揚砂装置及び揚砂方法
【課題】簡単な構成で省エネルギー化も図ることができる揚砂装置及び揚砂方法を提供する。
【解決手段】沈砂ピット１１に配置した沈砂吸入管１２に揚砂弁１３を介して接続した沈砂貯留槽１４と、沈砂貯留槽に設けられた給排気経路１５及び排砂弁１７を有する沈砂排出経路１６と、吸入側経路１８に大気吸入弁１９を有するとともに吐出側経路２０に大気開放弁２１を有するポンプ２２と、吸入側経路と給排気経路とを排気弁を介して接続する排気経路２４と、吐出側経路と給排気経路とを加圧空気供給弁２５を介して接続する加圧空気供給経路２６と、沈砂貯留槽１４に設けられた低水位検出手段２７、高水位検出手段２８及び沈砂貯留槽圧力検出手段２９と、各検出手段で検出した沈砂貯留槽の状態に基づいて各弁を開閉する制御手段３０とを備えている。
【解決手段】沈砂ピット１１に配置した沈砂吸入管１２に揚砂弁１３を介して接続した沈砂貯留槽１４と、沈砂貯留槽に設けられた給排気経路１５及び排砂弁１７を有する沈砂排出経路１６と、吸入側経路１８に大気吸入弁１９を有するとともに吐出側経路２０に大気開放弁２１を有するポンプ２２と、吸入側経路と給排気経路とを排気弁を介して接続する排気経路２４と、吐出側経路と給排気経路とを加圧空気供給弁２５を介して接続する加圧空気供給経路２６と、沈砂貯留槽１４に設けられた低水位検出手段２７、高水位検出手段２８及び沈砂貯留槽圧力検出手段２９と、各検出手段で検出した沈砂貯留槽の状態に基づいて各弁を開閉する制御手段３０とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、揚砂装置及び揚砂方法に関し、詳しくは、取水設備等における沈砂池の沈砂ピットに堆積した砂や小石等を吸い上げて移送するための揚砂装置及び揚砂方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
取水設備や下水処理設備、ポンプ場等に設けられる沈砂池に堆積した砂等を吸い上げて移送するための揚砂装置としては、一般的に、水中に揚砂ポンプを設置した揚砂装置が広く知られている（例えば、特許文献１参照。）。また、建設工事現場などで発生する高濃度泥水を搬送するための装置として、泥水吸込路、泥水吐出路、空気排出路及び空気流入路を有する密閉容器と、空気排出路を介して密閉容器内を真空化するための真空発生装置と、空気流入路を介して密閉容器内に圧縮空気を供給するための圧縮空気発生手段とを備えた泥水搬送装置が知られている（例えば、特許文献２参照。）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００４−１１５４２号公報
【特許文献１】特開平６−３３０８９９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、特許文献１に記載された揚砂装置では、沈砂ピットの水中に配置した揚砂ポンプの保守整備に手間が掛かり、また、特許文献２に記載された泥水搬送装置では、装置構成が複雑になるという問題があった。
【０００５】
そこで本発明は、簡単な構成で省エネルギー化も図ることができる揚砂装置及び揚砂方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的を達成するため、本発明の揚砂装置の第１の構成は、池底部に形成された沈砂ピット内の沈砂を、沈砂吸入管を介して水と共に吸引して移送する揚砂装置において、沈砂ピットに配置した沈砂吸入管と、該沈砂吸入管に揚砂弁を介して接続した沈砂貯留槽と、該沈砂貯留槽の上部に設けられた給排気経路と、前記沈砂貯留槽の底部に設けられた排砂弁を有する沈砂排出経路と、吸入側経路に大気吸入弁を有するとともに吐出側経路に大気開放弁を有するポンプと、前記大気吸入弁よりポンプ側の吸入側経路と前記給排気経路とを排気弁を介して接続する排気経路と、前記大気開放弁よりポンプ側の吐出側経路と前記給排気経路とを加圧空気供給弁を介して接続する加圧空気供給経路と、前記沈砂貯留槽のあらかじめ設定された位置にそれぞれ設けられた低水位検出手段及び高水位検出手段と、前記沈砂貯留槽内の圧力を検出する沈砂貯留槽圧力検出手段と、前記低水位検出手段及び前記高水位検出手段で検出した沈砂貯留槽内の水位並びに前記沈砂貯留槽圧力検出手段で検出した沈砂貯留槽内の圧力に基づいて前記揚砂弁、前記排砂弁、前記大気吸入弁、前記大気開放弁、前記排気弁及び前記加圧空気供給弁の開閉を制御する制御手段とを備えていることを特徴としている。
【０００７】
また、本発明の揚砂方法の第１の構成は、前記構成の揚砂装置を使用した揚砂方法であって、前記大気開放弁及び前記排気弁を開いて他の弁を閉じた状態とし、前記ポンプを作動させて前記沈砂貯留槽内の空気を、給排気経路、排気経路及び吸入側経路を介して吸入し、吐出側経路を介して大気に放出することにより前記沈砂貯留槽内を減圧する沈砂貯留槽減圧操作と、該沈砂貯留槽減圧操作において前記沈砂貯留槽圧力検出手段が検出した沈砂貯留槽内の圧力があらかじめ設定された圧力となったときに沈砂貯留槽減圧操作を継続しながら前記揚砂弁を開いて前記沈砂ピット内の水と沈砂とを前記沈砂吸入管に吸い上げて沈砂貯留槽に送出する沈砂吸上操作と、該沈砂吸上操作において前記高水位検出手段で検出した沈砂貯留槽内の水位があらかじめ設定された高水位となったときに前記沈砂貯留槽減圧操作及び沈砂吸上操作を終了し、前記大気吸入弁、前記加圧空気供給弁及び前記排砂弁を開いて他の弁を閉じた状態とし、吸入側経路から吸入して前記ポンプで圧縮した加圧空気を加圧空気供給経路及び給排気経路を介して沈砂貯留槽に供給し、該加圧空気の圧力によって沈砂貯留槽内の沈砂及び水を前記沈砂排出経路に排出する排砂操作と、該排砂操作において前記低位検出手段で検出した沈砂貯留槽内の水位があらかじめ設定された低水位になったときに、該排砂操作を終了して前記沈砂貯留槽減圧操作に戻ることを特徴としている。
【０００８】
さらに、本発明の揚砂装置の第２の構成は、前記第１の構成において、前記吐出側経路におけるポンプと大気開放弁との間に圧力タンクを備えていることを特徴とし、本発明の揚砂方法の第２の構成は、圧力タンクを備えた構成の揚砂装置を使用した揚砂方法である。
【０００９】
すなわち、前記排気弁を開いて他の弁を閉じた状態とし、前記ポンプを作動させて前記沈砂貯留槽内の空気を、給排気経路、排気経路及び吸入側経路を介して吸入し、吐出側経路を介して前記圧力タンクに充填することによって前記沈砂貯留槽内を減圧するとともに前記圧力タンク内を加圧する沈砂貯留槽減圧操作と、該沈砂貯留槽減圧操作において前記沈砂貯留槽圧力検出手段が検出した沈砂貯留槽内の圧力があらかじめ設定された圧力となったときに前記揚砂弁を開いて前記沈砂ピット内の水と沈砂とを前記沈砂吸入管に吸い上げて沈砂貯留槽に送出する沈砂吸上操作と、該沈砂吸上操作において前記高水位検出手段で検出した沈砂貯留槽内の水位があらかじめ設定された高水位となったときに、前記加圧空気供給弁及び前記排砂弁を開いて他の弁を閉じた状態とし、圧力タンク内の加圧空気を加圧空気供給経路及び給排気経路を介して沈砂貯留槽に供給し、該加圧空気の圧力によって沈砂貯留槽内の沈砂及び水を前記沈砂排出経路に排出する排砂操作と、該排砂操作において前記低位検出手段で検出した沈砂貯留槽内の水位があらかじめ設定された低水位になったときに、該排砂操作を終了して前記沈砂貯留槽減圧操作に戻ることを特徴としている。
【発明の効果】
【００１０】
本発明によれば、沈砂ピット内の沈砂を、一つの沈砂貯留槽及び一つのポンプと、これらを接続する配管及び弁とによって効率よく吸い上げることができ、設備コストの簡略化を図ることができ、沈砂吸上操作を開始する前に沈砂貯留槽内を減圧しておけばよいため、小型のポンプを用いることで設備コストの低減及び省エネルギー化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明の揚砂装置の第１形態例を示す系統図である。
【図２】本発明の揚砂装置の第２形態例を示す系統図である。
【発明を実施するための形態】
【００１２】
図１は、本発明の揚砂装置の第１形態例を示すもので、沈砂ピット１１に配置した沈砂吸入管１２と、該沈砂吸入管１２に揚砂弁１３を介して接続した沈砂貯留槽１４と、該沈砂貯留槽１４の上部に設けられた給排気経路１５と、前記沈砂貯留槽１４の底部に設けられた沈砂排出経路１６と、該沈砂排出経路１６に設けられた排砂弁１７と、吸入側経路１８に大気吸入弁１９を有するとともに吐出側経路２０に大気開放弁２１を有するポンプ２２と、前記大気吸入弁１９よりポンプ側の吸入側経路１８と前記給排気経路１５とを排気弁２３を介して接続する排気経路２４と、前記大気開放弁２１よりポンプ側の吐出側経路２０と前記給排気経路１５とを加圧空気供給弁２５を介して接続する加圧空気供給経路２６と、前記沈砂貯留槽１４のあらかじめ設定された低水位位置に設けられた低水位検出手段２７と、前記沈砂貯留槽１４のあらかじめ設定された高水位位置に設けられた高水位検出手段２８と、前記沈砂貯留槽１４内の圧力を検出する沈砂貯留槽圧力検出手段２９と、前記低水位検出手段２７及び前記高水位検出手段２８で検出した沈砂貯留槽１４内の水位並びに前記沈砂貯留槽圧力検出手段２９で検出した沈砂貯留槽１４内の圧力に基づいて前記揚砂弁１３、前記排砂弁１７、前記大気吸入弁１９、前記大気開放弁２１、前記排気弁２３及び前記加圧空気供給弁２５の開閉を制御する制御手段３０とを備えている。
【００１３】
次に、このように形成した揚砂装置を用いた揚砂方法の一形態例を説明する。まず、制御手段３０からの指示により、前記大気開放弁２１及び前記排気弁２３を開いて他の弁を閉じた状態とし、前記ポンプ２２を作動させて前記沈砂貯留槽１４内の空気を、給排気経路１５、排気経路２４及び吸入側経路１８を介してポンプ２２に吸入し、ポンプ２２から吐出した空気を吐出側経路２０を介して大気に放出することにより、前記沈砂貯留槽１４内を減圧する沈砂貯留槽減圧操作を行う。この沈砂貯留槽減圧操作では、比較的長時間を掛けて沈砂貯留槽１４内を十分に減圧できればよいことから、ポンプ２２として小型のものを用いることができ、従来の揚砂ポンプに比べて設備コストや消費エネルギーを大幅に低減することができる。
【００１４】
この沈砂貯留槽減圧操作を行っているときに、前記沈砂貯留槽圧力検出手段２９が検出した沈砂貯留槽１４内の圧力があらかじめ設定された圧力（真空度）となったときに、制御手段３０からの指示により、大気開放弁２１及び排気弁２３を開いてポンプ２２を作動させた沈砂貯留槽減圧操作を継続しながら前記揚砂弁１３を開き、前記沈砂ピット１１内の水と沈砂とを前記沈砂吸入管１２に吸い上げて沈砂貯留槽１４に送出する沈砂吸上操作を行う。
【００１５】
この沈砂吸上操作を行っているときに、前記高水位検出手段２８で検出した沈砂貯留槽１４内の水位があらかじめ設定された高水位となったときに、制御手段３０からの指示により、前記沈砂貯留槽減圧操作及び沈砂吸上操作を終了し、前記大気吸入弁１９、前記加圧空気供給弁２５及び前記排砂弁１７を開いて他の弁を閉じた状態とし、吸入側経路１８から吸入してポンプ２２で圧縮した加圧空気を、加圧空気供給経路２６及び給排気経路１５を介して沈砂貯留槽１４の上部に供給し、該加圧空気の圧力により、前記沈砂吸上操作で沈砂貯留槽１４内に吸い上げられた沈砂及び水を前記沈砂排出経路１６に排出する排砂操作を行う。この排砂操作で沈砂排出経路１６に排出された沈砂を含む水は、例えば、別途設けた沈砂分離機のホッパーなどに移送される。
【００１６】
この排砂操作を行っているときに、前記低位検出手段２７で検出した沈砂貯留槽１４内の水位があらかじめ設定された低水位になったときに、制御手段３０からの指示により排砂操作を終了し、大気開放弁２１及び排気弁２３を開いて他の弁を閉じた状態でポンプ２２を作動させた前記沈砂貯留槽減圧操作に戻る。あるいは、沈砂ピット１１からの揚砂処理の間隔が長いときには、ポンプ２２を停止させてすべての弁を閉じた待機状態を経てから沈砂貯留槽減圧操作を再開するように設定することもできる。
【００１７】
このようにして沈砂ピット１１から沈砂を吸い上げて移送する揚砂処理は、沈砂ピット１１内に堆積する沈砂量に応じて通常は一定間隔で行われるため、１回の揚砂処理が終了してから次の揚砂処理を開始するまでの間に沈砂貯留槽１４内をあらかじめ設定された圧力に減圧しておけばよいため、ポンプ２２として小型のポンプを用いることができ、設備費の低減やランニングコストの低減を図ることができる。
【００１８】
図２は、本発明の揚砂装置の第２形態例を示すもので、前記第１形態例に示した揚砂装置おけるポンプ２２と大気開放弁２１との間に圧力タンク３１を配置した例を示している。なお、以下の説明において、前記第１形態例に示した揚砂装置の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【００１９】
本形態例に示す揚砂装置では、大気開放弁２１及び加圧空気供給弁２５を閉じた状態でポンプ２２を作動させたときに、ポンプ２２から吐出側経路２０に吐出された空気を圧力タンク３１に充填し、圧力タンク３１内を加圧するように形成している。また、本形態例では、圧力タンク３１に、該圧力タンク３１内の圧力を検出する圧力タンク圧力検出手段３２を設けている。
【００２０】
次に、前記圧力タンク３１を配置した揚砂装置を用いた揚砂方法の一形態例を説明する。まず、制御手段３０からの指示により、前記排気弁２３を開いて他の弁を閉じた状態とし、ポンプ２２を作動させて前記沈砂貯留槽１４内の空気を、給排気経路１５、排気経路２４及び吸入側経路１８を介してポンプ２２に吸入し、ポンプ２２から吐出された空気を、吐出側経路２０を介して前記圧力タンク３１に充填することにより、前記沈砂貯留槽１４内を減圧するとともに前記圧力タンク３１内を加圧する沈砂貯留槽減圧操作を行う。
【００２１】
この沈砂貯留槽減圧操作を行っているときに、前記沈砂貯留槽圧力検出手段２９が検出した沈砂貯留槽１４内の圧力があらかじめ設定された圧力（真空度）となったときに、制御手段３０からの指示により、排気弁２３を開いてポンプ２２を作動させた沈砂貯留槽減圧操作を継続しながら前記揚砂弁１３を開き、前記沈砂ピット１１内の水と沈砂とを前記沈砂吸入管１２に吸い上げて沈砂貯留槽１４に送出する沈砂吸上操作を行う。
【００２２】
この沈砂吸上操作を行っているときに、前記高水位検出手段２８で検出した沈砂貯留槽１４内の水位があらかじめ設定された高水位となったときに、制御手段３０からの指示により、前記沈砂貯留槽減圧操作及び沈砂吸上操作を終了し、前記加圧空気供給弁２５及び前記排砂弁１７を開いて他の弁を閉じた状態とし、圧力タンク３１内に貯留されている加圧空気を、加圧空気供給経路２６及び給排気経路１５を介して沈砂貯留槽１４の上部に供給し、該加圧空気の圧力により、前記沈砂吸上操作で沈砂貯留槽１４内に吸い上げられた沈砂及び水を前記沈砂排出経路１６に排出する排砂操作を行う。この排砂操作で沈砂排出経路１６に排出された沈砂を含む水は、例えば、別途設けた沈砂分離機のホッパーなどに移送される。
【００２３】
この排砂操作を行っているときに、前記低位検出手段２７で検出した沈砂貯留槽１４内の水位があらかじめ設定された低水位になったときに、制御手段３０からの指示により排砂操作を終了し、排気弁２３を開いて他の弁を閉じた状態で、ポンプ２２を作動させた前記沈砂貯留槽減圧操作に戻る。また、沈砂ピット１１からの揚砂処理の間隔が長いときには、ポンプ２２を停止させてすべての弁を閉じた待機状態とすることもできる。
【００２４】
また、圧力タンク圧力検出手段３２が検出した圧力タンク３１内の圧力があらかじめ設定された規定値より上昇したときには、大気開放弁２１を開いて圧力タンク３１内の加圧空気を放出する。さらに、前記排砂操作では、ポンプ２２を一時的に停止させて圧力タンク３１からの加圧空気のみで沈砂貯留槽１４からの排砂を行うようにしてもよく、ポンプ２２の運転を継続しながら前記大気吸入弁１９を開くことにより、吸入側経路１８から吸入してポンプ２２で圧縮した加圧空気を、圧力タンク３１からの加圧空気と合流させて沈砂貯留槽１４内に供給することもでき、圧力タンク圧力検出手段３２が検出した圧力タンク３１内の圧力があらかじめ設定された圧力より高いときにはポンプ２２を一時的に停止させ、低いときにはポンプ２２の運転を継続しながら前記大気吸入弁１９を開くようにすることもできる。
【００２５】
通常は、ポンプ２２の運転を継続しながら前記大気吸入弁１９を開いてポンプ２２からの加圧空気を圧力タンク３１からの加圧空気に合流させるように設定することにより、加圧空気量を増加させて沈砂貯留槽１４からの排砂を効率よく行うことができるとともに、ポンプ２２の運転と停止との繰り返しによるエネルギーロスも回避できる。
【００２６】
さらに、沈砂貯留槽１４内を減圧する際の空気を圧力タンク３１に回収し、沈砂貯留槽１４から沈砂を排出する際に圧力タンク３１内の加圧空気を使用することにより、系外への空気排出を無くすことが可能となるため、沈砂などからの悪臭が周囲環境に流出することを抑えることができる。
【００２７】
また、沈砂ピットが複数設けられている場合は、複数の沈砂ピット１１に揚砂弁１３を備えた沈砂吸入管１２を沈砂貯留槽１４に対して並列に配置し、複数の沈砂吸入管１２の揚砂弁２３を順番に開閉していくことにより、１系統のポンプ２２や圧力タンク３１を備えた揚砂装置で複数の沈砂ピットから沈砂を順番に吸い上げることができる。また、ポンプ２２の形式は任意であり、例えば真空ブロアなどを用いることができる。
【符号の説明】
【００２８】
１１…沈砂ピット、１２…沈砂吸入管、１３…揚砂弁、１４…沈砂貯留槽、１５…給排気経路、１６…沈砂排出経路、１７…排砂弁、１８…吸入側経路、１９…大気吸入弁、２０…吐出側経路、２１…大気開放弁、２２…ポンプ、２３…排気弁、２４…排気経路、２５…加圧空気供給弁、２６…加圧空気供給経路、２７…低水位検出手段、２８…高水位検出手段、２９…沈砂貯留槽圧力検出手段、３０…制御手段、３１…圧力タンク、３２…圧力タンク圧力検出手段
【技術分野】
【０００１】
本発明は、揚砂装置及び揚砂方法に関し、詳しくは、取水設備等における沈砂池の沈砂ピットに堆積した砂や小石等を吸い上げて移送するための揚砂装置及び揚砂方法に関する。
【背景技術】
【０００２】
取水設備や下水処理設備、ポンプ場等に設けられる沈砂池に堆積した砂等を吸い上げて移送するための揚砂装置としては、一般的に、水中に揚砂ポンプを設置した揚砂装置が広く知られている（例えば、特許文献１参照。）。また、建設工事現場などで発生する高濃度泥水を搬送するための装置として、泥水吸込路、泥水吐出路、空気排出路及び空気流入路を有する密閉容器と、空気排出路を介して密閉容器内を真空化するための真空発生装置と、空気流入路を介して密閉容器内に圧縮空気を供給するための圧縮空気発生手段とを備えた泥水搬送装置が知られている（例えば、特許文献２参照。）。
【先行技術文献】
【特許文献】
【０００３】
【特許文献１】特開２００４−１１５４２号公報
【特許文献１】特開平６−３３０８９９号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、特許文献１に記載された揚砂装置では、沈砂ピットの水中に配置した揚砂ポンプの保守整備に手間が掛かり、また、特許文献２に記載された泥水搬送装置では、装置構成が複雑になるという問題があった。
【０００５】
そこで本発明は、簡単な構成で省エネルギー化も図ることができる揚砂装置及び揚砂方法を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記目的を達成するため、本発明の揚砂装置の第１の構成は、池底部に形成された沈砂ピット内の沈砂を、沈砂吸入管を介して水と共に吸引して移送する揚砂装置において、沈砂ピットに配置した沈砂吸入管と、該沈砂吸入管に揚砂弁を介して接続した沈砂貯留槽と、該沈砂貯留槽の上部に設けられた給排気経路と、前記沈砂貯留槽の底部に設けられた排砂弁を有する沈砂排出経路と、吸入側経路に大気吸入弁を有するとともに吐出側経路に大気開放弁を有するポンプと、前記大気吸入弁よりポンプ側の吸入側経路と前記給排気経路とを排気弁を介して接続する排気経路と、前記大気開放弁よりポンプ側の吐出側経路と前記給排気経路とを加圧空気供給弁を介して接続する加圧空気供給経路と、前記沈砂貯留槽のあらかじめ設定された位置にそれぞれ設けられた低水位検出手段及び高水位検出手段と、前記沈砂貯留槽内の圧力を検出する沈砂貯留槽圧力検出手段と、前記低水位検出手段及び前記高水位検出手段で検出した沈砂貯留槽内の水位並びに前記沈砂貯留槽圧力検出手段で検出した沈砂貯留槽内の圧力に基づいて前記揚砂弁、前記排砂弁、前記大気吸入弁、前記大気開放弁、前記排気弁及び前記加圧空気供給弁の開閉を制御する制御手段とを備えていることを特徴としている。
【０００７】
また、本発明の揚砂方法の第１の構成は、前記構成の揚砂装置を使用した揚砂方法であって、前記大気開放弁及び前記排気弁を開いて他の弁を閉じた状態とし、前記ポンプを作動させて前記沈砂貯留槽内の空気を、給排気経路、排気経路及び吸入側経路を介して吸入し、吐出側経路を介して大気に放出することにより前記沈砂貯留槽内を減圧する沈砂貯留槽減圧操作と、該沈砂貯留槽減圧操作において前記沈砂貯留槽圧力検出手段が検出した沈砂貯留槽内の圧力があらかじめ設定された圧力となったときに沈砂貯留槽減圧操作を継続しながら前記揚砂弁を開いて前記沈砂ピット内の水と沈砂とを前記沈砂吸入管に吸い上げて沈砂貯留槽に送出する沈砂吸上操作と、該沈砂吸上操作において前記高水位検出手段で検出した沈砂貯留槽内の水位があらかじめ設定された高水位となったときに前記沈砂貯留槽減圧操作及び沈砂吸上操作を終了し、前記大気吸入弁、前記加圧空気供給弁及び前記排砂弁を開いて他の弁を閉じた状態とし、吸入側経路から吸入して前記ポンプで圧縮した加圧空気を加圧空気供給経路及び給排気経路を介して沈砂貯留槽に供給し、該加圧空気の圧力によって沈砂貯留槽内の沈砂及び水を前記沈砂排出経路に排出する排砂操作と、該排砂操作において前記低位検出手段で検出した沈砂貯留槽内の水位があらかじめ設定された低水位になったときに、該排砂操作を終了して前記沈砂貯留槽減圧操作に戻ることを特徴としている。
【０００８】
さらに、本発明の揚砂装置の第２の構成は、前記第１の構成において、前記吐出側経路におけるポンプと大気開放弁との間に圧力タンクを備えていることを特徴とし、本発明の揚砂方法の第２の構成は、圧力タンクを備えた構成の揚砂装置を使用した揚砂方法である。
【０００９】
すなわち、前記排気弁を開いて他の弁を閉じた状態とし、前記ポンプを作動させて前記沈砂貯留槽内の空気を、給排気経路、排気経路及び吸入側経路を介して吸入し、吐出側経路を介して前記圧力タンクに充填することによって前記沈砂貯留槽内を減圧するとともに前記圧力タンク内を加圧する沈砂貯留槽減圧操作と、該沈砂貯留槽減圧操作において前記沈砂貯留槽圧力検出手段が検出した沈砂貯留槽内の圧力があらかじめ設定された圧力となったときに前記揚砂弁を開いて前記沈砂ピット内の水と沈砂とを前記沈砂吸入管に吸い上げて沈砂貯留槽に送出する沈砂吸上操作と、該沈砂吸上操作において前記高水位検出手段で検出した沈砂貯留槽内の水位があらかじめ設定された高水位となったときに、前記加圧空気供給弁及び前記排砂弁を開いて他の弁を閉じた状態とし、圧力タンク内の加圧空気を加圧空気供給経路及び給排気経路を介して沈砂貯留槽に供給し、該加圧空気の圧力によって沈砂貯留槽内の沈砂及び水を前記沈砂排出経路に排出する排砂操作と、該排砂操作において前記低位検出手段で検出した沈砂貯留槽内の水位があらかじめ設定された低水位になったときに、該排砂操作を終了して前記沈砂貯留槽減圧操作に戻ることを特徴としている。
【発明の効果】
【００１０】
本発明によれば、沈砂ピット内の沈砂を、一つの沈砂貯留槽及び一つのポンプと、これらを接続する配管及び弁とによって効率よく吸い上げることができ、設備コストの簡略化を図ることができ、沈砂吸上操作を開始する前に沈砂貯留槽内を減圧しておけばよいため、小型のポンプを用いることで設備コストの低減及び省エネルギー化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【００１１】
【図１】本発明の揚砂装置の第１形態例を示す系統図である。
【図２】本発明の揚砂装置の第２形態例を示す系統図である。
【発明を実施するための形態】
【００１２】
図１は、本発明の揚砂装置の第１形態例を示すもので、沈砂ピット１１に配置した沈砂吸入管１２と、該沈砂吸入管１２に揚砂弁１３を介して接続した沈砂貯留槽１４と、該沈砂貯留槽１４の上部に設けられた給排気経路１５と、前記沈砂貯留槽１４の底部に設けられた沈砂排出経路１６と、該沈砂排出経路１６に設けられた排砂弁１７と、吸入側経路１８に大気吸入弁１９を有するとともに吐出側経路２０に大気開放弁２１を有するポンプ２２と、前記大気吸入弁１９よりポンプ側の吸入側経路１８と前記給排気経路１５とを排気弁２３を介して接続する排気経路２４と、前記大気開放弁２１よりポンプ側の吐出側経路２０と前記給排気経路１５とを加圧空気供給弁２５を介して接続する加圧空気供給経路２６と、前記沈砂貯留槽１４のあらかじめ設定された低水位位置に設けられた低水位検出手段２７と、前記沈砂貯留槽１４のあらかじめ設定された高水位位置に設けられた高水位検出手段２８と、前記沈砂貯留槽１４内の圧力を検出する沈砂貯留槽圧力検出手段２９と、前記低水位検出手段２７及び前記高水位検出手段２８で検出した沈砂貯留槽１４内の水位並びに前記沈砂貯留槽圧力検出手段２９で検出した沈砂貯留槽１４内の圧力に基づいて前記揚砂弁１３、前記排砂弁１７、前記大気吸入弁１９、前記大気開放弁２１、前記排気弁２３及び前記加圧空気供給弁２５の開閉を制御する制御手段３０とを備えている。
【００１３】
次に、このように形成した揚砂装置を用いた揚砂方法の一形態例を説明する。まず、制御手段３０からの指示により、前記大気開放弁２１及び前記排気弁２３を開いて他の弁を閉じた状態とし、前記ポンプ２２を作動させて前記沈砂貯留槽１４内の空気を、給排気経路１５、排気経路２４及び吸入側経路１８を介してポンプ２２に吸入し、ポンプ２２から吐出した空気を吐出側経路２０を介して大気に放出することにより、前記沈砂貯留槽１４内を減圧する沈砂貯留槽減圧操作を行う。この沈砂貯留槽減圧操作では、比較的長時間を掛けて沈砂貯留槽１４内を十分に減圧できればよいことから、ポンプ２２として小型のものを用いることができ、従来の揚砂ポンプに比べて設備コストや消費エネルギーを大幅に低減することができる。
【００１４】
この沈砂貯留槽減圧操作を行っているときに、前記沈砂貯留槽圧力検出手段２９が検出した沈砂貯留槽１４内の圧力があらかじめ設定された圧力（真空度）となったときに、制御手段３０からの指示により、大気開放弁２１及び排気弁２３を開いてポンプ２２を作動させた沈砂貯留槽減圧操作を継続しながら前記揚砂弁１３を開き、前記沈砂ピット１１内の水と沈砂とを前記沈砂吸入管１２に吸い上げて沈砂貯留槽１４に送出する沈砂吸上操作を行う。
【００１５】
この沈砂吸上操作を行っているときに、前記高水位検出手段２８で検出した沈砂貯留槽１４内の水位があらかじめ設定された高水位となったときに、制御手段３０からの指示により、前記沈砂貯留槽減圧操作及び沈砂吸上操作を終了し、前記大気吸入弁１９、前記加圧空気供給弁２５及び前記排砂弁１７を開いて他の弁を閉じた状態とし、吸入側経路１８から吸入してポンプ２２で圧縮した加圧空気を、加圧空気供給経路２６及び給排気経路１５を介して沈砂貯留槽１４の上部に供給し、該加圧空気の圧力により、前記沈砂吸上操作で沈砂貯留槽１４内に吸い上げられた沈砂及び水を前記沈砂排出経路１６に排出する排砂操作を行う。この排砂操作で沈砂排出経路１６に排出された沈砂を含む水は、例えば、別途設けた沈砂分離機のホッパーなどに移送される。
【００１６】
この排砂操作を行っているときに、前記低位検出手段２７で検出した沈砂貯留槽１４内の水位があらかじめ設定された低水位になったときに、制御手段３０からの指示により排砂操作を終了し、大気開放弁２１及び排気弁２３を開いて他の弁を閉じた状態でポンプ２２を作動させた前記沈砂貯留槽減圧操作に戻る。あるいは、沈砂ピット１１からの揚砂処理の間隔が長いときには、ポンプ２２を停止させてすべての弁を閉じた待機状態を経てから沈砂貯留槽減圧操作を再開するように設定することもできる。
【００１７】
このようにして沈砂ピット１１から沈砂を吸い上げて移送する揚砂処理は、沈砂ピット１１内に堆積する沈砂量に応じて通常は一定間隔で行われるため、１回の揚砂処理が終了してから次の揚砂処理を開始するまでの間に沈砂貯留槽１４内をあらかじめ設定された圧力に減圧しておけばよいため、ポンプ２２として小型のポンプを用いることができ、設備費の低減やランニングコストの低減を図ることができる。
【００１８】
図２は、本発明の揚砂装置の第２形態例を示すもので、前記第１形態例に示した揚砂装置おけるポンプ２２と大気開放弁２１との間に圧力タンク３１を配置した例を示している。なお、以下の説明において、前記第１形態例に示した揚砂装置の構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
【００１９】
本形態例に示す揚砂装置では、大気開放弁２１及び加圧空気供給弁２５を閉じた状態でポンプ２２を作動させたときに、ポンプ２２から吐出側経路２０に吐出された空気を圧力タンク３１に充填し、圧力タンク３１内を加圧するように形成している。また、本形態例では、圧力タンク３１に、該圧力タンク３１内の圧力を検出する圧力タンク圧力検出手段３２を設けている。
【００２０】
次に、前記圧力タンク３１を配置した揚砂装置を用いた揚砂方法の一形態例を説明する。まず、制御手段３０からの指示により、前記排気弁２３を開いて他の弁を閉じた状態とし、ポンプ２２を作動させて前記沈砂貯留槽１４内の空気を、給排気経路１５、排気経路２４及び吸入側経路１８を介してポンプ２２に吸入し、ポンプ２２から吐出された空気を、吐出側経路２０を介して前記圧力タンク３１に充填することにより、前記沈砂貯留槽１４内を減圧するとともに前記圧力タンク３１内を加圧する沈砂貯留槽減圧操作を行う。
【００２１】
この沈砂貯留槽減圧操作を行っているときに、前記沈砂貯留槽圧力検出手段２９が検出した沈砂貯留槽１４内の圧力があらかじめ設定された圧力（真空度）となったときに、制御手段３０からの指示により、排気弁２３を開いてポンプ２２を作動させた沈砂貯留槽減圧操作を継続しながら前記揚砂弁１３を開き、前記沈砂ピット１１内の水と沈砂とを前記沈砂吸入管１２に吸い上げて沈砂貯留槽１４に送出する沈砂吸上操作を行う。
【００２２】
この沈砂吸上操作を行っているときに、前記高水位検出手段２８で検出した沈砂貯留槽１４内の水位があらかじめ設定された高水位となったときに、制御手段３０からの指示により、前記沈砂貯留槽減圧操作及び沈砂吸上操作を終了し、前記加圧空気供給弁２５及び前記排砂弁１７を開いて他の弁を閉じた状態とし、圧力タンク３１内に貯留されている加圧空気を、加圧空気供給経路２６及び給排気経路１５を介して沈砂貯留槽１４の上部に供給し、該加圧空気の圧力により、前記沈砂吸上操作で沈砂貯留槽１４内に吸い上げられた沈砂及び水を前記沈砂排出経路１６に排出する排砂操作を行う。この排砂操作で沈砂排出経路１６に排出された沈砂を含む水は、例えば、別途設けた沈砂分離機のホッパーなどに移送される。
【００２３】
この排砂操作を行っているときに、前記低位検出手段２７で検出した沈砂貯留槽１４内の水位があらかじめ設定された低水位になったときに、制御手段３０からの指示により排砂操作を終了し、排気弁２３を開いて他の弁を閉じた状態で、ポンプ２２を作動させた前記沈砂貯留槽減圧操作に戻る。また、沈砂ピット１１からの揚砂処理の間隔が長いときには、ポンプ２２を停止させてすべての弁を閉じた待機状態とすることもできる。
【００２４】
また、圧力タンク圧力検出手段３２が検出した圧力タンク３１内の圧力があらかじめ設定された規定値より上昇したときには、大気開放弁２１を開いて圧力タンク３１内の加圧空気を放出する。さらに、前記排砂操作では、ポンプ２２を一時的に停止させて圧力タンク３１からの加圧空気のみで沈砂貯留槽１４からの排砂を行うようにしてもよく、ポンプ２２の運転を継続しながら前記大気吸入弁１９を開くことにより、吸入側経路１８から吸入してポンプ２２で圧縮した加圧空気を、圧力タンク３１からの加圧空気と合流させて沈砂貯留槽１４内に供給することもでき、圧力タンク圧力検出手段３２が検出した圧力タンク３１内の圧力があらかじめ設定された圧力より高いときにはポンプ２２を一時的に停止させ、低いときにはポンプ２２の運転を継続しながら前記大気吸入弁１９を開くようにすることもできる。
【００２５】
通常は、ポンプ２２の運転を継続しながら前記大気吸入弁１９を開いてポンプ２２からの加圧空気を圧力タンク３１からの加圧空気に合流させるように設定することにより、加圧空気量を増加させて沈砂貯留槽１４からの排砂を効率よく行うことができるとともに、ポンプ２２の運転と停止との繰り返しによるエネルギーロスも回避できる。
【００２６】
さらに、沈砂貯留槽１４内を減圧する際の空気を圧力タンク３１に回収し、沈砂貯留槽１４から沈砂を排出する際に圧力タンク３１内の加圧空気を使用することにより、系外への空気排出を無くすことが可能となるため、沈砂などからの悪臭が周囲環境に流出することを抑えることができる。
【００２７】
また、沈砂ピットが複数設けられている場合は、複数の沈砂ピット１１に揚砂弁１３を備えた沈砂吸入管１２を沈砂貯留槽１４に対して並列に配置し、複数の沈砂吸入管１２の揚砂弁２３を順番に開閉していくことにより、１系統のポンプ２２や圧力タンク３１を備えた揚砂装置で複数の沈砂ピットから沈砂を順番に吸い上げることができる。また、ポンプ２２の形式は任意であり、例えば真空ブロアなどを用いることができる。
【符号の説明】
【００２８】
１１…沈砂ピット、１２…沈砂吸入管、１３…揚砂弁、１４…沈砂貯留槽、１５…給排気経路、１６…沈砂排出経路、１７…排砂弁、１８…吸入側経路、１９…大気吸入弁、２０…吐出側経路、２１…大気開放弁、２２…ポンプ、２３…排気弁、２４…排気経路、２５…加圧空気供給弁、２６…加圧空気供給経路、２７…低水位検出手段、２８…高水位検出手段、２９…沈砂貯留槽圧力検出手段、３０…制御手段、３１…圧力タンク、３２…圧力タンク圧力検出手段
【特許請求の範囲】
【請求項１】
池底部に形成された沈砂ピット内の沈砂を、沈砂吸入管を介して水と共に吸引して移送する揚砂装置において、沈砂ピットに配置した沈砂吸入管と、該沈砂吸入管に揚砂弁を介して接続した沈砂貯留槽と、該沈砂貯留槽の上部に設けられた給排気経路と、前記沈砂貯留槽の底部に設けられた排砂弁を有する沈砂排出経路と、吸入側経路に大気吸入弁を有するとともに吐出側経路に大気開放弁を有するポンプと、前記大気吸入弁よりポンプ側の吸入側経路と前記給排気経路とを排気弁を介して接続する排気経路と、前記大気開放弁よりポンプ側の吐出側経路と前記給排気経路とを加圧空気供給弁を介して接続する加圧空気供給経路と、前記沈砂貯留槽のあらかじめ設定された位置にそれぞれ設けられた低水位検出手段及び高水位検出手段と、前記沈砂貯留槽内の圧力を検出する沈砂貯留槽圧力検出手段と、前記低水位検出手段及び前記高水位検出手段で検出した沈砂貯留槽内の水位並びに前記沈砂貯留槽圧力検出手段で検出した沈砂貯留槽内の圧力に基づいて前記揚砂弁、前記排砂弁、前記大気吸入弁、前記大気開放弁、前記排気弁及び前記加圧空気供給弁の開閉を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする揚砂装置。
【請求項２】
前記吐出側経路におけるポンプと大気開放弁との間に圧力タンクを備えていることを特徴とする請求項１記載の揚砂装置。
【請求項３】
請求項１記載の揚砂装置を使用した揚砂方法であって、前記大気開放弁及び前記排気弁を開いて他の弁を閉じた状態とし、前記ポンプを作動させて前記沈砂貯留槽内の空気を、給排気経路、排気経路及び吸入側経路を介して吸入し、吐出側経路を介して大気に放出することにより前記沈砂貯留槽内を減圧する沈砂貯留槽減圧操作と、該沈砂貯留槽減圧操作において前記沈砂貯留槽圧力検出手段が検出した沈砂貯留槽内の圧力があらかじめ設定された圧力となったときに沈砂貯留槽減圧操作を継続しながら前記揚砂弁を開いて前記沈砂ピット内の水と沈砂とを前記沈砂吸入管に吸い上げて沈砂貯留槽に送出する沈砂吸上操作と、該沈砂吸上操作において前記高水位検出手段で検出した沈砂貯留槽内の水位があらかじめ設定された高水位となったときに前記沈砂貯留槽減圧操作及び沈砂吸上操作を終了し、前記大気吸入弁、前記加圧空気供給弁及び前記排砂弁を開いて他の弁を閉じた状態とし、吸入側経路から吸入して前記ポンプで圧縮した加圧空気を加圧空気供給経路及び給排気経路を介して沈砂貯留槽に供給し、該加圧空気の圧力によって沈砂貯留槽内の沈砂及び水を前記沈砂排出経路に排出する排砂操作と、該排砂操作において前記低位検出手段で検出した沈砂貯留槽内の水位があらかじめ設定された低水位になったときに、該排砂操作を終了して前記沈砂貯留槽減圧操作に戻ることを特徴とする揚砂方法。
【請求項４】
請求項２記載の揚砂装置を使用した揚砂方法であって、前記排気弁を開いて他の弁を閉じた状態とし、前記ポンプを作動させて前記沈砂貯留槽内の空気を、給排気経路、排気経路及び吸入側経路を介して吸入し、吐出側経路を介して前記圧力タンクに充填することによって前記沈砂貯留槽内を減圧するとともに前記圧力タンク内を加圧する沈砂貯留槽減圧操作と、該沈砂貯留槽減圧操作において前記沈砂貯留槽圧力検出手段が検出した沈砂貯留槽内の圧力があらかじめ設定された圧力となったときに前記揚砂弁を開いて前記沈砂ピット内の水と沈砂とを前記沈砂吸入管に吸い上げて沈砂貯留槽に送出する沈砂吸上操作と、該沈砂吸上操作において前記高水位検出手段で検出した沈砂貯留槽内の水位があらかじめ設定された高水位となったときに、前記加圧空気供給弁及び前記排砂弁を開いて他の弁を閉じた状態とし、圧力タンク内の加圧空気を加圧空気供給経路及び給排気経路を介して沈砂貯留槽に供給し、該加圧空気の圧力によって沈砂貯留槽内の沈砂及び水を前記沈砂排出経路に排出する排砂操作と、該排砂操作において前記低位検出手段で検出した沈砂貯留槽内の水位があらかじめ設定された低水位になったときに、該排砂操作を終了して前記沈砂貯留槽減圧操作に戻ることを特徴とする揚砂方法。
【請求項１】
池底部に形成された沈砂ピット内の沈砂を、沈砂吸入管を介して水と共に吸引して移送する揚砂装置において、沈砂ピットに配置した沈砂吸入管と、該沈砂吸入管に揚砂弁を介して接続した沈砂貯留槽と、該沈砂貯留槽の上部に設けられた給排気経路と、前記沈砂貯留槽の底部に設けられた排砂弁を有する沈砂排出経路と、吸入側経路に大気吸入弁を有するとともに吐出側経路に大気開放弁を有するポンプと、前記大気吸入弁よりポンプ側の吸入側経路と前記給排気経路とを排気弁を介して接続する排気経路と、前記大気開放弁よりポンプ側の吐出側経路と前記給排気経路とを加圧空気供給弁を介して接続する加圧空気供給経路と、前記沈砂貯留槽のあらかじめ設定された位置にそれぞれ設けられた低水位検出手段及び高水位検出手段と、前記沈砂貯留槽内の圧力を検出する沈砂貯留槽圧力検出手段と、前記低水位検出手段及び前記高水位検出手段で検出した沈砂貯留槽内の水位並びに前記沈砂貯留槽圧力検出手段で検出した沈砂貯留槽内の圧力に基づいて前記揚砂弁、前記排砂弁、前記大気吸入弁、前記大気開放弁、前記排気弁及び前記加圧空気供給弁の開閉を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする揚砂装置。
【請求項２】
前記吐出側経路におけるポンプと大気開放弁との間に圧力タンクを備えていることを特徴とする請求項１記載の揚砂装置。
【請求項３】
請求項１記載の揚砂装置を使用した揚砂方法であって、前記大気開放弁及び前記排気弁を開いて他の弁を閉じた状態とし、前記ポンプを作動させて前記沈砂貯留槽内の空気を、給排気経路、排気経路及び吸入側経路を介して吸入し、吐出側経路を介して大気に放出することにより前記沈砂貯留槽内を減圧する沈砂貯留槽減圧操作と、該沈砂貯留槽減圧操作において前記沈砂貯留槽圧力検出手段が検出した沈砂貯留槽内の圧力があらかじめ設定された圧力となったときに沈砂貯留槽減圧操作を継続しながら前記揚砂弁を開いて前記沈砂ピット内の水と沈砂とを前記沈砂吸入管に吸い上げて沈砂貯留槽に送出する沈砂吸上操作と、該沈砂吸上操作において前記高水位検出手段で検出した沈砂貯留槽内の水位があらかじめ設定された高水位となったときに前記沈砂貯留槽減圧操作及び沈砂吸上操作を終了し、前記大気吸入弁、前記加圧空気供給弁及び前記排砂弁を開いて他の弁を閉じた状態とし、吸入側経路から吸入して前記ポンプで圧縮した加圧空気を加圧空気供給経路及び給排気経路を介して沈砂貯留槽に供給し、該加圧空気の圧力によって沈砂貯留槽内の沈砂及び水を前記沈砂排出経路に排出する排砂操作と、該排砂操作において前記低位検出手段で検出した沈砂貯留槽内の水位があらかじめ設定された低水位になったときに、該排砂操作を終了して前記沈砂貯留槽減圧操作に戻ることを特徴とする揚砂方法。
【請求項４】
請求項２記載の揚砂装置を使用した揚砂方法であって、前記排気弁を開いて他の弁を閉じた状態とし、前記ポンプを作動させて前記沈砂貯留槽内の空気を、給排気経路、排気経路及び吸入側経路を介して吸入し、吐出側経路を介して前記圧力タンクに充填することによって前記沈砂貯留槽内を減圧するとともに前記圧力タンク内を加圧する沈砂貯留槽減圧操作と、該沈砂貯留槽減圧操作において前記沈砂貯留槽圧力検出手段が検出した沈砂貯留槽内の圧力があらかじめ設定された圧力となったときに前記揚砂弁を開いて前記沈砂ピット内の水と沈砂とを前記沈砂吸入管に吸い上げて沈砂貯留槽に送出する沈砂吸上操作と、該沈砂吸上操作において前記高水位検出手段で検出した沈砂貯留槽内の水位があらかじめ設定された高水位となったときに、前記加圧空気供給弁及び前記排砂弁を開いて他の弁を閉じた状態とし、圧力タンク内の加圧空気を加圧空気供給経路及び給排気経路を介して沈砂貯留槽に供給し、該加圧空気の圧力によって沈砂貯留槽内の沈砂及び水を前記沈砂排出経路に排出する排砂操作と、該排砂操作において前記低位検出手段で検出した沈砂貯留槽内の水位があらかじめ設定された低水位になったときに、該排砂操作を終了して前記沈砂貯留槽減圧操作に戻ることを特徴とする揚砂方法。
【図１】
【図２】
【図２】
【公開番号】特開２０１３−６３２（Ｐ２０１３−６３２Ａ）
【公開日】平成２５年１月７日（２０１３．１．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２０１１−１３２０４５（Ｐ２０１１−１３２０４５）
【出願日】平成２３年６月１４日（２０１１．６．１４）
【出願人】（３９００１４０７４）前澤工業株式会社 (134)
【公開日】平成２５年１月７日（２０１３．１．７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２３年６月１４日（２０１１．６．１４）
【出願人】（３９００１４０７４）前澤工業株式会社 (134)
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