説明

接着性が向上した重合液晶フィルム

本発明は、重合液晶(LC)材料として基板への接着性が向上したものを含むフィルム、該フィルムの製造方法、重合性LC材料として前記フィルムの製造に用いられるもの、および前記フィルムの光学、電気光学、装飾またはセキュリティ用途およびデバイスにおける使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は重合性液晶(LC)材料として基板への接着性が向上したものを含むフィルム、該フィルムの製造方法、重合性LC材料として前記フィルムの製造に用いられるもの、および前記フィルムの光学、電気光学、装飾またはセキュリティ用途およびデバイスにおける使用に関する。
【0002】
背景と従来技術
重合性(polymerizable)液晶(LC)材料は、光学フィルムまたは液晶ディスプレイの製造に広く用いられている。これらの材料は、多くの場合ある量の化合物として、2個または3個以上の重合性基(二官能性または多官能性)を有し、架橋されて固いフィルム(hard film)を形成する。
しかし、重合の最中に、ある種の重合性材料、例えばアクリラートのようなものは、ポリマー収縮(polymer shrinkage)を受けてしまう[R.A.M. Hikmet, B.H. Zwerver and D.J. Broer Polymer (1992), 33, 89を参照]。この収縮によって重合されたフィルムは大きな張力を受け、フィルムと基板との間の接着力が減少する。
この問題を克服するための先行技術における1つの技術としてしられているものは、基板を改変して重合フィルムへの接着を向上せしめることを中心としている。例えば、前記基板を特別な処理に付することができるところ、該処理とは、例えば、US 2,795,820またはGB 0 788 365に開示されている火炎処理(flame treatment)、DE 1 128 644に記載されているコロナ処理、またはR.L. Bersin Adhesives Age (1972) 15, 37に記載されているプラズマ処理である。
【0003】
もしくは、別個の接着層または結合層(典型的には、有機シラン物質の溶液)を基板にコートし、ポリマーフィルムの基板への接着を向上せしめることができる。例えば、Addid 900 (登録商標) (Wacker GmbH, Burghausen, Germanyによる)であるが、これは市販のアミノ官能性トリメトキシシランである。
US 5,631,051には、光学補償シートをトリアセチルセルロース(TAC)の透明な基板上に設ける方法として、まず接着層としてゼラチンをTACフィルムに設けるものが開示されている。次に配向層の形成を変性ポリビニルアルコール(PVA)溶液、重合性基の付加によって化学的に変性せしめたもの、をゼラチン層にコートすることにより行い、溶媒を留去し、重合したPVA層の表面を一定方向にラビングし、最後に光学異方層としてディスコティックLC材料を含むものをラビングしたPVA層の表面にコートし、重合する。
【0004】
US 5,747,121には、光学的補償シートの作成方法として、変性ポリビニルアルコール(PVA)溶液、重合性基の付加によって化学的に変性せしめたもの、を透明な基板上にコートし、溶媒を留去し、重合したPVA層の表面を一定方向ににラビングするものが開示されている。次に光学的異方層としてディスコティックLC材料を含むものをラビングしたPVA層の表面にコートし、重合する。その後、フィルムを熱処理に付すると、PVA層およびディスコティックLC層が、フリーな架橋基によって化学的に相互に結合するとされている。
【0005】
しかしながら、上記方法はいずれも明らかな欠点を有している。それは、余分な製造工程を要することである。さらに、別個の接着層および配向層としてゼラチンまたはPVAのような等方性材料を用いることによって、液晶フィルムが、例えば光学フィルムとして用いられた場合のパフォーマンスに好ましくない影響を及ぼす場合がある。
この問題を克服するために、接着促進剤を重合性LC材料製剤に直接添加し得る。Addid 900 (登録商標)、または同様な物質が典型的な添加剤である。しかし、これらの物質を重合性LC混合物に添加した場合、多くの場合、好適に配向した、例えば光学フィルム用としてのフィルムを得るのは困難である。
【0006】
とくに、ポリイミド(PI)のフィルムやコーティングは、配向層として広く用いられ、与えられたLC材料の均一な配向を誘導するものであるが、重合性LC材料に対する接着性は低いものでしかない場合が多い。
したがって、有利な重合性または架橋性LC材料として、配向されたフィルムの製造に用いることができて、プラスチック基板、とくにポリイミド基板、によく接着し、異方性を保持し得るものが要求されている。
本発明の目的は、そのような材料の提供にあった。本発明のもう一つの目的は、LCポリマーフィルムとして、接着性が向上し、かつその光学的物性に影響を与えないものの提供にあった。他の目的は、当業者には以下の記載から直ちに明らかとなる。
【0007】
本発明の発明者らは、上記目的の達成および従来法の欠点の克服が、重合性LC材料として接着促進剤を少量含むものによってなされることを見出した。前記接着促進剤は、重合性LC材料の基板への接着性を向上せしめるとともに、前記材料の液晶相、例えば均一な配向、またはフィルムの光学的特性、例えば透過性に対して、悪影響を及ぼさないかまたはその程度が小さい。
なかんずく、本発明者らは、重合性LC材料として接着促進剤を少量含むものとして、前記接着促進剤が例えば低級アルキルアクリラート(HEA)のようなものが、上記目的に対してとくに有利であることを見出した。HEAの水酸基は基板と相互作用して接着性を向上せしめる一方、アクリル基によって前記接着促進剤は重合LCフィルムに共有結合し、相分離によってフィルム内において光学散乱(optical scattering)が生じるのを避けることができる。
【0008】
HEAの提唱は、従来技術においては、架橋LCポリマーの製造においてなされてきた。例えばUS 5,308,535においては、HEAをメソゲン性アクリラートと共重合せしめ、側鎖ポリマーを形成せしめることが提唱されている。該側鎖ポリマーはHEAの側鎖のフリーのOH基を介して、例えばジイソシアナートとの反応によって架橋可能である。しかし、US 5,308,535には、前記ポリマーの接着性の改善のためのHEAの使用については記載されていない。とくに、HEAのOH基は架橋剤と反応するため、基板との相互作用能は低下してしまう。
HEAはポリマーの前駆体として、PDLC(ポリマー分散液晶)ディスプレイのような光学散乱デバイスに用いられるものとしても報告されている。例えばWO 93/05436に開示されている。このデバイスは等方性のポリマーマトリクスからなり、HEAおよび微液滴である低モル量のLC材料が内部に分散したものを含む。電場を適用することによって、LCの液滴を異なる配向の状態間をスイッチすることが可能である。等方性ポリマーマトリクスに対して、一方の状態は屈折率の適合(refractive index match)を示し、他方の状態は屈折率の不適合を示すことによって、それぞれ透明ナトリウム状態と散乱状態となる。しかし、WO 93/05436には、LCポリマーフィルムであって、HEA領域として相分離していない、均一な配向および高い光学的な透明度を示すものは開示されていない。
【0009】
US 5,798,147には、基板のコートまたはプリントをコレステリック重合物質を用いて行う方法として、該物質はとくに接着促進剤を含んでもよいものが開示されている。接着促進剤としては、例えば、第16列に示されている式のシランL2-(CH2)3-Si(OMe)3である。ここでLは水酸基、イソシアナート基または架橋可能なアクリラートもしくはエポキシのような基である。しかし、上記したように、シランを重合性LC混合物に添加すると、多くの場合LC分子の配向が阻害される。
【0010】
US 6,605,235には、色の印象(color impression)が改善されたコレステリック層材料およびその注入可能なコレステリック材料からの製造方法が開示されている。それは支持体上に注入され、重合またはそのガラス温度未満への冷却によって硬化され、前記支持体から取り外される。同文献の第24列および第25列には、数多くの反応性希釈剤が記載され、これらはコレステリック材料に含有されていてもよく、とくにHEAのような低級アルキルアクリラートである。しかし、同文献には、その接着促進剤としての使用については記載されていない。逆に、US 6,605,235の第4列および第29列には、前記コレステリック層は、支持体または任意の剥離層に対する接着性が低く、容易に取り除かれることが好ましい旨記載されている。
【0011】
用語の定義
用語「フィルム」には、自己支持性の、すなわちそれ自体によって立ち得る、材料のフィルムまたは層として、少なくとも顕著な機械的な安定性および柔軟性を有するものの他、支持性の基板上のまたは2つの基板の間のコーティングまたは層が包含される。
用語「液晶またはメソゲン性材料」または「液晶またはメソゲン性化合物」には、材料または化合物として1種または2種以上の棒状、板状または円盤状のメソゲン基、すなわち液晶相の挙動の誘導能を有する基、を含むものが包含される。液晶(LC)化合物として棒状または板状の基を有するものは、当技術分野において「カラミティック」液晶としても知られている。液晶化合物として円盤状の基を有するものは、当技術分野において「ディスコティック」液晶としても知られている。メソゲン基を有する前記化合物または材料は、それら自体が液晶相を示さなくてもよい。それらは、他の化合物との混合物中においてのみか、またはメソゲン性化合物もしくは材料、またはそれらの混合物が、重合された場合のみに、液晶の挙動を示すものであってもよい。
【0012】
単純化のために、用語「液晶(LCと略記する)材料」を、液晶材料およびメソゲン性材料の両方に用い、用語「メソゲン」を、該材料のメソゲン基を表すものとして用いる。
用語「非メソゲン性化合物または材料」は、上記定義によるメソゲン基を含まないメソゲン性化合物または材料を意味する。
用語「接着促進剤」は、本発明においては、化合物または材料として、重合性LC材料において、例えばLCポリマーフィルムの製造のために用いられ、重合性LC材料またはLCポリマーフィルムの基板に対する接着性を有意に向上せしめるものを意味する。
【0013】
発明の概要
本発明は、重合性LC材料であって、1種または2種以上の重合性メソゲン性化合物および1種または2種以上の、好ましくは非メソゲン性の、重合性接着促進剤を含む、重合性液晶材料に関する。
本発明はさらに、上記および下記の重合性LC材料から得られるポリマーフィルムに関する。
本発明はさらに、ポリマーフィルムとして重合性LC材料から得られるものの基板、フィルムまたは表面への接着性を高める方法であって、1種または2種以上の重合性接着促進剤を前記LC材料に重合前に添加することによる、前記方法に関する。
本発明はさらに、本発明によるポリマーフィルムの製造方法に関する。
【0014】
本発明はさらに、本発明によるフィルム、材料または方法の、光学、電気光学、情報蓄積、装飾およびセキュリティアプリケーションにおける使用に関する。
本発明はさらに、光学的成分またはデバイスとして、本発明によるフィルムまたは材料を含むものに関する。
本発明はさらに、本発明によるフィルムまたは材料を含む液晶ディスプレイに関する。
本発明はさらに、本発明によるフィルムまたは材料を含む鑑定、証明もしくはセキュリティマーキング、または着色の絵柄に関する。
本発明はさらに、上記および下記の鑑定、証明もしくはセキュリティマーキング、または絵柄を含む有価物もしくは文書に関する。
【0015】
発明の詳細な説明
接着性の向上は、好ましくは1種または2種以上の接着促進剤であって、重合LCフィルム、例えば小さいアクリラート分子のようなもの、に重合される得るものによって得られる。これらの化合物は、基板と相互作用する基も有する必要があり、好ましくは極性基であり、例えばOH基、またはCOOH、SH、−CO−、−NH−、NHもしくはCN基またはピリジンもしくはピロール環である。例えば、重合LCフィルムのポリイミド基板への接着性を向上せしめるためには、1個または2個以上の水酸基を有する化合物がとくに有用であることが明らかになった。これは、該化合物がポリイミド層に水素結合することができるからである。他の基板には、基の性質が適切なものを選択する。例えば、チオール基は金基板にはとくに好適でありかつ好ましく、アミン基はTAC基板にはとくに好適でありかつ好ましい。
シランではない接着促進剤が好ましい。
【0016】
少量の接着促進剤を重合性LC材料に添加すると、重合LC層の基板への接着の向上に寄与し、とくにポリイミドまたはラビングされたポリイミドにおいて顕著であり、この場合において液晶材料の所望の液晶特性は維持されることが明らかになった。
前記接着促進剤は、重合LCフィルムの基板に対する接着性の向上として、ガラスまたはプラスチック製の基板または他の重合LCフィルムへの接着の向上にも用いることができる。例えば液晶ディスプレイにおいて用いる場合、接着促進剤は重合LCフィルムの他のディスプレイ要素に対する接着性を向上せしめることができる。他のディスプレイ要素は、例えば配向層、電極、カラーフィルター、平坦化層、偏光板、補償板、パッシベーション層、緩衝層、ブラックマスク、ディフューザ、反射板、保護層、または例えば積層状のフィルム内におけるPSA(感圧性接着剤)層である。セキュリティまたは装飾アプリケーションに用いる場合には、接着促進剤は、重合LCフィルムの、例えば有価文書または装飾の対象物の表面に対する接着性を向上せしめることができる。
【0017】
好ましくは、接着促進剤の最小量は、重合性LC材料の重量に対して0.1%、とくに0.5%、最も好ましくは1%である。接着促進剤の最大量は、重合性LC材料の重量に対して20%、とくに好ましくは15%である。
重合性LC材料中における接着促進剤の好ましい濃度範囲は、1〜20重量%、極めて好ましくは5〜20重量%、最も好ましくは5〜15重量%である。
【0018】
とくに好ましい接着促進剤は、好ましくは短く、二官能性分子であって、1つまたは2つ以上の反応性または重合性官能基を有し、重合性LC層に重合し、1つまたは2つ以上の官能基として基板との相互作用を、好ましくは双極性相互作用、水素結合または化学結合によって行い得て、その結果ポリマーフィルムの基板への接着性を増大せしめることができるものである。基板と相互作用をする基の選択は、用いる基板に応じて行う。例えば、ポリイミドの基板の場合、基は水素結合供与体または水素結合受容体である必要がある。極めて好ましくは、接着促進剤は非メソゲン重合性化合物であって、基板との相互作用によって重合性LC材料の接着を向上せしめるものである。このような基の選択は、好ましくはOH、COOH、SH、シラン、−CO−、−NH−、NHもしくはCN基、またはピリジン環もしくはピロール環からなされる。COOH基の場合、COOH基の二量化は好ましくは、水素結合溶媒を用いて回避し、重合性LC材料を施用するべきである。
【0019】
このような化合物は、式Iのものから選択される。
P−Sp−G I
式中、Pは重合性基、Spはスペーサー基、Gは基板に結合し得る極性官能基である。
重合性または反応性基であるPは、好ましくは以下から選択される。
CH=CW−COO−、
【化1】

CH=CW−(O)k1−、CH−CH=CH−O−、(CH=CH)CH−OCO−、(CH=CH−CHCH−OCO−、(CH=CH)CH−O−、(CH=CH−CHN−、HO−CW−、HS−CW−、HWN−、HO−CW−NH−、CH=CW−CO−NH−、CH=CH−(COO)k1−Phe−(O)k2−、Phe−CH=CH−、HOOC−、OCN−。各式中、WはH、Cl、CN、フェニルまたは1〜5個のC原子を有するアルキルであって、とくにH、ClまたはCHであり、WおよびWは、互いに独立して、Hまたは1〜5個のC原子を有するアルキルであって、とくにH、メチル、エチルまたはn−プロピルであり、Pheは、1,4−フェニレンであり、そしてkおよびkは互いに独立して、0または1である。
【0020】
重合性または反応性基であるPは、好ましくはビニル基、アクリラート基、メタクリラート基、オキセタン基またはエポキシ基から選択され、とくに好ましくはアクリラート基である。
スペーサー基Spは、アルキレンまたはアルキレンオキシであって6個までのC原子を有し、無置換であるかまたはF、Cl、BrまたはCNによってモノ置換または多置換されているものである。
極めて好ましいSpはエチレン、プロピレン、ブチレン、ペンチレンおよびヘキシレンである。
Gは好ましくはOH、COOH、SH、NHまたはCNである。
【0021】
最も好ましい接着促進剤は、小さいアクリラートであり、ヒドロキシエチルアクリラート(HEA)またはヒドロキシブチルアクリラート(HBA)などである。他の重合性基を用いることも可能であり、好ましい化合物接着促進剤の重合性基は、重合性LC材料中の重合性化合物の重合性基と同一のものである。例えば、重合性LC混合物としてメタクリラートを用いる場合、接着促進剤の選択は好ましくはヒドロキシエチルメタクリラート(HEMA)またはヒドロキシブチルメタクリラート(HBMA)からなされる。
HEAを接着促進剤として用いる場合、その好ましい濃度は1〜15mol%であり、極めて好ましくは3〜12mol%であり、最も好ましくは4〜10mol%である。
【0022】
本発明はさらにポリマーフィルムを下記によって製造する方法に関する。
−上記および下記の重合性材料の層を基板上に与えること、
−任意に、前記LC材料を均一な配向に配向せしめること、
−LC材料を重合すること、および
−任意に、前記重合されたLC材料を基板から除去することおよび/または任意に、それを他の基板の上に与えること。
本発明による重合LCフィルムはプラスチックの基板、とくにポリイミドの基板、に対して良好な接着性を示し、そのため接着コーティングまたはベースコーティングとして、これを用いなければ基板に充分に接着しない、次のLC層に用いることができる。
【0023】
本発明の重合LCフィルムの好ましい厚さは、フィルムまたは最終製品によって望まれる光学的特性によって決定される。例えば、重合LCフィルムが主として光学的な層として作用するものではなく、例えば接着層、配向層または保護層として作用する場合、その厚さは好ましくは、1μm未満であり、とくに0.5μm未満であり、極めて好ましくは0.2μm未満である。ポリマーフィルムの光学アプリケーションには、好ましくは、0.5〜10μm、極めて好ましくは1〜5μmであり、とくに1〜3μmである。
【0024】
LCフィルムは、好ましくは、重合性LC材料から、インサイチュ(in-situ)重合により製造する。好ましい製造方法においては、重合性LC材料を基板上に塗布し、所望の配向に配向させ、その後熱または化学線に暴露することによる重合を、例えばWO 01/20394、GB 2,315,072またはWO 98/04651に記載されているように行う。
好適なプラスチック基板は当業者には知られていて、文献に記載されている。例えば光学フィルム業界において用いられている通常の基板のようなものである。重合にとくに好適であり好ましい基板はポリイミド(PI)フィルムである。
【0025】
好ましい基板は、さらにポリエチレンテレフタレート(PET)もしくはポリエチレンナフタレート(PEN)のようなポリエステル、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリカーボネート(PC)またはトリアセチルセルロース(TAC)であり、とくに好ましくはPETである。
とくに好ましくは、重合性LC材料としてポリマーの製造のために用いられるものは、以下を含む。
−0〜97%、好ましくは25〜60%の1つの重合性基を有する1種または2種以上のメソゲン性化合物、
−3〜100%、好ましくは5〜60%の2つまたは3つ以上の重合性基を有する1種または2種以上のメソゲン性化合物、
−0.1〜20%、好ましくは1〜15%、極めて好ましくは5〜15%の接着促進剤、
−0〜10%、好ましくは0.1〜6%の1種または2種以上の重合開始剤。
【0026】
重合性化合物として重合性LC材料において用いられるものは、好ましくは、メソゲン性または液晶性化合物である。したがって、重合性LC材料は、典型的には1種または2種以上の重合性キラルな、またはアキラルなメソゲン性または液晶性化合物を含む。それは好ましくは、1つの重合性基を有する(単反応性(monoreactive))1種または2種以上の重合性化合物および2つまたは3つ以上の重合性基を有する(二反応性(direactive)または多反応性(multireactive))1種または2種以上の重合性化合物を含む混合物である。
【0027】
他の好ましい態様において、重合性LC材料は、20重量%までの1つの重合性官能基を有する単反応性非メソゲン性化合物を含む。典型例は、1〜20個のC原子を有するアルキル基を有するアルキルアクリラートまたはアルキルメタクリラートである。
他の好ましい態様においては、重合性LC材料として架橋度が低いフィルムの製造に用いられるものは、2つより多い重合性基を有する化合物を含有しない。
他の好ましい態様において、重合性LC材料として架橋度が低いフィルムの製造に用いられるものは、アキラルな材料である。すなわち、これはキラルな化合物を含有しない。
【0028】
重合性化合物および重合性メソゲン性化合物として上記および下記されているものは、好ましくはモノマーである。
重合性LC材料にはさらに添加剤を含むことが可能である。添加剤は、例えば界面活性剤、触媒、増感剤、安定剤、連鎖移動剤、阻害剤、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水剤(hydrophobing agent)、流動改善剤、消泡剤、脱気剤、希釈剤、反応性希釈剤、着色剤、染料または他の補助剤である。
【0029】
架橋度が高いLCフィルムの場合、20重量%までの2つまたは3つ以上の重合性官能基を有する非メソゲン性化合物を、重合性LC材料に、二反応性または多反応性の重合性メソゲン性化合物に代えて、またはこれに加重して添加して、架橋度を増大させることも可能である。二反応性非メソゲン性モノマーの典型例は、1〜20個のC原子を有するアルキル基を有するアルキルジアクリラートまたはアルキルジメタクリラートである。多反応性非メソゲン性モノマーについての典型例は、トリメチルプロパントリメタクリラートまたはペンタエリスリトールテトラアクリラートである。
【0030】
上記および下記した重合性LC材料は、本発明の他の目的である。
本発明において用いられる重合性メソゲン性単反応性、二反応性および多反応性化合物の製造は、自体公知であり、例えば有機化学の標準的な学術書、例えばHouben-Weyl, Methoden der organischen Chemie, Thieme-Verlag, Stuttgartに記載されている方法により行うことができる。
好適な重合性メソゲン性化合物であって、モノマーまたはコモノマーとして本発明の化合物と共に重合性LC混合物中で用いることができるものの例を開示しているのは、例えばWO 93/22397、EP 0 261 712、DE 195 04 224、WO 95/22586、WO 97/00600およびGB 2 351 734である。しかし、これらの文献中に開示されている化合物は、単なる例にすぎないものであって、本発明の範囲を限定するものとして見なしてはならない。
【0031】
とくに有用なキラルおよびアキラルな重合性メソゲン性化合物(反応性メソゲン)の例を以下のリスト中に示す。これは例示としてのみ解されるべきであって限定を意図するものでは全くなく、本発明を説明することを意図するものである:
【化2】

【0032】
【化3】

【0033】
【化4】

【0034】
上式において、Pは重合性基であり、好ましくはアクリル、メタクリル、ビニル、ビニルオキシ、プロペニルエーテル、エポキシ、オキセタンまたはスチリル基であり、xおよびyは、同一または異なる1〜12の整数であり、Aは1,4−フェニレンであって任意にLにより単置換、二置換もしくは三置換されているものであるか、または1,4−シクロヘキシレンであり、uおよびvは互いに独立して0または1であり、Zは−COO−、−OCO−、−CHCH−、−CH=CH−、−C≡C−または単結合であり、Rは極性基または非極性基であり、Terは、テルペノイド基、例えばメンチルであり、Cholは、コレステリル基であり、L、LおよびLは、互いに独立して、H、F、Cl、CNであるかまたは、1〜7個のC原子を有する、任意にハロゲン化されているアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルまたはアルコキシカルボニルオキシ基であり、rは0、1、2、3または4である。上式中のフェニル環は、任意に1個、2個、3個または4個の基Lにより置換されている。
【0035】
ここにおいて、用語「極性基」は、F、Cl、CN、NO、OH、OCH、OCN、SCN、4個までのC原子を有する、任意にフッ素化されているアルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシもしくはアルコキシカルボニルオキシ基または1〜4個のC原子を有するモノ、オリゴもしくは多フッ素化されているアルキルもしくはアルコキシ基から選択された基を意味する。用語「非極性基」は、前の「極性基」の定義により包含されていない、1個または2個以上、好ましくは1〜12個のC原子を有する、任意にハロゲン化されているアルキル、アルコキシ、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシもしくはアルコキシカルボニルオキシ基を意味する。
【0036】
好適な非反応性のキラルなドーパントは、例えば、商業的に入手できるRもしくはS−811、RもしくはS−1011、RもしくはS−2011、RもしくはS−3011、RもしくはS−4011、RもしくはS−5011またはCB15(Merck KGaA, Darmstadt, ドイツ国から)から選択することができる。極めて好ましいのは、高いらせんねじれ力(HTP)を有するキラルな化合物、とくにWO 98/00428に記載されているソルビトール基を含む化合物、GB 2,328,207に記載されているヒドロベンゾイン基を含む化合物、WO 02/94805に記載されているキラルなビナフチル誘導体、WO 02/34739に記載されているキラルなビナフトールアセタール誘導体、WO 02/06265に記載されているキラルなTADDOL誘導体並びにWO 02/06196およびWO 02/06195に記載されている、少なくとも1つのフッ素化結合基および末端または中心のキラルな基を有するキラルな化合物である。
【0037】
らせんねじれ構造を有するコレステリックLCフィルムの製造においては、重合性LC材料は、好ましくは1種または2種以上のアキラルな重合性メソゲン性化合物および少なくとも1種のキラルな化合物を含む。キラルな化合物は、重合可能でないキラルな化合物、例えば慣用のキラルなドーパントまたは重合性キラルな化合物から選択することができ、これらのすべてはメソゲン性または非メソゲン性であることができる。
好適な重合性のキラルな化合物は、例えば上記リスト中に示したものである。他の好適なキラルな重合性化合物は、例えば商業的に入手できるパリオカラー(Paliocolour)(登録商標)材料(BASF AG、ドイツ国から)である。
【0038】
好適な非反応性のキラルなドーパントは、例えば、商業的に入手できるRもしくはS−811、RもしくはS−1011、RもしくはS−2011、RもしくはS−3011、RもしくはS−4011、RもしくはS−5011またはCB15(Merck KGaA, Darmstadt, ドイツ国から)から選択することができる。極めて好ましいのは、高いらせんねじれ力(HTP)を有するキラルな化合物、とくにWO 98/00428に記載されているソルビトール基を含む化合物、GB 2,328,207に記載されているヒドロベンゾイン基を含む化合物、WO 02/94805に記載されているキラルなビナフチル誘導体、WO 02/34739に記載されているキラルなビナフトールアセタール誘導体、WO 02/06265に記載されているキラルなTADDOL誘導体並びにWO 02/06196およびWO 02/06195に記載されている、少なくとも1つのフッ素化結合基および末端または中心のキラルな基を有するキラルな化合物である。
【0039】
重合性材料は、好ましくは溶媒、好ましくは有機溶媒中に溶解するかまたは分散させる。次に、溶液または分散系を、基板上にスピンコートまたは他の既知の手法によりコートし、溶媒の留去を重合前に行う。多くの場合において、混合物を加熱して溶媒の留去を促進することは好適である。
【0040】
重合性LC材料は、さらにポリマーバインダーまたは、1種もしくは2種以上の、ポリマーバインダーを形成することができるモノマーおよび/または1種もしくは2種以上の分散助剤を含むことができる。好適なバインダーおよび分散助剤は、例えば、WO 96/02597に開示されている。しかし、バインダーまたは分散助剤を含まないLC材料がとくに好ましいの。
他の好ましい態様において、重合性LC材料は、基板上の液晶材料の平面状配向を誘発するかまたは増強する添加剤を含む。好ましくは、該添加剤は、1種または2種以上の界面活性剤を含む。好適な界面活性剤は、例えば、J. Cognard, Mol. Cryst. Liq. Cryst. 78, 補完1、1-77 (1981)に記載されている。とくに好ましいのは、非イオン系界面活性剤、まさにフルオロカーボン界面活性剤、例えば商業的に入手できるフルオロカーボン界面活性剤フルオラッド(Fluorad)FC−171(登録商標)(3M Co.から)、ゾニル(Zonyl)FSN(登録商標)(DuPontから)、またはGB 2 383 040に記載の材料である。
【0041】
LC材料の重合を、好ましく行うには、これを化学線に暴露する。化学線とは、光、例えばUV光、IR光もしくは可視光線での照射、X線もしくはガンマ線での照射または高エネルギー粒子、例えばイオンもしくは電子での照射を意味する。好ましい重合は、とくにUV光での光照射により実施するものである。化学線の源として、例えば、単一のUVランプまたはUVランプのセットを用いることができる。高いランプ出力を用いることによって、硬化時間を減少させることができる。光照射の他の可能な源は、レーザー、例えばUVレーザー、IRレーザーまたは可視レーザーである。
【0042】
重合は、化学線の波長において吸収を示す開始剤の存在下で実施する。例えば、UV光により重合する際には、光開始剤としてUV照射の下で分解され、重合反応を開始する遊離基またはイオンを生成するものを用いることができる。UV光開始剤、とくにラジカル性UV光開始剤が好ましい。ラジカル重合のための標準的な光開始剤として、例えば商業的に入手できるイルガキュア(Irgacure)(登録商標)またはダロキュア(Darocure)(登録商標)シリーズ(すべてCiba Geigy AGから)を用いることができる。一方陽イオン性光重合の場合には、商業的に入手できるUVI6974(Union Carbide)を用いることができる。
【0043】
重合性LC材料は、さらに1種または2種以上の他の好適な成分、例えば触媒、増感剤、安定剤、連鎖移動剤、阻害剤、共反応モノマー、界面活性化合物、潤滑剤、湿潤剤、分散剤、疎水剤(hydrophobing agent)、接着剤、流動改善剤、消泡剤、脱気剤、希釈剤、反応性希釈剤、補助剤、着色剤、染料または顔料を含むことができる。
また、1種または2種以上の連鎖移動剤を重合性材料に加えて、ポリマーフィルムの物理的特性を改変することが可能である。とくに好ましいのは、チオール化合物、例えば単官能性チオール化合物、例えばドデカンチオールまたは多官能性チオール化合物、例えばトリメチルプロパントリ(3−メルカプトプロピオネート)、極めて好ましくは、メソゲン性または液晶性チオール化合物である。連鎖移動剤を加える際には、遊離のポリマー鎖の長さおよび/または本発明のポリマーフィルムにおける2つの架橋間のポリマー鎖の長さを、制御することができる。連鎖移動剤の量を増大させると、得られたポリマーフィルムにおけるポリマー鎖の長さは減少する。
【0044】
本発明の重合LCフィルムまたは重合性LC材料は、光学素子、例えば液晶ディスプレイまたは投射システムにおける偏光板、補償板、配向層、円偏光板またはカラーフィルターに、装飾絵柄に、液晶または効果顔料の製造のために、およびとくに空間的に変化する反射色を有する反射性フィルムに、例えば装飾、情報蓄積またはセキュリティー用途、例えば偽造不能な文書、例えば身分証明書またはクレジットカード、紙幣などのための多色絵柄として有用である。
【0045】
本発明のLCフィルムは、透過型または反射型のディスプレイにおいて用いることができる。これらは、慣用のLCDにおいて、とくにDAP(配向相の変形)、もしくはVA(垂直配向)モード、例えばECB(電気的に制御された複屈折)、CSH(色超ホメオトロピック)のLCD、VANもしくはVAC(垂直配向ネマティックもしくはコレステリック)ディスプレイ、MVA(マルチドメイン(multi-domain)垂直配向)もしくはPVA(パターン化垂直配向)ディスプレイにおいて、曲がりモードのディスプレイもしくはハイブリッドタイプディスプレイ、例えばOCB(光学的に補償された曲がりセルもしくは光学的に補償された複屈折)、R−OCB(反射性OCB)、HAN(ハイブリッド配向ネマティック)もしくはパイセル(πセル)ディスプレイにおいて、さらに、TN(ねじれネマティック)、HTN(高度にねじれたネマティック)もしくはSTN(超ねじれネマティック)モードのディスプレイにおいて、AMD−TN(アクティブマトリックス駆動TN)ディスプレイにおいて、または、「超TFT」ディスプレイとしても知られているIPS(面内切換)モードのディスプレイにおいて、用いることができる。とくに好ましいのは、VA、MVA、PVA、OCBおよびパイセルディスプレイである。
【0046】
本発明の重合性材料およびポリマーフィルムは、とくに3Dディスプレイに好適である。3DディスプレイはEP 0 829 744, EP 0 887 666 A2, EP 0 887 692, US 6,046,849, US 6,437,915および"Proceedings of the SID 20th International Display Research Conference, 2000", 280頁に記載されている。このようなタイプの3Dディスプレイであって本発明のポリマーフィルムを含むものを、本発明のもう一つの目的とする。
【0047】
以下の例は、本発明の例示を、限定せずに行うためのものである。上記および下記のおいて、他にすべての温度は摂氏を示し、すべての百分率は重量百分率であるが、他に注記されている場合はこの限りでない。
【0048】

例1
重合性LC混合物M1の処方を以下のように行った。
M1:
(1) 39.4 %
(2) 24.60 %
(3) 24.60 %
(4) 9.72 %
イルガキュア651 1.00 %
フルオラッド FC171 0.60 %
イルガノックス1076 0.08 %
【0049】
【化5】

【0050】
イルガキュア651(登録商標)は光開始剤であり、イルガノックス(Irganox)1076(登録商標)は安定剤であり、ともに商業的に入手できる(Ciba AG, Basel, Switzerlandから)。FC171(登録商標)は非イオン系フルオロカーボン界面活性剤であり、商業的に入手できる(3M Co.から)。
M1をPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセタート)に33%の濃度で溶解する。2−ヒドロキシエチルアクリラートを異なる濃度で前記溶液に添加する。精製した溶液のスピンコート(2,000 RPM;30s)をラビングしたポリイミド(JSR AL1054)/スライドガラスに行い、光重合する(20 mWcm-2, 60s, N2)。
全ての混合物から、清澄で透明なポリマーフィルムであって、良好な配向性を有するものが得られた。
【0051】
フィルムの接着性の試験をScotch #610テープ試験によって行った。610テープをRMフィルムの上に適用し、鋭くはがした。接着性の合格は、フィルムが1枚もはがれなかった場合とした。各フィルムに対して試験を5回行った。結果を表1にまとめた:
【0052】
【表1】

1)テープがフィルムをはがした回数
2) 610テープ試験の結果のまとめ
3) 合格ではあるがさらなる改善が望まれた
【0053】
この結果は、短鎖の極性アクリラート分子であってOH基を有するものを添加することによって、重合LC層と基板との接着性が促進される一方、清澄で透明であり、高配向性のフィルムが与えられることを示す。
【0054】
例2
異なる量のHEA、4−ヒドロキシブシチルアクリラート(BHA)および2−ヒドロキシエチルメタクリラートを例1に記載の重合性LC混合物に添加し、異なる重合性混合物として表2に示したものを得た。HBAは混和性に乏しく重合性LC混合物において2.6mol%にしかならず、HEMAは混和性に乏しく4.0mol%にしかならなかった。HEAの混和性は、全ての試験濃度において>0〜7.3mol%となった。ポリマーフィルムのこれらの混合物からの生成を、例1の記載に従って行った。フィルムを25個の等しい方形に切り、それらの接着性をScotch 610を用いて行った。この試験の後に残っている方形の数を記録した(各混合物は3回試験し、平均値を記録した)。結果を表2に示した。
【0055】
【表2】

1) 残っている方形の数
【0056】
HEAが最もよい結果を示したことが明らかである。このことは、重合性LC混合物との混和性と重合フィルムへの接着性の度合いの両方を考慮していえる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
重合性液晶(LC)材料であって、1種または2種以上の重合性メソゲン性化合物および1種または2種以上の重合性接着促進剤を含む、重合性液晶材料。
【請求項2】
1種または2種以上の重合性接着促進剤を0.1〜20重量%含むことを特徴とする、請求項1に記載の重合性液晶材料。
【請求項3】
接着促進剤が、少なくとも二官能性分子であり、1個または2個以上の官能反応基として重合性LC層に重合するものを含み、かつ1種または2種以上の、基板との相互作用能を有する官能基を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の重合性液晶材料。
【請求項4】
接着促進剤が、1個または2個以上の、基板との結合能を有し、OH、COOH、SH、−CO−、−NH−、NHまたはCNから選択される基またはピリジン環もしくはピロール環を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の重合性液晶材料。
【請求項5】
接着促進剤が、式I
P−Sp−G I
式中、Pは重合性基であり、Spはスペーサー基であり、そしてGは極性官能基であり基板への結合能を有する、
で表されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の重合性液晶材料。
【請求項6】
接着促進剤が、2−ヒドロキシエチルアクリラート(HEA)または2−ヒドロキシエチルメタクリラート(HEA)であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の重合性液晶材料。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の重合性LC材料から得られるポリマーフィルム。
【請求項8】
下記ステップを含む方法によって得られることを特徴とする、請求項7に記載のポリマーフィルム。
−請求項1〜6のいずれかに記載の重合性材料の層を基板上に与えること、
−任意に、前記LC材料を均一な配向に配向せしめること、
−LC材料を重合すること、および
−任意に、前記重合されたLC材料を基板から除去することおよび/または任意に、それを他の基板の上に与えること。
【請求項9】
ポリマーフィルムとして重合性LC材料から得られるものの基板、フィルムまたは表面への接着性を高める方法であって、1種または2種以上の重合性接着促進剤を前記LC材料に重合前に添加することによる、前記方法。
【請求項10】
重合性LC材料が、請求項1〜6のいずれかに記載のものである、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
請求項1〜8のいずれかに記載のフィルムまたは材料の下記における使用。
光学、電気光学、情報蓄積、装飾およびセキュリティアプリケーションとしての、液晶ディスプレイ、投影システム、偏光板、補償板、配向層、円形偏光板、カラーフィルター、装飾的な絵柄、液晶顔料、空間的に変化する反射色を有する反射フィルム、複色の絵柄、偽造不能文書であるIDカードもしくはクレジットカードまたは紙幣。
【請求項12】
請求項1〜8のいずれかに記載のフィルムまたは材料を含む、光学的成分またはデバイス、偏光板、補償板、配向層、円形偏光板、カラーフィルター、装飾的な絵柄、液晶顔料、装飾および情報蓄積のための空間的に変化する反射色を有する反射フィルム。
【請求項13】
請求項1〜8のいずれかに記載のフィルムもしくは材料または請求項11に記載の成分を含む、液晶ディスプレイ。
【請求項14】
請求項1〜8のいずれかに記載のフィルムもしくは材料または請求項11に記載の成分を含む、鑑定、証明またはセキュリティマーキング、セキュリティ用途のための着色または複色の絵柄、偽造不能な有価物もしくは文書であるIDカードもしくはクレジットカードまたは紙幣。

【公表番号】特表2007−506813(P2007−506813A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−519784(P2006−519784)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【国際出願番号】PCT/EP2004/006465
【国際公開番号】WO2005/005573
【国際公開日】平成17年1月20日(2005.1.20)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】