説明

搬送システム

【課題】軌道の傾斜領域を滑らないように走行する搬送台車を簡易な構成で実現する。
【解決手段】軌道110は水平な領域と傾斜した領域とを有している。軌道110の傾斜領域にはラック111が敷設されている。搬送台車120は、車輪122fとピニオン124とを有している。車輪122f及びピニオン124は、車軸123fを介して駆動モータ125によって駆動される。搬送台車120は、軌道110上の水平領域においては、車輪122fで走行し、ピニオン124は軌道110の底面110aから離隔している。一方で、軌道110の傾斜領域においては、ピニオン124をラック111と咬み合わせつつ、ピニオン124と一方の車輪122fとで走行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は軌道に沿って走行する搬送台車を有する搬送システムに関する。
【背景技術】
【0002】
各種の物品を搬送する搬送システムにおいて、物品を搬送する搬送台車を軌道に沿って走行させるものがある。物品の搬送経路によっては軌道を傾斜させることもあり、この場合には傾斜した軌道に沿って搬送台車を走行させなければならない。特許文献1は、軌道が水平な領域においてはリニアモータ方式を用いて車両を走行させる。一方で、軌道において傾斜した領域にはラックを敷設し、車両にはそのラックと咬み合うピニオンギアを設置する。そして、傾斜領域においてはラックとピニオンギアとを咬み合わせて車両を走行させる。これによって、傾斜領域において滑らせることなく車両を走行させている。
【0003】
【特許文献1】特開平8−168108号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1によると、水平領域における場合と傾斜領域における場合とで、異なる種類の駆動方式を用いて車両を駆動している。したがって、車両の構造が複雑になり、車両の重量が増したり製造コストが嵩んだりするおそれがある。
【0005】
本発明の目的は、軌道の傾斜領域を滑らないように走行する搬送台車が簡易な構成で実現された搬送システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0006】
本発明の搬送システムは、軌道と、前記軌道に支持されつつ前記軌道に沿って走行する搬送台車とを備えた搬送システムであって、前記軌道が、水平方向に沿った水平領域と前記軌道の長さ方向に傾斜した傾斜領域とを有しており、前記搬送台車が、前記軌道上を走行する第1及び第2の車輪、並びに、前記第1及び第2の車輪の両方を駆動する駆動モータを有しており、凹部及び凸部の少なくともいずれかが前記軌道の長さ方向に沿って配列された第1の咬み合わせ部が、前記傾斜領域内に形成されており、凹部及び凸部の少なくともいずれかを有する第2の咬み合わせ部が、前記第1の咬み合わせ部と咬み合うように前記第2の車輪の走行面に形成されており、前記搬送台車が、前記水平領域を走行する場合には前記第1の車輪を前記軌道の表面に当接させつつ前記駆動モータに前記第1の車輪を駆動させ、前記傾斜領域を走行する場合には前記第2の咬み合わせ部を前記第1の咬み合わせ部に咬み合わさせつつ前記駆動モータに前記第2の車輪を駆動させる。
【0007】
本発明には、水平領域及び傾斜領域のそれぞれを走行するための第1及び第2の車輪が設けられており、これらの車輪の両方を駆動する駆動モータが設けられている。つまり、単一の駆動方式で両方の車輪が駆動される。また、搬送台車が傾斜領域を走行する場合には、第1の咬み合わせ部と第2の咬み合わせ部とが互いに咬み合うようになっている。これによって傾斜領域を滑らないように搬送台車に走行させることが可能である。このように、本発明によると、傾斜領域を滑らないように走行する搬送台車を簡易な構成で実現することができる。
【0008】
また、本発明においては、前記第1及び第2の車輪の車軸が互いに共通であり、前記駆動モータが前記車軸を駆動することが好ましい。これによると、共通の車軸を1つの駆動モータが駆動する構成なので、搬送台車の構成をより簡易にできる。
【0009】
また、本発明においては、2つの前記第1の車輪が設けられており、前記2つの第1の車輪の一方が前記車軸の一端に、他方が他端にそれぞれ固定されており、前記第2の車輪が、前記車軸において前記2つの第1の車輪の間の位置に固定されており、前記第2の咬み合わせ部が前記第1の咬み合わせ部と咬み合った際に、前記2つの第1の車輪のうちの前記第2の車輪に近い方が前記軌道の表面から離隔し、前記2つの第1の車輪のうちの前記第2の車輪から遠い方が前記軌道の表面に当接することが好ましい。これによると、傾斜領域において、車輪同士が走行を邪魔し合うことがなく、搬送台車が軌道に沿って円滑に走行することができる。
【0010】
また、本発明においては、前記第1の咬み合わせ部が、前記軌道の長さ方向に沿って配列された複数の凸部を有しており、前記水平領域と前記傾斜領域との境界に近づくほど低くなるように前記凸部が形成されていることが好ましい。これによると、搬送台車が傾斜領域と水平領域との境界に差し掛かったときに、第2の咬み合わせ部が第1の咬み合わせ部に円滑に咬み合ったり、咬み合わせから円滑に開放されたりする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の好適な一実施形態である搬送システム1について説明する。図1は、搬送システム1の概略構成図である。
【0012】
搬送システム1は、例えば半導体基板の製造工場等に設置され、種々の荷Fを工場内で搬送するためのものである。搬送システム1は、軌道110、及び、軌道110上を走行する搬送台車120を有している。軌道110は工場内の異なる位置間を結ぶように敷設されている。搬送台車120は荷Fを支持しつつ軌道110に沿って走行し、工場内の異なる位置間で荷Fを搬送する。軌道110は、工場内において高低差のある2点間で荷Fを搬送することができるように敷設されている。このため、軌道110は、水平に沿った水平領域と軌道110の長さ方向に傾斜した傾斜領域とを有している。例えば、軌道110において、傾斜領域は、ある水平領域と別の水平領域との間を繋ぐように設けられている。
【0013】
以下、搬送台車120の構成について説明する。図2は、搬送台車120が軌道110において水平領域に位置しているときの図である。図2(a)は図1のII−II線断面図であり、図2(b)は図2(a)のB−B線断面図である。
【0014】
搬送台車120は、荷Fが載置される荷台121、及び、荷台121を支持するフレーム126を有している。荷台121は台支持部121aを有しており、台支持部121aはフレーム126の上面に固定されている。搬送台車120は一対の車輪122f(第1の車輪)、及び、一対の車輪122rを有している。一対の車輪122fは、車軸123fの両端付近に固定されており、一対の車輪122rは車軸123rの両端付近に固定されている。車軸123f及び123rはいずれも、図2(a)の左右方向に関して両端部の車輪がフレーム126を挟むように、フレーム126に回転可能に支持されている。車軸123fは、走行方向に関して搬送台車120の前部に支持されている。車軸123rは、走行方向に関して搬送台車120の後部に支持されている。
【0015】
フレーム126内には駆動モータ125が設けられている。一方で、車軸123fと駆動モータ125の駆動軸とは、例えば傘歯車を利用した図示しない連結機構によって互いに連結されている。これによって、車軸123f及びこれに固定された車輪122fは、駆動モータ125に駆動されて回転する。これに対して、車輪122rは、搬送台車120の移動に従動する車輪である。
【0016】
また、車軸123fには、ピニオン124(第2の車輪)が固定されている。ピニオン124は、一方の車輪122fとフレーム126との間に配置されるように車軸123fに固定されている。図3は、図2(a)の左方から見たピニオン124を示している。ピニオン124は円板形状を有しており、円板の中心において車軸123fに固定されている。ピニオン124は、多数の凸部124aからなる咬み合わせ部127(第2の咬み合わせ部)を有している。凸部124aは、ピニオン124の円板周面124b(走行面)に、径方向に沿って突出するように固定されており、円板の周方向に関して等間隔に配列されている。凸部124aは、いずれも同じ大きさ及び形状を有している。咬み合わせ部127は、後述の軌道110側のラック111(第1の咬み合わせ部)と咬み合うように形成されている。また、ピニオン124は、図2(a)の左右方向に関して後述のラック111とちょうど咬み合う位置に配置されるように車軸123fに固定されている(図6(a)参照)。
【0017】
軌道110は、図2に示すように上方に開口した概略的にコの字の形状を有している。水平領域において、軌道110内の底面は水平方向に沿って平坦である。搬送台車120は、フレーム126、車輪122f及び122rを含む下部が軌道110内に収容されるように軌道110上に設置されている。このとき、車輪122f及び122rはいずれも軌道110内の底面に当接する。一方、ピニオン124は、搬送台車120が軌道110において水平領域に設置された際に軌道110から離隔するような径を有している。これらの構成により、搬送台車120は、水平領域において駆動モータ125に車輪122fを駆動させることで、軌道110に沿って走行する。このとき、ピニオン124は軌道110から離隔しているので、車輪122fによる搬送台車120の走行を妨害することがない。
【0018】
以下、軌道110の傾斜領域内の構成について説明する。図4は、図1の傾斜領域における軌道110の内部構成を示す図である。図4は、軌道110の長さ方向及び鉛直方向に沿った断面を含んでいる。図5(a)及び図5(b)は、図4の一点差線に囲まれた領域110b及び110cの拡大図である。図6(a)は、図4のVI−VI線断面図であり、軌道110の傾斜領域を搬送台車120が走行する様子を示している。
【0019】
図4に示すように、傾斜領域において、軌道110の底面110aにはラック111(第1の咬み合わせ部)が設けられている。ラック111は、図6(a)の左右方向に関して搬送台車120のピニオン124がちょうど上方に位置するように配置されている。ラック111は、底面110aからその法線に沿って突出した複数の凸部111a〜111cを有している。これらのうち、凸部111b及び111cは、傾斜領域の端部110b及び110cの範囲内に配置されており、凸部111aは、端部110b及び110cの間に配置されている。凸部111a〜111cは、軌道110の長さ方向に沿って所定の間隔で配列されている。
【0020】
凸部111aはいずれも同じの高さに形成されている。つまり、底面110aから凸部111aの先端までの長さH(図5(a)参照)はいずれも同じである。一方で、凸部111b及び111cの高さは凸部111aと異なるように形成されている。具体的には、端部110bにおいては、図5(a)に示すように、水平領域と傾斜領域との境界110dに近い凸部111bほど、底面110aから凸部111bの先端までの長さがHより短くなるように構成されている。また、端部110cにおいては、図5(b)に示すように、水平領域と傾斜領域との境界110eに近い凸部111cほど、底面110aから凸部111cの先端までの長さがHより短くなるように構成されている。
【0021】
また、ラック111は、ピニオン124と咬み合った際にピニオン124を持ち上げて、図6(a)に示すように車輪122fのうちピニオン124に近い方を軌道110の底面110aから浮き上がらせるように調整されている。図6(b)は、図6(a)の左方からピニオン124を見た図であり、ピニオン124とラック111とが互いに咬み合っている様子を示している。ラック111とピニオン124とが互いに咬み合うと、凸部111aの先端はピニオン124の円板周面124bに当接し、ピニオン124を持ち上げる。これによって、車輪122fが軌道110の底面110aから浮き上がり、図6(a)のように搬送台車120が軌道110の幅方向の一方に向かって傾くようになっている。
【0022】
以下、傾斜領域における搬送台車120の走行方法について説明する。例えば、搬送台車120が図4の左方から右方へと走行するものとする。
【0023】
搬送台車120が水平領域から傾斜領域の端部110bに差し掛かると、ピニオン124がラック111の一端の凸部111bに当接し始める。ここで、端部110bにおいて凸部111bは、図5(a)に示すように水平領域に近いほど低くなるように構成されている。そして、凸部111aに近いものほど高くなり、凸部111aの高さHに徐々に近づくように構成されている。したがって、ピニオン124は、搬送台車120が走行するのに応じて凸部111aの先端へと徐々に上がっていく。これによって、ピニオン124がラック111の凸部111aに円滑に咬み合い始めるようになっている。
【0024】
ピニオン124がラック111に咬み合った状態で、駆動モータ125が車軸123fを駆動してピニオン124を回転させると、ピニオン124は、図6(b)のようにラック111と咬み合ったまま回転する。これによって、搬送台車120は、軌道110の傾斜領域において傾斜に沿って滑ることなく、図4の右上方へと軌道110に沿って走行する。
【0025】
ここで、搬送台車120は、図6(a)に示すように、ピニオン124がラック111に持ち上げられた状態で一方の車輪122fを浮き上がらせたまま走行する。つまり、ピニオン124に近い方の車輪122fが軌道110の底面110aから離隔し、ピニオン124及びピニオン124から遠い方の車輪122fが軌道110に支持された状態で走行する。これによって、両方の車輪122fとピニオン124とがいずれも軌道110やラック111に当接した状態で走行する場合と比べて、各車輪が滑ったりがたついたりすることなく、円滑に走行することができる。
【0026】
そして、搬送台車120が傾斜領域の端部110cに差し掛かると、ピニオン124が凸部111cに当接し始める。ここで、端部110cにおいて凸部111cは、図5(b)に示すように、凸部111aに近いものほどその高さが凸部111aの高さHに近く、水平領域に近づくほど低くなるように構成されている。したがって、ピニオン124は、搬送台車120が走行するのに応じて徐々に軌道110の底面110aへと降りていく。これによって、ピニオン124が凸部111aとの咬み合わせから円滑に開放されるようになっている。
【0027】
以上の構成を有する本実施形態は、1つの駆動モータ125で車輪122f及びピニオン124を駆動することができる。したがって、傾斜領域を滑ることなく走行する構成が簡易に実現されている。
【0028】
また、傾斜領域の端部110bにおいて、水平領域から離隔するほどラック111の凸部111bが徐々に高くなるように構成され、傾斜領域の端部110cにおいて、水平領域に近づくほど凸部111cが徐々に低くなるように構成されている。このため、搬送台車120が傾斜領域を走行する際に、ピニオン124がラック111の凸部111aに円滑に咬み合い始めると共に、ピニオン124がラック111との咬み合わせから円滑に開放される。したがって、ピニオン124がラック111に咬み合い始める際や、ピニオン124がラック111から外れる際において、騒音や振動が抑制される。
【0029】
さらに、搬送台車120が水平領域を走行する際にはピニオン124が軌道110の底面110aから離隔し、車輪122f及び122rが底面110aに当接する。また、搬送台車120が傾斜領域を走行する際には、車輪122fのうちピニオン124に近い方が軌道110の底面110aから離隔し、ピニオン124及び他方の車輪122fが軌道110に支持される。このように、水平領域においても傾斜領域においても、ピニオン124、車輪122f及び122rが互いの走行を妨害しあうことがないため、搬送台車120を軌道110に沿って円滑に走行させることができる。
【0030】
以下、搬送台車に係る別の実施形態について説明する。図7は、上述の搬送台車120とは異なる搬送台車220の側面図である。搬送台車220において搬送台車120と同じ構成には同じ符号を付し、適宜説明を省略する。
【0031】
搬送台車220は、搬送台車120のピニオン124の代わりに、ピニオン224を有している。ピニオン224は車軸223に固定されており、車軸223はフレーム126に回転可能に支持されている。ピニオン224は、ピニオン124と同様に、水平領域においては軌道110の底面110aから離隔し、傾斜領域においてはラック111と咬み合うように構成されている。そして、傾斜領域においてはピニオン224とラック111とが咬み合うことにより、ピニオン224側の車輪222が軌道110の底面110aから浮き上がるように構成されている。
【0032】
また、搬送台車220は、搬送台車120の車輪122fの代わりに、車輪222を有している。車輪222は車軸123fの両端に固定されており、車軸123fはフレーム126に回転可能に支持されている。フレーム126内には図示しない駆動モータが設けられており、この駆動モータが車軸123fを駆動する。ピニオン224及び車輪222には、プーリ224a及び222aが固定されている。プーリ224a及び222aの周囲には無端のベルト225が掛けられている。これによって、車輪222が回転した場合には、ベルト225を介してプーリ224aも回転するようになっている。
【0033】
以上により、搬送台車220は、搬送台車120と同様に、水平領域においてはピニオン224が軌道110の底面110aから離隔すると共に、車輪222及び122rが底面110aに当接する。そして、車輪222を駆動することによって軌道110上を走行する。一方、傾斜領域においてはピニオン224がラック111に咬み合うと共に、車輪222のうちピニオン224から遠い方が軌道110の底面110aに当接する。そして、ピニオン224を駆動することによって、傾斜領域において滑ることなく軌道110上を走行する。ここで、1つの駆動モータによって車軸123fを駆動することにより、車輪222と共にピニオン224を駆動することができる。つまり、上述の実施形態と同様に、傾斜領域を滑らずに走行する構成が簡易に実現されている。
【0034】
<変形例>
以上は、本発明の好適な実施形態についての説明であるが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された範囲の限りにおいて様々な変更が可能なものである。
【0035】
例えば、上述の実施形態においてはピニオンとラックによって搬送台車側と軌道側の一対の咬み合わせ部が構築されている。しかし、ピニオンやラックのようにいずれも凸部を有する構成から咬み合わせ部が構築されるのでなく、凸部を有する部材と、かかる凸部に咬み合う凹部を有する部材とから咬み合わせ部が構築されてもよい。例えば、スプロケットとチェーンによって咬み合わせ部が構築されていてもよい。
【0036】
また、上述の実施形態においては、搬送台車にピニオンが1つ設けられているが、2つ以上のピニオンが設けられていてもよい。例えば、軌道110にラックが軌道に沿って複数列設けられており、各ラックに対応するピニオンが搬送台車に設けられていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の一実施形態に係る搬送システムの正面図である。
【図2】図2(a)は図1のII−II線断面図であり、図2(b)は図2(a)のB−B線断面図である。
【図3】図2(a)の左方から見たピニオンを示している。
【図4】傾斜領域における図1の軌道の内部構成を示す図である。
【図5】図4の一点差線に囲まれた領域110b及び110cの拡大図である。
【図6】図6(a)は、図4のVI−VI線断面図である。図6(b)は、図6(a)の左方からピニオンを見た図である。
【図7】図2とは異なる構成を有する搬送台車に係る別の実施形態の図である。
【符号の説明】
【0038】
110 軌道
111 ラック
125 駆動モータ
124、224 ピニオン
111a-111c、124a 凸部
120、220 搬送台車
122f、122r、222、223 車輪

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道と、前記軌道に支持されつつ前記軌道に沿って走行する搬送台車とを備えた搬送システムであって、
前記軌道が、水平方向に沿った水平領域と前記軌道の長さ方向に傾斜した傾斜領域とを有しており、
前記搬送台車が、前記軌道上を走行する第1及び第2の車輪、並びに、前記第1及び第2の車輪の両方を駆動する駆動モータを有しており、
凹部及び凸部の少なくともいずれかが前記軌道に沿って配列された第1の咬み合わせ部が、前記傾斜領域内に形成されており、
凹部及び凸部の少なくともいずれかを有する第2の咬み合わせ部が、前記第1の咬み合わせ部と咬み合うように前記第2の車輪の走行面に形成されており、
前記搬送台車が、前記水平領域を走行する場合には前記第1の車輪を前記軌道の表面に当接させつつ前記駆動モータに前記第1の車輪を駆動させ、前記傾斜領域を走行する場合には前記第2の咬み合わせ部を前記第1の咬み合わせ部に咬み合わさせつつ前記駆動モータに前記第2の車輪を駆動させることを特徴とする搬送システム。
【請求項2】
前記第1及び第2の車輪の車軸が互いに共通であり、
前記駆動モータが前記車軸を駆動することを特徴とする請求項1に記載の搬送システム。
【請求項3】
2つの前記第1の車輪が設けられており、
前記2つの第1の車輪の一方が前記車軸の一端に、他方が他端にそれぞれ固定されており、
前記第2の車輪が、前記車軸において前記2つの第1の車輪の間の位置に固定されており、
前記第2の咬み合わせ部が前記第1の咬み合わせ部と咬み合った際に、前記2つの第1の車輪のうちの前記第2の車輪に近い方が前記軌道の表面から離隔し、前記2つの第1の車輪のうちの前記第2の車輪から遠い方が前記軌道の表面に当接することを特徴とする請求項2に記載の搬送システム。
【請求項4】
前記第1の咬み合わせ部が、前記軌道の長さ方向に沿って配列された複数の凸部を有しており、
前記水平領域と前記傾斜領域との境界に近づくほど低くなるように前記凸部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の搬送システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−107478(P2009−107478A)
【公開日】平成21年5月21日(2009.5.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−281891(P2007−281891)
【出願日】平成19年10月30日(2007.10.30)
【出願人】(302059274)アシスト テクノロジーズ ジャパン株式会社 (146)