説明

採尿バッグ用カバー

【課題】
軽量で簡単に使用出来る採尿バッグ用カバーを開発する事
【解決手段】
採尿バッグ(4)の周りに軽く丸めて断面円又は楕円形状の筒状になし得る片ダンと称せられる片面のみ突起部(2)を有する1枚の段ボール紙(1)又は(7)から成り、これを上記円筒状になした時に、その表面と後面の夫々の上端部の間に採尿バッグ(4)の上縁に吊り掛ける事の出来る吊り具(9)を少なくとも1個設けたものを採尿バッグ用カバーとして用いる事

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】

本発明は、採尿バッグを被覆する為のカバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】

病院等の医療機関に於いて使用される採尿バッグは、通常所定量の尿を採取してこれを収容する採尿バッグ本体、このバッグ本体に接続している尿導入管、尿を排出する為の尿排出管、このバッグ本体を所定の位置に係止する為の係止ベルトから成っている。そしてバッグ本体は、この採尿した尿が外部から見える様に透明な材質の部材から作られている。
【0003】
従って病院内に於いては、周囲の患者やその介護人、見舞客等の目に留まり、これ等第三者にあまり良い印象を与えない。また患者が採尿バッグを携帯して移動したり、リハビリテーションの為の散歩をする時等にも、周囲の第三者に不快感を与える恐れがあり、また患者自身が上記移動や散歩を積極的に行わなく成る可能性も大きい。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従って、本発明は採尿バッグを人目につかない様に被覆し、他の患者や見舞客等の第三者の人目につかない様にし、且つ患者自身も躊躇する事無く、気軽に携帯出来る様にする事が出来る採尿バッグ用カバーを提供する事である。
【0005】
しかもこのカバーについても、そのカバーの装着が簡単に自分でも出来る事が、患者にとって極めて便利であり、本発明に於いてもこの点も課題の1つと成っている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この課題は、以下の手段を採用する事により解決される。即ち採尿バッグ(4)の周りに軽く丸めて断面円又は楕円形状の筒状になし得る片ダンと称せられる片面のみ突起部(2)を有する1枚の段ボール紙(7)から成り、これを上記筒状になした時に、その表面と後面の夫々の上端部の間に採尿バッグ(4)の上縁に吊り掛ける事の出来る吊り具(9)を少なくとも1個設けたものを採尿バッグ用カバーとして用いる事に依って解決される。
【0007】
また本発明に於いては、筒状の表面の両側端部(8)を係止する為の係止部(10)を少なくとも1個望ましくは2個以上設けて、上記側端部(8)を係止する事も出来る。

【発明の効果】
【0008】
本発明に依れば、極めて軽量な片ダン段ボール紙を、現場で軽く丸めるだけで、採尿バッグの周囲を被覆する事が出来、しかもこれを固定する際にも採尿バッグの上縁部に簡単な吊り具(代表的には、片ダン段ボールの短冊紙)で吊り掛けるだけで良く、極めて簡単に手軽に採尿バッグを被覆する事が出来る。
【0009】
しかも片ダン段ボールは、安価で入手し易く、また1枚の片ダン段ボールを準備するだけで、カバーを容易に短時間で作製する事が出来、加えて該段ボールに清潔な感じを与える模様等を設ける事により、採尿バッグに清潔感を賦与する事が出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に本発明の実施をする為の最良の形態について図面を用いて説明する。
【0011】
本発明の採尿バッグ用カバーは、採尿バッグ(4)の周りに片ダン段ボール紙(7)を軽く丸めて断面円又は楕円形状になしたものであり、これに付設した吊り具(9)を用いて、採尿バッグ(4)の上縁(11)に吊り掛けて、採尿バッグを被覆するものである。
【0012】
本発明の大きな特徴は、本発明の採尿バッグ用カバーは、片ダン段ボールを基材として用いる事である。更に詳しくは、段ボールを軽く人力で丸めた時に、その丸めた形状をほぼそのまま保持する事が出来る段ボールとしては、所謂片ダン段ボール(1)と称される特異な段ボール紙である事を本発明者は見出し、これを採尿バッグ用のカバーの基本材料として使用しようとの全く新しい着想に至り、実際にこれを該カバーとして使用した時には、実に驚くべき事に、うまく採尿バッグ用の周囲に円又は楕円形状に丸める事が出来ると共に丸めた形状がそのまま保持される事を見出し、本発明を完成させたものである。しかもこの片ダン段ボール紙(1)は極めて軽量であり、簡単な吊り具(9)を採尿バッグ(4)の上縁(11)に吊り掛ける事によって、充分に採尿バッグ(4)の周囲に維持出来る事も併せ見出したものである。
【0013】
本発明に於いて使用する片ダン段ボール(1)としては図1に示す様に片面だけが、段ボールの如き凸部(2)を有し、他の面は平面(3)のものであり、通常片ダン段ボールと称せられている。この片ダン段ボールとしては、片面が平面(3)で他方が凸部(2)で形成された構造のものであれば、使用する事が出来る。
【0014】
この片ダン段ボール(1)は図3及び図4に示す様に1枚の片ダン段ボール(7)に、その上端部に吊り具(9)を付設し、軽く手で丸めて円又は楕円形状に丸める。この時、採尿バッグ(4)の周囲に丸めると、ちょうど採尿バッグがこの円又は楕円形状の段ボール(7)に依って被覆された状態となり、そして丸めた形状をそのまま保持する事が出来、その結果うまく採尿バッグをカバーする事が出来る。
【0015】
片ダン段ボール(7)を丸める際には、片ダン段ボール(7)は、これを丸めた時に円又は楕円形状の表面に凸部(2)が来る様にしても良く、また面平部(3)が来る様にしても良い。
【0016】
片ダン段ボール(1)を丸めた時の表面は、清潔な感じのものが好ましく、また該段ボール(1)の両面いずれも清潔なものが最も好ましい。更に各種の模様が施されていても良い。
【0017】
吊り具(9)は上記円又は楕円形状に丸めたものを採尿バッグ(4)の上縁(11)に吊り掛ける為に設けられたもので、吊り掛けられるものであれば特にその材質や形状は制限されず、その代表的な構造は図3〜図6に示した通り、細長い紐状のものを例示出来る。材質としても採尿バッグ用カバー(12)が非常に軽量であるので、片ダン段ボール紙が好ましいが、その他布、織布、不織布、樹脂等その材質としては広い範囲から選択する事が出来る。
本発明に於いては、更に必要に応じて、円又は楕円形状に段ボール(7)を丸めた時の前面の両側端部(8)を適宜な係止部材(10)で係止する事も出来る。この際の係止部材(10)としても、両側端部(8)を係止する事が出来る部材であれば良く、広く各種のものが使用され、例えばマジックテープを例示出来る。
【0018】
本発明のカバー(12)を用いて採尿バッグ(4)を被覆する方法としては、実際に採尿バック(4)が使用されている状態に於いて、採尿バッグ(4)の周囲に片ダン段ボールを丸めた時に、採尿バッグ(4)が隠れる様な長さに切断し、この1枚の段ボール(7)に、吊り具(9)を付設し、これを採尿バッグ(4)の周囲に軽く手で丸めて被覆し、吊り具(9)を採尿バッグ(4)の上縁部(11)に吊り掛ければ良い。尚、吊り具は予め段ボール(7)に或いは丸めて被覆した後に付設しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明に於いて基材として使用する片ダン段ボール紙の一例の説明図
【図2】従来の採尿バッグの一例の模擬図
【図3】本発明バッグを作製する為の1枚の片ダン段ボール紙とこれに吊り具を付設した説明図
【図4】本発明の採尿バッグ用カバーの一例の説明図
【図5】本発明の採尿バッグ用カバーの他の一例の説明図
【図6】本発明の採尿バッグ用カバーを用いて採尿バッグを被覆する方法の説明図である
【符号の説明】
【0020】
1. 片ダン段ボール
2. 凸部
3. 平板部
4. 採尿バッグ
5. 導尿管
6. 排尿管
7. 片ダン段ボール紙
8. 側端部
9. 吊り具
10. 係止部
11. 採尿バッグ上縁部
12. 本発明採尿用カバー




























【特許請求の範囲】
【請求項1】
採尿バッグの周りに、軽く丸めて断面円又は楕円形状の筒状になし得る片ダンと称せられる片面のみ突起部を有する1枚の段ボール紙から成り、これを上記筒状になした時に、その表面と後面の夫々の上端部の間に採尿バッグの上縁に吊り掛けることの出来る吊り具を少なくとも1個付設したことを特徴とする採尿バッグ用カバー
【請求項2】
更に丸めた筒状物の両端部に、簡単に両端を係止出来る係止部を設けた請求項1のカバー
【請求項3】
段ボールの少なくとも外表面が、清潔な印象を与え得るものである請求項1又は2に記載のカバー
【請求項4】
吊り具の一方の端部を、予め筒状の表面又は後面に相当するいずれかの面に固定した請求項1〜3のいずれかに記載のカバー
【請求項5】
段ボール紙を採尿バッグの周囲に円又は楕円筒状に丸めて被覆し、その表面と後面との間に設けた吊り具を採尿バッグの上端部に引っ掛けて上記円又は楕円形状物を吊り下げ、必要に応じ円筒状の両側面を係止することを特徴とする採尿バッグ用カバーの使用方法
















【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−178179(P2009−178179A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−17089(P2008−17089)
【出願日】平成20年1月29日(2008.1.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.マジックテープ
【出願人】(507069874)
【Fターム(参考)】