説明

接着剤組成物および積層体

【課題】有機溶剤の使用量をできるだけ減らし、引き裂き開封性に優れたフィルム状の積層体が得られる接着剤組成物を提供すること。
【解決手段】分子末端がイソシアネート基である化合物を主成分とする主剤(A)と、分子末端が水酸基である化合物を主成分とする硬化剤(B)とからなる接着剤組成物(C)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、接着剤組成物および積層体に関し、さらに詳しくはフィルム状基材に対して0.5〜5μm程度の厚みの薄膜塗工が可能な接着剤組成物、およびその接着剤組成物を用いて100μm以下の厚みのフィルム状基材を複数積層して得られるフィルム状の積層体、さらにそのフィルム状の積層を用いて製造された袋状の積層体に関する。
【背景技術】
【0002】
プラスチックフィルムなどを積層したフィルム状の積層体は、食品や雑貨をはじめとする各種の袋状の容器・包装として広く使用されている。袋状の容器・包装用としてフィルム状の積層体が用いられる主な理由は、容器・包装の内面となる面に熱融着性フィルムを用い、その外側となる面に非熱融着性フィルムを用いるという具合に、異なる性質のフィルムを積層することで、容器・包装が熱融着法による高い生産性で得られるためである。
【0003】
また、多くの場合、フィルムの積層される面に意匠性の印刷が施されるが、積層後には、その印刷面をフィルムによって保護することができるので、特に食品・医薬品の容器・包装などで衛生性が要求される場合に、印刷インキなどによる内容物の汚染を防ぐことができることも重要な理由である。さらに、この袋状の容器・包装は、開封時に鋏などを用いることなく、容易に手でフィルムの積層体を引き裂いて開封することが可能な利便性をも提供するものである。
【0004】
しかし、その際、各積層フィルムが一体となって引き裂かれることが重要である。なぜならば、各積層フィルムの引き裂き点がバラバラになってしまうと、見た目に美しくないばかりではなく、折角保護した印刷インキなどが表面に露出してしまい、衛生上好ましくないためである。特に、熱融着性フィルムとして、例えば、非延伸型の直鎖低密度ポリエチレン系フィルムやポリプロピレン系フィルムを用いた場合、樹脂の特性上フィルム引き裂き時の粘りが非常に大きいために、なかなか引き裂かれず、積層された他のフィルムなどのみが引き裂かれてしまい、印刷インキなどが表面に露出してしまうという問題が発生し易かった。
【0005】
従来のような引き裂き開封性に優れたフィルム状の積層体を製造するために使用されてきた接着剤組成物としては、高分子量のポリエステルポリオール或はポリエステルポリウレタンポリオール、ポリエーテルポリウレタンポリオールなどの主剤と、ポリイソシアネートなどの硬化剤からなる主剤・硬化剤混合硬化型の接着剤組成物が使用されてきた。
【0006】
これらの接着剤組成物は、特に主剤成分が高分子量であるために、そのままでは非常に粘度が高く、フィルム状基材に薄膜塗工するためには多量の有機溶剤で希釈した上で、グラビア塗工方式やリバースロール塗工方式などで塗工する必要があった。ここで使用される有機溶剤の量は、実際の接着に寄与する接着剤樹脂成分よりも多く、甚だしい場合は接着剤樹脂成分の5倍もの量に達する。
【0007】
この有機溶剤は、塗工される接着剤組成物の粘度を下げて薄膜塗工し易くするために用いられるものであり、溶剤で希釈した接着剤組成物溶液の塗工後には、蒸発乾燥させて除去される。そして、その乾燥のためには、電力や化石燃料を用いてエネルギーを供給する必要があるので、費用もかかり環境負荷も大きい。また、そうして除去された有機溶剤は、大気中に放出されれば環境を汚染し、回収装置などで処理する場合も運用にエネルギーを要するものであるので、そういった意味から、有機溶剤はできるだけ使用量は減らすべきものであり、理想的には有機溶剤を全く用いないで接着剤組成物が薄膜状に塗工可能となることが望まれていた。
【0008】
一方、フィルム状基材に対して有機溶剤を全く用いないで0.5〜5μm程度の厚みの薄膜塗工が可能な接着剤組成物も従来より存在している。これらの最も一般的なものは、末端イソシアネート型ポリエーテルポリウレタンを主成分とする主剤と、ポリオールを硬化剤とし、両成分を熔融混合して用いる主剤・硬化剤混合硬化型の接着剤組成物であり、主にスクイズロール塗工方式で塗工されている。
【0009】
また、最近では、ポリエステルポリオールを主成分とする主剤と、ポリイソシアネートを硬化剤とし、両成分を熔融混合して用いる主剤・硬化剤混合硬化型の接着剤組成物の開発も盛んである。しかし、これらの接着剤組成物を用いたフィルム状の積層体は、袋とした場合の引き裂き開封性に劣るという欠点があった(以上特許文献1〜13)。
【0010】
【特許文献1】特開平08−183943号公報
【特許文献2】特開平07−207246号公報
【特許文献3】特開平09−309939号公報
【特許文献4】特開平10−102028号公報
【特許文献5】特開2000−63790公報
【特許文献6】特公昭63−29717号公報
【特許文献7】特開平03−192584号公報
【特許文献8】特開平09−67556号公報
【特許文献9】特開平08−60131号公報
【特許文献10】特開2002−249745公報
【特許文献11】特開2003−321664公報
【特許文献12】特開2005−189329公報
【特許文献13】特開2006−057089公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解消し、有機溶剤の使用量をできるだけ減らし、そして理想的には全く有機溶剤を用いないで薄膜状に塗工可能でありながら、引き裂き開封性に優れたフィルム状の積層体が得られる接着剤組成物を提供することである。また、本発明の目的は、かかる接着剤組成物を用いて、引き裂き開封性に優れた、フィルムおよびシート状の基材を積層せしめたフィルム状の積層体、およびそのフィルムの積層体を用いて製造された袋状の積層体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的は以下の本発明によって達成される。すなわち、本発明は、分子末端がイソシアネート基である化合物を主成分とする主剤(A)と、分子末端が水酸基である化合物を主成分とする硬化剤(B)とからなる接着剤組成物(C)において、
上記主剤(A)が、末端イソシアネート型ポリウレタン(a成分)60〜90質量%と変性ポリイソシアネート(b成分)40〜10質量%(aとbとの合計は100質量%である)と、a成分とb成分との合計の0.5〜5質量%のジフェニルメタン型ポリイソシアネート(c成分)とを含有し、
上記末端イソシアネート型ポリウレタン(a)は、ポリオール成分の50質量%以上がポリオキシアルキレングリコールであり、かつイソシアネート基含有量が1〜2モル/kgであり、
上記変性ポリイソシアネート(b)は、イソシアネート基含有量が4〜8モル/kgであり、
上記ジフェニルメタン型ポリイソシアネート(c)は、イソシアネート基含有量が7〜12モル/kgであり、
上記硬化剤(B)が、芳香族環構造を3〜6モル/kg有するポリオール(d)50〜100質量%を含有し、かつポリオール(d)に帰属する水酸基が硬化剤(B)中の全水酸基の50〜100モル%であり、
上記主剤(A)と硬化剤(B)との末端基の化学量論比(イソシアネート基/水酸基)が1〜10であることを特徴とする接着剤組成物(C)を提供する。
【0013】
本発明者らは、前記要望に応えるべく鋭意検討を重ねた結果、本発明の接着剤組成物(C)は、これを用いて製造されたフィルム状積層体の引き裂き開封性が優れるにも関わらず、その樹脂熔融粘度が低いことを見出した。すなわち、本発明の接着剤組成物(C)は、その80℃における熔融粘度を10Pa・s以下とすることができ、有機溶剤を全く使用しないスクイズロール塗工方式に適した接着剤組成物であることを見出した。
【0014】
また、本発明の接着剤組成物(C)は、有機溶剤で希釈した場合の粘度も非常に低いことを見出した。すなわち、有機溶剤を用いて不揮発分50質量%かつ温度25℃に調整した時の粘度が25mPa・s以下とすることが可能であり、グラビア塗工方式やリバースロール塗工方式で塗工する場合の有機溶剤の使用量を大幅に削減することが可能であることを見出した。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、引き裂き開封性が優れるフィルム状積層体を、有機溶剤を全く使用しないで製造できる接着剤組成物が提供される。また、既設のグラビア塗工方式やリバースロール塗工方式の設備を利用する場合においても、スクイズロール塗工方式への設備更新をせずに、大幅な有機溶剤の使用量の削減が可能となる接着剤組成物が提供される。すなわち、本発明の接着剤組成物によれば、環境負荷の少ない方法で、引き裂き開封性が優れるフィルム状積層体が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に発明を実施するための最良の形態を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明における主剤(A)が含有する末端イソシアネート型ポリウレタン(a成分)とは、ポリオール成分の50質量%以上がポリオキシアルキレングリコールおよび必要に応じて他のポリオールやポリアミンなどの活性水素化合物と、ポリイソシアネートとを、活性水素に対してイソシアネートが過剰となるようにして合成される末端イソシアネート型ポリウレタンであり、そのイソシアネート基含有量は1〜2モル/kg(NCO含有量:4.2〜8.4質量%)である。
【0017】
上記a成分の主剤(A)における含有量は、a成分と後記b成分との合計を100質量%としたときに、その60〜90質量%であり、含有量が60質量%未満では、接着剤組成物から形成される硬化皮膜が硬くなりすぎて接着剤組成物による接着性能が低下し、一方、含有量が90質量%を超えると、接着剤組成物で積層されたフィルム積層体の切れ性が低下する。
【0018】
上記a成分の製造に用いるポリオキシアルキレングリコールとしては、従来公知のポリオキシアルキレングリコールであり、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどを単体或は混合して或はそれらのモノマーを共重合して用いることができる。特に2官能型のものは、得られるa成分の粘度が低くなるので、有機溶剤を用いない接着剤組成物の塗工方式には好適である。
【0019】
a成分の製造に必要に応じて用いることができる他のポリオールとしては、従来公知のポリオールであり、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ノナンジオール、ジエチレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリシロキサンポリオール、アクリルポリオール、ロジンのアルコール誘導体などを単体或は混合して用いることができる。しかしながら、これらのポリオールのa成分中における含有量が多くなると、得られるa成分の粘度が高くなる傾向があるので、a成分の粘度を高めないためには、少量に留めることが好ましく、理想的には全く使用しないことが最も好ましい。
【0020】
a成分の製造に必要に応じて用いることができるポリアミンとしては、従来公知のポリアミンであり、例えば、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミンなどを単体或は混合して用いることができる。しかしながら、これらのポリアミンのa成分中における含有量が多くなると、得られるa成分の粘度が高くなる傾向があるので、a成分の粘度を高めないためには、少量に留めることが好ましく、理想的には全く使用しないことが最も好ましい。
【0021】
a成分の製造に用いるポリイソシアネートとしては、従来公知の有機ポリイソシアネートであり、例えば、ブチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、リジントリイソシアネート、トリイソシアネートベンゼンなどのポリイソシアネート単量体およびこれらの単量体から誘導されるアダクト体、ビウレット体、シアヌレート体などが挙げられ、これらを単独或は混合して用いることができる。
【0022】
本発明における主剤(A)が含有する変性ポリイソシアネート(b成分)とは、従来公知のポリイソシアネートのダイマー変性体、ポリメリック変性体、カルボジイミド変性体、イソシアヌレート変性体、ビウレット変性体、アダクト変性体などおよびこれら変性体の混合体であり、そのイソシアネート基含有量が4〜8モル/kg(NCO含有量:16.8〜33.6質量%)である変性ポリイソシアネートである。
【0023】
b成分の主剤(A)における含有量は、前記a成分とb成分との合計を100質量%としたときに、その40〜10質量%であり、含有量が10質量%未満では、接着剤組成物によるフィルム積層体の切れ性が低下し、一方、含有量が40質量%を超えると、接着剤組成物から形成される硬化皮膜が硬くなりすぎて接着性能が低下する。
【0024】
b成分の製造に用いる従来公知のポリイソシアネートとしては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサンジイソジアネート、リジンイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルヘキサンジイソシアネート、ジメチルシクロヘキサン−ω,ω’−ジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、メチルフェニレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4''−トリイソシアネート、ナフタリンジイソシアネートなどが挙げられ、これらを単独或は混合して用いることができる。
【0025】
本発明における主剤(A)の含有するジフェニルメタン型ポリイソシアネート(c成分)とは、一つの炭素原子に、イソシアネート基を有する複数のフェニル基が結合した基本構造を有する従来公知のジフェニルメタン型ポリイソシアネートであり、そのイソシアネート基含有量が7〜12モル/kg(NCO含有量:19.4〜50.4質量%)であるジフェニルメタン型ポリイソシアネートである。
【0026】
上記c成分の主剤(A)における含有量は、a成分とb成分との合計を100質量%としたときに、その0.5〜5質量%であり、含有量が0.5質量%未満では接着剤組成物によるフィルム積層体の切れ性が低下し、一方、含有量が5質量%を超えると接着剤組成物から形成される硬化皮膜が硬くなりすぎて接着剤組成物による接着性能が低下する。
【0027】
c成分として用いることができる従来公知のジフェニルメタン型ポリイソシアネートとしては、例えば、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4’−ジイソシアネート、ジフェニルメタン−2,2’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジクロロジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、ビス(4−イソシアネートフェニル)ジメチルメタン、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4''−トリイソシアネートなどが挙げられ、これらを単独或は混合して用いることができる。なお、本発明における主剤(A)は、その他のイソシアネート化合物などを含有することを排除するものではない。
【0028】
本発明における硬化剤(B)が含有するポリオール(d成分)とは、芳香族環構造を3〜6モル/kgの割合で有する従来公知のポリオールである。ここで「芳香族環構造」とは、フェニル環、ピリジン環、イミダゾール環、ナフタレン環、キノリン環、アントラキノン環などの芳香環をいい、例えば、フェニル環などの単環は1モル、縮合環のナフタレン環は2モルとして計算する。(d)成分の硬化剤(B)における含有量は、100〜50質量%、かつd成分に帰属する水酸基は硬化剤(B)中の全水酸基の100〜50モル%であり、(d)成分の含有量が50質量%未満或は全水酸基の帰属が50モル%未満では、接着剤組成物によるフィルム積層体の切れ性が低下する。積層体の切れ性に関しては、硬化剤(B)におけるd成分の含有量は、好ましくは100〜80質量%であり、最も好ましくは100質量%である。
【0029】
d成分として用いることができる従来公知のポリオールとしては、例えば、芳香族環構造含有ポリエステルポリオール、芳香族環構造含有ポリウレタンポリオール、芳香族ポリオールのアルキレンオキサイド付加体などが挙げられ、これらを単独或は混合して用いることができる。
【0030】
中でも、酸成分の80モル%以上がベンゼン−o−ジカルボン酸残基および/またはベンゼン−m−ジカルボン酸残基であり、アルコール成分の50モル%以上がエーテル結合を介して炭素数8以下のアルキレンが2乃至3個結合したジアルコール残基である芳香族ポリエステルポリオールおよび、この芳香族ポリエステルポリオールを炭素骨格に環構造を有しない分子量250以下のジイソシアネートでウレタン化した芳香族ポリウレタンポリオールは、高濃度に芳香族環を含有しても熔融粘度が低く、かつ有機溶剤に希釈した場合の溶解性にも優れているので、本発明で用いるd成分として好適である。なお、本発明における硬化剤(B)は、他の活性水素化合物などを含有することを排除するものではない。
【0031】
本発明における接着剤組成物(C)の主剤(A)と硬化剤(B)の末端基の化学量論比(イソシアネート基/水酸基)は、1〜10であり、好ましくは2〜5である。化学量論比(イソシアネート基/水酸基)が、1未満では接着剤組成物によるフィルム積層体の切れ性が低下するとともに接着剤組成物の硬化が不十分となり、一方、化学量論比(イソシアネート基/水酸基)が10を超えると、接着剤組成物の硬化に際して発泡し易くなり、また、硬化に長時間を要する傾向が強まるので実用性を害する。
【0032】
本発明の接着剤組成物は、必要に応じて従来既知の顔料、染料などの着色剤、分散剤、界面活性剤、整泡剤、消泡剤、粘性調整剤、レベリング剤、安定剤、紫外線吸収剤、カップリング剤、ブロッキング防止剤、触媒、可使時間延長剤、可塑剤、充填剤などを配合して得られる。
【0033】
本発明の接着剤組成物(C)は、80℃における熔融粘度が、10Pa・s以下であることが好ましい。より好ましくは主剤(A)と硬化剤(B)の各々の熔融粘度が10Pa・s以下であり、さらに好ましくは主剤(A)と硬化剤(B)の各々の熔融粘度が5Pa・s以下である。接着剤組成物(C)の熔融粘度が10Pa・sを超えると、接着剤組成物を有機溶剤を使用せずに薄膜塗工を行なうことが困難になる。また、接着剤組成物の熔融粘度を低下させるために塗工時の温度を高めることも考えられるが、80℃を超える温度では、接着剤組成物の可使時間が減少するので実用性を害する。粘度はB型回転粘度計にて測定した。
【0034】
本発明の接着剤組成物(C)は、また、不揮発分が98質量%以上であり、実質的に有機溶剤を含有しないことが好ましい。「実質的に」として、不揮発分が100質量%とならないのは、微量の混入水分や、ポリイソシアネートが水分と反応して生成する炭酸ガス、カップリング剤を添加した場合に分解生成するアルコール分などが揮発分となる場合を考慮したためである。
【0035】
また、本発明の接着剤組成物(C)に含有させる、または不揮発分の調整に使用することのできる有機溶剤とは、従来公知の有機溶剤であるが、水、アルコールなどの活性水素化合物の含有量が少ないものが好ましい。好ましい有機溶剤としては、例えば、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、ケトン類、エステル類などが挙げられ、これらを単独或は混合して用いることができる。特にエステル類の中の酢酸エチルは有害性が低く、揮発性と溶解性のバランスが良好であるので好適である。
【0036】
水、アルコールなどの活性水素化合物は、接着剤組成物の主剤(A)と硬化剤(B)の末端基(イソシアネート基および水酸基)の反応を阻害し、硬化を阻害するので基本的に好ましくないが、接着剤組成物の配合・調整時の一時的な含有或は混入であり、積層体の貼り合わせ前に乾燥除去されるのであれば、必ずしも含有を完全に認めないものではない。
【0037】
また、本発明の接着剤組成物(C)は、前記有機溶剤により不揮発分50質量%かつ温度25℃に調整した時の粘度は25mPa・s以下であることが好ましい。該粘度が、25mPa・sを超えると、接着剤組成物の薄膜塗工時の仕上がり外観が悪くなり、実用性を害する。粘度はB型回転粘度計にて測定した。
【0038】
本発明における積層体とは、接着剤組成物(C)を用いてフィルム状基材を積層せしめたフィルム状の積層体、およびそのフィルムの積層体を用いて製造された袋状の積層体である。
【0039】
本発明の積層体の基材として用いることができるフィルム状基材としては、必要に応じて従来公知の表面処理がなされた、ポリエチレン、ポリプロピレンに代表されるポリオレフィン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコールおよびそのエチレン共重合体、6ナイロンに代用されるポリアミド、ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステルなどの各種プラスチック、およびそれらの発泡体、およびそれらの表面にポリ塩化ビニリデンに代表される従来公知の各種ポリマーコート体、金属蒸着、シリカ蒸着、アルミナ蒸着に代表される無機質層などが形成された基材、さらにアルミニウム箔、銅箔などに代表される金属素材、その他に織布、不織布、紙などが、単体或いは予め積層された基材である。
【0040】
その中でも、非延伸型の直鎖低密度ポリエチレン系フィルムやポリプロピレン系フィルムを用いた場合、樹脂の特性上フィルム引き裂き時の粘りが非常に大きいためになかなか引き裂かれず、従来は、切れ性の良好な積層体を得るには、接着剤組成物に有機溶剤を大量に使用する必要があった。
【0041】
これに対して本発明の接着剤組成物を用いれば、非延伸型の直鎖低密度ポリエチレン系フィルムやポリプロピレン系フィルムを用いた場合でも、有機溶剤の使用量を大幅に減らし、或は全く有機溶剤を用いないで引き裂き開封性に優れたフィルム状の積層体が得られるので、これらの基材を用いた積層体は、本発明を特徴付ける積層体となる。
【実施例】
【0042】
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明する。
[末端イソシアネート型ポリウレタン(a1)の製造方法](実施例)
フラスコに、数平均分子量650のポリテトラメチレングリコール325g、数平均分子量1,000のポリプロピレングリコール500g、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート500gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら75℃で8時間重付加反応させ、イソシアネート基濃度1.5モル/kgの末端イソシアネート型ポリウレタン(a1)を得た。
【0043】
[末端イソシアネート型ポリウレタン(a2)の製造方法](実施例)
上記a1と同様に、ニューポールPE−34(三洋化成工業(株)製、プロピレングリコールとエチレングリコールの共重合体)1,000g、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート516gより、イソシアネート基濃度1.3モル/kgの末端イソシアネート型ポリウレタン(a2)を得た。
【0044】
[末端イソシアネート型ポリウレタン(a3)の製造方法](比較例)
前記a1と同様に、数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール4,000g、トリレンジイソシアネート522gより、イソシアネート基濃度0.44モル/kgの末端イソシアネート型ポリウレタン(a3)を得た。
【0045】
[末端イソシアネート型ポリウレタン(a4)の製造方法](比較例)
前記a1と同様に、数平均分子量400のポリプロピレングリコール400g、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート500g、イソシアネート基濃度2.2モル/kgの末端イソシアネート型ポリウレタン(a4)を得た。
上記末端イソシアネート型ポリウレタンa1〜a4のポリオール成分中のポリオキシアルキレングリコール(POAG)の含有量およびイソシアネート(NCO)含有量を以下に示す。
【0046】

【0047】
[主剤1の製造方法](実施例)
フラスコに、末端イソシアネート型ポリウレタン(前記a1)700g、イソシアネート基濃度3.1モル/kg(不揮発分75質量%酢酸エチル溶液)のコロネートL(b)(日本ポリウレタン工業(株)製、不揮発分100質量%換算イソシアネート基濃度4.2モル/kg)360g、イソシアネート基濃度8.1モル/kgのデスモジュールR(c)(バイエル(株)製)30gを仕込み、攪拌しながら減圧し、揮発成分を除去して主剤1を得た。該主剤1は、イソシアネート基濃度2.4モル/kg、80℃における熔融粘度は2.6Pa・sであった。
【0048】
[主剤2の製造方法](実施例)
上記主剤1と同様に、末端イソシアネート型ポリウレタン(前記a1)700g、タケネートD−165N(b)(三井化学ポリウレタン(株)製、イソシアネート基濃度5.5モル/kg)150g、ミリオネートMR−400(b)(日本ポリウレタン工業(株)製、ポリメリックMDI((イソシアネート基濃度6.8モル/kg)70質量%、MDI(c)(イソシアネート基濃度8モル/kg)30質量%含有)150g(ゆえにポリメリックMDI105g、MDI45g)より、主剤2を得た。該主剤2は、イソシアネート基濃度2.9モル/kg、80℃における熔融粘度は、0.5Pa・sであった。
【0049】
[主剤3の製造方法](実施例)
前記主剤1と同様に、末端イソシアネート型ポリウレタン(前記a2)700g、コロネートHX(b)(日本ポリウレタン工業(株)製、イソシアネート基濃度5.1モル/kg)270g、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート(c)30gより、該主剤3を得た。主剤3は、イソシアネート基濃度2.9モル/kg、80℃における熔融粘度は、0.4Pa・sであった。
【0050】
[主剤4の製造方法](比較例)
前記主剤1と同様に、末端イソシアネート型ポリウレタン(前記a3)700g、コロネートL(b)360gおよびデスモジュールR(c)30gより主剤4を得た。該主剤4は、イソシアネート基濃度1.7モル/kg、80℃における熔融粘度は、7.1Pa・sであった。
【0051】
[主剤5の製造方法](比較例)
前記主剤1と同様に、末端イソシアネート型ポリウレタン(前記a4)700g、コロネートL(b)360gおよびデスモジュールR(c)30gより主剤5を得た。該主剤5は、イソシアネート基濃度2.9モル/kg、80℃における熔融粘度は、1.5Pa・sであった。
【0052】
[主剤6の製造方法](比較例)
前記主剤1と同様に、末端イソシアネート型ポリウレタン(前記a1)700g、コロネートL(b)51gおよびデスモジュールR(c)30gより主剤6を得た。該主剤6は、イソシアネート基濃度1.9モル/kg、80℃における熔融粘度は、1.5Pa・sであった。
【0053】
[主剤7の製造方法](比較例)
前記主剤1と同様に、末端イソシアネート型ポリウレタン(a1)700g、コロネートL(b)973gおよびデスモジュールR(c)30gより主剤7を得た。該主剤7は、イソシアネート基濃度1.1モル/kg、80℃における熔融粘度は、4.4Pa・sであった。
【0054】
[主剤8の製造方法](比較例)
前記主剤1と同様に、末端イソシアネート型ポリウレタン(a1)700gおよびコロネートL(b)360gより主剤8を得た。該主剤8は、イソシアネート基濃度2.2モル/kg、80℃における熔融粘度は、2.8Pa・sであった。
【0055】
[主剤9の製造方法](比較例)
前記主剤1と同様に、末端イソシアネート型ポリウレタン(前記a1)700g、コロネートL(b)360gおよびデスモジュールR(c)100gより主剤9を得た。該主剤9は、イソシアネート基濃度2.8モル/kg、80℃における熔融粘度は、2.1Pa・sであった。
【0056】
[主剤10の製造方法](比較例)
前記主剤1と同様に、末端イソシアネート型ポリウレタン(前記a3)250gおよびコロネートL(b)1,000gより主剤10を得た。該主剤10は、イソシアネート基濃度3.3モル/kg、80℃における熔融粘度は、12Pa・sであった。
【0057】
[主剤11の製造方法](比較例)
フラスコに、無水フタル酸538g、ジエチレングリコール462gおよびトリフェニルフォスファイト1gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら5時間で230℃まで加熱し、水を留出させながらエステル化反応を行う。水の留出が止まった時点でテトラ−n−ブトキシチタン重合体0.1gを仕込み、250℃に昇温し10トール減圧下中縮合させ、ポリエステルポリオール樹脂(d1)を得た。当該樹脂は、水酸基濃度1.9モル/kg、芳香族環構造濃度4.2モル/kg、80℃における熔融粘度は0.9Pa・sであった。
【0058】
[主剤12(溶剤希釈塗工用)の製造方法](比較例)
フラスコに、イソフタル酸830g(5モル)、アジピン酸730g(5モル)、1,6−ヘキサンジオール118g(1モル)、1,4ーブタンジオール270g(3モル)、エチレングリコール186g(3モル)、ネオペンチルグリコール416g(4モル)およびトリフェニルフォスファイト1gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら5時間で230℃まで加熱し、水を留出させながらエステル化反応を行う。水の留出が止まった時点でテトラ−n−ブトキシチタン重合体0.1gを仕込み、250℃に昇温し10トール減圧下中縮合させ、ポリエステルポリオール樹脂を得た。これにエポトートYDF−2001(東都化成(株)製:化学名:ビスフェノールF型エポキシ樹脂)243gを加え、さらに酢酸エチルで不揮発分60質量%に希釈調整し、有機溶剤希釈塗工用の主剤11を得た。主剤11の25℃における溶液の粘度は、3Pa・sであった。
【0059】
上記主剤1〜12の組成を以下に示す。

【0060】
[硬化剤1(d1)の製造方法](実施例)
ポリエステルポリオール樹脂(d1)をそのまま用いた。当該樹脂は、水酸基濃度1.9モル/kg、芳香族環構造濃度4.2モル/kg、80℃における熔融粘度は0.9Pa・sであった。
【0061】
[硬化剤2(d2)の製造方法](実施例)
ニューポールBPE−20(三洋化成工業(株)製)500gとニューポールBPE−40(三洋化成工業(株)製)500gを混合し、ポリエーテルポリオール樹脂(d2)を得た。当該樹脂は、水酸基濃度5.5モル/kg、芳香族環構造濃度5.5モル/kg、80℃における熔融粘度は、0.1Pa・sであった。
【0062】
[硬化剤3(d3)の製造方法](実施例)
フラスコに、数平均分子量200のポリプロピレングリコール400g、ジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート250gを仕込み、窒素気流下、攪拌しながら75℃で8時間重付加反応させ、ポリウレタンポリオール樹脂(d3)を得た。当該樹脂は、水酸基濃度3モル/kg、芳香族環構造濃度3モル/kg、80℃における熔融粘度は、3.5Pa・sであった。
【0063】
[硬化剤4(d4)の製造方法](比較例)
エポトートYDF−2001をそのまま用いた。当該樹脂は、水酸基濃度2.6モル/kg、芳香族環構造濃度7.4モル/kg、80℃における熔融粘度は、16Pa・sであった。
【0064】
[硬化剤5の製造方法](比較例)
タケネートD−165N(三井化学ポリウレタン工業(株)製)をそのまま用いた。硬化剤5のイソシアネート基濃度5.5モル/kg、芳香族環構造濃度0.0モル/kg、80℃における熔融溶液の粘度は、0.1Pa・sであった。
【0065】
[硬化剤6(溶剤希釈塗工用)の製造方法](比較例)
コロネートLをそのまま用いた。硬化剤6のイソシアネート基濃度3.0モル/kg、芳香族環構造濃度3.4モル/kg、25℃における溶液の粘度は、1.7Pa・sであった。
上記硬化剤1〜6の組成を以下に示す。
【0066】

【0067】
[接着剤組成物の製造方法および評価結果]
主剤と硬化剤とを以下の表1のように配合し、実質的に有機溶剤を含まない接着剤組成物を得た。また、同表にノンソル塗工ラミネート加工の評価結果を示す。
【0068】

【0069】

【0070】

【0071】

【0072】
主剤と硬化剤を以下の表2のように配合し、有機溶剤を含む接着剤組成物を得た。また、同表に有機溶剤希釈グラビア塗工ラミネート加工の評価結果を示す。
【0073】

【0074】
[評価方法]
(水酸基濃度)
評価樹脂をJIS K 0070に準拠して測定した。
(イソシアネート基濃度)
評価樹脂をJIS K 1603に準拠して測定した。
(芳香族環構造濃度)
評価樹脂の分子構造式より1kgあたりのフェニル環数を算出した。
【0075】
(熔融粘度)
評価樹脂を所定の温度でB型回転粘度計にて測定した。
(溶液粘度)
評価樹脂溶液を25℃の温度でB型回転粘度計にて測定した。
【0076】
(無溶剤塗工性)
スクイズロールコーターにて2μmの厚みで薄膜塗工する際の塗工適性を評価した。
○:外観良好
×:塗工不能
【0077】
(溶剤希釈高固形分塗工性)
有機溶剤で所定の不揮発分に希釈された接着剤組成物を、グラビアロールコーターにて、有機溶剤揮発後の厚みとして2μmとなるよう(有機溶剤込みの厚みとしては、例えば、不揮発分50質量%のものは4μm、不揮発分25質量%のものは8μmの厚みで)薄膜塗工する際の塗工適性を評価した。
○:外観良好
×:外観不良または塗工不能
【0078】
(接着性)
厚さ15μmのナイロンフィルムに対して、接着剤組成物を(有機溶剤で希釈して塗工されたものは不揮発分として)2μmの厚みで薄膜塗工し、厚さ60μmのコロナ表面処理済み非延伸型直鎖低密度ポリエチレンフィルムと貼合せ、40℃で7日経過後、25℃においてナイロンフィルムと直鎖低密度ポリエチレンフィルムを引き剥がしたときの剥離状態を評価した。
○:フィルム基材破壊
×:容易に剥離
ND:塗工不能のためデータなし
【0079】
(切れ性)
接着性の評価に用いた積層体の印刷の施された部分にカッターナイフで切れ込みを作成し、この切れ込みから積層体を引き裂いた時の状態を評価した。
○:積層面の露出なし
×:フィルムが延伸し積層面の露出発生
ND:塗工不能のためデータなし
【産業上の利用可能性】
【0080】
以上の如く、本発明によれば、熔融粘度或は有機溶剤を用いた時の希釈粘度が低く、無溶剤塗工適性或は高固形分での溶剤希釈塗工適性に優れた接着剤組成物が提供される。そして、被着体として、非延伸型の直鎖低密度ポリエチレン系フィルムやポリプロピレン系フィルムを用いた場合でも、有機溶剤の使用量を大幅に減らし、或は全く有機溶剤を用いないで引き裂き開封性に優れたフィルム状の積層体が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子末端がイソシアネート基である化合物を主成分とする主剤(A)と、分子末端が水酸基である化合物を主成分とする硬化剤(B)とからなる接着剤組成物(C)において、
上記主剤(A)が、末端イソシアネート型ポリウレタン(a成分)60〜90質量%と変性ポリイソシアネート(b成分)40〜10質量%(aとbとの合計は100質量%である)と、a成分とb成分との合計の0.5〜5質量%のジフェニルメタン型ポリイソシアネート(c成分)とを含有し、
上記末端イソシアネート型ポリウレタン(a)は、ポリオール成分の50質量%以上がポリオキシアルキレングリコールであり、かつイソシアネート基含有量が1〜2モル/kgであり、
上記変性ポリイソシアネート(b)は、イソシアネート基含有量が4〜8モル/kgであり、
上記ジフェニルメタン型ポリイソシアネート(c)は、イソシアネート基含有量が7〜12モル/kgであり、
上記硬化剤(B)が、芳香族環構造を3〜6モル/kg有するポリオール(d)50〜100質量%を含有し、かつポリオール(d)に帰属する水酸基が硬化剤(B)中の全水酸基の50〜100モル%であり、
上記主剤(A)と硬化剤(B)との末端基の化学量論比(イソシアネート基/水酸基)が1〜10であることを特徴とする接着剤組成物(C)。
【請求項2】
80℃における熔融粘度が、10Pa・s以下であり、不揮発分が98質量%以上であり、実質的に有機溶剤を含有しない請求項1に記載の接着剤組成物(C)。
【請求項3】
有機溶剤を含有し、不揮発分50質量%、かつ温度25℃に調整した時の粘度が、25mPa・s以下である請求項1に記載の接着剤組成物(C)。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤組成物(C)を用いてフィルム状基材を積層せしめたフィルム状の積層体、およびそのフィルムの積層体を用いて製造されたことを特徴とする袋状の積層体。

【公開番号】特開2008−274061(P2008−274061A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−117901(P2007−117901)
【出願日】平成19年4月27日(2007.4.27)
【出願人】(000002820)大日精化工業株式会社 (387)
【出願人】(000238256)浮間合成株式会社 (99)
【Fターム(参考)】