説明

接続装置

【課題】供給源側と移動体側とを接続するときに生じる反力による供給源側と移動体側との変位を防止して供給源側と移動体側の接続を確実に行うことができる接続装置を提供する。
【解決手段】伝達対象を供給又は遮断する第1の接続部55、56が、移動体側15又は供給源側16、17、31の一方に設けられるとともに、第1の接続部55、56に接続可能な第2の接続部67、68が他方に設けられ、該第1及び第2の接続部55、56、67、68が相対移動により、第1の接続部55、56と第2の接続67、68部とが接続されるように構成された接続装置20であって、接続装置20の連結時に、移動体側15又は供給源側16、17、31に生じる反力を受けるための反力受け手段80、81を、第1又は第2接続部55、56、67、68と反対側の背面部31a側に配置した。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、移動体側と供給源側との間で、信号や電気等の伝達対象の経路を接続するための接続装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、有毒ガスの発生区域、爆発の危険が存在する区域、気圧の非常に高い区域など、人が立ち入り難い場所においては、各種の機械や装置が使用されている。このような機械や装置には、例えば電力や信号、或いは水、油等の液体、圧縮空気等の気体など、各種の伝達対象が一時的に或いは連続的に系外から伝達経路を経由して供給される。
【0003】
このような場所で使用される機械や装置の点検や修理等を行う場合、作業者がその場所に進入して作業することは非常に危険が伴い、また、作業性が低下しやすい。
【0004】
そのため、このような機械や装置では、人が立ち入ることが容易な場所に回収して、修理や点検整備等を行えるようにするのが好ましい。
【0005】
しかし、このような機械や装置に伝達対象を供給するための設備が、人が立ち入り難い場所の内部に設置されているような場合、その場所から系外に機械や装置を回収するには、内部の伝達経路を切断する必要があり、また、その場所に再び搬入するには、再度、供給源側と移動体側との伝達経路を接続する必要がある。この供給源側と移動体側との間の伝達経路を離接する操作も、無人で行えるようにするのがより好ましい。
【0006】
この伝達経路の離接の操作を無人で行える装置としては、遠隔操作により供給源側と移動体側のそれぞれの接続部を所定の相対位置となるように、それぞれの接続部の案内を行うガイド部により位置合わせして接続及び切離しができるコネクタがある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
また、遠隔操作により供給源側と移動体側のそれぞれの接続部を所定の相対位置となるように、平行移動機構により平行面上を移動させて位置合わせして接続及び切離しができるコネクタがある(例えば、特許文献2参照)。
【0008】
【特許文献1】
特開平10−289751号公報(第1図)。
【0009】
【特許文献2】
特開2002−231380号公報(第4図)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、伝達経路の離接の操作を無人で機械的に行うものにあっては、供給源側の接続部と移動体側の接続部とを三次元的に精度良く位置合わせするのは困難であるため、供給源側の接続部と、移動体側の接続部とを接続するときに位置ずれが生じる場合があった。
【0011】
そして、この位置ずれが生じた状態で接続部同士及び/又はガイド部同士を連結させると、接続部同士及び/又はガイド部同士が摺動して反力が生じ、この反力により、供給源側又は移動体側が変位して供給源側と移動体側との接続部同士の位置合わせ操作が困難になり、供給源側の接続部と移動体側の接続部との接続を確実に行うことができないことや、供給源側又は移動体側を支持している部分に力が発生する問題があった。
【0012】
特に、大荷重が付加されるケーソン掘削機等のような場合には、接続時に摺動等により発生する反力が大きくなるため、供給源側と移動体側との位置ずれが生じ易く、供給源側又は移動体側を支持している部分に力が発生し易かった。
【0013】
さらに、このような問題は、人が立ち入り難い場所で使用される機械や装置の場合に限らず、他の分野の機械や装置においても同様である。
【0014】
そこで、この発明は以上のような従来の問題点を解消するためになされたもので、供給源側と移動体側とを接続するときに生じる反力による供給源側と移動体側との変位を防止して供給源側と移動体側の接続を確実に行うことができる接続装置を提供することを課題としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
かかる課題を達成するため、請求項1に記載の発明は、伝達対象を供給又は遮断する第1の接続部が、移動体側又は供給源側の一方に設けられるとともに、前記第1の接続部に接続可能な第2の接続部が他方に設けられ、該第1及び第2の接続部が相対移動により、前記第1の接続部と第2の接続部とが接続されるように構成された接続装置であって、前記接続装置の連結時に、前記移動体側又は供給源側に生じる反力を受けるための反力受け手段を、前記第1又は第2接続部と反対側の背面部側に配置したことを特徴としている。
【0016】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加えて、前記反力受け手段は、前記移動体側又は供給源側の前記背面部に当接する反力受け板が前記構造体に回動自在に軸支されると共に、前記接続装置の連結時に、前記反力受け板を前記背面部に対して接する方向に回動させて前記背面部に当接させるようにした駆動装置を有することを特徴としている。
【0017】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の構成に加えて、前記反力受け手段は、前記移動体側又は供給源側の前記背面部に当接する反力受け板が前記構造体に、前記接続装置の連結方向に平行移動自在に設けられると共に、前記接続装置の連結時に、前記反力受け板を前記背面部に対して接する方向に平行移動させて前記背面部に当接させるようにした駆動装置を有することを特徴としている。
【0018】
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3の何れか1つに記載の構成に加えて、前記反力受け板には、前記背面部に磁着される電磁石が配設されていることを特徴としている。
【0019】
請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4の何れか1つに記載の構成に加えて、前記移動体が下側に作業室を有する作業室スラブに敷設された走行用レールを移動するケーソン掘削機であり、前記供給源側が前記ケーソン掘削機に伝達対象を伝達する供給ケーブルを有し、前記走行用レールに並設されたケーブル用レールに移動可能に支持されていることを特徴としている。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0021】
[発明の実施の形態1]
図1乃至図6は、この発明の実施の形態1に係る図である。ここでは、ニューマチックケーソン工法のケーソン掘削機にこの発明を適用している。
【0022】
ニューマチックケーソンは、図1及び図2に示すように、ケーソン躯体10の下部に、構造体としての作業室スラブ11が設けられ、この作業室スラブ11の下側に作業室12が設けられ、この作業室12内が図示しない空気圧縮機から送気される高圧の圧縮空気により、地下水圧に見合う高い気圧となっている。
【0023】
この作業室12には、作業室スラブ11に走行用レール13が敷設され、遠隔操作可能な電動式のケーソン掘削機15が移動可能に吊設されている。ケーソン掘削機15には、動力伝達ケーブルとしての電源ケーブル16及び制御ケーブル17とが接続されて、電力及び制御信号が供給されるように構成されている。
【0024】
電源ケーブル16及び制御ケーブル17は、走行用レール13と平行に敷設されたケーブル用レール21に所定間隔で、多数のケーブル支持具であるケーブル滑車22を介して支持されており、ケーブル用レール21に沿って移動自在となっている。そのため、ケーソン掘削機15が走行用レール13に沿って移動すると、電源ケーブル16及び制御ケーブル17がケーソン掘削機15に従って移動可能である。
【0025】
作業室12の上部には、ケーソン掘削機15を収容可能な回収ロック19が設けられ、この回収ロック19と作業室12との間の作業室スラブ11には、開口部11aを通して作業室12と回収ロック19との間でケーソン掘削機15を出入り可能な回収部18が設けられている。
【0026】
そして、このケーソン掘削機15は、回収ロック19に出し入れされる際に、回収部18において電源ケーブル16及び制御ケーブル17を離接可能にするため、ケーソン掘削機15と電源ケーブル16及び制御ケーブル17との間に接続装置20が装着されている。
【0027】
なお、回収部18には、ケーソン掘削機15を作業室12と回収ロック19との間で昇降させる図示しない昇降装置や開口部11aを気密に開閉可能な開閉扉、さらに、電源ケーブル16及び制御ケーブル17を切り離した状態のケーソン掘削機15を走行用レール13及びケーブル用レール21と開口部11aとの間で横行可能な横行レール14等が設けられている。
【0028】
次に、ケーソン掘削機15と電源ケーブル16及び制御ケーブル17との間に装着された接続装置20について説明する。
【0029】
接続装置20は、図3乃至図6に示すように、ケーブル用レール21に移動可能に吊設された供給源側としての固定ボックス部31と、この固定ボックス部31に進退自在に支持され、供給源側としての電源ケーブル16及び制御ケーブル17の端部に装着された第1の連結体としてのボデイ部32と、移動体側のケーソン掘削機15に装着されて、ボデイ部32と離接可能な第2の連結体としてのプラグ部33とが設けられている。
【0030】
まず、固定ボックス部31は、図3に示すように、作業室スラブ11に敷設されたケーブル用レール21に、バネ部材(図示せず)を介して固定ボックス部31が走行自在に吊設されている。さらに、図4に示すように、ボデイ部32側となる側面に、ボデイ部32の進退用雌ねじ体28を備えている。
【0031】
次に、ボデイ部32には、図4及び図6に示すように、ボデイケース36に固着された駆動モータ44の駆動ギア46から正転及び逆転方向の回転力が伝達され、ボデイケース36の略中心を貫通した状態で雄ねじ体37が回動自在に配設されている。雄ねじ体37はボデイケース36から固定ボックス部31側及びプラグ部33側に突出しており、固定ボックス部31側が進退ねじ部38、プラグ部33側が連結ねじ部39となっている。
【0032】
また、駆動モータ44には電磁ブレーキ49が装着されており、駆動モータ44の非通電時の駆動を停止させて雄ねじ体37の回転を阻止できるようになっている。駆動モータ44及び電磁ブレーキ49は地上からの遠隔操作が可能である。
【0033】
ボデイケース36の固定ボックス部31側の側面では、ボデイケース36から突出した進退ねじ部38が固定ボックス部31の進退用雌ねじ体28に常に螺合されている。
【0034】
そのため、雄ねじ体37の進退ねじ部38が正転又は逆転すると、進退用雌ねじ体28に対して雄ねじ体37が軸方向に移動し、ボデイ部32を固定ボックス部31に対して進退させることができるように構成されている。
【0035】
一方、ボデイケース36のプラグ部33側の側面には、図4に示すように、第1のガイド部としての雄ガイド部材51が雄ねじ体37の左右両側の位置に、雄ねじ体37の軸方向に突出した状態で固設されている。この突出量は、連結ねじ部39の先端より多くなっている。
【0036】
さらに、ボデイ部32のプラグ部33側の側面には、電源ケーブル16又は制御ケーブル17が接続されて、それぞれ伝達対象である電力及び制御信号を供給又は遮断可能な第1の接続部としての電源ボデイ55と制御ボデイ56とが、雄ねじ体37の軸方向に突出し、且つ雄ねじ体37の軸方向の直交方向に変位自在に装着されており、この電源ボデイ55と制御ボデイ56のボデイケース36からの突出量は連結ねじ部39の先端より少なくなっている。
【0037】
次に、第2の連結部材としてのプラグ部33は、図3及び図4に示すように、ケーソン掘削機15に固着された固定金物61にプラグケース62が支持され、このプラグケース62のボデイ部32側の側面の略中心位置に、雄ねじ体37の連結ねじ部39が螺合可能な連結用雌ねじ体63が突出した状態で配置され、連結用雌ねじ体63の軸方向が雄ねじ体37の軸方向に沿うようにプラグケース62に固定されている。
【0038】
このプラグケース62のボデイ部32側の側面には、図4に示すように、第2のガイド部としての筒状体65が連結用雌ねじ体63の左右両側に、連結用雌ねじ体63の軸方向に突出した状態で固定されている。筒状体65は、ボデイ部32の雄ねじ体37と雄ガイド部材51との間隔と同一間隔で固定され、雄ガイド部材51を挿入抜脱可能となっている。
【0039】
また、筒状体65のプラグケース62からの突出量は、連結用雌ねじ体63と略同等であり、筒状体65に雄ガイド部材51が挿入された状態で、連結用雌ねじ体63に雄ねじ体37が螺合開始するように配置されている。
【0040】
さらに、プラグケース62のボデイ部32側の側面には、電源ボデイ55及び制御ボデイ56に接離可能な第2の接続部としての電源プラグ67と制御プラグ68とが連結用雌ねじ体63の軸方向に突出し、且つ連結用雌ねじ体63の軸方向の直交方向に変位自在に装着されている。この電源プラグ67及び制御プラグ68は、電源ボデイ55及び制御ボデイ56と完全に接続された状態で実質的に遊びのない嵌合状態となるように構成されおり、また、図示しない回路部材によりケーソン掘削機15の制御部等に電気的に接続されている。
【0041】
電源プラグ67及び制御プラグ68の突出量は、連結用雌ねじ体63と略同等であり、連結用雌ねじ体63に雄ねじ体37が螺合された後に、電源プラグ67及び制御プラグ68が電源ボデイ55及び制御ボデイ56に接続を開始できるとともに、連結用雌ねじ体63に雄ねじ体37が完全に螺合された状態で、電源プラグ67及び制御プラグ68が電源ボデイ55及び制御ボデイ56に完全に接続された嵌合状態となるように配置されている。
【0042】
さらに、このプラグケース62は、ケーソン掘削機15に固定された固定金物61に上下方向移動可能に設けられた連結用雌ねじ体63の軸方向に弾性変形可能なばね部材72aを介して支持されているため、プラグケース62が連結用雌ねじ体63の軸方向に変位可能となると共に、図4の平面視において前後左右及び回動方向に変位可能である。これにより、ケーソン掘削機15と電源ケーブル16及び制御ケーブル17とを接続する際に生じている位置ずれを吸収することができる。
【0043】
そして、作業室スラブ11の回収部18の横行レール14と走行用レール13及びケーブル用レール21との分岐位置のケーソン掘削機15の所定の停止位置と対応する位置に、ボデイ部32の雄ガイド部材51と、プラグ部33の筒状体65とが連結する連結時に固定ボックス部31等に生じる反力を受けるための反力受け手段が設けられている。
【0044】
反力受け手段は、図3及び図4に示すように、供給源側の雄ガイド部材51、電源ボデイ55及び制御ボデイ56と反対側の固定ボックス部31の背面部31a側に配置される固定部材80と、この固定部材80の固定ボックス部31側に配設された反力受け板81とを備えている。
【0045】
固定部材80は、作業室スラブ11の前述した分岐位置に複数のボルト(図示せず)により固定されている。
【0046】
また、固定部材80の中央部80aは、反力受け板81を配設したときに、この反力受け板81が固定ボックス部31の背面部31aに面接触できる形状に形成され、さらに、固定部材80の、固定ボックス部31の移動方向側の両端部80bは、図4に示すように、固定ボックス部31と反対側に屈曲するように形成されている。また、ボデイ部32及び固定ボックス部31等に生じる反力から反力受け板81の強度を確保できるように形成されている。
【0047】
そして、この固定部材80の固定ボックス部31側には、反力受け板81が溶接により固定されている。
【0048】
なお、作業室スラブ11に固定部材80を複数のボルトで固定しているが、これに限定されず、固定部材80を溶接等により作業室スラブ11に固定することもできる。
【0049】
反力受け板81は、その中央部に固定ボックス部31の背面部31aが当接する当接面81bが形成され、固定ボックス部31に生じる反力を受けることができる。さらに、反力受け板81の、固定ボックス部31の移動方向側の両端部は、図4に示すように、固定ボックス部31と反対側に屈曲し、背面部31aに対して傾斜している傾斜面81cが形成されている。また、この反力受け板81は固定ボックス部31等に生じる反力より大きな強度を備えている。
【0050】
さらに、反力受け板81には、当接面81bの裏面側に電磁石75が配設されている。ここでは、ケーソン掘削機15が停止した際、電磁石75に通電されて固定ボックス部31の背面部31aに反力受け板81を介して磁着し、固定ボックス部31を固定することができる。
【0051】
なお、固定ボックス部31等に生じる反力が大きく反力受け板81の剛性を確保することが難しい場合には、反力受け板81に補強体(図示せず)を配置して剛性を高めてもよい。
【0052】
以上のような構成の接続装置20を備えたケーソン掘削機15においては、まず、通常のケーソン掘削機15の稼働時には、作業室12内で、ケーソン掘削機15は走行用レール13に吊設されて、接続装置20により電源ケーブル16及び制御ケーブル17が接続された状態であり、電源ケーブル16及び制御ケーブル17からの電力及び制御信号によりケーソン掘削機15が高圧の作業室12内で移動及び掘削することが可能である。
【0053】
このケーソン掘削機15の点検、整備等を行うには、まず、ケーソン掘削機15を電源ケーブル16及び制御ケーブル17とともに走行させて、回収部18の反力受け手段が設けられた走行用レール13及びケーブル用レール21の所定位置に停止させる。このとき、接続装置20は、図5及び図6に示すように、固定ボックス部31が反力受け手段の所定位置で電磁石75に磁着された状態となる。また、組付けや成形誤差が生じて固定ボックス部31の背面部31aが反力受け手段側に突出している場合でも、反力受け手段の反力受け板81の両端部には、背面部31aに対して傾斜する傾斜面81cが形成されているので、固定ボックス部31を傾斜面81cに当接させて摺動させるため、固定ボックス部31及び反力受け手段を破損させることなく、当接面81bの所定位置に停止させることができる。
【0054】
そして、この状態で駆動モータ44を駆動して雄ねじ体37を回転させると、ボデイ部32が固定ボックス部31側に後退する方向に移動する。これと同時に、電源ボデイ55及び制御ボデイ56が電源プラグ67及び制御プラグ68から脱離方向に移動する。さらに、雄ねじ体37の回転を継続させると、図3及び図4に示すように、連結ねじ部39がプラグ部33の連結用雌ねじ体63から完全に脱離した状態になる。
【0055】
その後、ケーソン掘削機15を回収部18の横行レール14上を移動させ、開口部11aから回収ロック19内に回収すれば、点検、整備などを行うことができる。このとき、電源ケーブル16及び制御ケーブル17の端部の固定ボックス部31及びボデイ部32は回収部18の反力受け手段の反力受け板81に配設された電磁石75により固定され、ケーブル用レール21上の所定位置に配置された状態となっている。
【0056】
点検、整備等を終了後、再度、このケーソン掘削機15を作業室12内に搬入するには、まず、開口部11aからケーソン掘削機15を、下降させて、横行レール14により移動させ、回収部18の走行用レール13及びケーブル用レール21の所定位置付近に配置する。このとき、固定ボックス部31が電磁石75により所定位置に固定されているため、雄ガイド部材51と筒状体65との位置合わせを容易に行うことができる。
【0057】
そして、ボデイ部32の駆動モータ44により雄ねじ体37を回転させると固定ボックス部31は反力受け板81に配置された電磁石75に磁着されているので、ボデイ部32がプラグ部33側に前進する。
【0058】
すると、雄ガイド部材51が筒状体65に挿入を開始し、雄ガイド部材51が筒状体65を案内することにより、ケーソン掘削機15の位置ずれによるプラグ部33の位置ずれを減少することができ、雄ねじ体37の連結ねじ部39に対して連結用雌ねじ体63が位置合わせされる。
【0059】
さらに、雄ガイド部材51が筒状体65に挿入を開始する際に、ケーソン掘削機15とボデイ部32とが遠隔操作による移動で位置ずれが生じて雄ガイド部材51が筒状体65に摺動して固定ボックス部31等に反力が生じた時には、固定ボックス部31の背面部31aに、作業室スラブ11に固定されている反力受け板81が設けられているので、この反力受け板81で固定ボックス部31に生じる反力を受けてボデイ部32及び固定ボックス部31の反力による変位を防止し、ボデイ部32を前進させて雄ガイド部材51と筒状体65とを確実に連結させることができ、雄ねじ体37の連結ねじ部39と連結用雌ねじ体63とが位置合わせされる。
【0060】
そして、雄ねじ体37の連結ねじ部39と連結用雌ねじ体63との螺合が進むと、電源ボデイ55及び制御ボデイ56と電源プラグ67及び制御プラグ68とが接続され、互いに嵌合状態になる。
【0061】
これにより、ケーソン掘削機15に対する電源ケーブル16及び制御ケーブル17の接続が完了し、再度、電源ケーブル16及び制御ケーブル17から供給される電力及び信号に基づいて、ケーソン掘削機15が稼働可能となる。
【0062】
なお、ケーソン掘削機15の作業室12から回収ロック19への回収操作や回収ロック19から作業室12への搬入操作の際、電源ボデイ55及び制御ボデイ56と電源プラグ67及び制御プラグ68の離接のための各部の操作においては、監視制御手段の一部としての監視カメラ77や除き窓、或いはリミットスイッチ等の各種のセンサなどにより各部の位置や向きを検出して監視しつつ、駆動又は停止等の動作や速度などを制御して自動運転を行うことができる。
【0063】
このように構成された接続装置20によれば、雄ガイド部材51と筒状体65の連結時に、供給源側に生じる反力を受けるための反力受け手段を、供給源側の雄ガイド部材51、電源ボデイ55及び制御ボデイ56が設けられた側と反対側の背面部側に配置されているので、雄ガイド部材51と筒状体65との摺動により生じる反力が大きくても、この反力受け手段により、反力を受けてボデイ部32及び固定ボックス部31の反力による変位を防止して雄ガイド部材51と筒状体65を確実に連結させ、連結ねじ部39と連結用雌ねじ体63とを位置合わせして接続を確実に行うことができる。
【0064】
さらに、反力受け板81には、固定ボックス部31の背面部31aに磁着される電磁石75が配設されているので、雄ガイド部材51と筒状体65とを連結する際には、固定ボックス部31が磁着により反力受け板81に固定されているため、雄ガイド部材51と筒状態65との位置合わせが容易にできる。
【0065】
そして、このような接続装置20を装着したケーソン掘削機15によれば、ケーソン掘削機15自体と電源ケーブル16及び制御ケーブル17の端部との間の接続部分に上記のような接続装置20が装着され、作業室スラブ11の所定位置に反力受け手段が設けられているので、電源ボデイ55及び制御ボデイ56と電源プラグ67及び制御プラグ68との位置合わせの操作や接続操作が容易であり、位置合わせ及び接続操作の無人化が可能となるため、ケーソン掘削機15のような遠隔操作で行うものにおいては有効である。
【0066】
[発明の実施の形態2]
図7乃至図9は、この発明の実施の形態2に係る図である。
【0067】
この実施の形態2は、図7に示すように、実施の形態1の反力受け手段の供給源側としての固定ボックス部31の背面部31aに当接する反力受け板81が構造体としての作業室スラブ11に回動自在に軸支されている。さらに、反力受け手段には、反力受け板81を背面部31aに対して離接する方向に回動させ、雄ガイド部材51と筒状体65の連結時に、反力受け板81を背面部31aに当接させるようにした駆動装置84が設けられている。
【0068】
より詳しくは、図7乃至図9に示すように、作業室スラブ11の天井部に、固定板82が複数のボルト(図示せず)で固定されており、この固定板82には、反力受け板81を回動自在に軸支する反力受け板用ピン83が配置されている。
【0069】
反力受け板用ピン83は、この軸心方向が雄ガイド部材51と筒状体65との連結方向に直交する方向で、且つ作業室スラブ11の天井面に対して略平行となるように配置されている。この反力受け板用ピン83に軸支された反力受け板81が背面部31aに対して離接する方向に回動させることができるように構成されている。
【0070】
さらに、固定板82には、反力受け板用ピン83と略平行となる第1ピン85が、反力受け板用ピン83から離間した位置に配置されており、この第1ピン85に駆動装置84の一方の端部84aが回動自在に軸支されている。
【0071】
また、駆動装置84の他方の端部84bは、反力受け板81の下部に第2ピン86を介して回動自在に軸支されている。
【0072】
駆動装置84は、一方の端部84a側に設けられた中空の円筒形状のシリンダ部84cと、このシリンダ部84c内で往復運動可能で、他方の端部84b側に設けられた円柱形状のピストン部84dとから構成され、このピストン部84dの往復運動の操作においては、監視制御手段の一部としての監視カメラ77或いは除き窓等の各種のセンサなどにより各部の位置や向きを検出して監視しつつ、駆動又は停止等の動作等を制御して自動運転を行うことができる。
【0073】
そのため、駆動装置84のピストン部84dがシリンダ部84c内で往復運動すると、反力受け板用ピン83に回動自在に軸支された反力受け板81が、背面部31aに対して離接する方向に回動させることができ、且つ所定位置で停止することができる。
【0074】
また、反力受け板81の、固定ボックス部31の背面部31aが当接する当接面81bには、電磁石75が固定金物87により複数固定されている。
【0075】
より詳しくは、反力受け板81には、図7及び図9に示すように、電磁石75の外径より大きい径の開口部81aが形成されており、この開口部81aに電磁石75が挿通されている。
【0076】
電磁石75の固定ボックス部31側の磁着面75は、反力受け板81の当接面81bと略同一平面上となるように固定金物87で反力受け板81に固定されている。
【0077】
なお、電磁石75は、反力受け板81に複数固定されているが、これに限定されず、一つの電磁石75で固定ボックス部31を磁着でき、固定ボックス部31に生じる反力で電磁石75と固定ボックス部31との磁着が外れることがなければ、反力受け板81に電磁石75を複数設ける必要はない。
【0078】
以上のような構成の接続装置20を備えたケーソン掘削機15においては、まず、通常のケーソン掘削機15の稼働時には、実施の形態1と同様に、ケーソン掘削機15が高圧の作業室12内で移動及び掘削することが可能である。
【0079】
このケーソン掘削機15の点検、整備等を行うには、まず、駆動装置84のピストン部84dをシリンダ部84c内側に移動させ、駆動装置84を短縮させることにより、図8に示すように、反力受け板81を駆動装置84側に回動させて所定位置で停止させる。つまり、駆動装置84により反力受け板81を固定ボックス部31と離れる方向に回動させて退避させることにより、組付けや成形誤差が生じて固定ボックス部31の背面部31aが反力受け手段側に突出した状態で、ケーソン掘削機15を電源ケーブル16及び制御ケーブル17と共に走行させた場合でも、背面部31a及びその周辺部が反力受け板81に接触することがないため、固定ボックス部31及び反力受け手段が破損することがない。
【0080】
そして、ケーソン掘削機15を電源ケーブル16及び制御ケーブル17と共に走行させて、回収部18の反力受け手段が設けられた走行用レール13及びケーブル用レール21の所定位置に停止させる。
【0081】
次いで、駆動装置84のピストン部84dをシリンダ部84c内から突出する方向に移動させ、駆動装置84を伸ばすことにより、図7に示すように、反力受け板81を固定ボックス部31側に回動させ、固定ボックス部31の背面部31aに当接させて停止させる。
【0082】
さらに、電磁石75に電気を供給させて通電させ、この電磁石75の磁着面75aで固定ボックス部31の背面部31aを磁着し、固定ボックス部31を固定する。
【0083】
そして、実施の形態1と同様に、この状態で駆動モータ44を駆動させ、ボデイ部32が固定ボックス部31側に後退すると連結ねじ部39がプラグ部33の連結用雌ねじ体63から完全に脱離した状態になる。
【0084】
その後、実施の形態1と同様に、ケーソン掘削機15を回収ロック19内に回収すれば、点検、整備などを行うことができる。このとき、電源ケーブル16及び制御ケーブル17の端部の固定ボックス部31及びボデイ部32は回収部18の反力受け手段の反力受け板81に配設された電磁石75により固定され、ケーブル用レール21上の所定位置に配置された状態となっている。
【0085】
点検、整備等を終了後、再度、このケーソン掘削機15を作業室12内に搬入するには、実施の形態1と同様に、ケーソン掘削機15を、回収部18の走行用レール13及びケーブル用レール21の所定位置付近に配置する。このとき、実施形態1と同様に、固定ボックス部31が電磁石75により所定位置に固定されているため、雄ガイド部材51と筒状体65との位置合わせを容易に行うことができる。
【0086】
そして、ボデイ部32の駆動モータ44により雄ねじ体37を回転させると、固定ボックス部31は反力受け板81に配置された電磁石75により磁着されているので、ボデイ部32がプラグ部33側に前進する。
【0087】
さらに、ボデイ部32を前進させると、雄ガイド部材51が筒状体65に挿入を開始する。この際、ケーソン掘削機15とボデイ部32とが遠隔操作による移動で位置ずれが生じて雄ガイド部材51が筒状体65に摺動して固定ボックス部31等に反力が生じた時には、固定ボックス部31の背面部31aに反力受け板81が設けられているので、この反力受け板81で固定ボックス部31に生じる反力を受けてボデイ部32及び固定ボックス部31の反力による変位を防止し、ボデイ部32を前進させて雄ガイド部材51と筒状体65とを確実に連結させることができ、雄ねじ体37の連結ねじ部39と連結用雌ねじ体63とが位置合わせされる。
【0088】
そして、電源ボデイ55及び制御ボデイ56と電源プラグ67及び制御プラグ68とが接続され、互いに嵌合状態になる。
【0089】
これにより、ケーソン掘削機15に対する電源ケーブル16及び制御ケーブル17の接続が完了し、再度、ケーソン掘削機15が稼働可能となる。
【0090】
さらに、電磁石75の電流供給を遮断し、ピストン部84dをシリンダ部84c内側に移動させ、駆動装置84を短縮させることにより、反力受け板81を固定ボックス部31と離れる方向に回動させて退避させる。このため、ケーソン掘削機15を電源ケーブル16及び制御ケーブル17と共にケーブル用レール21上を走行させた際に、固定ボックス部31の背面部31aが反力受け板81に接触することがないため、固定ボックス部31及び反力受け手段が破損することがない。また、ケーソン掘削機15の掘削作業時に、このケーソン掘削機15のバケット等が反力受け板81に接触することがないため、ケーソン掘削機15及び反力受け手段が破損することがない。
【0091】
このように構成された接続装置20によれば、反力受け手段は、供給源側の固定ボックス部31の背面部31aに当接する反力受け板81が作業室スラブ11に回動自在に軸支されると共に、雄ガイド部材51と筒状体65の連結時に、反力受け板81を背面部31aに対して接する方向に回動させ、反力受け板81を背面部31aに当接させるようにした駆動装置84を有するので、移動体側又は供給源側に反力が生じる連結時だけ反力受け板81を背面部31aに当接させ、それ以外の時は、反力受け板81を背面部31aに対して離れる方向に回動させて退避させておけば、組付けや成形誤差が生じて固定ボックス部31の背面部31aが反力受け手段側に突出した場合でも、背面部31a及びその周辺部が反力受け板81に接触することがないため、固定ボックス部31及び反力受け手段の破損等を防止することができる。また、ケーソン掘削機15の掘削作業時に、このケーソン掘削機15のバケット等が反力受け板81に接触することがないため、ケーソン掘削機15及び反力受け手段の破損等を防止することができる。
【0092】
その他の構成及び作用は、発明の実施の形態1と同様であるので重複した説明は省略する。
【0093】
[発明の実施の形態3]
図10及び図11は、この発明の実施の形態3に係る図である。
【0094】
この実施の形態3は、図10に示すように、実施の形態1の反力受け手段の供給源側の背面部31aに当接する反力受け板81が構造体としての作業室スラブ11に、雄ガイド部材51と筒状体65の連結方向に平行移動自在に設けられている。さらに、反力受け手段には、反力受け板81を背面部31に対して離接する方向に平行移動させ、雄ガイド部材51と筒状体65の連結時に、反力受け板81を背面部31aに当接させるようにした駆動装置84が設けられている。
【0095】
より詳しくは、図10乃び図11に示すように、作業室スラブ11の天井部に、固定板90が複数のボルト(図示せず)で固定されており、この固定板90には、反力受け板81を、雄ガイド部材51と筒状体65との連結方向に平行移動自在に案内する移動用レール89が敷設されている。
【0096】
そして、移動用レール89には、ローラ91が走行自在に配置され、このローラ91に反力受け板81の上端部が固定され、背面部31aに対して反力受け板81が平行移動でき、反力受け板81が背面部31aに当接できるように配置されている。これにより、反力受け板81がローラ91を介して移動用レール89を走行することで、背面部31aに対して離接方向に移動させることができる。
【0097】
さらに、固定板90の、固定ボックス部31と反対側の端部90aは、反力受け板81と略平行となるように屈曲され、この端部90aと反力受け板81との間に駆動装置84が介在している。
【0098】
駆動装置84は、シリンダ部84c及びピストン部84dの軸が雄ガイド部材51と筒状体65の連結方向と略同一方向となるように、一方の端部84aが端部90aに配置された第1ピン85に軸支され、他方の端部84bは、反力受け板81に配設された第2ピン86に軸支されている。
【0099】
そのため、駆動装置84のピストン部84dがシリンダ部84c内で往復運動すると、移動用レール89に移動自在に配置された反力受け板81の背面部31aが当接する面を、背面部31aに対して平行状態を保持したまま、離接方向に移動させることができ、且つ所定の位置で停止することができる。
【0100】
つまり、駆動装置84のピストン部84dをシリンダ部84c内側に移動させ、駆動装置84を短縮させることにより、図11に示すように、反力受け板81がローラ91を介して移動用レール89の駆動装置84側に移動させられ、反力受け板81を固定ボックス部31と離れる方向に移動させることができる。
【0101】
また、駆動装置84のピストン部84dをシリンダ部84c内から突出する方向に移動させ、駆動装置84を伸ばすことにより、図10に示すように、反力受け板81がローラ91を介して移動用レール89の固定ボックス部31側に移動させられ、固定ボックス部31の背面部31aに当接させて退避させることができる。
【0102】
また、反力受け板81の、固定ボックス部31の背面部31aが当接する当接面81bに、実施の形態2と同様に、電磁石75が固定金物87により複数固定されている。
【0103】
このように構成された接続装置20によれば、反力受け手段は、供給源側の固定ボックス部31の背面部31aに当接する反力受け板81が作業室スラブ11に雄ガイド部材51と筒状体65との連結方向に平行移動自在に設けられると共に、雄ガイド部材51と筒状体65との連結時に、反力受け板81を背面部31aに対して接する方向に平行移動させて反力受け板81を背面部31aに当接させるようにした駆動装置84を有するので、移動体側又は供給源側に反力が生じる連結時だけ反力受け板81を背面部31aに当接させ、それ以外の時は、反力受け板81を背面部31aに対して離れる方向に移動させ退避させておけば、組付けや成形誤差が生じて固定ボックス部31の背面部31aが反力受け手段側に突出した場合でも、背面部31a及びその周辺部が反力受け板81に接触することがないため、固定ボックス部31及び反力受け手段の破損等を防止することができる。さらに、組付けや成形誤差が生じて固定ボックス部31の背面部31aが反力受け手段側に突出した場合でも、反力受け板81の当接面81bが固定ボックス部31の背面部31aと平行状態を保持したまま移動されるので、確実に面接触させることができるため、確実に反力を受けることができる。
【0104】
その他の構成及び作用は、発明の実施の形態1又は2と同様であるので重複した説明は省略する。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、接続装置の連結時に、移動体側又は供給源側に生じる反力を受けるための反力受け手段を、第1又は第2接続部と反対側の背面部側に配置したので、接続装置の連結時に生じる反力が大きくても、反力受け手段により、移動体側又は供給源側の反力による変位を防止して第1及び第2の接続部が位置合わせされるため、供給源側と移動体側の接続を確実に行うことができる。
【0106】
請求項2に記載の発明によれば、反力受け手段は、移動体側又は供給源側の背面部に当接する反力受け板が構造体に回動自在に軸支されると共に、接続装置の連結時に、反力受け板を背面部に対して接する方向に回動させて背面部に当接させるようにした駆動装置を有するので、請求項1の効果に加え、移動体側又は供給源側に反力が生じる連結時だけ反力受け板を背面部に当接させ、それ以外の時は、反力受け板を背面部に対して離れる方向に回動させて退避させておけば、組付けや成形誤差が生じて背面部が反力受け手段に突出した場合でも、背面部及びその周辺部が反力受け板に接触することがないため、移動体側又は供給源側の破損等を防止することができる。
【0107】
請求項3に記載の発明によれば、反力受け手段は、移動体側又は供給源側の背面部に当接する反力受け板が構造体に、接続装置の連結方向に平行移動自在に設けられると共に、接続装置の連結時に、反力受け板を前記背面部に対して接する方向に平行移動させて前記背面部に当接させるようにした駆動装置を有するので、請求項1の効果に加え、移動体側又は供給源側に反力が生じる連結時だけ反力受け板を背面部に当接させ、それ以外の時は、反力受け板を背面部に対して離れる方向に移動させて退避させておけば、組付けや成形誤差が生じて背面部が反力受け手段に突出した場合でも、背面部及びその周辺部が反力受け板に接触することがないため、移動体側又は供給源側の破損等を防止することができる。さらに、組付けや成形誤差が生じて背面部が反力受け手段側に突出した場合でも、反力受け板が背面部と平行状態を保持したまま移動されるので、確実に面接触させることができるため、確実に反力を受けることができる。
【0108】
請求項4に記載の発明によれば、反力受け板には、背面部に磁着される電磁石が配設されているので、請求項1乃至3の何れか1つの効果に加え、接続装置の連結時に、供給源側又は移動体側の背面部が磁着により反力受け板に固定されるため、第1及び第2接続部の位置合わせを容易に行うことができる。
【0109】
請求項5に記載の発明によれば、移動体が下側に作業室を有する作業室スラブに敷設された走行用レールを移動するケーソン掘削機であり、供給源側がケーソン掘削機に伝達対象を伝達する供給ケーブルを有し、走行用レールに並設されたケーブル用レールに移動可能に支持されているので、請求項1乃至4の何れか1つの効果に加え、ケーソン掘削機が位置ずれを生じ易いものであっても、反力受け手段で反力による変位を防止するので、接続部同士の位置合わせの操作や接続操作が容易であり、ケーソン掘削機と電源ケーブルや制御ケーブルとの接続操作の無人化が可能となるため、ケーソン掘削機のような遠隔操作で行うものにおいては有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態1に係る接続装置を装着したケーソン掘削機を有するニューマチックケーソンを示す縦断面図である。
【図2】同実施の形態1に係る図1と直交する方向の縦断面図である。
【図3】同実施の形態1に係る接続装置の脱離状態を示す側面図である。
【図4】同実施の形態1に係る接続装置の脱離状態を示す図であって、一部を断面で示す平面図である。
【図5】同実施の形態1に係る接続装置の接続状態を示す側面図である。
【図6】同実施の形態1に係る接続装置の接続状態を示す図であって、一部を断面で示す平面図である。
【図7】この発明の実施の形態2に係る接続装置の脱離状態を示す図であって、一部を断面で示す側面図である。
【図8】同実施の形態2に係る接続装置の接続状態を示す側面図である。
【図9】同実施の形態2に係る接続装置の反力受け手段を示す図であって、図7の矢印A方向から見た要部拡大図である
【図10】この発明の実施の形態3に係る接続装置の脱離状態を示す図であって、一部を断面で示す側面図である。
【図11】同実施の形態3に係る接続装置の接続状態を示す側面図である。
【符号の説明】
11 作業室スラブ(構造体)
12 作業室
13 走行用レール
15 ケーソン掘削機(移動体側)
16 電源ケーブル(供給源側)
17 制御ケーブル(供給源側)
20 接続装置
21 ケーブル用レール
31 固定ボックス部(供給源側)
31a 背面部
55 電源ボデイ(第1の接続部)
56 制御ボデイ(第1の接続部)
67 電源プラグ(第2の接続部)
68 制御プラグ(第2の接続部)
75 電磁石
80 固定部材(反力受け手段)
81 反力受け板(反力受け手段)
84 駆動装置(反力受け手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
伝達対象を供給又は遮断する第1の接続部が、移動体側又は供給源側の一方に設けられるとともに、前記第1の接続部に接続可能な第2の接続部が他方に設けられ、該第1及び第2の接続部が相対移動により、前記第1の接続部と第2の接続部とが接続されるように構成された接続装置であって、
前記接続装置の連結時に、前記移動体側又は供給源側に生じる反力を受けるための反力受け手段を、前記第1又は第2接続部と反対側の背面部側に配置したことを特徴とする接続装置。
【請求項2】
前記反力受け手段は、前記移動体側又は供給源側の前記背面部に当接する反力受け板が前記構造体に回動自在に軸支されると共に、前記接続装置の連結時に、前記反力受け板を前記背面部に対して接する方向に回動させて前記背面部に当接させるようにした駆動装置を有することを特徴とする請求項1に記載の接続装置。
【請求項3】
前記反力受け手段は、前記移動体側又は供給源側の前記背面部に当接する反力受け板が前記構造体に、前記接続装置の連結方向に平行移動自在に設けられると共に、前記接続装置の連結時に、前記反力受け板を前記背面部に対して接する方向に平行移動させて前記背面部に当接させるようにした駆動装置を有することを特徴とする請求項1に記載の接続装置。
【請求項4】
前記反力受け板には、前記背面部に磁着される電磁石が配設されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1つに記載の接続装置。
【請求項5】
前記移動体が下側に作業室を有する作業室スラブに敷設された走行用レールを移動するケーソン掘削機であり、前記供給源側が前記ケーソン掘削機に伝達対象を伝達する供給ケーブルを有し、前記走行用レールに並設されたケーブル用レールに移動可能に支持されていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1つに記載の接続装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2004−270346(P2004−270346A)
【公開日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−64090(P2003−64090)
【出願日】平成15年3月10日(2003.3.10)
【出願人】(000207780)大豊建設株式会社 (77)