説明

提灯加輪

【課題】 本発明は量産に適し、狭いマンション等の部屋内のインテリアに馴染む提灯加輪を容易に得ることを目的とする。
【解決手段】 提灯火袋1の上端及び下端に設けられる曲げ輪2であって、上記曲げ輪2のそれぞれ又は一方に切欠き模様3を形成し、該曲げ輪2の内周面に沿って異色の円弧形板4を接着し、上記切欠き模様3によって異色模様3’を表現してなり、上記切欠き模様が上記曲げ輪の縁部に切欠き形成され又は上記切欠き模様が上記曲げ輪に穿設した切欠き透孔模様である提灯加輪。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は提灯の円筒形火袋、球形火袋、棗(なつめ)形火袋等の上蓋及び底板の外周に1体に曲げ輪を設けてなる所謂「提灯加輪」(ちょうちんがわ)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、提灯の拡縮自在火袋の上蓋及び底板の外周に曲げ輪を1体に接着し、外面に黒色又は紅色漆塗装を施してなる上下の提灯加輪(ちょうちんがわ)が用いられた(例えば特許文献1、2、3)。
【0003】
上記提灯加輪は製造容易で量産に適し、広い開放的和室の佛壇の大形提灯に広く用いられた。
【0004】
又、火袋の所定装飾シートの表面に絵柄を形取った孔を有する薄い銅板による型を重ね合成樹脂よりなる熱溶融シートを重ねこれを加熱して上記孔内に溶融させて絵柄を装飾シートに貼着させた。
しかし、上記型を上記曲げ輪の外面に利用しても、多くの手数や加熱装置を要し、量産に適しないという問題があった(例えば特許文献4)。
【0005】
【特許文献1】実開平4−16803号公報
【特許文献2】登録第3048851号新案公報
【特許文献3】特開2003−272403
【特許文献4】特開2000−149603
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は量産に適し、狭いマンション等の部屋内のインテリアに馴染む提灯加輪を容易に得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため本発明は
第1に提灯火袋の上端及び下端に設けられる曲げ輪であって、上記曲げ輪のそれぞれ又は一方に切欠き模様を形成し、該曲げ輪の内周面に沿って異色の円弧形板を接着し、上記切欠き模様によって異色模様を表現してなる提灯加輪、
第2に上記曲げ輪が合板又はボール紙による曲げ物であって、外周を塗装し又は外周に色紙を貼着した上記第1発明記載の提灯加輪、
第3に上記異色の円弧形板が合板又はボール紙による曲げ物であって外周を塗装し又は色紙を貼着した上記第1又は第2発明記載の提灯加輪、
第4に上記円弧形板が透光シートである上記第1又は第2発明記載の提灯加輪、
第5に上記切欠き模様が上記曲げ輪の縁部に切欠き形成された上記第1〜第4発明のいずれかに記載した提灯加輪、
第6に上記切欠き模様が上記曲げ輪に穿設した切欠き透孔模様である上記第1〜第4発明のいずれかに記載した提灯加輪、
によって構成される。
【0008】
従って上記切欠き模様からその内面に重層した円弧形板の外面塗装色が上記曲げ輪の外面の色と異なって表現され、又は透光シートを経て内部の灯光による照明色が表現される。
【発明の効果】
【0009】
本発明は上述のように構成したので提灯火袋の上下端に設けられる曲げ輪に別の明色又は照明による切欠き模様が表現され提灯加輪を華麗に装飾し得るばかりでなく、切欠き模様を形成した上記曲げ輪及び内周面に沿う異色円弧形板をそれぞれ量産し、さらにこれ等を2〜3重に組込み又は貼り付けて豊かで豪華な切欠模様を容易に表現し得る効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
図1に示す円筒形の提灯火袋1及び図2に示す球形又は棗(なつめ)形提灯火袋1’は細い螺施ひごの外周に和紙又は合成樹脂透光シート5を貼り付けて中心線cの方向(上下方向)に拡縮自在に形成される。
【0011】
上記火袋1,1’の上端上蓋6は図4(イ)図に示すように中央に大径透孔7を有する円板であり、下端底板8は図3(ロ)図に示すように中心線c上に電球ソケット挿入孔9を穿設し、その外側に電気コード及びコンセント通過孔10を穿設した円板であって、上記上蓋6及び底板8は中心線cを共有するほぼ同一径の円板であって2枚張り合板6’,8’(厚さt約2mm弱)又は厚紙(ボール紙)によって形成される。
【0012】
上記上蓋6及び底板8のそれぞれ外周には対向方向に向う2枚張り合板又はボール紙2a(厚さt約2mm弱)による曲げ輪2を接着剤によって1体に接着し、曲げ輪2の外周面及び上記上蓋6の上面、底板8の下面に黒色、紅色等の漆塗装又はワニス等の光沢塗装2’を施し、又は塗装に代えて色紙を貼着する。曲げ輪2の内周面、上蓋6の下面及び底板8の上面にはコールタール等の塗装2”を施し、上下端の曲げ輪2,2を形成し、
該曲げ輪2,2にそれぞれ又は一方に曲線模様3を縁部から切欠いて形成し、又図5(ハ)(ニ)図に示すように花柄、葉柄等の透孔を切欠いて切欠き模様3”を形成する。
【0013】
このように形成した曲げ輪2の内周面に沿って該曲げ輪2とは異色の円弧形板4を重合接着することによって上記切欠き模様3,3”の切欠き部分に異色模様3’を表現することができる。
【0014】
上記円弧形板4には2枚張り合板又はボール紙2a(厚さt約2mm弱)を用い、図3(イ)図、図4(ロ)図に示す曲げ輪4や図5(ロ)図に示すように上記合板又はボール紙2aによる円弧形の曲げ板4’又は(イ)図に示す透光性和紙や合成樹脂シート4”を用いることができる。
【0015】
異色とは外側の曲げ輪2が黒色であれば上記内側の円弧形板4’,4”の外面塗装を紅色とし、又は白色の上記透光シート4”とすることによって切欠模様色を曲げ輪2の塗装色と異なる色とするものである。
【0016】
又上記内側の円弧形板4’や透光シート4”に更に切欠模様を施し、その内側にさらに3重に円弧形板を施すことができる(図示していない)。
【0017】
上述のように塗装曲げ輪2の内側に2重3重に切欠模様を施すことによって提灯火袋1の上下端の重層曲げ輪2,2や円弧形板4’,4”等による1体の接着上下端塗装曲げ輪2,2又は2,4’等を所謂提灯加輪(ちょうちんがわ)と称する。
【0018】
尚図1、図2、図6(イ)図中11は提灯下げ環である。
【産業上の利用可能性】
【0019】
円筒形火袋1よりなる提灯の加輪(がわ)(所謂「住吉」という)や球状火袋1’よりなる所謂号物加輪(がわ)に異色の切欠模様3’を施すことによって小形であるにもかかわらず、提灯全体を豪華に形成し、部屋内の小形佛壇に用いられる小形提灯加輪(がわ)を華やかに見せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の提灯加輪を用いた提灯住吉の正面図である。
【図2】本発明の提灯加輪を用いた提灯号物の正面図である。
【図3】(イ)図は火袋下端の内側塗装曲げ輪の斜視図、(ロ)図は外側塗装曲げ輪の斜視図、(ハ)図は火袋下端の提灯加輪の正面図である。
【図4】(イ)図は火袋上端の外側塗装曲げ輪の斜視図、(ロ)図は異色の内側曲げ輪の斜視図、(ハ)図は火袋上端の提灯加輪の正面図である。
【図5】(イ)図は透光シートによる円弧形板の斜視図、(ロ)図は異色塗装円弧形板の斜視図、(ハ)図は火袋下端の曲げ輪の斜視図、(ニ)図は火袋下端の提灯加輪の正面図である。
【図6】(イ)図は従来の提灯住吉の正面図、(ロ)図は火袋下端の従来の提灯加輪の斜視図、(ハ)図は(ロ)図の正面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 提灯火袋
2 塗装曲げ輪
3 切欠き模様
3’ 異色模様

【特許請求の範囲】
【請求項1】
提灯火袋の上端及び下端に設けられる曲げ輪であって、
上記曲げ輪のそれぞれ又は一方に切欠き模様を形成し、
該曲げ輪の内周面に沿って異色の円弧形板を接着し、
上記切欠き模様によって異色模様を表現してなる提灯加輪。
【請求項2】
上記曲げ輪が合板又はボール紙による曲げ物であって、外周を塗装し又は外周に色紙を貼着した請求項1記載の提灯加輪。
【請求項3】
上記異色の円弧形板が合板又はボール紙による曲げ物であって外周を塗装し又は色紙を貼着した請求項1又は2記載の提灯加輪。
【請求項4】
上記円弧形板が透光シートである請求項1又は2のいずれかに記載の提灯加輪。
【請求項5】
上記切欠き模様が上記曲げ輪の縁部に切欠き形成された請求項1〜4のいずれかに記載した提灯加輪。
【請求項6】
上記切欠き模様が上記曲げ輪に穿設した切欠き透孔模様である請求項1〜4のいずれかに記載した提灯加輪。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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