説明

提示体収納具

【課題】本体部に対して提示体の収納部の向きが裏返しになると、提示体が見難くなっていることを使用者に知覚させる。
【解決手段】本体部21の下面の凸状当接傾斜面13と連結部11の上面の凹状当接傾斜面13とは、「V」字状で、しかも表側(前側)から裏側(後側)へ向かって徐々に下へ傾斜している。本体部21に対して提示体6の収納部1及び連結部11の向きが裏返しになると、連結部11が本体部21に対して大きく傾斜して表側に突出するように方向が変わるため、提示体6が見難くなっていることが知覚され易くなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、提示体収納具に関し、特にカードまたは証明書などの提示体を収納する提示体収納具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、防犯や不審者の入り込みを防止するため、企業や公共施設などで提示体収納具を身体に付けさせることが行われてきている。この提示体は、IDカード、身分証明書などである。
【0003】
しかしながえら、このような提示体収納具は、身につけて使用しているうちに、裏返ってしまっていることが多い。身につけている本人は、このように提示体収納具が裏返ってしまっていることを意外に気づいていないことが多い。
【0004】
【特許文献1】特開平10−111381号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、提示体の向きが裏返えるなどの向きが変わっていて提示体が見難くなっていることを容易に知覚できるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の提示体収納具は、 カードまたは証明書などの提示体を収納する収納部と、 この収納部に連結された連結部と、 この連結部にさらに連結される本体部と、 この本体部と連結部とを繋ぐ細長体であって、この細長体は本体部または連結部から引き出すことが可能であり、しかもこの引き出された細長体は本体部または連結部の中に引き戻されるように付勢される細長体とよりなり、 上記連結部と本体部とは、この引き戻されるように付勢される細長体によって互いに当接され、この連結部と本体部との当接面とは細長体の付勢方向に対して傾斜していて、連結部の本体部への当接方向が変化すると、連結部及び収納部の本体部に対する向きが変化するようにした。
【発明の効果】
【0007】
これにより、本発明は、本体部に対して収納部の向きが裏返しになるなどして変化して提示体が見難くなると、連結部、収納部及び提示体が本体部に対して大きく傾斜して方向が変わるため、提示体が見難くなっていることが知覚され易くなる等の効果を奏する。また、施設などから外出するときに意図的に提示体を裏返して外出した場合にも、施設に戻るときには提示体を裏返したままであることに容易に気が付き易くなる等の効果も奏する。
【0008】
後述するように、収納部1に対して連結部11の向きは変更されないが、変更されるようにしてもよい。また、後述するように、本体部21は裏返しになりにくいように、クリップ状の係止部31が用いられたり、リング32に対して首掛紐35が捻れ難くなっていたりする。むろん、本体部21は裏返しになり易くてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(1)収納部1
図1及び図2は提示体収納具の表裏を示す。収納部1は方形状で透明な軟質プラスチックなどからなっていて、方形状の短辺には側面スリット2が形成されていて、名刺またはIDカードなどのカード、運転免許証、社員書、係員証、身分証明書等の証明書、定期券、入場券、金券カード、診察券、クレジットカード、キャッシュカード、子供・痴呆老人の連絡先券など種々のカード・証明書などの提示体6が差し込まれて、収納部1内に収納可能となっている。
【0010】
この収納部1の裏面には、湾曲した2つの裏面スリット3、3が形成されている。この裏面スリット3、3には、連結部11の下部から突出している板状の連結フック12が挿通され、収納部1と連結部11とが連結される。
【0011】
(2)連結部11
板状の連結フック12は直方体状の連結部11の表面(前面)下縁から延出され、収納部1の裏面スリット3を挿通して収納部1内に入り、「U」字状に湾曲し、もう一つの裏面スリット3を挿通して収納部1外に出て、上記連結部11の裏面(後面)に当接している。
【0012】
したがって、連結部11の連結フック12から、収納部1が容易に外れないようになっていて、収納部1が連結部11に連結される。しかし、連結フック12を連結部11から引き離して、連結フック12と連結部11との隙間から収納部1を取り外すことができる。これにより提示体6が入っているまたは入っていない収納部1そのものを交換することができる。
【0013】
連結部11は、中が空洞の直方体状であり、下面は開口している。この連結部11の上面は「V」字状に凹んで傾斜しており、しかもこの「V」字状の凹状当接傾斜面13は、表側(前側)から裏側(後側)へ向かって徐々に下に向かって傾斜している。この凹状当接傾斜面13は、「V」字状のため、2つの当接傾斜面からなっている。
【0014】
(3)本体部21
本体部21は円盤板状であり、この本体部の円盤の周面の下面は「V」字状に突出して傾斜しており、しかもこの「V」字状の凸状当接傾斜面22は、表側(前側)から裏側(後側)へ向かって徐々に下に向かって傾斜している。この凸状当接傾斜面22は、「V」字状のため、2つの当接傾斜面からなっている。この凸状当接傾斜面22は、上記連結部11の凹状当接傾斜面13と隙間なく当接・接合可能となっている。
【0015】
この本体部21内にはゼンマイバネ23が巻回されて収納され、この巻回されたゼンマイバネ23の先端には細長い紐(細長体)24が結びつけられていて、この紐24はゼンマイバネ23の周囲をさらに巻回されている。
【0016】
上記本体部21の下面の凸状当接傾斜面22の2つの当接傾斜面が出会ういちばん突出した尾根縁部分の中央には挿通穴25が穿設されている。この挿通穴25を上記紐24の先端が挿通している。一方、上記連結部11の上面の凹状当接傾斜面13の2つの当接傾斜面が出会ういちばん凹んだ谷縁部分の中央には挿通穴14が形成されている。
【0017】
この挿通穴14を上記紐24の先端が挿通し、この先端は結び目が作れられて、挿通穴14から紐24の先端が抜けないようになっている。これにより、本体部21と連結部11とが連結される。
【0018】
しかも、この紐24は、上記ゼンマイバネ23によって本体部21内に引き戻されるように付勢され、これにより本体部21と連結部11とがくっつきあうように付勢され互いに当接する。
【0019】
(4)提示体収納具の動作・作用・機能
図3及び図4は、上記提示体収納具の動作・作用・機能を示す。図1及び図2に示すように提示体6及び収納部1が表向きであれば、提示体6及び収納部1の面は垂直方向で前後方向(表裏方向)にも左右方向にも傾いていない。
【0020】
これに対して、図3及び図4に示すように、連結部11を本体部21に対して若干引き出して180度回転させると、連結部11は本体部1に対して真下に伸びる方向ではなく、斜め前方に伸びる方向に変化する。これは、連結部11の2つの凹状当接傾斜面13と本体部21の2つの凸状当接傾斜面22は、前側から後側(表側から裏側)に向かって、水平ではなく傾斜しているからである。
【0021】
これにより、本体部21に対して収納部1の向きが裏返しになるなどして変化して提示体6が見難くなると、連結部11及び収納部1が本体部21に対して大きく傾斜して方向が変わるため、提示体6が見難くなっていることが知覚され易くなる。これに対して、本件提示体収納具を身に着けている使用者は、提示体6が裏返しになっていることを容易に知ることができ、すぐに提示体6を表向きに直すことになる。
【0022】
ここで、連結部11と本体部21との当接面である、凹状当接傾斜面13と凸状当接傾斜面22とは紐24の付勢方向に対して傾斜していて、連結部11の本体部21への当接方向が変化すると、連結部11及び収納部1の本体部21に対する向きが変化することになる。
【0023】
しかも、連結部11と本体部21との当接面(2つの凹状当接傾斜面13と2つの凸状当接傾斜面22)は、紐24の付勢方向に直交し、しかもそれぞれが互いに直交もする、2つの直交方向に対しても傾斜している。この2つの直交方向は、本件提示体収納具の長手方向に対して前後方向(表裏方向)及び左右方向である。
【0024】
したがって、上述のように、連結部11の本体部21への当接方向が変化すると、本体部21に対する連結部11及び収納部1の方向だけでなく連結部11及び収納部1自身の向きも変えることができる。
【0025】
また、上記連結部11と本体部1との当接面(2つの凹状当接傾斜面13と2つの凸状当接傾斜面22)はそれぞれ2つの複数の面からなっている。しかも、この2つの当接傾斜面13、13と22、22とは、所定角度ごと例えば上記180度回転したとき、それぞれの当接相手が順次入れ替わり、どの/どちらの当接状態においても隙間なく密着する。
【0026】
こうして、向きの異なる少なくとも2つずつの複数の当接傾斜面13、13、22、22によって、表向き(前向き)と裏向き(後向き)とで安定することになる。つまり、連結部11の少なくとも2つの当接傾斜面13、13と本体部21の少なくとも2つの当接傾斜面22、22とは、所定角度ごとに向きがかわるごと当接する。
【0027】
したがって、連結部11、収納部1及び提示体6は、提示体6が表向きのときと、180度回転して裏向きになったときの2つの方向で安定することになる。途中の右または左に10度乃至170度または、例えば左右に90度の方向では安定しない。
【0028】
提示体6及び連結体11の1つの向きとこの向きと所定角度回転した向きとはそれぞれ安定し、中間の中途半端な向きになることがなく、提示体及び収納部を所定角度間隔ごとの向きだけにすることができる。なぜなら、これ以外の中間の方向の状態では2つの当接傾斜面13、13と22、22とは密着できないからである。
【0029】
この理由は、連結部11の2つの凹状当接傾斜面13、13の互いのなす傾斜角と、本体部21の2つの凸状当接傾斜面22、22の互いのなす傾斜角とがほぼ同じだからでもある。このほぼ同じとは両角度の差が数度の差に収まっていることをさす。これにより、連結部11の少なくとも2つまたは複数の当接傾斜面13、13と本体部21の少なくとも2つまたは複数の当接傾斜面22、22とが互いに当接し、連結部11、収納部1及び提示体6は、本体部21に対して、90度横向きなどの中途半端な向きで安定することがなくなる。
【0030】
そして、両当接傾斜面13、13、22、22が互いに当接する角度位置だけで、連結部11、収納部1及び提示体6の向きを安定させることができ、収納部1及び提示体6が表向きか裏向きかのいずれか2つの明白な向きだけにすることができる。
【0031】
さらに、上記連結部11の凹状当接傾斜面13、13(当接面)のほぼいちばん凹んだ箇所と本体部21の凸状当接傾斜面22、22(当接面)の中のほぼいちばん突出した箇所とから、紐24(細長体)は引き出されているし、紐24は引き戻されるように上記ゼンマイバネ23によって付勢されている。
【0032】
これにより、連結部11の凹状当接傾斜面13、13のほぼいちばん凹んだ箇所と本体部21の凸状当接傾斜面22、22の中のほぼいちばん突出した箇所とが必ず当接する。したがって、紐24の付勢によって、連結部11と本体部21との当接状態が安定する。
【0033】
(5)本体部21の付属機構
上記本体部21の裏面上方には、金属板状のクリップ型の係止部31が設けられ、この係止部31は、本体部21の裏面上方から「U」字上に湾曲ターンして、本体部21の裏面下方に弾性的に当接している。
【0034】
この係止部31の下縁を押し広げて、本体部21と係止部31との間に、ポケット、ベルトまたは襟などの縁部を挟みこむことができる。これにより、収納部1内の提示体6を見やすいようにしておくことができる。
【0035】
この係止部31の内側には金属製のリング32が嵌め込まれ係止されている。このリング32には環状の首掛紐33が挿通され、この首掛紐33は首などに掛けられる。これにより、収納部1内の提示体6を見やすいようにしておくことができる。
【0036】
この首掛紐33には環状の紐の両端に、この環状を解く連結具34、34が取り付けられ、これら連結具34、34は互いに連結されて首掛紐33は環状とされる。この首掛紐33の上記リング32付近には固定具35が取り付けられ、この固定具35には、環状の首掛紐33の互いに近い2箇所が固定され、首掛紐33がリング32に対してスライドしないようになっている。また、このリング32に対して上記首掛紐35が捻れ難くなっており、本体部21は裏返しになりにくくなっている。
【0037】
この首掛紐33の上記リング32の反対側には調節具36が取り付けられている。この調節具35内を環状の首掛紐33の2箇所が挿通していて、この挿通箇所をスライドさせることにより、首掛紐35の長さを調節できるようになっている。
【0038】
(6)他の実施の形態
本発明は、上記実施例に限定されず、種々変更可能である。例えば、連結部11の凹状当接傾斜面13、13と本体部21の凸状当接傾斜面22、22の数は、2つではなく、図5(1)に示すように3つ、4つ、5つ、6つ、…でもよく、一方13の数が他方22の数より少なくても多くてもよい。これにより、種々の回転角度で連結部11、収納部1及び提示体6を安定させることができし、連結部11の本体部21への傾斜方向が複数となり、連結部11の本体部21への傾斜に偏りがなくなる。
【0039】
この場合でも、連結部11の上記当接面である複数または少なくとも2つの傾斜面13の互いのなす傾斜角と、本体部21の上記当接面である複数または少なくとも2つの傾斜面22の互いのなす傾斜角とはほぼ同じとなる。また、連結部11と本体部21との当接面は、紐24の付勢方向に直交する2つの直交方向に対して傾斜していることにもなる。
【0040】
さらに、連結部11の凹状当接傾斜面13、13と本体部21の凸状当接傾斜面22、22の数は、2つではなく、図5(2)に示すように、1つでもよい。これにより、連結部11及び本体部21の形状が単純になり製造を容易にすることができる。この1つの場合でも、連結部11、収納部1及び提示体6の方向と向き自体を変えることができるが、特定の回転角度で安定することはない。
【0041】
またさらに、連結部11の凹状当接傾斜面13、13と本体部21の凸状当接傾斜面22、22の形状は、平面ではなく、図6(1)(2)に示すように1つまたは複数の湾曲面としてもよい。この場合でも、連結部11、収納部1及び提示体6の方向と向き自体を変えることができるし、特定の回転角度で安定させることもできる。
【0042】
さらにまた、連結部11の凹状当接傾斜面13、13は逆に突出し、本体部21の凸状当接傾斜面22、22は、逆に凹んでいてもよい。この場合でも、同様に、連結部11、収納部1及び提示体6の方向と向き自体を変えることができるし、特定の回転角度で安定させることもできる。
【0043】
またさらに、連結部11と本体部21との当接傾斜面13と22の中のほぼいちばん突出した箇所またはほぼいちばん凹んだ箇所から、紐24(細長体)は引き出されているが、このいちばん突出した箇所またはほぼいちばん凹んだ箇所からずれた位置から、紐24(細長体)は引き出されていてもよい。
【0044】
さらにまた、紐24(細長体)は、本体部21だけでなく、連結部11の中にも引き戻されるように付勢されてもよく、さらには、連結部11の中に引き戻されるように付勢され、本体部21に対しては固定されていてもよい。この場合、連結部11内に上記ゼンマイバネ23が内蔵されることになる。
【0045】
このほか、本発明の提示体収納具は、提示体6、収納部1及び連結部11を本体部21に対して向きを変える必要性のある状況において広く使用できる。例えば、提示体6を装着者の正面からではなく、上方、下方(垂直方向)、左方または右方(側方/水平方向)(斜め方向も含む)の方から見る必要があるときなどである。
【0046】
(5)他の発明の効果
[1]カードまたは証明書などの提示体を収納する収納部と、 この収納部に連結された連結部と、 この連結部にさらに連結される本体部と、 この本体部と連結部とを繋ぐ細長体であって、この細長体は本体部または連結部から引き出すことが可能であり、しかもこの引き出された細長体は本体部または連結部の中に引き戻されるように付勢される細長体とよりなり、 上記連結部と本体部とは、この引き戻されるように付勢される細長体によって互いに当接され、この連結部と本体部との当接面とは細長体の付勢方向に対して傾斜していて、連結部の本体部への当接方向が変化すると、連結部及び収納部の本体部に対する向きが変化することを特徴とする提示体収納具。
【0047】
これにより、本体部に対して収納部の向きが裏返しになるなどして変化して提示体が見難くなると、連結部及び収納部が本体部に対して大きく傾斜して方向が変わるため、提示体が見難くなっていることが知覚され易くなる。
【0048】
[2]上記連結部と本体部とは、互いに当接する面において、向きの異なる少なくとも2つずつの複数の傾斜面を有し、連結部と本体部との間の向きが変わるごとに、連結部の少なくとも2つの傾斜面と本体部の少なくとも2つの傾斜面とは互いに当接することを特徴とする請求項1記載の提示体収納具。
【0049】
これにより、1つの向きとこの向きと所定角度回転した向きとの複数の向きで安定し、中間の中途半端な向きで安定することがなく、提示体及び収納部を所定角度間隔ごとの向きだけにすることができる。
【0050】
[3]上記連結部の上記当接面である複数または少なくとも2つの傾斜面の互いのなす傾斜角と、上記本体部の上記当接面である複数または少なくとも2つの傾斜面の互いのなす傾斜角とはほぼ同じであることを特徴とする請求項1または2記載の提示体収納具。
【0051】
これにより、連結部の少なくとも2つまたは複数の傾斜面と本体部の少なくとも2つまたは複数の傾斜面とが互いに当接し、連結部、収納部及び提示体は、本体部に対して、中途半端な向きで安定することがなく、両傾斜面が互いに当接する角度位置だけで、連結部、収納部及び提示体の向きを安定させることができる。
【0052】
[4]上記連結部と本体部との当接面は、細長体の付勢方向に直交する2つの直交方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項1、2または3記載の提示体収納具。これにより、連結部の本体部への当接方向が変化すると、本体部に対する連結部及び収納部の方向だけでなく連結部及び収納部自身の向きも変えることができる。
【0053】
[5]上記連結部と本体部との当接面は1つまたは複数の平面からなっている、または1つまたは複数の湾曲面からなっていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の提示体収納具。これにより、連結部の本体部への傾斜方向が複数となり、連結部の本体部への傾斜に偏りがなくなる。
【0054】
[6]上記連結部と本体部との当接面の中のほぼいちばん突出した箇所またはほぼいちばん凹んだ箇所から、細長体は引き出されることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の提示体収納具。これにより、細長体の付勢によって、連結部と本体部との当接状態が安定する。
【0055】
[7]上記細長体は、本体部の中に引き戻されるように付勢され、上記連結体に対しては固定されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の提示体収納具。これにより、細長体を付勢する機構は本体部の方だけに設ければよく、また細長体の同じ箇所が本体部から出没されるのでこの箇所のみを強くしておけばよい。
【0056】
[8]上記本体部には首から掛ける首掛体またはポケット、ベルトまたは襟などの縁部に係止するための係止部が設けられていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6または7記載の提示体収納具。これにより、収納部内の提示体を見やすいようにしておくことができる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本体部に対して提示体の収納部の向きが裏返しになると、提示体が見難くなっていることを使用者に知覚させる。本体部21の下面の凸状当接傾斜面13と連結部11の上面の凹状当接傾斜面13とは、「V」字状で、しかも表側(前側)から裏側(後側)へ向かって徐々に下へ傾斜している。本体部21に対して提示体6の収納部1及び連結部11の向きが裏返しになると、連結部11が本体部21に対して大きく傾斜して表側に突出するように方向が変わるため、提示体6が見難くなっていることが知覚され易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】この発明の一実施の形態に係る提示体収納具の表面を示す。
【図2】図1の提示体収納具の裏面を示す。
【図3】連結部11を本体部21に対して180度回転させて、連結部11、収納部1及び提示体6を本体部21に対して方向と向きとを変えた状態を示す斜視図である。
【図4】連結部11を本体部21に対して180度回転させて、連結部11、収納部1及び提示体6を本体部21に対して方向と向きとを変えた状態を示す側面図である。
【図5】凹状当接傾斜面13または凸状当接傾斜面22などの数及び形状を変えた別の実施例を示す。
【図6】凹状当接傾斜面13または凸状当接傾斜面22などの形状を湾曲に変えた別の実施例を示す。
【符号の説明】
【0059】
1…収納部、2…側面スリット、
3…裏面スリット、6…提示体、
11…連結部、12…連結フック、
13…凹状当接傾斜面、14…挿通穴、
21…本体部、22…凸状当接傾斜面、
23…ゼンマイバネ、24…紐(細長体)、
25…挿通穴、31…係止部、
32…リング、33…首掛紐、
34…連結具、35…固定具、36…調節具。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードまたは証明書などの提示体を収納する収納部と、
この収納部に連結された連結部と、
この連結部にさらに連結される本体部と、
この本体部と連結部とを繋ぐ細長体であって、この細長体は本体部または連結部から引き出すことが可能であり、しかもこの引き出された細長体は本体部または連結部の中に引き戻されるように付勢される細長体とよりなり、
上記連結部と本体部とは、この引き戻されるように付勢される細長体によって互いに当接され、この連結部と本体部との当接面とは細長体の付勢方向に対して傾斜していて、連結部の本体部への当接方向が変化すると、連結部及び収納部の本体部に対する向きが変化することを特徴とする提示体収納具。
【請求項2】
上記連結部と本体部とは、互いに当接する面において、向きの異なる少なくとも2つずつの複数の傾斜面を有し、連結部と本体部との間の向きが変わるごとに、連結部の少なくとも2つの傾斜面と本体部の少なくとも2つの傾斜面とは互いに当接することを特徴とする請求項1記載の提示体収納具。
【請求項3】
上記連結部の上記当接面である複数または少なくとも2つの傾斜面の互いのなす傾斜角と、上記本体部の上記当接面である複数または少なくとも2つの傾斜面の互いのなす傾斜角とはほぼ同じであることを特徴とする請求項1または2記載の提示体収納具。
【請求項4】
上記連結部と本体部との当接面は、細長体の付勢方向に直交する2つの直交方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項1、2または3記載の提示体収納具。
【請求項5】
上記連結部と本体部との当接面は1つまたは複数の平面からなっている、または1つまたは複数の湾曲面からなっていることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の提示体収納具。
【請求項6】
上記連結部と本体部との当接面の中のほぼいちばん突出した箇所またはほぼいちばん凹んだ箇所から、細長体は引き出されることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の提示体収納具。これにより、細長体の付勢によって、連結部と本体部との当接状態が安定する。
【請求項7】
上記細長体は、本体部の中に引き戻されるように付勢され、上記連結体に対しては固定されていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載の提示体収納具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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