説明

搬送機構

【課題】搬送方向を変更させつつ確実に媒体を搬送することができる搬送機構を提供する。
【解決手段】乾燥部60は印画紙を搬送する搬送部61と、搬送部61によって搬送される印画紙を加熱する加熱部62とを備えている。搬送部61は、印画紙の搬送方向を変更するためのターンローラ65と、ターンローラ65と近接して配置された第1のローラ66及び第2のローラ67と、ターンローラ65及び第1のローラ66よりも搬送方向上流側に配置される板状のガイド部材68とを有している。印画紙2は、ガイド部材68の搬送方向下流側の端部68aに当接することでターンローラ65及び第1のローラ66のそれぞれの外周面に接触するようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、写真処理装置において媒体を搬送する搬送機構に関する。
【背景技術】
【0002】
写真処理装置では、フィルムや印画紙等の媒体を搬送しながら現像、定着、水洗等の処理を行った後、その媒体を写真処理装置の搬送方向下流側に配置された乾燥装置に送り込む。この乾燥装置では、現像等の処理が行われた媒体は、搬送機構によって搬送されながら温風が吹き付けられて乾燥された後、コンベア上に排出される。ここで、乾燥装置の搬送機構には、媒体の搬送方向を変更するためのターン部が設けられており、そのターン部の搬送方向上流側には媒体をターン部に案内するためのガイド部が配置されている(例えば、特許文献1参照)。上記のターン部は、ターンローラと、ターンローラに近接した第1のローラと、第1のローラより搬送方向下流側においてターンローラに近接した第2のローラとを有している。従って、媒体の先端は、ガイド部に当接することで、ターンローラと第1のローラとの間の隙間に案内され、その後、ターンローラと第1のローラとの間、ターンローラと第2のローラとの間に順に進入するようになっている。
【特許文献1】特開2007−183504号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、媒体2の先端がターンローラ65と第1のローラ66との間に進入した後において、図7(a)に示すように、ガイド部168の端部168aが、傾斜面P(後述)に対して、ターンローラ65側に配置されている場合、すなわち、第1のローラ66側に突出していない場合には、図7(b)に示すように、媒体2はガイド部168の端部168aに当接しないことで、媒体2の第1のローラ66との接触部A’よりも搬送方向下流側(図7(b)では右側)の部分は、上方に(ターンローラ65に近づく方向に)移動することができない。その結果、媒体2は、第1のローラ66の外周面とのみ接触し、ターンローラ65の外周面に接触しなくなり、搬送方向下流側へ搬送されなくなってしまう。特に、媒体2が、第1のローラ66の外周面に沿う方向にカールしているときに上記の問題が発生しやすい。
【0004】
そこで、本発明の目的は、搬送方向を変更させつつ確実に媒体を搬送することができる搬送機構を提供することである。
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
【0005】
本発明の搬送機構は、媒体を搬送する搬送機構であって、媒体の搬送方向を変更するためのターンローラと、搬送方向上流側から搬送される媒体の先端が進入する隙間が前記ターンローラとの間に形成されるように配置された第1のローラと、
前記第1のローラよりも搬送方向下流側において、前記ターンローラと近接して配置された第2のローラと、前記ターンローラ及び前記第1のローラよりも搬送方向上流側において、前記第1のローラの外周面に接触し且つ前記第1のローラと前記第2のローラとの間で前記ターンローラの外周面に接触すると共に前記ターンローラと前記第1のローラとの間の隙間を通過する傾斜面に対して前記第1のローラ側に配置されており、前記ターンローラと前記第1のローラとの間の隙間に進入する媒体の前記ターンローラ側の面に当接するガイド部とを有していることを特徴としている。
【0006】
この構成によると、媒体の先端が、ターンローラと第1のローラとの間の隙間に進入した後においても、媒体がガイド部に当接し続けることで、ターンローラ側に押圧されてターンローラ及び第1のローラの両方の外周面に確実に接触するようになる。従って、搬送方向を変更させつつ確実に媒体を搬送することができる。
【0007】
本発明の搬送機構においては、前記ターンローラ及び前記第1のローラよりも搬送方向上流側において、搬送方向下流側の端部が前記ガイド部として前記傾斜面に対して前記第1のローラ側に突出しており、前記端部以外の部分は前記傾斜面に対して前記ターンローラ側に配置された板状のガイド部材を備えていてもよい。
【0008】
この構成によると、媒体の先端をターンローラと第1のローラとの間に案内するための部材の一部をガイド部として利用することができる。従って、搬送機構において、部品数を少なくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る搬送部(搬送機構)が備えられた写真処理装置の概略構成図である。
【0010】
本実施の形態に係る搬送機構61が備えられた写真処理装置1は、図1に示すように、レーザビームによるデジタル走査露光方式が採用された写真処理装置であって、画像入力部20と、プリント部50と、乾燥部60とを備えている。
【0011】
画像入力部20では、現像されたフィルムの各コマに記録された画像の読み取り処理及び読み取られた画像データに対するデジタル変換処理、フラッシュメモリ等の画像記録媒体に記録されたデジタル画像データの読み取り処理などの各種処理が行われ、読み取られた画像データがプリント部50に送信される。プリント部50では、画像入力部20から受信した画像データに基づいて、主に印画紙(媒体)2に対して露光処理、現像処理、漂白定着処理等の処理が施され、乾燥部60に送られる。乾燥部60では、プリント部50から排出された印画紙2に対して乾燥処理が施され、排出口から排出された印画紙2がオーダーごとに仕分けられる。
【0012】
画像入力部20は、図1に示すように、モニタ21と、キーボード22と、マウス23と、コンピュータユニット30と、スキャナ40とを有している。
【0013】
モニタ21には、各種制御のためのGUI(Graphical User Interface)や処理対象の画像が表示され、写真処理装置1に関する様々な情報を表示してオペレータに告知する。キーボード22とマウス23とは、写真処理装置1に対する入力操作を行うために用いられる。
【0014】
コンピュータユニット30は、モニタ21、キーボード22、マウス23と接続されており、スキャナ40およびプリント部50に含まれる各部の動作、および画像データの入出力等の制御を行い、メモリカード、CD−R等の画像記録媒体に収納された画像データがメディアリーダ(図示せず)を介して読み取られる。
【0015】
スキャナ40では、現像されたフィルムの各コマに記録された画像の読み取り処理及び読み取られた画像データに対するデジタル変換処理等が行われ、読み取られた画像データはコンピュータユニット30に送信される。
【0016】
プリント部50は、図1に示すように、2つの印画紙マガジン51と、シートカッター52と、バックプリント部53と、プリント露光部54と、圧接搬送ローラ対57と、チャッカー式搬送ユニット58と、処理槽ユニット55と、スクイズラック59とを有している。
【0017】
2つの印画紙マガジン51は、プリント部50の内部に備えられ、ロール状の印画紙2を1個ずつ収納し、適宜必要な量の印画紙2が圧接搬送ローラ対57によって引き出される。シートカッター52は、印画紙マガジン51から印画紙2を引き出す複数の圧接搬送ローラ対57の下流側に配置されており、印画紙マガジン51から引き出された印画紙2を所望のプリントサイズに切断する。
【0018】
バックプリント部53は、シートカッター52の下流側に配置されており、シートカッター52で所望のプリントサイズに切断された印画紙2の裏面側に、色補正情報、及びコマ番号等のプリント処理情報を印刷する。
【0019】
プリント露光部54は、バックプリント部53の下流側に配置されるチャッカー式搬送ユニット58と隣接するように配置され、所望のプリントサイズやテスト用のプリントサイズに切断された印画紙2の表面側に、画像の露光を行う。
【0020】
圧接搬送ローラ対57は、プリント部50の内部に配置される印画紙マガジン51に収容されたロール状の印画紙2を引き出すとともに、チャッカー式搬送ユニット58は、所望のサイズ等に切断された印画紙2を様々な処理に対応した搬送速度で搬送する。圧接搬送ローラ対57は、2つのローラを組み合わせて構成されており、2つのローラが回転しながら印画紙2を圧接することで2つのローラ間の隙間を印画紙2が通過し下流側へと搬送される。チャッカー式搬送ユニット58は、所望のサイズ等に切断された印画紙2の下流側(先端側)の端部をつまむようにして搬送する。
【0021】
処理槽ユニット55は、プリント露光部54の下流側に配置される複数の圧接搬送ローラ対57に隣接するように配置され、発色現像処理液を貯留する発色現像槽55aと、漂白定着処理液を貯留する漂白定着槽55bと、安定処理液を貯留する安定処理槽55cとを有している。そして、露光が行われた印画紙2が、これらの発色現像槽55aと、漂白定着槽55bと、安定処理槽55cとをこの順で経由しながら搬送されることで、所望の画像が印画紙2の表面に形成される。
【0022】
スクイズラック59は、処理槽ユニット55と乾燥部60との間に配置されており、処理槽ユニット55の搬送中に付着した印画紙2の表面の水分を取る機能を有している。
【0023】
乾燥部60は、処理槽ユニット55の下流側に配置されており、処理が行われた印画紙2を搬送する搬送部61と、搬送部61によって搬送される印画紙2を加熱する加熱部62(図4参照)と、加熱部62で乾燥された印画紙2を搬送するコンベア56と、コンベア56で搬送された印画紙2がオーダー単位で振り分けられるためのソータ(図示せず)とを有している。本実施の形態に係る乾燥部60では、処理槽ユニット55において各種処理液に浸漬されて処理された後、スクイズラック59を通過した印画紙2に対して、ブロワ等において発生させた温風を吹き付けて、印画紙2を乾燥させる。その後、乾燥した印画紙2は、搬出口からコンベア56上へと落下搬送され、ソータの方向へ搬送される。
【0024】
次に、写真処理装置1の乾燥部60の概略構成について、図2〜図5を参照して説明する。図2は、図1の写真処理装置に備えられた乾燥部断面図である。図3は、ターンローラ近傍を示す図であり、図3(a)はガイド部材の配置を示す図、図3(b)は印画紙2が搬送される様子を示す図である。なお、図3では、ガイド部材69a及び案内ローラ69bの図示を省略する。図4は、図2の乾燥部におけるA−A線断面図である。図5は、図2の乾燥部におけるB−B線断面図である。
【0025】
搬送部61は、図2に示すように、搬送方向上流側から搬送方向下流側に向かって、2つの搬送ローラ対63、64と、ターンローラ65と、第1のローラ66と、第2のローラ67と、複数の搬送ローラ対70と、ターン機構71と、搬出ローラ対73とを有している。
【0026】
2つの搬送ローラ対63、64は、それぞれ、印画紙2の搬送経路となる隙間を隔てて配置された2つの駆動ローラから構成されている。乾燥部60に送り込まれた印画紙2は、回転駆動される搬送ローラ対63、64によって、それらの搬送方向下流側のターンローラ65へと搬送される。搬送ローラ対63、64の表面は、例えば発泡材、布等で覆われている。
【0027】
ターンローラ65は、印画紙2の搬送方向を変更して下流側に搬送するためのものであり、図2及び図3に示すように、搬送ローラ対64の搬送方向下流側において印画紙2の搬送方向を鉛直方向上向きに変更する。また、ターンローラ65は、第1のローラ66及び第2のローラ67より大きい径を有するローラであって、図示しない駆動部によって回転駆動される。このように、乾燥部60では、その内部にターンローラ65を設けて印画紙2の搬送方向を変更しながら乾燥できるので、印画紙2を一方向にのみ搬送しながら乾燥処理を行う乾燥装置と比較して、乾燥装置の小型化を図ることができる。
【0028】
第1のローラ66は、ターンローラ65と対となって、印画紙2の搬送方向を変化させるためのものであり、ターンローラ65との間に搬送方向上流側から搬送される印画紙2の先端が進入する隙間が形成されるように近接して配置される。
【0029】
第2のローラ67は、ターンローラ65と対となって、印画紙2の搬送方向を変化させるためのであり、第1のローラ66よりも搬送方向下流側において、ターンローラ65との間に搬送方向上流側から搬送される印画紙2の先端が進入する隙間が形成されるように近接して配置される。
【0030】
そして、ターンローラ65及び第1のローラ66よりも搬送方向上流側であって、搬送ローラ対64とターンローラ65との間には、ガイド部材68が配置されている。ガイド部材68は、板状の部材であり、その搬送方向下流側の端部(ガイド部)68aは、図3に示すように、第1のローラ66の外周面と、第1のローラ66と第2のローラ67との間でターンローラ65の外周面とに接触すると共に、ターンローラ65と第1のローラ66との間の隙間を通過する傾斜面P(図3では一点鎖線で図示)に対して、第1のローラ66側に突出しており、端部68a以外の部分は傾斜面Pに対してターンローラ65側に配置されている。そして、ガイド部材68の端部68aは、印画紙2の裏面(ターンローラ65と第1のローラ66との間の隙間に進入する印画紙2のターンローラ65側の面)に当接する位置に配置されている。
【0031】
また、第1のローラ66と第2のローラ67との間には、搬送方向に沿って、ガイド部材69aと、案内ローラ69bとが配置されている。ガイド部材69aは、印画紙2の搬送経路に近接する平坦部を有しており、固定配置されている。従って、ターンローラ65と第1のローラ66との間を通過した印画紙2の先端は、ガイド部材69aの平坦部と当接することで、案内ローラ69bに案内される。案内ローラ69bは、回転自在に支持される棒状形状のローラであり、ガイド部材69aの搬送方向下流側に配置される。ガイド部材69aに案内された印画紙2の先端は、その先端近傍が案内ローラ69bと当接しつつ搬送されることで、ターンローラ65と第2のローラ67との間の隙間に向かって搬送される。
【0032】
複数の搬送ローラ対70は、ターンローラ65と第2のローラ67との間の隙間を通過した印画紙2を鉛直方向上向きに搬送するためのものである。搬送ローラ対70の表面は、例えば発泡材、布等で覆われている。
【0033】
ターン機構71は、印画紙2の搬送方向を変更して下流側へ搬送するためのものであり、複数の搬送ローラ対70の上方において、印画紙2の搬送方向をほぼ水平方向(搬出ローラ対73に向かう方向)に変更する。ターン機構71は、大径のローラ71aと複数の小径のローラ71bとを有しており、印画紙2はローラ71aとローラ71bとのそれぞれの間の隙間を通過する。また、複数の小径のローラ71b間には、ローラ71aとローラ71bとの間を通過した印画紙2を下流側のローラ71bに案内するためにガイド片72を有している。
【0034】
ガイド片72は、板状部材であり、その表面は凹凸形状に形成されている。これより、印画紙2は、ガイド片72と接触しながら滑らかに(貼りつくことなく)搬送されるようになる。ここで、ガイド片72の搬送方向下流側の端部は、平坦形状に形成されている。従って、印画紙2の後端部近傍が、ガイド片72に接触して傷付くのが抑制される。
【0035】
搬出ローラ対73は、乾燥部60において乾燥した印画紙2を、コンベア56上に排出するためのものである。
【0036】
加熱部62は、図4及び図5に示すように、搬送中の印画紙2を乾燥させるヒータユニット74と、送風機75と、加熱室76とを有している。そして、加熱室76と搬送部61とは、孔開きダクト77によって仕切られている。
【0037】
ヒータユニット74と送風機75とは、乾燥部60の一側部に並列に配置されている。ヒータユニット74は、吸引される空気を効率よく加熱すると共に、その吸引される空気のほとんどが通過するように、送風機75の吸引側の上流部に配置され、送風機75と略同等の長さに形成されており、送風機75によって吸引されるほとんどの空気を加熱して温風にできるようになっている。
【0038】
本実施の形態の加熱部62では、送風機75によって、乾燥部60内より吸引される空気がヒータユニット74を通過して加熱され、温風となって、加熱室入口78を通過して加熱室76内に送られるようになっている。そして、加熱室76内に送り込まれた温風は、孔開きダクト77に設けられた各孔79より搬送ローラ対70によって上方に向かって搬送される印画紙2に向かって吹きつけられる。これによって、乾燥部60において印画紙2は乾燥される。ここで、加熱室76は、その縦断面積が送風機75から遠ざかるに従って、小さくなるように形成されている。これによって、加熱室76内の風圧が均一となり、孔開きダクト77の孔79を通過する温風の流量を均等にすることができる。
【0039】
コンベア56は、プリント部50の上方に配置され、加熱部62で乾燥された後で排出された印画紙2をソータの方向へ搬送する。ソータは、プリント部50の前面側の鉛直方向に配置された複数のトレイを有しており、コンベア56によって搬送される印画紙2を、例えばオーダー単位で各トレイに振り分ける。
【0040】
次に、本実施の形態の乾燥部60内においてターンローラ近傍を搬送される印画紙2の動作について、図6を参照して説明する。図6(a)〜図6(c)は、ターンローラ近傍を搬送される印画紙2の動作を説明する図である。
【0041】
まず、搬送ローラ対64の間の隙間を通過した印画紙2の先端は、ガイド部材68に案内されることで、ターンローラ65と第1のローラ66との間の隙間に進入する。その後、印画紙2の先端は、図6(a)に示すように、ガイド部材69a及び案内ローラ69bに向かって搬送される。このとき、ターンローラ65及び第1のローラ66よりも搬送方向上流側において、印画紙2の裏面は、ガイド部材68の端部68aに当接している。従って、図3(b)に示すように、印画紙2の第1のローラ66との接触部Aよりも搬送方向上流側(図3(b)では左側)の部分が、ガイド部材68の端部68aによって、傾斜面Pよりも下方に(第1のローラ66側に)保持される。そのため、印画紙2の第1のローラ66との接触部Aよりも搬送方向下流側(図3(b)では右側)の部分は、印画紙2のコシによって上方に(ターンローラ65に近づく方向に)移動する。その結果、印画紙2は、ターンローラ65及び第1のローラ66の両方に接触することになる。
【0042】
その後、印画紙2がさらに搬送されると、印画紙2の後端(搬送方向上流側の端部)は、搬送ローラ対64を通過する。すると、印画紙2の接触部Aよりも搬送方向上流側の部分は、搬送ローラ対64によって支持されなくなる。ここで、図6(b)では、印画紙2が第1のローラ66の外周面に沿う方向にカールしている場合が図示されているが、この場合も、印画紙2の接触部Aよりも搬送方向上流側の部分は、ガイド部材68の端部68aによって傾斜面Pよりも下方に保持されている。また、印画紙2がターンローラ65の外周面に沿う方向にカールしている場合には、印画紙2の接触部Aよりも搬送方向上流側の部分の一部が、傾斜面Pよりも上方に配置されることが考えられるが、印画紙2の接触部Aよりも搬送方向上流側の部分の少なくともガイド部材68の端部68aと当接する部分は、傾斜面Pよりも下方に保持される。従って、上述と同様に、印画紙2は、ターンローラ65及び第1のローラ66の両方に接触することになる。
【0043】
その後、印画紙2の先端はガイド部材69a及び案内ローラ69bによって案内されながら、ターンローラ65と第2のローラ67との間の隙間に進入し、図6(c)に示すように、印画紙2は搬送方向下流側へ搬送される。
【0044】
以上説明したように、印画紙2の先端が、ターンローラ65と第1のローラ66との間の隙間に進入した後においても、印画紙2がガイド部材68の搬送方向下流側の端部68aに当接し続けることで、ターンローラ側に押圧されてターンローラ65及び第1のローラ66の両方の外周面に確実に接触するようになる。従って、搬送方向を変更させつつ確実に印画紙2を搬送することができる。
【0045】
また、印画紙2の先端をターンローラ65と第1のローラ66との間に案内するための部材の一部をガイド部として利用することができる。従って、搬送部61において、部品数を少なくすることができる。
【0046】
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。例えば、上述の実施の形態では、ガイド部材68の端部68aがガイド部の役割を有しているが、ガイド部は、印画紙2に当接することで、印画紙2をターンローラ65及び第1のローラ66の両方の外周面に接触させることができればよい。従って、ガイド部の形状は、任意に変更可能である。また、ガイド部として、ガイド部材68とは別の部材が傾斜面Pよりも下方に配置されてもよい。
【0047】
また、上述の実施の形態では、第2のローラは、ターンローラ65との間に隙間が形成されるように配置されていたが、ターンローラ65と接触するように配置されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の実施の形態に係る乾燥部が備えられた写真処理装置の概略構成図である。
【図2】図1の写真処理装置に備えられた乾燥部断面図である。
【図3】ターンローラ近傍を示す図であり、図3(a)はガイド部材の配置を示す図、図3(b)は印画紙2が搬送される様子を示す図である。
【図4】図2の乾燥部におけるA−A線断面図である。
【図5】図2の乾燥部におけるB−B線断面図である。
【図6】図6(a)〜図6(c)は、ターンローラ近傍を搬送される印画紙2の動作を説明する図である。
【図7】従来技術のターンローラ近傍を示す図であり、図7(a)はガイド部材の配置を示す図、図7(b)は印画紙2が搬送される様子を示す図である。
【符号の説明】
【0049】
1 写真処理装置
2 印画紙(媒体)
60 乾燥部
61 搬送部(搬送機構)
62 加熱部
65 ターンローラ
66 第1のローラ
67 第2のローラ
68 ガイド部材
68a ガイド部材の搬送方向下流側の端部(ガイド部)
P 傾斜面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体を搬送する搬送機構であって、
媒体の搬送方向を変更するためのターンローラと、
搬送方向上流側から搬送される媒体の先端が進入する隙間が前記ターンローラとの間に形成されるように配置された第1のローラと、
前記第1のローラよりも搬送方向下流側において、前記ターンローラと近接して配置された第2のローラと、
前記ターンローラ及び前記第1のローラよりも搬送方向上流側において、前記第1のローラの外周面に接触し且つ前記第1のローラと前記第2のローラとの間で前記ターンローラの外周面に接触すると共に前記ターンローラと前記第1のローラとの間の隙間を通過する傾斜面に対して前記第1のローラ側に配置されており、前記ターンローラと前記第1のローラとの間の隙間に進入する媒体の前記ターンローラ側の面に当接するガイド部とを有していることを特徴とする搬送機構。
【請求項2】
前記ターンローラ及び前記第1のローラよりも搬送方向上流側において、搬送方向下流側の端部が前記ガイド部として前記傾斜面に対して前記第1のローラ側に突出しており、前記端部以外の部分は前記傾斜面に対して前記ターンローラ側に配置された板状のガイド部材を備えていることを特徴とする請求項1に記載の搬送機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−102118(P2009−102118A)
【公開日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−275107(P2007−275107)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】