説明

搬送装置、搬送方法、記録装置及び記録方法

【課題】ロール状に巻回された被搬送物の使用状況を継続して把握せずとも、ロール状に巻回された被搬送物の搬送精度を向上することのできる技術を提供する。
【解決手段】ロール紙Rを引き出し可能に保持するスピンドル113、スピンドル受け114、115と、ロール紙Rを所定の引出方向に引き出す紙送りローラ212と、ロール紙Rの重量を測定するロードセル114b、115bと、測定された重量に基づいて、ロール紙Rを引き出す際におけるロール状の部分の慣性による抵抗力が所定の大きさになるように、ロール紙Rを引き出す際の紙送りローラ212の加速駆動時の加速度を決定する算出部201b及び制御値決定部201cと、加速度に基づいて、ロール紙Rを引き出す際の引出ローラ212の回転を制御する搬送制御部201dとを有するように構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロール状に巻回された被搬送物を搬送する搬送装置及び搬送方法、ロール状に巻回された記録媒体を搬送し、当該記録媒体に記録する記録装置及び記録方法に関する。
【背景技術】
【0002】
記録装置の一例としてのシリアル方式のインクジェット式プリンタは、搬送部の紙送りローラにより被搬送物の一例である記録用紙をプラテンに向けて副走査方向に搬送しつつ、記録部のキャリッジをプラテン上にて主走査方向に往復移動させてキャリッジに搭載されている記録ヘッドからインクを吐出し記録するようになっている。
このようなインクジェット式プリンタにおいて、記録用紙の残量(残りの長さ)と記録用紙の幅とに応じて記録用紙を搬送するためのステッピングモータを最適に制御する発明が知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−169380号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記した特許文献1に記載されたインクジェット式プリンタでは、ステッピングモータを制御するために、記録用紙の残りの長さを把握する必要がある。このために、所定の長さの新たな記録用紙をセットした状態から、実際に書き込みを行った長さを逐次検出して、残りの長さを管理するといったように、使用状況を継続して把握しておかなければならないという問題がある。
また、例えば、途中まで使用している記録用紙のように、セットした状態における長さが把握できない記録用紙に対しては、残り長さを把握することができず、最適な制御を行うことができないという問題がある。
本発明は、上記のような種々の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、ロール状に巻回された被搬送物の使用状況を継続して把握せずとも、ロール状に巻回された被搬送物の搬送精度を向上することのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的達成のため、本発明の一実施形態に係る搬送装置は、ロール状に巻回された被搬送物を引き出し可能に保持するロール保持手段と、被搬送物を所定の引出方向に引き出す引出ローラと、ロール状に巻回された被搬送物の重量を測定する重量測定手段と、測定された重量に基づいて、被搬送物を引き出す際におけるロール状の部分の慣性による抵抗力が所定の大きさになるように、被搬送物を引き出す際の引出ローラの変速駆動時の加速度を決定する加速度決定手段と、加速度に基づいて、被搬送物を引き出す際の引出ローラの回転を制御するローラ制御手段とを有する。
【0005】
係る構成によると、被搬送物を引き出す際におけるロール状の部分の慣性による抵抗力が所定の大きさになるように引出ローラの回転を制御することができる。このように、慣性による抵抗力の大きさを適切に制御することができるので、被搬送物の搬送を高精度に行うことができる。また、ロール状に巻回された被搬送物の使用長さを把握しておく必要がない。
【0006】
上記搬送装置において、加速度決定手段は、被搬送物を引き出す際におけるロール状の部分の慣性による抵抗力が一定の大きさになるように加速度を決定するようにしてもよい。係る構成によると、被搬送物を引き出す際におけるロール状の部分の慣性による抵抗力を一定の大きさになるように加速度を決定するので、被搬送物を引き出す際におけるロール状の部分の慣性による抵抗力を一定の大きさにすることができる。このため、例えば、被搬送物の残量が違う等の被搬送物の状態が異なっていてもロール状部分の慣性の影響に関して同じ条件とすることができる。すなわち、慣性の影響については、被搬送物の状態によらず一定とすることができ、慣性による影響によって被搬送物の送り量がばらつくことを防ぐことができる。また、このように、送り量に対する慣性の影響については、被搬送物の状態によらず一定とすることができるので、慣性による抵抗力の影響については、被搬送物の状態によらず共通した処理により補正した制御を行うことができる。
【0007】
また、上記搬送装置において、加速度決定手段は、被搬送物を引き出す際におけるロール状の部分の慣性による抵抗力の大きさが、被搬送物を引き出す際における抵抗力を一定とすることのできる大きさとなるように加速度を決定するようにしてもよい。
【0008】
係る構成によると、被搬送物を引き出す際における抵抗力を一定とすることができる。すなわち、慣性による抵抗力のみならず、例えば、ロール状部分の回転抵抗等の他の抵抗力を含む抵抗力を一定にすることができる。
このため、被搬送物の残量が違う等の被搬送物の状態が異なっていても、被搬送物を引き出す際の抵抗力について同じ条件とすることができる。すなわち、被搬送物の状態によらず、常に一定の条件下で被搬送物を引き出すことができる、したがって、被搬送物の状態によって引き出し量がばらつくことを適切に防止することができる。また、抵抗力を被搬送物の状態によらず一定とすることができるので、被搬送物の状態によらず共通した処理により抵抗力による影響を適切に補正した制御を行うことができる。
【0009】
また、上記搬送装置は、被搬送物の密度、ロール状の部分の内径、及び被搬送物の幅に関する被搬送物情報を記憶する記憶手段を更に備え、加速度決定手段は、重量及び被搬送物情報に基づいて加速度を算出するようにしてもよい。係る構成によると、ロール状に巻回された被搬送物の重量を測定することにより、被搬送物情報を用いて加速度を適切に算出することができる
【0010】
また、上記目的達成のため、本発明の一実施形態に係る記録装置は、ロール状に巻回された記録媒体を引き出し可能に保持するロール保持手段と、記録媒体を所定の引出方向に引き出す引出ローラと、ロール状に巻回された記録媒体の重量を測定する重量測定手段と、測定された重量に基づいて、記録媒体を引き出す際の引出ローラの変速駆動時の加速度を決定する加速度決定手段と、加速度に基づいて、記録媒体を引き出す際の引出ローラの回転を制御するローラ制御手段と、引出ローラによって引き出された記録媒体に対して所定の画像を記録する記録手段とを有する。
【0011】
係る構成によると、記録媒体を引き出す際におけるロール状の部分の慣性による抵抗力が所定の大きさになるように引出ローラの回転を制御することができる。このように、慣性による抵抗力の大きさを適切に制御することができるので、記録媒体の搬送を高精度に行うことができる。このため、記録媒体へ高精度に画像を記録することができる。また、ロール状に巻回された被搬送物の使用長さを把握しておく必要がない。
【0012】
また、上記目的達成のため、本発明の一実施形態に係る搬送方法は、ロール状に巻回された被搬送物を引き出し可能に保持するロール保持手段と、被搬送物を所定の引出方向に引き出す引出ローラとを有する搬送装置における搬送方法であって、ロール状に巻回された被搬送物の重量を測定する重量測定ステップと、測定された重量に基づいて、被搬送物を引き出す際におけるロール状の部分の慣性による抵抗力が所定の大きさになるように、被搬送物を引き出す際の引出ローラの変速駆動時の加速度を決定する加速度決定ステップと、加速度に基づいて、被搬送物を引き出す際の引出ローラの回転を制御するローラ制御ステップとを有する。
【0013】
係る方法によると、被搬送物を引き出す際におけるロール状の部分の慣性による抵抗力が所定の大きさになるように引出ローラの回転を制御することができる。このように、慣性による抵抗力の大きさを適切に制御することができるので、被搬送物の搬送を高精度に行うことができる。また、ロール状に巻回された被搬送物の使用長さを把握しておく必要がない。
【0014】
また、上記目的達成のため、本発明の一実施形態に係る記録方法は、ロール状に巻回された記録媒体を引き出し可能に保持するロール保持手段と、記録媒体を所定の引出方向に引き出す引出ローラと、引出ローラによって引き出された記録媒体に対して所定の画像を記録する記録手段とを有する記録装置における記録方法であって、ロール状に巻回された記録媒体の重量を測定する重量測定ステップと、測定された重量に基づいて、記録媒体を引き出す際の引出ローラの変速駆動時の加速度を決定する加速度決定ステップと、加速度に基づいて、記録媒体を引き出す際の引出ローラの回転を制御するローラ制御ステップと、引出ローラによって引き出された記録媒体に対して所定の画像を記録する記録ステップとを有する。
【0015】
係る方法によると、記録媒体を引き出す際におけるロール状の部分の慣性による抵抗力が所定の大きさになるように引出ローラの回転を制御することができる。このように、慣性による抵抗力の大きさを適切に制御することができるので、記録媒体の搬送を高精度に行うことができる。このため、記録媒体へ高精度に画像を記録することができる。また、ロール状に巻回された被搬送物の使用長さを把握しておく必要がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本発明の一実施形態に係るプリンタの斜視図、図2は、プリンタの主要部の内部構成例を示す斜視図、図3は、プリンタの概略断面側面図である。図1及び図2に示す記録装置及び搬送装置の一例としてのプリンタ100は、例えばJIS規格のA0判やJIS規格のB0判といった比較的大型のサイズの記録用紙にまで記録できる大型のインクジェット式プリンタであり、給紙部110と、記録部120と、搬送部210と、排紙部130と、脚部140がこの順で上部から配設された構成となっている。そして、記録部120及び搬送部210を制御する制御部200が内蔵されている。給紙部110は一体化された記録部120及び搬送部210と排紙部130に対して分離可能に構成されており、これらはプリンタ本体として構成されている。そして、このプリンタ本体は脚部140に対して分離可能に構成されている。
【0017】
給紙部110は、図1に示すように、記録部120の上部後方に突き出るように設けられている。そして、給紙部110の内部には、図2に示すように、被搬送物であって記録媒体の一例であるロール紙R(図4参照)が2本セット可能なロール保持手段の一例としてのロール紙ホルダ111が斜め上下に設けられ、給紙部110の前面には、図1及び図2に示すように、跳ね上げ式の開閉可能なロール紙カバー112がロール紙ホルダ111を覆うように取り付けられている。このロール紙カバー112により、ロール紙Rの汚染を防止することができる。
【0018】
図4は、本発明の一実施形態に係るロール紙ホルダの構成を示す図である。図4(1)は、ロール紙ホルダ111の正面図を示し、図4(2)は、ロール紙ホルダ111の側面図を示している。
ロール紙ホルダ111は、図2及び図4に示すように、ロール紙Rを保持するスピンドル113と、給紙部110の両側壁内面に取り付けられて、スピンドル113の着脱及び懸架が可能なスピンドル受け114、115を備えている。
スピンドル受け114、115は、スピンドル113を回転可能に支持するスピンドル支持部114a、115aと、スピンドル支持部114a、115aのそれぞれを支持して加えられる重量に応じて電気信号を出力する重量測定手段の一例としてのロードセル114b、115bと、ロードセル114b、115bと接続されるとともに側面を給紙部110の両側壁内面に接続される接続部114c、115cとを有する。
スピンドル支持部114aは、スピンドル113を挿貫可能な穴が形成されるとともに、内部にトルクリミッタを収容しており、ロール紙Rを記録部120側に送る際にスピンドル113が回転する方向に対して逆向きに所定の一定のトルクを発生させるようになっている。
【0019】
ロードセル114b、115bは、制御部200との間に配線が接続されており、出力した電気信号を制御部200に伝えられるようになっている。本実施形態では、ロードセル114bは、スピンドル支持部114aと、スピンドル113及びロール紙Rの自己側に加えられる重量に応じた電気信号を出力し、ロードセル115bは、スピンドル支持部115aと、スピンドル113及びロール紙Rの自己側に加えられる重量に応じた電気信号を出力する。したがって、ロードセル114b及びロードセル115bによる双方の電気信号により、スピンドル支持部114a、115a、スピンドル113、ロール紙Rの重量を把握することができる。なお、スピンドル支持部114a、115a、スピンドル113の重量は、予め把握しておくことができ、常に一定であるので、これら重量を減算することにより、ロール紙Rのみの重量を把握することができる。
このような構成により、スピンドル113は、中央にロール紙が装着された後、両端がスピンドル受け114、115に装着され、回転可能に軸支持されるようになっている。
【0020】
ロール紙カバー112は、図1及び図2に示すように、上部が回動可能に支持されており、下部を持って持ち上げ、あるいは押し下げることにより開閉するようになっている。ユーザは、ロール紙カバー112の開閉を容易に行うことができ、ロール紙の交換作時間等を短縮させることができる。
記録部120は、図2に示すように、記録ヘッド(液体噴射ヘッド)121を搭載したキャリッジ122、記録ヘッド121と記録を実行する為の図示しない制御部とを接続するフレキシブルフラットケーブル(以下、FFCという)123、記録ヘッド121とインクが入った図示しないインクカートリッジとをつなぐインクチューブ124、ロール紙の浮き上がりを防止する図示しない紙吸引手段、キャリッジ122の主走査方向の移動位置を検出するリニアエンコーダ等を備えている。
【0021】
記録ヘッド121は、ブラックインクを吐出するブラックインク用記録ヘッドと、イエロー、ライトシアン、シアン、ライトマゼンタ、マゼンタ等の各色のインクを吐出する複数のカラーインク用記録ヘッドとを備えている。そして、記録ヘッド121は、圧力発生室とそれに繋がるノズル開口が設けられており、圧力発生室内にインクを貯留して所定圧で加圧することにより、ノズル開口からロール紙に向けてコントロールされた大きさのインク滴を吐出するようになっている。
キャリッジ122は、図2に示すように、主走査方向に設けられているガイドレール127にコロを介して吊り下げられ、キャリッジベルト128に連結されており、図示しないキャリッジ駆動装置によってキャリッジベルト128が作動すると、キャリッジベルト128の動きに連行され、ガイドレール127に案内されて往復移動するようになっている。
【0022】
FFC123は、一端が制御部200のコネクタに接続され、他端が記録ヘッド121のコネクタに接続されており、記録信号を制御部200から記録ヘッド121に送るようになっている。インクチューブ124は、各色のインク用が配設されており、図示しないインク加圧供給手段を介して各一端が対応する各色のインクカートリッジにつながれ、各他端が対応する各色の記録ヘッド121につながれている。そして、インクチューブ124は、インク加圧供給手段によって加圧された各色のインクをインクカートリッジから記録ヘッド121に送るようになっている。
【0023】
記録部120の上面及び前面には、図1及び図2に示すように、上蓋125及び前蓋126が記録ヘッド121やキャリッジ122等を覆うように取り付けられている。上蓋125は、後部が回動可能に支持されており、前部を持って押し上げ、あるいは押し下げることにより開閉するようになっている。前蓋126は、図1及び図2に示すように、下部が回動可能に支持されており、上部を持って押し下げ、あるいは押し上げることにより開閉するようになっている。ユーザは、上蓋125や前蓋126を開放することにより、それらの開放口を通して内部機構のメンテナンス作業等を行うことができる。
【0024】
搬送部210は、図3に示すように、給紙部110から記録部120にかけて配設された平坦な給紙ガイド211、対向配置された接触・離間可能な紙送りローラ212及び従動ローラ213、引出ローラの一例としての紙送りローラ212を回転させるステッピングモータ216、キャリッジ122に搭載された記録ヘッド121と対向配置された平坦なプラテン214、記録部120から排紙部130にかけて配設された平坦な紙吸引部215、排紙部130に配設された排紙ガイド131を備えている。
【0025】
給紙ガイド211、排紙ガイド131の各表面は、用紙搬送面として作用する。紙吸引部215の表面は、用紙搬送面及び用紙吸引面として作用する。即ち、紙吸引部215は、主走査方向に複数並設され、副走査方向に3列配設された吸引口215a、215b、215cを備えており、記録部120の内部に配設されたファン217により外気が各吸引口215a、215b、215cから吸引されることにより、紙吸引部215上を搬送されるロール紙を吸着するようになっている。
プラテン214の表面は、用紙搬送案内面として作用すると共に用紙吸引面としても作用する。即ち、プラテン214は、主走査方向に複数並設された吸引口214aを備えており、記録部120の内部に配設されたファン217により外気が各吸引口214aから吸引されることにより、プラテン214上を搬送されるロール紙を吸着するようになっている。従って、記録時において特にロール紙の幅が広くてもロール紙はプラテン214上で全幅にわたって確実に吸引されて平坦になるので、記録精度を高精度に維持することができる。
【0026】
排紙部130は、図1及び図2に示すように、ロール紙を副走査方向に搬送する経路の一部を成す排紙ガイド131と、ロール紙を副走査方向に搬送する図示しない排紙ローラを備えている。また、排紙部130の前面側から見て右側には、図1及び図2に示すように、インクカートリッジを収納保持するカートリッジホルダ150が配設されている。
脚部140は、図1及び図2に示すように、移動用のコロ141を有する2本の支持柱142と、これらの支持柱142の間に掛け渡されている補強棒143を備えている。そして、支持柱142の上部にプリンタ本体110、120、130が載置されネジ止め固定されるようになっている。ユーザは、プリンタ100のメンテナンス等のために背面側を見たいときや、プリンタ100の設置場所を変更したいときに、コロ141によりプリンタ100を容易に移動させることができる。
【0027】
図5は、本発明の一実施形態に係るプリンタの制御部の構成図である。
制御部200においては、CPU(Central Processing Unit)201と、通信インターフェース部(通信I/F部)202と、記憶手段の一例としてのROM(Read Only Memory)203と、RAM(Random Access Memory)204と、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read-Only Memory)205と、機構制御部206とがバス207を介して接続されている。
通信I/F部202は、例えば、USBケーブルを介して外部装置と接続可能であり、外部装置との間での情報交換の仲介を行う。例えば、PC(パーソナルコンピュータ)から送信される当該プリンタ100で記録すべき画像の画像データの仲介を行う。
【0028】
ROM203は、ブートプログラム等のプログラム、後述する紙送り制御値決定処理等のプログラム、スピンドル113及びスピンドル支持部114a、115aの重量の情報、スピンドル支持部114aのトルクリミッタにより発生されるトルクの大きさT、重力加速度g、ロール紙Rの慣性による一定とすべき張力f等の情報を記憶する。
【0029】
RAM204は、プログラムやデータを記憶する領域として、或いは、CPU201による処理に使用しているデータを格納する作業領域として利用される。
EEPROM205は、書き換え可能な不揮発性メモリであり、プリンタ100の電源が入っていない場合でも記憶しておく必要がある各種情報を記憶する。本実施形態では、EEPROM205は、プリンタ100において装着されているロール紙Rに関する設定値情報(用紙設定値情報)等を記憶する。用紙設定値情報としては、用紙の密度ρ、用紙幅l、ロール紙内径d等が含まれている。これら用紙設定値情報と、測定された用紙重量wとからロール紙R(ロール状部分)の慣性モーメントI等を算出することができる。
機構制御部206は、CPU201による制御に従って、プリントエンジンを構成する給紙部110、記録部120、搬送部210等を制御するようになっている。
【0030】
CPU201は、各部202〜206の動作を制御する。また、CPU201は、ROM203に格納されているプログラムをRAM204に読み出して実行することにより、重量取得部201aと、算出部201bと、加速度決定手段の一例としての制御値決定部201cと、ローラ制御手段の一例としての搬送制御部201dとを構成して各種処理を実行する。
【0031】
重量取得部201aは、ロードセル114b、115bのそれぞれから出力された電気信号の値を機構制御部206を介して取得し、これらロードセル114b、115bに加えられた重量を当該電気信号の値から検出し、ロードセル114b、115bの両方により測定された重量の合計から、ROM203に格納されているスピンドル113及びスピンドル支持部114a、115aの重量を減算し、ロール紙Rの重量wを取得する。
算出部201bは、重量取得部201aによって取得されたロール紙Rの重量wを利用して、トルクリミッタによる用紙搬送方向逆向きにかかる張力Fを算出し、算出結果を制御値決定部201cに通知する。
【0032】
ここで、トルクリミッタによる張力Fを算出する方法について説明する。
ロール紙Rの重量(ロール紙重量)をwとし、ロール紙密度をρとし、ロール紙幅をlとし、ロール紙内径をdとし、ロール紙外径(ロール状部分の外径)をDとし、重力加速度をgとすると、ロール紙重量wは、以下の式(1)で表される。そして、式(1)を変形すると式(2)が得られ、式(2)から式(3)に示すようにロール紙Rの外径Dを示す式が得られる。ここで、測定されたロール紙重量や、ROM203やEEPROM205に格納されている各値を用いることにより外径Dを算出することができる。
ここで、トルクリミッタにより発生されるトルクをTとすると、式(4)に示すように、式(3)により算出された外径Dを用いて、トルクリミッタによる張力Ftを算出することができる。
【0033】
【数1】

【0034】
また、算出部201bは、重量取得部201aによって取得されたロール紙Rの重量wを利用して、紙送りローラ212を加速して駆動させる際の加速度、即ち、紙送りの加速度を決定する。本実施形態では、算出部201bは、ロール紙Rを加速しつつ引き出す際におけるロール紙Rの慣性による張力Tが一定となるように、加速度を決定する。
紙送りローラ212を加速して駆動させる際の加速度を算出する方法について説明する。
ロール紙Rの慣性モーメントIは、以下に示すように式(5)によって表される。また、ロール紙Rの慣性によるトルクTは、慣性モーメントIと、ロール紙Rの角度変位θとによって、式(6)に示すように表される。更に、ロール紙Rの慣性による一定とすべき張力をfとすると、ロール紙Rの慣性によるトルクTiは、式(7)に示すようにも表される。式(6)及び式(7)からロール紙Rの角加速度θ・・は、式(8)に示すように表される。
一方、紙送りの加速度をaとすると、この加速度aと、角度変位θとは、式(9)に示す関係が成立する。式(9)に、式(8)を代入すると、加速度aは、式(10)に示すように表される。式(10)に、式(5)で示される慣性モーメントIを代入すると、加速度aは、式(11)に示すように表される。
加速度aは、式(11)に示すように表されるので、この式(11)に、ROM203、EEPROM205に格納されている値等各値を代入することにより、加速度aが算出できる。なお、Dは、式(2)に各値を代入することにより算出できる。
【0035】
【数2】

【0036】
制御値決定部201cは、算出部201bによって算出された張力に基づいて、所定の紙送りを行うための紙送りローラ212の駆動量の制御値を決定する。なお、紙送りローラ212の駆動量とは、紙送り時に紙送りローラ212を回転させた際の回転角に対応する円弧の長さを示している。また、本実施形態では、駆動量そのものを制御値としている。
【0037】
ここで、用紙にかかる搬送方向逆向きにかかる張力(バックテンション)と、紙送りローラ212による実際の紙送り量との関係について説明する。
図6は、用紙にかかるバックテンションと、用紙の紙送り量との関係を説明する図である。同図においては、線Aはロール紙Rの用紙が実際に送られた量(長さ)を示し、線Bは、その際の紙送りローラ212の駆動量を示している。
同図に示すように、バックテンションが増加するほど、線Bに示す紙送りローラ212の駆動量ILよりも、紙送り量RLが少なくなるという傾向にある。これは、バックテンションが大きいほど、紙送りローラ212による紙送り時において、搬送方向逆向きへのすべり量SLが多くなるためである。
【0038】
そこで、制御値決定部201cは、トルクリミッタによる張力Fのみが発生する場合における紙送りローラ212の駆動量については、当該張力Fにおけるすべり量を考慮して決定する。具体的には、例えば、所望する紙送り量をDL1とし、張力Fにおけるすべり量をSL1とし、そのすべり量に対応する実際の送り量をRL1とすると、駆動量の制御値をDL1×(RL1+SL1)/RL1と決定する。これによって、すべりが発生する状態において、所望する紙送り量の紙送りを実現することができるようになる。なお、本実施形態では、張力と、すべり量及び対応する実際の紙送り量との対応関係は、ROM203に格納されている。
【0039】
また、制御値決定部201cは、トルクリミッタによる張力Fと、慣性による一定の張力fが発生する場合における紙送りローラ212の駆動量については、張力Fと、張力fとを考慮して決定する。具体的には、例えば、所望する紙送り量をDL2とし、張力(F+f)におけるすべり量をSL2とし、そのすべり量に対応する実際の送り量をRL2とすると、駆動量の制御値を、DL2×(RL2+SL2)/RL2と決定する。これによって、すべりが発生する状態において、所望する紙送り量の紙送りを実現することができるようになる。なお、慣性による張力fが一定であるので、トルクリミッタによる張力Fを算出した後に、直ちに駆動量を決定することができる。
また、制御値決定部201cは、算出部201bによって算出された加速度aを、紙送りローラ212の加速時における加速度の制御値として決定する。
本実施形態では、制御値決定部201cは、決定した駆動量の制御値、及び加速度の制御値をRAM204に格納する。
【0040】
搬送制御部201dは、制御値決定部201cによって決定された駆動量の制御値及び加速度の制御値に基づいて、機構制御部206を介して紙送りローラ212の回転を制御する。
本実施形態においては、搬送制御部201dは、紙送りローラ212を駆動するステッピングモータ216を加速動作させる際には、トルクリミッタによる張力Fと、慣性による一定の張力fが発生しているので、これら張力を考慮して決定された駆動量となるように、且つ決定された加速度となるようにステッピングモータ216を制御する。本実施形態では、搬送制御部201dは、機構制御部206により、紙送りローラ212の駆動量に対応する数のパルスを、決定された加速度に基づいて発生間隔を変化させつつ発生させてステッピングモータ216に供給させる。
また、搬送制御部201dは、紙送りローラ212を駆動するステッピングモータ216を定速動作させる際には、トルクリミッタによる張力Fを考慮して決定された駆動量となるようにステッピングモータ216を制御する。本実施形態では、搬送制御部201dは、機構制御部206により、紙送りローラ212が決定された駆動量の駆動を行うように、駆動量に対応する数のパルスを、一定の間隔でステッピングモータ216に供給させる。
【0041】
図7は、本発明の一実施形態に係る紙送り制御値決定処理のフローチャートである。
紙送り制御値決定処理は、CPU201が終了指示を検出していない場合には(ステップS1のNO)、ステップS2からのステップを実行する一方、終了指示を検出した場合(ステップS1のYES)には処理を終了する。
すなわち、終了指示を検出していない場合には(ステップS1のNO)、重量取得部201aは、紙送り調整を実施する時点であるか否かを判定する(ステップS2)。紙送り調整を実施する時点としては、例えば、プリンタ100の電源を入れた直後であってもよく、ロール紙Rを装着した直後の時点であってもよく、また、例えば、前回の調整時点から所定の時間(例えば、5分)が経過した時点のいずれか1つの時点又は複数の時点であってもよい。
この結果、紙送り調整を実施する時点でない場合(ステップS2のNO)には、ステップS1及びステップS2を繰り返して実行する。
【0042】
一方、紙送り調整を実施する時点である場合(ステップS2のYES)には、重量取得部201aは、ロードセル114b、115bのそれぞれから出力された電気信号の値を機構制御部206を介して取得し、これらロードセル114b、115bに加えられた重量を当該電気信号の値から検出し、ロードセル114b、115bの両方により測定された重量の合計から、ROM203に格納されているスピンドル113及びスピンドル支持部114a、115aの重量を減算し、ロール紙Rの重量wを取得する(ステップS3)。次いで、算出部201bは、重量取得部201aによって取得されたロール紙Rの重量wを利用して、ロール紙Rの外径Dを算出し(ステップS4)、外径Dを用いてトルクリミッタによる回転抵抗による張力Fを算出する(ステップS5)。
更に、算出部201bは、重量取得部201aによって取得されたロール紙Rの重量w等を利用して、慣性による張力fが一定となるような加速度aを算出する(ステップS6)。
【0043】
次いで、制御値決定部201cは、算出部201bによって算出された、回転抵抗による張力Fと、慣性による一定の張力fとに基づいて、所定の紙送りを行うための紙送りローラ212の駆動量の制御値を決定するとともに、算出部201bによって算出された加速度aを加速度の制御値として決定し(ステップS7)、当該駆動量の制御値と加速度の制御値をRAM204に格納する(ステップS8)。そして、その後、ステップS1に戻る。
このようにして、RAM204には、ロール紙Rの当該時点における重量wに基づいて算出された張力に応じた紙送りローラ212の駆動量の制御値が格納される。
これ以降において、搬送制御部201dにより、RAM204に格納された駆動量の制御値及び加速度の制御値に基づいて、機構制御部206を介して紙送りローラ212の回転が制御され、ロール紙Rから引き出された用紙が記録部120へ送られ、記録部120において所定の画像が記録される。
このため、紙送り時に紙のすべりが発生している状態においても、紙送りを高精度に行うことができる。また、紙送りを高精度に行うことができるので、用紙に画像を高精度に記録することができる。
【0044】
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明は上述した実施の形態に限られず、他の様々な態様に適用可能である。
例えば、上記実施形態では、用紙を加速して搬送する際について、トルクリミッタによる張力と、慣性による張力との双方の張力を考慮するようにしていたが、本発明はこれに限られず、いずれか一方についての影響を考慮するようにしてもよく、このようにすると紙送りの精度を向上することができる。
【0045】
例えば、いずれか一方が他方に比べて極端に小さい場合には、一方の影響のみを考慮するようにしてもよい。例えば、トルクリミッタによる張力の影響が極端に小さい場合、あるいは、トルクリミッタを備えていない場合においては、紙のすべりには慣性による張力が影響を及ぼすこととなるが、用紙を加速して搬送する場合における慣性による張力を一定にすることができるので、所望する紙送り量に対する駆動量をロール紙Rの使用状況によらずに一定にすることができる。このため、駆動量を逐次算出する処理を行う必要がなく、処理量を低減することができる。
【0046】
また、上記実施形態では、慣性による張力を一定にするように紙送りの加速度を決定するようにしていたが、本発明はこれに限られず、トルクリミッタによる張力Fと、慣性による張力とを合わせた合計張力が一定となるように加速度を決定するようにしてもよい。このようにすると、用紙を加速して搬送する場合における合計張力を一定にすることができるので、所望する紙送り量に対する駆動量を一定にすることができる。このため、状況に応じて加速時の駆動量を変える必要がない。なお、合計張力が一定となる加速度は、例えば、一定とすべき合計張力値からトルクリミッタによる張力Fを減算したものを、上記式(11)のfに代入することにより算出することができる。
また、上記実施形態では、紙送り調整を実施する時点か否かを判定するようにして、処理量を少なくするようにしていたが、本発明はこれに限られず、紙送りの調整を常に繰り返して実行するようにしてもよい。このようにすると、紙送りの精度を常に高く維持することができる。
【0047】
また、上記実施形態では、被搬送物の一例としての記録媒体を搬送する搬送装置を例に挙げていたが、本発明はこれに限られず、例えば、記録媒体以外の被搬送物を搬送する搬送装置にも適用することができる。
また、上記実施形態では、インクを吐出する記録装置を一例に説明したが、本発明はこれに限られず、例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルタ製造に用いる色材を吐出する記録装置、有機ELディスプレイや面発光ディスプレイ(FED)等の電極形成に用いられる電極材(導電ペースト)を吐出する記録装置、バイオチップ製造に用いられる生体有機物を吐出する記録装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態に係るプリンタの斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るプリンタの主要部の内部構成を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るプリンタの概略断面側面図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るロール紙ホルダの構成を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る制御部の機能構成図である。
【図6】用紙にかかるバックテンションと、用紙の紙送り量との関係を説明する図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る紙送り制御値決定処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0049】
100 インクジェット式プリンタ、110 給紙部、111 ロール紙ホルダ、113 スピンドル、114、115 スピンドル受け、114a、115a スピンドル支持部、114b、115b ロードセル、114c、115c 接続部、120 記録部、130 排紙部、140 脚部、150 インクカートリッジホルダ、200 制御部、201 CPU、201a 重量取得部、201b 算出部、201c 制御値決定部、201d 搬送制御部、202 通信I/F部、203 ROM、204 RAM、205 EEPROM、206 機構制御部、207 バス、210 搬送部、212 紙送りローラ、216 ステッピングモータ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロール状に巻回された被搬送物を引き出し可能に保持するロール保持手段と、
前記被搬送物を所定の引出方向に引き出す引出ローラと、
前記ロール状に巻回された前記被搬送物の重量を測定する重量測定手段と、
前記測定された重量に基づいて、前記被搬送物を引き出す際における前記ロール状の部分の慣性による抵抗力が所定の大きさになるように、前記被搬送物を引き出す際の前記引出ローラの変速駆動時の加速度を決定する加速度決定手段と、
前記加速度に基づいて、前記被搬送物を引き出す際の前記引出ローラの回転を制御するローラ制御手段と
を有する搬送装置。
【請求項2】
前記加速度決定手段は、前記被搬送物を引き出す際における前記ロール状の部分の慣性による抵抗力が一定の大きさになるように加速度を決定することを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記加速度決定手段は、前記被搬送物を引き出す際における前記ロール状の部分の慣性による抵抗力の大きさが、前記被搬送物を引き出す際における抵抗力を一定とすることのできる大きさとなるように加速度を決定することを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記被搬送物の密度、前記ロール状の部分の内径、及び前記被搬送物の幅に関する被搬送物情報を記憶する記憶手段を更に備え、
前記加速度決定手段は、前記重量及び前記被搬送物情報に基づいて前記加速度を算出することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項5】
ロール状に巻回された記録媒体を引き出し可能に保持するロール保持手段と、
前記記録媒体を所定の引出方向に引き出す引出ローラと、
前記ロール状に巻回された前記記録媒体の重量を測定する重量測定手段と、
前記測定された重量に基づいて、前記記録媒体を引き出す際における前記ロール状の部分の慣性による抵抗力が所定の大きさになるように、前記記録媒体を引き出す際の前記引出ローラの変速駆動時の加速度を決定する加速度決定手段と、
前記加速度に基づいて、前記記録媒体を引き出す際の前記引出ローラの回転を制御するローラ制御手段と、
前記引出ローラによって引き出された前記記録媒体に対して所定の画像を記録する記録手段と
を有する記録装置。
【請求項6】
ロール状に巻回された被搬送物を引き出し可能に保持するロール保持手段と、前記被搬送物を所定の引出方向に引き出す引出ローラとを有する搬送装置における搬送方法であって、
前記ロール状に巻回された前記被搬送物の重量を測定する重量測定ステップと、
前記測定された重量に基づいて、前記被搬送物を引き出す際における前記ロール状の部分の慣性による抵抗力が所定の大きさになるように、前記被搬送物を引き出す際の前記引出ローラの変速駆動時の加速度を決定する加速度決定ステップと、
前記加速度に基づいて、前記被搬送物を引き出す際の前記引出ローラの回転を制御するローラ制御ステップと
を有する搬送方法。
【請求項7】
ロール状に巻回された記録媒体を引き出し可能に保持するロール保持手段と、前記記録媒体を所定の引出方向に引き出す引出ローラと、前記引出ローラによって引き出された前記記録媒体に対して所定の画像を記録する記録手段とを有する記録装置における記録方法であって、
前記ロール状に巻回された前記記録媒体の重量を測定する重量測定ステップと、
前記測定された重量に基づいて、前記記録媒体を引き出す際における前記ロール状の部分の慣性による抵抗力が所定の大きさになるように、前記記録媒体を引き出す際の前記引出ローラの変速駆動時の加速度を決定する加速度決定ステップと、
前記加速度に基づいて、前記記録媒体を引き出す際の前記引出ローラの回転を制御するローラ制御ステップと、
前記引出ローラによって引き出された前記記録媒体に対して所定の画像を記録する記録ステップとを有する記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−246222(P2007−246222A)
【公開日】平成19年9月27日(2007.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−72494(P2006−72494)
【出願日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】