説明

採血器具の針先封止装置

【課題】採血後における針先の封止操作を迅速に、安全かつ容易になし得る採血器具の針先封止装置を提供すること。
【解決手段】針管6を覆うことができるプロテクタPが、針管6の基端部におけるハブ6aに連結されて備えられている。前記プロテクタPは、一端部が前記ハブに連結されて回動可能に支持された第1部材1と、前記第1部材の他端部側にスライド可能に支持されることでプロテクタ全体の長さ方向の寸法が伸長状態と縮小状態とに変化できる第2部材2より構成されている。前記第2部材2内には、前記伸長状態から縮小状態に変化する過程で、前記針管6の先端部が突き刺されて当該先端部を封止する封止部材3が配置されると共に、前記第2部材2の先端部には、可撓性の素材による滑り止め部材3bが配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、採血後における針先の封止操作を迅速に、安全かつ容易になし得る採血器具の針先封止装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療現場においては血中のガス分圧やpHなどを分析測定するために動脈血などを採血することが行われており、これに用いられる採血器具としては、周知のとおりシリンジ(外筒)の先端に注射針(針管)を装着させたものが用いられる。そして、前記シリンジ内に摺動可能に装着されたプランジャを引く操作により、シリンジとプランジャとに囲まれた空間内に採血をすることができる。
【0003】
ところで、採血された血液に大気中の酸素や二酸化炭素等の成分が混入すると、血中のガス分圧や、pHなどを正確に分析測定することが困難になる。このために従来においては、採血後は封止部材を収納した筒状のキャップを、速やかに針管に被せて前記針先を封止部材に突き刺すことにより針管の先端部を封止し、採血した血液と大気との接触を防止させる工夫がなされている。
【0004】
したがって、前記したように採血後に針管にキャップを被せる場合には、前記キャップの一端部における小径な開口に、針先を挿入する操作が伴われる。このために、その作業に際して若干の手元の狂いによって針先に残留する血液が作業者の手など付着することがあり、針先で作業者の指を刺したりしないような細心な注意を払わなければならない。
【0005】
前記したような課題を解消するために、前記針管を支える基端部を構成するハブに連結部材を取り付け、この連結部材を介してプロテクタを取り付けてなる採血器具が、次に示す先行技術文献に開示されている。この先行技術文献に開示された採血器具によると、プロテクタの先端部に有底筒状の収容部が摺動可能に取り付けられ、この収容部内には封止部材が収容された構成になされている。
【0006】
この構成によると、採血後に連結部材を介して取り付けられているプロテクタを針管に被せ、続いて有底筒状の前記収容部を針先に向かって押し込むことで、針先が封止部材に突き刺されて封止されるようになされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−296376号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、前記した採血器具によると、採血後に針先を封止するに際してプロテクタの先端部に取り付けられた有底筒状の収容部を針先に向かって指先などで押し込む操作が必要である。指先などで前記収容部の押し込み操作を実行するには多少の力を要し、しかも指先に力を込めているために、わずかな手元の狂いにより誤って前記針先で指先を刺すなどの事故が発生し得る。
【0009】
このような事故の発生を防ぐには、有底筒状の前記収容部の先端を机上等の水平面に押し付けることで、収容部内の前記封止部材に針先を突き刺すことができ、これにより針先を封止させることができる。しかしながら、前記先行技術文献に開示された採血器具においては、前記した机上の水平面等を利用するようにした針先の封止操作を前提とする配慮はなされておらず、有底筒状の前記収容部の先端部が机上の水平面上を滑って、思わぬ怪我を負う等の問題を抱えている。
【0010】
この発明は、前記した従来の採血器具が抱える問題点を解消するためになされたものであり、机上等の水平面等を利用して針先の封止を行う場合において、安全かつ容易に針先の封止作業を実行することができる採血器具の針先封止装置を提供することを課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記した課題を解決するためになされたこの発明にかかる採血器具の針先封止装置は、針管の基端部を構成するハブがシリンジの前端部に取り付けられることで採血器具が構成され、前記針管を覆うことができるプロテクタが前記ハブに連結されて備えられた採血器具の針先封止装置であって、前記プロテクタは、一端部が前記ハブに連結されて支持された第1部材と、前記第1部材の他端部側に当該第1部材に対してスライド可能に支持されることでプロテクタ全体の長さ方向の寸法が伸長状態と縮小状態とに変化できる第2部材より構成され、前記第2部材内には、前記伸長状態から縮小状態に変化する過程で、前記針管の先端部が突き刺されて当該先端部を封止する封止部材が配置されると共に、前記第2部材の先端部には、可撓性の素材による滑り止め部材が配置されていることを特徴とする。
【0012】
この場合、望ましくは前記第2部材内に配置される封止部材と、第2部材の先端部に配置される滑り止め部材とは同一の素材により一体に形成されたものが用いられる。また好ましくは、前記滑り止め部材は、前記第2部材の先端部から突出した状態に形成される。
【0013】
一方、前記プロテクタを構成する第1部材は前記ハブに対して回動可能に連結され、前記プロテクタの伸長状態において、前記針管の長さ方向の全体が前記プロテクタ内に収容することができるスリットを、前記第1部材および第2部材にそれぞれ形成した構成にされる。
【0014】
さらに、前記針管を覆った状態のプロテクタが、前記針管から離脱するのを阻止する係合片を、少なくとも前記第1部材もしくは第2部材のいずれかに備えられていることが望ましい。
【発明の効果】
【0015】
前記した採血器具の針先封止装置によると、採血後における針管はハブに連結された第1部材と、この第1部材にスライド可能に支持された第2部材からなるプロテクタによって覆うことができる。そして、前記プロテクタの長さ方向の寸法を伸長状態から縮小状態に変化させる過程で、第2部材内に配置された封止部材によって針管の先端部を封止することができる。
【0016】
この場合、前記第2部材の先端部には、可撓性の素材による滑り止め部材が配置されているので、前記滑り止め部材を例えば机上等の平面部に当接させつつ採血器具およびプロテクタを垂直に立てた状態で押し込むことで、前記プロテクタの長さ方向の寸法を伸長状態から縮小状態に変化させることができる。これにより、採血後における針先の封止操作を迅速に、安全かつ容易に実行することができる。
【0017】
また、前記プロテクタを構成する前記第1部材もしくは第2部材には、プロテクタの伸長状態において、針管の長さ方向の全体を前記プロテクタ内に収容することができるスリットが形成されているので、前記ハブに取り付けられたプロテクタを回動操作することで、容易に針管をプロテクタによって覆うことができる。
【0018】
そして、前記スリットを介して針管を覆った状態のプロテクタには、前記針管から離脱するのを阻止する係合片を備えた構成にされているので、前記滑り止め部材を机上等の平面部に当接させつつ行う針先の封止の操作性を向上させることができると共に、操作の安全性をより高めることに寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明に係る針先封止装置に用いられるプロテクタの構成を分解状態で示した断面図である。
【図2】図1に示すプロテクタを構成する第1部材の上面図である。
【図3】プロテクタを採血器具に取り付けた状態を示す一部断面図である。
【図4】図3におけるa−a線より矢印方向に視た状態の拡大断面図である。
【図5】針先の封止操作を行う状況を示した一部断面図である。
【図6】針先の封止操作を行う状況を示した外観図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、この発明にかかる採血器具の針先封止装置について、図に示す実施の形態に基づいて説明する。この発明にかかる針先封止装置には、図1に分解状態で示したプロテクタが用いられる。すなわち、前記プロテクタPは、合成樹脂により円筒状に成形された第1部材1、同じく合成樹脂により円筒状に成形された第2部材2、およびシリコーン、NR、IR、SBR、NBR、IIR、EPDMなどのゴムやスチレン系、オレフィン系、ウレタン系、ポリウレタン系などの各種エラストマー等の可撓性素材により成形された滑り止め部材を兼ねる封止部材3より構成されている。
【0021】
プロテクタPを構成する前記第1部材1は、前記したとおり円筒状に成形されることでその中央が中空部1aになされ、第1部材1の基端部(一端部)側に支承部1bが延長されて形成されている。この支承部1bのさらに基端部側には、図2に第1部材1を上面図で示したように、支承部1bの長手方向に直交する方向に一対の支軸1cが、両外側に突出した状態で形成されている。
【0022】
また、前記支承部1bが延長形成された円筒面に対向する位置には、スリット1dが第1部材1の長手方向の全体にわたって形成されている。さらに、前記スリット1dを中央にした前記第1部材1の内周面の対向位置には、一対の溝部1eが先端部(他端部)から前記基端部(一端部)の近くまで達するように形成されている。
【0023】
一方、前記第2部材2は、前記したとおり円筒状に成形されることで、その中央が中空部2aになされており、その外周面が前記第1部材1の中空部1a内に接して軸方向にスライド可能になされるように成形されている。そして、第2部材2の外周面の対向する位置には一対の凸状部2bが、基端部(一端部)から先端部(他端部)の近傍まで達するように形成されている。
【0024】
すなわち、この第2部材2が前記第1部材1の中空部1a内にスライド可能に支持された場合に、第2部材2に形成された前記一対の凸状部2bが、第1部材1の内周面に形成された一対の溝部1eに沿って収容されるように構成される。これにより、第1部材1に対して第2部材2は、軸方向にスライド可能で回転方向には規制され、プロテクタPの全体の長さ方向の寸法が伸長状態と縮小状態とに変化できるように成される。
【0025】
加えて、前記第2部材2には、基端部から先端部の近くまで達するようにスリット2cが形成されており、この第2部材2を前記第1部材1に対してスライド可能に装着した場合において、前記第1部材1に形成されたスリット1dの形成位置と、この第2部材2に形成されたスリット2cの形成位置とが一致するようになされている。
【0026】
さらに、前記第2部材2における前記スリット2cの形成位置には、中空部2aの中央に突出するようにして可撓性の係合片2dが、第2部材2と一体に成形されている。なお、この係合片2dの作用については、後で説明する。
【0027】
前記滑り止め部材を兼ねる封止部材3は、柱状部3aとこれに一体に形成された半球状になされた滑り止め部材3bより構成されている。この封止部材3における前記柱状部3aは、前記第2部材2における先端部側の中空部2a内に圧入されることで第2部材2に取り付けられ、半球状になされた前記滑り止め部材3bは、第2部材の先端部に突出された状態になされる。
【0028】
図3は図1および図2に示した前記第1部材1、第2部材2、滑り止め部材を兼ねる封止部材3を組み立ててプロテクタPを形成し、採血器具に取り付けた状態をプロテクタPの一部を断面図で示したものである。
【0029】
前記採血器具は周知のとおり、シリンジ(外筒)5の前端部に形成された縮径部5aに、針管(注射針)6の基端部を構成するハブ6aが取り付けられた構成にされている。そして、前記シリンジ5内に摺動可能に装着された図示せぬプランジャを引く操作により、シリンジ5とプランジャとに囲まれた空間内に採血をすることができる。
【0030】
前記した採血器具におけるハブ6aには、このハブ6aを囲繞するようにして連結部材7が取り付けられ、当該連結部材7に形成された一対の係合孔7aに、前記第1部材1に形成された一対の支軸1cが回動可能に嵌め込まれることで、プロテクタPが採血器具に対して回動可能に連結される。
【0031】
斯くして、前記プロテクタPは、図3に示されたように一端部が前記ハブ6aに連結されて回動可能に支持された第1部材1と、前記第1部材の他端部側にスライド可能に支持されることでプロテクタ全体の長さ方向の寸法が伸長状態と縮小状態とに変化できる第2部材2より構成され、前記第2部材2内には封止部材3が配置されると共に、前記第2部材2の先端部には、可撓性の素材による滑り止め部材3bが配置された構成にされる。
【0032】
この構成において、プロテクタ全体の長さ方向の寸法が伸長状態になされた場合に、前記第1部材1と前記第2部材2とが機械的にロックされると共に、前記長さ方向の寸法が縮小状態になされた場合に、前記第1部材1と第2部材2とが機械的にロックされる図示せぬロック機構が形成されていることが望ましい。このロック機構の簡単な構成としては、前記第1部材1と第2部材2との間に、図示せぬたとえば凹凸部を対峙するようにそれぞれ形成することで実現させることができる。
【0033】
図3に示したように採血器具にプロテクタPを装着させた状態で採血を行う場合においては、前記プロテクタPを採血器具側に倒した状態に成される。そして採血後においては、前記プロテクタPを針管(注射針)6側に、すなわち矢印bに示すように回動させる。この場合、前記プロテクタPは長さ方向の寸法が伸長状態になされた状態で回動操作が行われる。
【0034】
これにより、プロテクタPを構成する前記第1部材1および第2部材2にそれぞれ形成されたスリット1d,2cを介して針管6は、図3に実線で示したようにプロテクタPによって覆われる。
【0035】
図4は、その状態を針管6の長手方向に直交する断面図で示している。図4に示したように、前記針管6がプロテクタPによって覆われる瞬間に、前記第2部材2に形成された可撓性の係合片2dが針管6に押されて変形し、前記針管6をスリット2cの内側に位置させるように作用する。これにより、針管6は係合片2dの反対面に当接して、前記係合片2dは針管6に係止する。それ故、プロテクタPが針管6を覆った状態に保持され、プロテクタPが元の状態に戻るのが阻止される。
【0036】
図5は、前記針管6をプロテクタPによって覆った後に、前記針管6の先端部を封止させる場合の操作例を示したものである。これには、たとえば机上等の平面部8が利用される。すなわち、図5(A)に示すように前記プロテクタPを下向きにしてプロテクタPの先端部に配置されたゴム製の滑り止め部材3bを前記平面部8に当接し、そのままの姿勢で採血器具および前記第1部材1を矢印c方向に押し込む。
【0037】
この操作により、プロテクタPの先端部側の第2部材2が、第1部材1側にスライドして入り込み、プロテクタPの長さ方向の寸法は、図5(B)に示すように伸長状態から縮小状態に成される。この時、前記針管6の先端部は、前記第2部材2内に配置されたゴム製の封止部材3に突き刺され封止され、これにより採血した血液と大気との接触が防止されるように成される。
【0038】
前記した針管6の封止操作にあたっては、針管6はプロテクタPによって覆われ、図4に基づいて説明したとおり、第2部材2に一体に形成された係合片2dが針管6に係合しているので、プロテクタPが外れて針管6が露出するという危険な状態になるのを確実に防止できる。
【0039】
また、プロテクタPの先端部には、たとえばゴム素材により半球状に成形された滑り止め部材3bが取り付けられているので、プロテクタPを平面部8に対して必ずしも垂直に当てる必要はなく、その角度が若干ずれても正常な押し込み操作を行うことができる。これにより、採血後における針先の封止操作を迅速に、安全かつ容易に実行することができる。なお、前記滑り止め部材3bには、図示していないが半球状の表面に多数の溝もしくは凹凸を形成することが望ましく、これにより滑り止め効果を一層向上させることができる。
【0040】
図6は、前記したようにプロテクタPの長さ方向の寸法が、伸長状態から縮小状態に成される場合のプロテクタPの外観の変化を示したものであり、この場合において前記針管6の先端部は、前記第2部材2内に配置されたゴム製の封止部材3によって封止されることは、図5において説明したとおりである。
【0041】
加えて、この図6に示す例においては、第1部材1の先端部側(前半部)には、Xで示す例えば着色層が施されている。また第2部材2の基端部側は、Yで示すように無着色部分、すなわち合成樹脂素材が露出された状態になされ、第2部材2の先端部側(前半部)には、Zで示す例えば着色層が施されている。
【0042】
すなわち、前記プロテクタPが伸長状態になされている場合には、図6(A)に示すように前記第1部材1側の着色層Xと、第2部材2側の着色層Zとの間に、第2部材2の無着色部分Yを見ることができる。また、前記プロテクタPが縮小状態になされ、前記第2部材2内に配置されたゴム製の封止部材3によって前記針管6の先端部が封止された場合には、図6(B)に示すように前記第1部材1側の着色層Xと、第2部材2側の着色層Zとの間に、無着色部分Yを見ることができない。
【0043】
この場合、前記Xで示す着色層とZで示す着色層を同一色にすることで、無着色部分Yが存在するか否かをより鮮明に見分けることを期待することができるが、たとえばXとZ部分は無着色にして、Y部分を着色層にしてもよく、前記X,Y,Zの領域における着色および無着色の選択、また色の選択は任意である。
【0044】
前記した実施の形態によれば、プロテクタPの先端部側に可撓性の素材による滑り止め部材が配置されているので、前記滑り止め部材を例えば机上等の平面部に当接させつつプロテクタを伸長状態から縮小状態に押し込むことで、採血後における針先の封止操作を迅速に、安全かつ容易に実行することができるなど、前記した発明の効果の欄に記載したとおりの独自の作用効果を得ることができる。
【0045】
なお、以上説明した実施の形態においては、プロテクタPを構成する第1部材1および第2部材2は、共に円筒状に形成されているが、これらは、たとえば四角や三角などの角筒状に形成されたものも採用し得る。また、前記プロテクタPにはゴム素材等により一体に成形された滑り止め部材を兼ねる封止部材3が用いられているが、これらは個別に成形してそれぞれプロテクタPに配置するようにしてもよい。
【0046】
さらに、前記滑り止め部材3bはその突出部が半球状に形成されたものを用いているが、これに限らず、他の任意の構成を採用することができる。さらにまた、前記した実施の形態においては、プロテクタPを構成する第2部材2に、針管6に係止する係合片2dを形成した構成になされているが、これは第1部材1側に形成させてもよい。
【符号の説明】
【0047】
1 第1部材
1a 中空部
1b 支承部
1c 支軸
1d スリット
2 第2部材
2a 中空部
2c スリット
2d 係合片
3 封止部材
3a 柱状部
3b 滑り止め部材
5 シリンジ(外筒)
6 針管(注射針)
6a ハブ
7 連結部材
7a 係合孔
P プロテクタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
針管の基端部を構成するハブがシリンジの前端部に取り付けられることで採血器具が構成され、前記針管を覆うことができるプロテクタが前記ハブに連結されて備えられた採血器具の針先封止装置であって、
前記プロテクタは、一端部が前記ハブに連結されて支持された第1部材と、前記第1部材の他端部側に当該第1部材に対してスライド可能に支持されることでプロテクタ全体の長さ方向の寸法が伸長状態と縮小状態とに変化できる第2部材より構成され、
前記第2部材内には、前記伸長状態から縮小状態に変化する過程で、前記針管の先端部が突き刺されて当該先端部を封止する封止部材が配置されると共に、前記第2部材の先端部には、可撓性の素材による滑り止め部材が配置されていることを特徴とする採血器具の針先封止装置。
【請求項2】
前記第2部材内に配置される封止部材と、第2部材の先端部に配置される滑り止め部材とが同一の素材により一体に形成されていることを特徴とする請求項1に記載された採血器具の針先封止装置。
【請求項3】
前記滑り止め部材は、前記第2部材の先端部から突出した状態に形成されていることを特徴とする請求項2に記載された採血器具の針先封止装置。
【請求項4】
前記プロテクタを構成する第1部材は前記ハブに対して回動可能に連結され、前記プロテクタの伸長状態において、前記針管の長さ方向の全体が前記プロテクタ内に収容することができるスリットを、前記第1部材および第2部材にそれぞれ形成したことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載された採血器具の針先封止装置。
【請求項5】
前記針管を覆った状態のプロテクタが、前記針管から離脱するのを阻止する係合片を、少なくとも前記第1部材もしくは第2部材のいずれかに備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載された採血器具の針先封止装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−130371(P2012−130371A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−282611(P2010−282611)
【出願日】平成22年12月20日(2010.12.20)
【出願人】(000005957)三菱鉛筆株式会社 (692)
【Fターム(参考)】