説明

掲示具及び保持手段

【課題】本発明は、より容易且つ確実に掲示でき、しかも外観上より好ましい掲示具及び保持手段を提供することを目的とする。
【解決手段】掲示具10を、弾性部材から成り複数の貫通孔14を有するボード16と、ボード16表面にポスター(掲示物)18を貼り付けた状態に保持する複数の保持手段12と、を備えて構成した。保持手段12については、貫通孔14に挿入される脚部22と、脚部22に連続しボード16に向かって弾性的に付勢力を付与される頭部24と、を有するように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポスター等の掲示物を貼り付けた状態に保持する掲示具及び保持手段に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ポスターを掲示するための掲示板について案出されている(例えば、特許文献1参照。)。この掲示板は、ポスターを掲示するために繰り返して使用でき、ポスターを確実且つ容易に、しかも外観よく掲示し得るように考慮されている。しかし、どんな大きさの掲示物でも画鋲やマグネット無しで、より容易且つ確実に掲示でき、しかも外観上も、より好ましい掲示具が望まれている。
【特許文献1】特開2004−287375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
そこで、本発明者は、このような課題の原因を究明してこのような課題を解決するべく、鋭意研究を重ねた結果、本発明に至ったのである。
【0004】
すなわち、本発明は、より容易且つ確実に掲示でき、しかも外観上より好ましい掲示具及び保持手段を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の掲示具は、弾性部材から成り複数の貫通孔を有するボードと、前記ボード表面に掲示物を貼り付けた状態に保持する複数の保持手段と、を備え、前記保持手段が、前記貫通孔に挿入される脚部と、該脚部に連続し前記ボードに向かって弾性的に付勢力を付与される頭部と、を有し、前記頭部と前記ボードとの間で前記掲示物を押圧して挟持することを特徴とする。
【0006】
本発明の掲示具は、前記掲示具において、前記保持手段が、前記頭部の端部付近を押して前記ボードに対して弾性的に回動させることにより、前記掲示物の挟持又は解除を行うように構成されたことを特徴とする。
【0007】
本発明の掲示具は、前記掲示具において、前記保持手段が、前記ボードに向かって突出する突起部を有することを特徴とする。
【0008】
本発明の掲示具は、前記掲示具において、前記脚部及び前記貫通孔が多角形断面を有することにより、該脚部が該貫通孔に対して回動不可能であることを特徴とする。
【0009】
本発明の掲示具は、前記掲示具において、前記脚部が、前記ボードの裏面側に膨出する拡幅部を備えたことを特徴とする。
【0010】
本発明の保持手段は、弾性部材から成り複数の貫通孔を有するボードの表面に掲示物を貼り付けた状態に保持するための保持手段であり、前記貫通孔に挿入される脚部と、該脚部に連続し前記ボードに向かって弾性的に付勢力を付与される頭部と、を有し、前記頭部と前記ボードとの間で前記掲示物を押圧して挟持することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の掲示具及び保持手段によれば、保持手段を指で押すことのみによって掲示物の取り付け又は取り外しができる。このため、より容易且つ確実に掲示物を貼り付けることができる。また、複数の保持手段をボードの表面に整列して取り付けておけば、外観上も好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、本発明に係る掲示具及び保持手段の実施の形態について、図面に基づいて詳しく説明する。
【0013】
図1乃至図3において、符号10は、本発明の掲示具であり、符号12は、本発明の保持手段である。
【0014】
掲示具10は、弾性部材から成り複数の貫通孔14を有するボード16と、ボード16表面にポスター(掲示物)18を貼り付けた状態に保持する複数の保持手段12と、を備えている。
【0015】
保持手段12は、貫通孔14に挿入される脚部22と、脚部22に連続しボード16に向かって弾性的に付勢力を付与される頭部24と、を有し、頭部24とボード16との間でポスター18を押圧して挟持するように構成されている。また、保持手段12は、頭部24の端部付近を図3に示すように指で押すことにより、ボード16に対して弾性的に回動させ、これによりポスター18の挟持又は解除を行うことができるように構成されている。さらに、保持手段12は、ボード16に向かって突出する突起部26を有し、この突起部26をポスター18に突刺してポスター18が落下しないように保持できるように構成されている。
【0016】
この保持手段12の脚部22及びボード16の貫通孔14は、正方形断面(多角形断面)を有し、貫通孔14に挿入した脚部22が貫通孔14に対して回動不可能であるように構成されている。また、脚部22は、ボード16の裏面側に膨出する拡幅部28を有し、脚部22がボード16から抜出するのを防止できるように構成されている。この拡幅部28の先端側は、貫通孔14に挿入しやすいようにテーパ部30を有している。
【0017】
この掲示具10は、長方形のボード16に枠32及び周囲カバー34を取り付け、ボード16の複数の貫通孔14に複数の保持手段12を挿入して固定することにより製造される。ボード16の材質は、弾性部材であれば、樹脂、木材、ゴム等、特に限定されない。また、保持手段12の材質は、変形しないものであれば特に限定されない。
【0018】
このような構成の本発明に係る掲示具10及び保持手段12の作用及び効果について以下に説明する。
【0019】
掲示具10にポスター18を貼り付ける場合、図3に示すように、保持手段12の頭部24の上方の端部付近を指36で押して保持手段12をボード16に対して弾性的に回動させることにより、頭部24の下方の裏側に隙間を生じさせた状態で、ポスター18をその隙間に下から挿入し、指36を放す。これにより、図1に示すように、頭部24とボード16との間でポスター18が押圧されて挟持される。図1においては、ポスター18は6個の保持手段12によって挟持されている。
【0020】
この時、ボード16の弾性力によってポスター18に頭部24から付勢力が付与されることにより、頭部24とボード16との間でポスター18が押圧されて挟持される。また、突起部26がポスター18に突刺されることにより、ポスター18は安定して保持され、風や揺れによってもポスター18が頭部24とボード16との間から外れて落下することはない。
【0021】
次に、ポスター18を取り外す必要が生じた場合、図3に示すように、保持手段12の頭部24の上方の端部付近を指36で押して保持手段12をボード16に対して弾性的に回動させることにより、頭部24の下方の裏側に隙間を生じさせた状態で、ポスター18をその隙間から取り外す。また、不要となったポスター18の場合には、ポスター18の下部付近を手で強く持って下へ引き、ポスター18の上部付近を破砕しながら取り外しても良い。
【0022】
このような掲示具10及び保持手段12によれば、上記のように、保持手段12を指36で押すことのみによってポスター18の取り付け又は取り外しができる。このため、より容易且つ確実にポスター18を貼り付けることができる。また、複数の保持手段12をボード16の表面に整列して取り付けておけば、外観上も好ましい。特に、図1に示すように、正方形の頭部24を45°に傾斜させ、頭部24同志の隙間の幅が一定になるように等間隔で整列させれば、鱗状の模様を描くため、外観上好ましい。
【0023】
頭部24の端部付近を押すことによって、保持手段12をボード16に対して弾性的に回動させてポスター18の挟持又は解除を行う構造であるため、バネ等の付勢手段を特に設ける必要がない。このため、掲示具10及び保持手段12をコンパクトに構成でき、これにより外観も好ましくなる。
【0024】
また、保持手段12の脚部22及びボード16の貫通孔14が、正方形断面を有し、貫通孔14に挿入した脚部22が貫通孔14に対して回動不可能であるため、保持手段12が貫通孔14に対して自由回動して保持する突起部26の位置が不規則に変わってしまうことがない。このため、確実に突起部26をポスター18に突刺して容易にポスター18を保持できる。
【0025】
また、脚部22の拡幅部28によって脚部22がボード16から抜出するのを防止する構造であるため、抜け止め手段を別途設ける必要がない。また、テーパ部30からボード16に圧入して容易に取り付けることができる。また、ボード16が弾性部材であるため、頭部24を保持して強く抜き出せば、容易に取り外すことができる。
【0026】
以上、本発明の一実施形態について図面に基いて説明したが、本発明は、上述した実施形態には限定されない。
【0027】
例えば、掲示具10において、図4に示すように、ポスター18を保持しない保持手段12を取り外し、ポスター18を保持する保持手段12のみを残しても良い。この場合、取り外した保持手段12は、他の掲示具10のために利用できる。
【0028】
また、掲示具10において、図5に示すように、保持手段12及び貫通孔14を図1の場合よりも少なく構成しても良い。この場合でも、保持手段12を等間隔で整列しているとともに貫通孔14が見えないため、外観上好ましい。なお、ボード16は、周囲の環境に対応した色彩にすることが望ましい。
【0029】
また、保持手段は図6に示すような保持手段50であっても良い。この保持手段50は、円形断面を有する脚部52と円形の頭部54とを備えている。この場合、貫通孔56も円形断面を有しており、脚部52が貫通孔56に対して自由回動する。このため、確実に突起部26をポスター18に突刺するためには、突起部26を頭部54の外周に沿って多数個設けておくことが望ましい。
【0030】
また、保持手段12において、図7に示すように、図2のような突起部26を設けなくとも良い。この場合、図8に示すように、ポスター18の上端を保持手段12(a)の下部付近によって挟持するとともに、ポスター18の下端を保持手段12(b)の上部付近によって挟持すれば、ポスター18が落下しないように保持でき、しかもポスター18に孔ができるのを防止できる。ここに、ポスター18の下端を保持手段12(b)の脚部22に接触させることが望ましい。なお、図7において、保持手段12には、保持手段12(a)及び12(b)を含む。
【0031】
以上、本発明の実施形態について図面に基いて説明したが、本発明は、図示した実施形態には限定されない。例えば、本発明の掲示具及び保持手段によって保持する掲示物は、ポスターに限定されず、写真や絵等でも良い。また、本発明を使用する場所は、工場内や社内のような屋内、公園や広場のような屋外等、特に限定されない。
【0032】
その他、本発明の技術的範囲には、その趣旨を逸脱しない範囲で当業者の知識に基づき種々なる改良、修正、変形を加えた態様も含まれる。また、同一の作用又は効果が生じる範囲内で、いずれかの発明特定事項を他の技術に置換した形態で実施しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明の掲示具及び保持手段によれば、保持手段を指で押すことのみによって掲示物の取り付け又は取り外しができ、より容易且つ確実に掲示物を貼り付けることができる。また、複数の保持手段をボードの表面に整列して取り付けておけば、外観上も好ましい。このため、屋内及び屋外において、掲示物を貼り付けて保持するために広く利用できる。
【0034】
また、頭部の端部付近を押すことによって、保持手段をボードに対して弾性的に回動させて掲示物の挟持又は解除を行う場合には、バネ等の付勢手段を特に設ける必要がなく、コンパクトに構成でき、これにより外観も好ましくなる。
【0035】
また、保持手段の脚部及びボードの貫通孔が、多角形断面を有し、貫通孔に挿入した脚部が貫通孔に対して回動不可能な場合、保持手段が貫通孔に対して自由回動して保持する突起部の位置が不規則に変わってしまうことがなく、確実に突起部を掲示物に突刺して容易に保持できる。
【0036】
また、脚部の拡幅部によって脚部がボードから抜出するのを防止する構造の場合、抜け止め手段を別途設ける必要がない。また、拡幅部からボードに圧入して容易に取り付けることができる。また、ボードが弾性部材であるため、頭部を保持して強く抜き出せば、容易に取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の掲示具及び保持手段を示す正面図である。
【図2】図1の掲示具及び保持手段を示す図であり、同図(a)は拡大正面図、同図(b)はA−A線切断部断面図である。
【図3】図1の掲示具及び保持手段の使用状態を示す一部破砕A−A線切断部断面図である。
【図4】本発明の掲示具の他の実施形態を示す正面図である。
【図5】本発明の掲示具の更に他の実施形態を示す正面図である。
【図6】本発明の掲示具の更に他の実施形態を示す図であり、同図(a)は拡大正面図、同図(b)はB−B線切断部断面図である。
【図7】本発明の掲示具の更に他の実施形態を示す図であり、同図(a)は拡大正面図、同図(b)はC−C線切断部断面図である。
【図8】図7の掲示具を示す正面図である。
【符号の説明】
【0038】
10:掲示具
12、50:保持手段
14:貫通孔
16:ボード
18:ポスター(掲示物)
22:脚部
24:頭部
26:突起部
28:拡幅部
32:枠
34:カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性部材から成り複数の貫通孔を有するボードと、
前記ボード表面に掲示物を貼り付けた状態に保持する複数の保持手段と、
を備え、
前記保持手段が、前記貫通孔に挿入される脚部と、該脚部に連続し前記ボードに向かって弾性的に付勢力を付与される頭部と、を有し、
前記頭部と前記ボードとの間で前記掲示物を押圧して挟持する掲示具。
【請求項2】
前記保持手段が、前記頭部の端部付近を押して前記ボードに対して弾性的に回動させることにより、前記掲示物の挟持又は解除を行うように構成された請求項1に記載する掲示具。
【請求項3】
前記保持手段が、前記ボードに向かって突出する突起部を有する請求項1又は請求項2に記載する掲示具。
【請求項4】
前記脚部及び前記貫通孔が多角形断面を有することにより、該脚部が該貫通孔に対して回動不可能である請求項1乃至請求項3のいずれかに記載する掲示具。
【請求項5】
前記脚部が、前記ボードの裏面側に膨出する拡幅部を備えた請求項1乃至請求項4のいずれかに記載する掲示具。
【請求項6】
弾性部材から成り複数の貫通孔を有するボードの表面に掲示物を貼り付けた状態に保持するための保持手段であり、
前記貫通孔に挿入される脚部と、該脚部に連続し前記ボードに向かって弾性的に付勢力を付与される頭部と、を有し、
前記頭部と前記ボードとの間で前記掲示物を押圧して挟持する保持手段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2007−127803(P2007−127803A)
【公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−319935(P2005−319935)
【出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(505409328)甲西高周波工業株式会社 (1)
【出願人】(504017706)株式会社矢島製作所 (1)
【出願人】(504016411)トキワ精機株式会社 (1)
【出願人】(501077608)本間工業株式会社 (3)
【出願人】(504017692)宮川バネ工業株式会社 (1)
【出願人】(504017717)株式会社寺嶋製作所 (1)
【出願人】(501388308)株式会社コナン (1)
【出願人】(505409731)行田電線株式会社 (1)
【出願人】(504017681)日本ロジックス株式会社 (8)
【出願人】(300074101)株式会社イマック (27)
【出願人】(391048049)滋賀県 (81)