説明

接続部材

【課題】成形機に供給される粉粒体に成形機内のガスおよび/または熱気が接触することを防止できる、接続部材を提供すること。
【解決手段】
上端部が、材料を貯留するホッパ2に接続され、下端部が、成形機3に接続される接続部材において、上下方向に材料を通過させる通路と、通路内に吸気する多数の吸気部側貫通穴32と、吸気部側貫通穴32の下方に間隔を隔てて形成され、通路内から排気する2つの排気部側貫通穴33とを備え、吸気部側貫通穴32から吸気すると同時に排気部側貫通穴33から排気することにより、吸気部側貫通穴32から吸気されて通路内を下降する気流、および、通路の下端部において排気部側貫通穴33から排出される気流を形成する。そして、バレル6から通路へ流入したガス(材料に含まれていた水分や揮発成分)および/または熱気を、通路内を下降する気流により、その上昇を規制するとともに、排気部側貫通穴33から排出される気流により、通路から排気する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、材料を貯留する貯留槽と、成形機とを接続する接続部材に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、樹脂成形の材料としての樹脂ペレットは、投入ホッパから、押出成形機や射出成形機などの、シリンダおよびスクリューを備える溶融成形機に投入される。樹脂ペレットは、その溶融成形機において加熱溶融された後、所定形状に成形される。
【0003】
しかるに、樹脂ペレットは、シリンダ内において、加熱により酸化劣化する場合がある。その場合には、得られる成形品には黄変するなどの成形不良が発生する。
【0004】
そのような成形不良を防止すべく、例えば、投入ホッパ内を減圧することにより、投入ホッパ内の酸素濃度を低下させることが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平6−832号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかるに、上記した溶融成形機では、シリンダ内において加熱により樹脂ペレットから揮発されたガスや、シリンダ内において加熱された空気などの雰囲気ガス(熱気)などが、投入ホッパ内に流入する。
【0007】
そのため、ガスおよび/または熱気が投入ホッパ内の樹脂ペレットに接触して、成形不良を生じる場合がある。
【0008】
そこで、本発明の目的は、成形機に供給される材料にガスおよび/または熱気が接触することを防止または低減できる、接続部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記した課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、上端部が、材料を貯留する貯留槽に接続され、下端部が、成形機に接続される接続部材であって、鉛直方向に材料を通過させる通路を備え、前記通路内に吸気する少なくとも1つの吸気口と、前記吸気口に対して鉛直方向に間隔を隔てて形成され、前記通路内から排気する少なくとも1つの排気口とが形成され、前記吸気口および前記排気口のうち、少なくともいずれか一方は、複数形成されていることを特徴としている。
【0010】
このような構成によれば、鉛直方向に材料を通過させる通路内に吸気する少なくとも1つの吸気口と、吸気口に対して鉛直方向に間隔を隔てて形成され、通路内から排気する少なくとも1つの排気口とを備え、吸気口および排気口は、少なくともいずれか一方が、複数形成されている。
【0011】
そのため、吸気口および排気口の少なくともいずれかにおいて、複数の箇所から、通路内に対して吸気および/または排気することができる。
【0012】
これにより、通路内において吸気口から排気口へ向かう気流を、鉛直方向に向かうように発生させることができ、成形機から通路内に流入するガス(材料から揮発したガス)および/または熱気を、通路内において吸気口から排気口へ鉛直方向に送ることができる。
【0013】
その結果、成形機から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、排気口から排気することができ、材料(貯留槽に貯留される材料および/または通路内の材料)および/または、通路の内壁に成形機内のガスおよび/または熱気が接触することを防止または低減することができる。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記吸気口は、前記排気口に対して、上側に形成されていることを特徴としている。
【0015】
このような構成によれば、上側の吸気口から下側の排気口へ向かう気流を発生させることができる。
【0016】
そのため、成形機から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、上側から押え込むように、排気口から確実に排気することができるので、材料(貯留槽に貯留される材料および/または通路内の材料)および/または、通路の内壁に成形機内のガスおよび/または熱気が接触することを、より確実に、防止または低減することができる。
【0017】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、複数設けられている前記吸気口および/または前記排気口は、前記通路の周方向に間隔を隔てて配置されていることを特徴としている。
【0018】
このような構成によれば、吸気口および/または排気口は、通路の周方向において複数形成されている。
【0019】
そのため、周方向において複数の箇所から、吸気および/または排気することができる。
【0020】
その結果、通路内において、水平方向に均一な圧力で鉛直方向へ向かう気流を発生させることができる。
【0021】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、複数設けられている前記吸気口および/または前記排気口は、前記周方向すべてにわたる範囲において、間隔を隔てて形成されていることを特徴としている。
【0022】
このような構成によれば、周方向すべての方向において、ガスおよび/または熱気を吸気口から排気口へ送ることができる。
【0023】
そのため、成形機から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、より効率よく排気することができる。
【0024】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記吸気口および/または前記排気口は、前記通路の周方向に沿って長手に形成されていることを特徴としている。
【0025】
このような構成によれば、吸気口および/または排気口は、周方向において、長手の開口から、吸気または排気する。
【0026】
そのため、通路内において吸気口から排気口へ向かう気流を、周方向において所定の幅を持って発生させて、鉛直方向に送ることができる。
【0027】
これにより、成形機から通路内に流入するガス(材料から揮発したガス)および/または熱気を、吸気口から排気口へ、周方向において所定の幅をもって送ることができる。
【0028】
その結果、成形機から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、周方向において均一に排気することができる。
【0029】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記通路は、鉛直方向に延びる円筒形状に形成されており、前記吸気口および前記排気口は、前記周方向に等間隔を隔てて配置されるように、それぞれ、複数形成されていることを特徴としている。
【0030】
このような構成によれば、通路の周方向において、等間隔で吸気および排気することができ、通路の径方向において、等しい割合でガスおよび/または熱気を吸気口から排気口へ送ることができる。
【0031】
その結果、成形機から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、より一層効率よく排気することができる。
【0032】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記吸気口と前記排気口とは、鉛直方向に投影したときに、少なくとも一部が互いに重なるように配置されていることを特徴としている。
【0033】
このような構成によれば、吸気口から吸気された気流は、周方向に旋回することなく、排気口から排気される。
【0034】
これにより、吸気口から吸気された気流が排気口へ向かう途中で乱れることを防止することができ、吸気口から排気口へ向かう気流にガスおよび/または熱気が巻き込まれることを防止することができる。
【0035】
その結果、成形機から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、排気口からより確実に排気することができる。
【0036】
また、請求項8に記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載の発明において、前記通路を形成する通路形成部材を備え、前記吸気口および前記排気口は、前記通路形成部材に開口されていることを特徴としている。
【0037】
このような構成によれば、吸気口および排気口は、通路内に対して、直接、吸気または排気する。
【0038】
そのため、通路内に対して、吸気または排気することができる。
【0039】
また、請求項9に記載の発明は、上端部が、材料を貯留する貯留槽に接続され、下端部が、成形機に接続される接続部材であって、鉛直方向に材料を通過させる通路を備え、前記通路内に吸気する1つの吸気口と、前記吸気口に対して鉛直方向に間隔を隔てて形成され、前記通路内から排気する1つの排気口とが形成され、前記吸気口および/または前記排気口は、前記周方向に沿って長手に形成されていることを特徴としている。
【0040】
このような構成によれば、吸気口および/または排気口は、周方向において、長手の開口から、吸気または排気する。
【0041】
そのため、通路内において吸気口から排気口へ向かう気流を、周方向において所定の幅を持って発生させて、鉛直方向に送ることができる。
【0042】
これにより、成形機から通路内に流入するガス(材料から揮発したガス)および/または熱気を、吸気口から排気口へ、周方向において所定の幅をもって送ることができる。
【0043】
その結果、成形機から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、周方向において均一に排気することができる。
【0044】
また、請求項10に記載の発明は、気流形成方法であって、上端部が、材料を貯留する貯留槽に接続され、下端部が、成形機に接続される接続部材において、鉛直方向に材料を通過させる通路と、前記通路内に吸気する少なくとも1つの吸気口と、前記吸気口に対して鉛直方向に間隔を隔てて形成され、前記通路内から排気する少なくとも1つの排気口とを、前記通路内に臨むように設け、前記吸気口から、前記通路内に対して吸気するとともに、前記排気口から排気することにより、前記通路内において、鉛直方向に沿って、前記吸気口から前記排気口へ向かう気流を発生させ、前記排気口は、前記吸気口から前記排気口へ向かう方向の上流側からの気流を、排気することを特徴としている。
【0045】
このような方法によれば、接続部材には、鉛直方向に材料を通過させる通路内に吸気する少なくとも1つの吸気口と、吸気口に対して鉛直方向に間隔を隔てて形成され、通路内から排気する少なくとも1つの排気口とが、前記通路内に臨むように設けられている。
【0046】
そのため、通路内において吸気口から排気口へ向かう気流を、鉛直方向に向かうように発生させて、吸気口から排気口へ向かう方向の上流側からの気流を、直接、通路内から排気することができる。
【0047】
これにより、成形機から通路内に流入するガス(材料から揮発したガス)および/または熱気を、通路内において、吸気口から排気口へ鉛直方向に送り、そのまま、排気することができる。
【0048】
その結果、簡易な構成で、成形機から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、排気口から排気することができ、材料(貯留槽に貯留される材料および/または通路内の材料)および/または、通路の内壁に成形機内のガスおよび/または熱気が接触することを、防止または低減することができる。
【発明の効果】
【0049】
請求項1に記載の発明によれば、成形機から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、排気口から排気することができ、材料(貯留槽に貯留される材料および/または通路内の材料)および/または、通路の内壁に成形機内のガスおよび/または熱気が接触することを、防止または低減することができる。
【0050】
また、請求項2に記載の発明によれば、成形機から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、上側から押え込むように、排気口から排気することができるので、材料(貯留槽に貯留される材料および/または通路内の材料)および/または、通路の内壁に成形機内のガスおよび/または熱気が接触することを、より確実に、防止または低減することができる。
【0051】
また、請求項3に記載の発明によれば、通路内において、周方向に均一な圧力で鉛直方向へ向かう気流を発生させることができる。
【0052】
また、請求項4に記載の発明によれば、成形機から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、より効率よく排気することができる。
【0053】
また、請求項5に記載の発明によれば、成形機から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、周方向において均一に排気することができる。
【0054】
また、請求項6に記載の発明によれば、成形機から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、より一層効率よく排気することができる。
【0055】
また、請求項7に記載の発明によれば、成形機から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、排気口からより確実に排気することができる。
【0056】
また、請求項8に記載の発明によれば、通路内に対して、吸気または排気することができる。
【0057】
また、請求項9に記載の発明によれば、成形機から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、周方向において均一に排気することができる。
【0058】
また、請求項10に記載の発明によれば、簡易な構成で、成形機から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、排気口から排気することができ、材料(貯留槽に貯留される材料および/または通路内の材料)および/または、通路の内壁に成形機内のガスおよび/または熱気が接触することを、防止または低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】第1実施形態におけるホッパと成形機との接続を示す側面図である。
【図2】図1に示す気流形成部の拡大図である。
【図3】図1に示す気流形成部の平面視における概略構成図である。
【図4】図1に示す気流形成部における気流を説明するための説明図である。
【図5】第2実施形態の気流形成部における気流を説明するための説明図である。
【図6】第3実施形態の気流形成部における気流を説明するための説明図である。
【図7】第4実施形態の気流形成部における気流を説明するための説明図である。
【図8】第5実施形態における気流形成部の拡大図である。
【図9】第6実施形態における気流形成部の平面視における概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0060】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態におけるホッパと成形機との接続を示す側面図である。図2は、図1に示す気流形成部の拡大図である。なお、以下の説明において、上下方向は鉛直方向と同じ方向である。
【0061】
成形機システム1は、図1および図2に示すように、樹脂ペレットなどの材料を貯留するホッパ2(貯留槽の一例)、ホッパ2に貯留されている材料を溶融成形する成形機3、および、ホッパ2と成形機3との間に設けられ、ホッパ2から成形機3への材料の通過を許容する気流形成部4(通路の一例)とを備えている。
【0062】
ホッパ2は、略円筒形状の上側部分と、下方に向かって開口断面積が小さくなる略円錐形状の下側部分とが連続するように形成されている。なお、ホッパ2の下側部分は、詳しくは、下方に向かうに従って縮径され、その後、下方向に延びる略円筒形状に形成されている。また、ホッパ2の下端部には、気流形成部4と接続するためのフランジ部5が設けられている。
【0063】
フランジ部5は、ホッパ2の下端部において、ホッパ2の径方向外側に向かって突出する略円環形状に形成されている。なお、フランジ部5には、連結部材15(後述)のボルト28(後述)を挿通させるための挿通穴(図示せず)が、フランジ部5を上下方向に貫通するように形成されている。
【0064】
成形機3は、バレル6およびスクリュー7を備えている。
【0065】
バレル6は、水平方向に延びる略円筒形状に形成されている。また、バレル6の長手方向一端部(紙面左側端部)には、バレル6内で溶融された材料を吐出する吐出口9が形成されている。また、バレル6の長手方向他端部(紙面右側端部)において、上端部には、バレル6の上端部を上下方向に貫通する材料投入口8が形成されている。
【0066】
スクリュー7は、バレル6内に回転自在に配置されている。
【0067】
また、バレル6には、材料投入口8と連通するように、ジョイント部23が設けられている。
【0068】
ジョイント部23は、筒部27と鍔部26とを備え、材料投入口8を囲むように、成形機3の上端部に溶接などにより固定されている。
【0069】
筒部27は、上方向に延びる略円筒形状に形成され、成形機3の材料投入口8の周縁部から上方に向かって延びるように配置されている。筒部27は、その内径が、成形機3の材料投入口8とほぼ同径に形成されている。
【0070】
鍔部26は、筒部27の上端部において、筒部27の径方向外側に向かって突出する略円環形状に形成されている。なお、鍔部26には、連結部材15(後述)のボルト28(後述)を挿通させるための挿通穴(図示せず)が、フランジ部5の挿通穴(図示せず)に対応するように貫通形成されている。
【0071】
図3は、図1に示す気流形成部の平面視における概略構成図である。
【0072】
気流形成部4は、図2および図3に示すように、吸気部11、輸送管14、排気部12、上下1対のパッキン13および連結部材15を備えている。また、気流形成部4は、ジョイント部23とともに接続部材を構成する。
【0073】
吸気部11は、気流形成部4の上端部において、上下方向に延びる略円筒形状に形成されており、吸気部本体16と、第1パンチングメタル17(通路形成部材の一例)とを備えている。
【0074】
吸気部本体16は、上下方向に肉厚の略円筒形状に形成されている。吸気部本体16の外径は、フランジ部5の外径よりも小径に形成されている。また、吸気部本体16の内径は、フランジ部5の内径よりもわずかに大径に形成されている。
【0075】
また、吸気部本体16には、滞留部18と、1対の吹込み口19とが形成されている。
【0076】
滞留部18は、吸気部本体16の上端縁から、下端縁の手前までにわたって、その内周面から径方向外方に向かって、断面視略矩形状に切り欠かれている。
【0077】
両吹込み口19は、吸気部本体16の外周面から径方向内方に向かって、滞留部18まで貫通形成されている。また、両吹込み口19は、吸気部本体16の径方向において、互いに対向配置されている(図3参照)。詳しくは、両吹込み口19は、気流形成部4において、周方向に180°の間隔を隔てて配置されるように形成されている。また、両吹込み口19は、大気開放されている。
【0078】
なお、吸気部本体16には、フランジ部5の挿通穴(図示せず)に対応するように、連結部材15のボルト28(後述)を挿通させるための挿通穴(図示せず)が貫通形成されている。
【0079】
第1パンチングメタル17は、金属板から、吸気部本体16の上下方向長さとほぼ同等の上下方向長さを有する略円筒形状に形成されている。第1パンチングメタル17の外径は、吸気部本体16の内径よりもわずかに小径に形成されている。
【0080】
また、第1パンチングメタル17には、多数の吸気部側貫通穴32(吸気口の一例)が、第1パンチングメタル17の径方向に沿って貫通形成されている。
【0081】
各吸気部側貫通穴32は、第1パンチングメタル17の周方向すべてにわたる範囲において、互いに間隔を隔てて形成されている。また、各吸気部側貫通穴32は、材料の大きさよりも小さく形成されている。
【0082】
そして、第1パンチングメタル17は、その下端部の外面が、吸気部本体16の下端部(滞留部18が形成されていない部分)の内面に当接するように、吸気部本体16に嵌合されている。
【0083】
輸送管14は、無色透明のガラスやプラスチックなどから上下方向に延びる略円筒形状に形成されている。また、輸送管14の外径は、吸気部本体16の内径よりも大径に形成されており、輸送管14の内径は、吸気部本体16の内径よりもわずかに小径に形成されている。なお、輸送管14は、ホッパ2から成形機3へ供給される材料を目視するための覗き窓としても機能する。
【0084】
排気部12は、気流形成部4の下端部において、上下方向に肉厚の略円筒形状に形成されており、排気部本体20と、第2パンチングメタル21とを備えている。なお、排気部12は、気流形成部4の下端部近傍に配置されていれば特に限定されないが、好ましくは、気流形成部4の最下端部に配置される。
【0085】
排気部本体20は、吸気部11の吸気部本体16とほぼ同径の略円筒形状に形成されている。また、排気部本体20には、滞留部24と、1対の吸出し口25とが形成されている。
【0086】
滞留部24は、排気部本体20の上下方向略中央において、その内周面から径方向外方に向かって、断面視略矩形状に切り欠かれている。
【0087】
そして、滞留部24より上側の排気部本体20の内径は、第2パンチングメタル21の外径よりも小径に形成されている。また、滞留部24より下側の排気部本体20の内径は、第2パンチングメタル21の外径よりもわずかに大径に形成されている。
【0088】
両吸出し口25は、排気部本体20の外周面から径方向内方に向かって、滞留部24まで貫通形成されている。また、両吸出し口25は、排気部本体20の径方向において、互いに対向配置されている。詳しくは、両吸出し口25は、気流形成部4において、周方向に180°の間隔を隔てて配置されるように形成されている。なお、両吸出し口25には、吸引ブロワ31が接続されている。
【0089】
なお、排気部本体20には、フランジ部5の挿通穴(図示せず)に対応するように、連結部材15のボルト28(後述)を挿通させるための挿通穴(図示せず)が貫通形成されている。
【0090】
第2パンチングメタル21は、金属板から、排気部本体20の下端縁から滞留部24の上端縁までに相当する上下方向長さの略円筒形状に形成されている。また、第2パンチングメタル21は、第1パンチングメタル17および輸送管14とともに、通路を形成している。
【0091】
また、第2パンチングメタル21には、多数の排気部側貫通穴33(排気口の一例)が、第2パンチングメタル21の径方向に沿って貫通形成されている。
【0092】
排気部側貫通穴33は、第2パンチングメタル21の周方向すべてにわたる範囲において、互いに間隔を隔てて形成されている。また、各排気部側貫通穴33は、材料の大きさよりも小さく形成されている。材料の大きさよりも小さく形成されている。
【0093】
そして、第2パンチングメタル21は、その上端縁が、滞留部24より上側の排気部本体20に下方から当接するとともに、その下端部の外面が、排気部本体20の下端部(滞留部24より下側の部分)の内面に当接するように、排気部本体20に嵌合されている。
【0094】
また、第1パンチングメタル17と第2パンチングメタル21とは、上下方向に投影したときに、重なるように配置されている。すなわち、第1パンチングメタル17の吸気部側貫通穴32と、第2パンチングメタル21の排気部側貫通穴33とは、上下方向に投影したときに、重なるように配置されている。
【0095】
パッキン13は、略円環形状に形成されており、その内径は、輸送管14の外径よりも小径に形成されており、その外径は、輸送管14の外径よりも大径に形成されている。また、上側のパッキン13は、吸気部本体16と輸送管14との間に設けられており、下側のパッキン13は、排気部本体20と輸送管14との間に設けられている。
【0096】
連結部材15は、ボルト28、ナット29およびカバー30を備えている。
【0097】
ボルト28は、ホッパ2のフランジ部5、気流形成部4およびジョイント部23を一括して貫通可能な上下方向長さに形成されており、その上端部には、略六角形の頭が設けられている。
【0098】
ナット29は、ボルト28に対応する略六角形に形成されている。
【0099】
カバー30は、上下方向に延びる略円筒形状に形成されており、吸気部本体16と排気部本体20との間において、ボルト28のボルト軸を被覆している。
【0100】
そして、ホッパ2のフランジ部5と、ジョイント部23との間において、上方から順次、吸気部11、上側のパッキン13、輸送管14、下側のパッキン13、および、排気部12が配置され、各挿通穴(図示せず)にボルト28が挿通されて、ナット29がボルト28の下端部に螺合されることにより、ホッパ2、気流形成部4および成形機3が連結されている。すなわち、接続部材(気流形成部4およびジョイント部23)は、上端部(吸気部11)において、ホッパ2のフランジ部5に接続され、下端部(ジョイント部23)において、成形機3に接続されている。
【0101】
次いで、成形機システム1の成形動作を説明する。
【0102】
図4は、図1に示す気流形成部における気流を説明するための説明図である。
【0103】
成形機システム1を用いて、材料を溶融し、溶融された材料を成形するには、まず、ホッパ2に貯留されている材料を、気流形成部4を介して成形機3へ供給する。
【0104】
このとき、ホッパ2から成形機3へ供給される材料は、気流形成部4の通路(第1パンチングメタル17、輸送管14および第2パンチングメタル21)内を上方から下方へ通過して、バレル6内に供給される。そして、バレル6内に材料が満たされると、バレル6に入りきらない材料が、気流形成部4の通路内や、ホッパ2内に滞留される。
【0105】
なお、材料の上端部は、気流形成部4の上端部よりも上方(材料の上端部が、ホッパ2内に位置される場合)、気流形成部4の上下方向途中(材料の上端部が、気流形成部4の通路内に位置される場合)、または、気流形成部4の下端部よりも下方に(材料の上端部が、バレル6内に位置されている場合)のいずれかに位置してもよく、公知のレベルセンサ(図示せず)の検知に基づいて、ホッパ2から成形機3へ供給される。
【0106】
そして、バレル6内の材料は、バレル6内において加熱されて溶融されながら、スクリュー7の回転により、吐出口9へ向かって搬送される。その後、溶融された材料は、吐出口9から吐出されて、所定の形状に成形される。
【0107】
このとき、バレル6内で溶融された材料から、材料に含まれていた水分や揮発成分(揮発性の有機物など)が揮発されることにより、ガスが発生する。また、バレル6内で空気が加熱され熱気となる。発生したガスおよび/または熱気は、バレル6の材料投入口8およびジョイント部23を介して気流形成部4の通路へ流入する。
【0108】
一方、気流形成部4には、図4に示すように、上端部の吹込み口19から、空気(または窒素ガスなどの不活性気体)が吸気される。同時に、気流形成部4内の空気は、吸引ブロワ31により、下端部の吸出し口25から排気される。
【0109】
すると、吸気された空気は、滞留部18から、第1パンチングメタル17の吸気部側貫通穴32を介して通路内へ供給され、通路内を上方から下方へ向かって流れる。
【0110】
その後、通路内を下降した空気は、第2パンチングメタル21の排気部側貫通穴33、および、滞留部24を順次通過して、吸出し口25から排出される。
【0111】
つまり、気流形成部4の通路内には、吸気部側貫通穴32から吸気され、通路内を下降し、通路の下端部(第2パンチングメタル21)において排気部側貫通穴33から排出される気流が形成される。
【0112】
そして、バレル6から気流形成部4の通路内へ流入したガスおよび/または熱気は、通路内を下降する気流により、その上昇を規制されるとともに、排気部側貫通穴33から排出される気流により、通路から排気される。
【0113】
この接続部材(気流形成部4およびジョイント部23)によれば、図2および図4に示すように、上下方向に材料を通過させる通路内に吸気する多数の吸気部側貫通穴32と、吸気部側貫通穴32に対して上下方向に間隔を隔てて形成され、通路内から排気する多数の排気部側貫通穴33とを備えている。
【0114】
そのため、吸気部側貫通穴32において、多数の箇所から、通路内に対して吸気することができるとともに、排気部側貫通穴33において、多数の箇所から排気することができる。
【0115】
これにより、通路内において吸気部側貫通穴32から排気部側貫通穴33へ向かう気流を、上下方向に向かうように発生させることができ、成形機3から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、通路内において吸気部側貫通穴32から排気部側貫通穴33へ上下方向に送ることができる。
【0116】
その結果、成形機3から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、排気部側貫通穴33から排気することができ、材料(ホッパ2に貯留される材料および/または通路内の材料)および/または通路の内壁にガスおよび/または熱気が接触することを、確実に、防止または低減することができる。
【0117】
また、この接続部材によれば、図2および図4に示すように、上側の吸気部側貫通穴32から下側の排気部側貫通穴33へ向かう気流を発生させることができる。
【0118】
そのため、成形機3から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、上側からに押え込むように、排気部側貫通穴33から排気することができるので、材料(ホッパ2に貯留される材料および/または通路内の材料)および/または通路の内壁にガスおよび/または熱気が接触することを、より確実に、防止または低減することができる。
【0119】
また、この接続部材によれば、図2に示すように、吸気部側貫通穴32および排気部側貫通穴33は、第1パンチングメタル17および第2パンチングメタル21の周方向において多数形成されている。
【0120】
そのため、周方向において多数の箇所から、吸気または排気することができる。
【0121】
その結果、通路内において、水平方向に均一な圧力で鉛直方向へ向かう気流を発生させることができる。
【0122】
また、この接続部材によれば、図2に示すように、吸気部側貫通穴32および排気部側貫通穴33は、周方向すべてにわたる範囲において、間隔を隔てて形成されている。
【0123】
そのため、周方向すべての方向において、ガスおよび/または熱気を吸気部側貫通穴32から排気部側貫通穴33へ送ることができる。
【0124】
そのため、成形機3から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、より効率よく排気することができる。
【0125】
また、この接続部材によれば、図3に示すように、吸気部側貫通穴32と排気部側貫通穴33とは、鉛直方向に投影したときに、重なるように配置されていることを特徴としている。
【0126】
このような構成によれば、吸気部側貫通穴32から吸気された気流は、周方向に旋回することなく、排気部側貫通穴33から排気される。
【0127】
これにより、吸気部側貫通穴32から吸気された気流が排気部側貫通穴33へ向かう途中で乱れることを防止することができ、吸気部側貫通穴32から排気部側貫通穴33へ向かう気流にガスおよび/または熱気が巻き込まれることを防止することができる。
【0128】
その結果、成形機3から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、排気部側貫通穴33からより確実に排気することができる。
【0129】
また、この接続部材によれば、図2に示すように、通路を形成する第1パンチングメタル17および第2パンチングメタル21を備え、吸気部側貫通穴32および排気部側貫通穴33は、第1パンチングメタル17または第2パンチングメタル21に開口されている。
【0130】
そのため、吸気部側貫通穴32および排気部側貫通穴33は、通路内に対して、直接、吸気または排気する。
【0131】
その結果、通路内に対して、確実に、吸気または排気することができる。
【0132】
また、この気流形成方法によれば、図4に示すように、接続部材には、鉛直方向に材料を通過させる通路内に吸気する多数の吸気部側貫通穴32と、吸気部側貫通穴32に対して上下方向に間隔を隔てて形成され、通路内から排気する多数の排気部側貫通穴33とが、通路内に臨むように設けられている。
【0133】
そのため、通路内において吸気部側貫通穴32から排気部側貫通穴33へ向かう気流を、上下方向に向かうように発生させて、吸気部側貫通穴32から排気部側貫通穴33へ向かう上方からの気流を、直接、通路内から排気することができる。
【0134】
これにより、成形機3から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、通路内において、吸気部側貫通穴32から排気部側貫通穴33へ上下方向に送り、そのまま、排気することができる。
【0135】
その結果、簡易な構成で、成形機3から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、排気部側貫通穴33から排気することができ、材料(ホッパ2に貯留される材料および/または通路内の材料)および/または通路の内壁にガスおよび/または熱気が接触することを、より確実に、防止または低減することができる。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態の気流形成部における気流を説明するための説明図である。図5において、第1実施形態と同様の部材には、第1実施形態と同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0136】
上記した第1実施形態では、気流形成部4の上端部に吸気部11を設け、気流形成部4の下端部に排気部12を設けたが、第2実施形態では、吸気部11を気流形成部4の下端部に設け、排気部12を気流形成部4の上端部に設けてもよい。
【0137】
第2実施形態の気流形成部4では、図5に示すように、下端部の吸気部11の吹込み口19から、空気(または窒素ガスなどの不活性気体)が吸気されると同時に、気流形成部4内の空気は、吸引ブロワ31により、上端部の排気部12の吸出し口25から排気される。
【0138】
すると、吸気部11において吸気された空気は、滞留部18から、第1パンチングメタル17の吸気部側貫通穴32を介して気流形成部4の通路内へ吸気され、通路内を下方から上方へ向かって流れる。
【0139】
その後、通路内を上昇した空気は、排気部12において、第2パンチングメタル21の排気部側貫通穴33、および、滞留部24を順次通過して、吸出し口25から排出される。
【0140】
つまり、気流形成部4の通路内には、吸気部側貫通穴32から吸気され、通路内を上昇する気流、および、通路の上端部(第2パンチングメタル21)において排気部側貫通穴33から排出される気流が形成される。
【0141】
そして、バレル6から気流形成部4の通路へ流入したガスおよび/または熱気は、通路内を上昇する気流により、通路内を上昇し、その後、排気部側貫通穴33から排出される気流により、通路から排気される。
【0142】
第2実施形態においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第3実施形態)
図6は、第3実施形態の気流形成部における気流を説明するための説明図である。図6において、第1実施形態と同様の部材には、第1実施形態と同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0143】
上記した第1実施形態では、気流形成部4の上端部に吸気部11を設け、気流形成部4の下端部に排気部12を設けたが、第3実施形態では、吸気部11を気流形成部4の上端部および下端部に設け、それらの間、すなわち、気流形成部4の上下方向略中央に排気部12を設けてもよい。
【0144】
第2実施形態の気流形成部4では、図6に示すように、上端部および下端部の吸気部11の吹込み口19から、空気(または窒素ガスなどの不活性気体)が吸気されると同時に、気流形成部4内の空気は、吸引ブロワ31により、上下方向略中央の排気部12の吸出し口25から排気される。
【0145】
すると、上側の吸気部11から吸気された空気は、滞留部18から、第1パンチングメタル17の吸気部側貫通穴32を介して通路内へ供給され、通路内を上方から下方へ向かって流れる。
【0146】
また、下側の吸気部11から吸気された空気は、滞留部18から、第1パンチングメタル17の吸気部側貫通穴32を介して通路内へ供給され、通路内を下方から上方へ向かって流れる。
【0147】
その後、通路内を下降した空気、および、通路内を上昇した空気は、排気部12において、第2パンチングメタル21の排気部側貫通穴33、および、滞留部24を順次通過して、吸出し口25から排出される。
【0148】
つまり、気流形成部4の通路内には、上側の吸気部側貫通穴32から吸気され、通路内を下降する気流と、下側の吸気部側貫通穴32から吸気され、通路内を上昇する気流と、通路の上下方向略中央において排気部側貫通穴33から排出される気流とが形成される。
【0149】
そして、バレル6から気流形成部4の通路へ流入したガスおよび/または熱気は、通路内を上昇する気流により、通路内を上昇し、通路の上下方向略中央において、通路内を下降する気流により、その上昇を規制される。その後、ガスおよび/または熱気は、通路の上下方向略中央において、排気部側貫通穴33から排出される気流により、気流形成部4の通路から排気される。
【0150】
第3実施形態においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第4実施形態)
図7は、第4実施形態の気流形成部における気流を説明するための説明図である。図7において、第1実施形態と同様の部材には、第1実施形態と同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0151】
上記した第1実施形態では、気流形成部4の上端部に吸気部11を設け、気流形成部4の下端部に排気部12を設けたが、第4実施形態では、排気部12を気流形成部4の上端部および下端部に設け、それらの間、すなわち、気流形成部4の上下方向略中央に吸気部11を設けてもよい。
【0152】
第2実施形態の気流形成部4では、図7に示すように、上下方向略中央の吸気部11の吹込み口19から、空気(または窒素ガスなどの不活性気体)が吸気されると同時に、気流形成部4内の空気は、吸引ブロワ31により、上端部および下端部の排気部12の吸出し口25から排気される。
【0153】
すると、上下方向略中央の吹込み口19から吸気された空気は、滞留部18から、第1パンチングメタル17の吸気部側貫通穴32を介して通路内へ供給され、通路内を上方から下方へ向かって流れる気流と、通路内を下方から上方へ向かって流れる気流とに分割される。
【0154】
その後、通路内を上昇した空気は、上側の排気部12において、第2パンチングメタル21の排気部側貫通穴33、および、滞留部24を順次通過して、吸出し口25から排出される。
【0155】
また、通路内を下降した空気は、下側の排気部12において、第2パンチングメタル21の排気部側貫通穴33、および、滞留部24を順次通過して、吸出し口25から排出される。
【0156】
つまり、通路内には、上下方向略中央の吹込み口19から吸気され、通路内を上昇する気流と、上下方向略中央の吹込み口19から吸気され、通路内を下降する気流と、通路の上端部において吸出し口25から排出される気流と、通路の下端部において吸出し口25から排出される気流とが形成される。
【0157】
そして、バレル6から気流形成部4の通路へ流入したガスおよび/または熱気は、常には、通路内を下降する気流により、その上昇を規制され、通路の下端部において、排気部側貫通穴33から排出される気流により、気流形成部4の通路から排気される。
【0158】
一方、例えば、通路内に滞留されている材料を伝うようにガスおよび/または熱気が上昇し、通路内を下降する気流によって、ガスおよび/または熱気の上昇を完全に規制できない場合には、ガスおよび/または熱気の一部が、吸気部11を通過する場合がある。
【0159】
そのような場合には、吸気部11を通過したガスおよび/または熱気は、通路内を上昇する気流により、通路内を上昇し、その後、通路の上端部において、排気部側貫通穴33から排出される気流により、気流形成部4の通路から排気される。
【0160】
第4実施形態においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第5実施形態)
図8は、第5実施形態における気流形成部の拡大図である。図8において、第1実施形態と同様の部材には、第1実施形態と同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0161】
上記した第1実施形態では、第1パンチングメタル17および第2パンチングメタル21に、それらの周方向すべてにわたる範囲において、互いに間隔を隔てて、多数の吸気部側貫通穴32および排気部側貫通穴33を形成したが、第5実施形態では、図8に示すように、第1パンチングメタル17および第2パンチングメタル21に、吸気部側スリット41(吸気口の一例)および排気部側スリット42(排気口の一例)を周方向に沿って長手に形成している。
【0162】
第5実施形態では、第1パンチングメタル17には、上下方向に間隔を隔てて2つの吸気部側スリット41が形成されている。
【0163】
吸気部側スリット41は、第1パンチングメタル17の周方向に延び、第1パンチングメタル17の周方向に、例えば、180°超過、360°未満にわたって、第1パンチングメタル17を径方向に貫通するように形成されている。また、各吸気部側スリット41の上下方向長さは、材料の大きさよりも小さく形成されている。
【0164】
また、第2パンチングメタル21には、上下方向に間隔を隔てて3つの排気部側スリット42が形成されている。
【0165】
排気部側スリット42は、吸気部側スリット41と同様に、第2パンチングメタル21の周方向に延び、第2パンチングメタル21の周方向に、例えば、180°超過、360°未満にわたって、第2パンチングメタル21を径方向に貫通するように形成されている。また、各排気部側スリット42の上下方向長さは、材料の大きさよりも小さく形成されている。
【0166】
そして、気流形成部4、上端部の吹込み口19から、空気(または窒素ガスなどの不活性気体)が吸気され、同時に、気流形成部4内の空気が、吸引ブロワ31により、下端部の吸出し口25から排気されると、吸気された空気は、滞留部18から、第1パンチングメタル17の吸気部側スリット41を介して通路内へ供給され、通路内を上方から下方へ向かって流れる。
【0167】
その後、通路内を下降した空気は、第2パンチングメタル21の排気部側スリット42、および、滞留部24を順次通過して、吸出し口25から排出される。
【0168】
つまり、気流形成部4の通路内には、第1実施形態と同様に、吸気部側スリット41から吸気され、通路内を下降し、通路の下端部(第2パンチングメタル21)において排気部側スリット42から排出される気流が形成される。
【0169】
そして、バレル6から気流形成部4の通路内へ流入したガスおよび/または熱気は、通路内を下降する気流により、その上昇を規制されるとともに、排気部側スリット42から排出される気流により、通路から排気される。
【0170】
第5実施形態の接続部材によれば、吸気部側スリット41および排気部側スリット42は、周方向において、長手の開口から、吸気または排気する。
【0171】
そのため、通路内において吸気部側スリット41から排気部側スリット42へ向かう気流を、周方向において所定の幅を持って発生させて、上下方向に送ることができる。
【0172】
これにより、成形機3から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、吸気部側スリット41から排気部側スリット42へ、周方向において所定の幅をもって送ることができる。
【0173】
その結果、成形機3から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、周方向において均一に排気することができる。
(第6実施形態)
図9は、第6実施形態における気流形成部の平面視における概略構成図である。図9において、第1実施形態と同様の部材には、第1実施形態と同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0174】
上記した第1実施形態では、第1パンチングメタル17および第2パンチングメタル21に、それらの周方向すべてにわたる範囲において、互いに間隔を隔てて、多数の吸気部側貫通穴32および排気部側貫通穴33を形成したが、第6実施形態では、図9に示すように、吸気部側貫通穴52(吸気口の一例)および排気部側貫通穴53(排気口の一例)を、周方向に180°の間隔を隔てて、それぞれ2つ配置している。
【0175】
第6実施形態では、図9に示すように、第1パンチングメタル17には、吹込み口19に対向するように、2つの吸気部側貫通穴52が、周方向に180°の間隔を隔てて形成されている。また、各吸気部側貫通穴52は、材料の大きさよりも小さく形成されている。
【0176】
また、第2パンチングメタル21には、吸出し口25に対向するように、2つの排気部側貫通穴53が、周方向に180°の間隔を隔てて形成されている。また、各排気部側貫通穴53は、材料の大きさよりも小さく形成されている。
【0177】
そして、気流形成部4、上端部の吹込み口19から、空気(または窒素ガスなどの不活性気体)が吸気され、同時に、気流形成部4内の空気が、吸引ブロワ31により、下端部の吸出し口25から排気されると、吸気された空気は、滞留部18から、第1パンチングメタル17の吸気部側貫通穴52を介して通路内へ供給され、通路内を上方から下方へ向かって流れる。
【0178】
その後、通路内を下降した空気は、第2パンチングメタル21の排気部側貫通穴53、および、滞留部24を順次通過して、吸出し口25から排出される。
【0179】
つまり、気流形成部4の通路内には、第1実施形態と同様に、吸気部側貫通穴52から吸気され、通路内を下降し、通路の下端部(第2パンチングメタル21)において排気部側貫通穴53から排出される気流が形成される。
【0180】
そして、バレル6から気流形成部4の通路内へ流入したガスおよび/または熱気は、通路内を下降する気流により、その上昇を規制されるとともに、排気部側貫通穴53から排出される気流により、通路から排気される。
【0181】
第6実施形態の接続部材によれば、通路の周方向において、等間隔で吸気および排気することができ、通路の径方向において、等しい割合でガスおよび/または熱気を吸気部側貫通穴52から排気部側貫通穴53へ送ることができる。
【0182】
その結果、成形機3から通路内に流入するガスおよび/または熱気を、より一層効率よく排気することができる。
(その他の実施形態)
また、上記した第1実施形態では、吸気部側貫通穴32と排気部側貫通穴33とを、上下方向に投影したときに、重なるように配置したが、吸気部側貫通穴32と排気部側貫通穴33とは、上下方向に投影したときに、重ならないように配置してもよい。
【0183】
この実施形態においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0184】
また、上記した第5実施形態では、吸気部側スリット41を2つ形成し、排気部側スリット42を3つ形成したが、吸気部側スリット41および排気部側スリット42の数は、特に限定されず、例えば、吸気部側スリット41および排気部側スリット42をそれぞれ1つずつ形成してもよい。
【0185】
この実施形態においても、上記した第5実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【0186】
また、上記した第6実施形態では、吸気部側貫通穴52と排気部側貫通穴53を、それぞれ2つ設け、周方向に180°の間隔を隔てて配置したが、吸気部側貫通穴52と排気部側貫通穴53の数および配置は特に限られず、例えば、吸気部側貫通穴52と排気部側貫通穴53を、それぞれ3つ設け、周方向に120°の間隔を隔てて配置してもよく、また、それぞれ4つ設け、周方向に90°の間隔を隔てて配置してもよい。
【0187】
この実施形態においても、上記した第6実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0188】
2 ホッパ(貯留槽)
3 成形機
4 気流形成部(接続部材)
5 フランジ部(接続部材)
14 輸送管(通路)
17 第1パンチングメタル(通路、通路形成部材)
21 第2パンチングメタル(通路、通路形成部材)
32 吸気部側貫通穴(吸気口)
33 排気部側貫通穴(排気口)
41 吸気部側スリット(吸気口)
42 排気部側スリット(排気口)
52 吸気部側貫通穴(吸気口)
53 排気部側貫通穴(排気口)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部が、材料を貯留する貯留槽に接続され、下端部が、成形機に接続される接続部材であって、
鉛直方向に材料を通過させる通路を備え、
前記通路内に吸気する少なくとも1つの吸気口と、
前記吸気口に対して鉛直方向に間隔を隔てて形成され、前記通路内から排気する少なくとも1つの排気口とが形成され、
前記吸気口および前記排気口のうち、少なくともいずれか一方は、複数形成されていることを特徴とする、接続部材。
【請求項2】
前記吸気口は、前記排気口に対して、上側に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載の接続部材。
【請求項3】
複数設けられている前記吸気口および/または前記排気口は、前記通路の周方向に間隔を隔てて配置されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の接続部材。
【請求項4】
複数設けられている前記吸気口および/または前記排気口は、前記周方向すべてにわたる範囲において、間隔を隔てて形成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の接続部材。
【請求項5】
前記吸気口および/または前記排気口は、前記通路の周方向に沿って長手に形成されていることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載の接続部材。
【請求項6】
前記通路は、鉛直方向に延びる円筒形状に形成されており、
前記吸気口および前記排気口は、前記周方向に等間隔を隔てて配置されるように、それぞれ、複数形成されていることを特徴とする、請求項1〜5のいずれかに記載の接続部材。
【請求項7】
前記吸気口と前記排気口とは、鉛直方向に投影したときに、少なくとも一部が互いに重なるように配置されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の接続部材。
【請求項8】
前記通路を形成する通路形成部材を備え、
前記吸気口および前記排気口は、前記通路形成部材に開口されていることを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の接続部材。
【請求項9】
上端部が、材料を貯留する貯留槽に接続され、下端部が、成形機に接続される接続部材であって、
鉛直方向に材料を通過させる通路を備え、
前記通路内に吸気する1つの吸気口と、
前記吸気口に対して鉛直方向に間隔を隔てて形成され、前記通路内から排気する1つの排気口とが形成され、
前記吸気口および/または前記排気口は、前記通路の周方向に沿って長手に形成されていることを特徴とする、接続部材。
【請求項10】
上端部が、材料を貯留する貯留槽に接続され、下端部が、成形機に接続される接続部材において、鉛直方向に材料を通過させる通路と、前記通路内に吸気する少なくとも1つの吸気口と、前記吸気口に対して鉛直方向に間隔を隔てて形成され、前記通路内から排気する少なくとも1つの排気口とを、前記通路内に臨むように設け、
前記吸気口から、前記通路内に対して吸気するとともに、前記排気口から排気することにより、前記通路内において、鉛直方向に沿って、前記吸気口から前記排気口へ向かう気流を発生させ、
前記排気口は、前記吸気口から前記排気口へ向かう方向の上流側からの気流を、排気することを特徴とする、気流形成方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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