づいて凝縮開始点が推定でき、この凝縮開始点とボイラの運転変動幅(負荷変動幅)とに基づいて乾湿混在領域を推定することができる。運転変動幅は、経験値(過去の実測データを含む)又は実験データ、あるいはシミュレーションから求められる。
【0049】
これらのエコノマイザ11、35、12の第1の給水系統14として、ポンプ13(図1参照)から圧送される給水は、凝縮エコノマイザ12の排ガス流れ方向下流側から伝熱管内に導入され、該凝縮エコノマイザ12を通って排ガス流れ方向上流側から排出され、次いで乾式・凝縮エコノマイザ35の排ガス流れ方向下流側から伝熱管内に導入され、該乾式・凝縮エコノマイザ35を通って排ガス流れ方向上流側から排出され、さらに乾式エコノマイザ11の排ガス流れ方向下流側から伝熱管内に導入され、該乾式エコノマイザ11を通って排ガス流れ方向上流側から排出される構成となっている。
【0050】
また第1の給水系統14は、乾式・凝縮エコノマイザ35の入口側から、該乾式・凝縮エコノマイザ35をバイパスしてその出口側に接続され、給水が流通するバイパス管36を有している。乾式・凝縮エコノマイザ35の入口側とバイパス管36の接続部には三方弁37が設けられている。
【0051】
ここで、上記した第2実施形態に係る排熱回収装置10の作用を説明する。
ダクト5を流通する排ガスはまず乾式エコノマイザ11に導入され、該乾式エコノマイザ11にて排ガスの顕熱を利用して給水を加熱する。乾式エコノマイザ11より排出された排ガスは、次いで乾式・凝縮エコノマイザ35に導入され、ここで排ガスの顕熱と凝縮潜熱を利用して給水を加熱する。乾式・凝縮エコノマイザ35では、確実に凝縮が発生するように、水分供給手段38により水分を供給してもよい。この水分供給手段38は、図2に示した水分供給手段27と同様の構成を有する。乾式・凝縮エコノマイザ35より排出された排ガスは、さらに凝縮エコノマイザ12に導入され、該凝縮エコノマイザ12にて主に排ガスの凝縮潜熱を利用して給水を加熱する。
【0052】
このように、乾式エコノマイザ11と凝縮エコノマイザ12の間に乾式・凝縮エコノマイザ35を配置し、この乾式・凝縮エコノマイザ35で確実に凝縮が開始するように構成することで、乾式エコノマイザ11は常時乾燥状態に、凝縮エコノマイザ12は常時湿潤状態に維持され、これにより各エコノマイザにおける伝熱管の腐食や伝熱管へのスケール等の付着を抑制することができる。
【0053】
また、上記した第2実施形態では、乾式・凝縮エコノマイザ35の伝熱管は部分的に乾燥状態と湿潤状態を繰り返すこととなるが、この乾式・凝縮エコノマイザ35を着脱自在としているため、腐食やスケール付着等が発生した際には乾式・凝縮エコノマイザ35のみを取り外して補修や交換を行うことができる。さらに乾式・凝縮エコノマイザ35をバイパスして給水が流通するバイパス管36を配設したため、乾式・凝縮エコノマイザ35に不具合が発生した場合には、三方弁37を制御してバイパス管36のみに給水が流通するようにし、一時的に乾式・凝縮エコノマイザ35を停止して定常運転を続行してもよい。そして、定期メンテナンス時に乾式・凝縮エコノマイザ35を補修、交換する。
【0054】
(第3実施形態)
図4は本発明の第3実施形態に係る排熱回収装置の構成図である。
第3実施形態に係る排熱回収装置10は、排ガスが流通するダクト5に配置された乾式エコノマイザ11と、その排ガス流れ方向下流側に配置された凝縮エコノマイザ12と、排ガス温度変化手段として、乾式エコノマイザ11と凝縮エコノマイザ12の間に介装された乾式・凝縮エコノマイザ40を有する。
【0055】
これらのエコノマイザの第1の給水系統14として、ポンプ13(図1参照)から圧送される給水は、凝縮エコノマイザ12の排ガス流れ方向下流側から伝熱管内に導入され、該凝縮エコノマイザ12を通って排ガス流れ方向上流側から排出され、次いで乾式エコノマイザ11の排ガス流れ方向下流側から伝熱管内に導入され、該乾式エコノマイザ11を通って排ガス流れ方向上流側から排出される構成となっている。
さらに、第1の給水系統14とは独立して設けられた第2の給水系統41として、乾式・凝縮エコノマイザ40の排ガス流れ方向下流側から伝熱管内に導入され、該乾式・凝縮エコノマイザ40を通って排ガス流れ方向上流側から排出される給水系統を有する。この第2の給水系統41には、乾式・凝縮エコノマイザ入口の給水温度が水露点以下となるような給水が供給される。
【0056】
このように、乾式エコノマイザ11と凝縮エコノマイザ12の間に乾式・凝縮エコノマイザ40を配置することで、第2実施形態に記載した作用効果と同様に、乾式エコノマイザ11は常時乾燥状態に、凝縮エコノマイザ12は常時湿潤状態に維持され、これにより各エコノマイザにおける伝熱管の腐食や伝熱管へのスケール等の付着を抑制することができる。
また、乾式・凝縮エコノマイザ40の給水系統を独立した第2の給水系統41として構成し、且つ乾式・凝縮エコノマイザ入口の給水温度を水露点以下とすることにより、乾式・凝縮エコノマイザ40内で確実に凝縮を発生させることができる。
【符号の説明】
【0057】
1 ボイラ
5 ダクト
10 排熱回収装置
11 乾式エコノマイザ
12 凝縮エコノマイザ
14 第1の給水系統
20 分岐ガス導入部
21 分岐管
22 三方弁
23 第1の温度検出手段
25 制御手段
26 第2の温度検出手段
27 水分供給手段
30、32 補助分岐管
31、33 三方弁
35 乾式・凝縮エコノマイザ
37 三方弁
38 水分供給手段
40 乾式・凝縮エコノマイザ
41 第2の給水系統

【特許請求の範囲】
【請求項1】
排ガスが流通するダクトに、前記排ガスの顕熱を利用して給水を加熱する乾式エコノマイザと、前記乾式エコノマイザより排ガス流れ方向下流側に配置され前記排ガスの凝縮潜熱を利用して給水を加熱する凝縮エコノマイザとが設けられ、前記給水が前記凝縮エコノマイザを通って前記乾式エコノマイザに導入するように構成された排熱回収装置において、
前記乾式エコノマイザと前記凝縮エコノマイザの間に、前記排ガスの温度を変化させる排ガス温度変化手段を介装し、
前記排ガス温度変化手段は、前記乾式エコノマイザ出口の排ガス温度が水露点以上となるように排ガス温度を変化させる手段、若しくは前記凝縮エコノマイザ入口の排ガス温度が水露点以下となるように排ガス温度を変化させる手段であることを特徴とする排熱回収装置。
【請求項2】
前記排ガス温度変化手段が、前記乾式エコノマイザの上流側から前記排ガスの一部を分岐させた分岐ガスを前記乾式エコノマイザと前記凝縮エコノマイザの間に導入する分岐ガス導入部であり、
前記乾式エコノマイザの給水入口温度又は前記乾式エコノマイザの排ガス出口側の伝熱管メタル温度を検出する第1の温度検出手段と、前記第1の温度検出手段で検出した温度に基づいて前記分岐ガス導入部から前記ダクト内に導入する分岐ガス導入量を調整する分岐ガス量調整手段とをさらに備え、
前記第1の温度検出手段で検出された温度が水露点以下となったら前記分岐ガス量調整手段により前記分岐ガス導入量を増加させることを特徴とする請求項1に記載の排熱回収装置。
【請求項3】
前記凝縮エコノマイザの給水出口温度又は前記凝縮エコノマイザの排ガス入口側の伝熱管メタル温度を検出する第2の温度検出手段と、前記凝縮エコノマイザの入口側に水分を供給する水分供給手段とをさらに備え、
前記第2の温度検出手段で検出された温度が水露点以上となったら前記水分供給手段により前記凝縮エコノマイザの入口側に水又は蒸気を噴霧するか、若しくは前記凝縮エコノマイザに直接散水することを特徴とする請求項2に記載の排熱回収装置。
【請求項4】
前記排ガス温度変化手段が、前記乾式エコノマイザと前記凝縮エコノマイザの間に着脱自在に介装され、前記排ガスの顕熱と凝縮潜熱とを利用して前記給水を加熱する乾式・凝縮エコノマイザであり、
前記凝縮エコノマイザを通って排出された前記給水が前記乾式・凝縮エコノマイザを通って前記乾式エコノマイザに導入されるように構成するとともに、前記乾式・凝縮エコノマイザの入口側から、該乾式・凝縮エコノマイザをバイパスしてその出口側に接続され前記給水が流通するバイパス管を配設したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の排熱回収装置。
【請求項5】
前記排ガス温度変化手段が、前記乾式エコノマイザと前記凝縮エコノマイザの間に着脱自在に介装され、前記排ガスの顕熱と凝縮潜熱とを利用して前記給水を加熱する乾式・凝縮エコノマイザであり、
前記乾式・凝縮エコノマイザに導入される給水は、前記乾式エコノマイザ及び前記凝縮エコノマイザに導入される給水とは独立した給水系統を流通するように構成し、且つ前記乾式・凝縮エコノマイザ入口の給水温度が水露点以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の排熱回収装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2012−57860(P2012−57860A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−201537(P2010−201537)
【出願日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)