接続整合システムおよび方法
第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離されるように構成された第2ハウジング部分であって、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分が相互に動作嵌合するように相対的に摺動可能に構成される、第2ハウジング部分と、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが相対的に摺動して相互に動作嵌合する場合にハウジング部分の他方により支持されるタンクと嵌合する位置でハウジング部分の一方によって支持される流体コネクタとを有する、流体媒体を利用者に送達するための送達システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、概して医療機器システムおよび方法、また特定の実施形態では医療機器システムの構成要素の接続および/または整合のための接続および/または整合特徴を含むようなシステムおよび方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
現代の医療技術では、患者の身体へ薬剤または他の物質を送達することによりある種の慢性病の治療が行われる。例えば、糖尿病は、一般的に規定量のインシュリンを適切なタイミングで患者に送達することにより治療される慢性病である。従来、患者にインシュリンを送達するには、手で操作される注射器およびインシュリンペンが採用されていた。もっと最近になると、制御量の薬剤を患者に送達するためのプログラマブルポンプを含む最新のシステムが設計されている。
【0003】
ポンプタイプの送達装置は、患者に接続される外部装置として構成され、また、患者の身体の内部に埋め込まれる埋込み装置として構成されている。外部ポンプタイプの送達装置は、病院、診療所、またはその他などの常設箇所での使用のために設計された装置を含み、患者またはその他により携行されるように設計された装置など緊急時または可搬使用のために構成された装置をさらに含む。外部ポンプタイプの送達装置は、限定的ではないがインシュリンなどの流体媒体のタンクを格納するとよい。
【0004】
外部ポンプタイプの送達装置は、例えば適当な中空チューブ類を通して患者または利用患者に流体連通状態で接続されるとよい。中空チューブ類は、患者の皮膚を穿刺してここから流体媒体を送達するように設計された中空針に接続されるとよい。代替的に、中空チューブ類が、カニューレまたはその他を通して患者に直接接続されてもよい。
【0005】
いくつかの外部ポンプタイプの送達装置の例は、(各々が本発明の譲渡人に所有されている)2005年8月23日に「廃棄用部分を備える注入装置および方法」の名称で出願した特許文献1および「注入装置のための交換式電子カード」の名称で出願した特許文献2、また名称「患者注入装置のための構成要素および方法」の名称で出願した特許文献3、「注入装置のためのディスペンサ構成要素および方法」の名称で出願した特許文献4、―名称「インシュリン投与量を患者に通知するための方法」の名称で出願した特許文献5、そして「着用可能な内蔵式薬品注入装置」の名称で出願した特許文献6に記載され、その各々の内容全体が参照により本願に援用される。
【0006】
外部ポンプタイプの送達装置は、例えば適当な中空チューブ類を通して利用患者に流体連通状態で接続されるとよい。中空チューブ類は、利用患者の皮膚を穿刺して注入媒体を利用患者に送達するように設計された中空針に接続されるとよい。代替的に、中空チューブ類は、カニューレかマイクロ針セットとして、またはこれらを通して利用患者に直接接続されてもよい。
【0007】
利用患者の皮膚を穿刺する中空針を通して中空チューブ類が利用患者に接続されるという状況では、針を手で利用患者に挿入することは、利用患者にとって多少の精神的苦痛になり得る。したがって、利用患者への針の挿入を補助することで後退位置から延出位置までばねにより針が即座に移動する挿入機構が製作されている。針が延出位置へ移動する際には、ゆっくりとした手による針の挿入と比較すると利用患者にとって精神的苦痛の少ない一回の比較的素早い動作で、針が利用患者の皮膚へ迅速に押入される。利用患者の皮膚へ針が迅速に押し込まれると、手による挿入よりも一部の利用患者にとっては精神的苦痛が少ないかもしれないが、状況によっては非常にゆっくりとした一定のペースで針が移動する場合の方が患者の感じる精神的苦痛が少なくなるのは確かである。
【0008】
送達装置とともに使用されてこれに組み込まれる挿入機構の例は、(各々が本発明の譲受人に譲渡された)2006年12月26日に「針挿入器を備える注入媒体送達システム、装置、および方法と、針挿入装置および方法」の名称で出願した特許文献7および2005年8月23日に「廃棄用部分を備える注入装置および方法」の名称で出願した特許文献8に記載されており、その各々の内容全体が参照により本願に援用される。挿入具の他の例は、「挿入セットのための挿入装置とその使用方法」の名称で出願された(本発明の譲受人に譲渡された)特許文献9に記載されており、その内容全体が参照により本願に援用される。針および/またはカニューレを挿入するのに使用され(または使用のため変形され)得る針/カニューレ挿入具の他の例は、例えば2003年3月14日に「シルエットまたは類似製品のための自動挿入装置」の名称で出願された特許文献10および/または2002年12月9日に「挿入セットのための挿入装置とその使用方法」の名称で出願された特許文献11に記載されており、その両方の内容全体が参照により本願に援用される。
【0009】
ポンプタイプの送達装置は、昼夜を問わずいつでも正確な投与量のインシュリンが計算されて利用患者に自動的に送達されることを可能にする。さらに、グルコースセンサおよびモニタとともに使用される時には、検知および監視された血中グルコースのレベルに基づいて必要とされる適切なタイミングで適切な投与量の注入媒体を提供するようにインシュリンポンプが自動的に制御されるとよい。
【0010】
ポンプタイプの送達装置は、糖尿病など様々なタイプの健康状態の最新治療の重要な一面となっている。ポンプ技術が改良されるにつれ、また医師および利用患者がこのような装置の扱いに習熟するにつれ、外部医療用注入ポンプによる治療の人気は高くなり、今後十年間でかなり上昇すると予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願第11/211,095号明細書
【特許文献2】PCT国際公開特許出願第01/70307号(第PCT/US01/09139号)明細書
【特許文献3】PCT国際公開特許出願第04/030716号(第PCT/US2003/028769号)明細書
【特許文献4】PCT国際公開特許出願第04/030717号(第PCT/US2003/029019号)明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2005/0065760号明細書
【特許文献6】米国特許第6,589,229号明細書
【特許文献7】米国特許出願第11/645,435号明細書
【特許文献8】米国特許出願第11/211,095号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2002/0022855号明細書
【特許文献10】米国特許出願第10/389,132号明細書
【特許文献11】米国特許出願第10/314,653号明細書
【特許文献12】米国特許出願第11/515,225号明細書
【特許文献13】米国特許出願第11/588,875号明細書
【特許文献14】米国特許出願第11/588,832号明細書
【特許文献15】米国特許出願第11/588,847号明細書
【特許文献16】米国特許出願第11/589,323号明細書
【特許文献17】米国特許出願第11/602,173号明細書
【特許文献18】米国特許出願第11/602,052号明細書
【特許文献19】米国特許出願第11/602,428号明細書
【特許文献20】米国特許出願第11/602,113号明細書
【特許文献21】米国特許第11/604,171号明細書
【特許文献22】米国特許出願第11/604,172号明細書
【特許文献23】米国特許第11/606,703号明細書
【特許文献24】米国特許出願第11/606,836号明細書
【特許文献25】米国特許出願第11/636,384号明細書
【特許文献26】米国特許出願第11/645,993号明細書
【特許文献27】米国特許出願第11/645,972号明細書
【特許文献28】米国特許出願第11/646,052号明細書
【特許文献29】米国特許出願第11/646,000号明細書
【特許文献30】米国特許出願第11/759,725号明細書
【特許文献31】米国特許出願第11/606,837号明細書
【特許文献32】米国特許出願第11/702,713号明細書
【特許文献33】米国特許出願第11/843,601号明細書
【特許文献34】米国特許出願第11/868,898号明細書
【特許文献35】米国特許出願第11/964,649号明細書
【特許文献36】米国特許出願第12/111,751号明細書
【特許文献37】米国特許出願第12/111,815号明細書
【特許文献38】米国特許出願第11/924,402号明細書
【特許文献39】米国特許出願第11/929,428号明細書
【特許文献40】米国特許出願第11/965,578号明細書
【特許文献41】米国特許出願第12/107,580号明細書
【特許文献42】米国特許出願第11/964,663号明細書
【特許文献43】米国特許出願第10/180,732号明細書
【特許文献44】米国特許出願第12/099,738号明細書
【特許文献45】米国特許出願第12/027,963号明細書
【特許文献46】米国特許出願第12/121,647号明細書
【特許文献47】米国仮特許出願第61/044,269号明細書
【特許文献48】米国特許出願第61/044,292号明細書
【特許文献49】米国仮特許出願第61/044,322号明細書
【特許文献50】米国特許出願第12/179,502号明細書
【特許文献51】米国特許出願第12/336,367号明細書
【特許文献52】米国特許出願第12/166,210号明細書
【特許文献53】米国特許出願第12/271,134号明細書
【特許文献54】米国特許出願第12/171,971号明細書
【特許文献55】米国特許出願第12/189,077号明細書
【特許文献56】米国特許出願第12/179,536号明細書
【特許文献57】米国特許出願第12/277,186号明細書
【特許文献58】米国特許出願第12/211,783号明細書
【特許文献59】米国特許出願第12/247,945号明細書
【特許文献60】米国特許出願第12/360,077号明細書
【特許文献61】米国特許出願第12/345,362号明細書
【特許文献62】米国特許出願第12/353,181号明細書
【特許文献63】米国特許出願第12/360,813号明細書
【特許文献64】米国特許第6,088,608号明細書
【特許文献65】米国特許第6,119,028号明細書
【特許文献66】米国特許第6,589,229号明細書
【特許文献67】米国特許第6,740,072号明細書
【特許文献68】米国特許第6,827,702号明細書
【特許文献69】米国特許第7,323,142号
【特許文献70】米国特許出願第09/360,342号明細書
【特許文献71】米国仮特許出願第60/318,060号明細書
【特許文献72】米国特許出願第10/445,477号明細書
【特許文献73】米国特許出願第10/429,385号明細書
【特許文献74】米国特許出願第09/813,660号明細書
【特許文献75】米国特許出願第11/210,467号明細書
【特許文献76】米国特許出願第11/211,150号明細書
【特許文献77】米国特許出願第11/210,455号明細書
【特許文献78】米国特許第6,485,465号明細書
【特許文献79】米国特許出願第10/705,686号明細書(特許出願公開第2005/0101910号)
【特許文献80】米国特許出願第11/004,594号明細書(特許出願公開第2006/0129090号)
【特許文献81】米国特許出願第10/328,393号明細書
【特許文献82】米国特許第5,545,152号明細書
【特許文献83】米国特許出願第60/839,741号明細書
【特許文献84】米国特許出願第12/553,008号明細書
【特許文献85】米国特許出願第11/149,119号明細書
【特許文献86】米国特許出願公開第2007/0142776号明細書
【特許文献87】米国特許出願第12/649,619号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
流体媒体を利用者に送達するための送達システムは、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分と流体コネクタとを含むとよいが、これらに限定されるわけではない。第1ハウジング部分は、利用者による携行に適している。第2ハウジング部分は、第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離される構成を持つ。第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方は、流体媒体を格納するための内部空間を有するタンクを支持するためのものであるとよい。第1ハウジング部分および第2ハウジング部分は、相互に動作嵌合するように相対的に摺動可能に構成されるとよい。第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方によりタンクが支持されて第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが相対的に摺動して相互に動作嵌合する場合にタンクと嵌合する位置で、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方により流体コネクタが支持されるとよい。
【0013】
様々な実施形態において、少なくとも第1位置と第2位置との間で第2ハウジング部分に対して第1方向に摺動であるように第1ハウジング部分が構成されるとよい。第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置にある場合に、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分と動作嵌合するとよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、タンクが第1ハウジング部分に支持されるとよく、流体コネクタは第2ハウジング部分に支持される。第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置にある場合に、流体コネクタとタンクとの間の流体フローのために流体コネクタがタンクと嵌合しているとよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、送達システムはさらに、第1ハウジング部分が第1位置から第2位置へ第2ハウジング部分に対して摺動する際に第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とを接続するための接続構造を含むとよい。別の実施形態では、第1ハウジング部分が少なくともロック解除位置から少なくともロック解除位置へ第2ハウジング部分に対して第1方向に摺動可能であるとよい。
【0016】
別の実施形態において、接続構造はダブテール接続構造を包含するとよい。ダブテール接続構造は、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に支持されるダブテールと、ダブテールを支持する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方の溝部とを含むとよい。ダブテールは、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動する際に溝部の少なくとも一部分に沿って移動して溝部を画定する表面と嵌合するためのものであるとよい。
【0017】
別の実施形態において、接続構造は、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に支持される突起部と、突起部を支持する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方の溝部とを含むとよい。突起部は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動する際に溝部の少なくとも一部分に沿って移動して溝部を画定する表面と嵌合するためのものであるとよい。
【0018】
また別の実施形態において、溝部を画定する表面は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動する際に突起部を溝部の表面と摩擦嵌め式に嵌合させるようにテーパ状であるとよい。また別の実施形態では、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動する際に突起部をこの表面と摩擦嵌め式に嵌合させるように突起部がテーパ状であるとよい。
【0019】
また別の実施形態において、接続構造は、突起部を支持する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方に空洞を画定する当接部を含むとよい。当接部は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置にある時に突起部を空洞にロックするためのものであるとよい。
【0020】
別の実施形態において、接続構造は凸状部と当接部とを含むとよい。凸状部は、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方と、凸状部を支持する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方の凹状部とにより支持されるとよい。凸状部は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動する際に凹状部の少なくとも一部分に沿って移動するためのものであるとよい。
【0021】
当接部は、凸状部を支持する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方に空洞を画定するとよい。当接部は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置にある時に凸状部を空洞にロックするためのものであるとよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方が第1嵌合部材を有するとよい。第1嵌合部材を有する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対しての第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方は、第2嵌合部材を有するとよい。第1嵌合部材および第2嵌合部材は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動して第1ハウジング部分を第2ハウジング部分にロックする際に、相互に嵌合するように構成されるとよい。
【0023】
別の実施形態において、第1嵌合部材は複数の凸状部を包含するとよい。第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動して第1ハウジング部分を第2ハウジング部分にロックする際に複数の凸状部の少なくとも一つと嵌合するための複数の小孔および凸状部のうち少なくとも一方を、第2嵌合部材が包含するとよい。別の実施形態では、第1嵌合部材と第2嵌合部材とが相互に嵌合する場合に、第1方向と交差する軸方向における第2ハウジング部分からの第1ハウジング部分の離脱を第1嵌合部材および第2嵌合部材が阻止するとよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方の一部分に沿って第1方向に延在する一対の隆起部を、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方が包含するとよい。一対の隆起部は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動する際に第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方を案内するためのものであるとよい。
【0025】
別の実施形態では、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方の周縁部に沿って、隆起部の各々が延在するとよい。別の実施形態では、一対の隆起部のうちの隆起部が相互に平行であるとよい。また別の実施形態では、隆起部の各々が内面を有するとよい。隆起部の各々の内面は、相互に非平行であるとよい。別の実施形態では、一対の隆起部の隆起部が相互に非平行であるとよい。
【0026】
別の実施形態では、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動する際に第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とを接続するための接続構造を、送達システムがさらに含むとよい。一対の隆起部は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動する際に第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方を案内して接続構造が第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とを接続できるようにするためのものであるとよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方は、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に支持されるタンクが、タンクを支持する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対しての第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方と接触するのを実質的に防止するために、停止面を有する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対しての第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方の一部分と接触する、停止面を有するとよい。
【0028】
別の実施形態において、停止面は、流体導管とタンクとが嵌合した後で、停止面を有する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対しての第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方の一部分と接触して、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対しての第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方とタンクが接触するのを実質的に防止するためのものであるとよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、送達システムはさらに一対の磁石を含むとよい。一対の磁石は、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に支持される第1磁石と、第1磁石を支持する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対しての第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方に支持される第2磁石とを含むとよい。第1磁石および第2磁石は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動して第2ハウジング部分と不整合になった場合に第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とを整合させるように構成されるとよい。
【0030】
別の実施形態では、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動して第2ハウジング部分と不整合になった場合に相互に反発するように、磁石の各々が配設されるとよい。また別の実施形態では、磁石の各々が共通極を有するとよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置にある時に、ラッチを有する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対しての第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方を嵌合させるためのラッチを、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方が有するとよい。別の実施形態では、ラッチを有する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対しての第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方について嵌合と解離の少なくとも一方を行うように押入可能である構成を、ラッチが持つとよい。別の実施形態では、ラッチを有する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対しての第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方が、ラッチを検知するためのセンサを有するとよい。
【0032】
別の実施形態では、第1ハウジング部分が第1方向に摺動するが第2位置までは摺動しない場合に、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分を相互離間方向へ付勢するための付勢部材を、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方が有するとよい。ラッチは、第1ハウジング部分が第2位置まで第1方向に摺動する場合に、ラッチを有する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対しての第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方と嵌合するためのものであるとよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分が第1方向に摺動するが第2位置までは摺動していない場合に第1ハウジング部分および第2ハウジング部分を相互離間方向へ付勢するための付勢部材を、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方が有するとよい。
【0034】
いくつかの実施形態において、流体コネクタは、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方にタンクが支持されて第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動する場合にタンクの隔壁を穿刺するための針を包含するとよい。いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方にタンクが支持されて第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが動作嵌合する場合にタンクの内部空間との流体連通状態にある第1開口部を、流体コネクタが有するとよい。流体コネクタは、利用者の皮膚に延出する注入経路との流体連通状態にある第2開口部を有するとよい。
【0035】
いくつかの実施形態において、流体コネクタは利用者の皮下経路との流体連通状態にあるとよい。流体コネクタは、流体コネクタがタンクと嵌合していてタンクの内部空間から流体媒体が排出される場合にタンクの内部空間から利用者へ流体媒体を送達するためのものであるとよい。別の実施形態では、利用者に挿入されて皮下経路を設けるためのカニューレと第1ハウジング部分が嵌合可能であるとよい。
【0036】
医療機器の製造方法は、(i)利用者による携行に第1ハウジング部分を適応させること、(ii)第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離されるように第2ハウジング部分を構成することであって、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方が、流体媒体を格納するための内部空間を有するタンクを支持するためのものであり、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分が相互に動作嵌合するように相対的に摺動可能である構成を持つこと、(iii)第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方によりタンクが支持されて第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが相対的に摺動して相互に動作嵌合する場合にタンクと嵌合する位置で、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方により流体コネクタを支持することのいずれか一つまたはその組合せを、限定的ではないが含むとよい。
【0037】
利用者を治療するための医療機器は、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分と複数の電気接点と短絡機構と回路網とを限定的ではないが含むとよい。第1ハウジング部分は、利用者により携行に適したものであるとよい。第2ハウジング部分は、第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離されるように構成されるとよい。複数の電気接点は、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の少なくとも一方に設けられるとよい。複数の電気接点は、一組の主電気接点と少なくとも一つの副電気接点とを含むとよい。
【0038】
第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方には、短絡機構が設けられるとよい。短絡機構は、一組の主電気接点と相互作用を行うためのものであるとよい。回路網は、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて短絡機構が複数の電気接点の一組の主電気接点と相互作用を行う場合に第1信号を提供するように構成されるとよい。回路網はさらに、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて短絡機構が複数の電気接点の少なくとも一つの副電気接点と相互作用を行う場合に第2信号を提供するように構成されるとよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接続されていることを第1信号が示すとよい。別の実施形態では、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接続されていないことを第2信号が示すとよい。
【0040】
いくつかの実施形態において、短絡機構が一組の主電気接点と接触する場合に一組の主電気接点が短絡機構と相互作用を行うとよい。回路網は、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて短絡機構が複数の電気接点の一組の主電気接点と接触する場合に第1信号を提供するように構成されるとよい。回路網はさらに、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて短絡機構が複数の電気接点の少なくとも一つの副電気接点と接触する場合に第2信号を提供するように構成されるとよい。
【0041】
いくつかの実施形態において、短絡機構は複数の端部を有するとよい。端部の各々は、一組の主電気接点の該当主電気接点と相互作用を行うためのものである。回路網は、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて短絡機構の端部の各々が一組の主電気接点の該当主電気接点と相互作用を行う場合に第1信号を提供するように構成されるとよい。回路網はさらに、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて短絡機構の端部の少なくとも一つが複数の電気接点の少なくとも一つの副電気接点と相互作用を行う場合に第2信号を提供するように構成されるとよい。
【0042】
別の実施形態において、一組の主電気接点は、第1主電気接点と第2主電気接点とを含むとよい。短絡機構の複数の端部は、第1主電気接点および第2主電気接点と相互作用を行うための第1端部および第2端部を含むとよい。
【0043】
回路網は、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて短絡機構の第1端部および第2端部が複数の電気接点の第1主電気接点および第2主電気接点と相互作用を行う場合に第1信号を提供するように構成されるとよい。回路網はさらに、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて短絡機構の第1端部および第2端部の少なくとも一方が複数の電気接点の少なくとも一つの副電気接点と相互作用を行う場合に第2信号を提供するように構成されるとよい。また別の実施形態では、該当の第1主電気接点および第2主電気接点のみと相互作用を行うための第1端部および第2端部を短絡機構が有するとよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの副電気接点のうち少なくとも一つが一組の主電気接点の間に配設されるとよい。いくつかの実施形態において、回路網はさらに、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて複数の電気接点の一組の主電気接点と短絡機構とが相互作用を行わない場合に第3信号を提供するように構成されるとよい。別の実施形態において、第3信号は、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接続されていないことを示すとよい。別の実施形態において、第2信号と第3信号とは同じタイプの信号であるとよい。
【0045】
いくつかの実施形態において、一組の主電気接点のうち少なくともいくつかは、複数の電気接点のうち最も外側の電気接点となるように配設されるとよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの副電気接点のすべてが一組の主電気接点の間に配設されるとよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、短絡機構が一組の主電気接点と相互作用を行う場合に一組の主電気接点の間に電気接続を確立するように短絡機構が構成されるとよい。別の実施形態において、短絡機構は電気伝導体を包含するとよい。いくつかの実施形態では、第1位置へ付勢されて第1位置から第2位置へ押圧可能であるように一組の主電気接点が構成されるとよい。一組の主電気接点は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分と嵌合した時に第2位置へ移動するように構成されるとよい。
【0047】
別の実施形態において、機器は、一組の主電気接点を第1位置へ付勢するための付勢部材を含むとよい。また別の実施形態では、付勢部材がばねを包含するとよい。また別の実施形態では、付勢部材が個別付勢部材を包含するとよい。個別付勢部材の各々は、一組の主電気接点の一つを第1位置へ付勢するためのものであるとよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、複数の電気接点が、第1位置へ付勢されて第1位置から第2位置へ押圧可能であるように構成されるとよい。第1ハウジング部分が第2ハウジング部分と嵌合した時に複数の電気接点が第2位置へ移動するとよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、第1位置へ付勢されて第1位置から第2位置へ押圧可能であるように短絡機構が構成されるとよい。短絡機構は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分と嵌合した時に第2位置へ移動するように構成されるとよい。いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方が、流体媒体を格納するための内部空間を有するタンクを支持するためのものであるとよい。いくつかの実施形態では、一組の主電気接点の主電気接点の各々が導電性パッドを包含するとよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、複数の電気接点が第2ハウジング部分に設けられるとよい。第2ハウジング部分の電子機器に電力を提供するための電源を第2ハウジング部分が有するとよい。複数の電気接点の少なくともいくつかは、第2ハウジング部分の電源を充電するための電気供給源と嵌合可能であるように構成されるとよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、複数の電気接点が第2ハウジング部分に設けられるとよい。第2ハウジング部分は、プログラマブル回路網を有するとよい。複数の電気接点の少なくともいくつかは、第2ハウジング部分のプログラマブル回路網をプログラムするための入力装置と嵌合可能であるように構成されるとよい。いくつかの実施形態では、複数の電気接点が第2ハウジング部分に設けられるとよい。複数の電気接点の一つと第1ハウジング部分の短絡機構とに基づいて第2ハウジング部分のタイプを判断するように回路網が構成されるとよい。様々な実施形態では、短絡機構は既知抵抗を包含するとよい。
【0052】
医療機器の製造方法は、(i)利用者による携行に第1ハウジング部分を適応させること、(ii)第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離されるように第2ハウジング部分を構成すること、(iii)第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の少なくとも一方に複数の電気接点を設けることであって、複数の電気接点が一組の主電気接点と少なくとも一つの副電気接点とを含むこと、(iv)第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方に短絡機構を設けることであって、短絡機構が一組の主電気接点と相互作用を行うためのものであること、(v)第1ハウジング部分および第2ハウジング部分が接合されて複数の電気接点の一組の主電気接点と短絡が相互作用を行う場合に第1信号を提供するように、回路網を構成すること、および(vi)第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて複数の電気接点の少なくとも一つの副電気接点と短絡機構が相互作用を行う場合に第2信号を提供するように、回路網を構成すること、のうちいずれか一つまたはその組合せを含むとよいが、これらに限定されるわけではない。
【0053】
利用者を治療するための医療機器は、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分と磁気源とセンサと回路網とを含むとよいが、これらに限定されるわけではない。第1ハウジング部分は、利用者による携行に適しているとよい。第2ハウジング部分は、第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離されるように構成されるとよい。磁気源は、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の少なくとも一方に設けられる所定磁場および所定磁気強度のうち少なくとも一方を有するとよい。
【0054】
センサは、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方に設けられる所定磁場および所定磁気強度のうち少なくとも一方を検出するためのものであるとよい。回路網は、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて磁気源の所定磁場および所定磁気強度のうち少なくとも一方をセンサが検出する場合に第1信号を提供するように構成されるとよい。回路網はさらに、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて磁気源の所定磁場と異なる磁場と所定磁気強度と異なる磁気強度とのうち少なくとも一方をセンサが検出する場合に第2信号を提供するように構成されるとよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、第1既定閾値を超えるガウスレベルをセンサが検出する場合に制御回路網を起動するための信号を提供するように、センサが構成されるとよい。別の実施形態では、磁気閾値スイッチをセンサが包含するとよい。別の実施形態では、第2既定閾値を超えるガウスレベルをセンサが検出する場合に制御回路網とセンサのうち少なくとも一方を停止させるための信号を提供するように構成された第2磁気閾値スイッチを、機器がさらに含むとよい。第2既定閾値は、第1既定閾値よりも高いとよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、磁気源が所定磁場方向を有するとよい。センサは、所定磁場方向を検出するためのものであるとよい。回路網は、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分が接合されてセンサが所定磁場方向を検出する場合に第1信号を提供するように構成されるとよい。別の実施形態において、回路網はさらに、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて所定磁場方向と異なる磁場方向をセンサが検出する場合に第2信号を提供するように構成されるとよい。様々な実施形態では、所定磁場が方向を含むとよい。センサは、この方向を検出するように構成されるとよい。
【0057】
医療機器の製造方法は、(i)利用者による携行に第1ハウジング部分を適応させること、(ii)第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離されるように第2ハウジング部分を構成すること、(iii)所定磁場および所定磁気強度のうち少なくとも一方を有する磁気源を第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の少なくとも一方に設けること、(iv)所定磁場および所定磁気強度のうち少なくとも一方を検出するためのセンサを第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方に設けること、(v)第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて磁気源の所定磁場および所定磁気強度のうち少なくとも一方をセンサが検出する場合に第1信号を提供するように回路網を構成すること、および(vi)第1ハウジング部分および第2ハウジング部分が接合されて磁気源の所定磁場と異なる磁場と所定磁気強度と異なる磁気強度とのうち少なくとも一方をセンサが検出する場合に第2信号を提供するように回路網を構成することのうちいずれか一つまたはその組合せを含むとよいが、これらに限定されるわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態によるシステムの全体的描写を図示している。
【図2】本発明の実施形態によるシステムの例を図示している。
【図3】本発明の実施形態による送達装置の例を図示している。
【図4】本発明の実施形態による送達装置を図示している。
【図5A】本発明の実施形態による送達装置の耐久性部分を図示している。
【図5B】本発明の実施形態による送達装置の耐久性部分の断面図を図示している。
【図5C】本発明の実施形態による送達装置の耐久性部分の断面図を図示している。
【図6A】本発明の実施形態による送達装置の廃棄用部分を図示している。
【図6B】本発明の実施形態による送達装置の廃棄用部分の断面図を図示している。
【図6C】本発明の実施形態による送達装置の廃棄用部分の断面図を図示している。
【図7】本発明の実施形態による送達システムの耐久性ハウジング部分および廃棄用ハウジング部分の構成の概略的側面図を示す。
【図8】本発明の実施形態による送達システムの耐久性ハウジング部分および廃棄用ハウジング部分の構成の概略的側面図を示す。
【図9】本発明の実施形態による送達システムの部分的分解図を示す。
【図10】本発明の実施形態による送達システムの耐久性ハウジング部分および廃棄用ハウジング部分の構成の概略的上面図を示す。
【図11】本発明の実施形態による送達システムの耐久性ハウジング部分および廃棄用ハウジング部分の構成の概略的上面図を示す。
【図12】本発明の実施形態による廃棄用ハウジング部分および注射部位モジュールの接続構成の斜視図を示す。
【図13】本発明の実施形態による廃棄用ハウジング部分および注射部位モジュールの接続構成の斜視図を示す。
【図14】本発明の実施形態による廃棄用ハウジング部分および注射部位モジュールの接続構成の斜視図を示す。
【図15】本発明の実施形態による廃棄用ハウジング部分および注射部位モジュールの接続構成の斜視図を示す。
【図16】本発明の実施形態による廃棄用ハウジング部分および注射部位モジュールの接続構成の斜視図を示す。
【図17】本発明の実施形態による廃棄用ハウジング部分および注射部位モジュールの接続構成の斜視図を示す。
【図18】本発明の実施形態による廃棄用ハウジング部分および注射部位モジュールの接続構成の斜視図を示す。
【図19】本発明の実施形態による廃棄用ハウジング部分および注射部位モジュールの接続構成の斜視図を示す。
【図20A】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分の破断図を図示している。
【図20B】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分の破断図を図示している。
【図20C】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分の破断図を図示している。
【図21A】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分の底面図を図示している。
【図21B】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分の底面図を図示している。
【図21C】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分の底面図を図示している。
【図22A】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図22B】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図22C】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図23】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図24】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図25A】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図25B】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図26A】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図26B】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図27A】本発明の実施形態による医療機器システムを図示している。
【図27B】本発明の実施形態による医療機器システムを図示している。
【図27C】本発明の実施形態による医療機器システムを図示している。
【図28A】本発明の実施形態による医療機器システムを図示している。
【図28B】本発明の実施形態による医療機器システムを図示している。
【図28C】本発明の実施形態による医療機器システムを図示している。
【図29A】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図29B】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図30A】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図30B】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図31A】本発明の実施形態による医療機器システムの一般的描写を図示している。
【図31B】本発明の実施形態による医療機器システムの一般的描写を図示している。
【図31C】本発明の実施形態による医療機器システムの一般的描写を図示している。
【図32】本発明の実施形態による医療機器システムの一般的描写を図示している。
【図33A】本発明の実施形態による医療機器システムの一般的描写を図示している。
【図33B】本発明の実施形態による医療機器システムの一般的描写を図示している。
【図34A】本発明の実施形態による医療機器システムの一般的描写を図示している。
【図34B】本発明の実施形態による医療機器システムの一般的描写を図示している。
【図35A】本発明の実施形態による医療機器システムの一般的描写を図示している。
【図35B】本発明の実施形態による医療機器システムの一般的描写を図示している。
【図36】本発明の実施形態による医療機器システムの電気構成のブロック図を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1は、本発明の実施形態によるシステム10の全体的描写を図示している。システム10は、送達装置12を含むとよい。システム10はさらに、検知装置14とコマンド制御装置(CCD)16とコンピュータ18とを含むとよい。様々な実施形態において、送達装置12と検知装置14とは、患者または利用患者7の身体5の所望の箇所に固定されるとよい。図1において送達装置12と検知装置14とが利用患者7の身体5に固定される箇所は、代表的かつ非限定的な例として挙げられているに過ぎない。本開示を通して使用される「利用患者」とは、利用患者、患者、または利用者(例えば患者、医療の専門家、または他に患者を治療する者)を含み得る。
【0060】
システム10、送達装置12、検知装置14、CCD16、およびコンピュータ18は、本発明の譲受人に譲渡された以下の米国特許出願に記載されたものに類似しており、以下の特許出願の各々は、その内容全体が参照により本願に援用される。(i)2005年8月23日出願の特許文献1、(ii)2006年9月1日出願の特許文献12、「タンク内でプランジャを駆動するための駆動装置を備える注入媒体送達装置および方法、(iii)2006年10月27日出願の特許文献13、「タンクの充填および注入媒体の送達を可能にするシステムおよび方法」、(iv)2006年10月27日出願の特許文献14、「タンク内でプランジャを駆動するための駆動装置を備える注入媒体送達装置および方法」、(v)2006年10月27日出願の特許文献15、「圧縮性またはカーブ状のタンクまたは導管を備える注入媒体送達装置および方法」、(vi)2006年10月27日出願の特許文献16、「注入ポンプおよび方法とこれを備える送達装置および方法」、(vii)2006年11月20日出願の特許文献17、「タンクの充填および注入媒体の送達を可能にするシステムおよび方法」、(viii)2006年11月20日出願の特許文献18、「タンクの充填および注入媒体の送達を可能にするシステムおよび方法」、(ix)2006年11月20日出願の特許文献19、「タンクの充填および注入媒体の送達を可能にするシステムおよび方法」、(x)2006年11月20日出願の特許文献20、「タンクの充填および注入媒体の送達を可能にするシステムおよび方法」、(xi)2006年11月22日出願の特許文献21、「タンク内でプランジャを駆動するための駆動装置を備える注入媒体送達装置および方法」、(xii)2006年11月22日出願の特許文献22、「タンク内でプランジャを駆動するための駆動装置を備える注入媒体送達装置および方法」、(xiii)2006年11月30日出願の特許文献23、「注入ポンプおよび方法とこれを備える送達装置および方法」、(xiv)2006年11月30日出願の特許文献24、「注入ポンプおよび方法とこれを備える送達装置および方法」、2006年12月8日出願の特許文献25、「圧縮性またはカーブ状のタンクまたは導管を備える注入媒体送達装置および方法」、(xv)2006年12月26日出願の特許文献26、「圧縮性またはカーブ状のタンクまたは導管を備える注入媒体送達装置および方法」、2006年12月26日出願の特許文献27、「注入媒体送達システム、針挿入器を備える装置および方法、針挿入装置および方法」、(xvi)2006年12月26日出願の特許文献28、「注入媒体送達システム、針挿入器を備える装置および方法、針挿入装置および方法」、(xvii)2006年12月26日出願の特許文献7、「注入媒体送達システム、針挿入器を備える装置および方法、針挿入装置および方法」、(xviii)2006年12月26日出願の特許文献29、「注入媒体送達システム、針挿入器を備える装置および方法、針挿入装置および方法」、(xix)2007年6月7日出願の特許文献30、「タンク内でプランジャを駆動するための駆動装置を備える注入媒体送達装置および方法」、(xx)2006年11月30日出願の特許文献31、「埋込みセンサ装置の完全性を高めるための方法および装置」、(xxi)2007年2月5日出願の特許文献32、「制御破壊のための選択的ポッティングおよびこれを採用する電子機器」、(xxii)2007年8月22日出願の特許文献33、「センサ再校正のためのシステムおよび方法」、(xxiii)2007年10月8日出願の特許文献34、「多層基板」、(xxiv)2007年12月26日出願の特許文献35、「タンク気泡管理を可能にするシステムおよび方法」、(xxv)2008年4月29日出願の特許文献36、「タンク充填のためのシステムおよび方法」、(xxvi)2008年4月29日出願の特許文献37、「タンク気泡管理のためのシステムおよび方法」、(xxvii)2007年10月25日出願の特許文献38、「センサ基板およびその製造方法」、(xxviii)2007年10月30日出願の特許文献39、「可変パラメータを含む遠隔測定システムおよび方法」、(xxix)2007年12月27日出願の特許文献40、「タンク圧均等化システムおよび方法」、(xxx)2008年4月22日出願の特許文献41、「自動充填システムおよび方法」、(xxxi)2007年12月26日出願の特許文献42、「フルオプションを備える医療機器と選択的な作動/停止」、(xxxii)2002年6月26日出願の特許文献43、「注入ポンプ、分析物モニタ、分析物メータ、および/またはその他とのインタフェース接続のための通信ステーションおよびソフトウェア」、(xxxiii)2008年4月8日出願の特許文献44、タンク気泡管理を可能にするシステムおよび方法」、(xxxiv)2008年2月7日出願の特許文献45、「接着パッチシステムおよび方法」、(xxxv)2008年5月15日出願の特許文献46、「多腔型カテーテル」、(xxxvi)2008年4月11日出願の特許文献47、「タンクプランジャヘッドシステムおよび方法」、(xxxvii)2008年4月11日出願の特許文献48、「タンクバリヤ層システムおよび方法」、(xxxviii)2008年4月11日出願の特許文献49、「タンクシールリテーナシステムおよび方法」、(xxxix)2008年7月24日出願の特許文献50、「マトリクスタンパク質の生成・固定化方法とセンサに使用するためのマトリクスタンパク質」、(xl)2008年12月16日出願の特許文献51、「針挿入システムおよび方法」、(xli)2008年7月1日出願の特許文献52、「制御破壊のための電子機器」、(xlii)2008年11月14日出願の特許文献53、「多層回路素子および電気めっき犠牲構造を用いる製造方法」、(xliii)2008年7月11日出願の特許文献54、「針挿入器を備える注入媒体送達システム、装置、方法と、針挿入装置および方法」、(xliv)2008年8月8日出願の特許文献55、「パッケージングシステム」、(xlv)2008年7月24日出願の特許文献56、「実時間自動調節式校正アルゴリズム」、(xlvii)2008年11月24日出願の特許文献57、「針挿入器を備える注入媒体送達システム、装置、および方法と、針挿入装置および方法」、(xlviii)2008年9月16日出願の特許文献58、「埋込みセンサ方法およびシステム」、(xlix)2008年10月8日出願の特許文献59、「タンク内でプランジャを駆動するための駆動装置を備える注入媒体送達装置および方法」、(l)2009年1月26日出願の特許文献60、「タンクバリヤ層システムおよび方法」、(li)2008年12月29日出願の特許文献61、「タンクシールリテーナシステムおよび方法」、(lii)2009年1月13日出願の特許文献62、「タンクの充填および注入媒体の送達を可能にするシステムおよび方法」、(liii)2009年1月27日出願の特許文献63、「多位置注入セット装置およびプロセス」。他の実施形態では、システム10、送達装置12、検知装置14、CCD16、およびコンピュータ18が、他の適当な構成を有していてもよい。
【0061】
送達装置12は、利用患者7の身体5に流体媒体を送達するように構成されるとよい。様々な実施形態において、流体媒体は液体、流体、ゲル、またはその他を含むとよい。いくつかの実施形態において、流体媒体は、病気または健康状態を治療するための薬剤または薬品を含むとよい。例えば、流体媒体は糖尿病を治療するためのインシュリンを含むか、痛み、ガン、肺疾患、HIV、またはその他を治療するための薬品を含むとよい。いくつかの実施形態では、栄養補給剤、色素、追跡媒体、含塩媒体、水和媒体、またはその他を流体媒体が含むとよい。
【0062】
検知装置14は、センサデータまたはモニタデータを提供するためのセンサ、モニタ、またはその他を含むとよい。様々な実施形態では、利用患者7の状態を検知するように検知装置14が構成されるとよい。例えば、検知装置14は、電子機器と、利用患者7の血中グルコースレベル、その他などの生体状態に反応する酵素とを含むとよい。
【0063】
様々な実施形態では、利用患者7の身体5に送達装置12が固定された箇所から離れた箇所で、検知装置14が利用患者7の身体5に固定されるか利用患者7の身体5に埋め込まれるとよい。他の様々な実施形態では、検知装置14が送達装置12に組み込まれてもよい。他の実施形態では、検知装置14は送達装置から独立および離間しており、例えばCCD16の一部であるとよい。このような実施形態では、生体試料、分析物、またはその他を受け取って利用患者7の状態を測定するように検知装置14が構成されるとよい。
【0064】
別の実施形態において、検知装置14および/または送達装置12は閉ループシステムを利用するとよい。閉ループシステムを利用する検知装置および/または送達装置の例は、以下の引例に見られるが、これらに限定されるわけではない。(i)「電気化学センサおよびその完全性試験」の名称を持つ特許文献64、(ii)「外側表面の改良により寿命が延長された埋込み式酵素ベース監視システム」の名称を持つ特許文献65、(iii)「長期使用に適した埋込み式酵素ベース監視システム」の名称を持つ特許文献66、(iv)閉ループでの注入組成物送達のためのシステムおよび方法」の名称を持つ特許文献67、(v)「閉ループ注入ポンプ制御のための安全限度」の名称を持つ特許文献68、(vi)「センサ基板およびその製造方法」の名称を持つ特許文献69、(vii)「基板センサ」の名称で1999年7月22日に出願された特許文献70、(viii)「検知器具およびプロセス」の名称で2001年9月7日に出願された特許文献71。これらすべての内容全体が、参照により本願に援用される。
【0065】
このような実施形態では、限定的ではないが血中グルコースレベルまたはその他などの利用患者7の状態を検知するように、検知装置14が構成されるとよい。送達装置12は、検知装置14により検知された状態に応じて流体媒体を送達するように構成されるとよい。一方、検知装置14は利用患者の最新状態の検知を続けて、検知装置14により検知された最新状態に応じて送達装置12により流体媒体を期限なしで連続的に送達させるとよい。いくつかの実施形態では、一日の一部分のみ、例えば利用患者が睡眠中であるか覚醒中である時のみ閉ループシステムを利用するように、検知装置14および/または送達装置12が構成されてもよい。
【0066】
送達装置12、検知装置14、CCD16、およびコンピュータ18の各々は、システム10の他の構成要素との通信を可能にする送信用、受信用、または送受信用の電子機器を含むとよい。検知装置14は、センサデータまたはモニタデータを送達装置12に送信するように構成されるとよい。検知装置14はまた、CCD16と通信するように構成されるとよい。送達装置12は、センサデータを解析して、センサデータおよび/または予めプログラムされた送達ルーチンに基づいて利用患者7の身体5へ流体媒体を送達するように構成された電子機器およびソフトウェアを含むとよい。
【0067】
CCD16およびコンピュータ18は、処理、送達ルーチンの記憶を実施するとともに送達装置12を制御するように構成された電子機器および他の構成要素を含むとよい。CCD16および/またはコンピュータ18に制御機能を含めることにより、送達装置12がより単純な電子機器で構築されてもよい。しかし、いくつかの実施形態では、送達装置12がすべての制御機能を含んでもよく、CCD16およびコンピュータ18なしで作動してもよい。様々な実施形態では、CCD16は可搬電子機器でよい。様々な実施形態では、送達装置12および/または検知装置14は、CCD16および/またはコンピュータ18によるデータの表示または処理のためCCD16および/またはコンピュータ18へデータを送信するように構成されるとよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、検知装置14がCCD16に一体化されるとよい。このような実施形態では、例えば利用患者が自身の血液サンプルを検知装置14へ提供して自分の状態を評価することにより、利用患者が自分の状態を監視できるとよい。いくつかの実施形態において、検知装置14およびCCD16は、送達装置12と検知装置14および/またはCCD16との間の電線またはケーブル接続の使用または必要性を伴わずに利用患者の血中グルコースレベルおよび/または体液を判断するためのものであるとよい。
【0069】
いくつかの実施形態において、CCD16は、利用患者による薬品送達システムの次回使用を簡易化する情報を、利用患者に提供するためのものであるとよい。例えば、利用患者の身体へ投与される薬剤の速度または投与量を利用患者が判断できるようにする情報を、利用患者に提供するとよい。他の実施形態では、利用患者の身体に投与される薬剤の速度または投与量を制御する情報を、CCD16が送達装置12に提供するとよい。
【0070】
通信および/または制御能力のタイプ、さらに装置特徴集合および/またはプログラムオプションの例は、以下の引例に見られる。(i)「遠隔プログラミング、ボーラス推定量、および/または振動アラーム能力を備える外部注入装置」の名称で2003年5月27日に出願された特許文献72、(ii)「医療機器を備えるハンドヘルド携行情報端末(PDA)およびその使用方法」の名称で2003年5月5日に出願された特許文献73、(iii)「注入装置のための制御タブおよびその使用方法」の名称で2001年3月21日に出願された特許文献74。そのすべての内容全体が、参照により本願に援用される。
【0071】
図2は、本発明の実施形態によるシステム10の例を図示している。図2に図示された実施形態によるシステム10は、送達装置12と検知装置14とを含む。本発明の実施形態による送達装置12は、廃棄用ハウジング部分20と耐久性ハウジング部分30とタンクシステム40とを含むとよい。送達装置12はさらに、注入経路50を含むとよい。
【0072】
利用患者の身体と通常は接触しているか、送達装置12の動作中に流体媒体と通常は接触している送達装置12の要素は、送達装置12の廃棄用部分であると考えられるとよい。例えば、送達装置12の廃棄用部分は、廃棄用ハウジング部分20とタンクシステム40とを含むとよい。送達装置12の廃棄用部分は、指定の使用回数の後で処分されることが推奨される。
【0073】
他方、送達装置12の動作中に利用患者の身体または流体媒体と通常は接触していない送達装置12の要素は、送達装置12の耐久性部分であると考えられるとよい。例えば、送達装置12の耐久性部分は、耐久性ハウジング部分30、電子機器(図2では不図示)、モータおよび駆動リンク機構を有する駆動装置(図2では不図示)、およびその他を含むとよい。送達装置12の耐久性ハウジング部分の要素は一般的に、送達装置12の通常動作中に利用患者または流体媒体との接触により汚染されず、ゆえに交換された送達装置12の廃棄用部分との再利用のため保管されるとよい。
【0074】
様々な実施形態において、廃棄用ハウジング部分20はタンクシステム40を支持するとよく、利用患者の身体に固定されるような構成の底面(図2では紙面側の下向き)を有する。接着剤が廃棄用ハウジング部分20の底面と利用患者の皮膚との間の境界面に採用されて、廃棄用ハウジング部分20を利用患者の皮膚に接着するとよい。様々な実施形態では、廃棄用ハウジング部分20の底面に接着剤が設けられて、剥離カバー層が接着材料を被覆するとよい。このようにして、接着材料を露出させるためにカバー層が剥離され、廃棄用ハウジング部分20の接着剤側が利用患者、例えば利用患者の皮膚に載置されるとよい。ゆえに、いくつかの実施形態では、送達装置12が利用患者の皮膚に装着されるとよい。
【0075】
他の実施形態では、送達装置12の廃棄用ハウジング部分20および/または残り部分が着用されるか、利用患者の衣類またはその下に装着されるとよい。同様に、ベルト、ポケット、およびその他などの適当な方法によって送達装置12が支持されてもよいが、これらに限定されるわけではない。このような送達装置12の代表的な例および一般的な送達装置は、MiniMed Paradigm 522インシュリンポンプ、MiniMed Paradigm 722インシュリンポンプ、MiniMed Paradigm515インシュリンポンプ、MiniMed Paradigm715 インシュリンポンプ、MiniMed Paradigm 512Rインシュリンポンプ、MiniMed Paradigm 712Rインシュリンポンプ、MiniMed 508インシュリンポンプ、MiniMed 508Rインシュリンポンプ、および他にもこれらの派生物を含むとよいが、これらに限定されるわけではない。
【0076】
タンクシステム40は、限定的ではないがインシュリンなどの流体媒体を格納または保管するための構成を持つとよい。様々な実施形態において、円筒形空間、筒形空間、またはその他など、流体媒体を収容するための中空内部空間をタンクシステム40が含むとよいが、これらに限定されるわけではない。いくつかの実施形態では、流体媒体を格納するためのカートリッジまたはキャニスタとして、タンクシステム40が設けられてもよい。様々な実施形態では、流体媒体がタンクシステム40に再充填されるとよい。別の実施形態では、タンクシステム40に流体媒体が予め充填されている。
【0077】
タンクシステム40は、何らかの適当な方法で廃棄用ハウジング部分20に支持されるとよい。例えば、廃棄用ハウジング部分20は、タンクシステム40を保持するための突起部および支柱(不図示)または樋状の特徴(不図示)を備えるとよい。いくつかの実施形態では、タンクシステム40が廃棄用ハウジング部分20から取り外されて別のタンクと交換されるように、タンクシステム40が廃棄用ハウジング部分20によって支持されるとよい。代替的または付加的に、適当な接着剤、ストラップ、または他の結合構造により、タンクシステム40が廃棄用ハウジング部分20に固定されてもよい。
【0078】
様々な実施形態では、タンクシステム40の内部空間について流体媒体を流入および/または流出させるための少なくとも一つのポート41をタンクシステム40が含むとよい。いくつかの実施形態において、注入経路50は、コネクタ56とチューブ54と針器具52とを含むとよい。注入経路50のコネクタ56は、タンクシステム40のポート41へ接続可能であるとよい。様々な実施形態では、タンクシステム40のポート41について注入経路50のコネクタ56を選択的に接続および分断させるため、タンクシステム40のポート41の付近に開口部を備えるように廃棄用ハウジング部分20が構成されるとよい。
【0079】
様々な実施形態において、タンクシステム40のポート41は、自動密封隔壁またはその他などの隔壁(図2では不図示)で被覆されるか、これを支持するとよい。隔壁は、隔壁が穿刺されていない時には流体媒体がポート41を通ってタンクシステム40から流出するのを防止するように構成されるとよい。加えて、様々な実施形態では、タンクシステム40のポート41を被覆している隔壁を穿刺してタンクシステム40の内部空間から流体媒体を流出させるための針を、注入経路50のコネクタ56が含むとよい。
【0080】
針・隔壁コネクタの例は、特許文献81に見られ、その内容全体が参照により本願に援用される。他の代替例では、Luer Lockまたはその他などの非隔壁コネクタが使用されてもよい。様々な実施形態において、注入経路50の針器具52は、利用患者の皮膚を穿孔することのできる針を含むとよい。加えて、様々な実施形態においてチューブ54は、コネクタ56を針器具52と接続し、注入経路50がタンクシステム40から利用患者の身体への流体媒体の送達を可能にする経路となるように中空であるとよい。
【0081】
本発明の様々な実施形態による送達装置12の耐久性ハウジング部分30は、廃棄用ハウジング部分20と係合してこれに固定されるハウジングシェルを含む。耐久性ハウジング部分30および廃棄用ハウジング部分20は、二つのハウジングを一緒に手で押圧することにより、ねじりまたはねじ接続により、摩擦嵌め接続で、摺動接続で、および/または機械技術ではよく知られている他の適当な部品接続方法により二つの部品が容易に接続されるようにする対応形状の溝部、切欠き、凸状部、または他の適当な特徴を備えるとよい。
【0082】
様々な実施形態では、耐久性ハウジング部分30および廃棄用ハウジング部分20がねじり動作を用いて相互に接続されるとよい。耐久性ハウジング部分30および廃棄用ハウジング部分20は、二つのハウジングを相互に分断するのに十分な力が印加された時に相互に分離可能であるように構成されるとよい。例えば、いくつかの実施形態では、廃棄用ハウジング部分20および耐久性ハウジング部分30が摩擦嵌めにより一緒にスナップ結合されるとよい。様々な実施形態では、Oリングシールなど適当なシールが耐久性ハウジング部分30および/または廃棄用ハウジング部分20の周縁エッジに沿って載置されて、耐久性ハウジング部分30と廃棄用ハウジング部分20との間への水の浸入に対するシールとなるとよい。
【0083】
送達装置12の耐久性ハウジング部分30は、モータと駆動装置リンク機構部分とを含むとよい駆動装置(図2では不図示)を支持するとよい。駆動装置は、タンクシステム40内の流体媒体に力を印加して、利用患者への送達のため流体媒体を注入経路50などの注入経路へタンクシステム40から押入するように構成されるとよい。例えば、いくつかの実施形態では、タンクシステム40に配設されたプランジャヘッド(図6A〜6C参照)に接続されたプランジャアーム(図6A〜6C参照)にモータ84を動作結合するための適切なリンク機構を備える電動モータ84(図5Bおよび5C参照)が、耐久性ハウジング部分30に取り付けられるとよい。電動モータは、タンクシステム40のポート41から利用患者へ流体媒体を押入する方向にプランジャヘッドを駆動するように構成されるとよい。
【0084】
また、いくつかの実施形態では、プランジャアーム60およびプランジャヘッドを移動させる方向を逆転させて患者からタンクシステム40へ流体が吸引されるようにモータ84が制御可能であってもよい。モータ84は耐久性ハウジング部分30に配設されるとよく、これに対応して廃棄用ハウジング部分20にタンクシステム40が配設されるとよいため、利用患者が送達装置12の耐久性ハウジング部分30を廃棄用ハウジング部分20と接続すると、適切なリンク機構を通したモータ84とプランジャヘッドとの動作嵌合が自動的に行われる。リンク機構および制御構造の別の例は、限定的ではないが、特許文献74、特許文献1、「分離可能な耐久性ハウジング部分に駆動装置を備える注入装置および方法」の名称で2005年8月23日に出願された特許文献75、「注入装置のためのポンプアセンブリおよび方法」の名称で2005年8月23日に出願された特許文献76、「注入装置のためのタンク支持体および方法」の名称で2005年8月23日に出願された特許文献77、「注入ポンプの流体圧力および力の検出のための方法、器具、および使用」の名称で2001年3月27日に出願された特許文献78に見られ、これらすべての内容全体が参照により本願に援用される。
【0085】
様々な実施形態において、耐久性ハウジング部分30と廃棄用ハウジング部分20とは、形状は保つが上述のように効果的な相互接続および分断に充分な可撓性および弾性を提供する適当な剛性材料で製作されるとよい。廃棄用ハウジング部分20の材料は、皮膚との適当な適合性について選択されるとよい。例えば、送達装置12の廃棄用ハウジング部分20および耐久性ハウジング部分30は、適当なプラスチック、金属、複合材料、またはその他で製作されるとよい。廃棄用ハウジング部分20は、耐久性ハウジング部分30と同じタイプの材料または異なる材料で製作されるとよい。いくつかの実施形態では、廃棄用ハウジング部分20および耐久性ハウジング部分30は射出成型または他の成型プロセス、機械加工プロセス、またはその組合せにより製造されるとよい。
【0086】
例えば、廃棄用ハウジング部分20は、可撓性のシリコン、プラスチック、ゴム、合成ゴム、またはその他など、比較的可撓性を持つ材料で製作されるとよい。利用患者の皮膚とともに撓曲することが可能な材料で廃棄用ハウジング部分20を形成することにより、利用患者の皮膚に廃棄用ハウジング部分20が固定された時に、より高いレベルの利用患者快適性が達成されるとよい。加えて、可撓性の廃棄用ハウジング部分20は、廃棄用ハウジング部分20が固定される利用患者の身体上の部位の選択肢を広げる結果を招くとよい。
【0087】
図2に図示された実施形態では、送達装置12は検知装置14の接続要素17を通して検知装置14に接続される。検知装置14は、送達装置12により行われる治療の性質に応じて、適当な生体または環境検知装置を含むセンサ15を含むとよい。例えば、糖尿病患者へインシュリンを送達するという状況では、センサ15は血中グルコースセンサまたはその他を含むとよい。
【0088】
いくつかの実施形態において、センサ15は連続的グルコースセンサを含むとよい。連続的グルコースセンサは、利用患者の身体に埋込み可能であるとよい。他の実施形態では、連続的グルコースセンサは外部に、例えば利用患者の皮膚に配置されるか、利用患者の衣類に装着されるとよい。このような実施形態では、流体が利用患者から連続的に吸引されて連続的グルコースセンサにより検知されるとよい。様々な実施形態において、連続的グルコースセンサは、CCD16を連続的に検知する、および/またはこれと通信するように構成されるとよい。他の実施形態では、CCD16を断続的に検知する、および/またはこれと通信する、例えばグルコースレベルを検知して数分ごとに情報を送信するように連続的グルコースセンサが構成されるとよい。様々な実施形態において、連続的グルコースセンサはグルコースオキシダーゼを利用するとよい。
【0089】
センサ15は、利用患者の皮膚に固定される外部センサであるか、他の実施形態では利用患者の身体の埋込み部位に配置される埋込みセンサでもよい。別の代替例では、例えば、内容全体が参照により本願に援用される2005年6月8日出願で「二重挿入セット」という名称の特許文献85に示されているものなど、注入カニューレおよび/または針の一部として、またはこれらとともに、センサが含まれるとよい。図2に図示された例において、センサ15は、利用患者の皮膚を穿刺するための針を含む廃棄用針パッドと、利用患者の血中グルコースレベルまたはその他などの生体状態に反応する酵素および/または電子機器とを有する外部センサである。このようにして、送達装置12が利用患者に固定される箇所から離れた部位で利用患者に固定されるセンサ15からのセンサデータが、送達装置12に提供されるとよい。
【0090】
図2に示された実施形態は、送達装置12の耐久性ハウジング部分30に配置されたセンサ電子機器(図2では不図示)にセンサデータを提供するため接続要素17により接続されるセンサ15を含むが、他の実施形態では送達装置12内に配置されるセンサ15を採用してもよい。その他の実施形態では、送達装置12の耐久性ハウジング部分30に配置される受信用電子機器(図2では不図示)と無線通信リンクによりセンサデータを通信するための送信器を有するセンサ15を採用してもよい。様々な実施形態では、センサ15と送達装置12の耐久性ハウジング部分30内の受信用電子機器との間の無線接続は、高周波(RF)接続、光学接続、または他の適当な無線通信リンクを含むとよい。別の実施形態では検知装置14を採用する必要がなく、代わりにセンサデータを使用しない流体媒体送達機能を提供するとよい。
【0091】
上述したように、送達装置12の廃棄用要素を耐久性要素から分離することにより、廃棄用要素は廃棄用ハウジング部分20に配設されるのに対して、耐久性要素は分離可能な耐久性ハウジング部分30に配設されるとよい。これに関して、規定回数の送達装置12の使用後に、廃棄用ハウジング部分20が妥当な方法で処分されるように、廃棄用ハウジング部分20が耐久性ハウジング部分30から分離されるとよい。次に、利用患者による別の送達操作のため、耐久性ハウジング部分30が新品(未使用)の廃棄用ハウジング部分20と係合されるとよい。
【0092】
図3は、本発明の別の実施形態による送達装置12の例を図示している。図3の実施形態の送達装置12は、図2の実施形態の送達装置12に類似している。図2に図示された実施形態の送達装置12では、耐久性ハウジング部分30がタンクシステム40を被覆するようになっているが、図3の実施形態の送達装置12では、耐久性ハウジング部分30がタンクシステム40を被覆せずに廃棄用ハウジング部分20に固定されるようになっている。図3に図示された実施形態の送達装置12は廃棄用ハウジング部分20を含み、図3に図示された実施形態による廃棄用ハウジング部分20は、ベース部分21とタンク保持部分24とを含む。一実施形態では、ベース部分21およびタンク保持部分24は単一の一体的構造として形成されるとよい。
【0093】
廃棄用ハウジング部分20のベース部分21は、利用患者の身体に固定可能であるように構成されるとよい。廃棄用ハウジング部分20のタンク保持部分24は、タンクシステム40を収納するように構成されている。廃棄用ハウジング部分20のタンク保持部分24は、タンクシステム40がタンク保持部分24に収納された状態でタンク保持部分24の外側からタンクシステム40のポート41にアクセスできるようにする開口部を有する構成を持つとよい。耐久性ハウジング部分30は、廃棄用ハウジング部分20のベース部分21について装着可能であるとともに取外し可能であるように構成されるとよい。図3に図示された実施形態の送達装置12は、タンクシステム40内のプランジャヘッド(図3では不図示)に接続されるか接続可能であるプランジャアーム60を含む。
【0094】
図4は、図3の実施形態の送達装置12の別の図を図示している。図4に図示された実施形態の送達装置12は、廃棄用ハウジング部分20と耐久性ハウジング部分30と注入経路50とを含む。図4の実施形態の廃棄用ハウジング部分20は、ベース部分21とタンク保持部分24と剥離カバー層25とを含む。剥離カバー層25は、ベース部分21の底面22にある接着材料を被覆するとよい。ベース部分21の底面22の接着材料を露出させるように利用患者によって剥離可能な構成を剥離カバー層25が持つとよい。いくつかの実施形態では、剥離層により分離されるベース部分21の底面22に、多数の接着層が設けられてもよい。
【0095】
図4に図示された本発明の実施形態による注入経路50は、図2の実施形態に示されたコネクタ56とチューブ54と針器具52ではなく、針58を含む。廃棄用ハウジング部分20のベース部分21は、延出時に針58がベース部分21を通ってベース部分21の下にある利用患者の皮膚に達するように針58の先端との整合状態にある開口部または穿刺可能な壁を備えるとよい。このようにして、利用患者の皮膚を穿刺して利用患者に流体媒体を送達するのに針58が使用されるとよい。
【0096】
代替的に、利用患者の皮膚を針58で穿刺する際に中空カニューレの端部が針58により利用患者の皮膚内を案内されるように、中空カニューレ(図4では不図示)内に針58が延出してもよい。その後、針58が取り外され、カニューレの一端部が利用患者の身体内に配置されてカニューレの他端部がタンクシステム40内の流体媒体と流体流通している状態で、中空カニューレが定位置に残されるとよい。こうして、タンクシステム40から利用患者の身体へ流体媒体が搬送されるとよい。
【0097】
図5Aは、本発明の実施形態による送達装置12(例えば図3)の耐久性部分8を図示している。図5Bは、本発明の実施形態による耐久性部分8の断面図を図示している。図5Cは、本発明の実施形態による耐久性部分8の別の断面図を図示している。図5A,5B,5Cを参照すると、様々な実施形態において耐久性部分8は、耐久性ハウジング部分30と駆動装置80とを含むとよい。駆動装置80は、モータ84と駆動装置リンク機構部分82とを含むとよい。
【0098】
様々な実施形態では、モータ84、駆動装置リンク機構部分82、他の電子回路網、および電源(図5A,5B,5Cでは不図示)を収納するための内部空間を耐久性ハウジング部分30が含むとよい。加えて、様々な実施形態において耐久性ハウジング部分30は、プランジャアーム60(図3を参照)を収容するための開口部32を備えるように構成されるとよい。加えて、様々な実施形態では、廃棄用ハウジング部分20(例えば図3)のベース部分21との接続のための凸状部、挿入孔、またはその他など、一つ以上の接続部材34を耐久性ハウジング部分30が含むとよい。
【0099】
図6Aは、本発明の実施形態による送達装置12(例えば図3)の廃棄用部分9を図示している。図6Bは、本発明の実施形態による廃棄用部分9の断面図を図示している。図6Cは、本発明の実施形態による廃棄用部分9の別の断面図を図示している。図6A,6B,6Cを参照すると、様々な実施形態において、廃棄用部分9は廃棄用ハウジング部分20とタンクシステム40とプランジャアーム60とプランジャヘッド70とを含む。プランジャヘッド70は、ブロモブチルゴム、シリコンゴム、または他の適当な材料および/またはその誘導体で製作されるとよい。いくつかの実施形態では、ベース部分21とタンク保持部分24とを廃棄用ハウジング部分20が含むとよい。様々な実施形態では、耐久性ハウジング部分30の実施形態の一つ以上の接続部材34(例えば図5B)との接続を可能にするための凸状部、溝部、またはその他などの一つ以上の接続部材26を有する上面23を、ベース部分21が含むとよい。
【0100】
様々な実施形態では、廃棄用ハウジング部分20のタンク保持部分24にタンクシステム40が収納されるとよく、タンクシステム40は流体媒体を保持するように構成されるとよい。加えて、様々な実施形態では、プランジャヘッド70の少なくとも一部分がタンクシステム40の中に配置されて、流体媒体をタンクシステム40に充填するとともに流体媒体をタンクシステム40から流出させるようにタンクシステム40内で移動可能であるとよい。いくつかの実施形態では、プランジャアーム60がプランジャヘッド70に接続されるとよいか、接続可能である。
【0101】
また、いくつかの実施形態では、プランジャアーム60の一部分が廃棄用ハウジング部分20のタンク保持部分24の外側まで延出しているとよい。様々な実施形態では、駆動装置80の駆動装置リンク機構部分82(例えば図5C)と係合するための係合部分をプランジャアーム60が有するとよい。図5Cおよび6Cを参照すると、いくつかの実施形態では、耐久性ハウジング部分30が廃棄用ハウジング部分20にスナップ嵌めされると、駆動装置リンク機構部分82がプランジャアーム60の係合部分と自動的に嵌合する。
【0102】
駆動装置リンク機構部分82がプランジャアーム60と嵌合または係合した状態で耐久性ハウジング部分30と廃棄用ハウジング部分20とが一緒に嵌着すると、駆動装置リンク機構部分82を駆動するようにモータ84が制御されるとよい。こうして、プランジャアーム60が移動してプランジャヘッド70をタンクシステム40内で移動させるとよい。タンクシステム40の内部空間に流体媒体が充分に充填されてタンクシステム40から利用患者の身体への注入経路が設けられると、プランジャヘッド70がタンクシステム40内で移動し、注入経路を介してタンクシステム40から利用患者へ流体媒体を流入させる。
【0103】
様々な実施形態では、タンクシステム40が充分に空になってしまうかあるいは交換を必要とする際に、利用患者は、耐久性ハウジング部分30を廃棄用ハウジング部分20から取り外して、タンクシステム40を含む廃棄用部分9を、新品タンクを有する新品の廃棄用部分と交換するだけでよい。耐久性ハウジング部分30は新品廃棄用部分の新品廃棄用ハウジングに接続されるとよく、新品廃棄用部分を含む送達装置が利用患者の皮膚に固定されるか、他の形で利用患者に装着されるとよい。
【0104】
他の様々な実施形態では、タンクシステム40が空になるたびに廃棄用部分9全体を交換するのでなく、タンクシステム40に流体媒体が再充填されてもよい。いくつかの実施形態では、廃棄用ハウジング部分20のタンク保持部分24(例えば図6B)に残されたままでタンクシステム40が再充填されるとよい。加えて様々な実施形態では、タンクシステム40が新品タンク(不図示)と交換されるのに対して、廃棄用ハウジング部分20は新品タンクとともに再利用されるとよい。このような実施形態では、廃棄用部分9に新品タンクが挿入されるとよい。
【0105】
図3,5A,6B,6Cを参照すると、様々な実施形態において、送達システム12はタンクステータス回路網(不図示)を含むとよく、タンクシステム40はタンク回路網(不図示)を含むとよい。様々な実施形態では、(i)タンクシステム40を特定する識別ストリング、(ii)タンクシステム40の製造者、(iii)タンクシステム40の内容物、(iv)タンクシステム40の内容量、またはその他のうち少なくとも一つなどの情報をタンク回路網が格納するが、これらに限定されるわけではない。いくつかの実施形態では、送達装置12がタンクステータス回路網を含むとよく、タンクステータス回路網は、タンクシステム40が廃棄用部分9に挿入された時にタンク回路網からのデータを読み取るように構成されるとよい。
【0106】
様々な実施形態において、タンクステータス回路網はさらに、タンクシステム40の内容物の少なくとも一部がタンクシステム40から移送された後でタンク回路網にデータを格納して、タンク回路網の情報を更新するように構成されるとよい。このような情報は、タンクシステム40に残っている流体媒体の量、すでに送達された流体媒体の量、プランジャヘッド60の位置、タンクシステム内の圧力、またはその他に関連しているとよいが、これらに限定されるわけではない。
【0107】
いくつかの実施形態において、廃棄用部分9にタンクシステム40が挿入された時にタンク回路網にデータを格納してタンクシステム40に残っている内容量に関するタンク回路網の情報を更新するように、タンクステータス回路網が構成されるとよい。いくつかの実施形態において、送達装置12はタンクステータス回路網を含むとよく、タンクシステム40はタンク回路網を含むとよく、タンクステータス回路網は、タンク回路網からタンクステータス回路網により読み取られた情報に基づいて、送達装置12の使用を選択的に阻止するか、警告信号を選択的に提供するとよい。
【0108】
図7〜19は、本発明の様々な実施形態による医療機器システムの第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とを接続するための接続構造の様々な例を図示している。図7〜19の医療機器システムは、開示全体にわたって記載される医療機器システムに類似した特徴を含むか、開示全体にわたって記載される医療機器(例えば図1〜6Cの送達装置12)の実施形態として採用されるとよい。医療機器システムは、図1〜6Cの実施形態に類似するかこれに使用される特徴を含むとよいが、医療機器システムは、図20〜36の実施形態で図示および説明されるものと同じ特徴のいくつかまたはすべても含み、これと類似した方法で作動することが理解されるべきである。加えて、図1〜6Cおよび20〜36に示された特徴のいくつかまたはすべてが様々な手法で組み合わされ、図7〜19に示された実施形態に含まれてもよい。同様に、図7〜19の実施形態の特徴のいずれかが図7〜19の他の実施形態のいずれか、そして上記の他の実施形態のいずれかと組み合わされるか、さもなければこれに取り入れられてもよいことが理解されるべきである。
【0109】
様々な実施形態において、廃棄用ハウジング部分(例えば図3の20)を有する医療機器システム100は、例えば、ベース部分21の底面に設けられる上述のものなどの接着材料により利用患者の皮膚に固定され得るベース部分21を備えるとよいが、これらに限定されるわけではない。この構成は、図7に側面図で概略表示されている。このような構成では、廃棄用ハウジング部分20のベース部分21の底面(つまり皮膚側の表面)に接着材料101が設けられるとよい。図2,3,7を参照すると、ベース部分21および廃棄用ハウジング部分20と嵌合してこれに接続されるように廃棄用ハウジング部分20のベース部分21に配設される構成を耐久性ハウジング部分30が持つとよい。このような構成では、廃棄用ハウジング部分20のベース部分21のみが利用患者の皮膚と接触したままとなるように、耐久性ハウジング部分30と利用患者の皮膚との間にベース部分21が配置されるとよい。
【0110】
しかし、他の実施形態では、医療機器システム110の耐久性ハウジング部分30および廃棄用ハウジング部分20が、例えば図8に表示されているような並置構成で相互に嵌合するように構成されるとよい。図8の並置構成では、耐久性ハウジング部分30および廃棄用ハウジング部分20の一方または両方が、(図3に示されたような剥離カバー層25を含むか含まない)接着材料101を有するベースを備えるとよい。
【0111】
例えば図9に表示されているまた別の実施形態では、医療機器システム120の耐久性ハウジング部分30および廃棄用ハウジング部分20の一方または両方が、別のベース部材21'について装着可能かつ取外し可能であるとよい。耐久性ハウジング部分30、廃棄用ハウジング部分20、およびベース部材21'の何らかの組合せ、またはこれらすべてを接続するために、上述したような適当な接続構造が採用されるとよい。別のベース部材21'は、プラスチック、金属、セラミック、複合材料、またはその他を限定的でなく含む適当な剛性材料で製作されたほぼ平坦なプレート状構造を含むとよい。ベース部材21'は、廃棄用ハウジング部分20および耐久性ハウジング部分30が装着されるかさもなければ動作嵌合される表面(つまり図9の上向き表面)を有するとよい。ベース部材21'は、ベース部材21'が利用患者の皮膚に固定されるようにここで説明する接着材料および剥離カバーフィルムが塗着される第2表面(つまり図9の下向き表面)を有するとよい。
【0112】
いくつかの実施形態において、ベース部材21'は、ここで説明される針挿入装置25を含むとよい。このような実施形態では、利用患者の皮膚にベース部材21'が固定されるとよい。次に針挿入装置25が起動されて中空針またはカニューレを利用患者の皮膚へ挿入する。それから中空針またはカニューレが挿入された後、耐久性ハウジング部分30および廃棄用ハウジング部分20がベース部材21'に装着されて、中空針またはカニューレとの流体連通状態でタンクシステム40(例えば図1〜6C)に接続される。
【0113】
いくつかの実施形態において、耐久性ハウジング部分30および廃棄用ハウジング部分20は、これらハウジング部分がベース部材21'に装着される前に、例えば上述の方法で一緒に接続されるとよい。別の実施形態では、耐久性ハウジング部分30と廃棄用ハウジング部分20とが一緒に接続される前に、耐久性ハウジング部分30と廃棄用ハウジング部分20の一方がベース部材21'に装着されてもよい。このような別の実施形態では、耐久性ハウジング部分30と廃棄用ハウジング部分20とが一緒に接続される前か後に、廃棄用ハウジング部分20がベース部材21'に装着された後で、針挿入装置が起動されて中空針またはカニューレを利用患者の皮膚に挿入するとよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、針挿入装置と整合する(または別の開口部と整合する)開口部32をベース部材21'が有するとよい。このような実施形態では、利用患者の皮膚にベース部材21'が固定されるとよい。それから、耐久性ハウジング部分30と廃棄用ハウジング部分20とが一緒に接続される前または後に、廃棄用ハウジング部分20がベース部材21'に装着されるとよい。廃棄用ハウジング部分20がベース部材21'に装着されると、耐久性および廃棄用ハウジング部分が一緒に接続される前と後のいずれかに、針挿入装置が起動されて中空の針またはカニューレを利用患者の皮膚へ挿入する。開示全体にわたって説明される他の針/カニューレ挿入具が、限定ではないが前述のような針および/またはカニューレを挿入するのに使用される(または使用のため変形される)とよい。
【0115】
いくつかの実施形態では、図10に示されているように、注射部位モジュール103が医療機器システム130の廃棄用ハウジング部分20の外部に設けられるが、導管102を通して廃棄用ハウジング部分20に接続されるとよい。外部の注射部位モジュール103は、針またはカニューレ注入装置構造と、このような注入装置またはその他が起動されるようにするオペレータまたは開口部(例えば図9の開口部32)とを含むとよい。代替的または付加的に、各々が本発明の譲受人に譲渡されてその内容全体が参照により本願に援用される、「皮下注入セット」の名称で2003年11月10日に出願された特許文献79および/または「多位置注入セット装置およびプロセス」の名称で2004年12月3日に出願された特許文献80に説明または言及されているような注入セットなどの注入セットを、注射部位モジュール103が限定的でなく含むとよい。
【0116】
注射部位モジュール103を廃棄用ハウジング部分20と接続する導管102は、限定的ではないがプラスチック、シリコン、ポリマー、またはその他で製作された可撓性チューブなどの流体流路を有する適当なチューブ類構造であればよい。チューブ類を利用患者の皮膚に固定するため、前述のような接着材料などの接着材料が、チューブ類構造(またはチューブ類構造と利用患者の皮膚との間)に設けられるとよい。注射部位モジュール103を利用患者の皮膚に固定するため、前述したような接着材料などの接着材料が注射部位モジュール103(または注射部位モジュール103と利用患者の皮膚との間)に設けられてもよい。注射部位モジュール103を廃棄用ハウジング部分20の外部に配置することにより、廃棄用ハウジング部分20および耐久性ハウジング部分30が衣類、ベルト、サスペンダー、または他の服飾品にクリップ留めされるか、服飾品のポケットに保管されるか利用患者の財布またはその他に入れられて携行されるとよい。
【0117】
いくつかの実施形態では、廃棄用ハウジング部分20の中のタンクシステム40(例えば図1〜6C)との流体連通状態で、導管102が廃棄用ハウジング部分20に一端部で固着されるとよい。上述したような中空の針またはカニューレとの流体連通状態での接続のため、導管102は第2端部において注射部位モジュール103に固着されるとよい。
【0118】
別の実施形態において、導管102の両端部の一方または両方は、廃棄用ハウジング部分20および/または注射部位モジュール103に対して導管102の両端部が流体連通状態で選択的に接続されるか選択的に分断されるようにする適当な接続構造を含むとよい。このようなコネクタは、中空針および隔壁、ルアコネクタ、または他の適当な流体連通接続を包含するとよい。このような実施形態では、例えば、注射部位モジュール103を定位置に残したままで注射部位モジュール103または廃棄用ハウジング部分20から導管102の両端部の一方を分断することにより、廃棄用ハウジング部分20および耐久性ハウジング部分30が注射部位モジュール103から分断されるとよい。こうして、利用患者は、針またはカニューレを引き抜き、その後で操作を再開するため針またはカニューレを挿入する必要がない。このようにして、シャワー、入浴、水泳、または他の活動を利用患者が行うことが可能でありながら、例えばこのような活動の終了後に廃棄用ハウジング部分20を注射部位モジュール103に容易に再接続することが可能となるように、利用患者は廃棄用ハウジング部分20と耐久性ハウジング部分30とを容易に分断して取り外すことができる。コネクタの例は、2003年12月22日に「タンクコネクタ」の名称で出願された特許文献81と、1996年8月13日に「薬剤注入システムのための簡易接続継手」の名称で出願された特許文献82に見られ、その両方の内容全体が参照により本願に援用される。他の代替例では、ルアロック、または他の適当な流体連通コネクタなど、異なるコネクタが使用されてもよい。
【0119】
いくつかの実施形態では、図11に示されているように、注射部位モジュール103が医療機器システム140の廃棄用ハウジング部分20と直接に接続されるとよい。このような実施形態では、前述のように廃棄用ハウジング部分20のタンクシステム40(例えば図1〜6C)と中空針またはカニューレとの間の流体連通のため、廃棄用ハウジング部分20を通って注射部位モジュール103へ一つ以上の適当な流体流路が設けられる。加えて、このような実施形態では、注射部位モジュール103および廃棄用ハウジング部分20が相互に選択的に接続および分断されるようにする係合接続構造を、注射部位モジュール103と廃棄用ハウジング部分20とが含むとよい。
【0120】
注射部位モジュール103を廃棄用ハウジング部分20と直接に接続するための係合構成の様々な例が、図12〜19を参照して説明される。図12〜14は、廃棄用ハウジング部分20の対応数の収容部に収容される構成を持つ少なくとも一つ(例えば図12では二つ)の突出嵌合つめ174を注射部位モジュール103が含むとよい医療機器システム150の構成例を示している。つめ174および収容部は例えば、内容全体が参照により本願に援用される2006年8月23日出願で「注入ポンプおよび方法とこれを備える送達装置および方法」という名称の特許文献83に記載のつめ74および収容部76に類似しているとよい。他の実施形態では、廃棄用ハウジング部分20につめ174が配置されているのに対して、注射部位モジュール103には対応の収容部が配置されるとよい。また別の実施形態では、廃棄用ハウジング部分20および注射部位モジュール103の各々が、一つ以上のつめ174および一つ以上の収容部を含むとよい。
【0121】
つめ174および収容部は、廃棄用ハウジング部分20と注射部位モジュール103とが接合される際に利用患者がつめ174を収容部へ手で摺動させるような構成を持つとよい。つめ174を対応の収容部に摺動挿入することにより、注射部位モジュール103が廃棄用ハウジング部分20に固定されるとよい。つめ174が収容部に完全に収容された時に収容部とともにスナップ嵌めを成す成形部分またはヘッドを、つめ174が含むとよい。廃棄用ハウジング部分20および注射部位モジュール103を相互に離間させてつめ174を収容部から外すのに充分な力を印加することによって利用患者が廃棄用ハウジング部分20を注射部位モジュール103から分離するのに充分な可撓性を持つ構成を、つめ174が持つとよい。図12〜14の実施形態では、上述したように廃棄用ハウジング部分20の延出ベース部分21に代わる、操作中に利用患者の皮膚に固定されるベース450に、注射部位モジュール103が装着されるかこれを含むとよい。ベース450は、廃棄用ハウジング部分20のベース部分21(またはここで説明する他のベース)に関して説明されたような接着材料を含むとよい。
【0122】
図14に示されているように図12〜14の実施形態は、廃棄用ハウジング部分20と耐久性ハウジング部分30とベース450上の注射部位モジュール103とを含む、大まかに三つの部品で形成されるとよい。耐久性ハウジング部分30および廃棄用ハウジング部分20は一緒に固定され(例えば図12)、合体接続された廃棄用および耐久性ハウジング部分は、注射部位モジュール103およびベース450に固定されるとよい。いくつかの実施形態では、合体接続された廃棄用および耐久性ハウジング部分が注射部位モジュール103およびベース450に固定される前に、ベース450が利用患者の皮膚に固定されるとよい。別の実施形態では、ベース450が利用患者の皮膚に固定される前に、合体接続された廃棄用および耐久性ハウジング部分が注射部位モジュール103およびベース450に固定されるとよい。
【0123】
医療機器システム160の接続構造の例が図15および16を参照して説明されるが、注射部位モジュール103は、廃棄用ハウジング部分20の対応の成形開口部または収容部に収容される構成を持つ成形ヘッド452を含むとよい。成形ヘッド452は、図15に示されているように廃棄用ハウジング部分20が第1整合位置で注射部位モジュール103に対して整合された場合にヘッド452が収容部に収容されるようにする形状を持つ構成であるとよい。
【0124】
図16に示されているように、成形ヘッド452はさらに、ヘッド452が収容部に収容された状態で廃棄用ハウジング部分20が注射部位モジュール103に対して第2整合位置まで回転可能であるような構成を持つとよい。廃棄用ハウジング部分20が第1整合位置(例えば図15)にある時にヘッド452が収容部に自由に収容され、またここから取り外されるが、廃棄用ハウジング部分20が第2整合位置(例えば図16)にある場合にはヘッド452と当接して収容部からのヘッド452の分離を阻止するように、廃棄用ハウジング部分20の収容部が形成されるとよい。こうして、廃棄用ハウジング部分20が第2整合位置にある場合には、注射部位モジュール103からの廃棄用ハウジング部分20の分離が阻止されるとよい。
【0125】
医療機器システム170の接続構造の例が図17〜19を参照して説明されるが、医療機器システム170は、三つの部品、つまり耐久性ハウジング部分30と廃棄用ハウジング部分20とベース456とを包含するとよい。ベース456の成形収容部454は、廃棄用ハウジング部分20の対応形状コネクタ部材を収容するように構成されるとよい。注射部位モジュール103は、廃棄用ハウジング部分20と一体的に形成されるとよい。図17に示されているように廃棄用ハウジング部分20がベース456および収容部454に対して第1整合位置で整合された場合に注射部位モジュール103のコネクタ部材が収容部454と嵌合するような形状で、成形収容部454が構成されるとよい。
【0126】
図7〜19に戻ると、成形収容部454はさらに、図18に示されているように収容部454が第2整合位置までコネクタ部に嵌合した場合に廃棄用ハウジング部分20がベース456および収容部454に対して回転するような構成を持つとよい。図7〜19を参照すると、廃棄用ハウジング部分20が第1整合位置(例えば図17)にある場合にはコネクタ部材を収容部454と自由嵌合させるが、廃棄用ハウジング部分20が第2整合位置(例えば図18)にある場合には収容部454にロックされるが収容部からのコネクタ部材の分離を阻止するような形状を、廃棄用ハウジング部分20の収容部454およびコネクタ部材が持つとよい。こうして、廃棄用ハウジング部分20が第2整合位置にある場合に、注射部位モジュール103からの廃棄用ハウジング部分20の分離が阻止されるとよい。
【0127】
収容部454および接続部材は、二つの構造の嵌合および一方向の相対回転時に二つの構造を一緒に接続するが、第1方向と反対の第2方向における二つの構造の相対回転により二つの構造が解離されて嵌合構成から分離されるようにするための、周知の適当な回転接続構造を含むとよい。前述のように廃棄用ハウジング部分20とベース456とが接続されるとこれらの部品の間の相対移動を阻止するため、ロック凸状部、つめ、またはその他などの動作阻止構造が設けられるとよい。
【0128】
図19に示されているように、図17〜19の実施形態は、廃棄用ハウジング部分20と耐久性ハウジング部分30とベース456上の注射部位モジュール103とを含む、大まかに三つの部分で形成されるとよい。耐久性ハウジング部分30と廃棄用ハウジング部分20とは一緒に固定されて(例えば図17)、合体接続後の廃棄用および耐久性ハウジング部分がベース456に固定されるとよい。一実施形態では、合体接続後の廃棄用および耐久性ハウジング部分がベース456に固定される前にベース456が利用患者の皮膚に固定されてもよい。別の実施形態では、ベース456が利用患者の皮膚に固定される前に合体接続後の廃棄用および耐久性ハウジング部分がベース456に固定されてもよい。
【0129】
図7〜19を参照すると、上述した多数の実施形態の様々な態様が単独または組合せで採用されるとよい。部位別送達システムが廃棄用部分と非廃棄用部分とを含む二つの部品で製作される記載の様々な実施形態およびその組合せから、大きな長所が得られる。廃棄用部分は、タンク本体、タンクピストン、隔壁システム、および/または注射針など注入媒体と直接に接触しているすべての材料を格納するとよい。非廃棄用部分は、駆動システム、圧力・力検出システム(および/または他の検知システム)、バッテリ、電子機器、ディスプレイ、および/または非廃棄用ハウジングを含めて、薬剤と接触しない材料を実質的に格納する。
【0130】
(未使用の新品であるか、利用者充填、事前充填、再手入れ、再製造、または再充填されたタンクシステム40(例えば図1〜6C)を備える)廃棄用部分が非廃棄用部分へ挿入されるように、ポンプが設計されるとよい。送達装置の廃棄用部分が交換される方法を単純化することによって、また廃棄用部分の交換後に送達装置が再起動される方法を単純化することによって、より多くの利用患者がこのような送達装置を使用してこれから恩恵を受けることが可能であろう。
【0131】
加えて、上述した実施形態は、廃棄用ハウジング部分20または注射部位モジュール103に配置された注射部位を含むが、他の実施形態では耐久性ハウジング部分30に配置された注射部位を採用してもよい。注射部位は、耐久性ハウジング部分30と廃棄用ハウジング部分20とが嵌合した時に、適当な流体流路を通して廃棄用ハウジング部分20のタンクシステム40に接続されるとよい。
【0132】
加えて、タンクから利用患者へ注入媒体を送達するための送達装置に関する実施形態を上で説明したが、利用患者(または他の流体源)から流体媒体を吸引してこの流体媒体をタンクへ移送するように他の実施形態が機能してもよい。このような他の実施形態は、(タンクの流体保持空間を増大させるため)タンクの隔壁端部からピストンプランジャを選択的に離間させて中空針またはカニューレが固定された利用患者(または他の流体源)から流体を吸引するのに十分な負圧を発生させるように駆動装置を作動させることにより機能してもよい。
【0133】
加えて、上述した実施形態のいずれかにおいて、廃棄用ハウジング部分20および耐久性ハウジング部分30の一方または両方(および/または別のベース部分21',450,456または別の注射部位モジュール103)は、力センサまたはその他などのセンサ(不図示)、あるいは一つ以上の構成要素の正しい配置または嵌合を検知するための他の適当な検知装置を含むとよい。このような実施形態において、別の電子機器が駆動装置の動作を制御して、構成要素のうち一つ以上および/または利用患者の皮膚(または他の適当な箇所)の正しい動作嵌合をセンサが検知しなければ駆動装置および/または針注射器の動作を阻止してもよい。
【0134】
代替的または付加的に、廃棄用ハウジング部分20および耐久性ハウジング部分30の一方または両方は、廃棄用ハウジング部分20および耐久性ハウジング部分30の相互(および/または独立したベース部分または独立した注射部位モジュールと)の正しい動作嵌合を検知するための検知装置(不図示)を含むとよい。このような実施形態では、別の電子機器が駆動装置の動作を制御して、廃棄用ハウジング部分20および耐久性ハウジング部分30の相互(および/または独立したベース部分または独立した注射部位モジュールと)の正しい動作嵌合を検知装置が検知しなければ駆動装置および/または針注射器の動作を阻止するとよい。
【0135】
本発明の特定の実施形態が図示および説明されたが、図示および説明された特定の実施形態に発明が限定されないことと、請求項に記載の発明の趣旨および範囲から逸脱することなく変更および変形が可能であることは当業者には自明であろう。例えば、上述した実施形態は接着材料およびカバーフィルム23(図2および3)を含むとよいが、別の実施形態は、対応する複数のカバーフィルム層23と交互配置されて送達装置が利用患者の皮膚に一回以上、固定、取り外し、再固定されるようにする複数の接着材料層を含んでもよい。
【0136】
このような実施形態では、接着材料およびカバーフィルムの交互配置層による積層体の端部に配置される第1カバーフィルム層が、第1接着材料層を露出させるように取り外されるとよい。第1接着材料層が露出された状態で、医療機器システム(例えば100,110,120,130,140,150,160,170)(またはその構成要素)が上述のように利用患者の皮膚に接着されるとよい。適当な使用期間の後、例えば一つ以上の構成要素またはその他の保守、再充填、交換のために医療機器システム(または接着剤が付いた構成要素)が利用患者の皮膚から取り外されるとよい。医療機器システム(または構成要素)を利用患者の皮膚から取り外した後、第2接着材料層を露出させるように医療機器システム(または構成要素)の第2カバーフィルム層が取り外される。第2接着材料層が露出された状態で、医療機器システム(または構成要素)が同じ利用患者に、またはある状況では別の操作のため異なる利用患者に固定されるとよい。接着材料の数に達するまで数回にわたってこのプロセスが反復され、接着材料およびカバーフィルムによる複数の交互配置層には、対になったカバーフィルム層が含まれる。
【0137】
加えて、上述した様々な実施形態は、剥離カバー層を各々が含む一つ以上の接着層を含むとよいが、他の実施形態は、複数の剥離カバー層部分のパターンを有する単一の接着層(またはこのパターンを各々が有する複数の接着層)を採用してもよい。こうして、利用患者は上述のように医療機器システム(例えば100,110,120,130,140,150,160,170)を利用患者に接着するためのカバー層の一部分を剥離して、剥離カバー層部分のパターンの残りは接着剤に残したままにする。このような実施形態では、医療機器システムの第1動作期間が終了して医療機器システムを利用患者から取り外した後に、剥離カバー層の第2部分が接着層から取り外されて、医療機器システムが第2動作期間のため、同じ利用患者、またある状況では異なる利用患者に接着されるとよい。
【0138】
様々な実施形態では、上述した様々な医療機器システム(例えば100,110,120,130,140,150,160,170)の実施形態は、利用患者の皮膚(または他の適当な動作表面)に固定されるように構成されるとともに医療機器システム構造の長さおよび/または幅に沿って延在するベース部分(例えば21,21',450,456)を含むとよいが、他の実施形態は、利用患者の皮膚(または他の表面)に固定されて、利用患者(または他の表面)と接触している表面積を最小にするため医療機器システム構造の全長または全幅寸法よりも狭い範囲に延在するように構成されたベース部分を採用するとよい。このような実施形態は、医療機器システムの動作中に利用患者の快適性を高める。利用患者の快適性に関するさらなる改良と、利用患者と接触している表面積の最小化のため、添付図面に示されたものと異なる形状およびサイズを有するベース部分が採用されてもよい。さらに、上記のように、利用患者の身体の湾曲および動きに少なくとも部分的に適合する可撓性材料でベース部分が構成されるとよい。
【0139】
一つ以上の医療機器システム(例えば100,110,120,130,140,150,160,170)の構成要素を利用患者の皮膚(または他の適当な表面)に固定するのに接着材料が使用される上述の実施形態のいずれかでは、あるエリア(例えば針注射部位の周囲)に強力な接着剤が設けられるのに対して他のエリアには弱い接着剤が設けられるように、多くのタイプの接着材料(または多くの強度の接着剤)が採用されてもよい。様々な接着剤システムの例は、限定的ではないが、特許文献45に見られ、その内容全体が参照により本願に援用される。
【0140】
医療機器システム500が二つの部品つまり第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とを包含する、接続および/または整合構造の別の例が、図20A〜30Bを参照して説明される。他の実施形態は、三つ以上の部品を備える医療機器システムを含んでもよい。
【0141】
医療機器システム500は、開示全体にわたって記載される医療機器システムの実施形態(例えば図1〜6C)として採用されていてよく、類似していてもよい。医療機器システム500は、図1〜6Cの実施形態と類似しているかこれとともに使用される特徴を含むとよいが、医療機器システム500が同じ特徴のいくつかまたはすべても含み、図7〜19および図31A〜36の実施形態で図示および説明されたものと類似の方法で機能してもよいことが理解されるべきである。加えて、図1〜19および図31A〜36に示された特徴のいくつかまたはすべてが様々な方法で組み合わされて、図20A〜30Bに示された実施形態に含まれてもよい。同様に、図20A〜30Bの実施形態の特徴のいずれかが、図20A〜30Bの他の実施形態のいずれか、またここに記載される他の実施形態に組み込まれるか他の形で包含されてもよいことが理解されるべきである。
【0142】
様々な実施形態において、第1ハウジング部分530は耐久性ハウジング部分30(例えば図1〜19)に類似しているとよく、廃棄用部分20(例えば図1〜19)を含む(つまりこれと一体的である)か、これに接続されるとよい。図1〜6Cに関して上述したように、耐久性ハウジング部分530は、駆動装置80、駆動モータ84、駆動装置リンク機構部分82、および/またはその他などの様々な構成要素を含むとよいが、これらに限定されるわけではない。第1ハウジング部分530と一体的であるかこれと接続される廃棄用ハウジング部分20は、タンクシステム40などの様々な構成要素を含むとよいが、これらに限定されるわけではない。
【0143】
図20A〜30Bに戻ると、様々な実施形態において、第2ハウジング部分530は、医療機器システム500の動作中に利用患者の皮膚に固定可能であるとよいベース(例えば図1〜19の21,21',450,456)のいずれかに類似しているとよい。第2ハウジング部分550は、上述した注射部位モジュール103(例えば図7〜19)に類似しているとよい注射部位区分503を含む(つまりこれと一体的である)か、これに接続されるとよい。注射部位区分の他の例は、限定的ではないが、2009年9月2日に「挿入装置システムおよび方法」の名称で出願された特許文献84に記載されており、その内容全体が参照により本願に援用される。
【0144】
第1ハウジング部分530は、第2ハウジング部分550および/または第2ハウジング部分550の注射部位区分503に固定するためのものであるとよい。いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分530が注射部位区分503および第2ハウジング部分550に固定される前に、第2ハウジング部分550が利用患者の皮膚に固定されるとよい。別の実施形態では、第2ハウジング部分550が利用患者の皮膚に固定される前に、第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550および/または第2ハウジング部分550の注射部位区分503に固定されるとよい。
【0145】
第2ハウジング部分550は、タンク(例えば図1〜6Cのタンクシステム40)からの流体媒体を収容するための収容部構造510を含むか、これに接続されるとよい。収容部構造と、さらに二つ以上のハウジング部分を接続するための接続構造の様々な例は、限定的ではないが、特許文献84に記載されており、その内容全体が参照により本願に援用される。いくつかの実施形態において、収容部構造510は、注射部位区分503を格納する第2ハウジング部分550の区分に隣接する第2ハウジング部分550の一部であるとよい。他の実施形態では、第2ハウジング部分550に接続されるかこれと一体的であるハウジングを収容部構造510が含むとよい。このような実施形態において、収容部構造510は、注射部位区分503から独立および離間しているか、注射部位区分503に隣接しているとよい。いくつかの実施形態において、注射部位区分503が異なるハウジングに配置され、チューブ類または他の流体導管を介して例えば収容部構造に接続されるとよい。
【0146】
第2ハウジング部分550は流体導管524を含むとよい。流体導管524は、限定的ではないが、針、カニューレ、穿刺部材、および/またはその他である(またはこれと流体連通状態にある)とよい。流体導管524は収容部構造510から注射部位区分503までの流路となるとよい。流体導管524は、収容部構造510の中に配置された支持構造により支持されるとよい。いくつかの実施形態において、支持構造は収容部構造510と一体的な壁でよい。他の実施形態において、支持構造は、収容部構造510に対して概ね固定されて収容部構造510との略固着関係で流体導管524を支持することのできる何らかの適当な構造であればよい。
【0147】
流体導管524は、例えばタンクから利用患者へ/利用患者からタンクへ流体を搬送するため適当な方法で配設されるとよい。図23および24において、流体導管524は、注射部位区分503の一部分の周囲で曲がるように配設されている。こうして様々な実施形態では、直線状流体導管、カーブ状流体導管、またはその他などを含む適当な方法で、流体導管524が第2ハウジング部分550に設けられるとよい。
【0148】
図20A〜24を参照すると、流体導管524は、金属、プラスチック、セラミック、複合材料、ガラス、またはその他を限定的でなく含む適当な剛性材料で製作されるとよく、流体導管524の長さ方向寸法に延在する中空流路を有するとよい。流体導管524の中空流路は、限定的ではないが流体導管524の第1端部など、流体導管524の長さ方向寸法に沿った箇所524aで開口しているとよい。流体導管524の中空流路は、限定的ではないが流体導管524の第1端部と反対にある流体導管524の第2端部など、流体導管524の長さ方向寸法に沿った別の箇所524bで開口しているとよい。いくつかの実施形態では、流体導管524の開口部524bは注射部位区分503との流体連通状態で接続されるとよい。
【0149】
いくつかの実施形態では、例えば流体導管524の先鋭端部(例えば524b)により穿刺可能である隔壁526を、流体導管524の一つ以上の開口部が備えるとよい。このような実施形態では、第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550に接続される際に、タンクを有する第1ハウジング部分530により隔壁526が先鋭端部に押圧されるように、先鋭端部は隔壁526の表面を向いているとよい。隔壁526は、限定的ではないが天然または合成ゴム材料、シリコン、またはその他などの針(またはその他)により穿刺可能である適当な材料で製作されるとよい。いくつかの実施形態では、流体導管(および/またはその他)が隔壁526を穿刺し続いて隔壁526から引き抜かれた後に自己密封が可能である自己密封材料で、隔壁526が製作されるとよい。
【0150】
いくつかの実施形態では、容器に隔壁が設けられるとよい。隔壁は、隔壁526に類似したものでよい。隔壁は、流体導管524の先鋭端部(例えば524b)により穿刺可能であるとよい。このような実施形態では、第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550に接続される際に先鋭端部が隔壁を穿刺するように、先鋭端部が表面を向いているとよい。
【0151】
注射部位区分503は、第2ハウジング部分550に延在する流路540を含むとよい。流路540は、第2ハウジング部分550の底面(つまり利用患者の皮膚と接触するための表面)に開口端部540aを有するとよい。流路540は、注射部位区分503の上面(つまり利用患者の皮膚と接触する表面と反対の表面)に別の開口端部540bを有するとよい。流路540は、例えば開口部524bを介して流体導管524が流路540との流体連通状態になるようにするための開口部540cを有するとよい。
【0152】
各々の内容全体が参照により本願に援用される、特許文献84、特許文献7、および特許文献1に記載されているものなど、挿入構造、針、および/またはカニューレを収容するのに適当な形状およびサイズを有する流路区分542を流路540が含むとよい。
【0153】
様々な挿入具の他の例は、特許文献9に記載されており、その内容全体が参照により本願に援用される。針および/またはカニューレを挿入するのに使用される(または使用のため変形される)針/カニューレ挿入具の他の例は、例えば、特許文献10、および/または特許文献11に記載されており、その両方の内容全体が参照により本願に援用される。
【0154】
様々な挿入具の別の例は、限定的ではないが、特許文献1、特許文献28、特許文献29、「挿入セットのための挿入装置およびその使用方法」という名称の特許文献86に記載されており、これらすべての内容全体が参照により本願に援用される。
【0155】
第1ハウジング部分530は、上述したタンクシステム40(例えば図1〜6C)またはその他と類似しているかこれを含むタンクハウジング508を支持するとよい。第1ハウジング部分530のタンクハウジング508は、いくつかの実施形態において、タンクハウジング508のポート部分であるとよい接続部分531を含むとよい。タンクハウジング508の接続部分531は、第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530とが一緒に接続された時に第2ハウジング部分550の収容部構造510の開口部512に少なくとも部分的に嵌着するのに適当な形状およびサイズを有するとよい。
【0156】
図20A,21A,22Aの図面では、第2ハウジング部分550および第1ハウジング部分530が部分的に分離した分断関係で示されており、タンクハウジング508の接続部分531は収容部構造510の開口部512の外側にある。第1ハウジング部分530を第2ハウジング部分550に対して第1方向Aに移動または摺動させて第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とを接合することにより、図21Bに示されているように、タンクハウジング508の接続部分531が第2ハウジング部分の収容部構造510の開口部512へ挿入可能である。第2ハウジング部分550および第1ハウジング部分530の連続的な相対移動は、図21Cに示されているように流体導管524をタンクハウジング508へ延出させる。いくつかの実施形態では、第2ハウジング部分550および第1ハウジング部分530の連続的な相対移動は、流体導管524の先鋭端部(例えば524b)に収容部構造510および/またはタンクハウジング508の一つ以上の隔壁を通過させる。
【0157】
図20〜24に戻ると、こうして、第1ハウジング部分530が位置Pまで移動するように第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530とが接合される(例えば図20C,21C,22C)と、流体導管524がタンクハウジング508の内部空間に延出した状態で接続部分531の少なくとも一部分が収容部構造510の内側に延出するとよい。こうして流体導管524は、タンクハウジング508の内部空間と注射部位区分503または流体導管524の開口部524bにある他の構造との間に流体流路を形成するとよい。付加的または代替的に、二つの構成要素を接合するように、第2ハウジング部分550が第1ハウジング部分530に対して第1方向Aに摺動可能であるとよい。
【0158】
収容部構造510および接続部分531は、第2ハウジング部分550および第1ハウジング部分530が接続される際に例えばスナップまたは摩擦接続を行う係合コネクタを備えるとよい。いくつかの実施形態では、収容部構造510および接続部分531の一方または他方の突起部(不図示)を係合コネクタが含むとよい。接続部分531が収容部構造510へ適当な距離だけ延出する際にスナップ嵌め式に相互嵌合するように配設された溝部またはくぼみ(不図示)を、収容部構造510および接続部分531の他方が含むとよい。
【0159】
様々な実施形態において、第2ハウジング部分550および第1ハウジング部分530は相互に装着可能かつ取外し可能であって、特定の実施形態では相互に動作嵌合および解離するように相対的に摺動可能である構成を持つとよい。すなわち、二つの構成要素を接続する(例えば第1ハウジング部分530が位置Pにある)ように、第1ハウジング部分530は第2ハウジング部分550に対して第1方向Aに摺動可能であるとよい。同様に、二つの構成要素を分断するように、第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550に対して第1方向Aと反対の第2方向に摺動可能であってもよい。
【0160】
別の実施形態では、第1方向Aにおける第1ハウジング部分530の摺動により、第1ハウジング部分530のタンクハウジング508を第2ハウジング部分550の流体導管524と動作嵌合させるとよい。ゆえにいくつかの実施形態では、第1ハウジング部分530を第2ハウジング部分550に接続するための例えば第1方向Aの摺動動作は、第1ハウジング部分530のタンクハウジング508を第2ハウジング部分550の流体導管524に接続するための摺動動作と同じでよい。こうしていくつかの実施形態では、単一の動作で、第1ハウジング部分530および第2ハウジング部分550が接続されるとともに、流体導管524およびタンクハウジング508が接続されるとよい。このような実施形態は、流体導管524によるタンクハウジング508の嵌合を簡易化する。
【0161】
図20A〜24を参照すると、いくつかの実施形態において第2ハウジング部分550は、摺動動作での第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550との接続(または取外し)を簡易化するために使用されるとよい少なくとも一つのアーム554、レール、または他の隆起表面を含むとよい。別の実施形態では、アーム554に固着されるか、さもなければアーム554から片持ち梁式に延出する凸状部555をアーム554が含むとよい。さらに説明するように、第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530とを接続する際にこれら二つの構成要素を整合させるのに、アーム554および凸状部555が使用されるとよい。さらに、第1ハウジング部分530を第2ハウジング部分550にロックして、例えば第1方向Aと交差する軸方向における第2ハウジング部分550からの第1ハウジング部分530の分離を阻止するのに、アーム554および凸状部555が使用されてもよい。ゆえに、アーム554および凸状部555は、第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550から落下するか引き抜かれることを防止するとよい。
【0162】
第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550との間の接続を簡易化する少なくとも一つの溝部、切欠き、凹所、間隔、小孔、および/またはその他を第1ハウジング部分530が含むとよい。例えば、第2ハウジング部分550に配置された凸状部(例えば凸状部555)または他の延出部材を収容するための内側凹所534を、第1ハウジング部分530が含むとよい。
【0163】
いくつかの実施形態では、第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530とを一緒に接続するため、図20A,21A,22Aに示されているように第1ハウジング部分530の凸状部534が第2ハウジング部分550の凹所558に載置されるとよい。凸状部534が凹所558に位置決めされ易くなるように、凹所558は例えば凸状部534のサイズを越える大きめサイズであるとよい。凸状部534は、第1ハウジング部分530のアーム532に固着されるか、あるいはこれから延出するとよい。
【0164】
凸状部534およびアーム534が凹所538にある状態で、第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550に対して第1方向Aに摺動されるとよい。こうすることにより、第2ハウジング部分550のアーム554にある凸状部555が、第1ハウジング部分530の内側凹所534へ摺入されるとよい。第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530との連続的な相対移動は、図20B,21B,22Bに示されているように、第1ハウジング部分530の内側凹所534および隣接の凸状部534に沿って凸状部555を摺動させるとよい。こうして、第1ハウジング部分530に支持されているタンクが第2ハウジング部分550の流体導管524へ摺動するか他の形で移動して、図20C、21C,22Cに示されているように流体導管524をタンクハウジング508の内部空間と嵌合させるとよい。
【0165】
ゆえに、いくつかの実施形態では、一回の動作で、第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530とが動作嵌合するとともにタンクハウジング508と流体導管524とが動作嵌合するとよい。言い換えると、第1ハウジング部分530を第2ハウジング部分550に嵌合させる動作(例えば第1方向Aでの摺動)が、流体導管524をタンクに嵌合させるための動作と同じ動作であるとよい。別の実施形態では、第2ハウジング部分550の凸状部555と第1ハウジング部分530の凸状部533との嵌合が、第1方向Aと交差する軸方向における第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530との分離を阻止するとよい。
【0166】
付加的または代替的に、前述のように第1ハウジング部分530のアームおよび/または凸状部を収容するための凸状部および/または凹所を有するアームが、第2ハウジング部分550に設けられるとよい。こうして、第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とが例えば第1方向Aにおいて相対的に摺動する時に、第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とが上述した方法で動作嵌合するとよい。
【0167】
別の実施形態では、例えば流体導管524がタンクハウジング508の内部空間と充分に嵌合した(例えば第1ハウジング部分が位置Pまで移動した)後で第2ハウジング部分550に対する第1ハウジング部分530のさらなる移動を防止する停止面556を、第2ハウジング部分550が備えるとよい。例を挙げると、第1ハウジング部分530が充分に前進した後で第1ハウジング部分530の一部分が停止面556と接触して、第1ハウジング部分530のさらなる前進を実質的に防止するとよい。このような実施形態では、第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530との接続の際の過剰な力、速度、および/またはその他によるダメージから、タンクハウジング508および/または流体導管524を付加的に保護することが可能である。他の実施形態では、第2ハウジング部分550の停止面556に加えて、またはこれに代わって、第1ハウジング部分530に停止面が設けられるとよい。
【0168】
いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分530のアーム532および/または他の部分が、接続プロセス中に第1ハウジング部分530を把持する際に利用患者を助ける切欠き、凹所、または表面(不図示)を含むとよい。いくつかの実施形態では、第2ハウジング部分550の一部分が、接続プロセス中に第2ハウジング部分550を把持する際に利用患者を助ける切欠き、凹所、または表面(不図示)を含むとよい。
【0169】
図25A〜26Bを参照すると、いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とを接続するためにダブテール接続構造(不図示)が設けられるとよい。例えば、第1ハウジング部分530および第2ハウジング部分550の一方が、第1ハウジング部分530および第2ハウジング部分550の他方の突出面またはダブテール542を収容するための溝部562を有するとよい。ダブテール542の一部分が溝部562に載置されるか、溝部562へ摺動される。溝部562に沿ってダブテール542を第1方向に(例えば摺動で)さらに移動させて、第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とを上述の方法で接続するとよい。いくつかの実施形態では、溝部562へのダブテール542の載置を容易にするため、溝部562および/またはダブテール542がテーパ状であるとよい。
【0170】
いくつかの実施形態では、ダブテール542が溝部562に沿って第1方向Aに前進する際に例えば摩擦嵌めでダブテール542を溝部562に固定するように、溝部562またはダブテール542がテーパ状であるとよい。例えば、図25Aおよび25Bに示されているように、溝部564の幅寸法は、第2ハウジング部分550の前端部552の反対側で最も大きく第1方向Aの方向に幅寸法が狭くなるように、テーパ状であるとよい。したがって、このような実施形態では、溝部564へのダブテール542の載置を簡易化して、溝部564を画定する表面によりダブテール542が案内される際に第1ハウジング部分530を整合させる、および/または溝部564を画定する表面にダブテール542を摩擦嵌め式に固定することができる。付加的または代替的に、上述のように第1ハウジング部分530に溝部564が設けられるとよく、第2ハウジング部分550にはダブテール542が設けられるとよい。
【0171】
図26Aおよび26Bに示された別の例では、ダブテール544の前端部がダブテール544の後方部分よりも狭くなるように、ダブテール544がテーパ状であるとよい。したがってこのような実施形態は、溝部562へのダブテールの544の載置を簡易化して、溝部562を画定する表面によりダブテール544が案内される際に第1ハウジング部分530を整合するおよび/または溝部562を画定する表面にダブテール544を摩擦嵌め式に固定することを可能にする。付加的または代替的に、上述した方法で、第1ハウジング部分530に溝部562が設けられるとよく、第2ハウジング部分550にはダブテール544が設けられるとよい。
【0172】
図20A〜24に戻ると、いくつかの実施形態において、アーム554および/または凸状部555が第2ハウジング部分550に対して傾斜していて、第1ハウジング部分530を第2ハウジング部分550に接続する際にさらなる整合を行うとよい。例えば、アーム554および/または凸状部555が(第2ハウジング部分550の前端部552に対して)外向きに傾斜していて、第1ハウジング部分530のアーム532、凸状部534、および/または内側凹所533との嵌合を簡易化するとよい。こうして、第1ハウジング部分530のアーム532は凹所558に載置されて第1方向Aに前進され、凸状部534および/または内側凹所533を傾斜アーム554および/または凸状部555と当接させるだけでよく、ここで第1ハウジング部分530を移動させ続けると、傾斜アーム554および/または凸状部555が第1ハウジング部分530のアーム532を案内する。このような実施形態では、アーム532、凸状部534、および/または第1ハウジング部分530全体は、第1ハウジング部分530の一部分が傾斜アーム554および/または凸状部555に沿って移動する際にいくらか撓曲するように、プラスチック、複合材料、および/またはその他など、充分な可撓性を持つ材料で製作されるとよい。
【0173】
図23および24に示された実施形態など、いくつかの実施形態では、第2ハウジング部分550に沿って第1ハウジング部分530を案内するように、一つ以上のレール559、隆起部、または他の隆起表面が第2ハウジング部分550に設けられるとよい。レール559は、相互に平行であっても非平行であってもよい。レール559は、第1ハウジング部分530が摺動する開口部557を画定するとよい。いくつかの実施形態では、第2ハウジング部分550の(一部分または全体の)周縁部にレール559があるとよく、いくつかの実施形態では、例えば図27A〜27Cで説明されているもののように、第2ハウジング部分550(および/または第1ハウジング部分530)の上の(例えば周縁部の内側または周縁部から離間した)適当な箇所に、レール559が配設されるとよい。
【0174】
別の実施形態では、第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530との整合および/または接続を簡易化するように、レール559が配設されるとよい。例えば、図27A〜27Cなどに示されているように、対向レール559は、相互に非平行となるように第2ハウジング部分550に配設されるとよい。第1ハウジング部分530が開口部557に位置決めされ易くなるように第1ハウジング部分530の幅寸法よりも大きい(または少なくとも第1ハウジング部分530の前方部分の幅寸法よりも大きい)幅寸法を有する大きめサイズの開口部557を設けるように、レール559が(第2ハウジング部分550の前端部552に向かって)内側に傾斜しているとよい。こうして、第2ハウジング部分550の前端部552に向かって第1方向Aに、第1ハウジング部分530が前進されるとよい。第1ハウジング部分530が前端部552に向かって前進されるが若干の不整合が見られる場合には、第1ハウジング部分530の一部分がレール559の少なくとも一つと接触(例えば図27B)し、この時、第1ハウジング部分530を第1方向Aに連続的に移動させると、接触したレール559が第1ハウジング部分530を整合位置へ案内するとよい。
【0175】
他の実施形態において、レール559は相互に平行であって、他のレール559の表面559aに対して非平行である表面559aを、レール559の各々が有するとよい。図28A〜28Cに示されているように、レール559の各々の表面559aは相互に対向しているとよい。こうして、第1ハウジング部分530は、第2ハウジング部分550の前端部552に向かって第1方向Aに前進されるとよい。第1ハウジング530が前端部552に向かって前進されるが若干不整合である場合には、第1ハウジング部分530の一部分がレール559の表面559aの少なくとも一方と接触して(例えば図28B)、この時、第1ハウジング部分530を第1方向Aに継続的に移動させると、接触した表面559aが第1ハウジング部分530を整合位置へ案内するとよい。
【0176】
ゆえに、一つ以上のレール559を含む様々な実施形態では、(例えば、第1ハウジング部分530が第1方向Aに移動する際など)摺動動作の開始時に若干の横方向不整合が見られる。このような実施形態ではさらに、第1方向Aに摺動動作が続く際に第1ハウジング部分530を第2ハウジング部分550との正しい整合状態へ押入または案内することができる。
【0177】
図27A〜27Cおよび28A〜28Cを参照すると、別の実施形態において、第1ハウジング部分530がレール559により整合位置に載置されると、図20A〜26Bに関して前述したように、第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とが相互に嵌合するとよい。例えば、第1ハウジング部分530が第1方向Aに摺動する際に、第2ハウジング部分550のアーム554および凸状部555が第1ハウジング部分530のアーム532と嵌合するとよい。別の例を挙げると、第1ハウジング部分530のダブテール(例えば542)は、第2ハウジング部分550の溝部(例えば562)を画定する表面と嵌合するとよい。
【0178】
図23を参照すると、いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分530の凸状部または突起部(不図示)を収容するための凹状部566を、第2ハウジング部分550が有するとよい。凸状部は、可撓性であるか、第1ハウジング部分530の可撓性部分に支持されるとよい。図23では、第2ハウジング部分550の後方部分に凹状部566が設けられているが、他の実施形態では、適当ないずれかの箇所に凹状部566が設けられればよい。上述したような第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550との摺動接続の間、凸状部は凹状部566によって収容されて、凹状部566を画定する表面により案内されるとよい。
【0179】
突起部567は、第1ハウジング部分530が第1方向Aに移動(例えば摺動)する際に凸状部を内向き(または外向き)に案内するか撓曲させるように、第2ハウジング部分550に配設されるとよい。すなわち、第1方向Aと交差する方向に凸状部を案内するか撓曲させるように突起部567が配設されるとよいのである。第1ハウジング530が突起部567を越えて第1方向Aに移動を続けると、第2ハウジング部分550の空洞568または空洞568を画定する当接部へ、凸状部を外向き(または内向き)に撓曲させる。
【0180】
第1ハウジング部分および第2ハウジング部分550の寸法と、凹状部566、空洞568および凸状部の構成とは、第1ハウジング部分530が位置Pまで移動すると凸状部が空洞568へ入るように選択されるとよい。上記のように、第1ハウジング部分530を位置Pまで移動させると、例えば、流体導管524をタンクハウジング508の内部空間と嵌合させる(つまりこれとの流体連通状態に置く)。
【0181】
利用患者が凸状部を内向き(または外向き)に押して凸状部を動かし凸状部に突起部567を越えさせるまで、凸状部は空洞568に残るとよい。こうして、第1ハウジング部分530が第1方向Aと反対の第2方向に移動して、例えば第1ハウジング部分530および第2ハウジング部分550を解離させるとよい。付加的または代替的に、上述したように凸状部を保持するための突起部および空洞とともに、第2ハウジング部分550の凸状部を摺動式に収容するための凹状部を第1ハウジング部分530が有するとよい。いくつかの実施形態において、凸状部および凹状部566は、例えば図25A〜26Bに関して説明されるようなダブテール(例えば542)および溝部(たとえば562)であるとよい。
【0182】
図20A〜28Cを参照すると、別の実施形態において、第2ハウジング部分550および第1ハウジング部分530の一方または両方に少なくとも一つの磁石(不図示)が設けられるとともに、第2ハウジング部分550および第1ハウジング部分530の他方には、限定的ではないが金属、反対極の磁石、またはその他などの磁気吸引材料(不図示)が設けられるとよい。磁石および磁気吸引材料の各々は、第2ハウジング部分550および第1ハウジング部分530が正しく接続されるか、あるいは規定の充分な整合位置および/または規定の充分な近接状態に置かれる際に相互作用を行う箇所に配設されるとよい。規定の整合位置および/または近接状態は、例えば、動作のため第1ハウジング部分530および第2ハウジング部分550を接続するための適切な整合・相互近接位置に相当するとよい。
【0183】
第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550に対して位置Pまで移動する際に相互作用を行うため、磁石および磁気吸引材料が一つ以上の箇所に設けられるとよい。例を挙げると、第1ハウジング部分530が位置Pまで移動する場合には、ハウジング部分の一方の磁石がハウジング部分の他方の磁石(または吸引材料)と相互作用を行って、例えばハウジング部分を接続するおよび/または整合させるとよい。磁気接続・整合構造および他の整合・接続構造の例は後で説明され、また、限定的ではないが、「特許文献30にも記載されており、その内容全体が参照により本願に援用される。
【0184】
図29Aおよび29Bに示された実施形態など、いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とが接続されるが不整合状態である場合に第1ハウジング部分530および第2ハウジング部分550を例えば横方向に整合させるように構成された磁石を、第1ハウジング部分530および第2ハウジング部分550が含むとよい。例を挙げると、第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とが不整合状態である場合に相互に対向するように磁石が構成されるとよい。例えば、同じような極方向を持つ表面を磁石の各々が有するとよい。例を挙げると、第1ハウジング部分に支持されている磁石582(図29Aおよび29Bでは不図示)は、第2ハウジング部分550に支持されている一つ以上の磁石572と対向しているとよい。例えば、磁石582は第1極性(例えばN極)の表面を有して、一つ以上の磁石572の各々は磁石582の第1極性と似た極性(例えばN極)の表面を有するとよい。
【0185】
いくつかの実施形態において、一つ以上の磁石572は第1磁石574aと第2磁石574bとを包含するとよい。第1磁石574aと第2磁石574bとの間には、間隙573が設けられるとよい。このような実施形態では、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分550は、例えば前述したように摺動式に接続されるとよい。第1ハウジング部分582が第1方向Aに移動する際に、磁石582が一つ以上の磁石572に沿って案内されるとよい。例えば、間隙573において第1磁石574aと第2磁石574bとの間で磁石582が移動するとよい。このような実施形態では、第1ハウジング部分と磁石582との横方向不整合が、対向する一つ以上の磁石572によって阻止されるとよい。
【0186】
図30Aおよび30Bに示されているような別の実施形態では、第2ハウジング部分550に支持されている一つ以上の磁石572は、第1ハウジング部分に支持されている磁石582(図30Aおよび30Bでは不図示)に吸引される第3磁石576を含むとよい。例えば、第3磁石は、磁石583の第1極性と反対の第2極性(例えばS極)を有するとよい。いくつかの実施形態では、金属、鉄導管、またはその他などの磁気吸引材料(磁石ではなく)を一つ以上の磁石572が含むとよい。
【0187】
様々な実施形態では、前述したように摺動式に第1ハウジング部分530および第2ハウジング部分550が接続されるとよい。第1ハウジング部分が第1方向Aに移動する際に、磁石582(および/または磁気吸引材料)が一つ以上の磁石572に沿って案内されるとよい。例えば、第3磁石576の上において第1磁石574aと第2磁石574bとの間で磁石582が移動するとよい。このような実施形態では、対向する一つ以上の磁石572により、および/または磁石582と第3磁石576(および/または磁気吸引材料)との間の吸引により、第1ハウジング部分と磁石582との横方向不整合が阻止されるとよい。
【0188】
図29A〜30Bを参照すると、いくつかの実施形態において、例えば図25A〜28cに記載されたレール559およびダブテール構造に関して説明された方法で、磁石(例えば582,572)が配設されるとよい。例を挙げると、図29A〜30Bに戻って、第1磁石574aおよび第2磁石574bは、27A〜28Cで説明されているように相互に非平行に配設されるとよい。別の例であるが、例えば図25A〜26Bに説明されているように間隙573が第1方向Aに狭くなるように、第1磁石574aおよび第2磁石574bが配設されるとよい。
【0189】
図20A〜30Bを参照すると、いくつかの実施形態では、第2ハウジング部分550および第1ハウジング部分530の一方に少なくとも一つのラッチ(不図示)またはその他が設けられるとよい。第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530とが動作嵌合する(例えば第1ハウジング部分530が位置Pまで移動する)時に、第2ハウジング部分550および第1ハウジング部分530の他方にある小孔(不図示)、嵌合部材、および/またはその他と嵌合するように、ラッチが構成されるとよい。
【0190】
別の実施形態では、小孔(またはその他)と手で嵌合および/または解離させるようにラッチが構成されるとよい。例を挙げると、第1ハウジング部分530を第2ハウジング部分550に対して嵌合および/または解離させるように押入可能な(例えばハウジング部分に対して内向きに押圧される)構成をラッチが持つとよい。例を挙げると、(例えば内側への)ラッチの押入動作がラッチの各々を対応の小孔(またはその他)から解除して第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550から取り外されるように、第1ハウジング部分530の各側にラッチが設けられるとよい。
【0191】
また別の実施形態では、第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とが正しく接続されていない場合に第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とを離間させるようにラッチが構成されるとよい。例えば、位置Pに達するのに充分なほど第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550に対して摺動していない場合には、ラッチが第1ハウジング部分530を反対方向に押圧して利用患者が接続プロセスを繰り返すことができるとよい。このような実施形態では、ばね、弾性材料、および/またはその他などの付勢部材(不図示)が、ラッチに設けられるとよい。付勢部材は、第1ハウジング部分530を第1方向Aと反対の方向に付勢するとよい。こうして、第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550に対して第1方向Aに充分に移動する(例えば位置P)場合には、ラッチが小孔(またはその他)と嵌合するとよい。第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550に対して第1方向Aに充分に移動していない場合には、付勢部材が第1ハウジング部分530を第1方向Aと反対の方向に付勢して、利用患者が接続プロセスを反復できるようにするとよい。
【0192】
いくつかの実施形態では、ラッチおよび/またはラッチの相対位置、例えばラッチまたはラッチに設けられたものの検出可能な特徴を検知するために、センサ(不図示)が設けられるとよい。こうして、センサはラッチが小孔(またはその他)と正しく嵌合したかどうかを判断して、第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530とが正しく接続された(例えば第1ハウジング部分530が位置Pにある)と判断することができる。センサ、検出可能特徴、およびその他の例は、限定的ではないが、「整合システムおよび方法」の名称で2009年12月30日に出願された特許文献87に記載されており、その内容全体が参照により本願に援用される。
【0193】
開示全体にわたって説明されるように一つ以上のセンサおよび/または他の構成要素を選択的に起動させるか他の方法で制御するため被制御電力信号を提供するように、適当な電子機器がセンサに接続されるとよい。例えば、接続可能な構成要素の一つまたは適当な制御電子機器を通してセンサと無線通信接続された遠隔制御装置(不図示)にある制御ボタン、スイッチ、または他の手動操作部の一つを手で起動させた際に起動するように、センサが制御されるとよい。別の例としては、ボタンの起動および/またはその他などの所定の動作の後で、または一定時間量の後で自動的に起動するようにセンサが制御されてもよい。いくつかの実施形態では、限定的ではないが、針またはカニューレを挿入する針挿入器など特定の構成要素または装置の起動または挿入の際に起動するように、センサが制御されてもよい。
【0194】
様々な針挿入具の例は、限定的ではないが、特許文献28、特許文献71、特許文献29に記載されており、これらすべての内容全体が参照により本願に援用される。ゆえにこのような例では、例えば第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とが動作嵌合状態となる前または後に、センサが起動されるとよい。
【0195】
医療機器システム900が二つの部品つまり第1ハウジング部分901および第2ハウジング部分902を包含する図31A〜33Bを参照して、接続および/または整合構造の別の例が説明される。他の実施形態は、三つ以上の部品を備える医療機器システムを含んでもよい。
【0196】
医療機器システム900は、医療機器システム500(例えば図20A〜30B)および/または開示全体にわたって記載される他の医療機器システム(例えば図1〜19)の実施形態と類似しているか、このような実施形態として採用されるとよい。医療機器システム900は図20A〜30Bの実施形態に類似しているか、これらの実施形態とともに使用される特徴を含むとよいが、医療機器システム900が、図1〜19および34A〜36の実施形態に図示および説明されたものと同じ特徴のいくつかまたはすべてを含み、これと同じように機能してもよいことが理解されるべきである。加えて、図1〜30Bおよび34A〜36に示された特徴のいくつかまたはすべてが様々な方法で組み合わされて図31A〜33Bに示された実施形態に含まれてもよい。同様に、図31A〜33Bの実施形態の特徴のいずれかが図31A〜33Bの他の実施形態のいずれか、さらにここに記載される他の実施形態と組み合わされるか他の形でこれに包含されてもよいことが理解されるべきである。
【0197】
様々な実施形態において、第1ハウジング部分901は、限定的ではないが、耐久性ハウジング部分30(例えば図1〜19)および廃棄用部分20(例えば図1〜19)など、説明したハウジング部分のいずれかであるとよい。特定の実施形態では、第1ハウジング部分901が第1ハウジング部分530(図20A〜30B)に類似しているとよい。
【0198】
他にも様々な実施形態において、第2ハウジング部分902は、限定的ではないが、ベース部分21(または図1〜19の21',450,456など)、耐久性ハウジング部分30、および廃棄用ハウジング部分など、上述したハウジング部分のいずれかであるとよい。特定の実施形態において、第2ハウジング部分902は第2ハウジング部分550(例えば図20A〜30B)と類似しているとよい。このような実施形態では、例えば、医療機器システム900の動作中に、第2ハウジング部分902が利用患者の皮膚に固定されるか、あるいは利用患者に携行される(例えばベルト、衣類、またはその他に固定される)とよい。
【0199】
第1ハウジング部分901は、第1主電気接点912と第2主電気接点916とを含む複数の電気接点910を含むとよい。複数の電気接点910は、一つ以上の副電気接点914も含むとよい。電気接点910は、金属、ゴム導電性パッド、さらに他の電気伝導体など、適当な材料で製作されるとよい。
【0200】
いくつかの実施形態において、副電気接点914は第1主電気接点912と第2主電気接点916との間に配設されるとよい。しかし、副電気接点914が適当ないかなる箇所に配設されてもよい。副電気接点914は、第1主電気接点912および/または第2主電気接点914と同じ材料で製作されるとよい。他の実施形態では、第1主電気接点912および/または第2主電気接点914と異なる材料(例えば、異なる導電性材料または非導電性材料)で副電気接点914が製作されるとよい。
【0201】
第2ハウジング部分902は、第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902とを接続する際に電気接点910の少なくともいくつかとの短絡または電気接続を確立するように構成された短絡機構920またはその他を含むとよい。いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902とが正しく接続されるか、あるいは規定の充分な整合位置および/または規定の充分な近接状態に置かれた場合に、電気接点910の少なくともいくつかとの電気接続を短絡機構920が確立するとよい。規定の整合位置および/または近接状態は、例えば、動作のための第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902との接続のために正しく接合された相互近接位置に相当するとよい。他の実施形態では、短絡機構920は既知抵抗またはその他でよい。
【0202】
短絡機構920は、第1ハウジング部分901にある該当の電気接点910と接触するための第1端部922および第2端部924を有するとよい。いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分910と第2ハウジング部分902とが例えば図31Bに示されているように正しく接続された時に該当の第1主電気接点912および第2主電気接点916と接触するように、第1端部922と第2端部924とが構成されるとよい。こうして、短絡機構920は第1主電気接点912および第2主電気接点916と接触するが副電気接点914とは接触しないとよい。電気接点910に接続された適当な回路網(不図示)は、第1ハウジング部分910と第2ハウジング部902との正しい接続を示す第1主電気接点912と第2主電気接点916との間の(短絡機構920を介した)電気接続または短絡を検出するように構成されるとよい。
【0203】
さらに、電気接点910および/または短絡機構920は、第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902とが図31Cなどのように正しく接続されていない場合には第1主電気接点912と第2主電気接点916との間の電気接続が確立されないように、該当の部品に配設されるとよい。したがって、第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902とが正しく接続されていないことを、こうして示すとよい。
【0204】
図31A〜31Cに戻ると、第1主電気接点912と第2主電気接点916との間に少なくとも一つの副電気接点914が配設されるいくつかの実施形態は、第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902との正しい接続についての誤検出を防止するとよい。例えば、第1主電気接点912と第2主電気接点916のみが(短絡機構により)接触している正しい接続とは異なる、散在する金属物体(例えば金属性のキー、紙クリップ、硬貨)または他の電気伝導体が第1主電気接点912、第2主電気接点916、および副接点914と接触している場合を、回路網が識別可能であるとよい。
【0205】
いくつかの実施形態では、第1端部922が第1主電気接点912と接触して第2端部924が第2主電気接点916と接触する時にのみ電気接続が確立されるだろう。他の実施形態では、第1端部922および第2端部924が該当の第1主電気接点912および第2主電気接点916と接触している場合、または第1端部922および第2端部924が該当の第2主電気接点916および第1主電気接点912と接触している場合に、電気接続が確立されるとよい。このような実施形態は、二つ以上の配向における第1ハウジング部分901および第2ハウジング部分902の正しい接続の検出を可能にする。
【0206】
図31A〜31Cに示された実施形態では、三つの電気接点、つまり第1主電気接点912と、第2主電気接点916と、第1主電気接点912および第2主電気接点916の間に配設された副電気接点914とが設けられている。しかし、他の様々な実施形態では、必要に応じて適当な数の電気接点910が、第1ハウジング部分901に設けられてもよい。いくつかの実施形態では、主電気接点(例えば912,916)が最も外側の電気接点として配設される。しかし他の実施形態では、主電気接点は副電気接点914に対してどこに配設されてもよい。
【0207】
同様に、副電気接点は主電気接点の間での配設に限定される必要はなく、いくつかの実施形態では最も外側の電気接点となるように配設されてもよい。こうして、電気接点910(例えば主電気接点および副電気接点)は、適当な方法、例えば線形/非線形、等間隔/非等間隔、類似/可変の高さで第1ハウジング部分901に配設または他の形で設けられ、類似/可変の表面に、同じ/異なる抵抗、同じ/異なる材料で、および/またはその他の形で配設されるとよい。例を挙げると、図32に示されているように、2個の第1主電気接点912、第1副電気接点914、第2主電気接点916、第2副電気接点914、および2個の第3主電気接点918を含む7個の電気接点910が設けられ得る。
【0208】
図31A〜31Cに示された実施形態では、該当の第1主電気接点912および第2主電気接点916と接触するための二つの端部922,924を短絡機構920が有する。しかし、他の様々な実施形態では、必要に応じて電気接点910と接触するための適当な数の端部または接触面が短絡機構920に設けられるとよい。同様に、端部(例えば922,924)は何らかの適当な方法で短絡機構920に配設されるとよい。
【0209】
様々な実施形態では、電気接点910が第1ハウジング部分901に設けられるとよく、短絡機構920が第2ハウジング部分902に設けられるとよい。他の実施形態では、電気接点910が第2ハウジング部分902に設けられるとよく、短絡機構920が第1ハウジング部分901に設けられるとよい。別の実施形態では、第1ハウジング部分901および第2ハウジング部分902の各々が、短絡機構920および相補的な電気接点910を備えるとよい。
【0210】
図33Aおよび33Bに示されている実施形態など、いくつかの実施形態では、電気接点910を個別に、部分的に(例えばいくつかであってすべてではない)、またはまとめて第1位置(例えば図33Aに示されているような延出位置)へ付勢するために、ばねまたはその他などの付勢部材919が設けられるとよい。こうして、例えば第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902とが接合されると、電気接点910が第2位置(例えば図33Bに示されているような後退位置)へ移動可能であるとよい。こうして第2位置では、前述したのと同じようにして短絡機構920を介して第1主電気接点912と第2主電気接点916との間に電気接続が確立されるとよい。付勢部材919は、第1ハウジング部分901の凹状部に少なくとも部分的に配置されるとよい。いくつかの実施形態では、例えば電気接点910と第1ハウジング部分901との間で第1ハウジング部分901に付勢部材919が支持されるとよい。
【0211】
上記に加えて、または代わって、いくつかの実施形態では、短絡機構またはその一部分(例えば端部922,924)を第1位置(例えば延出位置)へ付勢するため、ばねまたはその他などの付勢部材が設けられるとよい。こうして、例えば第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902とが接合された際には、短絡機構またはその一部分が第2位置(例えば後退位置)へ移動可能であるとよい。ゆえに、第2位置にある間には、前述したのと同じようにして、短絡機構920を介して第1主電気接点912と第2主電気接点916との間に電気接続が確立されるとよい。
【0212】
様々な実施形態では、電気接点910および/または短絡機構920は、前述したもののような付勢部材であるか、あるいはこれを包含するとよい。例えば、電気接点920は、第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902とが接合される際に第1位置から第2位置へ移動可能であるとよい金属ばねまたはその他であるとよい。
【0213】
医療機器システム1100が二つの部品つまり第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102とを包含するとよい図34A〜36を参照して、接続および/または整合構造の別の例が説明される。他の実施形態は、三つ以上の部品を備える医療機器システムを含んでもよい。
【0214】
医療機器システム1100は、医療機器システム500(例えば図20A〜30B)および/または開示に記載される他の医療機器システム(例えば図1〜19)の実施形態に類似しているか、このような実施形態として採用されるとよい。医療機器システム1100は図20A〜30Bの実施形態に類似しているかこれとともに使用される特徴を含むとよいが、医療機器システム1100が、図1〜19および31A〜33Bの実施形態に図示および説明されたのと同じ特徴のいくつかまたはすべても含んでこれらと同じように機能するとよいことが理解されるべきである。加えて、図1〜33Bに示された特徴のいくつかまたはすべてが様々な形で組み合わされて、図34A〜36に示された実施形態に含まれてもよい。同様に、図34A〜36の実施形態の特徴のいずれかが、図34A〜36の他の実施形態のいずれか並びに本願に記載の実施形態のいずれかと組み合わされるか、あるいはこれに包含されてもよいことが理解されるべきである。
【0215】
様々な実施形態において、第1ハウジング部分1101は、耐久性ハウジング部分30(例えば図1〜19)および廃棄用部分20(例えば図1〜19)など、記載のハウジング部分のいずれかであるが、これらに限定されるわけではない。特定の実施形態において、第1ハウジング部部分1101は、第1ハウジング部分530(例えば図20A〜30B)に類似しているとよい。
【0216】
さらに様々な実施形態において、第2ハウジング部分1102は、ベース部分21(または図1〜19の21',450,456)、耐久性ハウジング部分30、および廃棄用ハウジング部分など、説明されたハウジング部分のいずれかでよいが、これらに限定されるわけではない。特定の実施形態では、第2ハウジング部分1102が第2ハウジング部分550(例えば図20A〜30B)に類似しているとよい。このような実施形態では、医療機器システム1100の動作中に、第2ハウジング部分1102が利用患者の皮膚に固定されるとよい。
【0217】
第1ハウジング部分1101は、磁場を検知するため、また特定の実施形態では少なくとも磁場の方向(つまりベクトル)を検知するためのセンサ1110を含むとよい。このようなセンサ1110は、磁気強度と無関係に磁場または磁気源の存在を検出することが可能である。さらに、磁界の方向を検知すると、センサ1110が適切な磁気源を検知する可能性を高めることができる。センサ1110は、内容全体が参照により本願に援用される、特許文献87に記載されたものに類似しているが、これに限定されるわけではない。センサ1110は、第1ハウジング部分1101の上に配置されるか、第1ハウジング部分1101の中に設けられてもよい。
【0218】
一つ以上のセンサ1110および/または開示全体にわたって説明される他の構成要素を選択的に起動させるかあるいは制御する被制御電力信号を提供するように、適当な電子機器がセンサ1110に接続されるとよい。例えば、接続可能な構成要素の一つ、または適当な制御電子機器を通してセンサ1110との無線通信状態で接続された遠隔制御装置(不図示)にある制御ボタン、スイッチ、または他の手動操作部を手で操作する際に起動するように、センサ1110が制御されるとよい。別の例を挙げると、ボタンおよび/またはその他の起動などの所定の動作の後、または所定時間量の後に自動的に起動するように、センサ1110が制御されてもよい。いくつかの実施形態では、限定的ではないが針またはカニューレを挿入する針挿入器など、特定の構成要素または装置の操作または挿入の際に起動するように、センサ1110が制御されるとよい。
【0219】
様々な針挿入具の例は、限定的ではないが、特許文献27、特許文献28、特許文献7、特許文献29に記載されており、これらすべての内容全体が参照により本願に援用される。ゆえに、このような例では、例えば第1ハウジング部分1101および第2ハウジング部分1102が動作嵌合する前または後に、センサ1110が起動されるとよい。
【0220】
第2ハウジング部分1102は、方向を有する磁場を提供するための磁気源1120またはその他を含むとよい。第1ハウジング部分および第2ハウジング部分1102が正しく接続されるか規定の充分な整合位置および/または規定の充分な近接状態に置かれた場合に磁気源1120の磁場および/または磁場方向がセンサ1110により検出可能となるような箇所で、磁気源1120が第2ハウジング部分1102の上または中に配設されるとよい。規定の整合位置および/または近接状態は、例えば、動作目的の第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102との接続のため適切に整合された相互近接位置に相当するとよい。磁気源1120の磁場および/または磁場方向の検出は、第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102とが正しく接続されたことを示すとよい。
【0221】
いくつかの実施形態において、磁気源1120の磁場および/または磁場方向をセンサ1120が検出できるように、磁気源1120はセンサ1110との接触状態にあるとよい。他の実施形態において、磁気源1120の磁場および/または磁場方向をセンサ1110が検出できるようにするのに、磁気源1120がセンサ1110との接触状態にある必要はない。例えば、第1ハウジング部分1101および第2ハウジング部分1102の一方または両方の一部分が、センサ1110と磁気源1120との間に配設されるとよい。
【0222】
さらに、第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102とが正しく接続されていない場合には、例えばセンサ1110と磁気源1120とが離間し過ぎているためにセンサ1110が磁場および/または磁場方向を検出できないように、センサ1110と磁気源1120とが配設されるとよい。したがって、第1ハウジング1101と第2ハウジング部分1102とが正しく接続されていないことをこうして示すとよい。
【0223】
いくつかの実施形態では、磁気源1120が二つ以上の磁場および/または磁場方向を備えるとよい。例えば図34Aおよび34Bに示されているように、第1磁場1122と第2磁場1124と第3磁場1126とが設けられて、第1磁場1122と第3磁場1126とが第2磁場1124の方向と異なる方向を有する。このような例では、上述した方法で第2磁場1124および/または第2磁場1124の方向(例えばN極)のみを検出するようにセンサ1110が構成されるとよい。こうして、第2磁場1124および/または第2磁場1124の方向の検出が、第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102とが正しく接続されていることを示すとよい。
【0224】
別の実施形態では、第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102との誤った接続を他の磁場(例えば第1磁場1122と第2磁場1126)および/または他の磁場方向の検出が示すように、他の磁場および/または他の磁場方向を検出する構成をセンサ1110が持つとよい。様々な磁場に関する情報および/または他の関連情報(例えば磁場強度、ガウスレベル、および/またはその他)を処理するためのアルゴリズムを、電子機器が採用するとよい。
【0225】
図35A〜36に示された実施形態など、いくつかの実施形態では、磁場源のガウスレベルまたはその他を検知するためのセンサ1111を第1ハウジング部分1101が有するとよい。センサ1111は、すでに説明されているセンサ1110、または、限定的ではないが、特許文献87に記載されたセンサのいずれかに類似しているとよく、その内容全体が参照により本願に援用される。センサ1111は、第1ハウジング部分1101の中に配置されても、第1ハウジング部分1101の上に設けられてもよい。
【0226】
一つ以上のセンサ1111および/または開示全体にわたって説明される他の構成要素を選択的に起動させるか他の方法で制御する被制御電力信号を提供するように、適当な電子機器がセンサ1111に接続されるとよい。例えば、接続可能な構成要素の一つ、または適当な制御電子機器を通してセンサ1111と無線通信状態で接続された遠隔制御装置(不図示)にある制御ボタン、スイッチ、または他の手動操作部を手で操作する際に起動するように、センサ1111が制御されるとよい。別の例では、ボタンおよび/またはその他の起動などの所定の動作の後、または所定時間量の後で自動的に起動するようにセンサ1111が制御されるとよい。いくつかの実施形態では、限定的ではないが針またはカニューレを挿入する針挿入器など、特定の構成要素または装置の操作または挿入時に起動するようにセンサ1111が制御されるとよい。
【0227】
様々な針挿入具の例は、限定的ではないが、特許文献27、特許文献28、特許文献7、特許文献29に記載されており、これらすべての内容全体が参照により本願に援用される。ゆえに、このような例では、例えば第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102とが動作嵌合する前または後にセンサ1111が起動されるとよい。
【0228】
第2ハウジング部分1102は、所定のガウスレベルを提供するための磁気源1121またはその他を含むとよい。磁気源1121は、前述した磁気源1120、または限定的ではないが、特許文献87に記載された磁気源のいずれかに類似しているとよく、その内容全体が参照により本願に援用される。
【0229】
第1ハウジング部分と第2ハウジング部分1102とが正しく接続された場合に磁気源1121のガウスレベルがセンサ1110により検出可能および/または測定可能となるような箇所で、磁気源1121が第2ハウジング部分1102の上または中に配設されるとよい。磁気源1121のガウスレベルの検出は、第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102とが正しく接続されていることを示すとよい。別の実施形態では、指定範囲内にあるガウスレベルを検出するようにセンサ1111および/または関連の電子機器が構成されるとよい。このような実施形態では、指定範囲を下回るか超えるガウスレベルが接続不良を示すとよい。
【0230】
いくつかの実施形態では、磁気源1121がセンサ1111との接触状態にあって磁気源1121のガウスレベルをセンサ1111が検出できるようにするとよい。他の実施形態では、センサ1111が磁気源1121のガウスレベルを検出するのに、磁気源1121がセンサ1111と接触状態にある必要はない。例えば、第1ハウジング部分1101および第2ハウジング部分1102の一方または両方の一部分が、センサ1111と磁気源1121との間に配設されるとよい。
【0231】
さらに、第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102とが正しく接続されていない場合には、例えばセンサ1111と磁気源1121とが離間し過ぎているために磁気源1121のガウスレベルをセンサ1111が検出できない(またはガウスレベルが検出可能な範囲にない)ように、センサ1111と磁気源1121とが配設されるとよい。こうして、第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102とが正しく接続されていないことをこのように示すとよい。
【0232】
別の実施形態では、センサ1111と関連している磁気閾値スイッチ(例えばホールスイッチ、リードスイッチ、および/またはその他)などの電子機器(不図示)は、いくつかの実施形態では指定範囲と同じである第2範囲の外側の信号をセンサ1111(または他のセンサ)が検知した際に、信号またはその他を提供できるように構成されるとよい。他の実施形態では、第2範囲は指定範囲と異なっていてもよい。例えば、第2範囲を上回るガウスレベルが検出された場合に、医療機器システム1100またはその所定部分を停止させるように、電子機器が医療機器システム1100の制御電子機器へ信号を提供するとよい。このような実施形態は、医療機器システム1100が動作中であってMRI(磁気共鳴画像法)装置またはその他などの強い外部磁気影響に露出された場合に、医療機器システム1100の様々な電子機器を保護するとよい。
【0233】
いくつかの実施形態では、二つ以上のガウスレベルを磁気源1121が提供するとよい。このような実施形態では、前述の方法と同じようにして第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102との正しい接続に対応する特定のガウスレベルのみを検出するように、センサ1111が構成されるとよい。こうして、特定のガウスレベルの検出が、第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102とが正しく接続されたことを示すとよい。別の実施形態では、第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102との接続不良を他のガウスレベルの検出が示すように他のガウスレベルを検出する構成を、センサ1111が持つとよい。様々なガウスレベルに関する情報および/または他の関連情報(磁場強度、磁場の検出、および/またはその他)を処理するためのアルゴリズムを電子機器が採用するとよい。
【0234】
図34A〜36を参照すると、様々な実施形態において、センサ1110とセンサ1111とは同じセンサでよく、ゆえに磁場の方向と磁場源からのガウスレベルの両方を検知するように構成されるとよい。いくつかの実施形態では、センサ1110とセンサ1111の両方が、上述のように磁気源(例えば1120,1121)を検知するために設けられるとよい。センサ1110とセンサ1111とが同じ磁気源を検知しても、該当の磁気源を検知してもよい。別の実施形態では、様々なガウスレベルや磁場方向に関する情報、および/または他の関連情報を処理するためのアルゴリズムを電子機器が採用するとよい。
【0235】
様々な実施形態では、センサ1110,1111が第1ハウジング部分1101に設けられるとよく、磁気源1120,1121が第2ハウジング部分1102に設けられるとよい。他の実施形態では、センサ1110,1111が第2ハウジング部分1102に設けられるとよく、磁気源1120,1121が第1ハウジング部分1101に設けられるとよい。別の実施形態では、第1ハウジング部分1101および第2ハウジング部分1102の各々が、センサ(例えば1110,1111)と相補的な磁気源(例えば1120,1121)を備えるとよい。
【0236】
図31A〜36を参照すると、センサおよび/または電気接点は電子機器(不図示)との電気通信状態にあるとよい。限定的ではないが駆動装置44を制御するための制御電子機器52(例えば図4)など、駆動装置44(例えば図4)を制御するための電子機器が制御電子機器に組み込まれるとよい。代替的に、電子機器が制御電子機器52から独立していてこれに追加されるが、制御電子機器52および/または駆動装置44との電気通信状態で接続されて、駆動装置44に駆動制御信号を提供するとよい。より詳しく述べると、信号または状態変化が制御電子機器52により受信されない限り駆動装置44の動作を阻止するように電子機器が構成されるとよいのである。
【0237】
例を挙げると、上述したように、例えば第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902とが正しい整合状態にあって動作目的の接続のため充分な近接状態にある場合に、第1端部922および第2端部924が第1主接点912および第2主接点916と相互作用する際に、信号または状態変化が提供されるとよい。言い換えると、第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902とが正しく動作嵌合している(つまり整合されている、および/または正しく接続されている)のでなければ駆動装置44が作動不可能であるとよい。
【0238】
本発明の様々な実施形態によれば、電子機器および/または制御電子機器52(図4)は、様々な方法で駆動装置44(例えば図4)を制御するように構成されるとよい。限定的ではないが、特許文献30と、特許文献87に、その例が記載されており、これらの内容全体が参照により本願に援用される。
【0239】
例えば、医療機器システム(例えば900,1100)の流体流路の遮断または重要構成要素の分断を検出した際にポンプ供給(送達)動作を停止させるように、駆動装置44が制御されるとよい。これらは、ハウジング部分を別のハウジング部分またはベース部分から分断すること、導管を別の導管またはタンクから分断すること、タンクをハウジング部分またはベースから分断すること、および/またはその他を含むが、これらに限定されるわけではない。
【0240】
また別の実施形態では、追加のセンサが医療機器システム内に設けられて、電子機器414との電気通信のために接続されるとよい。このような追加センサは、医療機器システムの他の構成要素との正しい接続の際に検出信号または状態変化を提供するための、磁気および/または電子起動スイッチ、磁場および/または電場の大きさ・方向センサ、誘導センサ、他の近接センサ、接触センサ、および/またはその他を包含するとよい。このような他の構成要素の正しい接続は、例えば、ハウジング部分またはベースへのタンクの正しい接続、タンクへの導管の正しい接続、二つの導管どうしの正しい接続、挿入状態での針またはカニューレの正しい設置、カニューレまたは針への導管の正しい接続、医療機器システムの他の構成要素または医療機器への正しい接続を包含するとよい。
【0241】
代替的または付加的に、電子機器および/または制御電子機器52(例えば図4)は、前回または部分的使用の後の再接続と比較して、第1ハウジング部分(例えば901)と第2ハウジング部分(例えば902)との初回接続または他の構成要素の初回接続を検出するように構成されるとよい。このようにして、第1部品401と第2部品402との初回接続を検出した際に呼び水動作または他の適当な初回動作を行うように、駆動装置44が制御されるとよい。
【0242】
様々な実施形態では、センサ、電気接点、および/または関連の回路網は、構成要素が他の構成要素に対して接続および/または分断される回数を追跡すること、各送達ステップに先立って薬剤送達システムにおける構成要素の正しい接続および/または整合を確認すること、周囲パラメータ(例えば周囲の磁場)、動作パラメータ、および/またはその他などのパラメータを点検、検知、および/または測定すること、送達システムの動作パラメータから外れた状態などの状態について利用者に警告すること、および/またはその他を可能にするとよいが、これらに限定されるわけではない。
【0243】
様々な実施形態は、二つ(以上)の別個の独立構成要素の間の確認、二つ(以上)の別個の独立構成要素の間の正確な位置決めの確認、二つ(以上)の別個の独立構成要素が正しい順序で接続されたかどうかの確認、多数構成要素システムの個々の構成要素の(意図的または偶発的な)分離の通知を行う安全機構、および/またはその他を可能にするとよい。
【0244】
代替的または付加的に、電子機器および/または制御電子機器52(例えば図4)は、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分あるいは他の構成要素の正しい整合および/または接続について利用者が認知できる形で指示を行うように構成されるとよい。例えば、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分402との正しい整合および/または接続を検出した際に、電子機器414および/または制御電子機器52は、図36に示されたようなインジケータ装置420を起動させる適当な制御信号を提供するとよい。
【0245】
インジケータ装置420は、プロセッサ422により作動するとよい。プロセッサ422は、様々なプログラムを実行する、および/または一つ以上のセンサ、反応装置、および/または他の相互作用要素から受信したデータなど、様々な情報を処理するように構成されるとよい。プロセッサ422は例えば、検出された信号を、閾値および/またはメモリ424に予め記憶された値と比較するように構成されるとよい。
【0246】
図31A〜36を参照すると、インジケータ装置420は、限定的ではないが、可聴インジケータ、光学インジケータ、触覚的インジケータ、これらインジケータの一つ以上の組合せ、および/またはその他を含むとよい。例えば、上述した構成要素の正しい整合または接続の際には、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方または両方に設けられるかこれと関連する音声発生装置により、ビーッという可聴音または他の適当な音声が発生されるとよい。例えば、上述した構成要素の正しい整合または接続の際には、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方または両方に設けられるかこれと関連するLEDや他の光源またはディスプレイ装置により、閃光または他の適当な視覚的インジケータが発生されるとよい。例えば、上述した構成要素の正しい整合または接続の際には、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方または両方に設けられるかこれと関連する振動装置および/またはその他により振動および/またはその他が発生されるとよい。インジケータ装置の例は、限定的ではないが、特許文献30と、特許文献87に記載されており、これらの内容全体が参照により本願に援用される。
【0247】
ここに開示される実施形態は、すべての点で例示的であって発明を限定するものではないと考えられる。本発明は、記載された実施形態にどのような形でも制限されない。発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、様々な変形および変更が実施形態に加えられてもよい。発明の範囲は、実施形態ではなく添付の請求項によって示されている。請求項の意味およびその同等物の範囲に含まれる様々な変形および変更は、本発明の範囲に含まれると考えられる。
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、概して医療機器システムおよび方法、また特定の実施形態では医療機器システムの構成要素の接続および/または整合のための接続および/または整合特徴を含むようなシステムおよび方法に関連する。
【背景技術】
【0002】
現代の医療技術では、患者の身体へ薬剤または他の物質を送達することによりある種の慢性病の治療が行われる。例えば、糖尿病は、一般的に規定量のインシュリンを適切なタイミングで患者に送達することにより治療される慢性病である。従来、患者にインシュリンを送達するには、手で操作される注射器およびインシュリンペンが採用されていた。もっと最近になると、制御量の薬剤を患者に送達するためのプログラマブルポンプを含む最新のシステムが設計されている。
【0003】
ポンプタイプの送達装置は、患者に接続される外部装置として構成され、また、患者の身体の内部に埋め込まれる埋込み装置として構成されている。外部ポンプタイプの送達装置は、病院、診療所、またはその他などの常設箇所での使用のために設計された装置を含み、患者またはその他により携行されるように設計された装置など緊急時または可搬使用のために構成された装置をさらに含む。外部ポンプタイプの送達装置は、限定的ではないがインシュリンなどの流体媒体のタンクを格納するとよい。
【0004】
外部ポンプタイプの送達装置は、例えば適当な中空チューブ類を通して患者または利用患者に流体連通状態で接続されるとよい。中空チューブ類は、患者の皮膚を穿刺してここから流体媒体を送達するように設計された中空針に接続されるとよい。代替的に、中空チューブ類が、カニューレまたはその他を通して患者に直接接続されてもよい。
【0005】
いくつかの外部ポンプタイプの送達装置の例は、(各々が本発明の譲渡人に所有されている)2005年8月23日に「廃棄用部分を備える注入装置および方法」の名称で出願した特許文献1および「注入装置のための交換式電子カード」の名称で出願した特許文献2、また名称「患者注入装置のための構成要素および方法」の名称で出願した特許文献3、「注入装置のためのディスペンサ構成要素および方法」の名称で出願した特許文献4、―名称「インシュリン投与量を患者に通知するための方法」の名称で出願した特許文献5、そして「着用可能な内蔵式薬品注入装置」の名称で出願した特許文献6に記載され、その各々の内容全体が参照により本願に援用される。
【0006】
外部ポンプタイプの送達装置は、例えば適当な中空チューブ類を通して利用患者に流体連通状態で接続されるとよい。中空チューブ類は、利用患者の皮膚を穿刺して注入媒体を利用患者に送達するように設計された中空針に接続されるとよい。代替的に、中空チューブ類は、カニューレかマイクロ針セットとして、またはこれらを通して利用患者に直接接続されてもよい。
【0007】
利用患者の皮膚を穿刺する中空針を通して中空チューブ類が利用患者に接続されるという状況では、針を手で利用患者に挿入することは、利用患者にとって多少の精神的苦痛になり得る。したがって、利用患者への針の挿入を補助することで後退位置から延出位置までばねにより針が即座に移動する挿入機構が製作されている。針が延出位置へ移動する際には、ゆっくりとした手による針の挿入と比較すると利用患者にとって精神的苦痛の少ない一回の比較的素早い動作で、針が利用患者の皮膚へ迅速に押入される。利用患者の皮膚へ針が迅速に押し込まれると、手による挿入よりも一部の利用患者にとっては精神的苦痛が少ないかもしれないが、状況によっては非常にゆっくりとした一定のペースで針が移動する場合の方が患者の感じる精神的苦痛が少なくなるのは確かである。
【0008】
送達装置とともに使用されてこれに組み込まれる挿入機構の例は、(各々が本発明の譲受人に譲渡された)2006年12月26日に「針挿入器を備える注入媒体送達システム、装置、および方法と、針挿入装置および方法」の名称で出願した特許文献7および2005年8月23日に「廃棄用部分を備える注入装置および方法」の名称で出願した特許文献8に記載されており、その各々の内容全体が参照により本願に援用される。挿入具の他の例は、「挿入セットのための挿入装置とその使用方法」の名称で出願された(本発明の譲受人に譲渡された)特許文献9に記載されており、その内容全体が参照により本願に援用される。針および/またはカニューレを挿入するのに使用され(または使用のため変形され)得る針/カニューレ挿入具の他の例は、例えば2003年3月14日に「シルエットまたは類似製品のための自動挿入装置」の名称で出願された特許文献10および/または2002年12月9日に「挿入セットのための挿入装置とその使用方法」の名称で出願された特許文献11に記載されており、その両方の内容全体が参照により本願に援用される。
【0009】
ポンプタイプの送達装置は、昼夜を問わずいつでも正確な投与量のインシュリンが計算されて利用患者に自動的に送達されることを可能にする。さらに、グルコースセンサおよびモニタとともに使用される時には、検知および監視された血中グルコースのレベルに基づいて必要とされる適切なタイミングで適切な投与量の注入媒体を提供するようにインシュリンポンプが自動的に制御されるとよい。
【0010】
ポンプタイプの送達装置は、糖尿病など様々なタイプの健康状態の最新治療の重要な一面となっている。ポンプ技術が改良されるにつれ、また医師および利用患者がこのような装置の扱いに習熟するにつれ、外部医療用注入ポンプによる治療の人気は高くなり、今後十年間でかなり上昇すると予想される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】米国特許出願第11/211,095号明細書
【特許文献2】PCT国際公開特許出願第01/70307号(第PCT/US01/09139号)明細書
【特許文献3】PCT国際公開特許出願第04/030716号(第PCT/US2003/028769号)明細書
【特許文献4】PCT国際公開特許出願第04/030717号(第PCT/US2003/029019号)明細書
【特許文献5】米国特許出願公開第2005/0065760号明細書
【特許文献6】米国特許第6,589,229号明細書
【特許文献7】米国特許出願第11/645,435号明細書
【特許文献8】米国特許出願第11/211,095号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2002/0022855号明細書
【特許文献10】米国特許出願第10/389,132号明細書
【特許文献11】米国特許出願第10/314,653号明細書
【特許文献12】米国特許出願第11/515,225号明細書
【特許文献13】米国特許出願第11/588,875号明細書
【特許文献14】米国特許出願第11/588,832号明細書
【特許文献15】米国特許出願第11/588,847号明細書
【特許文献16】米国特許出願第11/589,323号明細書
【特許文献17】米国特許出願第11/602,173号明細書
【特許文献18】米国特許出願第11/602,052号明細書
【特許文献19】米国特許出願第11/602,428号明細書
【特許文献20】米国特許出願第11/602,113号明細書
【特許文献21】米国特許第11/604,171号明細書
【特許文献22】米国特許出願第11/604,172号明細書
【特許文献23】米国特許第11/606,703号明細書
【特許文献24】米国特許出願第11/606,836号明細書
【特許文献25】米国特許出願第11/636,384号明細書
【特許文献26】米国特許出願第11/645,993号明細書
【特許文献27】米国特許出願第11/645,972号明細書
【特許文献28】米国特許出願第11/646,052号明細書
【特許文献29】米国特許出願第11/646,000号明細書
【特許文献30】米国特許出願第11/759,725号明細書
【特許文献31】米国特許出願第11/606,837号明細書
【特許文献32】米国特許出願第11/702,713号明細書
【特許文献33】米国特許出願第11/843,601号明細書
【特許文献34】米国特許出願第11/868,898号明細書
【特許文献35】米国特許出願第11/964,649号明細書
【特許文献36】米国特許出願第12/111,751号明細書
【特許文献37】米国特許出願第12/111,815号明細書
【特許文献38】米国特許出願第11/924,402号明細書
【特許文献39】米国特許出願第11/929,428号明細書
【特許文献40】米国特許出願第11/965,578号明細書
【特許文献41】米国特許出願第12/107,580号明細書
【特許文献42】米国特許出願第11/964,663号明細書
【特許文献43】米国特許出願第10/180,732号明細書
【特許文献44】米国特許出願第12/099,738号明細書
【特許文献45】米国特許出願第12/027,963号明細書
【特許文献46】米国特許出願第12/121,647号明細書
【特許文献47】米国仮特許出願第61/044,269号明細書
【特許文献48】米国特許出願第61/044,292号明細書
【特許文献49】米国仮特許出願第61/044,322号明細書
【特許文献50】米国特許出願第12/179,502号明細書
【特許文献51】米国特許出願第12/336,367号明細書
【特許文献52】米国特許出願第12/166,210号明細書
【特許文献53】米国特許出願第12/271,134号明細書
【特許文献54】米国特許出願第12/171,971号明細書
【特許文献55】米国特許出願第12/189,077号明細書
【特許文献56】米国特許出願第12/179,536号明細書
【特許文献57】米国特許出願第12/277,186号明細書
【特許文献58】米国特許出願第12/211,783号明細書
【特許文献59】米国特許出願第12/247,945号明細書
【特許文献60】米国特許出願第12/360,077号明細書
【特許文献61】米国特許出願第12/345,362号明細書
【特許文献62】米国特許出願第12/353,181号明細書
【特許文献63】米国特許出願第12/360,813号明細書
【特許文献64】米国特許第6,088,608号明細書
【特許文献65】米国特許第6,119,028号明細書
【特許文献66】米国特許第6,589,229号明細書
【特許文献67】米国特許第6,740,072号明細書
【特許文献68】米国特許第6,827,702号明細書
【特許文献69】米国特許第7,323,142号
【特許文献70】米国特許出願第09/360,342号明細書
【特許文献71】米国仮特許出願第60/318,060号明細書
【特許文献72】米国特許出願第10/445,477号明細書
【特許文献73】米国特許出願第10/429,385号明細書
【特許文献74】米国特許出願第09/813,660号明細書
【特許文献75】米国特許出願第11/210,467号明細書
【特許文献76】米国特許出願第11/211,150号明細書
【特許文献77】米国特許出願第11/210,455号明細書
【特許文献78】米国特許第6,485,465号明細書
【特許文献79】米国特許出願第10/705,686号明細書(特許出願公開第2005/0101910号)
【特許文献80】米国特許出願第11/004,594号明細書(特許出願公開第2006/0129090号)
【特許文献81】米国特許出願第10/328,393号明細書
【特許文献82】米国特許第5,545,152号明細書
【特許文献83】米国特許出願第60/839,741号明細書
【特許文献84】米国特許出願第12/553,008号明細書
【特許文献85】米国特許出願第11/149,119号明細書
【特許文献86】米国特許出願公開第2007/0142776号明細書
【特許文献87】米国特許出願第12/649,619号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
流体媒体を利用者に送達するための送達システムは、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分と流体コネクタとを含むとよいが、これらに限定されるわけではない。第1ハウジング部分は、利用者による携行に適している。第2ハウジング部分は、第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離される構成を持つ。第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方は、流体媒体を格納するための内部空間を有するタンクを支持するためのものであるとよい。第1ハウジング部分および第2ハウジング部分は、相互に動作嵌合するように相対的に摺動可能に構成されるとよい。第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方によりタンクが支持されて第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが相対的に摺動して相互に動作嵌合する場合にタンクと嵌合する位置で、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方により流体コネクタが支持されるとよい。
【0013】
様々な実施形態において、少なくとも第1位置と第2位置との間で第2ハウジング部分に対して第1方向に摺動であるように第1ハウジング部分が構成されるとよい。第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置にある場合に、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分と動作嵌合するとよい。
【0014】
いくつかの実施形態では、タンクが第1ハウジング部分に支持されるとよく、流体コネクタは第2ハウジング部分に支持される。第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置にある場合に、流体コネクタとタンクとの間の流体フローのために流体コネクタがタンクと嵌合しているとよい。
【0015】
いくつかの実施形態において、送達システムはさらに、第1ハウジング部分が第1位置から第2位置へ第2ハウジング部分に対して摺動する際に第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とを接続するための接続構造を含むとよい。別の実施形態では、第1ハウジング部分が少なくともロック解除位置から少なくともロック解除位置へ第2ハウジング部分に対して第1方向に摺動可能であるとよい。
【0016】
別の実施形態において、接続構造はダブテール接続構造を包含するとよい。ダブテール接続構造は、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に支持されるダブテールと、ダブテールを支持する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方の溝部とを含むとよい。ダブテールは、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動する際に溝部の少なくとも一部分に沿って移動して溝部を画定する表面と嵌合するためのものであるとよい。
【0017】
別の実施形態において、接続構造は、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に支持される突起部と、突起部を支持する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方の溝部とを含むとよい。突起部は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動する際に溝部の少なくとも一部分に沿って移動して溝部を画定する表面と嵌合するためのものであるとよい。
【0018】
また別の実施形態において、溝部を画定する表面は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動する際に突起部を溝部の表面と摩擦嵌め式に嵌合させるようにテーパ状であるとよい。また別の実施形態では、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動する際に突起部をこの表面と摩擦嵌め式に嵌合させるように突起部がテーパ状であるとよい。
【0019】
また別の実施形態において、接続構造は、突起部を支持する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方に空洞を画定する当接部を含むとよい。当接部は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置にある時に突起部を空洞にロックするためのものであるとよい。
【0020】
別の実施形態において、接続構造は凸状部と当接部とを含むとよい。凸状部は、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方と、凸状部を支持する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方の凹状部とにより支持されるとよい。凸状部は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動する際に凹状部の少なくとも一部分に沿って移動するためのものであるとよい。
【0021】
当接部は、凸状部を支持する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方に空洞を画定するとよい。当接部は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置にある時に凸状部を空洞にロックするためのものであるとよい。
【0022】
いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方が第1嵌合部材を有するとよい。第1嵌合部材を有する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対しての第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方は、第2嵌合部材を有するとよい。第1嵌合部材および第2嵌合部材は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動して第1ハウジング部分を第2ハウジング部分にロックする際に、相互に嵌合するように構成されるとよい。
【0023】
別の実施形態において、第1嵌合部材は複数の凸状部を包含するとよい。第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動して第1ハウジング部分を第2ハウジング部分にロックする際に複数の凸状部の少なくとも一つと嵌合するための複数の小孔および凸状部のうち少なくとも一方を、第2嵌合部材が包含するとよい。別の実施形態では、第1嵌合部材と第2嵌合部材とが相互に嵌合する場合に、第1方向と交差する軸方向における第2ハウジング部分からの第1ハウジング部分の離脱を第1嵌合部材および第2嵌合部材が阻止するとよい。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方の一部分に沿って第1方向に延在する一対の隆起部を、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方が包含するとよい。一対の隆起部は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動する際に第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方を案内するためのものであるとよい。
【0025】
別の実施形態では、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方の周縁部に沿って、隆起部の各々が延在するとよい。別の実施形態では、一対の隆起部のうちの隆起部が相互に平行であるとよい。また別の実施形態では、隆起部の各々が内面を有するとよい。隆起部の各々の内面は、相互に非平行であるとよい。別の実施形態では、一対の隆起部の隆起部が相互に非平行であるとよい。
【0026】
別の実施形態では、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動する際に第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とを接続するための接続構造を、送達システムがさらに含むとよい。一対の隆起部は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動する際に第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方を案内して接続構造が第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とを接続できるようにするためのものであるとよい。
【0027】
いくつかの実施形態において、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方は、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に支持されるタンクが、タンクを支持する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対しての第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方と接触するのを実質的に防止するために、停止面を有する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対しての第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方の一部分と接触する、停止面を有するとよい。
【0028】
別の実施形態において、停止面は、流体導管とタンクとが嵌合した後で、停止面を有する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対しての第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方の一部分と接触して、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対しての第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方とタンクが接触するのを実質的に防止するためのものであるとよい。
【0029】
いくつかの実施形態において、送達システムはさらに一対の磁石を含むとよい。一対の磁石は、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に支持される第1磁石と、第1磁石を支持する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対しての第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方に支持される第2磁石とを含むとよい。第1磁石および第2磁石は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動して第2ハウジング部分と不整合になった場合に第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とを整合させるように構成されるとよい。
【0030】
別の実施形態では、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動して第2ハウジング部分と不整合になった場合に相互に反発するように、磁石の各々が配設されるとよい。また別の実施形態では、磁石の各々が共通極を有するとよい。
【0031】
いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置にある時に、ラッチを有する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対しての第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方を嵌合させるためのラッチを、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方が有するとよい。別の実施形態では、ラッチを有する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対しての第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方について嵌合と解離の少なくとも一方を行うように押入可能である構成を、ラッチが持つとよい。別の実施形態では、ラッチを有する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対しての第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方が、ラッチを検知するためのセンサを有するとよい。
【0032】
別の実施形態では、第1ハウジング部分が第1方向に摺動するが第2位置までは摺動しない場合に、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分を相互離間方向へ付勢するための付勢部材を、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方が有するとよい。ラッチは、第1ハウジング部分が第2位置まで第1方向に摺動する場合に、ラッチを有する第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方に対しての第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方と嵌合するためのものであるとよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分が第1方向に摺動するが第2位置までは摺動していない場合に第1ハウジング部分および第2ハウジング部分を相互離間方向へ付勢するための付勢部材を、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方が有するとよい。
【0034】
いくつかの実施形態において、流体コネクタは、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方にタンクが支持されて第1ハウジング部分が第2ハウジング部分に対して第2位置まで摺動する場合にタンクの隔壁を穿刺するための針を包含するとよい。いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方にタンクが支持されて第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが動作嵌合する場合にタンクの内部空間との流体連通状態にある第1開口部を、流体コネクタが有するとよい。流体コネクタは、利用者の皮膚に延出する注入経路との流体連通状態にある第2開口部を有するとよい。
【0035】
いくつかの実施形態において、流体コネクタは利用者の皮下経路との流体連通状態にあるとよい。流体コネクタは、流体コネクタがタンクと嵌合していてタンクの内部空間から流体媒体が排出される場合にタンクの内部空間から利用者へ流体媒体を送達するためのものであるとよい。別の実施形態では、利用者に挿入されて皮下経路を設けるためのカニューレと第1ハウジング部分が嵌合可能であるとよい。
【0036】
医療機器の製造方法は、(i)利用者による携行に第1ハウジング部分を適応させること、(ii)第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離されるように第2ハウジング部分を構成することであって、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方が、流体媒体を格納するための内部空間を有するタンクを支持するためのものであり、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分が相互に動作嵌合するように相対的に摺動可能である構成を持つこと、(iii)第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方によりタンクが支持されて第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが相対的に摺動して相互に動作嵌合する場合にタンクと嵌合する位置で、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方により流体コネクタを支持することのいずれか一つまたはその組合せを、限定的ではないが含むとよい。
【0037】
利用者を治療するための医療機器は、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分と複数の電気接点と短絡機構と回路網とを限定的ではないが含むとよい。第1ハウジング部分は、利用者により携行に適したものであるとよい。第2ハウジング部分は、第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離されるように構成されるとよい。複数の電気接点は、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の少なくとも一方に設けられるとよい。複数の電気接点は、一組の主電気接点と少なくとも一つの副電気接点とを含むとよい。
【0038】
第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方には、短絡機構が設けられるとよい。短絡機構は、一組の主電気接点と相互作用を行うためのものであるとよい。回路網は、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて短絡機構が複数の電気接点の一組の主電気接点と相互作用を行う場合に第1信号を提供するように構成されるとよい。回路網はさらに、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて短絡機構が複数の電気接点の少なくとも一つの副電気接点と相互作用を行う場合に第2信号を提供するように構成されるとよい。
【0039】
いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接続されていることを第1信号が示すとよい。別の実施形態では、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接続されていないことを第2信号が示すとよい。
【0040】
いくつかの実施形態において、短絡機構が一組の主電気接点と接触する場合に一組の主電気接点が短絡機構と相互作用を行うとよい。回路網は、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて短絡機構が複数の電気接点の一組の主電気接点と接触する場合に第1信号を提供するように構成されるとよい。回路網はさらに、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて短絡機構が複数の電気接点の少なくとも一つの副電気接点と接触する場合に第2信号を提供するように構成されるとよい。
【0041】
いくつかの実施形態において、短絡機構は複数の端部を有するとよい。端部の各々は、一組の主電気接点の該当主電気接点と相互作用を行うためのものである。回路網は、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて短絡機構の端部の各々が一組の主電気接点の該当主電気接点と相互作用を行う場合に第1信号を提供するように構成されるとよい。回路網はさらに、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて短絡機構の端部の少なくとも一つが複数の電気接点の少なくとも一つの副電気接点と相互作用を行う場合に第2信号を提供するように構成されるとよい。
【0042】
別の実施形態において、一組の主電気接点は、第1主電気接点と第2主電気接点とを含むとよい。短絡機構の複数の端部は、第1主電気接点および第2主電気接点と相互作用を行うための第1端部および第2端部を含むとよい。
【0043】
回路網は、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて短絡機構の第1端部および第2端部が複数の電気接点の第1主電気接点および第2主電気接点と相互作用を行う場合に第1信号を提供するように構成されるとよい。回路網はさらに、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて短絡機構の第1端部および第2端部の少なくとも一方が複数の電気接点の少なくとも一つの副電気接点と相互作用を行う場合に第2信号を提供するように構成されるとよい。また別の実施形態では、該当の第1主電気接点および第2主電気接点のみと相互作用を行うための第1端部および第2端部を短絡機構が有するとよい。
【0044】
いくつかの実施形態では、少なくとも一つの副電気接点のうち少なくとも一つが一組の主電気接点の間に配設されるとよい。いくつかの実施形態において、回路網はさらに、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて複数の電気接点の一組の主電気接点と短絡機構とが相互作用を行わない場合に第3信号を提供するように構成されるとよい。別の実施形態において、第3信号は、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接続されていないことを示すとよい。別の実施形態において、第2信号と第3信号とは同じタイプの信号であるとよい。
【0045】
いくつかの実施形態において、一組の主電気接点のうち少なくともいくつかは、複数の電気接点のうち最も外側の電気接点となるように配設されるとよい。いくつかの実施形態において、少なくとも一つの副電気接点のすべてが一組の主電気接点の間に配設されるとよい。
【0046】
いくつかの実施形態において、短絡機構が一組の主電気接点と相互作用を行う場合に一組の主電気接点の間に電気接続を確立するように短絡機構が構成されるとよい。別の実施形態において、短絡機構は電気伝導体を包含するとよい。いくつかの実施形態では、第1位置へ付勢されて第1位置から第2位置へ押圧可能であるように一組の主電気接点が構成されるとよい。一組の主電気接点は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分と嵌合した時に第2位置へ移動するように構成されるとよい。
【0047】
別の実施形態において、機器は、一組の主電気接点を第1位置へ付勢するための付勢部材を含むとよい。また別の実施形態では、付勢部材がばねを包含するとよい。また別の実施形態では、付勢部材が個別付勢部材を包含するとよい。個別付勢部材の各々は、一組の主電気接点の一つを第1位置へ付勢するためのものであるとよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、複数の電気接点が、第1位置へ付勢されて第1位置から第2位置へ押圧可能であるように構成されるとよい。第1ハウジング部分が第2ハウジング部分と嵌合した時に複数の電気接点が第2位置へ移動するとよい。
【0049】
いくつかの実施形態では、第1位置へ付勢されて第1位置から第2位置へ押圧可能であるように短絡機構が構成されるとよい。短絡機構は、第1ハウジング部分が第2ハウジング部分と嵌合した時に第2位置へ移動するように構成されるとよい。いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方が、流体媒体を格納するための内部空間を有するタンクを支持するためのものであるとよい。いくつかの実施形態では、一組の主電気接点の主電気接点の各々が導電性パッドを包含するとよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、複数の電気接点が第2ハウジング部分に設けられるとよい。第2ハウジング部分の電子機器に電力を提供するための電源を第2ハウジング部分が有するとよい。複数の電気接点の少なくともいくつかは、第2ハウジング部分の電源を充電するための電気供給源と嵌合可能であるように構成されるとよい。
【0051】
いくつかの実施形態では、複数の電気接点が第2ハウジング部分に設けられるとよい。第2ハウジング部分は、プログラマブル回路網を有するとよい。複数の電気接点の少なくともいくつかは、第2ハウジング部分のプログラマブル回路網をプログラムするための入力装置と嵌合可能であるように構成されるとよい。いくつかの実施形態では、複数の電気接点が第2ハウジング部分に設けられるとよい。複数の電気接点の一つと第1ハウジング部分の短絡機構とに基づいて第2ハウジング部分のタイプを判断するように回路網が構成されるとよい。様々な実施形態では、短絡機構は既知抵抗を包含するとよい。
【0052】
医療機器の製造方法は、(i)利用者による携行に第1ハウジング部分を適応させること、(ii)第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離されるように第2ハウジング部分を構成すること、(iii)第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の少なくとも一方に複数の電気接点を設けることであって、複数の電気接点が一組の主電気接点と少なくとも一つの副電気接点とを含むこと、(iv)第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方に短絡機構を設けることであって、短絡機構が一組の主電気接点と相互作用を行うためのものであること、(v)第1ハウジング部分および第2ハウジング部分が接合されて複数の電気接点の一組の主電気接点と短絡が相互作用を行う場合に第1信号を提供するように、回路網を構成すること、および(vi)第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて複数の電気接点の少なくとも一つの副電気接点と短絡機構が相互作用を行う場合に第2信号を提供するように、回路網を構成すること、のうちいずれか一つまたはその組合せを含むとよいが、これらに限定されるわけではない。
【0053】
利用者を治療するための医療機器は、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分と磁気源とセンサと回路網とを含むとよいが、これらに限定されるわけではない。第1ハウジング部分は、利用者による携行に適しているとよい。第2ハウジング部分は、第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離されるように構成されるとよい。磁気源は、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の少なくとも一方に設けられる所定磁場および所定磁気強度のうち少なくとも一方を有するとよい。
【0054】
センサは、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方に設けられる所定磁場および所定磁気強度のうち少なくとも一方を検出するためのものであるとよい。回路網は、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて磁気源の所定磁場および所定磁気強度のうち少なくとも一方をセンサが検出する場合に第1信号を提供するように構成されるとよい。回路網はさらに、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて磁気源の所定磁場と異なる磁場と所定磁気強度と異なる磁気強度とのうち少なくとも一方をセンサが検出する場合に第2信号を提供するように構成されるとよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、第1既定閾値を超えるガウスレベルをセンサが検出する場合に制御回路網を起動するための信号を提供するように、センサが構成されるとよい。別の実施形態では、磁気閾値スイッチをセンサが包含するとよい。別の実施形態では、第2既定閾値を超えるガウスレベルをセンサが検出する場合に制御回路網とセンサのうち少なくとも一方を停止させるための信号を提供するように構成された第2磁気閾値スイッチを、機器がさらに含むとよい。第2既定閾値は、第1既定閾値よりも高いとよい。
【0056】
いくつかの実施形態では、磁気源が所定磁場方向を有するとよい。センサは、所定磁場方向を検出するためのものであるとよい。回路網は、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分が接合されてセンサが所定磁場方向を検出する場合に第1信号を提供するように構成されるとよい。別の実施形態において、回路網はさらに、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて所定磁場方向と異なる磁場方向をセンサが検出する場合に第2信号を提供するように構成されるとよい。様々な実施形態では、所定磁場が方向を含むとよい。センサは、この方向を検出するように構成されるとよい。
【0057】
医療機器の製造方法は、(i)利用者による携行に第1ハウジング部分を適応させること、(ii)第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離されるように第2ハウジング部分を構成すること、(iii)所定磁場および所定磁気強度のうち少なくとも一方を有する磁気源を第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の少なくとも一方に設けること、(iv)所定磁場および所定磁気強度のうち少なくとも一方を検出するためのセンサを第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の他方に設けること、(v)第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とが接合されて磁気源の所定磁場および所定磁気強度のうち少なくとも一方をセンサが検出する場合に第1信号を提供するように回路網を構成すること、および(vi)第1ハウジング部分および第2ハウジング部分が接合されて磁気源の所定磁場と異なる磁場と所定磁気強度と異なる磁気強度とのうち少なくとも一方をセンサが検出する場合に第2信号を提供するように回路網を構成することのうちいずれか一つまたはその組合せを含むとよいが、これらに限定されるわけではない。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施形態によるシステムの全体的描写を図示している。
【図2】本発明の実施形態によるシステムの例を図示している。
【図3】本発明の実施形態による送達装置の例を図示している。
【図4】本発明の実施形態による送達装置を図示している。
【図5A】本発明の実施形態による送達装置の耐久性部分を図示している。
【図5B】本発明の実施形態による送達装置の耐久性部分の断面図を図示している。
【図5C】本発明の実施形態による送達装置の耐久性部分の断面図を図示している。
【図6A】本発明の実施形態による送達装置の廃棄用部分を図示している。
【図6B】本発明の実施形態による送達装置の廃棄用部分の断面図を図示している。
【図6C】本発明の実施形態による送達装置の廃棄用部分の断面図を図示している。
【図7】本発明の実施形態による送達システムの耐久性ハウジング部分および廃棄用ハウジング部分の構成の概略的側面図を示す。
【図8】本発明の実施形態による送達システムの耐久性ハウジング部分および廃棄用ハウジング部分の構成の概略的側面図を示す。
【図9】本発明の実施形態による送達システムの部分的分解図を示す。
【図10】本発明の実施形態による送達システムの耐久性ハウジング部分および廃棄用ハウジング部分の構成の概略的上面図を示す。
【図11】本発明の実施形態による送達システムの耐久性ハウジング部分および廃棄用ハウジング部分の構成の概略的上面図を示す。
【図12】本発明の実施形態による廃棄用ハウジング部分および注射部位モジュールの接続構成の斜視図を示す。
【図13】本発明の実施形態による廃棄用ハウジング部分および注射部位モジュールの接続構成の斜視図を示す。
【図14】本発明の実施形態による廃棄用ハウジング部分および注射部位モジュールの接続構成の斜視図を示す。
【図15】本発明の実施形態による廃棄用ハウジング部分および注射部位モジュールの接続構成の斜視図を示す。
【図16】本発明の実施形態による廃棄用ハウジング部分および注射部位モジュールの接続構成の斜視図を示す。
【図17】本発明の実施形態による廃棄用ハウジング部分および注射部位モジュールの接続構成の斜視図を示す。
【図18】本発明の実施形態による廃棄用ハウジング部分および注射部位モジュールの接続構成の斜視図を示す。
【図19】本発明の実施形態による廃棄用ハウジング部分および注射部位モジュールの接続構成の斜視図を示す。
【図20A】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分の破断図を図示している。
【図20B】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分の破断図を図示している。
【図20C】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分の破断図を図示している。
【図21A】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分の底面図を図示している。
【図21B】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分の底面図を図示している。
【図21C】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分の底面図を図示している。
【図22A】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図22B】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図22C】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図23】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図24】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図25A】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図25B】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図26A】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図26B】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図27A】本発明の実施形態による医療機器システムを図示している。
【図27B】本発明の実施形態による医療機器システムを図示している。
【図27C】本発明の実施形態による医療機器システムを図示している。
【図28A】本発明の実施形態による医療機器システムを図示している。
【図28B】本発明の実施形態による医療機器システムを図示している。
【図28C】本発明の実施形態による医療機器システムを図示している。
【図29A】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図29B】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図30A】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図30B】本発明の実施形態による医療機器システムの一部分を図示している。
【図31A】本発明の実施形態による医療機器システムの一般的描写を図示している。
【図31B】本発明の実施形態による医療機器システムの一般的描写を図示している。
【図31C】本発明の実施形態による医療機器システムの一般的描写を図示している。
【図32】本発明の実施形態による医療機器システムの一般的描写を図示している。
【図33A】本発明の実施形態による医療機器システムの一般的描写を図示している。
【図33B】本発明の実施形態による医療機器システムの一般的描写を図示している。
【図34A】本発明の実施形態による医療機器システムの一般的描写を図示している。
【図34B】本発明の実施形態による医療機器システムの一般的描写を図示している。
【図35A】本発明の実施形態による医療機器システムの一般的描写を図示している。
【図35B】本発明の実施形態による医療機器システムの一般的描写を図示している。
【図36】本発明の実施形態による医療機器システムの電気構成のブロック図を図示している。
【発明を実施するための形態】
【0059】
図1は、本発明の実施形態によるシステム10の全体的描写を図示している。システム10は、送達装置12を含むとよい。システム10はさらに、検知装置14とコマンド制御装置(CCD)16とコンピュータ18とを含むとよい。様々な実施形態において、送達装置12と検知装置14とは、患者または利用患者7の身体5の所望の箇所に固定されるとよい。図1において送達装置12と検知装置14とが利用患者7の身体5に固定される箇所は、代表的かつ非限定的な例として挙げられているに過ぎない。本開示を通して使用される「利用患者」とは、利用患者、患者、または利用者(例えば患者、医療の専門家、または他に患者を治療する者)を含み得る。
【0060】
システム10、送達装置12、検知装置14、CCD16、およびコンピュータ18は、本発明の譲受人に譲渡された以下の米国特許出願に記載されたものに類似しており、以下の特許出願の各々は、その内容全体が参照により本願に援用される。(i)2005年8月23日出願の特許文献1、(ii)2006年9月1日出願の特許文献12、「タンク内でプランジャを駆動するための駆動装置を備える注入媒体送達装置および方法、(iii)2006年10月27日出願の特許文献13、「タンクの充填および注入媒体の送達を可能にするシステムおよび方法」、(iv)2006年10月27日出願の特許文献14、「タンク内でプランジャを駆動するための駆動装置を備える注入媒体送達装置および方法」、(v)2006年10月27日出願の特許文献15、「圧縮性またはカーブ状のタンクまたは導管を備える注入媒体送達装置および方法」、(vi)2006年10月27日出願の特許文献16、「注入ポンプおよび方法とこれを備える送達装置および方法」、(vii)2006年11月20日出願の特許文献17、「タンクの充填および注入媒体の送達を可能にするシステムおよび方法」、(viii)2006年11月20日出願の特許文献18、「タンクの充填および注入媒体の送達を可能にするシステムおよび方法」、(ix)2006年11月20日出願の特許文献19、「タンクの充填および注入媒体の送達を可能にするシステムおよび方法」、(x)2006年11月20日出願の特許文献20、「タンクの充填および注入媒体の送達を可能にするシステムおよび方法」、(xi)2006年11月22日出願の特許文献21、「タンク内でプランジャを駆動するための駆動装置を備える注入媒体送達装置および方法」、(xii)2006年11月22日出願の特許文献22、「タンク内でプランジャを駆動するための駆動装置を備える注入媒体送達装置および方法」、(xiii)2006年11月30日出願の特許文献23、「注入ポンプおよび方法とこれを備える送達装置および方法」、(xiv)2006年11月30日出願の特許文献24、「注入ポンプおよび方法とこれを備える送達装置および方法」、2006年12月8日出願の特許文献25、「圧縮性またはカーブ状のタンクまたは導管を備える注入媒体送達装置および方法」、(xv)2006年12月26日出願の特許文献26、「圧縮性またはカーブ状のタンクまたは導管を備える注入媒体送達装置および方法」、2006年12月26日出願の特許文献27、「注入媒体送達システム、針挿入器を備える装置および方法、針挿入装置および方法」、(xvi)2006年12月26日出願の特許文献28、「注入媒体送達システム、針挿入器を備える装置および方法、針挿入装置および方法」、(xvii)2006年12月26日出願の特許文献7、「注入媒体送達システム、針挿入器を備える装置および方法、針挿入装置および方法」、(xviii)2006年12月26日出願の特許文献29、「注入媒体送達システム、針挿入器を備える装置および方法、針挿入装置および方法」、(xix)2007年6月7日出願の特許文献30、「タンク内でプランジャを駆動するための駆動装置を備える注入媒体送達装置および方法」、(xx)2006年11月30日出願の特許文献31、「埋込みセンサ装置の完全性を高めるための方法および装置」、(xxi)2007年2月5日出願の特許文献32、「制御破壊のための選択的ポッティングおよびこれを採用する電子機器」、(xxii)2007年8月22日出願の特許文献33、「センサ再校正のためのシステムおよび方法」、(xxiii)2007年10月8日出願の特許文献34、「多層基板」、(xxiv)2007年12月26日出願の特許文献35、「タンク気泡管理を可能にするシステムおよび方法」、(xxv)2008年4月29日出願の特許文献36、「タンク充填のためのシステムおよび方法」、(xxvi)2008年4月29日出願の特許文献37、「タンク気泡管理のためのシステムおよび方法」、(xxvii)2007年10月25日出願の特許文献38、「センサ基板およびその製造方法」、(xxviii)2007年10月30日出願の特許文献39、「可変パラメータを含む遠隔測定システムおよび方法」、(xxix)2007年12月27日出願の特許文献40、「タンク圧均等化システムおよび方法」、(xxx)2008年4月22日出願の特許文献41、「自動充填システムおよび方法」、(xxxi)2007年12月26日出願の特許文献42、「フルオプションを備える医療機器と選択的な作動/停止」、(xxxii)2002年6月26日出願の特許文献43、「注入ポンプ、分析物モニタ、分析物メータ、および/またはその他とのインタフェース接続のための通信ステーションおよびソフトウェア」、(xxxiii)2008年4月8日出願の特許文献44、タンク気泡管理を可能にするシステムおよび方法」、(xxxiv)2008年2月7日出願の特許文献45、「接着パッチシステムおよび方法」、(xxxv)2008年5月15日出願の特許文献46、「多腔型カテーテル」、(xxxvi)2008年4月11日出願の特許文献47、「タンクプランジャヘッドシステムおよび方法」、(xxxvii)2008年4月11日出願の特許文献48、「タンクバリヤ層システムおよび方法」、(xxxviii)2008年4月11日出願の特許文献49、「タンクシールリテーナシステムおよび方法」、(xxxix)2008年7月24日出願の特許文献50、「マトリクスタンパク質の生成・固定化方法とセンサに使用するためのマトリクスタンパク質」、(xl)2008年12月16日出願の特許文献51、「針挿入システムおよび方法」、(xli)2008年7月1日出願の特許文献52、「制御破壊のための電子機器」、(xlii)2008年11月14日出願の特許文献53、「多層回路素子および電気めっき犠牲構造を用いる製造方法」、(xliii)2008年7月11日出願の特許文献54、「針挿入器を備える注入媒体送達システム、装置、方法と、針挿入装置および方法」、(xliv)2008年8月8日出願の特許文献55、「パッケージングシステム」、(xlv)2008年7月24日出願の特許文献56、「実時間自動調節式校正アルゴリズム」、(xlvii)2008年11月24日出願の特許文献57、「針挿入器を備える注入媒体送達システム、装置、および方法と、針挿入装置および方法」、(xlviii)2008年9月16日出願の特許文献58、「埋込みセンサ方法およびシステム」、(xlix)2008年10月8日出願の特許文献59、「タンク内でプランジャを駆動するための駆動装置を備える注入媒体送達装置および方法」、(l)2009年1月26日出願の特許文献60、「タンクバリヤ層システムおよび方法」、(li)2008年12月29日出願の特許文献61、「タンクシールリテーナシステムおよび方法」、(lii)2009年1月13日出願の特許文献62、「タンクの充填および注入媒体の送達を可能にするシステムおよび方法」、(liii)2009年1月27日出願の特許文献63、「多位置注入セット装置およびプロセス」。他の実施形態では、システム10、送達装置12、検知装置14、CCD16、およびコンピュータ18が、他の適当な構成を有していてもよい。
【0061】
送達装置12は、利用患者7の身体5に流体媒体を送達するように構成されるとよい。様々な実施形態において、流体媒体は液体、流体、ゲル、またはその他を含むとよい。いくつかの実施形態において、流体媒体は、病気または健康状態を治療するための薬剤または薬品を含むとよい。例えば、流体媒体は糖尿病を治療するためのインシュリンを含むか、痛み、ガン、肺疾患、HIV、またはその他を治療するための薬品を含むとよい。いくつかの実施形態では、栄養補給剤、色素、追跡媒体、含塩媒体、水和媒体、またはその他を流体媒体が含むとよい。
【0062】
検知装置14は、センサデータまたはモニタデータを提供するためのセンサ、モニタ、またはその他を含むとよい。様々な実施形態では、利用患者7の状態を検知するように検知装置14が構成されるとよい。例えば、検知装置14は、電子機器と、利用患者7の血中グルコースレベル、その他などの生体状態に反応する酵素とを含むとよい。
【0063】
様々な実施形態では、利用患者7の身体5に送達装置12が固定された箇所から離れた箇所で、検知装置14が利用患者7の身体5に固定されるか利用患者7の身体5に埋め込まれるとよい。他の様々な実施形態では、検知装置14が送達装置12に組み込まれてもよい。他の実施形態では、検知装置14は送達装置から独立および離間しており、例えばCCD16の一部であるとよい。このような実施形態では、生体試料、分析物、またはその他を受け取って利用患者7の状態を測定するように検知装置14が構成されるとよい。
【0064】
別の実施形態において、検知装置14および/または送達装置12は閉ループシステムを利用するとよい。閉ループシステムを利用する検知装置および/または送達装置の例は、以下の引例に見られるが、これらに限定されるわけではない。(i)「電気化学センサおよびその完全性試験」の名称を持つ特許文献64、(ii)「外側表面の改良により寿命が延長された埋込み式酵素ベース監視システム」の名称を持つ特許文献65、(iii)「長期使用に適した埋込み式酵素ベース監視システム」の名称を持つ特許文献66、(iv)閉ループでの注入組成物送達のためのシステムおよび方法」の名称を持つ特許文献67、(v)「閉ループ注入ポンプ制御のための安全限度」の名称を持つ特許文献68、(vi)「センサ基板およびその製造方法」の名称を持つ特許文献69、(vii)「基板センサ」の名称で1999年7月22日に出願された特許文献70、(viii)「検知器具およびプロセス」の名称で2001年9月7日に出願された特許文献71。これらすべての内容全体が、参照により本願に援用される。
【0065】
このような実施形態では、限定的ではないが血中グルコースレベルまたはその他などの利用患者7の状態を検知するように、検知装置14が構成されるとよい。送達装置12は、検知装置14により検知された状態に応じて流体媒体を送達するように構成されるとよい。一方、検知装置14は利用患者の最新状態の検知を続けて、検知装置14により検知された最新状態に応じて送達装置12により流体媒体を期限なしで連続的に送達させるとよい。いくつかの実施形態では、一日の一部分のみ、例えば利用患者が睡眠中であるか覚醒中である時のみ閉ループシステムを利用するように、検知装置14および/または送達装置12が構成されてもよい。
【0066】
送達装置12、検知装置14、CCD16、およびコンピュータ18の各々は、システム10の他の構成要素との通信を可能にする送信用、受信用、または送受信用の電子機器を含むとよい。検知装置14は、センサデータまたはモニタデータを送達装置12に送信するように構成されるとよい。検知装置14はまた、CCD16と通信するように構成されるとよい。送達装置12は、センサデータを解析して、センサデータおよび/または予めプログラムされた送達ルーチンに基づいて利用患者7の身体5へ流体媒体を送達するように構成された電子機器およびソフトウェアを含むとよい。
【0067】
CCD16およびコンピュータ18は、処理、送達ルーチンの記憶を実施するとともに送達装置12を制御するように構成された電子機器および他の構成要素を含むとよい。CCD16および/またはコンピュータ18に制御機能を含めることにより、送達装置12がより単純な電子機器で構築されてもよい。しかし、いくつかの実施形態では、送達装置12がすべての制御機能を含んでもよく、CCD16およびコンピュータ18なしで作動してもよい。様々な実施形態では、CCD16は可搬電子機器でよい。様々な実施形態では、送達装置12および/または検知装置14は、CCD16および/またはコンピュータ18によるデータの表示または処理のためCCD16および/またはコンピュータ18へデータを送信するように構成されるとよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、検知装置14がCCD16に一体化されるとよい。このような実施形態では、例えば利用患者が自身の血液サンプルを検知装置14へ提供して自分の状態を評価することにより、利用患者が自分の状態を監視できるとよい。いくつかの実施形態において、検知装置14およびCCD16は、送達装置12と検知装置14および/またはCCD16との間の電線またはケーブル接続の使用または必要性を伴わずに利用患者の血中グルコースレベルおよび/または体液を判断するためのものであるとよい。
【0069】
いくつかの実施形態において、CCD16は、利用患者による薬品送達システムの次回使用を簡易化する情報を、利用患者に提供するためのものであるとよい。例えば、利用患者の身体へ投与される薬剤の速度または投与量を利用患者が判断できるようにする情報を、利用患者に提供するとよい。他の実施形態では、利用患者の身体に投与される薬剤の速度または投与量を制御する情報を、CCD16が送達装置12に提供するとよい。
【0070】
通信および/または制御能力のタイプ、さらに装置特徴集合および/またはプログラムオプションの例は、以下の引例に見られる。(i)「遠隔プログラミング、ボーラス推定量、および/または振動アラーム能力を備える外部注入装置」の名称で2003年5月27日に出願された特許文献72、(ii)「医療機器を備えるハンドヘルド携行情報端末(PDA)およびその使用方法」の名称で2003年5月5日に出願された特許文献73、(iii)「注入装置のための制御タブおよびその使用方法」の名称で2001年3月21日に出願された特許文献74。そのすべての内容全体が、参照により本願に援用される。
【0071】
図2は、本発明の実施形態によるシステム10の例を図示している。図2に図示された実施形態によるシステム10は、送達装置12と検知装置14とを含む。本発明の実施形態による送達装置12は、廃棄用ハウジング部分20と耐久性ハウジング部分30とタンクシステム40とを含むとよい。送達装置12はさらに、注入経路50を含むとよい。
【0072】
利用患者の身体と通常は接触しているか、送達装置12の動作中に流体媒体と通常は接触している送達装置12の要素は、送達装置12の廃棄用部分であると考えられるとよい。例えば、送達装置12の廃棄用部分は、廃棄用ハウジング部分20とタンクシステム40とを含むとよい。送達装置12の廃棄用部分は、指定の使用回数の後で処分されることが推奨される。
【0073】
他方、送達装置12の動作中に利用患者の身体または流体媒体と通常は接触していない送達装置12の要素は、送達装置12の耐久性部分であると考えられるとよい。例えば、送達装置12の耐久性部分は、耐久性ハウジング部分30、電子機器(図2では不図示)、モータおよび駆動リンク機構を有する駆動装置(図2では不図示)、およびその他を含むとよい。送達装置12の耐久性ハウジング部分の要素は一般的に、送達装置12の通常動作中に利用患者または流体媒体との接触により汚染されず、ゆえに交換された送達装置12の廃棄用部分との再利用のため保管されるとよい。
【0074】
様々な実施形態において、廃棄用ハウジング部分20はタンクシステム40を支持するとよく、利用患者の身体に固定されるような構成の底面(図2では紙面側の下向き)を有する。接着剤が廃棄用ハウジング部分20の底面と利用患者の皮膚との間の境界面に採用されて、廃棄用ハウジング部分20を利用患者の皮膚に接着するとよい。様々な実施形態では、廃棄用ハウジング部分20の底面に接着剤が設けられて、剥離カバー層が接着材料を被覆するとよい。このようにして、接着材料を露出させるためにカバー層が剥離され、廃棄用ハウジング部分20の接着剤側が利用患者、例えば利用患者の皮膚に載置されるとよい。ゆえに、いくつかの実施形態では、送達装置12が利用患者の皮膚に装着されるとよい。
【0075】
他の実施形態では、送達装置12の廃棄用ハウジング部分20および/または残り部分が着用されるか、利用患者の衣類またはその下に装着されるとよい。同様に、ベルト、ポケット、およびその他などの適当な方法によって送達装置12が支持されてもよいが、これらに限定されるわけではない。このような送達装置12の代表的な例および一般的な送達装置は、MiniMed Paradigm 522インシュリンポンプ、MiniMed Paradigm 722インシュリンポンプ、MiniMed Paradigm515インシュリンポンプ、MiniMed Paradigm715 インシュリンポンプ、MiniMed Paradigm 512Rインシュリンポンプ、MiniMed Paradigm 712Rインシュリンポンプ、MiniMed 508インシュリンポンプ、MiniMed 508Rインシュリンポンプ、および他にもこれらの派生物を含むとよいが、これらに限定されるわけではない。
【0076】
タンクシステム40は、限定的ではないがインシュリンなどの流体媒体を格納または保管するための構成を持つとよい。様々な実施形態において、円筒形空間、筒形空間、またはその他など、流体媒体を収容するための中空内部空間をタンクシステム40が含むとよいが、これらに限定されるわけではない。いくつかの実施形態では、流体媒体を格納するためのカートリッジまたはキャニスタとして、タンクシステム40が設けられてもよい。様々な実施形態では、流体媒体がタンクシステム40に再充填されるとよい。別の実施形態では、タンクシステム40に流体媒体が予め充填されている。
【0077】
タンクシステム40は、何らかの適当な方法で廃棄用ハウジング部分20に支持されるとよい。例えば、廃棄用ハウジング部分20は、タンクシステム40を保持するための突起部および支柱(不図示)または樋状の特徴(不図示)を備えるとよい。いくつかの実施形態では、タンクシステム40が廃棄用ハウジング部分20から取り外されて別のタンクと交換されるように、タンクシステム40が廃棄用ハウジング部分20によって支持されるとよい。代替的または付加的に、適当な接着剤、ストラップ、または他の結合構造により、タンクシステム40が廃棄用ハウジング部分20に固定されてもよい。
【0078】
様々な実施形態では、タンクシステム40の内部空間について流体媒体を流入および/または流出させるための少なくとも一つのポート41をタンクシステム40が含むとよい。いくつかの実施形態において、注入経路50は、コネクタ56とチューブ54と針器具52とを含むとよい。注入経路50のコネクタ56は、タンクシステム40のポート41へ接続可能であるとよい。様々な実施形態では、タンクシステム40のポート41について注入経路50のコネクタ56を選択的に接続および分断させるため、タンクシステム40のポート41の付近に開口部を備えるように廃棄用ハウジング部分20が構成されるとよい。
【0079】
様々な実施形態において、タンクシステム40のポート41は、自動密封隔壁またはその他などの隔壁(図2では不図示)で被覆されるか、これを支持するとよい。隔壁は、隔壁が穿刺されていない時には流体媒体がポート41を通ってタンクシステム40から流出するのを防止するように構成されるとよい。加えて、様々な実施形態では、タンクシステム40のポート41を被覆している隔壁を穿刺してタンクシステム40の内部空間から流体媒体を流出させるための針を、注入経路50のコネクタ56が含むとよい。
【0080】
針・隔壁コネクタの例は、特許文献81に見られ、その内容全体が参照により本願に援用される。他の代替例では、Luer Lockまたはその他などの非隔壁コネクタが使用されてもよい。様々な実施形態において、注入経路50の針器具52は、利用患者の皮膚を穿孔することのできる針を含むとよい。加えて、様々な実施形態においてチューブ54は、コネクタ56を針器具52と接続し、注入経路50がタンクシステム40から利用患者の身体への流体媒体の送達を可能にする経路となるように中空であるとよい。
【0081】
本発明の様々な実施形態による送達装置12の耐久性ハウジング部分30は、廃棄用ハウジング部分20と係合してこれに固定されるハウジングシェルを含む。耐久性ハウジング部分30および廃棄用ハウジング部分20は、二つのハウジングを一緒に手で押圧することにより、ねじりまたはねじ接続により、摩擦嵌め接続で、摺動接続で、および/または機械技術ではよく知られている他の適当な部品接続方法により二つの部品が容易に接続されるようにする対応形状の溝部、切欠き、凸状部、または他の適当な特徴を備えるとよい。
【0082】
様々な実施形態では、耐久性ハウジング部分30および廃棄用ハウジング部分20がねじり動作を用いて相互に接続されるとよい。耐久性ハウジング部分30および廃棄用ハウジング部分20は、二つのハウジングを相互に分断するのに十分な力が印加された時に相互に分離可能であるように構成されるとよい。例えば、いくつかの実施形態では、廃棄用ハウジング部分20および耐久性ハウジング部分30が摩擦嵌めにより一緒にスナップ結合されるとよい。様々な実施形態では、Oリングシールなど適当なシールが耐久性ハウジング部分30および/または廃棄用ハウジング部分20の周縁エッジに沿って載置されて、耐久性ハウジング部分30と廃棄用ハウジング部分20との間への水の浸入に対するシールとなるとよい。
【0083】
送達装置12の耐久性ハウジング部分30は、モータと駆動装置リンク機構部分とを含むとよい駆動装置(図2では不図示)を支持するとよい。駆動装置は、タンクシステム40内の流体媒体に力を印加して、利用患者への送達のため流体媒体を注入経路50などの注入経路へタンクシステム40から押入するように構成されるとよい。例えば、いくつかの実施形態では、タンクシステム40に配設されたプランジャヘッド(図6A〜6C参照)に接続されたプランジャアーム(図6A〜6C参照)にモータ84を動作結合するための適切なリンク機構を備える電動モータ84(図5Bおよび5C参照)が、耐久性ハウジング部分30に取り付けられるとよい。電動モータは、タンクシステム40のポート41から利用患者へ流体媒体を押入する方向にプランジャヘッドを駆動するように構成されるとよい。
【0084】
また、いくつかの実施形態では、プランジャアーム60およびプランジャヘッドを移動させる方向を逆転させて患者からタンクシステム40へ流体が吸引されるようにモータ84が制御可能であってもよい。モータ84は耐久性ハウジング部分30に配設されるとよく、これに対応して廃棄用ハウジング部分20にタンクシステム40が配設されるとよいため、利用患者が送達装置12の耐久性ハウジング部分30を廃棄用ハウジング部分20と接続すると、適切なリンク機構を通したモータ84とプランジャヘッドとの動作嵌合が自動的に行われる。リンク機構および制御構造の別の例は、限定的ではないが、特許文献74、特許文献1、「分離可能な耐久性ハウジング部分に駆動装置を備える注入装置および方法」の名称で2005年8月23日に出願された特許文献75、「注入装置のためのポンプアセンブリおよび方法」の名称で2005年8月23日に出願された特許文献76、「注入装置のためのタンク支持体および方法」の名称で2005年8月23日に出願された特許文献77、「注入ポンプの流体圧力および力の検出のための方法、器具、および使用」の名称で2001年3月27日に出願された特許文献78に見られ、これらすべての内容全体が参照により本願に援用される。
【0085】
様々な実施形態において、耐久性ハウジング部分30と廃棄用ハウジング部分20とは、形状は保つが上述のように効果的な相互接続および分断に充分な可撓性および弾性を提供する適当な剛性材料で製作されるとよい。廃棄用ハウジング部分20の材料は、皮膚との適当な適合性について選択されるとよい。例えば、送達装置12の廃棄用ハウジング部分20および耐久性ハウジング部分30は、適当なプラスチック、金属、複合材料、またはその他で製作されるとよい。廃棄用ハウジング部分20は、耐久性ハウジング部分30と同じタイプの材料または異なる材料で製作されるとよい。いくつかの実施形態では、廃棄用ハウジング部分20および耐久性ハウジング部分30は射出成型または他の成型プロセス、機械加工プロセス、またはその組合せにより製造されるとよい。
【0086】
例えば、廃棄用ハウジング部分20は、可撓性のシリコン、プラスチック、ゴム、合成ゴム、またはその他など、比較的可撓性を持つ材料で製作されるとよい。利用患者の皮膚とともに撓曲することが可能な材料で廃棄用ハウジング部分20を形成することにより、利用患者の皮膚に廃棄用ハウジング部分20が固定された時に、より高いレベルの利用患者快適性が達成されるとよい。加えて、可撓性の廃棄用ハウジング部分20は、廃棄用ハウジング部分20が固定される利用患者の身体上の部位の選択肢を広げる結果を招くとよい。
【0087】
図2に図示された実施形態では、送達装置12は検知装置14の接続要素17を通して検知装置14に接続される。検知装置14は、送達装置12により行われる治療の性質に応じて、適当な生体または環境検知装置を含むセンサ15を含むとよい。例えば、糖尿病患者へインシュリンを送達するという状況では、センサ15は血中グルコースセンサまたはその他を含むとよい。
【0088】
いくつかの実施形態において、センサ15は連続的グルコースセンサを含むとよい。連続的グルコースセンサは、利用患者の身体に埋込み可能であるとよい。他の実施形態では、連続的グルコースセンサは外部に、例えば利用患者の皮膚に配置されるか、利用患者の衣類に装着されるとよい。このような実施形態では、流体が利用患者から連続的に吸引されて連続的グルコースセンサにより検知されるとよい。様々な実施形態において、連続的グルコースセンサは、CCD16を連続的に検知する、および/またはこれと通信するように構成されるとよい。他の実施形態では、CCD16を断続的に検知する、および/またはこれと通信する、例えばグルコースレベルを検知して数分ごとに情報を送信するように連続的グルコースセンサが構成されるとよい。様々な実施形態において、連続的グルコースセンサはグルコースオキシダーゼを利用するとよい。
【0089】
センサ15は、利用患者の皮膚に固定される外部センサであるか、他の実施形態では利用患者の身体の埋込み部位に配置される埋込みセンサでもよい。別の代替例では、例えば、内容全体が参照により本願に援用される2005年6月8日出願で「二重挿入セット」という名称の特許文献85に示されているものなど、注入カニューレおよび/または針の一部として、またはこれらとともに、センサが含まれるとよい。図2に図示された例において、センサ15は、利用患者の皮膚を穿刺するための針を含む廃棄用針パッドと、利用患者の血中グルコースレベルまたはその他などの生体状態に反応する酵素および/または電子機器とを有する外部センサである。このようにして、送達装置12が利用患者に固定される箇所から離れた部位で利用患者に固定されるセンサ15からのセンサデータが、送達装置12に提供されるとよい。
【0090】
図2に示された実施形態は、送達装置12の耐久性ハウジング部分30に配置されたセンサ電子機器(図2では不図示)にセンサデータを提供するため接続要素17により接続されるセンサ15を含むが、他の実施形態では送達装置12内に配置されるセンサ15を採用してもよい。その他の実施形態では、送達装置12の耐久性ハウジング部分30に配置される受信用電子機器(図2では不図示)と無線通信リンクによりセンサデータを通信するための送信器を有するセンサ15を採用してもよい。様々な実施形態では、センサ15と送達装置12の耐久性ハウジング部分30内の受信用電子機器との間の無線接続は、高周波(RF)接続、光学接続、または他の適当な無線通信リンクを含むとよい。別の実施形態では検知装置14を採用する必要がなく、代わりにセンサデータを使用しない流体媒体送達機能を提供するとよい。
【0091】
上述したように、送達装置12の廃棄用要素を耐久性要素から分離することにより、廃棄用要素は廃棄用ハウジング部分20に配設されるのに対して、耐久性要素は分離可能な耐久性ハウジング部分30に配設されるとよい。これに関して、規定回数の送達装置12の使用後に、廃棄用ハウジング部分20が妥当な方法で処分されるように、廃棄用ハウジング部分20が耐久性ハウジング部分30から分離されるとよい。次に、利用患者による別の送達操作のため、耐久性ハウジング部分30が新品(未使用)の廃棄用ハウジング部分20と係合されるとよい。
【0092】
図3は、本発明の別の実施形態による送達装置12の例を図示している。図3の実施形態の送達装置12は、図2の実施形態の送達装置12に類似している。図2に図示された実施形態の送達装置12では、耐久性ハウジング部分30がタンクシステム40を被覆するようになっているが、図3の実施形態の送達装置12では、耐久性ハウジング部分30がタンクシステム40を被覆せずに廃棄用ハウジング部分20に固定されるようになっている。図3に図示された実施形態の送達装置12は廃棄用ハウジング部分20を含み、図3に図示された実施形態による廃棄用ハウジング部分20は、ベース部分21とタンク保持部分24とを含む。一実施形態では、ベース部分21およびタンク保持部分24は単一の一体的構造として形成されるとよい。
【0093】
廃棄用ハウジング部分20のベース部分21は、利用患者の身体に固定可能であるように構成されるとよい。廃棄用ハウジング部分20のタンク保持部分24は、タンクシステム40を収納するように構成されている。廃棄用ハウジング部分20のタンク保持部分24は、タンクシステム40がタンク保持部分24に収納された状態でタンク保持部分24の外側からタンクシステム40のポート41にアクセスできるようにする開口部を有する構成を持つとよい。耐久性ハウジング部分30は、廃棄用ハウジング部分20のベース部分21について装着可能であるとともに取外し可能であるように構成されるとよい。図3に図示された実施形態の送達装置12は、タンクシステム40内のプランジャヘッド(図3では不図示)に接続されるか接続可能であるプランジャアーム60を含む。
【0094】
図4は、図3の実施形態の送達装置12の別の図を図示している。図4に図示された実施形態の送達装置12は、廃棄用ハウジング部分20と耐久性ハウジング部分30と注入経路50とを含む。図4の実施形態の廃棄用ハウジング部分20は、ベース部分21とタンク保持部分24と剥離カバー層25とを含む。剥離カバー層25は、ベース部分21の底面22にある接着材料を被覆するとよい。ベース部分21の底面22の接着材料を露出させるように利用患者によって剥離可能な構成を剥離カバー層25が持つとよい。いくつかの実施形態では、剥離層により分離されるベース部分21の底面22に、多数の接着層が設けられてもよい。
【0095】
図4に図示された本発明の実施形態による注入経路50は、図2の実施形態に示されたコネクタ56とチューブ54と針器具52ではなく、針58を含む。廃棄用ハウジング部分20のベース部分21は、延出時に針58がベース部分21を通ってベース部分21の下にある利用患者の皮膚に達するように針58の先端との整合状態にある開口部または穿刺可能な壁を備えるとよい。このようにして、利用患者の皮膚を穿刺して利用患者に流体媒体を送達するのに針58が使用されるとよい。
【0096】
代替的に、利用患者の皮膚を針58で穿刺する際に中空カニューレの端部が針58により利用患者の皮膚内を案内されるように、中空カニューレ(図4では不図示)内に針58が延出してもよい。その後、針58が取り外され、カニューレの一端部が利用患者の身体内に配置されてカニューレの他端部がタンクシステム40内の流体媒体と流体流通している状態で、中空カニューレが定位置に残されるとよい。こうして、タンクシステム40から利用患者の身体へ流体媒体が搬送されるとよい。
【0097】
図5Aは、本発明の実施形態による送達装置12(例えば図3)の耐久性部分8を図示している。図5Bは、本発明の実施形態による耐久性部分8の断面図を図示している。図5Cは、本発明の実施形態による耐久性部分8の別の断面図を図示している。図5A,5B,5Cを参照すると、様々な実施形態において耐久性部分8は、耐久性ハウジング部分30と駆動装置80とを含むとよい。駆動装置80は、モータ84と駆動装置リンク機構部分82とを含むとよい。
【0098】
様々な実施形態では、モータ84、駆動装置リンク機構部分82、他の電子回路網、および電源(図5A,5B,5Cでは不図示)を収納するための内部空間を耐久性ハウジング部分30が含むとよい。加えて、様々な実施形態において耐久性ハウジング部分30は、プランジャアーム60(図3を参照)を収容するための開口部32を備えるように構成されるとよい。加えて、様々な実施形態では、廃棄用ハウジング部分20(例えば図3)のベース部分21との接続のための凸状部、挿入孔、またはその他など、一つ以上の接続部材34を耐久性ハウジング部分30が含むとよい。
【0099】
図6Aは、本発明の実施形態による送達装置12(例えば図3)の廃棄用部分9を図示している。図6Bは、本発明の実施形態による廃棄用部分9の断面図を図示している。図6Cは、本発明の実施形態による廃棄用部分9の別の断面図を図示している。図6A,6B,6Cを参照すると、様々な実施形態において、廃棄用部分9は廃棄用ハウジング部分20とタンクシステム40とプランジャアーム60とプランジャヘッド70とを含む。プランジャヘッド70は、ブロモブチルゴム、シリコンゴム、または他の適当な材料および/またはその誘導体で製作されるとよい。いくつかの実施形態では、ベース部分21とタンク保持部分24とを廃棄用ハウジング部分20が含むとよい。様々な実施形態では、耐久性ハウジング部分30の実施形態の一つ以上の接続部材34(例えば図5B)との接続を可能にするための凸状部、溝部、またはその他などの一つ以上の接続部材26を有する上面23を、ベース部分21が含むとよい。
【0100】
様々な実施形態では、廃棄用ハウジング部分20のタンク保持部分24にタンクシステム40が収納されるとよく、タンクシステム40は流体媒体を保持するように構成されるとよい。加えて、様々な実施形態では、プランジャヘッド70の少なくとも一部分がタンクシステム40の中に配置されて、流体媒体をタンクシステム40に充填するとともに流体媒体をタンクシステム40から流出させるようにタンクシステム40内で移動可能であるとよい。いくつかの実施形態では、プランジャアーム60がプランジャヘッド70に接続されるとよいか、接続可能である。
【0101】
また、いくつかの実施形態では、プランジャアーム60の一部分が廃棄用ハウジング部分20のタンク保持部分24の外側まで延出しているとよい。様々な実施形態では、駆動装置80の駆動装置リンク機構部分82(例えば図5C)と係合するための係合部分をプランジャアーム60が有するとよい。図5Cおよび6Cを参照すると、いくつかの実施形態では、耐久性ハウジング部分30が廃棄用ハウジング部分20にスナップ嵌めされると、駆動装置リンク機構部分82がプランジャアーム60の係合部分と自動的に嵌合する。
【0102】
駆動装置リンク機構部分82がプランジャアーム60と嵌合または係合した状態で耐久性ハウジング部分30と廃棄用ハウジング部分20とが一緒に嵌着すると、駆動装置リンク機構部分82を駆動するようにモータ84が制御されるとよい。こうして、プランジャアーム60が移動してプランジャヘッド70をタンクシステム40内で移動させるとよい。タンクシステム40の内部空間に流体媒体が充分に充填されてタンクシステム40から利用患者の身体への注入経路が設けられると、プランジャヘッド70がタンクシステム40内で移動し、注入経路を介してタンクシステム40から利用患者へ流体媒体を流入させる。
【0103】
様々な実施形態では、タンクシステム40が充分に空になってしまうかあるいは交換を必要とする際に、利用患者は、耐久性ハウジング部分30を廃棄用ハウジング部分20から取り外して、タンクシステム40を含む廃棄用部分9を、新品タンクを有する新品の廃棄用部分と交換するだけでよい。耐久性ハウジング部分30は新品廃棄用部分の新品廃棄用ハウジングに接続されるとよく、新品廃棄用部分を含む送達装置が利用患者の皮膚に固定されるか、他の形で利用患者に装着されるとよい。
【0104】
他の様々な実施形態では、タンクシステム40が空になるたびに廃棄用部分9全体を交換するのでなく、タンクシステム40に流体媒体が再充填されてもよい。いくつかの実施形態では、廃棄用ハウジング部分20のタンク保持部分24(例えば図6B)に残されたままでタンクシステム40が再充填されるとよい。加えて様々な実施形態では、タンクシステム40が新品タンク(不図示)と交換されるのに対して、廃棄用ハウジング部分20は新品タンクとともに再利用されるとよい。このような実施形態では、廃棄用部分9に新品タンクが挿入されるとよい。
【0105】
図3,5A,6B,6Cを参照すると、様々な実施形態において、送達システム12はタンクステータス回路網(不図示)を含むとよく、タンクシステム40はタンク回路網(不図示)を含むとよい。様々な実施形態では、(i)タンクシステム40を特定する識別ストリング、(ii)タンクシステム40の製造者、(iii)タンクシステム40の内容物、(iv)タンクシステム40の内容量、またはその他のうち少なくとも一つなどの情報をタンク回路網が格納するが、これらに限定されるわけではない。いくつかの実施形態では、送達装置12がタンクステータス回路網を含むとよく、タンクステータス回路網は、タンクシステム40が廃棄用部分9に挿入された時にタンク回路網からのデータを読み取るように構成されるとよい。
【0106】
様々な実施形態において、タンクステータス回路網はさらに、タンクシステム40の内容物の少なくとも一部がタンクシステム40から移送された後でタンク回路網にデータを格納して、タンク回路網の情報を更新するように構成されるとよい。このような情報は、タンクシステム40に残っている流体媒体の量、すでに送達された流体媒体の量、プランジャヘッド60の位置、タンクシステム内の圧力、またはその他に関連しているとよいが、これらに限定されるわけではない。
【0107】
いくつかの実施形態において、廃棄用部分9にタンクシステム40が挿入された時にタンク回路網にデータを格納してタンクシステム40に残っている内容量に関するタンク回路網の情報を更新するように、タンクステータス回路網が構成されるとよい。いくつかの実施形態において、送達装置12はタンクステータス回路網を含むとよく、タンクシステム40はタンク回路網を含むとよく、タンクステータス回路網は、タンク回路網からタンクステータス回路網により読み取られた情報に基づいて、送達装置12の使用を選択的に阻止するか、警告信号を選択的に提供するとよい。
【0108】
図7〜19は、本発明の様々な実施形態による医療機器システムの第1ハウジング部分と第2ハウジング部分とを接続するための接続構造の様々な例を図示している。図7〜19の医療機器システムは、開示全体にわたって記載される医療機器システムに類似した特徴を含むか、開示全体にわたって記載される医療機器(例えば図1〜6Cの送達装置12)の実施形態として採用されるとよい。医療機器システムは、図1〜6Cの実施形態に類似するかこれに使用される特徴を含むとよいが、医療機器システムは、図20〜36の実施形態で図示および説明されるものと同じ特徴のいくつかまたはすべても含み、これと類似した方法で作動することが理解されるべきである。加えて、図1〜6Cおよび20〜36に示された特徴のいくつかまたはすべてが様々な手法で組み合わされ、図7〜19に示された実施形態に含まれてもよい。同様に、図7〜19の実施形態の特徴のいずれかが図7〜19の他の実施形態のいずれか、そして上記の他の実施形態のいずれかと組み合わされるか、さもなければこれに取り入れられてもよいことが理解されるべきである。
【0109】
様々な実施形態において、廃棄用ハウジング部分(例えば図3の20)を有する医療機器システム100は、例えば、ベース部分21の底面に設けられる上述のものなどの接着材料により利用患者の皮膚に固定され得るベース部分21を備えるとよいが、これらに限定されるわけではない。この構成は、図7に側面図で概略表示されている。このような構成では、廃棄用ハウジング部分20のベース部分21の底面(つまり皮膚側の表面)に接着材料101が設けられるとよい。図2,3,7を参照すると、ベース部分21および廃棄用ハウジング部分20と嵌合してこれに接続されるように廃棄用ハウジング部分20のベース部分21に配設される構成を耐久性ハウジング部分30が持つとよい。このような構成では、廃棄用ハウジング部分20のベース部分21のみが利用患者の皮膚と接触したままとなるように、耐久性ハウジング部分30と利用患者の皮膚との間にベース部分21が配置されるとよい。
【0110】
しかし、他の実施形態では、医療機器システム110の耐久性ハウジング部分30および廃棄用ハウジング部分20が、例えば図8に表示されているような並置構成で相互に嵌合するように構成されるとよい。図8の並置構成では、耐久性ハウジング部分30および廃棄用ハウジング部分20の一方または両方が、(図3に示されたような剥離カバー層25を含むか含まない)接着材料101を有するベースを備えるとよい。
【0111】
例えば図9に表示されているまた別の実施形態では、医療機器システム120の耐久性ハウジング部分30および廃棄用ハウジング部分20の一方または両方が、別のベース部材21'について装着可能かつ取外し可能であるとよい。耐久性ハウジング部分30、廃棄用ハウジング部分20、およびベース部材21'の何らかの組合せ、またはこれらすべてを接続するために、上述したような適当な接続構造が採用されるとよい。別のベース部材21'は、プラスチック、金属、セラミック、複合材料、またはその他を限定的でなく含む適当な剛性材料で製作されたほぼ平坦なプレート状構造を含むとよい。ベース部材21'は、廃棄用ハウジング部分20および耐久性ハウジング部分30が装着されるかさもなければ動作嵌合される表面(つまり図9の上向き表面)を有するとよい。ベース部材21'は、ベース部材21'が利用患者の皮膚に固定されるようにここで説明する接着材料および剥離カバーフィルムが塗着される第2表面(つまり図9の下向き表面)を有するとよい。
【0112】
いくつかの実施形態において、ベース部材21'は、ここで説明される針挿入装置25を含むとよい。このような実施形態では、利用患者の皮膚にベース部材21'が固定されるとよい。次に針挿入装置25が起動されて中空針またはカニューレを利用患者の皮膚へ挿入する。それから中空針またはカニューレが挿入された後、耐久性ハウジング部分30および廃棄用ハウジング部分20がベース部材21'に装着されて、中空針またはカニューレとの流体連通状態でタンクシステム40(例えば図1〜6C)に接続される。
【0113】
いくつかの実施形態において、耐久性ハウジング部分30および廃棄用ハウジング部分20は、これらハウジング部分がベース部材21'に装着される前に、例えば上述の方法で一緒に接続されるとよい。別の実施形態では、耐久性ハウジング部分30と廃棄用ハウジング部分20とが一緒に接続される前に、耐久性ハウジング部分30と廃棄用ハウジング部分20の一方がベース部材21'に装着されてもよい。このような別の実施形態では、耐久性ハウジング部分30と廃棄用ハウジング部分20とが一緒に接続される前か後に、廃棄用ハウジング部分20がベース部材21'に装着された後で、針挿入装置が起動されて中空針またはカニューレを利用患者の皮膚に挿入するとよい。
【0114】
いくつかの実施形態では、針挿入装置と整合する(または別の開口部と整合する)開口部32をベース部材21'が有するとよい。このような実施形態では、利用患者の皮膚にベース部材21'が固定されるとよい。それから、耐久性ハウジング部分30と廃棄用ハウジング部分20とが一緒に接続される前または後に、廃棄用ハウジング部分20がベース部材21'に装着されるとよい。廃棄用ハウジング部分20がベース部材21'に装着されると、耐久性および廃棄用ハウジング部分が一緒に接続される前と後のいずれかに、針挿入装置が起動されて中空の針またはカニューレを利用患者の皮膚へ挿入する。開示全体にわたって説明される他の針/カニューレ挿入具が、限定ではないが前述のような針および/またはカニューレを挿入するのに使用される(または使用のため変形される)とよい。
【0115】
いくつかの実施形態では、図10に示されているように、注射部位モジュール103が医療機器システム130の廃棄用ハウジング部分20の外部に設けられるが、導管102を通して廃棄用ハウジング部分20に接続されるとよい。外部の注射部位モジュール103は、針またはカニューレ注入装置構造と、このような注入装置またはその他が起動されるようにするオペレータまたは開口部(例えば図9の開口部32)とを含むとよい。代替的または付加的に、各々が本発明の譲受人に譲渡されてその内容全体が参照により本願に援用される、「皮下注入セット」の名称で2003年11月10日に出願された特許文献79および/または「多位置注入セット装置およびプロセス」の名称で2004年12月3日に出願された特許文献80に説明または言及されているような注入セットなどの注入セットを、注射部位モジュール103が限定的でなく含むとよい。
【0116】
注射部位モジュール103を廃棄用ハウジング部分20と接続する導管102は、限定的ではないがプラスチック、シリコン、ポリマー、またはその他で製作された可撓性チューブなどの流体流路を有する適当なチューブ類構造であればよい。チューブ類を利用患者の皮膚に固定するため、前述のような接着材料などの接着材料が、チューブ類構造(またはチューブ類構造と利用患者の皮膚との間)に設けられるとよい。注射部位モジュール103を利用患者の皮膚に固定するため、前述したような接着材料などの接着材料が注射部位モジュール103(または注射部位モジュール103と利用患者の皮膚との間)に設けられてもよい。注射部位モジュール103を廃棄用ハウジング部分20の外部に配置することにより、廃棄用ハウジング部分20および耐久性ハウジング部分30が衣類、ベルト、サスペンダー、または他の服飾品にクリップ留めされるか、服飾品のポケットに保管されるか利用患者の財布またはその他に入れられて携行されるとよい。
【0117】
いくつかの実施形態では、廃棄用ハウジング部分20の中のタンクシステム40(例えば図1〜6C)との流体連通状態で、導管102が廃棄用ハウジング部分20に一端部で固着されるとよい。上述したような中空の針またはカニューレとの流体連通状態での接続のため、導管102は第2端部において注射部位モジュール103に固着されるとよい。
【0118】
別の実施形態において、導管102の両端部の一方または両方は、廃棄用ハウジング部分20および/または注射部位モジュール103に対して導管102の両端部が流体連通状態で選択的に接続されるか選択的に分断されるようにする適当な接続構造を含むとよい。このようなコネクタは、中空針および隔壁、ルアコネクタ、または他の適当な流体連通接続を包含するとよい。このような実施形態では、例えば、注射部位モジュール103を定位置に残したままで注射部位モジュール103または廃棄用ハウジング部分20から導管102の両端部の一方を分断することにより、廃棄用ハウジング部分20および耐久性ハウジング部分30が注射部位モジュール103から分断されるとよい。こうして、利用患者は、針またはカニューレを引き抜き、その後で操作を再開するため針またはカニューレを挿入する必要がない。このようにして、シャワー、入浴、水泳、または他の活動を利用患者が行うことが可能でありながら、例えばこのような活動の終了後に廃棄用ハウジング部分20を注射部位モジュール103に容易に再接続することが可能となるように、利用患者は廃棄用ハウジング部分20と耐久性ハウジング部分30とを容易に分断して取り外すことができる。コネクタの例は、2003年12月22日に「タンクコネクタ」の名称で出願された特許文献81と、1996年8月13日に「薬剤注入システムのための簡易接続継手」の名称で出願された特許文献82に見られ、その両方の内容全体が参照により本願に援用される。他の代替例では、ルアロック、または他の適当な流体連通コネクタなど、異なるコネクタが使用されてもよい。
【0119】
いくつかの実施形態では、図11に示されているように、注射部位モジュール103が医療機器システム140の廃棄用ハウジング部分20と直接に接続されるとよい。このような実施形態では、前述のように廃棄用ハウジング部分20のタンクシステム40(例えば図1〜6C)と中空針またはカニューレとの間の流体連通のため、廃棄用ハウジング部分20を通って注射部位モジュール103へ一つ以上の適当な流体流路が設けられる。加えて、このような実施形態では、注射部位モジュール103および廃棄用ハウジング部分20が相互に選択的に接続および分断されるようにする係合接続構造を、注射部位モジュール103と廃棄用ハウジング部分20とが含むとよい。
【0120】
注射部位モジュール103を廃棄用ハウジング部分20と直接に接続するための係合構成の様々な例が、図12〜19を参照して説明される。図12〜14は、廃棄用ハウジング部分20の対応数の収容部に収容される構成を持つ少なくとも一つ(例えば図12では二つ)の突出嵌合つめ174を注射部位モジュール103が含むとよい医療機器システム150の構成例を示している。つめ174および収容部は例えば、内容全体が参照により本願に援用される2006年8月23日出願で「注入ポンプおよび方法とこれを備える送達装置および方法」という名称の特許文献83に記載のつめ74および収容部76に類似しているとよい。他の実施形態では、廃棄用ハウジング部分20につめ174が配置されているのに対して、注射部位モジュール103には対応の収容部が配置されるとよい。また別の実施形態では、廃棄用ハウジング部分20および注射部位モジュール103の各々が、一つ以上のつめ174および一つ以上の収容部を含むとよい。
【0121】
つめ174および収容部は、廃棄用ハウジング部分20と注射部位モジュール103とが接合される際に利用患者がつめ174を収容部へ手で摺動させるような構成を持つとよい。つめ174を対応の収容部に摺動挿入することにより、注射部位モジュール103が廃棄用ハウジング部分20に固定されるとよい。つめ174が収容部に完全に収容された時に収容部とともにスナップ嵌めを成す成形部分またはヘッドを、つめ174が含むとよい。廃棄用ハウジング部分20および注射部位モジュール103を相互に離間させてつめ174を収容部から外すのに充分な力を印加することによって利用患者が廃棄用ハウジング部分20を注射部位モジュール103から分離するのに充分な可撓性を持つ構成を、つめ174が持つとよい。図12〜14の実施形態では、上述したように廃棄用ハウジング部分20の延出ベース部分21に代わる、操作中に利用患者の皮膚に固定されるベース450に、注射部位モジュール103が装着されるかこれを含むとよい。ベース450は、廃棄用ハウジング部分20のベース部分21(またはここで説明する他のベース)に関して説明されたような接着材料を含むとよい。
【0122】
図14に示されているように図12〜14の実施形態は、廃棄用ハウジング部分20と耐久性ハウジング部分30とベース450上の注射部位モジュール103とを含む、大まかに三つの部品で形成されるとよい。耐久性ハウジング部分30および廃棄用ハウジング部分20は一緒に固定され(例えば図12)、合体接続された廃棄用および耐久性ハウジング部分は、注射部位モジュール103およびベース450に固定されるとよい。いくつかの実施形態では、合体接続された廃棄用および耐久性ハウジング部分が注射部位モジュール103およびベース450に固定される前に、ベース450が利用患者の皮膚に固定されるとよい。別の実施形態では、ベース450が利用患者の皮膚に固定される前に、合体接続された廃棄用および耐久性ハウジング部分が注射部位モジュール103およびベース450に固定されるとよい。
【0123】
医療機器システム160の接続構造の例が図15および16を参照して説明されるが、注射部位モジュール103は、廃棄用ハウジング部分20の対応の成形開口部または収容部に収容される構成を持つ成形ヘッド452を含むとよい。成形ヘッド452は、図15に示されているように廃棄用ハウジング部分20が第1整合位置で注射部位モジュール103に対して整合された場合にヘッド452が収容部に収容されるようにする形状を持つ構成であるとよい。
【0124】
図16に示されているように、成形ヘッド452はさらに、ヘッド452が収容部に収容された状態で廃棄用ハウジング部分20が注射部位モジュール103に対して第2整合位置まで回転可能であるような構成を持つとよい。廃棄用ハウジング部分20が第1整合位置(例えば図15)にある時にヘッド452が収容部に自由に収容され、またここから取り外されるが、廃棄用ハウジング部分20が第2整合位置(例えば図16)にある場合にはヘッド452と当接して収容部からのヘッド452の分離を阻止するように、廃棄用ハウジング部分20の収容部が形成されるとよい。こうして、廃棄用ハウジング部分20が第2整合位置にある場合には、注射部位モジュール103からの廃棄用ハウジング部分20の分離が阻止されるとよい。
【0125】
医療機器システム170の接続構造の例が図17〜19を参照して説明されるが、医療機器システム170は、三つの部品、つまり耐久性ハウジング部分30と廃棄用ハウジング部分20とベース456とを包含するとよい。ベース456の成形収容部454は、廃棄用ハウジング部分20の対応形状コネクタ部材を収容するように構成されるとよい。注射部位モジュール103は、廃棄用ハウジング部分20と一体的に形成されるとよい。図17に示されているように廃棄用ハウジング部分20がベース456および収容部454に対して第1整合位置で整合された場合に注射部位モジュール103のコネクタ部材が収容部454と嵌合するような形状で、成形収容部454が構成されるとよい。
【0126】
図7〜19に戻ると、成形収容部454はさらに、図18に示されているように収容部454が第2整合位置までコネクタ部に嵌合した場合に廃棄用ハウジング部分20がベース456および収容部454に対して回転するような構成を持つとよい。図7〜19を参照すると、廃棄用ハウジング部分20が第1整合位置(例えば図17)にある場合にはコネクタ部材を収容部454と自由嵌合させるが、廃棄用ハウジング部分20が第2整合位置(例えば図18)にある場合には収容部454にロックされるが収容部からのコネクタ部材の分離を阻止するような形状を、廃棄用ハウジング部分20の収容部454およびコネクタ部材が持つとよい。こうして、廃棄用ハウジング部分20が第2整合位置にある場合に、注射部位モジュール103からの廃棄用ハウジング部分20の分離が阻止されるとよい。
【0127】
収容部454および接続部材は、二つの構造の嵌合および一方向の相対回転時に二つの構造を一緒に接続するが、第1方向と反対の第2方向における二つの構造の相対回転により二つの構造が解離されて嵌合構成から分離されるようにするための、周知の適当な回転接続構造を含むとよい。前述のように廃棄用ハウジング部分20とベース456とが接続されるとこれらの部品の間の相対移動を阻止するため、ロック凸状部、つめ、またはその他などの動作阻止構造が設けられるとよい。
【0128】
図19に示されているように、図17〜19の実施形態は、廃棄用ハウジング部分20と耐久性ハウジング部分30とベース456上の注射部位モジュール103とを含む、大まかに三つの部分で形成されるとよい。耐久性ハウジング部分30と廃棄用ハウジング部分20とは一緒に固定されて(例えば図17)、合体接続後の廃棄用および耐久性ハウジング部分がベース456に固定されるとよい。一実施形態では、合体接続後の廃棄用および耐久性ハウジング部分がベース456に固定される前にベース456が利用患者の皮膚に固定されてもよい。別の実施形態では、ベース456が利用患者の皮膚に固定される前に合体接続後の廃棄用および耐久性ハウジング部分がベース456に固定されてもよい。
【0129】
図7〜19を参照すると、上述した多数の実施形態の様々な態様が単独または組合せで採用されるとよい。部位別送達システムが廃棄用部分と非廃棄用部分とを含む二つの部品で製作される記載の様々な実施形態およびその組合せから、大きな長所が得られる。廃棄用部分は、タンク本体、タンクピストン、隔壁システム、および/または注射針など注入媒体と直接に接触しているすべての材料を格納するとよい。非廃棄用部分は、駆動システム、圧力・力検出システム(および/または他の検知システム)、バッテリ、電子機器、ディスプレイ、および/または非廃棄用ハウジングを含めて、薬剤と接触しない材料を実質的に格納する。
【0130】
(未使用の新品であるか、利用者充填、事前充填、再手入れ、再製造、または再充填されたタンクシステム40(例えば図1〜6C)を備える)廃棄用部分が非廃棄用部分へ挿入されるように、ポンプが設計されるとよい。送達装置の廃棄用部分が交換される方法を単純化することによって、また廃棄用部分の交換後に送達装置が再起動される方法を単純化することによって、より多くの利用患者がこのような送達装置を使用してこれから恩恵を受けることが可能であろう。
【0131】
加えて、上述した実施形態は、廃棄用ハウジング部分20または注射部位モジュール103に配置された注射部位を含むが、他の実施形態では耐久性ハウジング部分30に配置された注射部位を採用してもよい。注射部位は、耐久性ハウジング部分30と廃棄用ハウジング部分20とが嵌合した時に、適当な流体流路を通して廃棄用ハウジング部分20のタンクシステム40に接続されるとよい。
【0132】
加えて、タンクから利用患者へ注入媒体を送達するための送達装置に関する実施形態を上で説明したが、利用患者(または他の流体源)から流体媒体を吸引してこの流体媒体をタンクへ移送するように他の実施形態が機能してもよい。このような他の実施形態は、(タンクの流体保持空間を増大させるため)タンクの隔壁端部からピストンプランジャを選択的に離間させて中空針またはカニューレが固定された利用患者(または他の流体源)から流体を吸引するのに十分な負圧を発生させるように駆動装置を作動させることにより機能してもよい。
【0133】
加えて、上述した実施形態のいずれかにおいて、廃棄用ハウジング部分20および耐久性ハウジング部分30の一方または両方(および/または別のベース部分21',450,456または別の注射部位モジュール103)は、力センサまたはその他などのセンサ(不図示)、あるいは一つ以上の構成要素の正しい配置または嵌合を検知するための他の適当な検知装置を含むとよい。このような実施形態において、別の電子機器が駆動装置の動作を制御して、構成要素のうち一つ以上および/または利用患者の皮膚(または他の適当な箇所)の正しい動作嵌合をセンサが検知しなければ駆動装置および/または針注射器の動作を阻止してもよい。
【0134】
代替的または付加的に、廃棄用ハウジング部分20および耐久性ハウジング部分30の一方または両方は、廃棄用ハウジング部分20および耐久性ハウジング部分30の相互(および/または独立したベース部分または独立した注射部位モジュールと)の正しい動作嵌合を検知するための検知装置(不図示)を含むとよい。このような実施形態では、別の電子機器が駆動装置の動作を制御して、廃棄用ハウジング部分20および耐久性ハウジング部分30の相互(および/または独立したベース部分または独立した注射部位モジュールと)の正しい動作嵌合を検知装置が検知しなければ駆動装置および/または針注射器の動作を阻止するとよい。
【0135】
本発明の特定の実施形態が図示および説明されたが、図示および説明された特定の実施形態に発明が限定されないことと、請求項に記載の発明の趣旨および範囲から逸脱することなく変更および変形が可能であることは当業者には自明であろう。例えば、上述した実施形態は接着材料およびカバーフィルム23(図2および3)を含むとよいが、別の実施形態は、対応する複数のカバーフィルム層23と交互配置されて送達装置が利用患者の皮膚に一回以上、固定、取り外し、再固定されるようにする複数の接着材料層を含んでもよい。
【0136】
このような実施形態では、接着材料およびカバーフィルムの交互配置層による積層体の端部に配置される第1カバーフィルム層が、第1接着材料層を露出させるように取り外されるとよい。第1接着材料層が露出された状態で、医療機器システム(例えば100,110,120,130,140,150,160,170)(またはその構成要素)が上述のように利用患者の皮膚に接着されるとよい。適当な使用期間の後、例えば一つ以上の構成要素またはその他の保守、再充填、交換のために医療機器システム(または接着剤が付いた構成要素)が利用患者の皮膚から取り外されるとよい。医療機器システム(または構成要素)を利用患者の皮膚から取り外した後、第2接着材料層を露出させるように医療機器システム(または構成要素)の第2カバーフィルム層が取り外される。第2接着材料層が露出された状態で、医療機器システム(または構成要素)が同じ利用患者に、またはある状況では別の操作のため異なる利用患者に固定されるとよい。接着材料の数に達するまで数回にわたってこのプロセスが反復され、接着材料およびカバーフィルムによる複数の交互配置層には、対になったカバーフィルム層が含まれる。
【0137】
加えて、上述した様々な実施形態は、剥離カバー層を各々が含む一つ以上の接着層を含むとよいが、他の実施形態は、複数の剥離カバー層部分のパターンを有する単一の接着層(またはこのパターンを各々が有する複数の接着層)を採用してもよい。こうして、利用患者は上述のように医療機器システム(例えば100,110,120,130,140,150,160,170)を利用患者に接着するためのカバー層の一部分を剥離して、剥離カバー層部分のパターンの残りは接着剤に残したままにする。このような実施形態では、医療機器システムの第1動作期間が終了して医療機器システムを利用患者から取り外した後に、剥離カバー層の第2部分が接着層から取り外されて、医療機器システムが第2動作期間のため、同じ利用患者、またある状況では異なる利用患者に接着されるとよい。
【0138】
様々な実施形態では、上述した様々な医療機器システム(例えば100,110,120,130,140,150,160,170)の実施形態は、利用患者の皮膚(または他の適当な動作表面)に固定されるように構成されるとともに医療機器システム構造の長さおよび/または幅に沿って延在するベース部分(例えば21,21',450,456)を含むとよいが、他の実施形態は、利用患者の皮膚(または他の表面)に固定されて、利用患者(または他の表面)と接触している表面積を最小にするため医療機器システム構造の全長または全幅寸法よりも狭い範囲に延在するように構成されたベース部分を採用するとよい。このような実施形態は、医療機器システムの動作中に利用患者の快適性を高める。利用患者の快適性に関するさらなる改良と、利用患者と接触している表面積の最小化のため、添付図面に示されたものと異なる形状およびサイズを有するベース部分が採用されてもよい。さらに、上記のように、利用患者の身体の湾曲および動きに少なくとも部分的に適合する可撓性材料でベース部分が構成されるとよい。
【0139】
一つ以上の医療機器システム(例えば100,110,120,130,140,150,160,170)の構成要素を利用患者の皮膚(または他の適当な表面)に固定するのに接着材料が使用される上述の実施形態のいずれかでは、あるエリア(例えば針注射部位の周囲)に強力な接着剤が設けられるのに対して他のエリアには弱い接着剤が設けられるように、多くのタイプの接着材料(または多くの強度の接着剤)が採用されてもよい。様々な接着剤システムの例は、限定的ではないが、特許文献45に見られ、その内容全体が参照により本願に援用される。
【0140】
医療機器システム500が二つの部品つまり第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とを包含する、接続および/または整合構造の別の例が、図20A〜30Bを参照して説明される。他の実施形態は、三つ以上の部品を備える医療機器システムを含んでもよい。
【0141】
医療機器システム500は、開示全体にわたって記載される医療機器システムの実施形態(例えば図1〜6C)として採用されていてよく、類似していてもよい。医療機器システム500は、図1〜6Cの実施形態と類似しているかこれとともに使用される特徴を含むとよいが、医療機器システム500が同じ特徴のいくつかまたはすべても含み、図7〜19および図31A〜36の実施形態で図示および説明されたものと類似の方法で機能してもよいことが理解されるべきである。加えて、図1〜19および図31A〜36に示された特徴のいくつかまたはすべてが様々な方法で組み合わされて、図20A〜30Bに示された実施形態に含まれてもよい。同様に、図20A〜30Bの実施形態の特徴のいずれかが、図20A〜30Bの他の実施形態のいずれか、またここに記載される他の実施形態に組み込まれるか他の形で包含されてもよいことが理解されるべきである。
【0142】
様々な実施形態において、第1ハウジング部分530は耐久性ハウジング部分30(例えば図1〜19)に類似しているとよく、廃棄用部分20(例えば図1〜19)を含む(つまりこれと一体的である)か、これに接続されるとよい。図1〜6Cに関して上述したように、耐久性ハウジング部分530は、駆動装置80、駆動モータ84、駆動装置リンク機構部分82、および/またはその他などの様々な構成要素を含むとよいが、これらに限定されるわけではない。第1ハウジング部分530と一体的であるかこれと接続される廃棄用ハウジング部分20は、タンクシステム40などの様々な構成要素を含むとよいが、これらに限定されるわけではない。
【0143】
図20A〜30Bに戻ると、様々な実施形態において、第2ハウジング部分530は、医療機器システム500の動作中に利用患者の皮膚に固定可能であるとよいベース(例えば図1〜19の21,21',450,456)のいずれかに類似しているとよい。第2ハウジング部分550は、上述した注射部位モジュール103(例えば図7〜19)に類似しているとよい注射部位区分503を含む(つまりこれと一体的である)か、これに接続されるとよい。注射部位区分の他の例は、限定的ではないが、2009年9月2日に「挿入装置システムおよび方法」の名称で出願された特許文献84に記載されており、その内容全体が参照により本願に援用される。
【0144】
第1ハウジング部分530は、第2ハウジング部分550および/または第2ハウジング部分550の注射部位区分503に固定するためのものであるとよい。いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分530が注射部位区分503および第2ハウジング部分550に固定される前に、第2ハウジング部分550が利用患者の皮膚に固定されるとよい。別の実施形態では、第2ハウジング部分550が利用患者の皮膚に固定される前に、第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550および/または第2ハウジング部分550の注射部位区分503に固定されるとよい。
【0145】
第2ハウジング部分550は、タンク(例えば図1〜6Cのタンクシステム40)からの流体媒体を収容するための収容部構造510を含むか、これに接続されるとよい。収容部構造と、さらに二つ以上のハウジング部分を接続するための接続構造の様々な例は、限定的ではないが、特許文献84に記載されており、その内容全体が参照により本願に援用される。いくつかの実施形態において、収容部構造510は、注射部位区分503を格納する第2ハウジング部分550の区分に隣接する第2ハウジング部分550の一部であるとよい。他の実施形態では、第2ハウジング部分550に接続されるかこれと一体的であるハウジングを収容部構造510が含むとよい。このような実施形態において、収容部構造510は、注射部位区分503から独立および離間しているか、注射部位区分503に隣接しているとよい。いくつかの実施形態において、注射部位区分503が異なるハウジングに配置され、チューブ類または他の流体導管を介して例えば収容部構造に接続されるとよい。
【0146】
第2ハウジング部分550は流体導管524を含むとよい。流体導管524は、限定的ではないが、針、カニューレ、穿刺部材、および/またはその他である(またはこれと流体連通状態にある)とよい。流体導管524は収容部構造510から注射部位区分503までの流路となるとよい。流体導管524は、収容部構造510の中に配置された支持構造により支持されるとよい。いくつかの実施形態において、支持構造は収容部構造510と一体的な壁でよい。他の実施形態において、支持構造は、収容部構造510に対して概ね固定されて収容部構造510との略固着関係で流体導管524を支持することのできる何らかの適当な構造であればよい。
【0147】
流体導管524は、例えばタンクから利用患者へ/利用患者からタンクへ流体を搬送するため適当な方法で配設されるとよい。図23および24において、流体導管524は、注射部位区分503の一部分の周囲で曲がるように配設されている。こうして様々な実施形態では、直線状流体導管、カーブ状流体導管、またはその他などを含む適当な方法で、流体導管524が第2ハウジング部分550に設けられるとよい。
【0148】
図20A〜24を参照すると、流体導管524は、金属、プラスチック、セラミック、複合材料、ガラス、またはその他を限定的でなく含む適当な剛性材料で製作されるとよく、流体導管524の長さ方向寸法に延在する中空流路を有するとよい。流体導管524の中空流路は、限定的ではないが流体導管524の第1端部など、流体導管524の長さ方向寸法に沿った箇所524aで開口しているとよい。流体導管524の中空流路は、限定的ではないが流体導管524の第1端部と反対にある流体導管524の第2端部など、流体導管524の長さ方向寸法に沿った別の箇所524bで開口しているとよい。いくつかの実施形態では、流体導管524の開口部524bは注射部位区分503との流体連通状態で接続されるとよい。
【0149】
いくつかの実施形態では、例えば流体導管524の先鋭端部(例えば524b)により穿刺可能である隔壁526を、流体導管524の一つ以上の開口部が備えるとよい。このような実施形態では、第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550に接続される際に、タンクを有する第1ハウジング部分530により隔壁526が先鋭端部に押圧されるように、先鋭端部は隔壁526の表面を向いているとよい。隔壁526は、限定的ではないが天然または合成ゴム材料、シリコン、またはその他などの針(またはその他)により穿刺可能である適当な材料で製作されるとよい。いくつかの実施形態では、流体導管(および/またはその他)が隔壁526を穿刺し続いて隔壁526から引き抜かれた後に自己密封が可能である自己密封材料で、隔壁526が製作されるとよい。
【0150】
いくつかの実施形態では、容器に隔壁が設けられるとよい。隔壁は、隔壁526に類似したものでよい。隔壁は、流体導管524の先鋭端部(例えば524b)により穿刺可能であるとよい。このような実施形態では、第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550に接続される際に先鋭端部が隔壁を穿刺するように、先鋭端部が表面を向いているとよい。
【0151】
注射部位区分503は、第2ハウジング部分550に延在する流路540を含むとよい。流路540は、第2ハウジング部分550の底面(つまり利用患者の皮膚と接触するための表面)に開口端部540aを有するとよい。流路540は、注射部位区分503の上面(つまり利用患者の皮膚と接触する表面と反対の表面)に別の開口端部540bを有するとよい。流路540は、例えば開口部524bを介して流体導管524が流路540との流体連通状態になるようにするための開口部540cを有するとよい。
【0152】
各々の内容全体が参照により本願に援用される、特許文献84、特許文献7、および特許文献1に記載されているものなど、挿入構造、針、および/またはカニューレを収容するのに適当な形状およびサイズを有する流路区分542を流路540が含むとよい。
【0153】
様々な挿入具の他の例は、特許文献9に記載されており、その内容全体が参照により本願に援用される。針および/またはカニューレを挿入するのに使用される(または使用のため変形される)針/カニューレ挿入具の他の例は、例えば、特許文献10、および/または特許文献11に記載されており、その両方の内容全体が参照により本願に援用される。
【0154】
様々な挿入具の別の例は、限定的ではないが、特許文献1、特許文献28、特許文献29、「挿入セットのための挿入装置およびその使用方法」という名称の特許文献86に記載されており、これらすべての内容全体が参照により本願に援用される。
【0155】
第1ハウジング部分530は、上述したタンクシステム40(例えば図1〜6C)またはその他と類似しているかこれを含むタンクハウジング508を支持するとよい。第1ハウジング部分530のタンクハウジング508は、いくつかの実施形態において、タンクハウジング508のポート部分であるとよい接続部分531を含むとよい。タンクハウジング508の接続部分531は、第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530とが一緒に接続された時に第2ハウジング部分550の収容部構造510の開口部512に少なくとも部分的に嵌着するのに適当な形状およびサイズを有するとよい。
【0156】
図20A,21A,22Aの図面では、第2ハウジング部分550および第1ハウジング部分530が部分的に分離した分断関係で示されており、タンクハウジング508の接続部分531は収容部構造510の開口部512の外側にある。第1ハウジング部分530を第2ハウジング部分550に対して第1方向Aに移動または摺動させて第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とを接合することにより、図21Bに示されているように、タンクハウジング508の接続部分531が第2ハウジング部分の収容部構造510の開口部512へ挿入可能である。第2ハウジング部分550および第1ハウジング部分530の連続的な相対移動は、図21Cに示されているように流体導管524をタンクハウジング508へ延出させる。いくつかの実施形態では、第2ハウジング部分550および第1ハウジング部分530の連続的な相対移動は、流体導管524の先鋭端部(例えば524b)に収容部構造510および/またはタンクハウジング508の一つ以上の隔壁を通過させる。
【0157】
図20〜24に戻ると、こうして、第1ハウジング部分530が位置Pまで移動するように第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530とが接合される(例えば図20C,21C,22C)と、流体導管524がタンクハウジング508の内部空間に延出した状態で接続部分531の少なくとも一部分が収容部構造510の内側に延出するとよい。こうして流体導管524は、タンクハウジング508の内部空間と注射部位区分503または流体導管524の開口部524bにある他の構造との間に流体流路を形成するとよい。付加的または代替的に、二つの構成要素を接合するように、第2ハウジング部分550が第1ハウジング部分530に対して第1方向Aに摺動可能であるとよい。
【0158】
収容部構造510および接続部分531は、第2ハウジング部分550および第1ハウジング部分530が接続される際に例えばスナップまたは摩擦接続を行う係合コネクタを備えるとよい。いくつかの実施形態では、収容部構造510および接続部分531の一方または他方の突起部(不図示)を係合コネクタが含むとよい。接続部分531が収容部構造510へ適当な距離だけ延出する際にスナップ嵌め式に相互嵌合するように配設された溝部またはくぼみ(不図示)を、収容部構造510および接続部分531の他方が含むとよい。
【0159】
様々な実施形態において、第2ハウジング部分550および第1ハウジング部分530は相互に装着可能かつ取外し可能であって、特定の実施形態では相互に動作嵌合および解離するように相対的に摺動可能である構成を持つとよい。すなわち、二つの構成要素を接続する(例えば第1ハウジング部分530が位置Pにある)ように、第1ハウジング部分530は第2ハウジング部分550に対して第1方向Aに摺動可能であるとよい。同様に、二つの構成要素を分断するように、第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550に対して第1方向Aと反対の第2方向に摺動可能であってもよい。
【0160】
別の実施形態では、第1方向Aにおける第1ハウジング部分530の摺動により、第1ハウジング部分530のタンクハウジング508を第2ハウジング部分550の流体導管524と動作嵌合させるとよい。ゆえにいくつかの実施形態では、第1ハウジング部分530を第2ハウジング部分550に接続するための例えば第1方向Aの摺動動作は、第1ハウジング部分530のタンクハウジング508を第2ハウジング部分550の流体導管524に接続するための摺動動作と同じでよい。こうしていくつかの実施形態では、単一の動作で、第1ハウジング部分530および第2ハウジング部分550が接続されるとともに、流体導管524およびタンクハウジング508が接続されるとよい。このような実施形態は、流体導管524によるタンクハウジング508の嵌合を簡易化する。
【0161】
図20A〜24を参照すると、いくつかの実施形態において第2ハウジング部分550は、摺動動作での第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550との接続(または取外し)を簡易化するために使用されるとよい少なくとも一つのアーム554、レール、または他の隆起表面を含むとよい。別の実施形態では、アーム554に固着されるか、さもなければアーム554から片持ち梁式に延出する凸状部555をアーム554が含むとよい。さらに説明するように、第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530とを接続する際にこれら二つの構成要素を整合させるのに、アーム554および凸状部555が使用されるとよい。さらに、第1ハウジング部分530を第2ハウジング部分550にロックして、例えば第1方向Aと交差する軸方向における第2ハウジング部分550からの第1ハウジング部分530の分離を阻止するのに、アーム554および凸状部555が使用されてもよい。ゆえに、アーム554および凸状部555は、第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550から落下するか引き抜かれることを防止するとよい。
【0162】
第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550との間の接続を簡易化する少なくとも一つの溝部、切欠き、凹所、間隔、小孔、および/またはその他を第1ハウジング部分530が含むとよい。例えば、第2ハウジング部分550に配置された凸状部(例えば凸状部555)または他の延出部材を収容するための内側凹所534を、第1ハウジング部分530が含むとよい。
【0163】
いくつかの実施形態では、第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530とを一緒に接続するため、図20A,21A,22Aに示されているように第1ハウジング部分530の凸状部534が第2ハウジング部分550の凹所558に載置されるとよい。凸状部534が凹所558に位置決めされ易くなるように、凹所558は例えば凸状部534のサイズを越える大きめサイズであるとよい。凸状部534は、第1ハウジング部分530のアーム532に固着されるか、あるいはこれから延出するとよい。
【0164】
凸状部534およびアーム534が凹所538にある状態で、第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550に対して第1方向Aに摺動されるとよい。こうすることにより、第2ハウジング部分550のアーム554にある凸状部555が、第1ハウジング部分530の内側凹所534へ摺入されるとよい。第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530との連続的な相対移動は、図20B,21B,22Bに示されているように、第1ハウジング部分530の内側凹所534および隣接の凸状部534に沿って凸状部555を摺動させるとよい。こうして、第1ハウジング部分530に支持されているタンクが第2ハウジング部分550の流体導管524へ摺動するか他の形で移動して、図20C、21C,22Cに示されているように流体導管524をタンクハウジング508の内部空間と嵌合させるとよい。
【0165】
ゆえに、いくつかの実施形態では、一回の動作で、第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530とが動作嵌合するとともにタンクハウジング508と流体導管524とが動作嵌合するとよい。言い換えると、第1ハウジング部分530を第2ハウジング部分550に嵌合させる動作(例えば第1方向Aでの摺動)が、流体導管524をタンクに嵌合させるための動作と同じ動作であるとよい。別の実施形態では、第2ハウジング部分550の凸状部555と第1ハウジング部分530の凸状部533との嵌合が、第1方向Aと交差する軸方向における第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530との分離を阻止するとよい。
【0166】
付加的または代替的に、前述のように第1ハウジング部分530のアームおよび/または凸状部を収容するための凸状部および/または凹所を有するアームが、第2ハウジング部分550に設けられるとよい。こうして、第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とが例えば第1方向Aにおいて相対的に摺動する時に、第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とが上述した方法で動作嵌合するとよい。
【0167】
別の実施形態では、例えば流体導管524がタンクハウジング508の内部空間と充分に嵌合した(例えば第1ハウジング部分が位置Pまで移動した)後で第2ハウジング部分550に対する第1ハウジング部分530のさらなる移動を防止する停止面556を、第2ハウジング部分550が備えるとよい。例を挙げると、第1ハウジング部分530が充分に前進した後で第1ハウジング部分530の一部分が停止面556と接触して、第1ハウジング部分530のさらなる前進を実質的に防止するとよい。このような実施形態では、第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530との接続の際の過剰な力、速度、および/またはその他によるダメージから、タンクハウジング508および/または流体導管524を付加的に保護することが可能である。他の実施形態では、第2ハウジング部分550の停止面556に加えて、またはこれに代わって、第1ハウジング部分530に停止面が設けられるとよい。
【0168】
いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分530のアーム532および/または他の部分が、接続プロセス中に第1ハウジング部分530を把持する際に利用患者を助ける切欠き、凹所、または表面(不図示)を含むとよい。いくつかの実施形態では、第2ハウジング部分550の一部分が、接続プロセス中に第2ハウジング部分550を把持する際に利用患者を助ける切欠き、凹所、または表面(不図示)を含むとよい。
【0169】
図25A〜26Bを参照すると、いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とを接続するためにダブテール接続構造(不図示)が設けられるとよい。例えば、第1ハウジング部分530および第2ハウジング部分550の一方が、第1ハウジング部分530および第2ハウジング部分550の他方の突出面またはダブテール542を収容するための溝部562を有するとよい。ダブテール542の一部分が溝部562に載置されるか、溝部562へ摺動される。溝部562に沿ってダブテール542を第1方向に(例えば摺動で)さらに移動させて、第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とを上述の方法で接続するとよい。いくつかの実施形態では、溝部562へのダブテール542の載置を容易にするため、溝部562および/またはダブテール542がテーパ状であるとよい。
【0170】
いくつかの実施形態では、ダブテール542が溝部562に沿って第1方向Aに前進する際に例えば摩擦嵌めでダブテール542を溝部562に固定するように、溝部562またはダブテール542がテーパ状であるとよい。例えば、図25Aおよび25Bに示されているように、溝部564の幅寸法は、第2ハウジング部分550の前端部552の反対側で最も大きく第1方向Aの方向に幅寸法が狭くなるように、テーパ状であるとよい。したがって、このような実施形態では、溝部564へのダブテール542の載置を簡易化して、溝部564を画定する表面によりダブテール542が案内される際に第1ハウジング部分530を整合させる、および/または溝部564を画定する表面にダブテール542を摩擦嵌め式に固定することができる。付加的または代替的に、上述のように第1ハウジング部分530に溝部564が設けられるとよく、第2ハウジング部分550にはダブテール542が設けられるとよい。
【0171】
図26Aおよび26Bに示された別の例では、ダブテール544の前端部がダブテール544の後方部分よりも狭くなるように、ダブテール544がテーパ状であるとよい。したがってこのような実施形態は、溝部562へのダブテールの544の載置を簡易化して、溝部562を画定する表面によりダブテール544が案内される際に第1ハウジング部分530を整合するおよび/または溝部562を画定する表面にダブテール544を摩擦嵌め式に固定することを可能にする。付加的または代替的に、上述した方法で、第1ハウジング部分530に溝部562が設けられるとよく、第2ハウジング部分550にはダブテール544が設けられるとよい。
【0172】
図20A〜24に戻ると、いくつかの実施形態において、アーム554および/または凸状部555が第2ハウジング部分550に対して傾斜していて、第1ハウジング部分530を第2ハウジング部分550に接続する際にさらなる整合を行うとよい。例えば、アーム554および/または凸状部555が(第2ハウジング部分550の前端部552に対して)外向きに傾斜していて、第1ハウジング部分530のアーム532、凸状部534、および/または内側凹所533との嵌合を簡易化するとよい。こうして、第1ハウジング部分530のアーム532は凹所558に載置されて第1方向Aに前進され、凸状部534および/または内側凹所533を傾斜アーム554および/または凸状部555と当接させるだけでよく、ここで第1ハウジング部分530を移動させ続けると、傾斜アーム554および/または凸状部555が第1ハウジング部分530のアーム532を案内する。このような実施形態では、アーム532、凸状部534、および/または第1ハウジング部分530全体は、第1ハウジング部分530の一部分が傾斜アーム554および/または凸状部555に沿って移動する際にいくらか撓曲するように、プラスチック、複合材料、および/またはその他など、充分な可撓性を持つ材料で製作されるとよい。
【0173】
図23および24に示された実施形態など、いくつかの実施形態では、第2ハウジング部分550に沿って第1ハウジング部分530を案内するように、一つ以上のレール559、隆起部、または他の隆起表面が第2ハウジング部分550に設けられるとよい。レール559は、相互に平行であっても非平行であってもよい。レール559は、第1ハウジング部分530が摺動する開口部557を画定するとよい。いくつかの実施形態では、第2ハウジング部分550の(一部分または全体の)周縁部にレール559があるとよく、いくつかの実施形態では、例えば図27A〜27Cで説明されているもののように、第2ハウジング部分550(および/または第1ハウジング部分530)の上の(例えば周縁部の内側または周縁部から離間した)適当な箇所に、レール559が配設されるとよい。
【0174】
別の実施形態では、第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530との整合および/または接続を簡易化するように、レール559が配設されるとよい。例えば、図27A〜27Cなどに示されているように、対向レール559は、相互に非平行となるように第2ハウジング部分550に配設されるとよい。第1ハウジング部分530が開口部557に位置決めされ易くなるように第1ハウジング部分530の幅寸法よりも大きい(または少なくとも第1ハウジング部分530の前方部分の幅寸法よりも大きい)幅寸法を有する大きめサイズの開口部557を設けるように、レール559が(第2ハウジング部分550の前端部552に向かって)内側に傾斜しているとよい。こうして、第2ハウジング部分550の前端部552に向かって第1方向Aに、第1ハウジング部分530が前進されるとよい。第1ハウジング部分530が前端部552に向かって前進されるが若干の不整合が見られる場合には、第1ハウジング部分530の一部分がレール559の少なくとも一つと接触(例えば図27B)し、この時、第1ハウジング部分530を第1方向Aに連続的に移動させると、接触したレール559が第1ハウジング部分530を整合位置へ案内するとよい。
【0175】
他の実施形態において、レール559は相互に平行であって、他のレール559の表面559aに対して非平行である表面559aを、レール559の各々が有するとよい。図28A〜28Cに示されているように、レール559の各々の表面559aは相互に対向しているとよい。こうして、第1ハウジング部分530は、第2ハウジング部分550の前端部552に向かって第1方向Aに前進されるとよい。第1ハウジング530が前端部552に向かって前進されるが若干不整合である場合には、第1ハウジング部分530の一部分がレール559の表面559aの少なくとも一方と接触して(例えば図28B)、この時、第1ハウジング部分530を第1方向Aに継続的に移動させると、接触した表面559aが第1ハウジング部分530を整合位置へ案内するとよい。
【0176】
ゆえに、一つ以上のレール559を含む様々な実施形態では、(例えば、第1ハウジング部分530が第1方向Aに移動する際など)摺動動作の開始時に若干の横方向不整合が見られる。このような実施形態ではさらに、第1方向Aに摺動動作が続く際に第1ハウジング部分530を第2ハウジング部分550との正しい整合状態へ押入または案内することができる。
【0177】
図27A〜27Cおよび28A〜28Cを参照すると、別の実施形態において、第1ハウジング部分530がレール559により整合位置に載置されると、図20A〜26Bに関して前述したように、第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とが相互に嵌合するとよい。例えば、第1ハウジング部分530が第1方向Aに摺動する際に、第2ハウジング部分550のアーム554および凸状部555が第1ハウジング部分530のアーム532と嵌合するとよい。別の例を挙げると、第1ハウジング部分530のダブテール(例えば542)は、第2ハウジング部分550の溝部(例えば562)を画定する表面と嵌合するとよい。
【0178】
図23を参照すると、いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分530の凸状部または突起部(不図示)を収容するための凹状部566を、第2ハウジング部分550が有するとよい。凸状部は、可撓性であるか、第1ハウジング部分530の可撓性部分に支持されるとよい。図23では、第2ハウジング部分550の後方部分に凹状部566が設けられているが、他の実施形態では、適当ないずれかの箇所に凹状部566が設けられればよい。上述したような第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550との摺動接続の間、凸状部は凹状部566によって収容されて、凹状部566を画定する表面により案内されるとよい。
【0179】
突起部567は、第1ハウジング部分530が第1方向Aに移動(例えば摺動)する際に凸状部を内向き(または外向き)に案内するか撓曲させるように、第2ハウジング部分550に配設されるとよい。すなわち、第1方向Aと交差する方向に凸状部を案内するか撓曲させるように突起部567が配設されるとよいのである。第1ハウジング530が突起部567を越えて第1方向Aに移動を続けると、第2ハウジング部分550の空洞568または空洞568を画定する当接部へ、凸状部を外向き(または内向き)に撓曲させる。
【0180】
第1ハウジング部分および第2ハウジング部分550の寸法と、凹状部566、空洞568および凸状部の構成とは、第1ハウジング部分530が位置Pまで移動すると凸状部が空洞568へ入るように選択されるとよい。上記のように、第1ハウジング部分530を位置Pまで移動させると、例えば、流体導管524をタンクハウジング508の内部空間と嵌合させる(つまりこれとの流体連通状態に置く)。
【0181】
利用患者が凸状部を内向き(または外向き)に押して凸状部を動かし凸状部に突起部567を越えさせるまで、凸状部は空洞568に残るとよい。こうして、第1ハウジング部分530が第1方向Aと反対の第2方向に移動して、例えば第1ハウジング部分530および第2ハウジング部分550を解離させるとよい。付加的または代替的に、上述したように凸状部を保持するための突起部および空洞とともに、第2ハウジング部分550の凸状部を摺動式に収容するための凹状部を第1ハウジング部分530が有するとよい。いくつかの実施形態において、凸状部および凹状部566は、例えば図25A〜26Bに関して説明されるようなダブテール(例えば542)および溝部(たとえば562)であるとよい。
【0182】
図20A〜28Cを参照すると、別の実施形態において、第2ハウジング部分550および第1ハウジング部分530の一方または両方に少なくとも一つの磁石(不図示)が設けられるとともに、第2ハウジング部分550および第1ハウジング部分530の他方には、限定的ではないが金属、反対極の磁石、またはその他などの磁気吸引材料(不図示)が設けられるとよい。磁石および磁気吸引材料の各々は、第2ハウジング部分550および第1ハウジング部分530が正しく接続されるか、あるいは規定の充分な整合位置および/または規定の充分な近接状態に置かれる際に相互作用を行う箇所に配設されるとよい。規定の整合位置および/または近接状態は、例えば、動作のため第1ハウジング部分530および第2ハウジング部分550を接続するための適切な整合・相互近接位置に相当するとよい。
【0183】
第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550に対して位置Pまで移動する際に相互作用を行うため、磁石および磁気吸引材料が一つ以上の箇所に設けられるとよい。例を挙げると、第1ハウジング部分530が位置Pまで移動する場合には、ハウジング部分の一方の磁石がハウジング部分の他方の磁石(または吸引材料)と相互作用を行って、例えばハウジング部分を接続するおよび/または整合させるとよい。磁気接続・整合構造および他の整合・接続構造の例は後で説明され、また、限定的ではないが、「特許文献30にも記載されており、その内容全体が参照により本願に援用される。
【0184】
図29Aおよび29Bに示された実施形態など、いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とが接続されるが不整合状態である場合に第1ハウジング部分530および第2ハウジング部分550を例えば横方向に整合させるように構成された磁石を、第1ハウジング部分530および第2ハウジング部分550が含むとよい。例を挙げると、第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とが不整合状態である場合に相互に対向するように磁石が構成されるとよい。例えば、同じような極方向を持つ表面を磁石の各々が有するとよい。例を挙げると、第1ハウジング部分に支持されている磁石582(図29Aおよび29Bでは不図示)は、第2ハウジング部分550に支持されている一つ以上の磁石572と対向しているとよい。例えば、磁石582は第1極性(例えばN極)の表面を有して、一つ以上の磁石572の各々は磁石582の第1極性と似た極性(例えばN極)の表面を有するとよい。
【0185】
いくつかの実施形態において、一つ以上の磁石572は第1磁石574aと第2磁石574bとを包含するとよい。第1磁石574aと第2磁石574bとの間には、間隙573が設けられるとよい。このような実施形態では、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分550は、例えば前述したように摺動式に接続されるとよい。第1ハウジング部分582が第1方向Aに移動する際に、磁石582が一つ以上の磁石572に沿って案内されるとよい。例えば、間隙573において第1磁石574aと第2磁石574bとの間で磁石582が移動するとよい。このような実施形態では、第1ハウジング部分と磁石582との横方向不整合が、対向する一つ以上の磁石572によって阻止されるとよい。
【0186】
図30Aおよび30Bに示されているような別の実施形態では、第2ハウジング部分550に支持されている一つ以上の磁石572は、第1ハウジング部分に支持されている磁石582(図30Aおよび30Bでは不図示)に吸引される第3磁石576を含むとよい。例えば、第3磁石は、磁石583の第1極性と反対の第2極性(例えばS極)を有するとよい。いくつかの実施形態では、金属、鉄導管、またはその他などの磁気吸引材料(磁石ではなく)を一つ以上の磁石572が含むとよい。
【0187】
様々な実施形態では、前述したように摺動式に第1ハウジング部分530および第2ハウジング部分550が接続されるとよい。第1ハウジング部分が第1方向Aに移動する際に、磁石582(および/または磁気吸引材料)が一つ以上の磁石572に沿って案内されるとよい。例えば、第3磁石576の上において第1磁石574aと第2磁石574bとの間で磁石582が移動するとよい。このような実施形態では、対向する一つ以上の磁石572により、および/または磁石582と第3磁石576(および/または磁気吸引材料)との間の吸引により、第1ハウジング部分と磁石582との横方向不整合が阻止されるとよい。
【0188】
図29A〜30Bを参照すると、いくつかの実施形態において、例えば図25A〜28cに記載されたレール559およびダブテール構造に関して説明された方法で、磁石(例えば582,572)が配設されるとよい。例を挙げると、図29A〜30Bに戻って、第1磁石574aおよび第2磁石574bは、27A〜28Cで説明されているように相互に非平行に配設されるとよい。別の例であるが、例えば図25A〜26Bに説明されているように間隙573が第1方向Aに狭くなるように、第1磁石574aおよび第2磁石574bが配設されるとよい。
【0189】
図20A〜30Bを参照すると、いくつかの実施形態では、第2ハウジング部分550および第1ハウジング部分530の一方に少なくとも一つのラッチ(不図示)またはその他が設けられるとよい。第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530とが動作嵌合する(例えば第1ハウジング部分530が位置Pまで移動する)時に、第2ハウジング部分550および第1ハウジング部分530の他方にある小孔(不図示)、嵌合部材、および/またはその他と嵌合するように、ラッチが構成されるとよい。
【0190】
別の実施形態では、小孔(またはその他)と手で嵌合および/または解離させるようにラッチが構成されるとよい。例を挙げると、第1ハウジング部分530を第2ハウジング部分550に対して嵌合および/または解離させるように押入可能な(例えばハウジング部分に対して内向きに押圧される)構成をラッチが持つとよい。例を挙げると、(例えば内側への)ラッチの押入動作がラッチの各々を対応の小孔(またはその他)から解除して第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550から取り外されるように、第1ハウジング部分530の各側にラッチが設けられるとよい。
【0191】
また別の実施形態では、第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とが正しく接続されていない場合に第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とを離間させるようにラッチが構成されるとよい。例えば、位置Pに達するのに充分なほど第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550に対して摺動していない場合には、ラッチが第1ハウジング部分530を反対方向に押圧して利用患者が接続プロセスを繰り返すことができるとよい。このような実施形態では、ばね、弾性材料、および/またはその他などの付勢部材(不図示)が、ラッチに設けられるとよい。付勢部材は、第1ハウジング部分530を第1方向Aと反対の方向に付勢するとよい。こうして、第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550に対して第1方向Aに充分に移動する(例えば位置P)場合には、ラッチが小孔(またはその他)と嵌合するとよい。第1ハウジング部分530が第2ハウジング部分550に対して第1方向Aに充分に移動していない場合には、付勢部材が第1ハウジング部分530を第1方向Aと反対の方向に付勢して、利用患者が接続プロセスを反復できるようにするとよい。
【0192】
いくつかの実施形態では、ラッチおよび/またはラッチの相対位置、例えばラッチまたはラッチに設けられたものの検出可能な特徴を検知するために、センサ(不図示)が設けられるとよい。こうして、センサはラッチが小孔(またはその他)と正しく嵌合したかどうかを判断して、第2ハウジング部分550と第1ハウジング部分530とが正しく接続された(例えば第1ハウジング部分530が位置Pにある)と判断することができる。センサ、検出可能特徴、およびその他の例は、限定的ではないが、「整合システムおよび方法」の名称で2009年12月30日に出願された特許文献87に記載されており、その内容全体が参照により本願に援用される。
【0193】
開示全体にわたって説明されるように一つ以上のセンサおよび/または他の構成要素を選択的に起動させるか他の方法で制御するため被制御電力信号を提供するように、適当な電子機器がセンサに接続されるとよい。例えば、接続可能な構成要素の一つまたは適当な制御電子機器を通してセンサと無線通信接続された遠隔制御装置(不図示)にある制御ボタン、スイッチ、または他の手動操作部の一つを手で起動させた際に起動するように、センサが制御されるとよい。別の例としては、ボタンの起動および/またはその他などの所定の動作の後で、または一定時間量の後で自動的に起動するようにセンサが制御されてもよい。いくつかの実施形態では、限定的ではないが、針またはカニューレを挿入する針挿入器など特定の構成要素または装置の起動または挿入の際に起動するように、センサが制御されてもよい。
【0194】
様々な針挿入具の例は、限定的ではないが、特許文献28、特許文献71、特許文献29に記載されており、これらすべての内容全体が参照により本願に援用される。ゆえにこのような例では、例えば第1ハウジング部分530と第2ハウジング部分550とが動作嵌合状態となる前または後に、センサが起動されるとよい。
【0195】
医療機器システム900が二つの部品つまり第1ハウジング部分901および第2ハウジング部分902を包含する図31A〜33Bを参照して、接続および/または整合構造の別の例が説明される。他の実施形態は、三つ以上の部品を備える医療機器システムを含んでもよい。
【0196】
医療機器システム900は、医療機器システム500(例えば図20A〜30B)および/または開示全体にわたって記載される他の医療機器システム(例えば図1〜19)の実施形態と類似しているか、このような実施形態として採用されるとよい。医療機器システム900は図20A〜30Bの実施形態に類似しているか、これらの実施形態とともに使用される特徴を含むとよいが、医療機器システム900が、図1〜19および34A〜36の実施形態に図示および説明されたものと同じ特徴のいくつかまたはすべてを含み、これと同じように機能してもよいことが理解されるべきである。加えて、図1〜30Bおよび34A〜36に示された特徴のいくつかまたはすべてが様々な方法で組み合わされて図31A〜33Bに示された実施形態に含まれてもよい。同様に、図31A〜33Bの実施形態の特徴のいずれかが図31A〜33Bの他の実施形態のいずれか、さらにここに記載される他の実施形態と組み合わされるか他の形でこれに包含されてもよいことが理解されるべきである。
【0197】
様々な実施形態において、第1ハウジング部分901は、限定的ではないが、耐久性ハウジング部分30(例えば図1〜19)および廃棄用部分20(例えば図1〜19)など、説明したハウジング部分のいずれかであるとよい。特定の実施形態では、第1ハウジング部分901が第1ハウジング部分530(図20A〜30B)に類似しているとよい。
【0198】
他にも様々な実施形態において、第2ハウジング部分902は、限定的ではないが、ベース部分21(または図1〜19の21',450,456など)、耐久性ハウジング部分30、および廃棄用ハウジング部分など、上述したハウジング部分のいずれかであるとよい。特定の実施形態において、第2ハウジング部分902は第2ハウジング部分550(例えば図20A〜30B)と類似しているとよい。このような実施形態では、例えば、医療機器システム900の動作中に、第2ハウジング部分902が利用患者の皮膚に固定されるか、あるいは利用患者に携行される(例えばベルト、衣類、またはその他に固定される)とよい。
【0199】
第1ハウジング部分901は、第1主電気接点912と第2主電気接点916とを含む複数の電気接点910を含むとよい。複数の電気接点910は、一つ以上の副電気接点914も含むとよい。電気接点910は、金属、ゴム導電性パッド、さらに他の電気伝導体など、適当な材料で製作されるとよい。
【0200】
いくつかの実施形態において、副電気接点914は第1主電気接点912と第2主電気接点916との間に配設されるとよい。しかし、副電気接点914が適当ないかなる箇所に配設されてもよい。副電気接点914は、第1主電気接点912および/または第2主電気接点914と同じ材料で製作されるとよい。他の実施形態では、第1主電気接点912および/または第2主電気接点914と異なる材料(例えば、異なる導電性材料または非導電性材料)で副電気接点914が製作されるとよい。
【0201】
第2ハウジング部分902は、第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902とを接続する際に電気接点910の少なくともいくつかとの短絡または電気接続を確立するように構成された短絡機構920またはその他を含むとよい。いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902とが正しく接続されるか、あるいは規定の充分な整合位置および/または規定の充分な近接状態に置かれた場合に、電気接点910の少なくともいくつかとの電気接続を短絡機構920が確立するとよい。規定の整合位置および/または近接状態は、例えば、動作のための第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902との接続のために正しく接合された相互近接位置に相当するとよい。他の実施形態では、短絡機構920は既知抵抗またはその他でよい。
【0202】
短絡機構920は、第1ハウジング部分901にある該当の電気接点910と接触するための第1端部922および第2端部924を有するとよい。いくつかの実施形態では、第1ハウジング部分910と第2ハウジング部分902とが例えば図31Bに示されているように正しく接続された時に該当の第1主電気接点912および第2主電気接点916と接触するように、第1端部922と第2端部924とが構成されるとよい。こうして、短絡機構920は第1主電気接点912および第2主電気接点916と接触するが副電気接点914とは接触しないとよい。電気接点910に接続された適当な回路網(不図示)は、第1ハウジング部分910と第2ハウジング部902との正しい接続を示す第1主電気接点912と第2主電気接点916との間の(短絡機構920を介した)電気接続または短絡を検出するように構成されるとよい。
【0203】
さらに、電気接点910および/または短絡機構920は、第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902とが図31Cなどのように正しく接続されていない場合には第1主電気接点912と第2主電気接点916との間の電気接続が確立されないように、該当の部品に配設されるとよい。したがって、第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902とが正しく接続されていないことを、こうして示すとよい。
【0204】
図31A〜31Cに戻ると、第1主電気接点912と第2主電気接点916との間に少なくとも一つの副電気接点914が配設されるいくつかの実施形態は、第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902との正しい接続についての誤検出を防止するとよい。例えば、第1主電気接点912と第2主電気接点916のみが(短絡機構により)接触している正しい接続とは異なる、散在する金属物体(例えば金属性のキー、紙クリップ、硬貨)または他の電気伝導体が第1主電気接点912、第2主電気接点916、および副接点914と接触している場合を、回路網が識別可能であるとよい。
【0205】
いくつかの実施形態では、第1端部922が第1主電気接点912と接触して第2端部924が第2主電気接点916と接触する時にのみ電気接続が確立されるだろう。他の実施形態では、第1端部922および第2端部924が該当の第1主電気接点912および第2主電気接点916と接触している場合、または第1端部922および第2端部924が該当の第2主電気接点916および第1主電気接点912と接触している場合に、電気接続が確立されるとよい。このような実施形態は、二つ以上の配向における第1ハウジング部分901および第2ハウジング部分902の正しい接続の検出を可能にする。
【0206】
図31A〜31Cに示された実施形態では、三つの電気接点、つまり第1主電気接点912と、第2主電気接点916と、第1主電気接点912および第2主電気接点916の間に配設された副電気接点914とが設けられている。しかし、他の様々な実施形態では、必要に応じて適当な数の電気接点910が、第1ハウジング部分901に設けられてもよい。いくつかの実施形態では、主電気接点(例えば912,916)が最も外側の電気接点として配設される。しかし他の実施形態では、主電気接点は副電気接点914に対してどこに配設されてもよい。
【0207】
同様に、副電気接点は主電気接点の間での配設に限定される必要はなく、いくつかの実施形態では最も外側の電気接点となるように配設されてもよい。こうして、電気接点910(例えば主電気接点および副電気接点)は、適当な方法、例えば線形/非線形、等間隔/非等間隔、類似/可変の高さで第1ハウジング部分901に配設または他の形で設けられ、類似/可変の表面に、同じ/異なる抵抗、同じ/異なる材料で、および/またはその他の形で配設されるとよい。例を挙げると、図32に示されているように、2個の第1主電気接点912、第1副電気接点914、第2主電気接点916、第2副電気接点914、および2個の第3主電気接点918を含む7個の電気接点910が設けられ得る。
【0208】
図31A〜31Cに示された実施形態では、該当の第1主電気接点912および第2主電気接点916と接触するための二つの端部922,924を短絡機構920が有する。しかし、他の様々な実施形態では、必要に応じて電気接点910と接触するための適当な数の端部または接触面が短絡機構920に設けられるとよい。同様に、端部(例えば922,924)は何らかの適当な方法で短絡機構920に配設されるとよい。
【0209】
様々な実施形態では、電気接点910が第1ハウジング部分901に設けられるとよく、短絡機構920が第2ハウジング部分902に設けられるとよい。他の実施形態では、電気接点910が第2ハウジング部分902に設けられるとよく、短絡機構920が第1ハウジング部分901に設けられるとよい。別の実施形態では、第1ハウジング部分901および第2ハウジング部分902の各々が、短絡機構920および相補的な電気接点910を備えるとよい。
【0210】
図33Aおよび33Bに示されている実施形態など、いくつかの実施形態では、電気接点910を個別に、部分的に(例えばいくつかであってすべてではない)、またはまとめて第1位置(例えば図33Aに示されているような延出位置)へ付勢するために、ばねまたはその他などの付勢部材919が設けられるとよい。こうして、例えば第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902とが接合されると、電気接点910が第2位置(例えば図33Bに示されているような後退位置)へ移動可能であるとよい。こうして第2位置では、前述したのと同じようにして短絡機構920を介して第1主電気接点912と第2主電気接点916との間に電気接続が確立されるとよい。付勢部材919は、第1ハウジング部分901の凹状部に少なくとも部分的に配置されるとよい。いくつかの実施形態では、例えば電気接点910と第1ハウジング部分901との間で第1ハウジング部分901に付勢部材919が支持されるとよい。
【0211】
上記に加えて、または代わって、いくつかの実施形態では、短絡機構またはその一部分(例えば端部922,924)を第1位置(例えば延出位置)へ付勢するため、ばねまたはその他などの付勢部材が設けられるとよい。こうして、例えば第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902とが接合された際には、短絡機構またはその一部分が第2位置(例えば後退位置)へ移動可能であるとよい。ゆえに、第2位置にある間には、前述したのと同じようにして、短絡機構920を介して第1主電気接点912と第2主電気接点916との間に電気接続が確立されるとよい。
【0212】
様々な実施形態では、電気接点910および/または短絡機構920は、前述したもののような付勢部材であるか、あるいはこれを包含するとよい。例えば、電気接点920は、第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902とが接合される際に第1位置から第2位置へ移動可能であるとよい金属ばねまたはその他であるとよい。
【0213】
医療機器システム1100が二つの部品つまり第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102とを包含するとよい図34A〜36を参照して、接続および/または整合構造の別の例が説明される。他の実施形態は、三つ以上の部品を備える医療機器システムを含んでもよい。
【0214】
医療機器システム1100は、医療機器システム500(例えば図20A〜30B)および/または開示に記載される他の医療機器システム(例えば図1〜19)の実施形態に類似しているか、このような実施形態として採用されるとよい。医療機器システム1100は図20A〜30Bの実施形態に類似しているかこれとともに使用される特徴を含むとよいが、医療機器システム1100が、図1〜19および31A〜33Bの実施形態に図示および説明されたのと同じ特徴のいくつかまたはすべても含んでこれらと同じように機能するとよいことが理解されるべきである。加えて、図1〜33Bに示された特徴のいくつかまたはすべてが様々な形で組み合わされて、図34A〜36に示された実施形態に含まれてもよい。同様に、図34A〜36の実施形態の特徴のいずれかが、図34A〜36の他の実施形態のいずれか並びに本願に記載の実施形態のいずれかと組み合わされるか、あるいはこれに包含されてもよいことが理解されるべきである。
【0215】
様々な実施形態において、第1ハウジング部分1101は、耐久性ハウジング部分30(例えば図1〜19)および廃棄用部分20(例えば図1〜19)など、記載のハウジング部分のいずれかであるが、これらに限定されるわけではない。特定の実施形態において、第1ハウジング部部分1101は、第1ハウジング部分530(例えば図20A〜30B)に類似しているとよい。
【0216】
さらに様々な実施形態において、第2ハウジング部分1102は、ベース部分21(または図1〜19の21',450,456)、耐久性ハウジング部分30、および廃棄用ハウジング部分など、説明されたハウジング部分のいずれかでよいが、これらに限定されるわけではない。特定の実施形態では、第2ハウジング部分1102が第2ハウジング部分550(例えば図20A〜30B)に類似しているとよい。このような実施形態では、医療機器システム1100の動作中に、第2ハウジング部分1102が利用患者の皮膚に固定されるとよい。
【0217】
第1ハウジング部分1101は、磁場を検知するため、また特定の実施形態では少なくとも磁場の方向(つまりベクトル)を検知するためのセンサ1110を含むとよい。このようなセンサ1110は、磁気強度と無関係に磁場または磁気源の存在を検出することが可能である。さらに、磁界の方向を検知すると、センサ1110が適切な磁気源を検知する可能性を高めることができる。センサ1110は、内容全体が参照により本願に援用される、特許文献87に記載されたものに類似しているが、これに限定されるわけではない。センサ1110は、第1ハウジング部分1101の上に配置されるか、第1ハウジング部分1101の中に設けられてもよい。
【0218】
一つ以上のセンサ1110および/または開示全体にわたって説明される他の構成要素を選択的に起動させるかあるいは制御する被制御電力信号を提供するように、適当な電子機器がセンサ1110に接続されるとよい。例えば、接続可能な構成要素の一つ、または適当な制御電子機器を通してセンサ1110との無線通信状態で接続された遠隔制御装置(不図示)にある制御ボタン、スイッチ、または他の手動操作部を手で操作する際に起動するように、センサ1110が制御されるとよい。別の例を挙げると、ボタンおよび/またはその他の起動などの所定の動作の後、または所定時間量の後に自動的に起動するように、センサ1110が制御されてもよい。いくつかの実施形態では、限定的ではないが針またはカニューレを挿入する針挿入器など、特定の構成要素または装置の操作または挿入の際に起動するように、センサ1110が制御されるとよい。
【0219】
様々な針挿入具の例は、限定的ではないが、特許文献27、特許文献28、特許文献7、特許文献29に記載されており、これらすべての内容全体が参照により本願に援用される。ゆえに、このような例では、例えば第1ハウジング部分1101および第2ハウジング部分1102が動作嵌合する前または後に、センサ1110が起動されるとよい。
【0220】
第2ハウジング部分1102は、方向を有する磁場を提供するための磁気源1120またはその他を含むとよい。第1ハウジング部分および第2ハウジング部分1102が正しく接続されるか規定の充分な整合位置および/または規定の充分な近接状態に置かれた場合に磁気源1120の磁場および/または磁場方向がセンサ1110により検出可能となるような箇所で、磁気源1120が第2ハウジング部分1102の上または中に配設されるとよい。規定の整合位置および/または近接状態は、例えば、動作目的の第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102との接続のため適切に整合された相互近接位置に相当するとよい。磁気源1120の磁場および/または磁場方向の検出は、第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102とが正しく接続されたことを示すとよい。
【0221】
いくつかの実施形態において、磁気源1120の磁場および/または磁場方向をセンサ1120が検出できるように、磁気源1120はセンサ1110との接触状態にあるとよい。他の実施形態において、磁気源1120の磁場および/または磁場方向をセンサ1110が検出できるようにするのに、磁気源1120がセンサ1110との接触状態にある必要はない。例えば、第1ハウジング部分1101および第2ハウジング部分1102の一方または両方の一部分が、センサ1110と磁気源1120との間に配設されるとよい。
【0222】
さらに、第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102とが正しく接続されていない場合には、例えばセンサ1110と磁気源1120とが離間し過ぎているためにセンサ1110が磁場および/または磁場方向を検出できないように、センサ1110と磁気源1120とが配設されるとよい。したがって、第1ハウジング1101と第2ハウジング部分1102とが正しく接続されていないことをこうして示すとよい。
【0223】
いくつかの実施形態では、磁気源1120が二つ以上の磁場および/または磁場方向を備えるとよい。例えば図34Aおよび34Bに示されているように、第1磁場1122と第2磁場1124と第3磁場1126とが設けられて、第1磁場1122と第3磁場1126とが第2磁場1124の方向と異なる方向を有する。このような例では、上述した方法で第2磁場1124および/または第2磁場1124の方向(例えばN極)のみを検出するようにセンサ1110が構成されるとよい。こうして、第2磁場1124および/または第2磁場1124の方向の検出が、第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102とが正しく接続されていることを示すとよい。
【0224】
別の実施形態では、第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102との誤った接続を他の磁場(例えば第1磁場1122と第2磁場1126)および/または他の磁場方向の検出が示すように、他の磁場および/または他の磁場方向を検出する構成をセンサ1110が持つとよい。様々な磁場に関する情報および/または他の関連情報(例えば磁場強度、ガウスレベル、および/またはその他)を処理するためのアルゴリズムを、電子機器が採用するとよい。
【0225】
図35A〜36に示された実施形態など、いくつかの実施形態では、磁場源のガウスレベルまたはその他を検知するためのセンサ1111を第1ハウジング部分1101が有するとよい。センサ1111は、すでに説明されているセンサ1110、または、限定的ではないが、特許文献87に記載されたセンサのいずれかに類似しているとよく、その内容全体が参照により本願に援用される。センサ1111は、第1ハウジング部分1101の中に配置されても、第1ハウジング部分1101の上に設けられてもよい。
【0226】
一つ以上のセンサ1111および/または開示全体にわたって説明される他の構成要素を選択的に起動させるか他の方法で制御する被制御電力信号を提供するように、適当な電子機器がセンサ1111に接続されるとよい。例えば、接続可能な構成要素の一つ、または適当な制御電子機器を通してセンサ1111と無線通信状態で接続された遠隔制御装置(不図示)にある制御ボタン、スイッチ、または他の手動操作部を手で操作する際に起動するように、センサ1111が制御されるとよい。別の例では、ボタンおよび/またはその他の起動などの所定の動作の後、または所定時間量の後で自動的に起動するようにセンサ1111が制御されるとよい。いくつかの実施形態では、限定的ではないが針またはカニューレを挿入する針挿入器など、特定の構成要素または装置の操作または挿入時に起動するようにセンサ1111が制御されるとよい。
【0227】
様々な針挿入具の例は、限定的ではないが、特許文献27、特許文献28、特許文献7、特許文献29に記載されており、これらすべての内容全体が参照により本願に援用される。ゆえに、このような例では、例えば第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102とが動作嵌合する前または後にセンサ1111が起動されるとよい。
【0228】
第2ハウジング部分1102は、所定のガウスレベルを提供するための磁気源1121またはその他を含むとよい。磁気源1121は、前述した磁気源1120、または限定的ではないが、特許文献87に記載された磁気源のいずれかに類似しているとよく、その内容全体が参照により本願に援用される。
【0229】
第1ハウジング部分と第2ハウジング部分1102とが正しく接続された場合に磁気源1121のガウスレベルがセンサ1110により検出可能および/または測定可能となるような箇所で、磁気源1121が第2ハウジング部分1102の上または中に配設されるとよい。磁気源1121のガウスレベルの検出は、第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102とが正しく接続されていることを示すとよい。別の実施形態では、指定範囲内にあるガウスレベルを検出するようにセンサ1111および/または関連の電子機器が構成されるとよい。このような実施形態では、指定範囲を下回るか超えるガウスレベルが接続不良を示すとよい。
【0230】
いくつかの実施形態では、磁気源1121がセンサ1111との接触状態にあって磁気源1121のガウスレベルをセンサ1111が検出できるようにするとよい。他の実施形態では、センサ1111が磁気源1121のガウスレベルを検出するのに、磁気源1121がセンサ1111と接触状態にある必要はない。例えば、第1ハウジング部分1101および第2ハウジング部分1102の一方または両方の一部分が、センサ1111と磁気源1121との間に配設されるとよい。
【0231】
さらに、第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102とが正しく接続されていない場合には、例えばセンサ1111と磁気源1121とが離間し過ぎているために磁気源1121のガウスレベルをセンサ1111が検出できない(またはガウスレベルが検出可能な範囲にない)ように、センサ1111と磁気源1121とが配設されるとよい。こうして、第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102とが正しく接続されていないことをこのように示すとよい。
【0232】
別の実施形態では、センサ1111と関連している磁気閾値スイッチ(例えばホールスイッチ、リードスイッチ、および/またはその他)などの電子機器(不図示)は、いくつかの実施形態では指定範囲と同じである第2範囲の外側の信号をセンサ1111(または他のセンサ)が検知した際に、信号またはその他を提供できるように構成されるとよい。他の実施形態では、第2範囲は指定範囲と異なっていてもよい。例えば、第2範囲を上回るガウスレベルが検出された場合に、医療機器システム1100またはその所定部分を停止させるように、電子機器が医療機器システム1100の制御電子機器へ信号を提供するとよい。このような実施形態は、医療機器システム1100が動作中であってMRI(磁気共鳴画像法)装置またはその他などの強い外部磁気影響に露出された場合に、医療機器システム1100の様々な電子機器を保護するとよい。
【0233】
いくつかの実施形態では、二つ以上のガウスレベルを磁気源1121が提供するとよい。このような実施形態では、前述の方法と同じようにして第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102との正しい接続に対応する特定のガウスレベルのみを検出するように、センサ1111が構成されるとよい。こうして、特定のガウスレベルの検出が、第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102とが正しく接続されたことを示すとよい。別の実施形態では、第1ハウジング部分1101と第2ハウジング部分1102との接続不良を他のガウスレベルの検出が示すように他のガウスレベルを検出する構成を、センサ1111が持つとよい。様々なガウスレベルに関する情報および/または他の関連情報(磁場強度、磁場の検出、および/またはその他)を処理するためのアルゴリズムを電子機器が採用するとよい。
【0234】
図34A〜36を参照すると、様々な実施形態において、センサ1110とセンサ1111とは同じセンサでよく、ゆえに磁場の方向と磁場源からのガウスレベルの両方を検知するように構成されるとよい。いくつかの実施形態では、センサ1110とセンサ1111の両方が、上述のように磁気源(例えば1120,1121)を検知するために設けられるとよい。センサ1110とセンサ1111とが同じ磁気源を検知しても、該当の磁気源を検知してもよい。別の実施形態では、様々なガウスレベルや磁場方向に関する情報、および/または他の関連情報を処理するためのアルゴリズムを電子機器が採用するとよい。
【0235】
様々な実施形態では、センサ1110,1111が第1ハウジング部分1101に設けられるとよく、磁気源1120,1121が第2ハウジング部分1102に設けられるとよい。他の実施形態では、センサ1110,1111が第2ハウジング部分1102に設けられるとよく、磁気源1120,1121が第1ハウジング部分1101に設けられるとよい。別の実施形態では、第1ハウジング部分1101および第2ハウジング部分1102の各々が、センサ(例えば1110,1111)と相補的な磁気源(例えば1120,1121)を備えるとよい。
【0236】
図31A〜36を参照すると、センサおよび/または電気接点は電子機器(不図示)との電気通信状態にあるとよい。限定的ではないが駆動装置44を制御するための制御電子機器52(例えば図4)など、駆動装置44(例えば図4)を制御するための電子機器が制御電子機器に組み込まれるとよい。代替的に、電子機器が制御電子機器52から独立していてこれに追加されるが、制御電子機器52および/または駆動装置44との電気通信状態で接続されて、駆動装置44に駆動制御信号を提供するとよい。より詳しく述べると、信号または状態変化が制御電子機器52により受信されない限り駆動装置44の動作を阻止するように電子機器が構成されるとよいのである。
【0237】
例を挙げると、上述したように、例えば第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902とが正しい整合状態にあって動作目的の接続のため充分な近接状態にある場合に、第1端部922および第2端部924が第1主接点912および第2主接点916と相互作用する際に、信号または状態変化が提供されるとよい。言い換えると、第1ハウジング部分901と第2ハウジング部分902とが正しく動作嵌合している(つまり整合されている、および/または正しく接続されている)のでなければ駆動装置44が作動不可能であるとよい。
【0238】
本発明の様々な実施形態によれば、電子機器および/または制御電子機器52(図4)は、様々な方法で駆動装置44(例えば図4)を制御するように構成されるとよい。限定的ではないが、特許文献30と、特許文献87に、その例が記載されており、これらの内容全体が参照により本願に援用される。
【0239】
例えば、医療機器システム(例えば900,1100)の流体流路の遮断または重要構成要素の分断を検出した際にポンプ供給(送達)動作を停止させるように、駆動装置44が制御されるとよい。これらは、ハウジング部分を別のハウジング部分またはベース部分から分断すること、導管を別の導管またはタンクから分断すること、タンクをハウジング部分またはベースから分断すること、および/またはその他を含むが、これらに限定されるわけではない。
【0240】
また別の実施形態では、追加のセンサが医療機器システム内に設けられて、電子機器414との電気通信のために接続されるとよい。このような追加センサは、医療機器システムの他の構成要素との正しい接続の際に検出信号または状態変化を提供するための、磁気および/または電子起動スイッチ、磁場および/または電場の大きさ・方向センサ、誘導センサ、他の近接センサ、接触センサ、および/またはその他を包含するとよい。このような他の構成要素の正しい接続は、例えば、ハウジング部分またはベースへのタンクの正しい接続、タンクへの導管の正しい接続、二つの導管どうしの正しい接続、挿入状態での針またはカニューレの正しい設置、カニューレまたは針への導管の正しい接続、医療機器システムの他の構成要素または医療機器への正しい接続を包含するとよい。
【0241】
代替的または付加的に、電子機器および/または制御電子機器52(例えば図4)は、前回または部分的使用の後の再接続と比較して、第1ハウジング部分(例えば901)と第2ハウジング部分(例えば902)との初回接続または他の構成要素の初回接続を検出するように構成されるとよい。このようにして、第1部品401と第2部品402との初回接続を検出した際に呼び水動作または他の適当な初回動作を行うように、駆動装置44が制御されるとよい。
【0242】
様々な実施形態では、センサ、電気接点、および/または関連の回路網は、構成要素が他の構成要素に対して接続および/または分断される回数を追跡すること、各送達ステップに先立って薬剤送達システムにおける構成要素の正しい接続および/または整合を確認すること、周囲パラメータ(例えば周囲の磁場)、動作パラメータ、および/またはその他などのパラメータを点検、検知、および/または測定すること、送達システムの動作パラメータから外れた状態などの状態について利用者に警告すること、および/またはその他を可能にするとよいが、これらに限定されるわけではない。
【0243】
様々な実施形態は、二つ(以上)の別個の独立構成要素の間の確認、二つ(以上)の別個の独立構成要素の間の正確な位置決めの確認、二つ(以上)の別個の独立構成要素が正しい順序で接続されたかどうかの確認、多数構成要素システムの個々の構成要素の(意図的または偶発的な)分離の通知を行う安全機構、および/またはその他を可能にするとよい。
【0244】
代替的または付加的に、電子機器および/または制御電子機器52(例えば図4)は、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分あるいは他の構成要素の正しい整合および/または接続について利用者が認知できる形で指示を行うように構成されるとよい。例えば、第1ハウジング部分と第2ハウジング部分402との正しい整合および/または接続を検出した際に、電子機器414および/または制御電子機器52は、図36に示されたようなインジケータ装置420を起動させる適当な制御信号を提供するとよい。
【0245】
インジケータ装置420は、プロセッサ422により作動するとよい。プロセッサ422は、様々なプログラムを実行する、および/または一つ以上のセンサ、反応装置、および/または他の相互作用要素から受信したデータなど、様々な情報を処理するように構成されるとよい。プロセッサ422は例えば、検出された信号を、閾値および/またはメモリ424に予め記憶された値と比較するように構成されるとよい。
【0246】
図31A〜36を参照すると、インジケータ装置420は、限定的ではないが、可聴インジケータ、光学インジケータ、触覚的インジケータ、これらインジケータの一つ以上の組合せ、および/またはその他を含むとよい。例えば、上述した構成要素の正しい整合または接続の際には、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方または両方に設けられるかこれと関連する音声発生装置により、ビーッという可聴音または他の適当な音声が発生されるとよい。例えば、上述した構成要素の正しい整合または接続の際には、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方または両方に設けられるかこれと関連するLEDや他の光源またはディスプレイ装置により、閃光または他の適当な視覚的インジケータが発生されるとよい。例えば、上述した構成要素の正しい整合または接続の際には、第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方または両方に設けられるかこれと関連する振動装置および/またはその他により振動および/またはその他が発生されるとよい。インジケータ装置の例は、限定的ではないが、特許文献30と、特許文献87に記載されており、これらの内容全体が参照により本願に援用される。
【0247】
ここに開示される実施形態は、すべての点で例示的であって発明を限定するものではないと考えられる。本発明は、記載された実施形態にどのような形でも制限されない。発明の趣旨および範囲を逸脱することなく、様々な変形および変更が実施形態に加えられてもよい。発明の範囲は、実施形態ではなく添付の請求項によって示されている。請求項の意味およびその同等物の範囲に含まれる様々な変形および変更は、本発明の範囲に含まれると考えられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流体媒体を利用者に送達するための送達システムであって、
利用者による携行に適した第1ハウジング部分と、
前記第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離される構成を持つ第2ハウジング部分であって、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方が、流体媒体を格納するための内部空間を有するタンクを支持するためのものであり、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分が、相互に動作嵌合するように相対的に摺動可能である構成を持つ、第2ハウジング部分と、
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方により前記タンクが支持されて前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分が相対的に摺動して相互に動作嵌合する場合に前記タンクと嵌合する位置において、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方により支持される流体コネクタと、
を包含する送達システム。
【請求項2】
前記第1ハウジング部分が、少なくとも第1位置と第2位置との間で前記第2ハウジングに対して第1方向に摺動可能であるように構成され、
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置にある場合に、前記第1ハウジング部分が前記第2部分と動作嵌合する、
請求項1に記載の送達システム。
【請求項3】
前記タンクが前記第1ハウジング部分に支持されるとともに、前記流体コネクタが前記第2ハウジング部分に支持され、
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置にある場合に、前記流体コネクタと前記タンクとの間の流体のため前記流体コネクタが前記タンクと嵌合する、
請求項2に記載の送達システム。
【請求項4】
前記送達システムがさらに、
前記第1ハウジング部分が前記第1位置から前記第2位置へ前記第2ハウジング部分に対して摺動する際に、前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とを接続するための接続構造、
を包含する、請求項2に記載の送達システム。
【請求項5】
前記第1ハウジング部分が、少なくともロック解除位置から少なくともロック位置へ前記第2ハウジング部分に対して前記第1方向に摺動可能である、請求項4に記載の送達システム。
【請求項6】
前記接続構造がダブテール接続構造を包含し、
前記ダブテール接続構造が、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に支持されるダブテールと、前記ダブテールを支持する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方の溝部とを含み、前記ダブテールが、前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動する際に前記溝部の少なくとも一部分に沿って移動して前記溝部を画定する表面と嵌合するためのものである、
請求項4に記載の送達システム。
【請求項7】
前記接続構造が、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に支持される突起部と、前記突起部を支持する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方の溝部とを含み、前記突起部が、前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動する際に前記溝部の少なくとも一部分に沿って移動して前記溝部を画定する表面と嵌合するためのものである、請求項4に記載の送達システム。
【請求項8】
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動する際に前記突起部を摩擦嵌め式に前記溝部の前記表面と嵌合させるように、前記溝部を画定する前記表面がテーパ状である、請求項7に記載の送達システム。
【請求項9】
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動する際に前記突起部を摩擦嵌め式に前記表面と嵌合させるように、前記突起部がテーパ状である、請求項7に記載の送達システム。
【請求項10】
前記突起部を支持する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方に空洞を画定する当接部を前記接続構造が含み、前記当接部が、前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置にある時に前記突起部を前記空洞にロックするためのものである、請求項7に記載の送達システム。
【請求項11】
前記接続構造が、
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に支持される凸状部、および、前記凸状部を支持する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方の凹状部であって、凸状部が、前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動する際に前記凹状部の少なくとも一部分に沿って移動するためのものである、凸状部および凹状部と、
前記凸状部を支持する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方に空洞を画定する当接部であって、第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置にある時に前記空洞に前記凸状部をロックするための当接部と、
を含む、請求項4に記載の送達システム。
【請求項12】
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方が第1嵌合部材を有し、
前記第1嵌合部材を有する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方が、第2嵌合部材を有し、
前記第1嵌合部材および前記第2嵌合部材が、前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動して前記第1ハウジング部分を前記第2ハウジング部分にロックする際に相互に嵌合するように構成される、
請求項2に記載の送達システム。
【請求項13】
前記第1嵌合部材が複数の凸状部を包含し、
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動して前記第1ハウジング部分を前記第2ハウジング部分にロックする際に前記複数の凸状部の少なくとも一つと嵌合するための複数の小孔および凸状部のうち少なくとも一方を前記第2嵌合部材が包含する、
請求項12に記載の送達システム。
【請求項14】
前記第1嵌合部材および前記第2嵌合部材が相互に嵌合する場合に、前記第1方向と交差する軸方向における前記第2ハウジング部分からの前記第1ハウジング部分の離脱を前記第1嵌合部材および前記第2嵌合部材が阻止する、請求項12に記載の送達システム。
【請求項15】
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方の一部分に沿って前記第1方向に延在する一対の隆起部を前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方が包含し、前記一対の隆起部が、前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動する際に前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方を案内するためのものである、請求項2に記載の送達システム。
【請求項16】
前記隆起部の各々が前記第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方の周縁部に沿って延在する、請求項15に記載の送達システム。
【請求項17】
前記送達システムがさらに、
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動する際に前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とを接続するための接続構造、
を包含し、
前記一対の隆起部が、前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動する際に前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方を案内して前記接続構造に前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とを接続させるためのものである、
請求項15に記載の送達システム。
【請求項18】
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方が、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の前記一方に支持された前記タンクが前記タンクを支持する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の前記一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方と接触することを実質的に防止するために、停止面を有する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方の一部分と接触する停止面を有する、請求項2に記載の送達システム。
【請求項19】
前記停止面が、前記停止面を有する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方の一部分と接触して、前記流体導管と前記タンクとが嵌合した後に前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方と前記タンクが接触することを実質的に防止するためのものである、請求項18に記載の送達システム。
【請求項20】
前記送達システムがさらに一対の磁石を包含し、前記一対の磁石が、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に支持された第1磁石と、前記第1磁石を支持する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方に支持された第2磁石とを含み、前記第1磁石および前記第2磁石が、前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動して前記第2ハウジング部分と不整合状態になった場合に前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とを整合させるように構成される、請求項2に記載の送達システム。
【請求項21】
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動して前記第2ハウジング部分と不整合状態になった場合に相互に反発するように前記磁石の各々が配設される、請求項20に記載の送達システム。
【請求項22】
前記磁石の各々が共通極を有する、請求項21に記載の送達システム。
【請求項23】
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置にある時にラッチを有する前記第1ハウジング部分および前記第2部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方と嵌合するためのラッチを、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方が有する、請求項2に記載の送達システム。
【請求項24】
前記ラッチを有する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方と嵌合または解離の少なくとも一方を行うように押入可能な構成を前記ラッチが持つ、請求項23に記載の送達システム。
【請求項25】
前記ラッチを有する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方が、前記ラッチを検知するためのセンサを有する、請求項23に記載の送達システム。
【請求項26】
前記第1ハウジング部分が前記第1方向に摺動するが前記第2位置までは摺動していない場合に前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分を付勢して相互に離間させるための付勢部材を、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方が有し、
前記ラッチが、前記第1ハウジング部分が前記第2位置まで前記第1方向に摺動する場合に前記ラッチを有する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方と嵌合するためのものである、
請求項23に記載の送達システム。
【請求項27】
前記第1ハウジング部分が前記第1方向に摺動するが前記第2位置までは摺動していない場合に前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分を付勢して相互に離間させるための付勢部材を、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方が有する、請求項2に記載の送達システム。
【請求項28】
医療機器の製造方法であって、
第1ハウジング部分を利用者による携行に適応させることと、
前記第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離されるように第2ハウジング部分を構成することであって、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方が流体媒体を格納するための内部空間を有するタンクを支持するためのものであり、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分が、相互に動作嵌合するように相対的に摺動可能な構成を持つことと、
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方により前記タンクが支持されて前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分が相互に動作嵌合するように相対的に摺動した場合に前記タンクと嵌合する位置に、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方により流体コネクタを支持することと、
を包含する方法。
【請求項29】
利用者を治療するための医療機器であって、
利用者による携行に適応した第1ハウジング部分と、
前記第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離される構成を持つ第2ハウジング部分と、
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の少なくとも一方に設けられる複数の電気接点であって、一組の主電気接点と少なくとも一つの副電気接点とを含む複数の電気接点と、
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方に設けられた短絡機構であって、前記一組の主電気接点と相互作用を行うための短絡機構と、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構が前記複数の電気接点の前記一組の主電気接点と相互作用する場合に第1信号を提供するように構成された回路網と、
を包含し、
前記回路網がさらに、前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構が前記複数の電気接点の前記少なくとも一つの副電気接点と相互作用を行う場合に第2信号を提供するように構成される、
医療機器。
【請求項30】
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接続されていることを前記第1信号が示す、請求項29に記載の医療機器。
【請求項31】
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接続されていないことを前記第2信号が示す、請求項30に記載の医療機器。
【請求項32】
前記短絡機構が前記一組の主電気接点と接触する場合に前記一組の主電気接点が前記短絡機構と相互作用を行い、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構が前記複数の電気接点の前記一組の主電気接点と接触する場合に前記第1信号を提供するように前記回路網が構成され、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構が前記複数の電気接点の前記少なくとも一つの副電気接点と接触する場合に前記第2信号を提供するように前記回路網がさらに構成される、
請求項29に記載の医療機器。
【請求項33】
前記短絡機構が複数の端部を有して、前記端部の各々が、前記一組の主電気接点の該当主電気接点と相互作用を行うためのものであり、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構の前記端部の各々が前記一組の主電気接点の該当主電気接点と相互作用を行う場合に前記第1信号を提供するように前記回路網が構成され、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構の前記端部の少なくとも一つが前記複数の電気接点の前記少なくとも一つの副電気接点と相互作用する場合に前記第2信号を提供するように前記回路網がさらに構成される、
請求項29に記載の医療機器。
【請求項34】
前記一組の主電気接点が、第1主電気接点と第2主電気接点とを包含し、
前記短絡機構の前記複数の端部が、前記第1主電気接点および前記第2主電気接点と相互作用を行うための第1端部および第2端部を含み、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構の前記第1端部および前記第2端部が前記複数の電気接点の前記第1主電気接点および前記第2主電気接点と相互作用する場合に前記第1信号を提供するように前記回路網が構成され、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構の前記第1端部および前記第2端部の少なくとも一方が前記複数の電気接点の前記少なくとも一つの副電気接点と相互作用を行う場合に前記第2信号を提供するように前記回路網がさらに構成される、
請求項33に記載の医療機器。
【請求項35】
該当の前記第1主電気接点および前記第2主電気接点のみと相互作用を行う第1端部および第2端部を前記短絡機構が有する、請求項34に記載の医療機器。
【請求項36】
前記少なくとも一つの副電気接点のうち少なくとも一つが前記一組の主電気接点の間に配設される、請求項29に記載の医療機器。
【請求項37】
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構が前記複数の電気接点の前記一組の主電気接点と相互作用を行わない場合に第3信号を提供するように前記回路網がさらに構成される、請求項29に記載の医療機器。
【請求項38】
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接続されていないことを前記第3信号が示す、請求項37に記載の医療機器。
【請求項39】
前記第2信号と前記第3信号とが同じタイプの信号である、請求項37に記載の医療機器。
【請求項40】
前記一組の主電気接点のうち少なくともいくつかが前記複数の電気接点のうち最も外側の電気接点となるように配設される、請求項29に記載の医療機器。
【請求項41】
前記少なくとも一つの副電気接点のすべてが前記一組の主電気接点の間に配設される、請求項29に記載の医療機器。
【請求項42】
前記短絡機構が前記一組の主電気接点と相互作用を行う場合に前記一組の主電気接点の間に電気接続を確立するように前記短絡機構が構成される、請求項29に記載の医療機器。
【請求項43】
前記短絡機構が電気伝導体を包含する、請求項42に記載の医療機器。
【請求項44】
前記一組の主電気接点が、第1位置へ付勢されるとともに前記第1位置から第2位置へ押圧可能であるように構成され、
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分と嵌合する時に前記第2位置へ移動するように前記一組の主電気接点が構成される、
請求項29に記載の医療機器。
【請求項45】
前記機器がさらに、
前記一組の主電気接点を前記第1位置へ付勢するための付勢部材、
を包含する、請求項44に記載の医療機器。
【請求項46】
前記付勢部材が個別付勢部材を包含し、前記個別付勢部材の各々が前記一組の主電気接点の一つを前記第1位置へ付勢するためのものである、請求項45に記載の医療機器。
【請求項47】
前記複数の電気接点が、第1位置へ付勢されるとともに前記第1位置から第2位置へ押圧可能であるように構成され、
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分と嵌合する時に前記複数の電気接点が前記第2位置へ移動する、
請求項29に記載の医療機器。
【請求項48】
第1位置へ付勢されるとともに前記第1位置から第2位置へ押圧可能であるように前記短絡機構が構成され、
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分と嵌合する時に前記第2位置へ移動するように前記短絡機構が構成される、
請求項29に記載の医療機器。
【請求項49】
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方が、流体媒体を格納するための内部空間を有するタンクを支持するためのものである、請求項29に記載の医療機器。
【請求項50】
前記一組の主電気接点の前記主電気接点の各々が導電性パッドを包含する、請求項29に記載の医療機器。
【請求項51】
前記複数の電気接点が前記第2ハウジング部分に設けられ、前記第2ハウジング部分の電子機器へ電力を提供するための電源を前記第2ハウジング部分が有し、
前記複数の電気接点の少なくともいくつかが、前記第2ハウジング部分の前記電源を充電するための電気供給源と嵌合可能であるように構成される、
請求項29に記載の医療機器。
【請求項52】
前記複数の電気接点が前記第2ハウジング部分に設けられ、前記第2ハウジング部分がプログラマブル回路網を有し、
前記複数の電気接点の少なくともいくつかが、前記第2ハウジング部分の前記プログラマブル回路網をプログラムするための入力装置と嵌合可能であるように構成される、
請求項29に記載の医療機器。
【請求項53】
前記複数の電気接点が前記第2ハウジング部分に設けられ、前記複数の電気接点と前記第1ハウジング部分の前記短絡機構の一方に基づいて前記第2ハウジング部分のタイプを判断するように前記回路網が構成される、請求項29に記載の医療機器。
【請求項54】
前記短絡機構が既知抵抗を包含する、請求項29に記載の医療機器。
【請求項55】
医療機器の製造方法であって、
第1ハウジング部分をユーザによる携行に適応させることと、
前記第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離されるように第2ハウジング部分を構成することと、
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の少なくとも一方に複数の電気接点を設けることであって、前記複数の電気接点が一組の主電気接点と少なくとも一つの副電気接点とを含むことと、
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方に短絡機構を設けることであって、前記短絡機構が前記一組の主電気接点と相互作用を行うためのものであることと、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構が前記複数の電気接点の前記一組の主電気接点と相互作用を行う場合に第1信号を提供するように回路網を構成することと、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構が前記複数の電気接点の少なくとも一つの副電気接点と相互作用を行う場合に第2信号を提供するように前記回路網を構成することと、
を包含する方法。
【請求項56】
利用者を治療するための医療機器であって、
利用者による携行に適応した第1ハウジング部分と、
前記第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離されるように構成された第2ハウジング部分と、
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の少なくとも一方に設けられた、所定磁場および所定磁気強度の少なくとも一方を有する磁気源と、
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方に設けられた、前記所定磁場および前記所定磁気強度の少なくとも一方を検出するためのセンサと、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記磁気源の前記所定磁場および前記所定磁気強度の少なくとも一方を前記センサが検出する場合に第1信号を提供するように構成された回路網と、
を包含し、
前記回路網がさらに、前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記所定磁場源と異なる磁場と前記磁場源の前記所定磁気強度と異なる磁気強度とのうち少なくとも一方を前記センサが検出する場合に第2信号を提供するように構成される、
医療機器。
【請求項57】
第1既定閾値を超えるガウスレベルを前記センサが検出する場合に制御回路網を起動させるための信号を提供するように前記センサが構成される、請求項56に記載の医療機器。
【請求項58】
前記センサが磁気閾値スイッチを包含する、請求項57に記載の医療機器。
【請求項59】
第2既定閾値を超えるガウスレベルを前記センサが検知する場合に前記制御回路網と前記センサの少なくとも一方を停止させるための信号を提供するように構成された第2磁気閾値スイッチをさらに包含する医療機器であって、前記第2既定閾値が前記第1既定閾値よりも高い、請求項57に記載の医療機器。
【請求項60】
磁気源が所定磁場方向を有し、
前記センサが前記所定磁場方向を検出するためのものであり、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記センサが前記所定磁場方向を検出する場合に前記第1信号を提供するように前記回路網が構成される、
請求項56に記載の医療機器。
【請求項61】
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記所定磁場方向と異なる磁場方向を前記センサが検出する場合に前記第2信号を提供するように前記回路網がさらに構成される、請求項60に記載の医療機器。
【請求項62】
前記所定磁場が方向を含み、前記方向を検出するように前記センサが構成される、請求項56に記載の医療機器。
【請求項63】
医療機器の製造方法であって、
第1ハウジング部分を利用者による携行に適応させることと、
前記第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離されるように第2ハウジング部分を構成することと、
所定磁場および所定磁気強度のうち少なくとも一方を有する磁気源を前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の少なくとも一方に設けることと、
前記所定磁場および前記所定磁気強度のうち少なくとも一方を検出するためのセンサを前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方に設けることと、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記磁気源の前記所定磁場および前記所定磁気強度の少なくとも一方を前記センサが検出する場合に第1信号を提供するように回路網を構成することと、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記所定磁場と異なる磁場と前記磁気源の前記所定磁気強度と異なる磁気強度のうち少なくとも一方を前記センサが検出する場合に第2信号を提供するように前記回路網を構成することと、
を包含する方法。
【請求項1】
流体媒体を利用者に送達するための送達システムであって、
利用者による携行に適した第1ハウジング部分と、
前記第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離される構成を持つ第2ハウジング部分であって、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方が、流体媒体を格納するための内部空間を有するタンクを支持するためのものであり、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分が、相互に動作嵌合するように相対的に摺動可能である構成を持つ、第2ハウジング部分と、
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方により前記タンクが支持されて前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分が相対的に摺動して相互に動作嵌合する場合に前記タンクと嵌合する位置において、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方により支持される流体コネクタと、
を包含する送達システム。
【請求項2】
前記第1ハウジング部分が、少なくとも第1位置と第2位置との間で前記第2ハウジングに対して第1方向に摺動可能であるように構成され、
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置にある場合に、前記第1ハウジング部分が前記第2部分と動作嵌合する、
請求項1に記載の送達システム。
【請求項3】
前記タンクが前記第1ハウジング部分に支持されるとともに、前記流体コネクタが前記第2ハウジング部分に支持され、
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置にある場合に、前記流体コネクタと前記タンクとの間の流体のため前記流体コネクタが前記タンクと嵌合する、
請求項2に記載の送達システム。
【請求項4】
前記送達システムがさらに、
前記第1ハウジング部分が前記第1位置から前記第2位置へ前記第2ハウジング部分に対して摺動する際に、前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とを接続するための接続構造、
を包含する、請求項2に記載の送達システム。
【請求項5】
前記第1ハウジング部分が、少なくともロック解除位置から少なくともロック位置へ前記第2ハウジング部分に対して前記第1方向に摺動可能である、請求項4に記載の送達システム。
【請求項6】
前記接続構造がダブテール接続構造を包含し、
前記ダブテール接続構造が、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に支持されるダブテールと、前記ダブテールを支持する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方の溝部とを含み、前記ダブテールが、前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動する際に前記溝部の少なくとも一部分に沿って移動して前記溝部を画定する表面と嵌合するためのものである、
請求項4に記載の送達システム。
【請求項7】
前記接続構造が、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に支持される突起部と、前記突起部を支持する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方の溝部とを含み、前記突起部が、前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動する際に前記溝部の少なくとも一部分に沿って移動して前記溝部を画定する表面と嵌合するためのものである、請求項4に記載の送達システム。
【請求項8】
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動する際に前記突起部を摩擦嵌め式に前記溝部の前記表面と嵌合させるように、前記溝部を画定する前記表面がテーパ状である、請求項7に記載の送達システム。
【請求項9】
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動する際に前記突起部を摩擦嵌め式に前記表面と嵌合させるように、前記突起部がテーパ状である、請求項7に記載の送達システム。
【請求項10】
前記突起部を支持する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方に空洞を画定する当接部を前記接続構造が含み、前記当接部が、前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置にある時に前記突起部を前記空洞にロックするためのものである、請求項7に記載の送達システム。
【請求項11】
前記接続構造が、
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に支持される凸状部、および、前記凸状部を支持する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方の凹状部であって、凸状部が、前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動する際に前記凹状部の少なくとも一部分に沿って移動するためのものである、凸状部および凹状部と、
前記凸状部を支持する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方に空洞を画定する当接部であって、第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置にある時に前記空洞に前記凸状部をロックするための当接部と、
を含む、請求項4に記載の送達システム。
【請求項12】
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方が第1嵌合部材を有し、
前記第1嵌合部材を有する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方が、第2嵌合部材を有し、
前記第1嵌合部材および前記第2嵌合部材が、前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動して前記第1ハウジング部分を前記第2ハウジング部分にロックする際に相互に嵌合するように構成される、
請求項2に記載の送達システム。
【請求項13】
前記第1嵌合部材が複数の凸状部を包含し、
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動して前記第1ハウジング部分を前記第2ハウジング部分にロックする際に前記複数の凸状部の少なくとも一つと嵌合するための複数の小孔および凸状部のうち少なくとも一方を前記第2嵌合部材が包含する、
請求項12に記載の送達システム。
【請求項14】
前記第1嵌合部材および前記第2嵌合部材が相互に嵌合する場合に、前記第1方向と交差する軸方向における前記第2ハウジング部分からの前記第1ハウジング部分の離脱を前記第1嵌合部材および前記第2嵌合部材が阻止する、請求項12に記載の送達システム。
【請求項15】
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方の一部分に沿って前記第1方向に延在する一対の隆起部を前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方が包含し、前記一対の隆起部が、前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動する際に前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方を案内するためのものである、請求項2に記載の送達システム。
【請求項16】
前記隆起部の各々が前記第1ハウジング部分および第2ハウジング部分の一方の周縁部に沿って延在する、請求項15に記載の送達システム。
【請求項17】
前記送達システムがさらに、
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動する際に前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とを接続するための接続構造、
を包含し、
前記一対の隆起部が、前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動する際に前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方を案内して前記接続構造に前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とを接続させるためのものである、
請求項15に記載の送達システム。
【請求項18】
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方が、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の前記一方に支持された前記タンクが前記タンクを支持する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の前記一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方と接触することを実質的に防止するために、停止面を有する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方の一部分と接触する停止面を有する、請求項2に記載の送達システム。
【請求項19】
前記停止面が、前記停止面を有する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方の一部分と接触して、前記流体導管と前記タンクとが嵌合した後に前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方と前記タンクが接触することを実質的に防止するためのものである、請求項18に記載の送達システム。
【請求項20】
前記送達システムがさらに一対の磁石を包含し、前記一対の磁石が、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に支持された第1磁石と、前記第1磁石を支持する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方に支持された第2磁石とを含み、前記第1磁石および前記第2磁石が、前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動して前記第2ハウジング部分と不整合状態になった場合に前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とを整合させるように構成される、請求項2に記載の送達システム。
【請求項21】
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置まで摺動して前記第2ハウジング部分と不整合状態になった場合に相互に反発するように前記磁石の各々が配設される、請求項20に記載の送達システム。
【請求項22】
前記磁石の各々が共通極を有する、請求項21に記載の送達システム。
【請求項23】
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分に対して前記第2位置にある時にラッチを有する前記第1ハウジング部分および前記第2部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方と嵌合するためのラッチを、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方が有する、請求項2に記載の送達システム。
【請求項24】
前記ラッチを有する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方と嵌合または解離の少なくとも一方を行うように押入可能な構成を前記ラッチが持つ、請求項23に記載の送達システム。
【請求項25】
前記ラッチを有する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方が、前記ラッチを検知するためのセンサを有する、請求項23に記載の送達システム。
【請求項26】
前記第1ハウジング部分が前記第1方向に摺動するが前記第2位置までは摺動していない場合に前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分を付勢して相互に離間させるための付勢部材を、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方が有し、
前記ラッチが、前記第1ハウジング部分が前記第2位置まで前記第1方向に摺動する場合に前記ラッチを有する前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方に対しての前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方と嵌合するためのものである、
請求項23に記載の送達システム。
【請求項27】
前記第1ハウジング部分が前記第1方向に摺動するが前記第2位置までは摺動していない場合に前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分を付勢して相互に離間させるための付勢部材を、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方が有する、請求項2に記載の送達システム。
【請求項28】
医療機器の製造方法であって、
第1ハウジング部分を利用者による携行に適応させることと、
前記第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離されるように第2ハウジング部分を構成することであって、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方が流体媒体を格納するための内部空間を有するタンクを支持するためのものであり、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分が、相互に動作嵌合するように相対的に摺動可能な構成を持つことと、
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方により前記タンクが支持されて前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分が相互に動作嵌合するように相対的に摺動した場合に前記タンクと嵌合する位置に、前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方により流体コネクタを支持することと、
を包含する方法。
【請求項29】
利用者を治療するための医療機器であって、
利用者による携行に適応した第1ハウジング部分と、
前記第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離される構成を持つ第2ハウジング部分と、
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の少なくとも一方に設けられる複数の電気接点であって、一組の主電気接点と少なくとも一つの副電気接点とを含む複数の電気接点と、
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方に設けられた短絡機構であって、前記一組の主電気接点と相互作用を行うための短絡機構と、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構が前記複数の電気接点の前記一組の主電気接点と相互作用する場合に第1信号を提供するように構成された回路網と、
を包含し、
前記回路網がさらに、前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構が前記複数の電気接点の前記少なくとも一つの副電気接点と相互作用を行う場合に第2信号を提供するように構成される、
医療機器。
【請求項30】
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接続されていることを前記第1信号が示す、請求項29に記載の医療機器。
【請求項31】
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接続されていないことを前記第2信号が示す、請求項30に記載の医療機器。
【請求項32】
前記短絡機構が前記一組の主電気接点と接触する場合に前記一組の主電気接点が前記短絡機構と相互作用を行い、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構が前記複数の電気接点の前記一組の主電気接点と接触する場合に前記第1信号を提供するように前記回路網が構成され、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構が前記複数の電気接点の前記少なくとも一つの副電気接点と接触する場合に前記第2信号を提供するように前記回路網がさらに構成される、
請求項29に記載の医療機器。
【請求項33】
前記短絡機構が複数の端部を有して、前記端部の各々が、前記一組の主電気接点の該当主電気接点と相互作用を行うためのものであり、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構の前記端部の各々が前記一組の主電気接点の該当主電気接点と相互作用を行う場合に前記第1信号を提供するように前記回路網が構成され、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構の前記端部の少なくとも一つが前記複数の電気接点の前記少なくとも一つの副電気接点と相互作用する場合に前記第2信号を提供するように前記回路網がさらに構成される、
請求項29に記載の医療機器。
【請求項34】
前記一組の主電気接点が、第1主電気接点と第2主電気接点とを包含し、
前記短絡機構の前記複数の端部が、前記第1主電気接点および前記第2主電気接点と相互作用を行うための第1端部および第2端部を含み、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構の前記第1端部および前記第2端部が前記複数の電気接点の前記第1主電気接点および前記第2主電気接点と相互作用する場合に前記第1信号を提供するように前記回路網が構成され、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構の前記第1端部および前記第2端部の少なくとも一方が前記複数の電気接点の前記少なくとも一つの副電気接点と相互作用を行う場合に前記第2信号を提供するように前記回路網がさらに構成される、
請求項33に記載の医療機器。
【請求項35】
該当の前記第1主電気接点および前記第2主電気接点のみと相互作用を行う第1端部および第2端部を前記短絡機構が有する、請求項34に記載の医療機器。
【請求項36】
前記少なくとも一つの副電気接点のうち少なくとも一つが前記一組の主電気接点の間に配設される、請求項29に記載の医療機器。
【請求項37】
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構が前記複数の電気接点の前記一組の主電気接点と相互作用を行わない場合に第3信号を提供するように前記回路網がさらに構成される、請求項29に記載の医療機器。
【請求項38】
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接続されていないことを前記第3信号が示す、請求項37に記載の医療機器。
【請求項39】
前記第2信号と前記第3信号とが同じタイプの信号である、請求項37に記載の医療機器。
【請求項40】
前記一組の主電気接点のうち少なくともいくつかが前記複数の電気接点のうち最も外側の電気接点となるように配設される、請求項29に記載の医療機器。
【請求項41】
前記少なくとも一つの副電気接点のすべてが前記一組の主電気接点の間に配設される、請求項29に記載の医療機器。
【請求項42】
前記短絡機構が前記一組の主電気接点と相互作用を行う場合に前記一組の主電気接点の間に電気接続を確立するように前記短絡機構が構成される、請求項29に記載の医療機器。
【請求項43】
前記短絡機構が電気伝導体を包含する、請求項42に記載の医療機器。
【請求項44】
前記一組の主電気接点が、第1位置へ付勢されるとともに前記第1位置から第2位置へ押圧可能であるように構成され、
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分と嵌合する時に前記第2位置へ移動するように前記一組の主電気接点が構成される、
請求項29に記載の医療機器。
【請求項45】
前記機器がさらに、
前記一組の主電気接点を前記第1位置へ付勢するための付勢部材、
を包含する、請求項44に記載の医療機器。
【請求項46】
前記付勢部材が個別付勢部材を包含し、前記個別付勢部材の各々が前記一組の主電気接点の一つを前記第1位置へ付勢するためのものである、請求項45に記載の医療機器。
【請求項47】
前記複数の電気接点が、第1位置へ付勢されるとともに前記第1位置から第2位置へ押圧可能であるように構成され、
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分と嵌合する時に前記複数の電気接点が前記第2位置へ移動する、
請求項29に記載の医療機器。
【請求項48】
第1位置へ付勢されるとともに前記第1位置から第2位置へ押圧可能であるように前記短絡機構が構成され、
前記第1ハウジング部分が前記第2ハウジング部分と嵌合する時に前記第2位置へ移動するように前記短絡機構が構成される、
請求項29に記載の医療機器。
【請求項49】
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の一方が、流体媒体を格納するための内部空間を有するタンクを支持するためのものである、請求項29に記載の医療機器。
【請求項50】
前記一組の主電気接点の前記主電気接点の各々が導電性パッドを包含する、請求項29に記載の医療機器。
【請求項51】
前記複数の電気接点が前記第2ハウジング部分に設けられ、前記第2ハウジング部分の電子機器へ電力を提供するための電源を前記第2ハウジング部分が有し、
前記複数の電気接点の少なくともいくつかが、前記第2ハウジング部分の前記電源を充電するための電気供給源と嵌合可能であるように構成される、
請求項29に記載の医療機器。
【請求項52】
前記複数の電気接点が前記第2ハウジング部分に設けられ、前記第2ハウジング部分がプログラマブル回路網を有し、
前記複数の電気接点の少なくともいくつかが、前記第2ハウジング部分の前記プログラマブル回路網をプログラムするための入力装置と嵌合可能であるように構成される、
請求項29に記載の医療機器。
【請求項53】
前記複数の電気接点が前記第2ハウジング部分に設けられ、前記複数の電気接点と前記第1ハウジング部分の前記短絡機構の一方に基づいて前記第2ハウジング部分のタイプを判断するように前記回路網が構成される、請求項29に記載の医療機器。
【請求項54】
前記短絡機構が既知抵抗を包含する、請求項29に記載の医療機器。
【請求項55】
医療機器の製造方法であって、
第1ハウジング部分をユーザによる携行に適応させることと、
前記第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離されるように第2ハウジング部分を構成することと、
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の少なくとも一方に複数の電気接点を設けることであって、前記複数の電気接点が一組の主電気接点と少なくとも一つの副電気接点とを含むことと、
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方に短絡機構を設けることであって、前記短絡機構が前記一組の主電気接点と相互作用を行うためのものであることと、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構が前記複数の電気接点の前記一組の主電気接点と相互作用を行う場合に第1信号を提供するように回路網を構成することと、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記短絡機構が前記複数の電気接点の少なくとも一つの副電気接点と相互作用を行う場合に第2信号を提供するように前記回路網を構成することと、
を包含する方法。
【請求項56】
利用者を治療するための医療機器であって、
利用者による携行に適応した第1ハウジング部分と、
前記第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離されるように構成された第2ハウジング部分と、
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の少なくとも一方に設けられた、所定磁場および所定磁気強度の少なくとも一方を有する磁気源と、
前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方に設けられた、前記所定磁場および前記所定磁気強度の少なくとも一方を検出するためのセンサと、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記磁気源の前記所定磁場および前記所定磁気強度の少なくとも一方を前記センサが検出する場合に第1信号を提供するように構成された回路網と、
を包含し、
前記回路網がさらに、前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記所定磁場源と異なる磁場と前記磁場源の前記所定磁気強度と異なる磁気強度とのうち少なくとも一方を前記センサが検出する場合に第2信号を提供するように構成される、
医療機器。
【請求項57】
第1既定閾値を超えるガウスレベルを前記センサが検出する場合に制御回路網を起動させるための信号を提供するように前記センサが構成される、請求項56に記載の医療機器。
【請求項58】
前記センサが磁気閾値スイッチを包含する、請求項57に記載の医療機器。
【請求項59】
第2既定閾値を超えるガウスレベルを前記センサが検知する場合に前記制御回路網と前記センサの少なくとも一方を停止させるための信号を提供するように構成された第2磁気閾値スイッチをさらに包含する医療機器であって、前記第2既定閾値が前記第1既定閾値よりも高い、請求項57に記載の医療機器。
【請求項60】
磁気源が所定磁場方向を有し、
前記センサが前記所定磁場方向を検出するためのものであり、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記センサが前記所定磁場方向を検出する場合に前記第1信号を提供するように前記回路網が構成される、
請求項56に記載の医療機器。
【請求項61】
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記所定磁場方向と異なる磁場方向を前記センサが検出する場合に前記第2信号を提供するように前記回路網がさらに構成される、請求項60に記載の医療機器。
【請求項62】
前記所定磁場が方向を含み、前記方向を検出するように前記センサが構成される、請求項56に記載の医療機器。
【請求項63】
医療機器の製造方法であって、
第1ハウジング部分を利用者による携行に適応させることと、
前記第1ハウジング部分に対して選択的に動作嵌合および解離されるように第2ハウジング部分を構成することと、
所定磁場および所定磁気強度のうち少なくとも一方を有する磁気源を前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の少なくとも一方に設けることと、
前記所定磁場および前記所定磁気強度のうち少なくとも一方を検出するためのセンサを前記第1ハウジング部分および前記第2ハウジング部分の他方に設けることと、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記磁気源の前記所定磁場および前記所定磁気強度の少なくとも一方を前記センサが検出する場合に第1信号を提供するように回路網を構成することと、
前記第1ハウジング部分と前記第2ハウジング部分とが接合されて前記所定磁場と異なる磁場と前記磁気源の前記所定磁気強度と異なる磁気強度のうち少なくとも一方を前記センサが検出する場合に第2信号を提供するように前記回路網を構成することと、
を包含する方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図23】
【図24】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図28A】
【図28B】
【図28C】
【図29A】
【図29B】
【図30A】
【図30B】
【図31A】
【図31B】
【図31C】
【図32】
【図33A】
【図33B】
【図34A】
【図34B】
【図35A】
【図35B】
【図36】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20A】
【図20B】
【図20C】
【図21A】
【図21B】
【図21C】
【図22A】
【図22B】
【図22C】
【図23】
【図24】
【図25A】
【図25B】
【図26A】
【図26B】
【図27A】
【図27B】
【図27C】
【図28A】
【図28B】
【図28C】
【図29A】
【図29B】
【図30A】
【図30B】
【図31A】
【図31B】
【図31C】
【図32】
【図33A】
【図33B】
【図34A】
【図34B】
【図35A】
【図35B】
【図36】
【公表番号】特表2013−516239(P2013−516239A)
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−547277(P2012−547277)
【出願日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/062414
【国際公開番号】WO2011/082256
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(595038051)メドトロニック ミニメド インコーポレイテッド (71)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/062414
【国際公開番号】WO2011/082256
【国際公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【出願人】(595038051)メドトロニック ミニメド インコーポレイテッド (71)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]