説明

揮発性種による損傷からの固体酸性触媒の保護

本発明は、反応器スペーサ、ライナー、触媒バインダー、および担体のために適当な材料を選択することによって、特に、結晶性シリカ含有材料および高濃度で燐を含有する材料を使用しないことによって、たとえ少量の水蒸気の存在が予期される場合でも、触媒損傷を防止し且つより長い触媒寿命を達成する方法を提供する。更に、アルカリ金属およびアルカリ土類金属は、触媒を損傷する可能性があるので、避けられる。

【発明の詳細な説明】
【発明の開示】
【0001】
発明の背景
[0001] 本発明は、低レベルの汚染を有する触媒を使用して軽質オレフィンを製造する方法に関する。更に詳しくは、本発明は、結晶性シリカ、ホスフェート、アルカリ金属およびアルカリ土類金属を含む不所望の汚染物質に対する触媒の暴露を減らすことによって、規定レベルの活性を保持する触媒を使用することによって軽質オレフィンを製造することに関する。これらの汚染物質は、反応器中で使用される耐熱材から従来技術の反応器の中へと持ち込まれてきた。
【0002】
[0002] エチレン、プロピレン、ブテンおよびペンテンのようなオレフィンは、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレンおよび他のポリマー、アルコール、塩化ビニルモノマー、アクリロニトリル、メチル第三ブチルエーテルおよび第三アミルメチルエーテルおよび他の石油化学製品、および様々なゴム、例えばブチルゴムを含む多種多様な最終製品を調製する場合に有用である。エチレンおよびプロピレンは、その種の最終製品を製造する場合に特有の価値がある2つの軽質オレフィンである。
【0003】
[0003] 水蒸気の存在下、比較的高い温度で行われる様々な触媒法がある。特に、オレフィン分解およびメタノールからオレフィンへの転化が挙げられるが、それらに限定されない様々な触媒法のための固体酸性触媒は、処理および/または再生条件下、水蒸気の存在下で、高温(典型的には、400℃を超える)に暴露される。触媒が酸化性条件に暴露される再生の場合は、コークスの燃焼時に水蒸気が形成される。スチーミング時にしばしば起こる触媒の劣化は、いくつかのプロセスの組み合わせ、例えば、ゼオライト脱アルミニウム化(または、一般的に、酸点数の減少)、構造圧壊、細孔閉塞、酸点被毒、ならびに他の組み合わせである。触媒の急激な劣化によって、触媒の交換量が増加し、運転コストが必要となるので、著しく運転コストが増える可能性がある。
【0004】
[0004] コークスの堆積による触媒性能の劣化に加えて、特定の条件下では、石英製反応器で高温スチーミングに触媒を暴露したとき、短期間の使用後に、触媒が不活性化する傾向があることを予期外に見出した。触媒を分析すると、触媒が、プロセス蒸気から活性反応部位を分離するシリカの滑らかな層で隠蔽されることが認められた。更なる調査では、反応器で使用される耐熱材が、このシリカの発生源であることが分かった。そのような触媒劣化は、反応器ライニング用に使用される商用の耐熱材を含む、例えば珪素、燐、アルカリおよびアルカリ土類金属を含む特定の汚染物質によって、引き起こされることを見出した。高温下では、これらの元素は、反応器ライニングから触媒へと移動且つ移行するようになり、次々に触媒を劣化且つ失活させる。水蒸気の存在によって、移行プロセスは非常に促進され得る。本発明に先立ち、例えば982℃の温度および1034kPa以上の圧力で行われる石炭ガス化のような更に過酷な反応では、ライニング材が浸出し、触媒に損傷を与えるという問題が起こったことが知られていた。しかしながら、軽質オレフィン製造のための反応条件は、ずっと低い。本出願は、揮発性のシリカ種および燐種による酸性部位被毒および/または細孔閉塞の望ましくない効果を回避する方法を説明する。
【0005】
発明の要約
[0005] 触媒上での汚染物質の堆積と関連がある問題を減らすために、本発明は、触媒が高いレベルの汚染物質に暴露されない環境を提供する。触媒担体およびバインダーを使用することによって、ならびに有害な汚染物質への触媒の暴露を回避することによって、触媒は、実質的により長い期間その活性を維持することができる。
【0006】
[0006] 本発明は、反応器スペーサ、ライナー、触媒バインダー、および担体のための適当な材料を選択することによって、特に、結晶性シリカ含有材料および高濃度で燐を含有する材料を使用しないことによって、少量の水蒸気でも存在が予想される場合には、触媒損傷を回避し且つより長い触媒寿命を達成する方法を提供する。特に、珪素、燐、アルカリ金属、例えばナトリウム、カリウムもしくはリチウム、またはアルカリ土類金属、例えばマグネシウムもしくはカルシウムを浸出する材料は避けなければならない。この種の材料の喪失に抵抗するセラミック材料は使用してもよい。
【0007】
[0007] また、本発明は、反応器内の材料が、100時間、650℃、0kPa(0psig)、100g/時の水添加、250cc/分(0.5 SCFH)の窒素におけるスチーミングから成る反応条件に暴露されるとき、20,000ppm未満の珪素、1,000ppm未満の燐、1,000ppm未満のナトリウム、500ppm未満のマグネシウムおよび500ppm未満のカルシウムを浸出する、オレフィンを製造する方法も提供する。
【0008】
発明の詳細な説明
[0008] 本発明は、触媒を損傷する汚染物質に暴露されないことによりその活性が保持される触媒によってオレフィン供給流を製造するシステムを提供する。オレフィン供給流は、オレフィン供給流中の少なくとも1種のオレフィンから、特にエチレンまたはプロピレンから作られる生成物であるオレフィン誘導体へと最終的には転化される。オレフィン誘導体の実例の広範囲なリストとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、線状アルファオレフィンおよび他のポリマー、アルデヒド、アルコール、酢酸、アクリル酸、酢酸ビニル、塩化ビニルモノマー、二塩化エチレン、アクリロニトリル、メチル第三ブチルエーテルおよび第三アミルメチルエーテル、エチルベンゼン、エチレンオキシド、クメン、アクロレイン、塩化アリル、プロピレンオキシド、および様々なゴム、例えばブチルラバーおよびエチレンプロピレンゴム、エチレンの、プロピレンの、またはブチレンのオリゴマーが挙げられる。
【0009】
[0009] 本発明は、従来の方法、例えばパラフィン、ナフサまたはC4+オレフィンの分解ような様々な分解法から、ならびに、酸素化物(oxygenate)を含む酸素化物化合物(oxygenate compound)をオレフィンへと接触転化させる方法および酸素化物をプロピレンへと接触転化させる方法から得ることができるオレフィンの製造に適用する。
【0010】
[0010] 分解法の場合、非触媒的または触媒的方法であることができる。一つのそのような非触媒法は、スチーム分解である。スチーム分解法は、低い反応体分圧、比較的高い質量速度を維持し、且つ、反応ゾーン全体にわたって圧力降下を抑えながら、短い滞留時間の間に、高温で、放射炉反応器において一般的に行われる。当業者に公知の炉のうちのいずれかを使用することができる。
【0011】
[0011] 水蒸気分解炉への炭化水素供給は、液相もしくは気相であることができるか、または、混合気‐液相を含むことができる。スチーム分解のための最も好ましい供給原料は、エタン、プロパン、ブタン、ナフサ、軽油、ガス凝縮物およびそれらの混合物である。炭化水素供給原料は、水蒸気分解炉中では好ましくは気相である。
【0012】
[0012] または、スチーム分解の代わりに、他の公知の分解法を使用してオレフィンを製造することができる。これらの他の分解法としては、例えば、熱再生分解、流動床分解、流動接触分解、深接触分解(deep catalytic cracking)、およびビスブレーキングが挙げられる。
【0013】
[0013] 本発明の一つの使用では、オレフィンは、酸化物供給の触媒転化から得られる。この方法では、汚染物質のレベルは、従来技術のオレフィン形成法で見出されるそれに比べて有意に低い。この種の方法で製造される好ましいオレフィンは、エチレンおよびプロピレンである。
【0014】
[0014] この酸素化物供給原料は、少なくとも1個の酸素原子を含む少なくとも1種の有機化合物、例えば脂肪族アルコール、エーテル、カルボニル化合物(アルデヒド、ケトン、カルボン酸、カーボネート、エステルなど)を含む。酸素化物がアルコールであるとき、そのアルコールは、1〜10個、より好ましくは1〜4個の炭素原子を有する脂肪族基を含むことができる。適当な酸素化物化合物としては、例えば:メタノール;エタノール;n−プロパノール;2−プロパノール;C〜C20アルコール;メチルエチルエーテル;ジメチルエーテル;ジエチルエーテル;ジイソプロピルエーテル;ホルムアルデヒド;炭酸ジメチル;ジメチルケトン;酢酸;およびそれらの混合物が挙げられるが、それらに限定されない。好ましい酸素化物化合物は、メタノール、ジメチルエーテル、およびそれらの混合物である。
【0015】
[0015] 酸素化物は、エチレンおよび/またはプロピレンへの高度の選択性を有する、小細孔モレキュラーシーブ触媒およびゼオライトおよび非ゼオライト触媒によって、オレフィンへと転化させることができる。本発明では小細孔モレキュラーシーブが好ましい。本明細書で定義されるように、小細孔モレキュラーシーブは、5.0オングストローム未満の孔径を有する。一般的に、適当な触媒は、3.5〜5.0オングストロームの孔径を有する。
【0016】
[0016] 酸素化物をオレフィンへと転化させるために、シリコアルミノホスフェートモレキュラーシーブがしばしば使用される。これらのシーブは、一般的に、[SiO]、[AlO]および[PO]四面体単位の三次元微孔性結晶骨格構造を含む。
【0017】
[0017] 本発明で使用されるシリコアルミノホスフェートモレキュラーシーブは、比較的低いSi/Al比を有することが好ましい。一般的に、Si/Al比が低くなると、C〜C飽和化合物(saturates)選択率、特にプロパン選択率が低下する。
【0018】
[0018] 置換されたSAPOも本発明で使用できる。これらの化合物は、MeAPSOまたは金属含有シリコアルミノホスフェートとして公知である。金属は、アルカリ金属イオン(IA族)、アルカリ土属金属イオン(IIA族)および希土類イオンであることができる。好ましくは、Meは、Zn、Mg、Mn、Co、Ni、Ga、Fe、Ti、Zr、Ge、SnおよびCrのような原子を表している。これらの原子は、[MeO]四面体単位によって四面体骨格中に挿入できる。[MeO]四面体単位は、金属置換基の原子価状態にしたがって、正味の電荷を担う。金属成分が+2、+3、+4、+5または+6の原子価状態を有するとき、正味の電荷は−2〜+2である。金属成分の組み込みは、モレキュラーシーブの合成中に金属成分を加えることによって典型的に達成される。
しかしながら、合成後にイオン交換を用いることもできる。
【0019】
[0019] 適当なシリコアルミノホスフェートモレキュラーシーブは、SAPO−5、SAPO−8、 SAPO−11、SAPO−16、SAPO−17、SAPO−18、SAPO−20、SAPO−31、SAPO−34、 SAPO−35、SAPO−36、SAPO−37、SAPO−40、SAPO−41、SAPO−42、SAPO−44、 SAPO−47、SAPO−56、それらの金属含有形態、およびそれらの混合物を含む。好ましくは、SAPO−18、SAPO−34、SAPO−35、SAPO−44、およびSAPO−47であり、特にSAPO−18およびSAPO−34であり、それらの金属含有形態、およびそれらの混合物を含む。本明細書で使用しているように、混合物という用語は、コンビネーションと同義であり、また、それらの物理的状態に関係なく、2種以上の成分を様々な割合で有する組成物と考えられる。
【0020】
[0020] アルミノホスフェート(ALPO)モレキュラーシーブは、触媒組成物中に含ませることもできる。アルミノホスフェートモレキュラーシーブは、AlPO4骨格を有することができる結晶性微孔性酸化物(crystalline microporous oxides)である。それらは、骨格内に追加の元素を有することができ、典型的には3〜10オングストロームの均一な細孔寸法を有し、そして、分子種をサイズにしたがって選択的に分離できる。ゼオライト位相幾何学的類似体(zeolite topological analogue)を含む24を超える構造タイプが報告されてきた。含むことができるアルミノホスフェートの中ではAlPO−5、AlPO−11、AlPO−16、AlPO−17、AlPO−18、AlPO−20、AlPO−31、AlPO−34、AlPO−35、AlPO−36、AlPO−40、AlPO−41、AlPO−42、AlPO−44、およびALPO−47である。好ましいALPO構造は、ALPO−5、ALPO−11、ALPO−18、ALPO−31、ALPO−34、ALPO−36およびALPO−46である。
【0021】
[0021] シリコアルミノホスフェートモレキュラーシーブは、当業において公知の水熱結晶化法によって合成される。反応混合物は、少なくとも一つのテンプレートと共に、反応性の珪素、アルミニウムおよび燐成分と一緒に混合することによって形成される。
一般的に、結晶性生成物が形成されるまで、混合物は、好ましくは自己圧力下で、少なくとも100℃、好ましくは100℃〜250℃の温度まで、密封し且つ加熱する。結晶性生成物の形成は、約2時間〜2週間程度で任意の場所で行うことができる。場合によっては、撹拌または結晶性材料のシーディングによって、生成物の形成が容易になる。
【0022】
[0022] 典型的には、モレキュラーシーブ生成物は、溶液中で形成される。得られたモレキュラーシーブは、標準的な手段、例えば遠心分離または濾過によって回収できる。生成物は、洗浄し、同じ手段で回収し、そして乾燥させることもできる。
【0023】
[0023] 反応混合物は、1種以上のテンプレートを含むことができる。テンプレートは、薬剤を誘導または薬剤に作用する構造であって、典型的には窒素、燐、酸素、炭素、水素またはそれらの組み合わせを含み、また、少なくとも1つのアルキル基またはアリール基を含むこともできる。前記アルキル基またはアリール基中には1〜8個の炭素が存在する。
【0024】
[0024] シリコアルミノホスフェートモレキュラーシーブは、典型的には、他の材料と混合される(すなわち、ブレンドされる)。ブレンドした場合、得られる組成物は、典型的にはSAPO触媒と称され、その触媒は、SAPOモレキュラーシーブを含む。
【0025】
[0025] モレキュラーシーブとブレンドできる材料は、様々な不活性または触媒活性な材料、または様々なバインダー材料であることができる。それらの材料は、浸出し、触媒を汚染するそれらの材料の使用を避けながら、カオリンおよび他のクレーのような組成物、様々な形態の希土類金属、金属酸化物、他の非ゼオライト触媒成分、ゼオライト触媒成分、アルミナまたはアルミナゾル、チタニア、ジルコニア、マグネシア、トリア、ベリリアまたはシリカまたはシリカゾル、およびそれらの混合物を含む。これらの成分は、特に触媒に掛かる総コストを減らし、再生中に触媒を遮熱する場合に役立つサーマルシンクとして作用し、触媒の密度を高め、そして触媒強度を上げるのに有効でもある。
【0026】
[0026] 他の触媒は、オレフィンを製造する他のプロセスで使用される。オレフィン製造で有用な触媒の1つの組は、ゼオライトである。ゼオライトは、共有されている酸素原子によって結合されたAlOおよびSiO四面体の網状構造を形成する錯体結晶性アルミノシリケートである。四面体の陰電荷は、アルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンのようなカチオンを含有することによりバランスされる。いくつかのゼオライトの製造では、非金属カチオン、例えばテトラメチルアンモニウム(TMA)またはテトラプロピルアンモニウム(TPA)が、合成中に存在する。結晶網目構造によって形成される格子間空間又はチャンネルにより、ゼオライトは、分離法におけるモレキュラーシーブとして、化学反応用触媒として、そして、多種多様な炭化水素転化法における触媒担体として使用できる。
【0027】
[0027] ゼオライトは、シリカと任意にアルミナを含む材料、およびシリカとアルミナ部分が他の酸化物によって全部または部分的に置換された材料を含む。例えば、酸化ゲルマニウム、酸化錫及びそれらの混合物は、シリカ部分を置換することができる。酸化硼素、酸化鉄、酸化ガリウム、酸化インジウム及びそれらの混合物は、アルミナ部分を置換することができる。特に明記しない限り、本明細書で使用される「ゼオライト」および「ゼオライト材料」という用語は、その結晶格子構造中に珪素原子および任意にアルミニウム原子を含む材料のみならず、前記の珪素およびアルミニウム原子の代わりに適当な置換原子を含む材料も意味している。
【0028】
[0028] 触媒組成物は、モレキュラーシーブを、重量を基準として、好ましくは1%〜99%、より好ましくは5%〜90%、そして最も好ましくは10%〜80%含む。
【0029】
[0029] 触媒を様々な処理に暴露して、望ましい物理的および化学的特性を持たせることができる。そのような処理としては、水熱処理、焼成、酸処理、塩基処理、粉砕、ボールミル粉砕、研削、噴霧乾燥、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、必ずしもそれらに限定されない。
【0030】
[0030] 本発明の一つの実施態様では、酸素化物、そして任意に、酸素化物と別々に加えられまたは混合される希釈剤または炭化水素を含む供給原料を、反応ゾーンまたは反応容積において、SAPOモレキュラーシーブを含む触媒と接触させる。前記接触が起こる容積は、本明細書では「反応器」と呼び、そして、それは、「反応器装置」または「反応系」の一部分であってもよい。反応系の別の部分は、オレフィン転換反応から生じる触媒上の炭素質沈着物(またはコークス)が、触媒を再生媒体と接触させることによって除去される容積を含む「再生器」であってもよい。
【0031】
[0031] 本発明のオレフィン生成物を製造する方法は、炭化水素から、例えばオイル、石炭、油砂、頁岩、バイオマスおよび天然ガスから、これらの組成物を製造することを含むことができる。組成物を作る方法は、当業において公知である。これらの方法は、合成ガスを作り、次いで、その合成ガスをアルコールまたはエーテルへと転化させるアルコールまたはエーテルへの発酵を含む。合成ガスは、公知の方法によって、例えば水蒸気改質、自己熱改質および部分酸化によって製造することができる。
【0032】
[0032] 酸素化物を軽質オレフィンへと転化させる方法に関連させて本発明を実行することに加えて、本発明は、中重量C〜Cオレフィンを含むオレフィン供給流を、軽質オレフィン、すなわちC〜Cオレフィンを含む分解生成物流へと接触転化させることを含むオレフィン分解法において有用である。オレフィン供給流は、流動接触分解(FCC)生成物流のミッドカット(mid−cut)、すなわちC〜C範囲から、または、望ましい中間重量範囲において大量のオレフィン種を含む水蒸気分解炉のC〜C流から得ることができる。更に、Markerによる米国特許第5,914,433号にて説明されているようにシリコアルミノホスフェートモレキュラーシーブ触媒によって酸素化物を軽質オレフィンへと転化させるMTOユニットからのC生成物も、軽質オレフィンへの総プロセス選択率を向上させるために充分に役立つと考えられる。全プロセスのための軽質オレフィン生成物の収量の増加は、オレフィン分解反応器へとC〜C中オレフィンを送ることによって提供される。運転条件にしたがって、中重量オレフィンは、C〜C−Cオレフィンであってもよい。
【0033】
[0033] オレフィン分解に適する触媒は、ゼオライト、シリカライトまたはMFIファミリーの他のシリケートであることができるMFIファミリー、または、ゼオライトまたはMELファミリーの他のシリケートであることができるMELファミリーを含む。
MFIシリケートの例は、ZSM−5およびシリカライトである。MELゼオライトの例は、当業において公知のZSM−11である。他の例は、International Zeolite Association (ATLAS OF ZEOLITE STRUCTURE TYPES,1987,Butterworths)に記載されているBoralite Dおよびシリカライト−2である。本出願にとって好ましい結晶性シリケートは、10個の酸素環によって画定された細孔またはチャンネル、および高い珪素/アルミニウム原子比を有する。
【0034】
[0034] 適当なオレフィン分解プロセス条件としては、400°〜600℃、好ましくは520°〜600℃、なおより好ましくは540°〜580℃の入口温度および絶対圧10〜202kPa、好ましくは50〜152kPaのオレフィン分圧が挙げられる。供給オレフィンは迅速に異性化し、生成物分布は熱力学的平衡のそれに近づく。オレフィン接触分解は、結合破壊を経てより短い分子をもたらすプロセスを含むと理解できる。
【0035】
[0035] 高いケイ素/アルミニウム比を有する結晶性シリケート触媒は、オレフィンの重量を基準として20〜50重量%の高いプロピレン収量を有する安定なオレフィン転化率を達成できる。本発明の接触オレフィン分解法で使用するための高ケイ素/アルミニウム原子比を有するMFI触媒は、市販されている結晶性シリケートからアルミニウムを除去することによって製造できる。典型的な市販されているシリカライトは、約120の珪素/アルミニウム原子比を有する。市販されているMFI結晶性シリケートは、結晶性シリケート骨格の四面体アルミニウムを減らし、そしてそのアルミニウム原子をアモルファスアルミナの形態で八面体アルミニウムへと転化させるスチーミング法によって改質できる。スチーミング工程では、アルミニウム原子は結晶性シリケート骨格構造から化学的に除去されてアルミナ粒子を形成するが、それらの粒子は、骨格中の細孔またはチャンネルの部分的な閉塞を引き起こす。これは、オレフィン分解プロセスを妨害する。而して、スチーミング工程の後、この方法で使用される結晶性シリケートは、アモルファスアルミナが細孔から除去され、そしてミクロ細孔容積が少なくとも部分的に回復される抽出工程に暴露される。水溶性アルミニウム錯体の形成による細孔からのアモルファスアルミナの浸出工程による物理的除去によってMFI結晶性シリケートの脱アルミニウム化の総合的効果が得られる。MFI結晶性シリケート骨格からアルミニウムを除去し、次いで、それらから形成されたアルミナを細孔から除去することによる、この方法では、触媒の細孔表面全体にわたって実質的に均質な脱アルミニウム化を達成することを意図している。これにより、触媒の酸性度は低下し、それにより、分解法において水素転移反応の発生が減少する。酸性度の低下は、理想的には、結晶性シリケート骨格中に画定されている細孔全体にわたって実質的に均一に起こる。これは、オレフィン分解法では、炭化水素種は細孔中に深く入ることができるからである。而して、酸点密度の減少、および而してMFI触媒の安定性を低下させると考えられる水素転移反応の減少が、骨格における細孔構造全体にわたって進む。骨格の珪素/アルミニウム比は、供給原料コストおよび資本/用役費を含むいくつかのパラメータにしたがって広い範囲にわたって望み通りに調整できる。
【0036】
[0036] 酸点を有する触媒では、時間の経過とともに触媒の段階的な失活が起こり得ることが観察されてきた。特に、その種の失活は、オレフィン分解、メタノールからオレフィンへのプロセス、そしてナフサ分解プロセスで観察された。シリカまたは他の汚染物質を減らすための耐熱ライニングの効果を測定するために使用されたスクリーニングテストは、以下の通りであった:すなわち、直径7/8インチのチューブを使用し、まず最初に、35グラムの粉砕された耐熱材(6〜10メッシュ)の層、次いで、5グラムの球状ガンマアルミナ(Al2O3)の層を、材料が直接接触または混合しないように、前記チューブに配置した。実験結果は、控え目な評価であると考えられる。なぜならば、耐熱材の粉砕に起因して、条件は、耐熱ライニングが無傷である反応器の場合に比べて、より過酷であるからである。機能反応器(functioning reactor)では、シリカのみが、水蒸気に暴露され且つ充分な温度まで加熱される耐熱材部分から失われる。
【0037】
[0037] 試験手順は、空気/水蒸気混合物をチューブに通すことから成っていた。まず最初に耐熱材上に、次いでアルミナ上に通した。次いで、アルミナ上のシリカ堆積を測定した。特に明記しない限り、蒸気流量は400グラム/時であった。試験の大部分は、ほぼ反応器運転温度の460℃で、そして運転圧力の138kPaを充分に超える1103kPaで実施した。殆どの試験の継続時間は50時間であった。しかしながら、暴露時間の効果をより良好に測定するために、耐熱材のいくつかのサンプルは24〜100時間試験した。時間と共に、試験温度および試験圧力の効果を更に評価するために、いくつかのサンプルを、460℃または650℃において、50時間または100時間、414kPaで試験した。各試験の前に、耐熱材およびアルミナの珪素含量を測定した。試験結果が分子の実際の形態から影響を受けていないと考えられるように珪素を測定した。試験後、アルミナの珪素含量を再び測定した。その差は、試験中に増加した量である。
【0038】
[0038] 試験した材料、試験条件および結果は表1に示してある。データから、シリカ喪失の速度および潜在的可能性は、存在するシリカの量に部分的に左右されることが分かる。シリカ含量が低い材料は、あまり多くのシリカを失わないが、シリカ含有がかなり高い材料が、必ずしも高い割合でシリカを失うわけではない。シリカは、いくつもの異なる形態(そのいくつかは他の形態に比べて試験条件下でより浸出する可能性がある)で存在できるので、初期のシリカ含量は、触媒上へのシリカ堆積量と相関はない。「遊離」シリカは失われるが、「結合(tied)」シリカは失われない。いくつかのシリカは、凝集粒状体の内部に存在し、水蒸気に暴露され、そして浸出する可能性が低い。微粉は、得られたセメントゲル中に拘束されており、而して、喪失の可能性に影響を及ぼすので、耐熱材の水和および/または焼成は、遊離シリカの量を減らすこともできる。而して、指標であるとはいえ、初期シリカ含量だけでは、シリカが耐熱材から浸出する尤度を判定するには充分ではない。
【0039】
【表1】

【0040】
[0039] 80%のシリカライト(ペンタシル型ゼオライト、Si/Al比200)および20%のシリカバインダーであるオレフィン分解触媒を、異なる時間、反応器において、585℃で1%水蒸気/Nでスチーミングに暴露した。1.7%の水蒸気、Hキャリヤーガス、および650℃の温度を含む他の条件も試験した。触媒は、次の条件下で:すなわち、イソブチレン40%/イソブタン60%の供給原料、585℃の入口温度、48.3kPaの圧力、および16hr−1LHSVの供給量で試験した。触媒に関する問題が、触媒のいくらかの分解時に存在する場合に予期されるように、例えばゼオライト脱アルミニウム化が起こった場合に予期されるように、触媒が失活したとき、失活速度は、減速しなかった(すなわち、0と14、14と28、そして28と42日間の差分は減少しなかった)。石英の非存在下で、スチーミングが金属反応器で行われたとき、他の失活機構(単数または複数)が触媒性能の悪化に関与し得るとき、結果は全く異なった。同様の条件下で、ほんのわずかな失活が、14日間と27日間のスチーミングで観察された。第二実験の水蒸気のパーセントはいくらかより低かったとしても(すなわち、−0.7%対1.0%)、この差は、有意ではなく、また、改良された安定性の主要な寄与因子ではなかったと考えられる。
【0041】
[0040] 反応器中に石英およびチップまたはグラスウールのような他の石英含有材料の存在は、触媒の失活における最も重要な因子であることを見出した。しかしながら、結晶性石英とは違って、アモルファスシリカは、触媒損傷を引き起こさないことを見出した。この結論は、失活が起こらなかった触媒は、オレフィン分解反応で使用され、バインダーとしてアモルファスシリカを含有していたという観察によって支持された。石英気化の負の効果は、酸点の数が多い触媒を除けば、オレフィン分解触媒として、酸点の数が少ない触媒に関してより大きく現れた。前記効果は、重要性は低く、無いこともある。アンモニアTPD(昇温脱離)(表2)による、第一スチーミング実験で失活させた触媒の特性評価では、ブレンステッド酸点の数の連続的な減少が認められた。而して、触媒試験とアンモニアTPDとの間の良好な相関が証明された。
【0042】
[0041] 第二の実施例は、520°〜720℃での石英反応器における再生中のMTO触媒の実質的な損傷を記載している。表2には特性評価データがまとめてある。720℃で再生されたサンプルは、20〜100オングストローム領域のメソポロシティーのほぼ全てを失った。XPSは、表面Si/Al比が大きく増加したことを示し、また、SEM顕微鏡写真(図示せず)は、触媒表面上におけるコーティングの出現を示した。いくつかの石英反応器の検査からは、予熱セクションにおけるシリカ浸食の明確な徴候が認められ、シリカ汚染源が確認された。
【0043】
[0042] 本発明の実施では、水蒸気の存在下での早発性の固体酸触媒の失活防止は、スペーサ、触媒担持材、反応器ライナー、および反応器内の他の材料のための材料を注意深く選択することによって、達成できる。石英および結晶性シリカの他の形態の使用は、水蒸気の存在が予期される場合には特に制限すべきである。
【0044】
[0043] 第3の実施例は、メタノールからオレフィンを合成するSAPO−34触媒とスプレー乾燥された燐酸アルミニウムとを混合することの有害作用を記載している。
用いた試験条件下でMTO触媒単独では、4.6時間の寿命を示した(供給原料に関して99%転化率になるまでの時間)。触媒をスプレー乾燥燐酸アルミニウム材料と混合すると、触媒の寿命はわずか0.5時間であった。燐酸アルミニウムから触媒への燐の移行が起こり、その結果として、触媒上の酸点が被毒した。試験条件は、表2に示した条件を含んでいた:
【0045】
【表2】

【0046】
[0044] 第4の実施例は、オレフィン分解触媒に関する珪素の負の効果を確認する。一連の珪素堆積実験は、以下の方法で行った。ヘキサメチルシクロトリシロキサン(HMCTS)を、典型的なオレフィン分解供給原料(すなわちFCC LCN、軽質分解ナフサ)に加えた。0.1重量%および1.0重量%のSi(珪素として)が4時間の運転中にOCP触媒上に堆積するように(OCP触媒上にHMCTSが100%吸着されると仮定する)、HMCTSの量を計算した。供給原料中のHMCTS濃度は、それぞれ0.1および1.0%の珪素堆積のために珪素として28および280ppmであった。加える供給原料を、次の条件:すなわち、温度570℃、圧力48.3kPa、WHSV8.8hr−1でOCP触媒上に通した。珪素堆積後に、サンプルを、赤外分光法(IR)で調べた。特徴的なSi−CHバンドが欠如しているということは、HMCTSが580℃で部分的にまたは完全に分解したことを示している。シリカへのHMCTS分解を完了するために、焼成工程は、585℃で空気/窒素混合物を使用した。堆積/焼成後に触媒表面上に存在する珪素の定量的評価は難しい。なぜならば、化学分析の観点からすると、OCP触媒は99%シリカであるので、堆積/焼成による少量のシリカの増加によってその化学的組成は変化しないと考えられるからである。珪素堆積の損傷効果に関する評価は、パイロットプラント試験を使用して、次の条件:すなわち、イソブチレン40%/イソブタン60%の供給原料、585℃の入口温度、48.3kPaの圧力、および13.5hr−1WHSVの供給量で行った。表3に示してあるデータは、新鮮な触媒を使用した比較実験を含んでいる。数は、20時間運転ごとの平均である。転化率およびプロピレン/エチレン収率が減少するので、珪素がOCP触媒に関して損傷効果を有することは明らかである。収率低下の程度は、堆積した珪素の量と相間がある。すなわち、ずっと大きい触媒の失活は、0.1%の堆積に比べて、珪素が1%堆積した触媒に関して観察された。
【0047】
【表3】

【0048】
[0045] 本発明の実施では、汚染物質に暴露されても、触媒上の活性部位の好ましくは少なくとも60%は保持され、より好ましくは触媒活性部位の少なくとも75%は保持され、よりより好ましくは触媒活性部位の少なくとも90%は保持され、そして最も好ましくは触媒活性部位の少なくとも95%は、保持され、そして、触媒を2年間使用した後でも汚染物質によって被毒しない。同様に、表4の数値に関しては、「最も好ましい」は触媒活性部位95%保持に相当し、「より好ましく」は90%保持(すなわち、数値は二倍大きい)に相当し、そして「好ましい」は70または60%保持に相当している。本発明の実施では、触媒上の触媒活性部位の95%は、2年間の使用後に保持されていなければならない(すなわち被毒していてはいけない)。3つの汚染物質は、これらの実施例および2つの異なる反応、すなわちオレフィン分解触媒およびメタノールからオレフィンを合成する触媒では、燐、シリカおよびナトリウム(前者2つに関して、活性種の性質は、正確に分かっておらず、而して、それらは、燐および珪素としてカウントした)であると考えた。オレフィン分解触媒は、メタノールからオレフィンを合成する触媒に比べて、有意に触媒活性部位が少ない。接触ナフサ分解でも、触媒活性部位の数は少ない。典型的な触媒は、表4に示してある量の汚染物質/毒に暴露されることによって有意に影響を受けることが計算された。
【0049】
【表4】

【0050】
[0046] 使用する許容可能な耐熱材を決定する別の方法は、次の通りである:すなわち、最初に耐熱材を粉砕し、次いで3.5〜8メッシュ部分を篩分けすることによって耐熱材サンプルを調製する。次いで、サンプルを脱イオン水(100gの耐熱材/1 L DiHO)に浸漬し、そして、それを超音波浴で60分間処理する。次いで、そのサンプルを濾過して水を除去し、そして一晩(15時間)120℃で乾燥させる。スチーミング手順は、まず最初に、米国ウエストバージニア州ハンチントンにあるSpecial Metals Corporationによって製造された、Incoloy 600のようなニッケルクロム合金で作られたスチール製反応器の底に、5グラムの低シリカ含有ガンマアルミナ(<150ppmのSi、<10ppmのP、<50ppmのNa、<10ppmのCa、<10ppmのMg)を充填することを含む。次いで、40グラムの前記の処理した耐熱材を、ガンマアルミナ上に装填する。次いで、その耐熱材を、650℃、0kPa、100g/時の水添加、250cc/分のNで100時間スチーミングする。次の工程は、スチーミング後に、Nによるパージによってサンプルを乾燥させることを含む分析プロセスである。次いで、サンプルを冷却し、そして、ガンマアルミナ中に耐熱性粒子が存在しないように注意して慎重に耐熱材とガンマアルミナを分離する。ガンマアルミナを、Siおよび他の元素汚染を防止するために炭化硼素製の乳鉢および乳棒を使用して微粉となるまで粉砕する。次いで、その粉砕したガンマアルミナサンプルをICP分析(Si、P、Na、CaおよびMg)に送る。サンプル分析を出発ガンマアルミナのサンプルに関して行い、そして、スチーミング前後の差を計算する。
【0051】
[0047] この実験は、市販の耐熱材(ペンシルバニア州にあるResco Productsから市販されているResco AA−22Sまたはオハイオ州にあるVesuviusから市販されているActchem 16344CA)とSAPO−34触媒とを混合する工程を含む。3つの触媒サンプルを使用した。第一実施例では、サンプルAと称する25グラムのスプレー乾燥MTO触媒を、650℃、414kPaおよび100gのHO/時で100時間スチーミングした。サンプルBは、5グラム(40〜60メッシュ)の市販の耐熱材(オハイオ州にあるVesuviusから市販されているActchem 16344CA)と混合された25グラムのスプレー乾燥MTO触媒であって、650℃、414kPaおよび100g HO/時で100時間スチーミングした。
サンプルCは、5グラム(40〜60メッシュ)の市販の耐熱材(Resco Products,PA,OHから市販されているResco AA−22S)と混合された25グラムのスプレー乾燥MTO触媒であって、650℃、414kPaおよび100g HO/時で100時間スチーミングした。
【0052】
[0048] 篩分けによって触媒を耐熱材から分離した後に、サンプルA、BおよびCを、表2と同じ条件で標準のパイロットプラントで性能試験した。
[0049] 3つの触媒の性能は以下に記載してある。HOSは、99%(CHOH + CHOCH)転化率になるまでの時間を表している。各成分の選択率は、99%(CHOH + CHOCH)の転化率において記録してある。
【0053】
【表5】

【0054】
[0050] 上記データから、MTO触媒に市販の耐熱材を混合すると、MTO触媒が損傷しないことが分かる。これらの耐熱材は、Si、P、Na、CaまたはMgの浸出速度が低い。
【0055】
[0051] ここまで本発明を充分に説明してきたが、本発明は、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、請求の範囲において、広範なパラメーターで実施できることは当業者によって了解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
反応ゾーン内の表面または内容物からの触媒汚染物質の堆積が触媒の活性を損なわないレベルまで低減されている該反応ゾーン中触媒環境を提供する工程を含む、オレフィン製造用触媒の酸性触媒部位を維持する方法。
【請求項2】
該汚染物質が、燐、珪素、アルカリ金属およびアルカリ土類金属から成る群より選択される請求項1記載の方法。
【請求項3】
該反応ゾーンが複数の反応器表面内に含まれていて、そしてその場合、該反応器表面が、該反応ゾーンの運転条件下で該汚染物質の喪失に対して抵抗性がある耐熱材を含んでいる請求項1記載の方法。
【請求項4】
該反応ゾーンが、メタノールからオレフィンへの転化、オレフィン分解および触媒ナフサ分解のための反応ゾーンから成る群より選択される請求項1記載の方法。
【請求項5】
該触媒が、少なくとも60%の触媒活性を保持する請求項1記載の方法。
【請求項6】
該触媒が、少なくとも95%の触媒活性を保持する請求項1記載の方法。
【請求項7】
温度350°〜650℃における反応ゾーンの運転を含む反応条件下で酸触媒を使用するための該反応ゾーンであって、そしてその場合、該反応ゾーンが少なくとも1つの反応器を含み、そしてその場合、該反応器表面が、珪素、燐、アルカリ金属および アルカリ土類金属から成る群より選択される触媒汚染物質の喪失に対して抵抗性がある材料を含んでいる前記反応ゾーン。
【請求項8】
該材料が、650℃、0kPa、100g/時の水添加、250cc/分の窒素で100時間スチーミングに暴露されるとき、該材料から、20,000ppm未満の珪素、1,000ppm未満の燐、1,000ppm未満のナトリウム、500ppm未満のマグネシウムおよび500ppm未満のカルシウムが浸出する請求項7記載の反応ゾーン。
【請求項9】
該材料が、650℃、0kPa、100g/時の水添加、250cc/分の窒素で100時間スチーミングに暴露されるとき、該材料から、1,000ppm未満の珪素、10ppm未満の燐、10ppm未満のナトリウム、5ppm未満のマグネシウムおよび5ppm未満のカルシウムが浸出する請求項7記載の反応ゾーン。
【請求項10】
該反応ゾーンが、該触媒汚染物質の喪失に抵抗性があるするセラミック材料を含む請求項9記載の反応ゾーン。

【公表番号】特表2008−544855(P2008−544855A)
【公表日】平成20年12月11日(2008.12.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−520265(P2008−520265)
【出願日】平成18年6月26日(2006.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2006/024816
【国際公開番号】WO2007/005374
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(598055242)ユーオーピー エルエルシー (182)
【Fターム(参考)】