説明

搬送コンベヤ装置

【課題】搬送装置内へのダスト侵入を防止可能とした搬送コンベヤ装置の提供。
【解決手段】搬送路に沿って設置されるコンベヤボックス2と、コンベヤボックス2内に設置され搬送路に沿って移動可能な搬送チェーン3と、基端部が搬送チェーン3に設置され他端がコンベヤボックス2から突出してワークWを支持可能であり搬送チェーン3の移動に伴って搬送移動可能なワーク支持部4と、ワーク支持部4の搬送移動を可能とするようコンベヤボックス2に設ける案内溝とからなる搬送コンベヤ装置において、所定間隔を持ってエア噴出口が穿設され供給されるエアをエア噴出口から噴出可能なエアシール管5が、コンベヤボックス2内の案内溝両側に配管設置され、エアシール管5のエア噴出口は案内溝からコンベヤボックス2外方に向かってエアが噴出するように穿設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、自動車工場内の流れ作業等に於いて順次塗装等の作業が行われるワークを搬送するための搬送コンベヤ装置に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車工場などの流れ作業を行う各工程では、ワークを順次作業させる作業ブースに搬送し、各ブース内での作業を行い次の作業ブースへと搬送しなければならない。これを実現するために、下部に搬送チェーンを設け上部にワークを設置して搬送させる支持部を設けた搬送コンベヤが用いられる。
【0003】
以下に従来の搬送コンベヤを説明する。図7は従来の搬送コンベヤを表す斜視説明図であり、図8は断面説明図であり、図9は従来の搬送コンベヤを表す側面説明図である。
100は搬送コンベヤ装置である。搬送コンベヤ装置100は、搬送させるためのチェーンベルト部101と、チェーンベルト部101の所定位置に固定されるワーク支持部102と、搬送路上に展開されるチェーンベルト部101を納めるコンベヤボックス103とからなる。
【0004】
コンベヤボックス103は、作業空間が密閉される塗装工程を例に説明すると、プライマー工程を行うプライマーブース、ベース塗装工程を行うベースブース、クリアー塗装工程を行うクリアーブースの各ブースをワークWが順次通過するように設置されて各工程終了後に乾燥炉へワークWを搬送するように設置される。コンベヤボックス103は、この従来例では作業の邪魔にならないように床下に設置し、ワーク支持部102が上方に突出できるよう上部に案内溝104を搬送路に沿って開口し、ワーク支持部102が移動可能としている。
チェーンベルト部101は、コンベヤボックス103内に設置され、コンベヤボックス103内ではチェーンベルト部101が工程を一周するように設けられている。
ワーク支持部102は、図7乃至図9に表すように、基端部がチェーンベルト部101と着脱自在であると共にコンベヤボックス103内のチェーンベルト部101上部に設置される搬送レール107に案内された移動可能な搬送台車105を構成しチェーンベルト部101に所定間隔を持って設置される。そして、搬送台車105からは、案内溝104から上部に突出するように支持部106を設ける。このように構成するワーク支持部102は、流れ作業の各工程が終了すると搬送台車105がチェーンベルト部101から離脱して回収可能に設けてある。ワーク支持部102は、各ブース内での作業が可能な高さとなるように設けてあり、先端部には搬送するワークWに合わせた支持治具が取り付けてありワークWを支持可能である。
【0005】
そして、チェーンベルト部101が駆動されて案内溝104に沿ってワーク支持部102が移動して行く。
各ブース内では、それぞれの作業工程が行われるので、搬送コンベヤ装置100は各工程で行われる作業が終了するまでワークWがブース内に位置しているようにタクト制御によって自動的に移動制御が行われるので、ワークWはそれぞれのブースでの作業が順次行われて行くこととなる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記従来搬送コンベヤ装置100では、各ブース内で作業が行われる際にブース内で発生するダストが案内溝104からコンベヤボックス103内に入り込むため、コンベヤ内に汚れが発生し製造効率と品質が低下しコンベヤボックス103内の清掃頻度が高くなってしまうという問題点を有した。
【0007】
そして、該清掃作業には、作業費用がかかり、複数の塗装工程を行う塗装ブースでは、塗料ダストの清掃作業に年間で1000万円以上の費用が必要となってしまい清掃コストの負担が問題となっていた。
【0008】
そこでこの発明は、上記問題点に鑑み、コンベヤボックス103内にダストが入り込み難い搬送コンベヤ装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
そこでこの発明では、コンベヤボックス内にダストが入り込み難くするために、
【0010】
搬送路に沿って設置されるコンベヤボックスと、コンベヤボックス内に設置され搬送路に沿って移動可能な搬送手段と、基端部が搬送手段に設置され他端がコンベヤボックスから突出してワークを支持可能であり搬送手段の移動に伴ってワークを搬送移動可能なワーク支持部と、ワーク支持部の搬送移動を可能とするようコンベヤボックスに設ける案内溝とからなる搬送コンベヤ装置において、
供給されるエアをエア噴出口から噴出可能なエア噴出口を所定間隔に穿設するエアシール管がコンベヤボックス内の案内溝両側に配管設置され、エアシール管のエア噴出口は案内溝からコンベヤボックス外方に向かってエアを噴出するように穿設することを特徴とする搬送コンベヤ装置、
【0011】
を提供する。従って、搬送コンベヤ装置では、エアシール管が案内溝両側に配管設置されているので、エアシール管に供給されるエアがエアシール管に穿設したエア噴出口から噴出する。エア噴出口が案内溝からコンベヤボックス外部へ噴出するように穿設されているので、噴出するエアは案内溝からコンベヤボックス外部へと噴出される。
【発明の効果】
【0012】
従ってこの発明によれば、搬送コンベヤ装置のコンベヤボックス内に設けたエアシール管から噴出するエアが、コンベヤボックス内部から外部へと噴出するので、案内溝にエアシールを形成することとなり、コンベヤボックス内へのダストの進入を大幅に削減できるというこの発明特有の効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
塗装ブースのある搬送路に沿ってコンベヤボックスを設置する。コンベヤボックスは、断面形状が四角形を成し、四角形の上辺中央に案内溝を穿設した形状であり、案内溝を穿設した上面が搬送路の床面と同レベルになるように床下に設置される。従って、塗装ブースを含む搬送路の床面には案内溝が搬送路に沿って穿設された状態となる。
搬送手段は、コンベヤボックス内の案内溝下部に設置されており、案内溝と同じ搬送路を移動可能である。そして、搬送手段である搬送チェーンの所定位置には、ワーク支持部を取り付けてある。ワーク支持部は、基端部側が搬送チェーンに係止され、他端が案内溝から外部へ突出され、その先端にワーク取り付け治具を設けてなる。そして、ワーク支持部は搬送チェーンの移動に伴い移動される。
【0014】
コンベヤボックス内部の案内溝両側には、ワーク支持部に当接しないように案内溝に沿ってエアシール管を配管する。エアシール管の配管は、ダストがコンベヤボックス内に侵入する塗装ブース内に設置する。エアシール管にはエアを供給するエアコンプレッサや圧力調整弁等からなるエア系統が接続され、0.4MPのエアが供給される。
更にエアシール管には、直径1.5mmのエア噴出口を50mm毎(ピッチ50mm)にエアシール管の長手方向に直線上となるよう穿設する。
このようにエア噴出口を穿設したエアシール管の配管は、案内溝の両側で対向するそれぞれのエアシール管に設けたエア噴出口が交互に位置するように25mmずつずらして設置する。これにより、エア噴出口の穿設ピッチは両エアシール管で25mmピッチとなる。また、エアシール管に穿設するエア噴出口は、対向設置するエアシール管に向け斜め上方となるように位置させる。
【実施例1】
【0015】
以下に、この発明の実施例を図面に基づき説明する。図1はこの発明の実施例を表す斜視説明図であり、図2は図1における縦断面の説明図であり、図3は図2の一部拡大説明図であり、図4は作業工程全体の説明図であり、図5はエア系統の説明図であり、図6はエアシール管の設置説明図である。
【0016】
1は搬送コンベヤ装置である。搬送コンベヤ装置1は、工場等の床面内に設置されるコンベヤボックス2と、コンベヤボックス2内に設けられ搬送路に沿って搬送可能な搬送手段である搬送チェーン3と、搬送チェーン3の所定位置に設置されワークWを支持可能なワーク支持部4と、コンベヤボックス2内の搬送路となる長手方向に沿って設置されるエアシール管5とからなる。
【0017】
搬送コンベヤ装置1は、図4に表すように、この実施例では組み立て工場内の3つの塗装ブースB1乃至B3を経由するワークWの搬送路を構成するように延設する。そして、搬送コンベヤ装置1は、図1あるいは図2に表すように、工場の床面F下部に設置し、ワーク支持部4が床面Fから上方へ立設された状態に設ける。尚、図4におけるB1はプライマーブースであってプライマー塗装工程であり、B2はベース塗装ブースであってベース塗装を施す工程であり、B3はクリアーブースであってクリアー塗装を施す工程である。そして、各ブースB1乃至B3はビニールカーテンなどで形成する入口と出口を有する閉塞空間で構成されており、内部には塗装ロボット等の作業ロボットRが設置されている。そして、ワークWが搬送コンベヤ装置1によって順次各ブースB1乃至B3を経て各ブース内での処理を行った後、乾燥炉B4へと搬送されることとなる。
尚、この実施例では搬送コンベヤ装置1は床面Fの下部に設置されるが、床面F上や中空あるいは天井から吊り下げるようにして設置する等他の位置に設置してもよい。
【0018】
搬送コンベヤ装置1は、コンベヤボックス2を搬送路に沿って設置する。コンベヤボックス2は、図2や図3に表すように、縦断面形状が四角形であり、床面F側となる上面には案内溝21を穿設してなる。従って、案内溝21は搬送コンベヤ装置1を設置した搬送路に沿って長く穿設される。そして、コンベヤボックス2内には、ワーク支持部4を案内する搬送レール6が敷設される。
【0019】
搬送チェーン3は、コンベヤボックス2内に延設し、各作業工程を一周するようにループ状に設置する。そして、搬送チェーン3の所定箇所にワーク支持部4を立設固定する。搬送チェーン3に固定するワーク支持部4は着脱が可能であり、予めワークWが取り付けられたワーク支持部4が搬送チェーン3の移動に伴って移動される。そしてやがて図4に表すように、準備位置Cに到達し、搬送路に沿って順次プライマーブースB1、ベース塗装ブースB2、クリアーブースB3を経由して乾燥炉B4へと搬送される。そして、乾燥炉B4において乾燥終了後にワークWが取り外される。
【0020】
ワーク支持部4は、基端部が搬送チェーン3と着脱自在であると共にコンベヤボックス2内の搬送チェーン3上部に設置される搬送レール6に案内されて移動可能な搬送台車41を構成し、他端が案内溝21から上方へ突出するように設置されて支持部42を構成し、支持部42にはワークWを支持するための治具が取り付けられている。ワーク支持部4の基端部である搬送台車41は、詳説しないが、ワーク支持部4がワークWを支持した状態で搬送する際にぐらつかないようにプレートを固定し、コンベヤボックス2内に設置する搬送レール6に案内されて容易に移動可能とするローラを取り付けて構成する。
また、各ブースB1乃至B3の入口直前と出口直後のコンベヤボックス2内には、移動するワーク支持部4が当接することでオンオフされる位置検出リミットスイッチSWが設置されている。この位置検出リミットスイッチSWは、搬送コンベヤ装置1の搬送動作を自動的に制御する制御装置と電気的に接続されており、搬送コンベヤ装置1の動作の自動制御に用いられる。尚、搬送コンベヤ装置1の動作の制御は、それぞれのブースB1乃至B3における作業に合わせて移動制御するものであり、従来から行われている方法と何ら代わりはないので詳説しない。また、図2中にSPで表すのはコンベヤストッパーであり、搬送台車41と搬送チェーン3との係止状態とさせるか離脱状態とさせるかを切り換える装置であり、やはり従来から行われている方法と何ら代わりはないので詳説しない。
【0021】
このように構成する搬送コンベヤ装置1は、従来から実施されているものと同様である。
そして、コンベヤボックス2内には、エアシール管5を設置する。エアシール管5は、各ブースB内での作業に於いて塗料ダスト等のダストが大幅に低減しコンベヤボックス2内に入り込まないようにエアシールを形成する目的で設置する。従って、この実施例では、図4に表すように、エアシール管5は各工程B1乃至B3内にのみ設置するが、搬送路を形成する搬送コンベヤ装置1全長にわたって設置してもよい。
エアシール管5は、各ブースB1乃至B3の入口から出口までの搬送経路長さからなり、一端にエア供給路A1が連結されてエア供給され、他端を閉塞して形成する。そして、エアシール管5の円筒面には複数のエア噴出口51を穿設する。エア噴出口51は、直径が1.5mmであり、エアシール管5の円筒面に一列に、且つ、50mm間隔で穿設する。
【0022】
このように構成するエアシール管5は、コンベヤボックス2内で案内溝21の両側に対向して設置する。その際、図6に表すように、対向するエアシール管5のエア噴出口51が交互に位置するように設置することで、両エアシール管5ではエア噴出口51がピッチ25mmに設けた状態となる。このようにエア噴出口51を相互にずらせて設置するのは、エアを案内溝21全体から極力均一に噴出させるためである。また、エアシール管5に穿設するエア噴出口51の穿設ピッチも同様にエアを極力均一に噴出させるためのピッチであり、これより細かなピッチで穿設してもよい。エアシール管5に穿設するエア噴出口51の穿設ピッチは、エアシール管5に穿設するエア噴出口51からの噴出エアによるミシン糸の浮き上がり確認をしたところ、ピッチ100mm間隔とした場合には、浮き上がらずに沈む箇所が隣接するエア噴出口51の中間部で発生し、ピッチ50mmとした場合には、全域にわたって浮き上がりが確認できた。しかしながら、ピッチ50mmの場合には、浮き上がり状態の均一性に欠け波があったため、対向設置するエアシール管5のエア噴出口51を交互になるよう25mmずらせて設置することで、更に均一に保つようにしている。尚、この実施例では、エアシール管5に供給するエアの圧力は0.4MPとしたが、供給するエアの圧力は適宜調整すれば足りる。
尚、この実施例では、エアシール管5の一端にエア供給路A1を連結してエア供給可能としたが、両端を閉塞して中間部にエア供給路A1を連結してエア供給可能に形成してもよい。
【0023】
そして、案内溝21の下部両側に設置するエアシール管5は、それぞれ対向するエアシール管5側へ水平方向から大凡35°の方向へエアが噴出するようにエア噴出口51を向けて固定設置する。このように固定設置することで、噴出するエアが案内溝21外部へ向かって噴出されるので、案内溝21外部からコンベヤボックス2内部への塗料ダストの侵入を防ぐことができる。
【0024】
エアシール管5へ供給するエアは、工場内のエアツール駆動用に用意されているコンプレッサーや調圧バルブ等を有する既存のエア系統から分岐して供給すれば足りる。例えば、図5に表すように、既存のエア系統から分岐した供給路A2を設け、供給路A2にレギュレータA3を設けて供給圧力にエア圧を調圧した後、電磁弁A4を介したエア供給路A1によってエアシール管5へエア供給する。尚、電磁弁A4は、搬送コンベヤ装置1の運転中であってブースB1乃至B3内での作業中に作動してエアの供給を行うように、搬送コンベヤ装置1を自動運転させるための搬送コンベヤ運転信号と同期させて制御している。勿論、搬送コンベヤ装置1の運転中に常にエアシール管5へエアを供給するように作動させてもよい。
【0025】
このように構成する搬送コンベヤ装置1の作用を説明する。
搬送コンベヤ装置1によってワークWがワーク支持部4に支持されながらプライマーブースB1へ侵入すると、ワークWに対してプライマー塗装が実行される。搬送コンベヤ装置1は、該工程に合わせて搬送速度の調整や停止・作動等を制御されながらプライマーブースB1内を移動する。このとき、プライマーブースB1入口直前のコンベヤボックス2には、同位置に達したワーク支持部4によってオン状態とされる位置検出リミットスイッチSWが設けてあり、該スイッチSWがプライマーブースB1内に侵入する直前のワーク支持部4によってオン状態とされ、これに連動するように制御されてエアをエア供給路A1へ供給する。このとき供給されるエアの圧力は、供給路A2から供給される高圧エアがレギュレータA3によって0.4MPに調圧されエア供給路A1へ供給されることとなる。
【0026】
エア供給路A1から供給されたエアは、エアシール管5に設けたエア噴出口51から噴出される。そして、それぞれのエアシール管5に穿設したエア噴出口51が、対向設置されるエアシール管5側の上方大凡35°に向けて噴出するように設置してあるので、噴出するエアは斜め上方へ向けて噴出されることとなり案内溝21から上方へ噴出され、エアシールを形成する。このとき、エアシール管5に穿設したエア噴出口51は50mmピッチであり、且つ、対向設置されたエアシール管5のエア噴出口51が25mmずれて位置しているので、噴出するエアは案内溝21の長手方向に亘ってほぼ均一に噴出される。
【0027】
そして、ワーク支持部4が移動を続けプライマーブースB1の出口から退出すると、退出位置のコンベヤボックス2内に設置してある位置検出リミットスイッチSWをワーク支持部4がオン状態とするので、該オン信号を受領した制御装置(図示せず)からの信号を電磁弁A4が受けてエア供給路A1へのエアの供給を停止する。
更にワーク支持部4が移動し、次のブースであるベース塗装ブースB2の入口直前に到着してベース塗装ブースB2へ侵入する際に、プライマーブースB1の入口直前同様にコンベヤボックス2内に設置した位置検出リミットスイッチSWをオン状態とするので、前記同様電磁弁A4が作動してエアの供給を行い、前記同様の作用をベース塗装ブースB2内でも行い、エアシール管5によるエアシールをコンベヤボックス2の案内溝21に形成することで、コンベヤボックス2内へのダストの侵入を防ぐ。
同様に、クリアーブースB3でもエアシール管5によるエアシールをコンベヤボックス2の案内溝21に形成することで、コンベヤボックス2内へのダストの侵入を防ぐ。
【0028】
尚、この実施例では搬送コンベヤ装置1を、搬送チェーン3を搬送手段として駆動することでワーク支持部4を搬送移動させる構成として説明したが、搬送手段はチェーンによるものに限らず、ベルトを用いての搬送や、施設したレール上を自走して搬送する自走式搬送手段としてもよく、搬送路を搬送移動可能であればどのような搬送手段によってもよい。また、この実施例では搬送コンベヤ装置1を床面に合わせて設置したものを説明したが、搬送コンベヤ装置1は天井から吊り下げて設置し、ワークWを吊り下げて搬送するような搬送コンベヤ装置等、種々の設置位置において実施することも可能である。更に、案内溝21も、この実施例ではワーク支持部4を上方へ立設させるように上面にのみ設けたが、例えば、天井面等から吊り下げる場合などに、ワークWを安定支持可能となるようコンベヤボックス2の異なる2箇所の面(左右面)からワーク支持部を突出させる場合には、案内溝21も2箇所(左右面)に設け、それぞれの案内溝21にエアシール管5を設置してエアシールを行うようにしても良く、コンベヤボックス2に設ける案内溝21に合わせて設置すれば足りる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
この発明は、自動車工場等の流れ作業を自動搬送装置によって行う搬送コンベヤ装置に実施可能であり、特に、搬送コンベヤ装置内にダスト等が入り込み易い塗装工程に設定される搬送コンベヤ装置に適用することが有効である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の実施例を表す斜視説明図
【図2】図1における縦断面の説明図
【図3】図2の一部拡大説明図
【図4】作業工程全体の説明図
【図5】エア系統の説明図
【図6】エアシール管の設置説明図
【図7】従来例を表す斜視説明図
【図8】図7における縦断面説明図
【図9】従来例を表す側面説明図
【符号の説明】
【0031】
A1 エア供給路
A2 供給路
A3 レギュレータ
A4 電磁弁
B ブース
B1 プライマーブース
B2 ベース塗装ブース
B3 クリアーブース
B4 乾燥炉
F 床面
1 搬送コンベヤ装置
2 コンベヤボックス
21 案内溝
3 搬送チェーン
4 ワーク支持部
5 エアシール管
51 エア噴出口
6 搬送レール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路に沿って設置されるコンベヤボックスと、コンベヤボックス内に設置され搬送路に沿って移動可能な搬送手段と、基端部が搬送手段に設置され他端がコンベヤボックスから突出してワークを支持可能であり搬送手段の移動に伴ってワークを搬送移動可能なワーク支持部と、ワーク支持部の搬送移動を可能とするようコンベヤボックスに設ける案内溝とからなる搬送コンベヤ装置において、
供給されるエアをエア噴出口から噴出可能なエア噴出口を所定間隔に穿設するエアシール管がコンベヤボックス内の案内溝両側に配管設置され、エアシール管のエア噴出口は案内溝からコンベヤボックス外方に向かってエアを噴出するように穿設することを特徴とする搬送コンベヤ装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate