説明

搬送システム、走行車

【課題】単数の測距装置で走行車の位置と姿勢を測定する。
【解決手段】ステーション110と、目標位置に目標姿勢で停止する走行車140と、荷物を移載する移載手段170とを備える搬送システム100であって、ステーション110と走行車140との距離を測定する測距手段141を単数と、測距手段141の測距対象となる第一測距部111、及び、第二測距部112と、第一測距部111との第一距離を取得し、走行車140を所定距離かつ所定方向に走行させ、第二測距部112との第二距離を取得する制御部151と、前記第一距離と前記第二距離とに基づき走行車140の目標姿勢からの傾きである傾き値を算出する算出部152と、傾き値に基づき移載手段170の移載条件を決定する移載条件決定部153とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、固定的な複数のステーションとこれらステーションの間で荷物を搬送する走行車と、ステーションと走行車との間で荷物を移載する移載手段とを備える搬送システムに関し、特に、走行車が走行する軌条のない搬送システムであって、荷物を正確な積載位置や正確な積載姿勢で移載する搬送システムに関する。また、前記搬送システムに使用される走行車に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動倉庫などにおいて荷物を搬入や搬出するような搬送システムの場合、次のような工程が採用されている。(1)ステーションに荷物が載置される。(2)当該ステーションの近傍に自律走行により到着した走行車に前記荷物が移載される。(3)走行車は、前記荷物を別のステーションにまで自律走行で搬送する。(4)別のステーションに走行車が到着し、荷物が移載される。
【0003】
以上のように、搬送システムにおいて走行車が自律走行する場合、倉庫全体における走行車の位置を走行車自身が認識するために、倉庫に位置を示す指標が分散状に設けられることがある。そして、指標と指標との間を走行車が走行する際は、走行車自身が有しているエンコーダを用いて自身の位置を認識している。
【0004】
従って、一のステーションから他のステーションに走行車が移動する場合、走行車は、前記指標でエンコーダのずれを補正しつつ正確に他のステーションの近傍で停止するものとなっている。そして、他のステーションと走行車との間で荷物が移載される。
【0005】
しかし、表示装置用のガラス基板などを荷物として搬送する搬送システムの場合、ステーションと走行車との間でより正確な位置やより正確な姿勢でガラス基板を移載する必要がある。そのため、このような搬送システムに採用される走行車は、走行基台の上に走行基台に対してY方向(走行車からステーションに向かう方向)、X方向(Y方向と交差し、水平面内の方向)、θ方向(回転方向)に移動する載置台を備えている。さらに、当該走行車は、ステーションとの位置や姿勢を走行車が備えるエンコーダよりも精密に測定できる測定手段を備えている。以上により搬送システムは、測定システムの測定結果に基づいて載置台を正確に移動させ、ガラス基板を正確な位置、正確な姿勢でステーションと走行車との間で移載できるようになっている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2000−194418号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、従来の搬送システムにおいては、ステーションと走行車との姿勢関係を測定するためには、複数のセンサを備える必要がある。加えて、ステーションと走行車との相対的位置関係を測定するためには、さらに他のセンサを備える必要がある。
【0007】
本願発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、ステーションと走行車との姿勢関係を単数の測距手段で測定可能とし、正確な姿勢で移載を実現できる搬送システムの提供を目的とする。さらに、ステーションと走行車との相対的位置関係を前記測距手段で測定可能とし、正確な位置での移載を実現できる搬送システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本願発明にかかる搬送システムは、ステーションと、ステーション近傍の目標位置に目標姿勢で停止する走行車と、ステーションと走行車との間で荷物を移載する移載手段とを備える搬送システムであって、前記ステーションと前記走行車との一方に設けられ、前記ステーションと前記走行車との距離を測定する測距手段と、前記ステーションと前記走行車との他方に設けられ、前記測距手段の測距対象となる第一測距部、及び、第二測距部と、前記第一測距部との第一距離を前記測距手段から取得し、前記走行車を所定距離かつ所定方向に走行させ、前記第二測距部との第二距離を前記測距手段から取得する制御部と、取得された前記第一距離と前記第二距離とに基づき前記走行車の前記目標姿勢からの傾きである傾き値を算出する算出部と、算出された前記傾き値に基づき前記移載手段の移載条件を決定する移載条件決定部とを備えることを特徴とする。
【0009】
これによれば、単数の測距手段で目標位置に到達した走行車の目標姿勢からの傾きである傾き値を取得することができる。そして、ステーションと走行車との間を正確な姿勢で移載することが可能となる。
【0010】
さらに、前記ステーションと前記走行車との他方に設けられ、前記走行車を前記所定方向に移動させた場合に前記測距手段との距離が徐々に変化する第三測距部を備え、前記制御部はさらに、前記第三測距部との第三距離を前記測距手段から取得し、前記算出部はさらに、測定された前記第一距離または前記第二距離と前記第三距離とに基づき前記目標位置からのずれであるずれ値を算出し、前記移載条件決定部は、算出された前記ずれ値に基づき前記移載手段の移載条件を決定することが望ましい。
【0011】
これによれば、単数の測距手段で走行車のステーションに対する姿勢と位置とを取得することができ、より正確に荷物を移載することが可能となる。
【0012】
また、前記制御部は、前記走行車を走らせながら前記第一距離と前記第二距離とを取得することが好ましい。
【0013】
これにより、走行車の移動と傾き値の取得を同時期に行うことができ、荷物の搬送時間を短縮することが可能となる。また、減速や加速を繰り返す必要がないため、慣性により走行距離の誤差が生じることもなく、また、バックラッシュなどによる誤差を抑制することも可能となる。
【0014】
さらに、前記制御部は、前記第一測距部と前記第二測距部とを結ぶ線と前記走行車と前記目標位置とを結ぶ線とが平行で、前記走行車と前記目標位置との距離が閾値となった時点で前記走行車を減速させ、前記第一測距部と前記第二測距部とは前記走行車の減速する位置と目標位置との間に配置されることが好ましい。
【0015】
これによれば、低い速度で測距を行うため、高い移送精度を確保することが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
本願発明によれば、単数の測距手段で走行車のステーションに対する姿勢や位置を測定することが可能となり、ステーションと走行車との間の荷物の移載を正確な姿勢や正確な位置で行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本願発明に係る実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
【0018】
図1は、実施の形態である搬送システムの一部を模式的に示す斜視図である。
【0019】
同図に示すように、搬送システム100は、荷物としてのガラス基板200を走行車140を用いて搬送し、移載手段170を用いてステーション110と走行車140との間で荷物を移載するシステムであり、測距手段(図示せず)と、第一測距部111と、第二測距部112と、第三測距部113とを備えている。また、走行車140が走行する床面には、指標101が取り付けられている。なお、本実施の形態の場合、移載手段170は、ステーション110と走行車140とに分かれて備えられている。
【0020】
図2は、走行車を示す図であり、(a)が上面図、(b)が下面図である。
【0021】
同図(a)に示すように、走行車140は、移載手段170の一部である載置台171が上部に設けられ、載置台171の上に載置されるガラス基板200を自律的に搬送する装置であり、電子計算機150が搭載されている。走行車140の角部には測距手段141が取り付けられている。また、同図(b)に示すように、走行車140は、二つの駆動輪142と四つの補助輪143とが底面に取り付けられている。
【0022】
測距手段141は、第一測距部111、第二測距部112、第三測距部113との距離を測定する装置である。本実施の形態の場合、測距手段141としてレーザ光線を用いた反射型のレーザ測距センサが採用されている。レーザ測距センサは、指向性が高いため、走行車140にレーザ測距センサを固定することにより、走行車140に対し所定の方向にある物体とレーザ測距センサとの距離を正確に測定することができる。また、測距に要する時間は、走行車140を走行させながら測定を行った場合でもレーザ測距センサとの距離を測定する部位を1点と見なせるほどに短い。従って、走行車140の姿勢や位置を正確に測定するにはレーザ測距センサを測距手段141として好適に採用できる。同図中破線矢印は、測距手段141の測距方向を表している。
【0023】
なお、測距手段141としては、レーザ測距センサばかりでなく、アームを伸ばして第一測距部111等と接触させ、距離を測定する装置でも良い。その他、超音波による測距など特に測距方式は限定されない。また、分離した二つの機器を用い、当該機器間の距離を測定する場合、距離に関するデータを送信する方を本願発明に関しては測距手段141とする。
【0024】
駆動輪142は、走行車140を走行させるために駆動源(図示せず)と接続され水平な軸回りで回転駆動する車輪であり、走行車140の幅方向の両端部にそれぞれ設けられている。また、駆動輪142は、駆動輪142を垂直な軸回りで回動させるための回動台144を回して走行車140に取り付けられている。また、二つの駆動輪142は、相互に独立に垂直軸回りで回動可能である。以上により、二つの駆動輪142を同一直線状または平行とすることにより、走行車140を所望の方向に直進させることが可能となる。また、二つの駆動輪142を交差する方向に配置することで、所望の曲率の線上を走行させることが可能となる。
【0025】
また、駆動輪142と回動台144とはエンコーダが設けられており、当該エンコーダにより走行車140の移動距離と移動方向とを出力することができるものとなっている。
【0026】
補助輪143は、走行車140を走行可能としつつ走行車140を水平に維持するための車輪であり、走行車140の下面の四隅近傍に取り付けられている。補助輪143は、駆動源とは接続されておらず走行車140の走行状況に追随して回転する車輪である。
【0027】
載置台171は、移載手段170を構成する要素の一つであり、ガラス基板200が載置される台である。また、載置台171は、走行車140に回動可能に取り付けられており、取得した信号に基づいた角度で走行車140に対し回動することができるものとなっている。
【0028】
図3は、電子計算機の機能構成を示すブロック図である。
【0029】
同図に示すように電子計算機150は、演算装置や記憶装置やインターフェースを備え、記憶装置に記憶されるプログラムやデータに基づいて、計算や機器の制御などを行うことのできるコンピュータであって、処理機能のとして、制御部151と、算出部152と、移載条件決定部153と、送信部154とを備えている。
【0030】
制御部151は、外部の機器から信号を取得し、外部の機器を制御することができる処理部である。本実施の形態の場合、制御部151は、測距手段141から距離に関するデータを取得することができる。また、制御部151は、駆動輪142を制御して走行車140を走行させることができるとともに、駆動輪エンコーダ145からの信号に基づき走行車140の走行距離を取得することが可能である。また、制御部151は、回動台144を駆動すると共に回動台エンコーダ146からの信号をフィードバックして駆動輪142の回動角度を制御し、走行車140を所定方向に向かわせることが可能である。
【0031】
また制御部151は、測距手段141から距離に関するデータ(第一距離)を取得するステップと、走行車140を所定の距離、所定の方向に走行させるステップと、その後に再度測距手段141から距離に関するデータ(第二距離)を取得するステップとを、前記記載順に実行することが可能となっている。さらに、制御部151は、第二距離を取得した後、走行車140を所定の距離、所定の方向に走行させるステップと、測距手段141から距離に関するデータ(第三距離)を取得するステップとを前記記載順に実行することが可能となっている。
【0032】
算出部152は、制御部151により取得された第一距離、第二距離と、第一距離を取得してから第二距離を取得するまでの走行車140の走行距離(予め定められている)とに基づき走行車140の目標姿勢(後述)からの傾きである傾き値を算出する処理部である。
【0033】
また、算出部152は、第一距離、または、第二距離と第三距離とに基づき、目標位置(後述)からのずれであるずれ値を算出することもできる処理部である。
【0034】
移載条件決定部153は、算出部152で算出された結果に基づき移載手段170の移載条件(例えば、載置台171を走行車140に体して何度回動させるか、移載爪172(後述)を何ミリ移動させるか、移載爪172を何ミリ突出させて移載するか)を決定する処理部である。
【0035】
送信部154は、移載条件決定部153で決定された移載条件を移載手段170に送信する処理部である。
【0036】
図4は、ステーションを示す上面図である。
【0037】
同図(a)に示すように、ステーション110は、移載手段170の一部である移載爪172が上部に設けられ、移載爪172の上に載置されるガラス基板200が載置される設備である。ステーション110は、第一測距部111と第二測距部と第三測距部113とを備えるターゲットプレート114が側面に取り付けられている。また、ステーション110の上面には、ターゲットプレート114が取り付けられた側面と平行にレール115が敷設されている。
【0038】
なお、ステーション110は、走行車140と荷物であるガラス基板を移載するために、一時的にガラス基板200が保管(載置)される領域や場所であって、具体的な形状などは特に限定されるものではない。
【0039】
ターゲットプレート114は、一端部が斜めに切り取られて第三測距部113が形成された板状の部材であり、測距手段141の測距対象となる部材である。ターゲットプレート114は、測距手段141から照射されるレーザ光線を十分に反射しうる表面を有している。ターゲットプレート114の第三測距部113以外の部分は、対向する面がそれぞれ平行であり、交差する面は垂直に交差している。従って、ターゲットプレート114の
一面(以下「取り付け面」と記す。)をステーション110の側面に沿わせて取り付けると、取り付け面と平行な面(以下「反射面」と記す。)は、ステーション110の側面と平行となる。
【0040】
なお、ターゲットプレート114の反射面には第一測距部111と第二測距部112が設けられるが、第一測距部111、及び、第二測距部112の位置は、測距手段141測距した位置であり、制御部151によりソフトウエア的に決定されるため、具体的に領域を限定できるものではない。
【0041】
移載爪172は、移載手段170を構成する要素の一つであり、ガラス基板200が載置される装置である。また、移載爪172は、ステーション110の上面に敷設されるレール115に対し取り付けられており、取得した信号に基づいた位置にレール115に沿って移動できるものとなっている。また、移載爪172は、ガラス基板200を載置した状態でレール115に対して垂直に出没可能となっており、移載爪172を突出させた状態で最上面部を上下動可能となっている。従って、ガラス基板200を載置した状態で移載爪172を突出させ、走行車140側の載置台171の上方にガラス基板200を配置し、移載爪172の最上面部を下げることで、ガラス基板200をステーション110側から走行車140側に移載することが可能となる。また、上記と逆の工程を行えば、ガラス基板200を走行車140側からステーション110側に移載することも可能である。
【0042】
図5は、搬送システムにおける走行車の位置と姿勢の測定工程を示す図であり、(a)〜(e)は、時間の経過順に示されている。
【0043】
なお、同図に示される破線で描かれた矩形は、走行車140が到着すべき目標位置、及び、目標姿勢を示している。
【0044】
同図(a)に示されるように、第一測距部111と前記第二測距部112とを結ぶ線と走行車140と目標位置とを結ぶ線とが平行で、走行車140と目標位置との距離が閾値となった時点で制御部151は、走行車140を所定の速度(クリープ速度)まで減速させ、目標位置に向かってまっすぐに走行車140を走行させる。ただし、駆動輪エンコーダ145や回動台エンコーダ146の精度等により、走行車140は、所望の移載精度が満たされるほど正確な距離、かつ、正確な方向に走行することは困難である。
【0045】
次に、同図(b)に示すように、走行車140が所定の位置に到達したことを制御部151が判断すると、制御部151は、測距手段141から第一距離を取得する。
【0046】
次に、同図(c)に示すように、制御部151は、予め与えられた距離だけ今までと同じ方向に走行車140を走行させる。その後、制御部151は、測距手段141から第二距離を取得する。なお、走行車140が走行する距離は、駆動輪エンコーダ145から取得しても良く、駆動輪エンコーダ145からのデータに基づき走行車140の速度を統計的に算出し、第一距離取得から第二距離取得までの時間により特定してもかまわない。
【0047】
以上により、第一距離と第二距離と、これらの間の走行車140の走行距離とに基づき、ターゲットプレート114の反射面に対する走行車140の姿勢、すなわち目標姿勢からの傾きである傾き値が算出部152により算出される。
【0048】
なお、具体的な算出方法は限定されるものではないが、例えば、走行車140の進行方向と測距手段141の測距方向とは垂直であると仮定すれば、走行車140の走行距離を分母とし、第一距離と第二距離との差分を分子とすれば傾き値が算出できる。
【0049】
次に、同図(d)に示すように、制御部151は、予め与えられた距離だけ今までと同じ方向に走行車140を走行させる。その後、制御部151は、測距手段141から第三距離を取得する。
【0050】
制御部151が取得した第三距離は、第三測距部113と測距手段141との距離であり、反射面に対して斜めの面と測距手段141との距離になる。従って、第二距離(または第一距離)と第三距離との差分と、斜めの面の反射面に対する角度とに基づき、走行車140のターゲットプレート114に対する反射面と平行な方向(同図(e)中x方向)の位置関係、すなわち目標位置とのずれ値が算出部152により算出される。
【0051】
次に、算出部152により算出された傾き値、及び、ずれ値を取得し、移載条件決定部153は、移載条件を決定する。この移載条件は、移載爪172をレール115に沿って移動させる距離、移載爪172を突出させる(同図中y方向)距離、及び、載置台171を走行車140に対して回動させる回動角度である。
【0052】
そして、送信部154は、移載条件を移載爪172と載置台171とに送信する。
【0053】
移載条件を取得した移載爪172と載置台171とは、同図(e)に示すように、移載条件に合致するようにレール115に沿ってスライドし、走行車140に対して回動する。
【0054】
そして、移載条件に従ってガラス基板200の移載を行う。
【0055】
以上のような構成、及び、工程によれば、走行車140の目標姿勢に対する傾き値、及び、目標位置に対するずれ値を単数の測距手段141を用いて算出することが可能となり、搬送システム100のコスト、特に走行車140のコストを低下させることが可能となる。
【0056】
なお、上記実施の形態では、第一距離と第二距離とを走行車140を走行させた状態で取得したが、本願発明は、走行車140を停止させて第一距離や第二距離を取得する場合も含む。
【0057】
また、第一測距部111と第二測距部112とは同一面内に存在していたが、これに限定されるわけではない。第一測距部111と第二測距部112との位置関係が事前に把握可能であれば、当該位置関係を用いて走行車140の姿勢を算出することが可能である。
【0058】
また、図6に示すように、移載手段170は、ステーション110か走行車140の一方に設けられているものでもかまわない。同図に示す移載手段170は、ガラス基板200を吸引により吊り下げて保持し、ガラス基板200を水平面内で移動できると共に、ガラス基板200を回動させることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本願発明は、自動倉庫や半導体製造工場、ディスプレイ製造工場などに利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】実施の形態である搬送システムの一部を模式的に示す斜視図である。
【図2】走行車を示す図であり、(a)が上面図、(b)が下面図である。
【図3】電子計算機の機能構成を示すブロック図である。
【図4】ステーションを示す上面図である。
【図5】搬送システムにおける走行車の位置と姿勢の測定工程を示す図であり、(a)〜(e)は、時間の経過順に示されている。
【図6】搬送システムの他の実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
100 搬送システム
101 指標
110 ステーション
111 第一測距部
112 第二測距部
113 第三測距部
114 ターゲットプレート
115 レール
140 走行車
141 測距手段
142 駆動輪
143 補助輪
144 回動台
145 駆動輪エンコーダ
146 回動台エンコーダ
150 電子計算機
151 制御部
152 算出部
153 移載条件決定部
154 送信部
170 移載手段
171 載置台
172 移載爪
200 ガラス基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステーションと、ステーション近傍の目標位置に目標姿勢で停止する走行車と、ステーションと走行車との間で荷物を移載する移載手段とを備える搬送システムであって、
前記ステーションと前記走行車との一方に設けられ、前記ステーションと前記走行車との距離を測定する測距手段と、
前記ステーションと前記走行車との他方に設けられ、前記測距手段の測距対象となる第一測距部、及び、第二測距部と、
前記第一測距部との第一距離を前記測距手段から取得し、前記走行車を所定距離かつ所定方向に走行させ、前記第二測距部との第二距離を前記測距手段から取得する制御部と、
取得された前記第一距離と前記第二距離とに基づき前記走行車の前記目標姿勢からの傾きである傾き値を算出する算出部と、
算出された前記傾き値に基づき前記移載手段の移載条件を決定する移載条件決定部と
を備える搬送システム。
【請求項2】
さらに、
前記ステーションと前記走行車との他方に設けられ、前記走行車を前記所定方向に移動させた場合に前記測距手段との距離が徐々に変化する第三測距部を備え、
前記制御部はさらに、前記第三測距部との第三距離を前記測距手段から取得し、
前記算出部はさらに、測定された前記第一距離または前記第二距離と前記第三距離とに基づき前記目標位置からのずれであるずれ値を算出し、
前記移載条件決定部は、算出された前記ずれ値に基づき前記移載手段の移載条件を決定する
請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
前記制御部は、前記走行車を走らせながら前記第一距離と前記第二距離とを取得する請求項1に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記制御部は、前記第一測距部と前記第二測距部とを結ぶ線と前記走行車と前記目標位置とを結ぶ線とが平行で、前記走行車と前記目標位置との距離が閾値となった時点で前記走行車を減速させ、
前記第一測距部と前記第二測距部とは前記走行車の減速する位置と目標位置との間に配置される
請求項3に記載の搬送システム。
【請求項5】
ステーション近傍に目標姿勢で停止する走行車であって、
前記ステーションとの距離を測定する測距手段と、
前記ステーションが有する第一測距部との第一距離を前記測距手段から取得し、当該走行車を所定距離かつ所定方向に走行させ、前記ステーションが有する第二測距部との第二距離を前記測距手段から取得する制御部と、
取得された前記第一距離と前記第二距離とに基づき前記ステーションに対する当該走行車の前記目標姿勢からの傾きである傾き値を算出する算出部と、
前記ステーションと当該走行車との間で荷物を移載する移載手段に算出された前記傾き値を送信する送信部と
を備える走行車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−13260(P2010−13260A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−176380(P2008−176380)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(000006297)村田機械株式会社 (4,916)
【Fターム(参考)】