説明

採光調節装置

【課題】室内景観や室内装飾を損なうことなく、斬新さや面白みを具備する。
【解決手段】縦長状の複数の帯布1,2と、横長状の複数の回転板3,4とを備え、帯布1,2がその上端及び下端を最上段及び最下段の回転板3’,3’’に取り付けられて横方向に隣合って垂れ、その他の回転板3,4が帯布1,2に対して網組状に差し込まれ縦方向に隣合って配され、最上段の回転板3’が横方向を中心に回転軸7に対して回転可能に支持されており、最上段の回転板3’を反転することにより、各帯布1,2が上下方へ移動し、他の回転板3,4が反転しながら、採光状態と遮光状態とが切り替わる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、建物等の窓に配されて、室内の採光を調節するための装置に関し、特に、斬新さや面白みを増した採光調節装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建物等の窓に配されて、室内の採光を調節するための一般的な手段として、カーテンがある。周知のように、カーテンは、厚地カーテンとレースカーテンを重ねて吊り下げてなる。そして、レースカーテンで窓を覆った状態にして、遮光時には厚地カーテンを閉じて窓を覆い、採光時には厚地カーテンを畳んで収納する。従って、採光時に厚地カーテンを畳むことによって生じる襞溜まりが、室内景観を損なうことがある。
【0003】
又、採光を調節する手段としてブラインドがある(例えば、特許文献1参照)。ブラインドは、開閉可能な複数の遮蔽板を配列してなる。採光時には、遮蔽板を開状態にするので、開いた部分から室内の様子を観られることがある。又、アルミ製等の遮蔽板を平行に配列したものが多いので、室内装飾としての美観に欠ける。
カーテンやブラインドは、上記したような装飾品としての欠点がある。更に、これらは非常に古くから提供されているので、ユーザーは、新しい機能やスタイルの採光調節装置の提案を待ち望んでいる。
【特許文献1】特開2005−282071号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで本発明が解決しようとする課題は、上記した諸事情に鑑み、室内景観や室内装飾を損なうことなく、斬新さや面白みを付加した採光調節装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る採光調節装置は、縦長状の複数の帯布と、横長状の複数の回転板とを備え、帯布がその上端及び下端を最上段及び最下段の回転板に取り付けられて横方向に隣合って垂れ、その他の回転板が帯布に対して網組状に差し込まれ縦方向に隣合って配され、最上段の回転板が横方向を中心に回転軸に対して回転可能に支持されており、回転板が光を遮る遮光部分と光を通す採光部分とを有し、帯布も遮光部分と採光部分とを有しており、帯布の遮光部分が回転板の遮光部分に重なると共に、帯布の採光部分が回転板の採光部分に重なる採光状態と、帯布の遮光部分が回転板の採光部分に重なると共に、帯布の採光部分が回転板の遮光部分に重なる遮光状態と、を切り替え可能であって、最上段の回転板を一方向及び他方向に反転することにより、各帯布が上下方へ移動し、他の回転板が反転しながら、採光状態と遮光状態とが切り替わるよう構成されている。
【0006】
又、本発明に係る採光調節装置は、縦長状の複数の帯布と、横長状の複数の回転板とを備え、帯布がその上端及び下端を最上段及び最下段の回転板に取り付けられて横方向に隣合って垂れ、その他の回転板が帯布に対して網組状に差し込まれ縦方向に隣合って配され、最上段の回転板が横方向を中心に回転軸に対して回転可能に支持されており、回転板が光を遮る遮光部分と光を通す採光部分とを有し、この遮光部分と採光部分とが帯布によって区画される部分毎に横方向及び縦方向に夫々交互に設けられ、更に、帯布も遮光部分と採光部分とを有し、この遮光部分と採光部分とが回転板によって区画される部分毎に横方向及び縦方向に夫々交互に設けられており、第一の帯布が、その上端を最上段の回転板の裏面に取り付けられると共に、この回転板の上方から表面に巻き込んで垂れており、第一の帯布に隣接する第二の帯布が、その上端を最上段の回転板の表面に取り付けられると共に、この回転板の上方から裏面に巻き込んで垂れており、帯布の遮光部分が回転板の遮光部分に重なり、帯布の採光部分が回転板の採光部分に重なる採光状態と、帯布の遮光部分が回転板の採光部分に重なり、帯布の採光部分が回転板の遮光部分に重なる遮光状態と、を切り替え可能であって、採光状態から、最上段の回転板を一方向に反転することにより、第一の帯布が上方へ移動し、第二の帯布が下方へ移動すると共に、他の回転板が反転しながら、遮光状態に切り替わり、遮光状態から、最上段の回転板を他方向に反転することにより、第一の帯布が下方へ移動し、第二の帯布が上方へ移動すると共に、他の回転板が反転しながら、採光状態に切り替わるよう構成されている。
【0007】
好ましくは、回転板は採光部分が透明部分又は開口部分である。遮光状態において、全ての遮光部分によって全体として統一された模様を表現するように構成されている。
【0008】
更に好ましくは、回転板の全部又は一部が、帯布の横ずれを防止するための手段を備えている。
【0009】
更に好ましくは、採光調節装置において、回転板を畳むための手段を備えている。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る採光調節装置は、上記のように構成されて、従来のカーテンやブラインド等にないカラクリ的な要素が付加されており、斬新さや面白みを具備することにより、需要の喚起を著しく増大させることができる。特に、回転板が反転しながら遮光と採光とが切り替えられ、看者に対して意外性を与えることができる。更に、この採光調節装置によれば、カーテンのような室内景観を損なうことがなく、又ブラインドのように室内装飾としての欠点もない。
【0011】
更に、この採光調節装置によれば、採光状態と遮光状態とが略同じ形状であるので、カーテンのように目障りな襞溜りが生じたり、ベネシャンブラインドのように遮蔽板の回転角度に応じた寸法変化による余分な占有スペースが不要であるので、特に間仕切りとして使用した際に、室内空間にすっきりと納まりがよいという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、添付図面に基づいて、本発明に係る採光調節装置の一実施形態について詳細に説明する。
【0013】
図1は、採光状態における採光調節装置の表面側を示す正面図である。図2は、図1の一部を破断した状態を示す側面図である。図1の如く、本発明に係る採光調節装置は、建物等の小窓Wに設けられている。本実施形態の採光調節装置は、5つの縦長状の帯布1,2と、7つの横長状の回転板3,4とを備えている。帯布1,2及び回転板3,4の数は、窓Wの大きさ等に応じて増減する。最上段の回転板3’は、長手方向を中心として回転可能なように、両側に回転軸7,7を備えている。
【0014】
図1及び図2に示すように、採光調節装置は、支持ボックス72を有している。支持ボックス72は、窓枠Waの上部に取り付けられている。図2の如く、支持ボックス72は、断面が逆L字状の部材である。図1の如く、支持ボックス71は、一方の側壁に軸受70を備えており、他方の側壁にプーリー71を備えている。プーリー71には、操作チェーン71aが設けられている。この操作チェーン71aを操作することにより、プーリー71が回転するように構成されている。そして、一方の回転軸7は軸受70に回転支持され、他方の回転軸7はプーリー71に固定支持されている。後述するように、採光調節装置は、プーリー71を介して、回転軸7,7を中心に最上段の回転板3’を反転することにより、採光状態と遮光状態とを切り替え可能になっている。
【0015】
図1の左端に第一の帯布1が配置されており、その右隣に第二の帯布2が配置されている。この第二の帯布2の右隣に第一の帯布1が配置され、その右隣に第二の帯布2が配置されている。そして、図1の右端に第一の帯布1が配置されている。即ち、第一の帯布1と第二の帯布2とが順列的に交互に配置されている。
【0016】
各帯布1,2は、それぞれ略同じ構造である。各帯布1,2の基地は、採光可能なレース地である。更に、各帯布1,2は、長手方向(縦方向)に7つに区画され、この各区画部分の一つ置きに模様等が付された遮光性の布が取り付けられている。これにより、各帯布1,2は、各区画部分ごとに、光を遮る遮光部分1a,2aと光を通す採光部分1b,2bとが順列的に交互に設けられる。各帯布1,2における遮光部分1a,2aと採光部分1b,2bとの区画部分は、各回転板3,4の縦幅(高さ)で区画されている。尚、帯布1,2は、可撓性のあるリボンテープや細長の紐状等であってもよく、特に、繊維密度や組織等によって遮光部分と採光部分を区分しやすい織編物であるのが好ましい。
【0017】
そして、第一の帯布1及び第二の帯布2は、遮光部分1a,2aと採光部分1b,2bとが横方向及び縦方向にそれぞれ交互に配置されている。即ち、図1の如く、各帯布1,2は、長手方向(縦方向)に遮光部分1a,2aと採光部分1b,2bとが順列的に交互に設けられている。更に、第一の帯布1における遮光部分1aの横(左右隣)に、第二の帯布2における採光部分2bが配置され、第一の帯布1における採光部分1bの横(左右隣)に、第二の帯布2における遮光部分2aが配置されている。
【0018】
図1において、最上段に第一の回転板3’が配置されており、その下に第二の回転板4が配置されている。この回転板4の下に第一の回転板3が配置され、その下に第二の回転板4が配置されている。そして、図1の最下段に第一の回転板3’’が配置されている。即ち、第一の回転板3と第二の回転板3とが順列的に交互に配置されている。
【0019】
各回転板3,4は、それぞれ略同じ構造である。各回転板3,4の基板は、採光可能な透明なプラスチック板等(採光性板)である。更に、各回転板3,4は、長手方向(横方向)に5つに区画され、各区画部分の一つ置きに模様が付された遮光性の布(遮光性の板等でもよい)が取り付けられている。これにより、各回転板3,4は、各区画区分ごとに、光を遮る遮光部分3a,4aと光を通す採光部分3b,4bとが順列的に交互に設けられる。各回転板3,4における遮光部分3a,4aと採光部分3b,4bとの区画部分は、各帯布1,2の横幅(短長)で区画されている。
【0020】
尚、上記のように、本実施形態では、各回転板3,4は、遮光布を取り付けて遮光部分3a,4aを構成し、透明プラスチック基板で採光部分3b,4bを構成しているが、遮光性板(例えば、模様が付されたプラスチック板や金属板等)を基板として遮光部分3a,4aを構成し、窓部(貫通部)を設けることにより採光部分3b,4bを構成してもよい。
【0021】
そして、第一の回転板3及び第二の回転板4は、遮光部分3a,4aと採光部分3b,4bとが横方向及び縦方向にそれぞれ交互に配置されている。即ち、図1の如く、各回転板3,4は、長手方向(横方向)に遮光部分3a,4aと採光部分3b,4bとが順列的に交互に設けられている。更に、第一の回転板3における遮光部分3aの上下(縦隣)に、第二の回転板4における採光部分4bが配置され、第一の回転板4における採光部分4bの上下(縦隣)に、第一の回転板3における遮光部分3aが配置されている。
【0022】
図3は、採光調節装置の組み立て工程を説明するための正面図である。図4は、採光状態における採光調節装置を示し、(a)は図1に示すI−I線断面図、(b)は図1に示すII−II線断面図である。尚、図4において、各回転板3,4同士の間隔、及び各帯布1,2と各回転板3,4との間隔は理解しやすいように大きく描かれているが、実際の実施形態ではそれぞれ1,2,3,4の間隔は狭く、互いに近接している。
【0023】
図3の如く、採光調節装置において、各帯布1,2は、その上端が最上段の回転板3’に取り付けられ、その下端が最下段の回転板3’’に取り付けられており、横方向に隣合って垂れている。そして、採光調節装置は、各回転板3,4が各帯布1,2に対して編み組み状に差し込まれて位置固定されている。
【0024】
図4(a)の如く、第一の帯布1は、その上端10を最上段にある第一の回転板3’の裏面31に取り付けられている。そして、第一の帯布1は、最上段の回転板3’の上方から表面30に巻き込んで垂れている。各回転板3,4は各帯布1,2に対して網組状に差し込まれているので、第一の帯布1は、第一の回転板3の表面側30と、第二の回転板4の裏面側41と、に配置されている。そして、第一の帯布1は、その下端11を最下段にある第一の回転板3’’の裏面31に取り付けられている。
【0025】
図4(b)の如く、第二の帯布2は、その上端20を最上段にある第一の回転板3’の表面30に取り付けられている。そして、第二の帯布2は、最上段の回転板3’の上方から裏面31に巻き込んで垂れている。各回転板3,4は各帯布1,2に対して網組状に差し込まれているので、第二の帯布2は、第一の回転板3の裏面側31と、第二の回転板4の表面側40と、に配置されている。そして、第二の帯布2は、その下端21を最下段にある第一の回転板3’’の表面30に取り付けられている。
【0026】
図1及び図4は、採光調節装置における採光状態を示す。図1及び図4(a)の如く、第一の帯布1における採光部分1bが、第一の回転板3における採光部分3bに位置している。そして、第一の帯布1における遮光部分1aが、第二の回転板4における遮光部分4aに位置している。図1及び図4(b)の如く、第二の帯布2における遮光部分2aが、第一の回転板3における遮光部分3aに位置している。そして、第二の帯布2における採光部分2bが、第二の回転板4における採光部分4bに位置している。
【0027】
即ち、各帯布1,2における遮光部分1a,2aが、各回転板3,4における遮光部分3a,4aに重なり、各帯布における採光部分1b,2bが、各回転板3,4における採光部分3b,4bに重なることにより、それぞれの採光部分1b乃至4bから光を通すことができる。図1では、各遮光部分1a,4a及び2a,3aが重なる部分を左右斜線のハッチング線で示し、各採光部分1b,3b及び2b,4bが重なる部分をハッチング線無し(無模様)で示している。
【0028】
次に、採光調節装置における遮光状態について説明する。図5は、遮光状態における採光調節装置の表面側を示す正面図である。図6は、遮光状態における採光調節装置を示し、(a)は図3に示すIII−III線断面図、(b)は図3に示すIV−IV線断面図である。
【0029】
回転軸7,7を介して、最上段の回転板3’を一方向(図1に示す矢印方向7a)に反転する。これにより、採光調節装置は、採光状態から、図5及び図6の遮光状態に切り替わる。この切り替わり状態に関する詳細説明は、図7及び図8に基づき後述する。
【0030】
図5及び図6(a)の如く、第一の帯布1における採光部分1bが、第二の回転板4における遮光部分4aに位置している。そして、第一の帯布1における遮光部分1aが、第一の回転板3における採光部分3bに位置している。図5及び図6(b)の如く、第二の帯布2における遮光部分2aが、第二の回転板4における採光部分4bに位置している。そして、第二の帯布2における採光部分2bが、第一の回転板3における遮光部分3aに位置している。
【0031】
即ち、各帯布1,2における遮光部分1a,2aが各回転板3,4における採光部分3b,4bに重なり、各帯布における採光部分1b,2bが各回転板3,4における遮光部分3a,4aに重なることにより、光を遮断することができる。図5では、各帯布1,2の遮光部分1a,2aが重なる部分を右上向きのハッチング線で示し、各回転板3,4の遮光部分3a,4aが重なる部分を左上向きのハッチング線で示している。
【0032】
そして、採光調節装置は、この遮光状態から、回転軸7,7を介して最上段の回転板3’を他方向(図5に示す矢印方向7b)に反転して戻すことにより、図1及び図4の採光状態に切り替わる。
【0033】
図5における遮光状態において、帯布1,2及び回転板3,4における全ての遮光部分1a,2a,3a,4aによって、全体として統一された模様(例えば、著名な絵画や統一したモチーフの模様など)を表現するように構成されていてもよい。
【0034】
次に、採光調節装置における採光状態から遮光状態に切り替わる状態について説明する。図7は、I−I線断面(図1)からIII−III線断面(図5)に切り替わる動作を示す断面図である。
【0035】
図7(a)では、第一の回転板3における採光部分3bが、第一の帯布1における採光部分1bに重なっており、第二の回転板4における遮光部分4aが、第一の帯布1における採光部分1aに重なり、採光状態になっている。前述したように、操作チェーン71aを操作して、プーリー71を介して、回転軸7を矢印方向7aに反転する(図1及び図7)。これによって、図7(a)及び(b)の如く、最上段の回転板3’が矢印方向7aに反転する。これにより、図7(b)の如く、すぐ下の回転板4が押されて自重により下方に回転する。更に、第一の帯布1は、回転板3’に巻き込まれるので、回転板3’の縦幅(高さ)分だけ上方に移動する。尚、最上段の回転板3’は、回転軸7,7によって軸支され上下方向(高さ方向)に移動しないので、残りの各回転板3,4も上下方向(高さ方向)には移動しない。
【0036】
そして、図7(c)の如く、上記の回転板4が反転する。これにより、図7(d)の如く、すぐ下の回転板3が押されて自重により下方に回転する。そして、図7(e)の如く、この回転板3が反転する。これにより、図7(f)の如く、すぐ下の回転板3が押されて自重により下方に回転する。このようにして、図7(g)の如く、残りの回転板3,4も全て反転する。これにより、第一の回転板3における採光部分3bが、第一の帯布1における遮光部分1aに重なって、第二の回転板4における遮光部分4aが、第一の帯布1における採光部分1bに重なって、遮光状態になる。
【0037】
図8は、II−II線断面(図1)からIV−IV線断面(図5)に切り替わる動作を示す断面図である。
【0038】
図8(a)では、第一の回転板3における遮光部分3aが、第二の帯布2における遮光部分2aに重なっており、第二の回転板4における採光部分4bが、第二の帯布2における採光部分2bに重なり、採光状態になっている。図8(a)及び(b)の如く、最上段の回転板3’を矢印方向7aに反転する。これにより、図8(b)の如く、すぐ下の回転板4が押されて自重により下方に回転する。更に、第二の帯布2は、回転板3’に巻き込まれていた分が開放されて回転板3’の縦幅(高さ)分だけ下方に移動する。尚、最上段の回転板3’は回転軸7,7によって軸支され上下方向に移動しない。
【0039】
そして、図8(c)の如く、上記の回転板4が反転する。これにより、図8(d)の如く、すぐ下の回転板3が押されて自重により下方に回転する。そして、図8(e)の如く、この回転板3が反転する。これにより、図8(f)の如く、すぐ下の回転板3が押されて自重により下方に回転する。このようにして、図8(g)の如く、残りの回転板3,4も全て反転する。これにより、第一の回転板3における遮光部分3aが第二の帯布2における採光部分2bに重なり、第二の回転板4における採光部分4bが、第二の帯布2における遮光部分2aに重なって、遮光状態になる。
【0040】
図1及び図5に示すように、各回転板3,4は、両側に小孔9a,9aが設けられている。そして、採光調節装置は、窓Wを開閉する際等に、各回転板3,4を上方で重ねて畳むための畳み紐9を備えている。畳み紐9は、両端が最下段の回転板3’’に取り付けられており、各回転板3,4の表面側と裏面側に千鳥状になるように、各回転板3,4の小孔9a,9aを通じている。そして、畳み紐9は、支持ボックス72の上壁に沿い、支持ボックス72のプーリー71側の側壁を貫通して垂れて、その垂れた部分にハンドル部90が取り付けられている。
【0041】
そして、畳む際には、ハンドル部90を下方へ引っ張ることにより、畳み紐9が引っ張られ、各回転板3,4が最上段の回転板3’に重ねられて畳まれる。畳み紐9を引っ張った状態で固定することにより、上部に畳まれた各回転板3,4が、支持ボックス72内に配されて、支持ボックス72の前壁によって隠され、すっきりと収納される。
【0042】
尚、各回転板3,4を畳むための手段としては、通常のロールスクリーンやベネシャンブラインド等に用いられている、回転軸にプーリーを取り付けてボールチェーンや操作コードで畳み上げる方式や、電動モータを駆動させて巻取りドラムで畳み上げる方式などであってもよい。
【0043】
図9は、帯布の横ずれ防止手段を説明するための斜視図である。図9に示すように、採光調節装置は、各回転板3,4の全部又は一部に横ずれ防止手段8を備えている。横ずれ防止手段8は、各帯布1,2の横幅に合わせて等間隔に設けられており、回転板3,4の少なくとも一方面から突出し、この突出により各帯布1,2の横移動を防止する。
【0044】
尚、上記した実施形態の採光調節装置では、回転板3,4及び帯布1,2は、遮光部分3a,4a及び1a,2aと採光部分3b,4b及び1b,2bとが横方向及び縦方向に夫々交互に設けられているが、これに限らず、例えば、横方向に対しては、遮光部分、遮光部分、採光部分、採光部分、遮光部分、遮光部分、・・・というように配されていてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明に係る採光調節装置は、建物等の窓に配して室内への採光を調節したり、天井から吊り下げることにより間仕切りとして使用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】採光状態における採光調節装置の表面側を示す正面図である。
【図2】図2は、図1の一部を破断した状態を示す側面図である。
【図3】採光調節装置の組み立て工程を説明するための正面図である。
【図4】採光状態における採光調節装置を示し、(a)は図1に示すI−I線断面図、(b)は図1に示すII−II線断面図である。
【図5】遮光状態における採光調節装置の表面側を示す正面図である。
【図6】遮光状態における採光調節装置を示し、(a)は図3に示すIII−III線断面図、(b)は図3に示すIV−IV線断面図である。
【図7】I−I線断面(図1)からIII−III線断面(図5)に切り替わる動作を示す断面図である。
【図8】II−II線断面(図1)からIV−IV線断面(図5)に切り替わる動作を示す断面図である。
【図9】帯布の横ずれ防止手段を説明するための斜視図である。
【符号の説明】
【0047】
1 第一の帯布
2 第二の帯布
1a 第一の帯布における遮光部分
1b 第一の帯布における採光部分
2a 第二の帯布における遮光部分
2b 第二の帯布における採光部分
10 第一の帯布における上端
20 第一の帯布における上端
3 第一の回転板
4 第二の回転板
3a 第一の回転板における遮光部分
3b 第一の回転板における採光部分
4a 第二の回転板における遮光部分
4b 第二の回転板における採光部分
3’ 最上段の回転板
3’’ 最下段の回転板
30 第一の回転板における表面
31 第一の回転板における裏面
7 回転軸
7a 一方向(回転板の反転方向)
7b 他方向(回転板の反転方向)
8 横ずれ防止手段
9 畳み紐

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縦長状の複数の帯布(1,2)と、横長状の複数の回転板(3,4)とを備え、前記帯布(1,2)がその上端(10,20)及び下端(11,21)を最上段及び最下段の前記回転板(3’,3’’)に取り付けられて横方向に隣合って垂れ、その他の前記回転板(3,4)が前記帯布(1,2)に対して網組状に差し込まれ縦方向に隣合って配され、前記最上段の回転板(3’)が横方向を中心に回転軸(7)に対して回転可能に支持されており、
前記回転板(3,4)が光を遮る遮光部分(3a,4a)と光を通す採光部分(3b,4b)とを有し、前記帯布(1,2)も遮光部分(1a,2a)と採光部分(1b,2b)とを有しており、
前記帯布(1,2)の遮光部分(1a,2a)が前記回転板(3,4)の遮光部分(3a,4a)に重なると共に、前記帯布(1,2)の採光部分(1b,2b)が前記回転板(3,4)の採光部分(3b,4b)に重なる採光状態と、
前記帯布(1,2)の遮光部分(1a,2a)が前記回転板(3,4)の採光部分(3b,4b)に重なると共に、前記帯布(1,2)の採光部分(1b,2b)が前記回転板(3,4)の遮光部分(3a,4a)に重なる遮光状態と、を切り替え可能であって、
前記最上段の回転板(3’)を一方向(7a)及び他方向(7b)に反転することにより、前記各帯布(1,2)が上下方へ移動し、他の前記回転板(3,4)が反転しながら、前記採光状態と前記遮光状態とが切り替わることを特徴とする採光調節装置。
【請求項2】
縦長状の複数の帯布(1,2)と、横長状の複数の回転板(3,4)とを備え、前記帯布(1,2)がその上端(10,20)及び下端(11,21)を最上段及び最下段の前記回転板(3’,3’’)に取り付けられて横方向に隣合って垂れ、その他の前記回転板(3,4)が前記帯布(1,2)に対して網組状に差し込まれ縦方向に隣合って配され、前記最上段の回転板(3’)が横方向を中心に回転軸(7)に対して回転可能に支持されており、
前記回転板(3,4)が光を遮る遮光部分(3a,4a)と光を通す採光部分(3b,4b)とを有し、この遮光部分(3a,4a)と採光部分(3b,4b)とが前記帯布(1,2)によって区画される部分毎に横方向及び縦方向に夫々交互に設けられ、更に、前記帯布(1,2)も遮光部分(1a,2a)と採光部分(1b,2b)とを有し、この遮光部分(1a,2a)と採光部分(1b,2b)とが前記回転板(3,4)によって区画される部分毎に横方向及び縦方向に夫々交互に設けられており、
第一の前記帯布(1)が、その上端(10)を前記最上段の回転板(3’)の裏面(31)に取り付けられると共に、この回転板(3’)の上方から表面(30)に巻き込んで垂れており、前記第一の帯布(1)に隣接する第二の前記帯布(2)が、その上端(20)を前記最上段の回転板(3’)の表面(30)に取り付けられると共に、この回転板(3’)の上方から裏面(31)に巻き込んで垂れており、
前記帯布(1,2)の遮光部分(1a,2a)が前記回転板(3,4)の遮光部分(3a,4a)に重なり、前記帯布(1,2)の採光部分(1b,2b)が前記回転板(3,4)の採光部分(3b,4b)に重なる採光状態と、
前記帯布(1,2)の遮光部分(1a,2a)が前記回転板(3,4)の採光部分(3b,4b)に重なり、前記帯布(1,2)の採光部分(1b,2b)が前記回転板(3,4)の遮光部分(3a,4a)に重なる遮光状態と、を切り替え可能であって、
前記採光状態から、前記最上段の回転板(3’)を一方向(7a)に反転することにより、前記第一の帯布(1)が上方へ移動し、前記第二の帯布(2)が下方へ移動すると共に、他の前記回転板(3,4)が反転しながら、前記遮光状態に切り替わり、
前記遮光状態から、前記最上段の回転板(3’)を他方向(7b)に反転することにより、前記第一の帯布(1)が下方へ移動し、前記第二の帯布(2)が上方へ移動すると共に、他の前記回転板(3,4)が反転しながら、前記採光状態に切り替わることを特徴とする採光調節装置。
【請求項3】
前記回転板(3,4)は、採光部分(3b,4b)が透明部分又は開口部分であることを特徴とする請求項1又は2に記載の採光調節装置。
【請求項4】
前記遮光状態において、全ての前記遮光部分(1a,2a,3a,4a)によって、全体として統一された模様を表現するように構成されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載の採光調節装置。
【請求項5】
前記回転板(3,4)の全部又は一部が、前記帯布(1,2)の横ずれを防止するための手段(8)を備えていることを特徴とする請求項1乃至4に記載の採光調節装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の採光調節装置において、前記回転板(3,4)を畳むための手段(9)を備えていることを特徴とする採光調節装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−7948(P2008−7948A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−176365(P2006−176365)
【出願日】平成18年6月27日(2006.6.27)
【出願人】(000148151)株式会社川島織物セルコン (104)